JP3671503B2 - ドアロックアクチュエータ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドアに装備されるドアロック装置用のドアロックアクチュエータに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ドアロック装置は、オープンハンドルに結合され車体側のストライカと係脱自在なラッチとポールを当該ハンドルの操作により係脱（ラッチ状態及びアンラッチ状態）させるオープンレバー及びロッキングボタンに結合され当該係脱を当該ボタンの操作により不能又は可能（ロック状態及びアンロック状態）とさせるロッキングレバーを有するリンク機構と、リンク機構のロッキングレバーに連結されたロッキングアーム（当該ボタンの動きに連動する）を電動で操作し、当該ボタンと同様に前述係脱を不能又は可能とさせるドアロックアクチュエータとから構成される。このようなドアロック装置は、たとえば、特開昭６３−２７２８７４号公報、特公昭６２−６０７８号公報に開示される。
同公報に開示される如く、ドアロック装置に使用されるドアロックアクチュエータは、電動モータの出力軸に結合されたウオーム、ウオームと噛合うウオームホイール付きの回転体、回転体の回転運動に追従自在な作動レバー、作動レバーと一体にしてかつロッキングアームを動作させる作動軸とからなり、回転体上の突起を作動レバーの先端アーム部に当接させ、回転体の動きを作動レバーに伝達させるものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前述したドアロックアクチュエータの回転体の突起は、回転体の回転中心を中心とする円弧状に位置するので、作動レバーの作動軸中心と作動レバー先端アーム部と突起との当接点との間の寸法と、回転体の中心と当接点との間の寸法との比が小さいので、電動モータの回転トルクの伝達効率が必ずしも高いと云えない。
それ故に、本発明は、回転体から作動レバーへのトルク伝達効率をよくし、アクチュエータの高出力化と小型化を可能とさせることを解決すべき課題とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述した課題を解決するために、作動レバー先端に突起部をかつ回転体の上面にカム部材を設ける技術手段を採用する。
【０００５】
本発明は、具体的には、ケース内に収納された電動モータ、該電動モータの出力軸に結合されたウオーム、該ウオームと噛合うウオームホイールを有し、かつ少なくとも一端をケースに支持された支持軸に支持された回転体、回転体に形成されたカム部材、該カム部材と係合自在な突部を有しかつ支持軸とは離間した位置の作動軸に固定された作動レバーとを有し、カム部材は、回転体の回転角が大きくなるに従い突部との当接点が支持軸の中心方向へと寄るよう支持軸の中心を通る形状をなしている、ドアロックアクチュエータを提供する。
【０００６】
さらに本発明は、ケース内に収納された電動モータ、該電動モータの出力軸に結合されたウオーム、該ウオームと噛合うウオームホイールを有し、かつ少なくとも一端をケースに支持された支持軸に支持された回転体、回転体に形成されたカム部材、該カム部材と係合自在な突部を有しかつ支持軸とは離間した位置の作動軸に固定された作動レバーとを有し、作動レバーがカム孔を有し、該カム孔にケース側のボス又は回転体側のボスの少なくとも一方が挿通し、支持軸の両端をケースに支持させるドアロックアクチュエータを提供する。
【０００７】
本発明によれば、カム部材形状を任意に選定できるので、カム部材と作動レバー先端突起部との当接点と回転体の中心との寸法を、回転体の回転角増大とともに小さくし、高出力化が可能となるので、図６に示すように、トルク伝達の成される１５〜２４度の回転角範囲で出力トルクを従来より大とさせ得る。
【０００８】
回転体の支持軸の両端をケースに支持させ、かつ作動軸のカム孔に回転体のボスを挿通させるので、回転体と作動レバーとに不必要な振れがなく、確実な動作が可能となる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図１と図２を参照する。ドアロックアクチュエータ１は、ケース２内に納められた電動モータ３、電動モータ３の出力軸に固定されたウオーム４、ウオーム４と噛合うウオームホイール５をその外周面に設けた回転体６、回転体６をケース２内に保持させかつその両端をケース２に支持された支持軸７、支持軸７とは離間した位置に配された作動軸８、作動軸８と一体にしてかつ支持軸７方向へ延在する作動レバー９とを有す。
回転体６はカム部材１０を有し、作動レバー９はその先端に下向きの突起部１１を備える。
【００１０】
作動レバー９は、作動軸８の中心を中心とする円弧に沿うカム孔１２を有し、回転体６のボス部１４とケース２のボス部１３とが、カム孔１２に挿通され、このカム孔１２は作動レバー９の作動軸８を中心とする回動を案内する。支持軸７は、その両端をケース２に支持させるのでぐらつきがなく、このようにぐらつきのない支持軸７のほゞ全長に沿って保持される回転体６は、同様に、その回動中振れが生じない。
回転体６に設けたカム部材１０は、支持軸７の中心を通る鳥の羽根を拡げた形をなし、その両端は作動レバー９の先端側へと円弧状となっている。
図２に示すスプリング１５は、回転体６を中立位置に戻す働きをなし、本例では、ウオーム４とウオームホイール５とのねじれ角を、ウオームホイール５からウオーム４への回転トルク伝達時、ウオーム４をウオームホイール５により回転させるよう設定している。
【００１１】
図１に示す状態の中立位置から電動モータ３をオンとしてウオーム４とウオームホイール５を介して回転体６を一方向に回転させると（ロック方向又はアンロック方向）、回転体６のカム部材１０の先端が作動レバー９の先端の突起部１１に当接し、図３に示すように、この当接点を支持軸７の回転中心方向に引き寄せるようにして、作動レバー９を作動軸８とともに、本例では、反時計方向に回動させる。作動軸８の回動は、これと一体でリンク機構のロッキングレバーに連結されるロッキングアーム１６をドアロック又はドアアンロックを得る方向に回動させることになる。図４は作動レバー９を一方向に一杯に動かした状態を示し、この状態では、回転体６は図示しないストッパにより回転を阻止され、又、電動モータ３への通電は停止される。
【００１２】
電動モータ３への通電が停止されると、スプリング１５の附勢力により回転体６は、図１の中立位置即ち図５に示す位置へ戻ることになる。図５に示す状態と図１に示す状態とでは、突起物１１のカム部材１０に対する位置を異にする。
【００１３】
電動モータ３の逆回転は、作動レバー９を図５の位置から図１の位置へ戻し、ドアアンロック又はドアロックの状態を得ることになる。
ロッキングアーム１６の動きは、その回転角１５−２４度のとき大きなトルクを要するが、図６に示す如く、この角度範囲で高出力トルクが得られるよう回転体６が回転するので高効率のトルク伝達が可能となる。これは、カム部材１０と突起部１１の当接点が、回転角が大きくなるに従い支持軸７の中心方向へと寄り、この当接点と支持軸７の中心との間の寸法と、この当接点と作動軸８の中心との間の寸法の比を大きく取れることによる。云い換えれば、この大きな比を高出力伝達回転角領域にもってこれる。
【００１４】
カム孔１２へのボス部１３、１４の挿通は回転体６と作動レバー９の回転と回動軌跡を一定のものとさせる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一例のドアロックアクチュエータの平面図である。
【図２】図１のII−II矢視よりみた断面図である。
【図３】突起部とカム部材との当接を示す平面図である。
【図４】回転体の最終回転位置を示す平面図である。
【図５】図４の位置から中立の位置へ回転体を戻した状態を示す平面図である。
【図６】回転体の回転角度に対する出力トルクの関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
２ ケース
３ 電動モータ
４ ウオーム
５ ウオームホイール
６ 回転体
７ 支持軸
８ 作動軸
９ 作動レバー
１０ カム部材
１１ 突起部
１２ カム孔
１３、１４ ボス部

Claims (3)

1. ケース内に収納された電動モータ、該電動モータの出力軸に結合されたウオーム、該ウオームと噛合うウオームホイールを有し、かつ少なくとも一端をケースに支持された支持軸に支持された回転体、回転体に形成されたカム部材、該カム部材と係合自在な突部を有しかつ支持軸とは離間した位置の作動軸に固定された作動レバーとを有し、カム部材は、電動モータへの通電により回転体が回転している間回転体の回転角が大きくなるに従い突部との当接点が支持軸の中心方向へと寄るよう支持軸の中心を通る形状をなしている、ドアロックアクチュエータ。
2. ケース内に収納された電動モータ、該電動モータの出力軸に結合されたウオーム、該ウオームと噛合うウオームホイールを有し、かつ少なくとも一端をケースに支持された支持軸に支持された回転体、回転体に形成されたカム部材、該カム部材と係合自在な突部を有しかつ支持軸とは離間した位置の作動軸に固定された作動レバーとを有し、作動レバーがカム孔を有し、該カム孔にケース側のボス又は回転体側のボスの少なくとも一方が挿通し、支持軸の両端をケースに支持させるドアロックアクチュエータ。
3. 作動軸にドアロック機構のロッキングレバーを結合させるアームを固定させた請求項１記載のドアロックアクチュエータ。

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