JP2011026826A - 車両用ドアロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用ドアのアウトサイドハンドルに配置されたキーシリンダにロッドを介して連結され前記キーシリンダの回動操作に応じてロック・アンロック動作を行うレバー機構をシンプルかつ安価に構成する。
【解決手段】ドアロック装置Aoは、キーシリンダの回動操作に応じてロック・アンロック動作を行うレバー機構A4を備えている。レバー機構A4は、ロッドの内端部がトルク伝達可能に連結される連結穴部を有してハウジング10に回転可能に組付けられるキーロータ42と、キーロータ42にトルク伝達可能に連結されるハブ部43cを有してハウジング10内に配設されるキーレバー43を備えている。キーレバー43は、ハブ部43cから径外方に延びてアクティブレバー41の第1係合部41a1と係合可能な第1アーム部43aと、ハブ部43cから径外方に延びてアクティブレバー41の第2係合部41a2と係合可能な第2アーム部43bを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用ドアロック装置に関する。
車両用ドアロック装置の一つとして、車両用ドアのアウトサイドハンドルに配置されたキーシリンダにロッドを介して連結されていて前記キーシリンダの回動操作に応じてロック動作・アンロック動作(施錠・解錠)を行うレバー機構を備えているものがあり、例えば、下記特許文献1に示されている。
特許第3777968号公報
上記した特許文献1に記載されている従来の車両用ドアロック装置においては、前記レバー機構が、図15および図16に示したように、前記ロッド9の内端部9aが車幅方向にて挿入されてトルク伝達可能に連結される連結穴部1aを有してハウジング2に回転可能に組付けられるキーロータ1と、前記ハウジング2と前記キーロータ1によって回転可能に支持されるとともに前記キーロータ1にトルク伝達可能に連結されるハブ部3aを有して前記ハウジング2内に配設されるキーレバー3と、このキーレバー3の前記ハブ部3aに設けた支持軸3a1に回転可能に組付けられるアイドルレバー4を備えている。前記アイドルレバー4は、前記支持軸3a1に回転可能に嵌合される丸孔4aと、前記ハブ部3aに設けた突起3a2を収容可能で前記丸孔4aを中心とする円弧状長孔4bと、前記ハウジング2内に回転可能に組付けられているアクティブレバー5の突起5aを挟持するU字状爪部4cを有している。
このため、前記アクティブレバー5がアンロック状態にあって、前記キーシリンダが初期状態(キーシリンダにキーを抜き差し可能な状態)からキーによってロック方向に回動操作されるときには、前記ロッド9を介して前記キーロータ1がロック方向に回転されると、前記キーレバー3が前記キーロータ1と一体的にロック方向に回転する。このときには、前記キーレバー3の突起3a2が前記アイドルレバー4の円弧状長孔4b内を所定量空転した後に円弧状長孔4bの一方の端壁に係合して、前記キーレバー3と前記アイドルレバー4が一体的にロック方向に回転する。これにより、前記アイドルレバー4のU字状爪部4cによってアクティブレバー5の突起5aがロック方向に押動されて、前記アクティブレバー5がロック方向に回動される。
一方、前記アクティブレバー5がロック状態にあって、前記キーシリンダが初期状態からキーによってアンロック方向に回動操作されるときには、前記ロッド9を介して前記キーロータ1がアンロック方向に回転されると、前記キーレバー3が前記キーロータ1と一体的にアンロック方向に回転する。このときには、前記キーレバー3の突起3a2が前記アイドルレバー4の円弧状長孔4b内を所定量空転した後に円弧状長孔4bの他方の端壁に係合して、前記キーレバー3と前記アイドルレバー4が一体的にアンロック方向に回転する。これにより、前記アイドルレバー4のU字状爪部4cによってアクティブレバー5の突起5aがアンロック方向に押動されて、前記アクティブレバー5がアンロック方向に回動される。
なお、前記アクティブレバー5がロック状態にある場合には、車両のドアを車両ボデーに対して開放可能な状態とすべく作動するオープン機構に介在するロック・アンロック部材(オープンリンク)が施錠位置(ロック位置)に保持されて、前記オープン機構の作動が規制されるため、前記アウトサイドハンドルが開操作されても、前記オープン機構が作動しなくて、車両のドアは車両ボデーに対して開放されない。
一方、前記アクティブレバー5がアンロック状態にある場合には、前記ロック・アンロック部材(オープンリンク)が解錠位置(アンロック位置)に保持されて、前記オープン機構の作動が許容されるため、前記アウトサイドハンドルが操作されると、前記オープン機構が作動して、車両のドアは車両ボデーに対して開放される。
(発明が解決しようとする課題)
上記した特許文献1に記載されている従来の車両用ドアロック装置においては、前記レバー機構が、図15および図16に示したように、キーロータ1とキーレバー3とアイドルレバー4の三部品を備える構成であるため、部品点数の削減が望まれている。
(課題を解決するための手段)
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、車両用ドアのアウトサイドハンドルに配置されたキーシリンダにロッドを介して連結されていて前記キーシリンダの回動操作に応じてロック動作・アンロック動作を行うレバー機構を備えている車両用ドアロック装置において、
前記レバー機構が、前記ロッドの内端部が車幅方向にて挿入されてトルク伝達可能に連結される連結穴部を有してハウジングに回転可能に組付けられるキーロータと、前記ハウジングと前記キーロータによって回転可能に支持されるとともに前記キーロータにトルク伝達可能に連結されるハブ部を有して前記ハウジング内に配設されるキーレバーを備えていて、
前記キーレバーが、前記ハブ部から径外方に延びて前記ハウジング内に回転可能に組付けられているアクティブレバーの第1係合部と係合可能な第1アーム部と、前記ハブ部から径外方に延びて前記アクティブレバーの第2係合部と係合可能な第2アーム部を備えており、
前記アクティブレバーがアンロック状態にあって、前記キーシリンダが初期状態からロック方向に回動操作されるときに、前記キーレバーの前記第1アーム部が所定量空転した後に前記アクティブレバーの前記第1係合部に係合して、前記アクティブレバーがロック方向に回動され、かつ、
前記アクティブレバーがロック状態にあって、前記キーシリンダが初期状態からアンロック方向に回動操作されるときに、前記キーレバーの前記第2アーム部が所定量空転した後に前記アクティブレバーの前記第2係合部に係合して、前記アクティブレバーがアンロック方向に回動されるように設定されていることに特徴がある。
(発明の作用効果)
本発明による車両用ドアロック装置においては、アクティブレバーがアンロック状態にあって、キーシリンダが初期状態からロック方向に回動操作されるときの作動と、アクティブレバーがロック状態にあって、キーシリンダが初期状態からアンロック方向に回動操作されるときの作動が、上記した従来の車両用ドアロック装置において得られる各作動と実質的に同じである。しかも、キーシリンダの回動操作に応じてロック動作・アンロック動作を行うレバー機構が、キーロータとキーレバーを備えているものの、アイドルレバーを備えていない構成である。このため、レバー機構にアイドルレバーが不要であり、当該ドアロック装置のレバー機構をシンプルかつ安価に構成することが可能である。
上記した本発明の実施に際して、前記第1アーム部と前記第2アーム部とは前記キーレバーの回転軸心方向に変位して設けられ、前記第1アーム部は前記第2係合部に係合不能であり、前記第2アーム部は前記第1係合部に係合不能であることも可能である。この場合には、前記第2アーム部が前記第1係合部に係合不能であるため、前記アンロック状態において、前記第2アーム部と前記第1係合部とを前記回転軸心方向に重ねて配置することができる。また、前記第1アーム部が前記第2係合部に係合不能であるため、前記ロック状態において、前記第1アーム部と前記第2係合部とを前記回転軸心方向に重ねて配置することができる。そのため、前記第1アーム部と前記第2アーム部との間を近づけることができ、前記キーレバーが大型化することを防止できる。
これらの場合において、前記キーレバーの前記ハブ部と前記第2アーム部間には、前記ロッドが前記キーレバーに向けて設定値以上の力で押動されたときに破損可能な脆弱部が設けられていることも可能である。この場合には、ロッドがキーレバーに向けて設定値以上の力で押動されたとき、キーレバーが脆弱部にて破損する。このため、かかる状態では、キーレバーにおいてハブ部から第2アーム部に回転が伝わらず、キーロータがアンロック方向に回転されても、アクティブレバーがアンロック方向に回動されることはない。したがって、当該ドアロック装置の盗難防止機能を高めることが可能である。
この場合において、前記ハウジングには、前記ロッドが前記キーレバーに向けて設定値以上の力で押動されたときに、前記キーレバーの前記脆弱部での破損を補助する破損補助部が設けられていることも可能である。この場合には、ハウジングに破損補助部を設けない場合に比して、ロッドがキーレバーに向けて設定値以上の力で押動されたときの、キーレバーの脆弱部での破損を確実とすることが可能であり、当該ドアロック装置の盗難防止機能を更に高めることが可能である。
また、上記した本発明の実施に際して、キーロータとキーレバーが同軸に配置されて一体化されていることも可能である。この場合には、レバー機構を単一部品で構成することが可能であり、当該ドアロック装置のレバー機構を更にシンプルかつ安価に構成することが可能である。
本発明による車両用ドアロック装置の一実施形態をドアの内部に配設してドアの後方側からみた後面図である。 図1に示した車両用ドアロック装置のアンロック状態での要部構成を車内側からみた側面図である。 図1に示した車両用ドアロック装置のロック状態での要部構成を車内側からみた側面図である。 図1〜図3に示した車両用ドアロック装置におけるオープン機構の一部とラッチ機構の分解斜視図である。 図1〜図3に示した車両用ドアロック装置におけるオープン機構、ロック機構及び電動式アクチュエータ等の分解斜視図である。 図2、図3、図5、図6に示したキーロータ、キーレバーおよびハウジングの関係を示す図2のX−X線での断面図である。 キーレバーとハウジングの関係を示す図2のY−Y線での断面図である。 図5に示したキーロータとキーレバーを組み合わせた状態の斜視図である。 図2、図3および図5に示したアクティブレバーのメインレバーがキーレバーによってアンロック状態からロック状態に回動されるときの作動説明図である。 図2、図3および図5に示したアクティブレバーのメインレバーがキーレバーによってロック状態からアンロック状態に回動されるときの作動説明図である。 図5〜図7に示したハウジングにおけるハウジングカバーのキーレバーを収容する部分をハウジングの内側からみた側面図である。 図6に示したキーロータにロッド軸方向の外力が作用してキーレバーとハウジングにおけるハウジングカバーが破損した場合の断面図である。 図12に示したようにハウジングにおけるハウジングカバーが破損する場合の図7相当部分の断面図である。 図12に示したようにキーレバーが破損した場合のキーロータとキーレバーの関係を示した斜視図である。 従来の車両用ドアロック装置における図6相当部分の断面図である。 図15に示した従来の車両用ドアロック装置におけるキーロータとキーレバーとアイドルレバーの分解斜視図である。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明による車両用ドアロック装置Aoを示していて、この車両用ドアロック装置Aoは、車両の前方右側に装備されるドアFDに装着されるものであり、図2および図3に示したように、オープン機構A1とロック機構A2と電動式アクチュエータA3を備えるとともに、オープン機構A1、ロック機構A2及び電動式アクチュエータA3を収容するハウジング10を備えている。ハウジング10は、図1、図4および図5に示したように、ハウジングボディ11と、このハウジングボディ11に組付けられるハウジングカバー12と、ハウジングボディ11とハウジングカバー12に組付けられるプロテクタ13(図5参照)を備えている。なお、ハウジングカバー12とドアFDの内板間には、シールリング91が組付けられる。
オープン機構A1は、車両のドアFDを車両ボデー(車体)に対して開放可能な状態とすべく、公知のラッチ機構20(図1および図4参照)をラッチ状態からアンラッチ状態に作動させるためのものである。ラッチ機構20は、ドアFDを車両ボデーに対して閉状態(ドアFDが閉じられた状態)で保持するためのもので、車両ボデーに固定されたストライカ(図示省略)と係脱可能なラッチ21を備えている。なお、ラッチ機構20は、図2および図3にて図示省略されているが、図4にて分解した状態で図示されていて、ハウジング10に組付けられた状態でドアFDに組付けられている(図1参照)。
このラッチ機構20は、ストライカに係合することで、ドアFDを閉状態に保持する(ラッチ状態)。ドアFDの閉状態において、ラッチ機構20は、ストライカから離脱することで、ドアFDを閉状態から開状態(ドアが車両ボデーに対して開放可能な状態)に移行させる(アンラッチ状態)。ラッチ機構20は、図4に示したように、ラッチ21、ポール22、リフトレバー23、ストッパ24を備えるとともに、クッションC1,C2、ラッチ用トーションスプリングS1、ポール用トーションスプリングS2を備えていて、これらの構成部品は、ベースプレート25、ケース26、サブベースプレート27に、スクリュー28、ピン29を用いて組付けられている。なお、ベースプレート25は、図4に示したシール部材92(図1では図示省略)を介してドアFDに組付けられる。
また、オープン機構A1は、図2および図3に示したように、アウトサイドオープンレバー31と、インサイドオープンレバー32と、オープンリンク33(ロック・アンロック部材)を備えている。アウトサイドオープンレバー31は、トーションスプリングS3とともにハウジングボディ11に組付けられていて、ドアFDの室外側に設けられるアウトサイドハンドル101(図1参照)にリンク機構L1を介して連係されており、アウトサイドハンドル101のプル操作により図1の時計方向に回転作動する。なお、アウトサイドオープンレバー31には、クリップ31a(図1、図4および図5参照)が組付けられている。
インサイドオープンレバー32は、ハウジングボディ11に設けられた支持シャフト11aに回転自在に組み付けられていて、ドアFDの室内側に設けられるインサイドハンドル(図示省略)に連係されており、インサイドハンドルのプル操作により図2および図3の反時計方向に回転作動する。オープンリンク33は、その下端部にてアウトサイドオープンレバー31に揺動自在に連結支持されていて、ロック機構A2の構成部品であるアクティブレバー41により、図2に示すアンロック位置と図3に示すロック位置との間で揺動可能である。このオープンリンク33が、図2に示すアンロック位置にある状態では、ドアFDを開状態にすべくラッチ機構20のリフトレバー23に係合可能であり、図3に示すロック位置にある状態では、ラッチ機構20のリフトレバー23に係合不能である。
また、オープンリンク33は、アウトサイドオープンレバー31の作動(アウトサイドハンドル101のプル操作)を受けて、または、インサイドオープンレバー32の作動(インサイドハンドルのプル操作)を受けて、図2及び図3に示す位置から装置上方向(図2及び図3の上方)に動かされる。このため、ドアFDの閉状態において、オープンリンク33が、図2に示すアンロック位置にあって、アウトサイドオープンレバー31またはインサイドオープンレバー32の作動を受けて上方向に動かされた場合、ラッチ機構20のリフトレバー23がオープンリンク33によって押されて回動し、ラッチ機構20がラッチ状態からアンラッチ状態に作動する。これにより、ドアFDは、閉状態から開状態に移行する。つまり、オープンリンク33が図2のアンロック位置にある時、ドアFDは解錠されている。
一方、ドアFDの閉状態において、オープンリンク33が、図3に示すロック位置にあって、アウトサイドオープンレバー31またはインサイドオープンレバー32の作動を受けて上方向に動かされた場合、オープンリンク33はラッチ機構20のリフトレバー23と係合せず、ラッチ機構20がラッチ状態のまま保持される。これにより、ドアFDは、閉状態のまま保持される。つまり、オープンリンク33が図3のロック位置にある時、ドアFDは施錠されている。
ロック機構A2は、オープン機構A1の作動を規制又は許容してドアFDの施錠又は解錠を行うものであり、上述したアクティブレバー41を備えるとともに、このアクティブレバー41を介して上述したオープンリンク33をロック位置又はアンロック位置に駆動するレバー機構A4を備えている。レバー機構A4は、図2、図3、図6に示したように、キーロータ(キーアウトサイドロッキングレバーと呼ばれることもある)42と、キーレバー(キースイッチレバーと呼ばれることもある)43を備えていて、図1に示したように、キーロータ42にて、アウトサイドハンドル101に配置されたキーシリンダ102に、ロッド103を介して連結されている。このため、レバー機構A4は、キーシリンダ102の回動操作(キーによるメカニカルキー操作)に応じて、ロック動作(アクティブレバー41を介してオープンリンク33をアンロック位置からロック位置に移動させる動作)、または、アンロック動作(アクティブレバー41を介してオープンリンク33をロック位置からアンロック位置に移動させる動作)を行うことが可能である。
アクティブレバー41は、ハウジングボディ11に設けられた支持シャフト11bにトーションスプリングS4(図5参照)とともに組み付けられていて、支持シャフト11bに回転自在に支持されている。このアクティブレバー41は、図5に示したように、メインレバー41aと、サブレバー41bと、ねじりばね41cとを備えている。メインレバー41aは、支持シャフト11bに回転自在に組付けられていて、キーレバー43の第1アーム部43aと係合可能で連係する第1係合部41a1と、キーレバー43の第2アーム部43bと係合可能で連係する第2係合部41a2を有するとともに、電動式アクチュエータA3と連係する係合部(ピン部)41a3を有している。サブレバー41bは、支持シャフト11bに回転自在に組付けられていて、メインレバー41aに対して所定量相対回転可能であり、オープンリンク33の長孔33aと連係する係合部(ピン部)41b1を有している。
ねじりばね41c(付勢部材)は、特開2006−266026号公報に記載されているねじりばねと同様に、メインレバー41aとサブレバー41bとの間に介装されていて、メインレバー41aに対してサブレバー41bを一方向(図2および図3の図示反時計周り方向)に回転付勢している。このため、メインレバー41aとサブレバー41bとは、図2および図3の図示時計周り方向(ロック方向)に関しては一体に回転し、アンロック方向に関しては、ねじりばね41cを介して回転する。
キーロータ42は、図6に示したように、ロッド103の内端部103aが車幅方向にて挿入されてトルク伝達可能に連結される非円形の連結穴部42aを有していて、ハウジング10のハウジングボディ11に設けた貫通孔11dにシールリング44を介して回転可能に組付けられている。また、キーロータ42は、キーレバー43のハブ部43cに設けた非円形の連結穴部43c1にトルク伝達可能に連結される連結突起部42bを有している。
キーレバー43は、図5および図8〜図10に示したように、キーロータ42にトルク伝達可能に連結されるハブ部43cを有するとともに、ハブ部43cから径外方に延びてアクティブレバー41におけるメインレバー41aの第1係合部41a1と係合可能な第1アーム部43aと、ハブ部43cから径外方に延びてメインレバー41aの第2係合部41a2と係合可能な第2アーム部43bを有している。第1アーム部43aと第1係合部41a1は、第2アーム部43bと第2係合部41a2に対して車外側(ハウジングボディ11側)に所定量変位して設けられていて(すなわち、第1アーム部43aと第2アーム部43b、および、第1係合部41a1と第2係合部41a2は、それぞれキーレバー43の回転軸心方向に所定量変位して設けられていて、)、キーレバー43の回動時に、第1アーム部43aが第2係合部41a2に係合しないように(図10の(a)、(b)参照)、また、第2アーム部43bが第1係合部41a1に係合しないように(図9の(a)参照)構成されている。
また、キーレバー43は、図6に示したように、ハブ部43cに設けた軸部43c2にてハウジング10のハウジングカバー12に回転可能に支持され、ハブ部43cに設けた突起部43c3にてキーロータ42の支持穴部42cに回転可能に支持されていて、キーロータ42と連結された状態(図6および図8参照)にてハウジング10に回転可能に組付けられている。なお、キーレバー43には、図5に示したコンタクト45(後述する第2ターミナル62と協働して機能するもの)が組付けられている。
電動式アクチュエータA3は、図2および図3に示したように、アクティブレバー41を介して上述したオープンリンク33をロック位置又はアンロック位置に駆動するものであり、電気モータ51とウォーム52とロッキングレバー53を備えている。電気モータ51は、ロック操作とアンロック操作に応じて駆動される公知のものであり、その作動を制御するために第1ターミナル61、第2ターミナル62、スイッチ63、コネクタ64等が設けられている。ウォーム52は、電気モータ51の出力軸51aに一体的に設けられていて、電気モータ51により回転駆動される。ロッキングレバー53は、ハウジングボディ11に設けられた支持シャフト11cに回転自在に組み付けられている。
このロッキングレバー53は、ウォーム52に噛合するセクタギヤ53aを有するとともに、アクティブレバー41におけるメインレバー41aの係合部(ピン部)41a3に連係する係合部(長孔)53bを有している。このため、電動式アクチュエータA3が作動すると、電気モータ51の駆動力により、ロッキングレバー53が傾転する。このロッキングレバー53の傾転に伴って、アクティブレバー41が回転し、このアクティブレバー41の回転がオープンリンク33に伝達されることで、ドアの施錠又は解錠が行われる。なお、この実施形態においては、セクタギヤ53aの形成角度が略45度とされていて、電動式アクチュエータA3を作動させた場合の作動応答性(ドアの施錠と解錠の切り替えに要する時間)が特開2006−266026号公報に記載されている電動式アクチュエータの作動応答性に比して高められている。
また、ロッキングレバー53には、ドアの室内側に設けられるロックノブ(図示省略)と連係する操作部53cが設けられている。操作部53cは、セクタギヤ53aおよび係合部53bと一体的に傾動するように構成されている。このため、ドアの室内側に設けられるロックノブがアンロック状態からロック状態(またはロック状態からアンロック状態)に操作されて、操作部53cが傾動すると、ロッキングレバー53の係合部53bが一体的に傾動して、アクティブレバー41が回転し、このアクティブレバー41の回転がオープンリンク33に伝達されることで、ドアFDの解錠状態から施錠状態(または施錠状態から解錠状態)に移行する。なお、このときには、セクタギヤ53aも一体的に回動して、ウォーム52と電気モータ51が連れ回るように回転する。
ところで、この実施形態においては、図9に示したように、アクティブレバー41のメインレバー41aがアンロック状態(図9の(a)の状態)にあって、キーシリンダ102が初期状態(キーシリンダ102にキーを抜き差し可能な状態)からロック方向に回動操作されるときに、キーレバー43の第1アーム部43aが図9の反時計方向に所定量(図9の(a)の状態から(b)の状態にまで回転する量)空転した後にメインレバー41aの第1係合部41a1に係合(当接)して、メインレバー41aがロック方向に回動されるように設定されている。なお、アクティブレバー41のメインレバー41aは、図9の(c)の状態まで回動されると、図5に示したトーションスプリングS4の機能によって、図9の(c)の状態から(d)の状態となるまでキーレバー43の回動に因らずに回転される。
また、この実施形態においては、図10に示したように、アクティブレバー41のメインレバー41aがロック状態(図10の(a)の状態)にあって、キーシリンダ102が初期状態からアンロック方向に回動操作されるときに、キーレバー43の第2アーム部43bが図10の時計方向に所定量(図10の(a)の状態から(b)の状態にまで回転する量)空転した後にメインレバー41aの第2係合部41a2に係合(当接)して、メインレバー41aがアンロック方向に回動されるように設定されている。なお、アクティブレバー41のメインレバー41aは、図10の(c)の状態まで回動されると、図5に示したトーションスプリングS4の機能によって、図10の(c)の状態から図10の(d)の状態となるまでキーレバー43の回動に因らずに回転される。
また、この実施形態においては、キーレバー43のハブ部43cと両アーム部43a、43b間に、ロッド103がキーレバー43に向けて設定値以上の力で押動されたときに破損可能な脆弱部43d(図6および図8参照)が設けられている。また、ハウジング10におけるハウジングカバー12のキーレバー43に対応する部分には、図11に仮想線にて示したように、破損補助部12aが設けられている。この破損補助部12aは、キーレバー43を回転可能に支持する円形部分を中心とする円弧状リブ12bと、この円弧状リブ12bの中間部内周から径内方に僅かに離れた直線状リブ12cをハウジングカバー12に形成することにより設けられていて、図12に示したように、ロッド103がキーレバー43に向けて設定値以上の力Fで押動されたときに、図12および図13に示したように自らも破損してキーレバー43の脆弱部43dでの破損(図12および図14参照)を補助する。なお、破損補助部12aの板厚は、適宜設定可能であり、一般部の板厚と同じであってもよく、溝等を設けて一般部の板厚より薄くして実施することも可能である。
上記した車両用ドアロック装置Aoにおいては、アクティブレバー41のメインレバー41aがアンロック状態にあって、キーシリンダ102が初期状態からロック方向に回動操作されるときの作動と、アクティブレバー41のメインレバー41aがロック状態にあって、キーシリンダが初期状態からアンロック方向に回動操作されるときの作動が、上記した従来の車両用ドアロック装置において得られる各作動と実質的に同じである。しかも、キーシリンダ102の回動操作に応じてロック動作・アンロック動作を行うレバー機構A4が、キーロータ42とキーレバー43を備えているものの、アイドルレバー(図15および図16のアイドルレバー4参照)を備えていない構成である。このため、レバー機構A4にアイドルレバーが不要であり、当該ドアロック装置Aoのレバー機構A4をシンプルかつ安価に構成することが可能である。
また、上記した車両用ドアロック装置Aoにおいては、第1アーム部43aと第2アーム部43bがキーレバー43の回転軸心方向に所定量変位して設けられ、第1アーム部43aはアクティブレバー41におけるメインレバー41aの第2係合部41a2に係合不能であり、第2アーム部43bはメインレバー41aの第1係合部41a1に係合不能である。このため、アンロック状態において、第2アーム部43bと第1係合部41a1とを前記回転軸心方向に重ねて配置することができる。また、ロック状態において、第1アーム部43aと第2係合部41a1とを前記回転軸心方向に重ねて配置することができる。そのため、第1アーム部43aと第2アーム部43bとの間を近づけることができ、キーレバー43が大型化することを防止できる。
また、上記した車両用ドアロック装置Aoにおいては、キーレバー43のハブ部43cと両アーム部43a、43b間に、ロッド103がキーレバー43に向けて設定値以上の力Fで押動されたときに破損可能な脆弱部43dが設けられている。このため、ロッド103がキーレバー43に向けて設定値以上の力Fで押動されたとき、図12および図14に示したように、キーレバー43が脆弱部43dにて破損する。したがって、かかる状態では、キーレバー43においてハブ部43cから各アーム部43a、43bに回転が伝わらず、キーロータ42がアンロック方向に回転されても、アクティブレバー41がアンロック方向に回動されることはない。したがって、当該ドアロック装置Aoの盗難防止機能を高めることが可能である。
また、上記した車両用ドアロック装置Aoにおいては、ハウジング10のハウジングカバー12に、ロッド103がキーレバー43に向けて設定値以上の力Fで押動されたときに、キーレバー43の脆弱部43dでの破損を補助する破損補助部12aが設けられている。このため、ハウジング10のハウジングカバー12に破損補助部12aを設けない場合に比して、ロッド103がキーレバー43に向けて設定値以上の力Fで押動されたときの、キーレバー43の脆弱部43dでの破損を確実とすることが可能であり、当該ドアロック装置Aoの盗難防止機能を更に高めることが可能である。なお、ハウジング10のハウジングカバー12に設けた破損補助部12aが図12および図13に示したように破損した場合には、ハウジングカバー12の破損によって生じた車幅方向の隙間を通してキーレバー43の破損したハブ部43cをハウジング10外に落とすことが可能である。
上記実施形態においては、ハウジング10のハウジングカバー12に破損補助部12aを設けて実施したが、これを設けないで実施することも可能である。また、上記した車両用ドアロック装置Aoにおいては、キーレバー43のハブ部43cと両アーム部43a、43b間に脆弱部43dを設けて実施したが、キーレバー43のハブ部43cと第2アーム部43b間にのみ脆弱部(43d)を設けて実施することも可能である。なお、キーレバー43に脆弱部43dを設けないで実施することも可能である。
また、上記実施形態においては、キーロータ42とキーレバー43が別部材で構成されていて、キーロータ42の回転軸がキーレバー43の回転軸に対して傾斜した状態にて連結可能に構成して実施したが、キーロータ(42)とキーレバー(43)が同軸に配置されて一体化される構成を採用して実施することも可能である。この場合には、レバー機構(A4)を単一部品で構成することが可能であり、当該ドアロック装置のレバー機構を更にシンプルかつ安価に構成することが可能である。
Ao…車両用ドアロック装置、A1…オープン機構、A2…ロック機構、A3…電動式アクチュエータ、A4…レバー機構、10…ハウジング、11…ハウジングボディ、12…ハウジングカバー、12a…破損補助部、20…ラッチ機構、31…アウトサイドオープンレバー、32…インサイドオープンレバー、33…オープンリンク(ロック・アンロック部材)、41…アクティブレバー、41a…アクティブレバーのメインレバー、41a1…第1係合部、41a2…第2係合部、41b…アクティブレバーのサブレバー、42…キーロータ、42a…連結穴部、43…キーレバー、43a…第1アーム部、43b…第2アーム部、43c…ハブ部、43d…脆弱部、51…電気モータ、52…ウォーム、53…ロッキングレバー、53a…セクタギヤ、53b…係合部、53c…操作部、101…アウトサイドハンドル、102…キーシリンダ、103…ロッド、103a…ロッドの内端部、FD…ドア

Claims (5)

  1. 車両用ドアのアウトサイドハンドルに配置されたキーシリンダにロッドを介して連結されていて前記キーシリンダの回動操作に応じてロック動作・アンロック動作を行うレバー機構を備えている車両用ドアロック装置において、
    前記レバー機構が、前記ロッドの内端部が車幅方向にて挿入されてトルク伝達可能に連結される連結穴部を有してハウジングに回転可能に組付けられるキーロータと、前記ハウジングと前記キーロータによって回転可能に支持されるとともに前記キーロータにトルク伝達可能に連結されるハブ部を有して前記ハウジング内に配設されるキーレバーを備えていて、
    前記キーレバーが、前記ハブ部から径外方に延びて前記ハウジング内に回転可能に組付けられているアクティブレバーの第1係合部と係合可能な第1アーム部と、前記ハブ部から径外方に延びて前記アクティブレバーの第2係合部と係合可能な第2アーム部を備えており、
    前記アクティブレバーがアンロック状態にあって、前記キーシリンダが初期状態からロック方向に回動操作されるときに、前記キーレバーの前記第1アーム部が所定量空転した後に前記アクティブレバーの前記第1係合部に係合して、前記アクティブレバーがロック方向に回動され、かつ、
    前記アクティブレバーがロック状態にあって、前記キーシリンダが初期状態からアンロック方向に回動操作されるときに、前記キーレバーの前記第2アーム部が所定量空転した後に前記アクティブレバーの前記第2係合部に係合して、前記アクティブレバーがアンロック方向に回動されるように設定されていることを特徴とする車両用ドアロック装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドアロック装置において、前記第1アーム部と前記第2アーム部とは前記キーレバーの回転軸心方向に変位して設けられ、前記第1アーム部は前記第2係合部に係合不能であり、前記第2アーム部は前記第1係合部に係合不能であることを特徴とする車両用ドアロック装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用ドアロック装置において、前記キーレバーの前記ハブ部と前記第2アーム部間には、前記ロッドが前記キーレバーに向けて設定値以上の力で押動されたときに破損可能な脆弱部が設けられていることを特徴とする車両用ドアロック装置。
  4. 請求項3に記載の車両用ドアロック装置において、前記ハウジングには、前記ロッドが前記キーレバーに向けて設定値以上の力で押動されたときに、前記キーレバーの前記脆弱部での破損を補助する破損補助部が設けられていることを特徴とする車両用ドアロック装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用ドアロック装置において、前記キーロータと前記キーレバーが同軸に配置されて一体化されていることを特徴とする車両用ドアロック装置。
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