JP2010231774A - 基準電流源回路 - Google Patents

基準電流源回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2010231774A
JP2010231774A JP2010040627A JP2010040627A JP2010231774A JP 2010231774 A JP2010231774 A JP 2010231774A JP 2010040627 A JP2010040627 A JP 2010040627A JP 2010040627 A JP2010040627 A JP 2010040627A JP 2010231774 A JP2010231774 A JP 2010231774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
circuit
power supply
supply circuit
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010040627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4837111B2 (ja
Inventor
Tetsuya Hirose
哲也 廣瀬
Toyoaki Kito
豊明 鬼頭
Yuji Osaki
勇士 大▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Technology Academic Research Center
Original Assignee
Semiconductor Technology Academic Research Center
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Technology Academic Research Center filed Critical Semiconductor Technology Academic Research Center
Priority to JP2010040627A priority Critical patent/JP4837111B2/ja
Priority to US12/713,362 priority patent/US8305134B2/en
Publication of JP2010231774A publication Critical patent/JP2010231774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4837111B2 publication Critical patent/JP4837111B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05FSYSTEMS FOR REGULATING ELECTRIC OR MAGNETIC VARIABLES
    • G05F3/00Non-retroactive systems for regulating electric variables by using an uncontrolled element, or an uncontrolled combination of elements, such element or such combination having self-regulating properties
    • G05F3/02Regulating voltage or current
    • G05F3/08Regulating voltage or current wherein the variable is dc
    • G05F3/10Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics
    • G05F3/16Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics being semiconductor devices
    • G05F3/20Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics being semiconductor devices using diode- transistor combinations
    • G05F3/24Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics being semiconductor devices using diode- transistor combinations wherein the transistors are of the field-effect type only
    • G05F3/242Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics being semiconductor devices using diode- transistor combinations wherein the transistors are of the field-effect type only with compensation for device parameters, e.g. channel width modulation, threshold voltage, processing, or external variations, e.g. temperature, loading, supply voltage

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Amplifiers (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Abstract

【課題】ナノアンペアオーダーの微小電流領域で動作する電源回路において、温度や電源電圧などの周囲環境が変化しても一定の基準電流を出力することができる基準電流源回路を提供する。
【解決手段】基準電流源回路は、電流生成用nMOSFETを備え電子移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第1の電流を生成するnMOS構成電源回路11,21と、電流生成用pMOSFETを備えホール移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第2の電流を生成するpMOS構成電源回路12,22と、上記第1の電流から上記第2の電流を減算することにより一定の基準電流を生成する電流減算回路13とを備えて構成される。
【選択図】図15

Description

本発明は、温度や電源電圧などの周囲環境が変化しても一定の電流を出力することができる基準電流源回路に関する。
ネットワーク環境の急速な発展や情報通信機器の小型化等により、近い将来、ユビキタスネットワーク社会の実現が期待されている。ユビキタスネットワーク社会では、身の回りのあらゆる場所に埋め込まれたセンサデバイスから我々が必要としている様々な情報を得ることができる。このような社会を実現するためには、我々の周囲の情報をセンシングするスマートセンサLSIの開発が不可欠となっている。このようなスマートセンサLSIは、超低消費電力で長時間に渡り連続動作しなければならないため、周囲の環境エネルギーから電力を取得する、もしくは超小型電池を電源とするなど、いずれにしても極めて限られた電力供給のもとで動作させる必要がある。
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)LSIの消費電力は、これまで素子の微細化やこれに伴う電源電圧の低減により削減されてきた。しかし、金属酸化半導体電界効果トランジスタ(以下、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)という。))の強反転領域での動作を前提とした現行の回路設計では、消費電力を大幅に削減することは困難となってきている。なお、当該明細書等において、pチャネルMOSFETをpMOSFET又はpMOSといい、nチャネルMOSFETをnMOSFET又はnMOSという。
そこで、このような回路システムの消費電力を格段に低減する手法として、MOSFETのサブスレッショルド領域での動作を前提とした回路設計を行うことが挙げられる。MOSFETをサブスレッショルド領域で動作させた時の電流はナノアンペア(nA)オーダであるため、回路システムの消費電力をマイクロワット(μW)オーダ以下に抑えることが可能となる。これは、ボタン電池等の微小エネルギー源のもとで回路を動作させた場合を想定すると、数年間に渡る長期の連続動作が可能な回路システムを構築することができる。
本発明に関連する先行技術文献は以下の通りである。
特開平11−231955号公報。 特開2001−344028号公報。 特開2005−301410号公報。
R. Jacob Baker et al., "CMOS CIRCUIT DESIGN, LAYOUT, AND SIMULATION", IEEE Press Series on Microelectronic Systems, 2004. H. J. Oguey et al., "CMOS Current Reference Without Resistance", IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol.32, No.7, pp.1132-1135, July 1997. T. Hirose et al., ""Temperature-compensated CMOS current reference circuit for ultralow-power subthreshold LSIs", IEICE Electronics Express, Vol.5, No.6, pp.204-210, June 2008. K. Ueno et al., "A 0.3-μW, 7 ppm/°C CMOS voltage reference circuit for on-chip process monitoring in analog circuits", Proceedings of the 34th European Solid-State Circuits Conference, pp. 398-401, September 2008. 上野憲一ほか,「MOSFETのしきい値電圧を参照した基準電圧源回路」,VDECデザイナーフォーラム2008,P−09,2008年6月。 吉井一馬ほか,「サブスレッショルドLSIのための基準電流源回路」,電子情報通信学会総合大会講演論文集,エレクトロニクス,C−12−29,電子情報通信学会発行,2007年3月. K. Ueno et al., "Current reference circuit for subthreshold CMOS LSIs", 2008 International Conference on Solid State Devices and Materials, Ibaraki, Japan, September 2008.
サブスレッショルド領域での動作を前提とした回路設計により低消費電力化が可能となる一方、このような動作領域でのMOSFETの特性は、温度変化やプロセスバラツキに対して敏感に変動する問題がある。スマートセンサLSIは、様々な環境の下で使用されることが予測されるため、これらの特性の変動を無視することはできない。このような回路システムを安定動作させるためには、あらゆる環境において常に一定の電流を供給する必要があり、そのためにはまず超低消費電力で、温度や電源電圧の変動に対して安定に動作する基準電流源回路の構築が必要となる。
まず、従来技術に係る基準電流源回路について以下に説明する。以下、MOSFETのキャリア移動度、電圧電流特性、及び電流源回路において重要な役割を果たすカレントミラー回路について説明する。また既存の基準電流源回路の動作原理について説明する。
最初に、MOSFETのキャリア移動度について以下に説明する。MOSFETは一種類のキャリア(nMOSは電子、pMOSはホール)で動作するユニポーラデバイスである。シリコン中のキャリアは電界の存在下で起きるドリフトと電子あるいはホールの濃度勾配によって生じる拡散によって運動する。ここではドリフト電流について議論する。自由キャリアと導電性をもつ媒体に電界が加えられたとき、キャリアは加速され、熱的なランダム運動に重ね合わされたドリフト速度を得る。低電界の下では、ドリフト速度vは電界強度εに比例する。その比例係数は移動度と呼ばれ、以下の関係を得る。
Figure 2010231774
ここで、移動度μはキャリアの有効質量に反比例する。電子の質量はホールの質量よりも小さいため、電子の移動度はホールの移動度よりも大きい。キャリアの散乱機構には、フォノン散乱(熱振動)、不純物散乱、キャリア間のクーロン散乱、及び中性不純物原子による散乱がある。高温ではフォノン散乱が支配的となり移動度μ(T)は次式で表される。
Figure 2010231774
すなわち、移動度μ(T)は温度Tが上昇するとともに小さくなる特性を持つ。ここで、Tは室温を示し、mはCMOSテクノロジに依存した移動度の温度係数を示す。電子とホールの移動度の温度係数mの値は異なる。従って、電子をキャリアとするnMOSとホールをキャリアとするpMOSの温度依存性は異なる。
図1は従来技術に係るMOSFETのゲート・ソース間電圧VGS対ドレイン電流(線形スケール)I特性を示すグラフであり、図2は従来技術に係るMOSFETのゲート・ソース間電圧VGS対ドレイン電流(対数スケール)I特性を示すグラフである。図1及び図2において、ゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧VTHよりも大きい領域を強反転領域と呼び、ゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧VTHよりも小さい領域をサブスレッショルド領域(弱反転領域)と呼ぶ。図1から、強反転領域ではドレイン電流Iが電圧(VGS−VTH)に依存して増加しているが、サブスレッショルド領域では電流が流れていないように見える。しかし、図2に示すようにドレイン電流Iを対数スケールで表すとサブスレッショルド領域での電流は0ではなく、微小の電流が流れていることがわかる。
図3は従来技術に係るMOSFETのドレイン・ソース間電圧VDS対ドレイン電流I特性を示すグラフである。すなわち、強反転領域のドレイン・ソース間電圧VDSとドレイン電流Iの関係を図3に示す。図3の点線の左側(VDS<VGS−VTH)を線形特性領域(非飽和特性領域)、図3の右側(VDS>VGS−VTH)を飽和特性領域と呼ぶ。線形特性領域では、ドレイン電流Iはドレイン・ソース間電圧VDSに依存しており、次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、β=μCOXKであり、μはキャリア移動度、COXは単位面積当たりの酸化膜容量、Kはアスペクト比(=W/L)、Wはゲート幅、Lはゲート長である。ドレイン・ソース間電圧VDSが十分に小さいとき、式(3)は次式で近似することができる。
Figure 2010231774
式(4)から、この領域で動作するMOSFETは、VDSが十分に小さい時、大きな抵抗として扱うことができる。一方、飽和特性領域では、次式で表される。
Figure 2010231774
上記式(5)で表せるため、ドレイン電流Iはドレイン・ソース間電圧VDSに依存せず、ゲート・ソース間電圧VGSによって決定される。
サブスレッショルド領域でのMOSFETには微小の電流が流れているため、この領域を前提とした回路設計の採用により、回路システムの消費電力を大幅に削減することが可能となる。このときのMOSFETのドレイン電流Iは、ドレイン・ソース間電圧VDSが例えば0.1V以下(サブスレッショルド線形領域)の場合、次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、I=μCOX (η−1)であり、V(=kT/q)は熱電圧、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電荷素量、ηはサブスレッショルドスイング係数である。また、ドレイン・ソース間電圧VDSが例えば0.1V以上の場合、次式で近似できる。
Figure 2010231774
上記式(7)で近似できるため、ドレイン電流Iはドレイン・ソース間電圧VDSに依存せず、ゲート・ソース間電圧VGSによって決定される。
図4は従来技術に係るカレントミラー回路を示す回路図である。上述したように、飽和特性領域では、ドレイン電流Iはドレイン・ソース間電圧VDSに依存せず、ゲート・ソース間電圧VGSによって決定される。このような特性領域で動作するMOSFETを図4のように接続すると、2個のMOSFETM1,M2のゲート・ソース間電圧VGSが等しくなるため、式(5)から出力電流Ioutは次式で表される。
Figure 2010231774
従って、MOSFETM1とMOSFETM2のアスペクト比K1、K2によって様々な電流値を得ることができ、MOSFETM1とMOSFETM2が同サイズであれば、ドレイン電圧に依存せず等しい電流をコピーすることができる。これは、サブスレッショルド領域でドレイン・ソース間電圧VDSが例えば0.1V以上の場合でも同様のことがいえる。しかし、実際のMOSFETのドレイン電流Iはチャネル長変調効果により、ドレイン・ソース間電圧VDSに依存する。強反転領域の場合,これは次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、βはMOSFETの設計パラメータで決まる定数であり、ドレイン・ソース間電圧VDSに依存するため、MOSFETM1とM2のドレイン・ソース間電圧VDSの相違により、基準出力電流Irefと出力電流Ioutとの間にわずかな誤差が生じる。ここで、λはチャネル長変調係数であり、1/Lに比例するためゲート長Lが長いほど誤差は小さくなる。
図4のカレントミラー回路では出力電圧がΔVoutだけ変動すると、MOSFETM2の出力抵抗ro2を介して出力電流が変化する。この電流の変化量をΔIoutとすると、次式で表される。
Figure 2010231774
従って、出力抵抗ro2が大きいほど出力電流の変化量ΔIoutは小さくなり、カレントミラー回路の精度が向上する。
図5は従来技術に係るカスコードカレントミラー回路を示す回路図である。出力抵抗を大きくする方法として、図5に示すカスコード接続が挙げられる。カスコード接続によりMOSFETM2のドレイン抵抗ro2が、MOSFETM4の真性利得gm4o4倍された(gm4o4)ro2となる。従って、出力電流の変化量ΔIoutは、次式で表される。
Figure 2010231774
式(10)よりさらにMOSFETM4の真性利得gm4o4だけ小さく抑えることができる。ただし、カスコード接続を用いた場合、MOSFET対を一段多く接続するためMOSFETが動作するのに要する電圧(オーバードライブ電圧)が余分に必要となり、電源電圧の下限値の増大を招くという問題点がある。
図6は従来技術に係る帰還型オペアンプ回路を示す回路図である。オペアンプ53は、図6のように、帰還回路54により出力信号の一部を入力側に負帰還すると、帰還回路の働きにより入力信号の差がなくなるように出力端子電圧が変化する。このように、フィードバックをかけたオペアンプ53の2つの入力端子の電圧は等しくなり、これを仮想短絡と呼ぶ。上述したように、カレントミラー回路の精度は2つのMOSFET対のドレイン・ソース間電圧VDSの差が小さいほど向上する。従って、オペアンプ53の仮想短絡を利用することで2つのMOSFET対のVDSが一致し、カレントミラー回路の精度を向上させることができる。
図7は従来技術に係るベータ乗算型自己参照バイアス回路を示す回路図である(例えば、非特許文献1参照。)。MOSFETMp1とMp2はゲート・ソース間電圧が共通であり、カレントミラー回路を構成しているため、両者には等しい電流が流れる。従って、MOSFETMn1とMn2にも等しい電流が流れ、これらのMOSトランジスタをサブスレッショルド領域で動作させた場合、電流はともに式(7)で表せる。しかし、MOSFETMn1のソースに抵抗Rが接続されているため、MOSFETMn1のゲート・ソース間電圧VGSn1はMOSFETMn2のゲート・ソース間電圧VGSn2よりも小さくなる。従って、MOSFETMn1とMOSFETMn2を次式を満たす。
Figure 2010231774
ここで、Vは抵抗Rにかかる電圧を示している。図7の回路構成から、この回路全体には等しい電流が流れ、流れる電流は抵抗Rの大きさによって決定される。しかし、ベータ乗算型自己参照バイアス回路をサブスレッショルド領域で動作させるためには、回路を流れる電流を数nAオーダにする必要がある。そのためには抵抗Rを非常に大きな抵抗値にする必要があり、チップ面積の増大を招くという問題が生じる。
図8は、非特許文献2において開示された第1の従来例に係る基準電流源回路の構成を示す回路図である。この回路では、MOSFETMを強反転線形領域で動作させ、MOSFETMはMOSFETMに十分大きなバイアス電圧を与えるために強反転飽和領域で動作させる。上述したように、強反転線形領域で動作させたMOSトランジスタは抵抗として扱うことができるため、ベータ乗算型自己参照バイアス回路で問題となっていた抵抗によるチップ面積の増大を改善することができる。この回路の動作原理を以下に説明する。
当該回路で生成される電流は、強反転線形領域で動作するMOSFETM(電流生成トランジスタ)により決定される。すなわち、当該回路を流れる電流Iは式(4)から、次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、βはMOSFETMの設計パラメータ、VはMOSFETMのゲートに印加されるバイアス電圧、VDSRはMOSFETMのドレイン・ソース間電圧である。図8のMOSFETMn1とMOSFETMn2はサブスレッショルド領域で動作するため式(7)から、次式で表される。
Figure 2010231774
このことから、図8のMOSFETMの設計パラメータβとドレイン・ソース間電圧VDSRを制御することにより、微小電流を生成することができる。上記式(13)及び(14)で表される電流の温度依存性を考える。キャリア移動度μとしきい値電圧VTHの温度依存性はそれぞれ次式で表される。
Figure 2010231774
Figure 2010231774
ここでTは室温、μ(T)は室温での移動度、mはCMOSテクノロジに依存した移動度の温度係数、VTH0は絶対零度でのしきい値電圧、κはしきい値電圧の温度係数である。このとき、出力電流Iの温度係数TCは、次式で表される。
Figure 2010231774
また、図8のMOSFETMは飽和領域で動作しているため、式(5)から、MOSFETMのゲートに印加されるバイアス電圧Vは次式で表される。
Figure 2010231774
従って、式(17)は、次式で表される。
Figure 2010231774
一般的なMOSFETのパラメータmの値は約1.5であるため、出力電流の温度係数は常に正となる。すなわち、温度上昇とともに電流値が増大する特性を持つ。このことから、以下ではこの電流源回路をPTC(Positive Temperature Coefficient)電流源回路と呼ぶ。動作温度が変動する環境において使用した場合、この電流源回路の出力電流は温度とともに電流値が増加し、一定電流を供給できない問題が生じる。
図9は、非特許文献4,5において開示された、第2の従来例に係る基準電圧源回路の構成を示す回路図である。当該回路は、電圧源としての使用が報告されており、電流源としての使用方法は想定されていない。しかし、当該回路を流れる電流に特徴的な性質、すなわちしきい値電圧のバラツキに対して安定に電流を生成できる特徴を持つ。当該回路は、図9に示すように、電流源サブ回路51と、電圧源サブ回路52とから構成される。電圧源サブ回路52から生成される出力電圧Vrefの温度係数が0になるように各MOSトランジスタのサイズを設定することにより、出力電圧Vrefは、次式で表される。
Figure 2010231774
この出力電圧Vrefが電流生成トランジスタMにバイアスされるため、この回路の出力電流Iは、式(7)、式(13)及び式(16)より、次式で表される。
Figure 2010231774
Figure 2010231774
この回路の出力電流Iの温度係数TCは式(17)から、次式で表される。
Figure 2010231774
従って、当該回路の出力電流Iの温度係数TCは常に正となる。すなわち、温度上昇とともに電流量が増大する。第1の従来例に係る基準電流源回路では、電流生成トランジスタMに式(18)で示される強反転飽和領域で動作するMOSFETMのゲート・ソース間電圧VGSがバイアスされるため出力電流は次式で表される。
Figure 2010231774
これに対し、この回路では絶対零度におけるMOSFETのしきい値電圧がバイアスされるため、出力電流Iは式(21)で示す式となる。式(24)の
Figure 2010231774
は製造プロセスにおけるバラツキによって値が変動する。それに対し、式(21)のκTはプロセスバラツキに対して安定であるため、この回路の出力電流はプロセスバラツキに対する影響が小さいことが予測できる。
図10は、例えば非特許文献6において開示された、第3の従来例に係る基準電流源回路の構成を示す回路図である。上述の第1及び第2の従来例に係る基準電流源回路は温度に比例して電流が増大するという問題点がある。そこで、温度に比例して電流が減少する特性を持つ電流源回路、すなわちNTC(Negative Temperature Coefficient)電流源回路を別途構成し、これらの電流を加算して電流の温度特性の改善を図ることが例えば非特許文献6において開示されている。
図10の回路は、PTC電流源回路61と、NTC電流源回路62と、電流加算回路63とを備えて構成され、カレントミラーの精度を上げるためカスコード接続を採用している。NTC電流源回路62は、PTC電流源回路61のMOSFETMB1の代わりにサブスレッショルド領域で動作するMOSFETMB2と飽和領域で動作するMOSFETMB3を接続したものである。このときNTC電流源回路62の電流生成トランジスタMR2のゲート・ソース間電圧VB2は、次式で表される。
Figure 2010231774
出力電流Irefの温度係数TCは式(17)及び(25)から、次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、Tは温度、VTH0は絶対零度でのしきい値電圧、κはしきい値電圧の温度係数であり、電圧Vは次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、パラメータκTは絶対零度でのしきい値電圧VTH0に比べて非常に小さな値となるため、式(26)は、次式で表される。
Figure 2010231774
従って、NTC電流源回路62の出力電流Iの温度係数TCは常に負となる。以上のことから、PTC電流源回路61から生成される温度係数が正である電流と、NTC電流源回路62から生成される温度係数が負である電流とを、電流加算回路63に入力することで、温度係数が0である電流を出力する基準電流源回路(図10)を構成することができる。ただし、NTC電流源回路62の電流生成トランジスタMR2には式(25)に示す電圧VB2が印加されてバイアスされるため、NTC電流源回路62の出力電流INTCは式(13)及び式(25)から、次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、式(28)及び式(29)に着目すると両式ともにしきい値電圧VTH(∝VTH0)を含む。絶対零度でのしきい値電圧VTH0はプロセスバラツキに対して大きく変動し、電流特性が大きく変動する。従って、このようなNTC電流源回路62を用いて一定電流を生成する手法では、プロセスバラツキによって電流特性が大きく変動する可能性がある。以上の従来例に係る問題点を整理すると以下のようになる。
従来は、シリコンのバンドギャップを参照した電圧源回路を利用して一定電流を生成する手法がとられていた(例えば、特許文献1参照。)。図11(a)は従来技術に係る定電流を生成する方法を示す図であって、温度とともに電流が増大するPTAT(Proportional To Absolute Temperature)電流71と、温度とともに電流が減少CTAT(Conversely Proportional To Absolute Temperature)電流72の温度変化を示すグラフであり、図11(b)は図11(a)のPTAT電流71とCTAT電流72とを加算して一定の電流を得ることを示すグラフである。すなわち、図11(a)及び図11(b)に示すように、PTAT電流71とCTAT電流72とを加算することにより、温度が変化しても一定の電流を得ることができる。
しかしながら、バンドギャップ電圧源回路は電力が大きい問題点があること、また抵抗を使用するため低電流で動作させたときに実装面積が増加する問題点がある。これらの電流源回路では、回路的に温度とともに上昇する電流と減少する電流を生成し、これを加算することで温度に対して変化しない定電流を生成していた。
上述の第1及び第2の従来例では、ナノアンペアオーダーの微小電流領域で動作する電源回路が提案されている。これらの回路を流れる電流は温度とともに上昇する特性をもつ。第3の従来例では、温度が変化しても一定の電流を得ることができるが、しきい値電圧のバラツキの影響を強く受け、電流量が大きく変化する特性をもつ。第1及び第2の従来例では、プロセスバラツキに対して安定に動作するが、次の問題がある。図12(a)従来技術に係る微小電流生成回路の場合においてCTAT電流72を生成できないことを示すグラフであり、図12(b)は図12(a)の結果、温度依存性のない基準電流出力が得られないことを示すグラフである。図12(a)及び図12(b)に示すように、従来技術に係るバンドギャップを参照した基準電圧源回路のように温度とともに減少する電流を生成できないため、温度に対して一定の基準電流源回路を構築することができなかった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、ナノアンペアオーダーの微小電流領域で動作する電源回路において、温度や電源電圧などの周囲環境が変化しても一定の基準電流を出力することができる基準電流源回路を提供することにある。
本発明に係る基準電流源回路は、
電流生成用nMOSFETを備え、電子移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第1の電流を生成する第1の電源回路と、
電流生成用pMOSFETを備え、ホール移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第2の電流を生成する第2の電源回路と、
上記第1の電流から上記第2の電流を減算することにより一定の基準電流を生成する電流減算回路とを備えたことを特徴とする。
上記基準電流源回路において、上記第1の電源回路は複数の第1の電流を発生し、上記第2の電源回路は複数の第2の電流を発生し、上記減算回路は上記複数の第1の電流及び上記複数の第2の電流に基づいて一定の基準電流を生成することを特徴とする。
また、上記基準電流源回路において、上記第1の電源回路は、
上記電流生成用nMOSFETを強反転領域で動作させるためにゲートバイアス電圧を生成する第1のゲートバイアス電圧生成回路と、
上記電流生成用nMOSFETのドレインバイアスを生成する第1のドレインバイアス生成回路とをさらに備え、
上記第2の電源回路は、
上記電流生成用pMOSFETを強反転領域で動作させるためにゲートバイアス電圧を生成する第2のゲートバイアス電圧生成回路と、
上記電流生成用pMOSFETのドレインバイアスを生成する第2のドレインバイアス生成回路とをさらに備えたことを特徴とする。
さらに、上記基準電流源回路において、上記第1のゲートバイアス電圧生成回路は複数の差動対又は複数の差動対回路を用いて構成され、上記第2のゲートバイアス電圧生成回路は複数の差動対又は複数の差動対回路を用いて構成されたことを特徴とする。
またさらに、上記基準電流源回路において、
上記第1の電源回路は、上記電流生成用nMOSFETと、上記第1のドレインバイアス生成回路と、上記第1のゲートバイアス電圧生成回路とに対し、電源電流を供給する第1のカレントミラー回路をさらに備え、
上記第2の電源回路は、上記電流生成用pMOSFETと、上記第2のドレインバイアス生成回路と、上記第2のゲートバイアス電圧生成回路とに対し、電源電流を供給する第2のカレントミラー回路をさらに備えたことを特徴とする。
さらに、上記基準電流源回路において、
上記第1のカレントミラー回路は電源電圧の変動に伴う電源電流の変動を抑制する第1のオペアンプを備え、
上記第2のカレントミラー回路は電源電圧の変動に伴う電源電流の変動を抑制する第2のオペアンプを備えたことを特徴とする。
上記基準電流源回路において、上記第1の電源回路と上記第2の電源回路はそれぞれスタートアップ回路をさらに備え、
上記スタートアップ回路は、
上記第1の電源回路と上記第2の電源回路の非動作時を検出する検出回路と、
上記検出回路により上記第1の電源回路と上記第2の電源回路の非動作時が検出されたとき、上記第1の電源回路と上記第2の電源回路に所定の電流を流すことにより上記第1の電源回路と上記第2の電源回路を起動する起動トランジスタ回路とを備えたことを特徴とする。
また、上記基準電流源回路において、上記第1の電源回路と上記第2の電源回路の上記スタートアップ回路はさらに、上記検出回路にバイアス動作電流を供給する電流供給回路を備え、
上記電流供給回路は、
電源電圧から所定の微小電流を発生する微小電流発生回路と、
上記発生された微小電流に対応する微小電流をバイアス動作電流として発生する第3のカレントミラー回路とを備えたことを特徴とする。
さらに、上記基準電流源回路において、上記第1の電源回路の上記スタートアップ回路はさらに、上記検出回路にバイアス動作電流を供給する第1の電流供給回路を備え、
上記第1の電流供給回路は、
電源電圧から所定の微小電流を発生する微小電流発生回路と、
上記発生された微小電流に対応する微小電流をバイアス動作電流として発生する第3のカレントミラー回路とを備え、
上記第2の電源回路の上記スタートアップ回路はさらに、上記検出回路にバイアス動作電流を供給する第2の電流供給回路を備え、
上記第2の電流供給回路は、
上記第2の電源回路の起動後の動作電流に対応する電流をバイアス動作電流として発生する第4のカレントミラー回路とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る基準電流源回路によれば、電子移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第1の電流を生成する第1の電源回路と、ホール移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第2の電流を生成する第2の電源回路と、上記第1の電流から上記第2の電流を減算することにより一定の基準電流を生成する電流減算回路とを備えることにより、電子移動度とホール移動度における生成電流の温度特性の違いに基づいて、互いに相補的な回路構成で当該温度依存性をキャンセルして、温度依存性のない一定の基準電流を得ることができる。
従来技術に係るMOSFETのゲート・ソース間電圧VGS対ドレイン電流(線形スケール)I特性を示すグラフである。 従来技術に係るMOSFETのゲート・ソース間電圧VGS対ドレイン電流(対数スケール)I特性を示すグラフである。 従来技術に係るMOSFETのドレイン・ソース間電圧VDS対ドレイン電流I特性を示すグラフである。 従来技術に係るカレントミラー回路を示す回路図である。 従来技術に係るカスコードカレントミラー回路を示す回路図である。 従来技術に係る帰還型オペアンプ回路を示す回路図である。 従来技術に係るベータ乗算型自己参照バイアス回路を示す回路図である。 第1の従来例に係る基準電流源回路の構成を示す回路図である。 第2の従来例に係る基準電圧源回路の構成を示す回路図である。 第3の従来例に係る基準電流源回路の構成を示す回路図である。 (a)は従来技術に係る定電流を生成する方法を示す図であって、PTAT(Proportional To Absolute Temperature)電流71とCTAT(Conversely Proportional To Absolute Temperature)電流72の温度変化を示すグラフであり、(b)は(a)のPTAT電流71とCTAT電流72とを加算して一定の電流を得ることを示すグラフである。 (a)従来技術に係る微小電流生成回路の場合においてCTAT電流72を生成できないことを示すグラフであり、(b)は(a)の結果、温度依存性のない基準電流出力が得られないことを示すグラフである。 本発明の実施形態に係る電子移動度の温度依存係数mに依存するPTAT電流75の温度変化を示すグラフである。 (a)は本発明の実施形態に係る電子移動度の温度依存係数mに依存するPTAT電流76及びホール移動度の温度依存係数mに依存するPTAT電流77の温度変化を示すグラフであり、(b)は(a)の2つのPTAT電流76,77に基づいて温度依存性のない電流出力78を得ることを示すグラフである。 本発明の実施形態に係る基準電流源回路の構成を示すブロック図である。 (a)はサブスレッショルド領域で動作するダイオード接続されたMOSFETの回路図であり、(b)は(a)のMOSFETのゲート・ソース間電圧VGSの温度特性を示すグラフである。 (a)はカレントミラー回路の第1の例を示す回路図であり、(b)はカレントミラー回路の第2の例を示す回路図である。 (a)は本発明の実施形態に係る温度コントロールのために用いる2個のMOSFETQ11,Q12からなる差動対回路の第1の例を示す回路図であり、(b)は本発明の実施形態に係る温度コントロールのために用いる2個のMOSFETQ13,Q14からなる差動対回路の第2の例を示す回路図である。 本発明の実施形態に係る温度コントロール方法の第1の例を示す回路図である。 本発明の実施形態に係る温度コントロール方法の第2の例を示す回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る基準電流源回路301の構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る基準電流源回路302の構成を示す回路図である。 図21の基準電流源回路301の出力電流Iの温度依存特性を示すグラフである。 図22の基準電流源回路302の出力電流Iの温度依存特性を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る基準電流源回路101の構成を示す回路図である。 本発明の実施例2に係る基準電流源回路102の構成を示す回路図である。 本発明の実施例3に係る基準電流源回路103の構成を示す回路図である。 本発明の実施例4に係る基準電流源回路104の構成を示す回路図である。 本発明の実施例5に係る基準電流源回路105の構成を示す回路図である。 本発明の実施例6に係る基準電流源回路106の構成を示す回路図である。 実施例1、4及び6に係る基準電流源回路101,104,106について本発明者らが実行したモンテカルロシミュレーションにおけるグローバルバラツキパラメータセット(0.35μmCMOSパラメータの典型値とバラツキ量)の一例を示す表である。 上記モンテカルロシミュレーションのおけるしきい値電圧及び移動度のパラメータセットを示す表である。 (a)は実施例1に係る基準電流源回路101のシミュレーション(典型値1回)の結果であって、当該基準電流源回路101におけるnMOS構成電源回路101Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(b)は当該基準電流源回路101におけるpMOS構成電源回路101Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(c)は当該基準電流源回路101の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。 (a)は実施例1に係る基準電流源回路101のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって、当該基準電流源回路101におけるnMOS構成電源回路101Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(b)は当該基準電流源回路101におけるpMOS構成電源回路101Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(c)は当該基準電流源回路101の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。 (a)は実施例4に係る基準電流源回路104のシミュレーション(典型値1回)の結果であって、当該基準電流源回路104におけるnMOS構成電源回路104Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(b)は当該基準電流源回路104におけるpMOS構成電源回路104Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(c)は当該基準電流源回路104の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。 (a)は実施例4に係る基準電流源回路104のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって、当該基準電流源回路104におけるnMOS構成電源回路104Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(b)は当該基準電流源回路104におけるpMOS構成電源回路104Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(c)は当該基準電流源回路104の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。 (a)は実施例6に係る基準電流源回路106のシミュレーション(典型値1回)の結果であって、当該基準電流源回路106におけるnMOS構成電源回路106Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(b)は当該基準電流源回路106におけるpMOS構成電源回路106Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(c)は当該基準電流源回路106の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。 (a)は実施例6に係る基準電流源回路106のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって、当該基準電流源回路106におけるnMOS構成電源回路106Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(b)は当該基準電流源回路106におけるpMOS構成電源回路106Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(c)は当該基準電流源回路106の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。 (a)は実施例6に係る基準電流源回路106のシミュレーション(典型値1回)の結果であって基準電流源回路106の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフであり、(b)は実施例4の基準電流源回路104のシミュレーション(典型値1回)の結果であって基準電流源回路104の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフであり、(c)は実施例1の基準電流源回路101のシミュレーション(典型値1回)の結果であって基準電流源回路101の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。 (a)は図39(a)の拡大図であり、(b)は図39(b)の拡大図であり、(c)は図39(c)の拡大図である。 (a)は実施例6に係る基準電流源回路106のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって基準電流源回路106の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフであり、(b)は実施例4の基準電流源回路104のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって基準電流源回路104の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフであり、(c)は実施例1の基準電流源回路101のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって基準電流源回路101の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。 (a)は図41(a)の各基準出力電流Irefを各試行回の温度平均電流で規格化してなる規格化基準出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(b)は図41(b)の各基準出力電流Irefを各試行回の温度平均電流で規格化してなる規格化基準出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、(c)は図41(c)の各基準出力電流Irefを各試行回の温度平均電流で規格化してなる規格化基準出力電流Iの温度特性を示すグラフである。 (a)は図41(a)の基準出力電流Iref(温度平均)の頻度を示すヒストグラムであり、(b)は図41(b)の基準出力電流Iref(温度平均)の頻度を示すヒストグラムであり、(c)は図41(c)の基準出力電流Iref(温度平均)の頻度を示すヒストグラムである。 実施例1、4及び6に係る各基準電流源回路101,104,106、並びに、実施例6に係る基準電流源回路106のnMOS構成電源回路106Nについての特性評価結果を示す表である。 本発明の第3の実施形態に係る基準電流源回路101Aの構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態の変形例に係る基準電流源回路101Bの構成を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る基準電流源回路107Aの構成を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態の変形例に係る基準電流源回路107Bの構成を示す回路図である。 本発明の試作例に係る基準電流源回路108の構成を示す回路図である。 (a)は図49の試作例に係る基準電流源回路108の測定結果であって基準出力電流Irefの温度依存性を示すグラフであり、(b)は図49の試作例に係る基準電流源回路108の測定結果であって基準出力電流Irefの電源電圧依存性を示すグラフである。 (a)は図49の試作例に係る基準電流源回路108の測定結果であって出力電流Iの温度依存性を示すグラフであり、(b)は図49の試作例に係る基準電流源回路108の測定結果であって出力電流Iの温度依存性を示すグラフであり、(c)は図49の試作例に係る基準電流源回路108の測定結果であって基準出力電流Irefの温度依存性を示すグラフである。
1,11,21,101N〜108N…nMOS構成電源回路、
2,12,22,101P〜108P…pMOS構成電源回路、
3,13,23,108SB…電流減算回路、
81…バイアス電圧生成回路、
82,83…温度コントロール回路、
91,92…オペアンプ、
93,94…インバータ、
101〜106,301,302,101A,101B,107A,107B,107BA…基準電流源回路、
101SN,101SP,101SPA…スタートアップ回路、
CM1,CM2,CM11,CM12,CM21,CM22,CM21a,CM22a,CM31,CM32…カレントミラー回路、
D1〜D4…差動対、
DB1,DB2,DB11,DB12…ドレインバイアス生成回路、
GB1,GB2,GB11,GB12,GB21,GB22…ゲートバイアス電圧生成回路、
Q1〜Q420…MOSFET、
Tp,Tn,T1p,T2p,T1n,T2p…接続点。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
実施形態.
上述のように、これまでに様々な基準電流源回路が提案されている。しかし、これらの多くが製造プロセスにおけるバラツキに弱いという問題点があり、特にしきい値電圧のバラツキに対して敏感に特性が変化する。そこで、本発明の実施形態では、サブスレッショルド領域で動作し、温度変化やプロセスバラツキに対し安定な電流を供給することのできる基準電流源回路を提案する。
上記のナノアンペアオーダーの微小電流を生成する電源回路の電流は移動度の温度特性に依存する。この特徴を利用することで、すなわち上記の電源回路と、これに相補型の電源回路を構成することで、電子移動度に依存する電流とホール移動度に依存する電流を生成できる。2つの物理パラメータに依存する電流を用いることで回路を流れる温度特性を変化させることができる。具体的には、電子移動度に依存する電流とホール移動度に依存する電流を減算することで、温度に依存しない電流を生成することができる。本発明では、上記の理論に基づく回路設計を行い、安定に動作することを確認した。また、バラツキに関する検討を行った。MOSFETの絶対零度におけるしきい値電圧を出力する電圧源回路は、バラツキに強い特性を有する。この電圧源回路と相補型の電圧源回路を用いて、電流を減算することにより、いわゆるPVT(Process Voltage Temperature)バラツキと呼ばれる温度変化やプロセスによるバラツキに強いナノアンペアオーダーの微小電流を生成することができる。
図13は、本発明の実施形態に係る電子移動度の温度依存係数mに依存するPTAT電流75の温度変化を示すグラフである。図13において、PTAT電流75は上述のように、温度が高くなると、電子移動度の温度係数mに依存して電流が増大する。本発明者らは、MOSFETのキャリアは電子のみではなく、ホールもキャリアであることを注目し、電子移動度に依存する電流のみならず、ホール移動度に依存する電流を生成することを考えた。
図14(a)は本発明の実施形態に係る電子移動度の温度依存係数mに依存するPTAT電流76及びホール移動度の温度依存係数mに依存するPTAT電流77の温度変化を示すグラフであり、図14(b)は図14(a)の2つのPTAT電流76,77に基づいて温度依存性のない電流出力78を得ることを示すグラフである。ここで、電子移動度に依存するPTAT電流の温度係数TC及びホール移動度に依存するPTAT電流の温度係数TC,TCはそれぞれ次式で表される。
Figure 2010231774
Figure 2010231774
これらの2つの電流のうち一方の電流から他方の電流を減算し、もしくは線形結合で重み付け減算すること(具体的には、構成する各MOSFETでの設計パラメータを変化させることより、重み付け係数を所定の定数に設定することができる。)により、図14(b)に示すような一定の電流出力78を得ることができると考えられる。すなわち、上述した従来技術に係る基準電流源回路は、出力電流の温度係数が常に正であるため、温度上昇とともに電流値が増大するという問題点がある。そこで、nMOSとpMOSの移動度の温度特性、すなわち電子とホールの移動度の温度特性を利用して、温度変化に対して一定の電流を生成する基準電流源回路を提案する。
図14を参照して説明したように、基準電流源回路の出力電流の温度依存性は、電流生成トランジスタMの移動度の温度係数mに依存している。上述したように、これらの出力電流の温度係数は常に正であるため、温度上昇とともに電流値が増大する。ここで、これらの回路の相補的な回路構成を考える。相補的な回路構成により、pMOSのキャリア移動度を参照した回路を構成できる。これにより、電子とホールのキャリア移動度の温度特性に基づく電流がそれぞれ生成できる。電子とホールのキャリア移動度の温度係数は異なるため、これらの生成する電流の温度依存性も異なる。そこで、図15のように回路を構成することにより、温度変化に対して一定の電流を生成する基準電流源回路を提案する。
図15は本発明の実施形態に係る基準電流源回路の構成を示すブロック図である。図15において、本実施形態に係る基準電流源回路は、
(1)出力電流の温度特性が電子移動度によって決定されるnMOS構成電源回路1と、
(2)出力電流の温度特性がホール移動度によって決定されるpMOS構成電源回路2と、
(3)nMOS構成電源回路1からの出力電圧に基づいて出力電流Iを生成し、pMOS構成電源回路2からの出力電圧に基づいて出力電流Iを生成し、これらを減算してなる出力電流Iref=I−Iを出力する電流減算回路3とを備えたことを特徴としている。
ここで、nMOS構成電源回路1の出力電流Iの温度係数TCInと、pMOS構成電源回路2の出力電流Iの温度係数TCIpとは、式(19)から、次式で表される。
Figure 2010231774
Figure 2010231774
ここで、mはそれぞれnMOSFETの移動度の温度係数であり、mはpMOSFETの移動度の温度係数を示す。式(30)及び式(31)から出力電流の温度変化に対する傾きはそれぞれ次式で表される。
Figure 2010231774
Figure 2010231774
上記式(32)及び式(33)から明らかなように、電流値I,Iによって変化する。電流減算回路によってこれら電流値の差をとることによって得られる出力電流Irefの温度変化に対する傾きは、次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、f(T)は次式で表される。
Figure 2010231774
次いで、本実施形態に係る定電流発生方法について以下に説明する。
図16(a)はサブスレッショルド領域で動作するダイオード接続されたMOSFETの回路図であり、図16(b)は(a)のMOSFETのゲート・ソース間電圧VGSの温度特性を示すグラフである。図16(a)に示すように、ダイオード接続構成のMOSFETQ1に電流バイアスIINを行うと、そのゲート・ソース間電圧VGSが決定される。この電圧VGSは次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、しきい値電圧VTHは温度ともに電圧値が減少する特性を持つ。また、対数項は内包する関数(IDS/KI)が1より小さいため、負の値になる。従って、図16(b)に示すように、ゲート・ソース間電圧VGSは温度ともに減少する。
図17(a)はカレントミラー回路の第1の例を示す回路図であり、図17(b)はカレントミラー回路の第2の例を示す回路図である。例えば図17のカレントミラー回路において、各MOSFET(Q1,Q2)(Q3,Q4)の電流特性はゲート・ソース間電圧VGSで決定され、各対でのMOSFET(Q1,Q2)(Q3,Q4)は同じゲート・ソース間電圧VGSとなるので、各回路において同じ入力電流IINに対して同じ出力電流IOUTが出力される。
図18(a)は本発明の実施形態に係る温度コントロールのために用いる2個のMOSFETQ11,Q12からなる差動対回路の第1の例を示す回路図であり、図18(b)は本発明の実施形態に係る温度コントロールのために用いる2個のMOSFETQ13,Q14からなる差動対回路の第2の例を示す回路図である。図18に示すように、各2つのMOSFET(Q11,Q12)(Q13,Q14)からなる差動対を用いることで電圧の温度特性をコントロールすることができる。ここで、各差動対の一方を信号検出端子とし、他方をダイオード接続とした出力端子とする。この差動対を流れる電流を等しくすると、入力端子から出力端子にかけて温度に比例した電圧を出力することができる。この電圧は差動対トランジスタのサイズを制御することで、次式のように、温度に比例する電圧を生成することができる。
Figure 2010231774
温度に対する電圧変動の傾きはトランジスタサイズの比を変化させることでコントロールすることができる。
図19は本発明の実施形態に係る温度コントロール方法の第1の例を示す回路図である。図19に示すように、ダイオード接続してなるMOSFETQ21からなるバイアス電圧生成回路81の後段に差動対D1(Q23,Q24),D2(Q25,Q26)を従属接続した構成とすることで、温度コントロール回路82により、温度に対する電圧変動の傾きをコントロールすることができる。すなわち、温度コントロール回路82はトランジスタのサイズで制御する。しかし、サイズは対数項に含まれるため、トランジスタサイズを大きくしてもその効果は対数関数で制限される。これを解決するために、バイアス電圧生成回路81の後段に、差動対D1(Q23,Q24),D2(Q25,Q26)を従属接続させる構成とする。こうすると、対数項の足し算となるため、実質、べき乗の効果を得ることができ、温度制御を小さなサイズ比で実現することができる。ここで、差動対D1の1つのサイズパラメータを2Kで、差動対D1のみで実現した場合、出力電圧V=V−Vは次式で表される。
Figure 2010231774
また、差動対D1,D2の1つのサイズパラメータをKで実現し、これを2段従属接続とした場合、出力電圧V=V−Vは次式で表される。
Figure 2010231774
上記式(36)から明らかなように、出力電圧Vに対する温度制御を増大できる。
図20は本発明の実施形態に係る温度コントロール方法の第2の例を示す回路図である。図20の回路は、図19の温度コントロール方法の変形バージョンである。すなわち、図19の回路では、差動対D1,D2を横方向に縦続接続していたが、図20の回路では、ダイオード接続されたMOSFETQ21にてなるバイアス電圧生成回路81の後段において、2個の差動対D3(Q27,Q28),D4(Q29,Q30)を縦積みにして簡略化したものである。ここで、Q27,Q29はダイオード接続されたMOSFETのゲート・ソース間電圧VGSを検出するために設けられ、Q28,Q30はダイオード接続されたMOSFET構成により電圧を出力するために設けられる。
以下では、上記の種々の回路を用いて基準電流源回路を構成する方法について詳述する。
第1の実施形態.
図21は本発明の第1の実施形態に係る基準電流源回路301の構成を示す回路図である。第1の実施形態に係る基準電流源回路301は、図21に示すように、nMOS構成電源回路11と、pMOS構成電源回路12と、電流減算回路13とを備えて構成される。ここで、nMOS構成電源回路11は、出力電流の温度特性が電子移動度に依存するnMOSFETQ31を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するnMOSFETQ31と、
(b)ダイオード接続されたnMOSFETQ32を備え、上記nMOSFETQ31を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ31のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB1と、
(c)2対のnMOSFET(Q33,Q34)(Q35,Q36)を備え、上記nMOSFETQ31のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB1と、
(d)3個のpMOSFETQ37〜Q39及びCMOS回路で構成されたオペアンプ91を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM11とを備えて構成される。当該nMOS構成電源回路11において、nMOSFETQ35,Q36のゲート電圧は第1の電圧となり、接続点T1nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ73のゲートに印加され、また、nMOSFETQ33,Q34のゲート電圧は第2の電圧となり、接続点T2nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ74のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のnMOSFETQ73,Q74において、nMOS構成電源回路11による電流Iを生成する。
また、pMOS構成電源回路12は、nMOS構成電源回路11とは相補的な回路で形成され、出力電流の温度特性がホール移動度に依存するpMOSFETQ51を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するpMOSFETQ51と、
(b)ダイオード接続されたpMOSFETQ52を備え、上記pMOSFETQ51を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してpMOSFETQ51のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB2と、
(c)2対のpMOSFET(Q53,Q54)(Q55,Q56)を備え、上記pMOSFETQ51のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB2と、
(d)3個のnMOSFETQ57〜Q59及びCMOS回路で構成されたオペアンプ92を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM12とを備えて構成される。当該pMOS構成電源回路12において、pMOSFETQ53,Q54のゲート電圧は第3の電圧となり、接続点T1pを介して電流減算回路13のpMOSFETQ71のゲートに印加され、また、pMOSFETQ55,Q56のゲート電圧は第4の電圧となり、接続点T2pを介して電流減算回路13のnMOSFETQ72のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のpMOSFETQ71,Q72において、pMOS構成電源回路12による電流Iを生成する。
さらに、電流減算回路13は、電圧源VDDと接地との間で互いに直列に接続された4個のMOSFETQ71〜Q74と、4個のpMOSFETQ75〜Q78にて構成されたカレントミラー回路CM51とを備えて構成され、カレントミラー回路CM51のpMOSFETQ77のドレインを、2個のMOSFETQ72,Q73間の接続点に接続することにより、減算電流(I−I)を得る一方、当該減算電流(I−I)に対応しかつ温度変化に対して一定の基準出力電流Irefをカレントミラー回路CM51のpMOSFETQ78のソースにおいて得る。
以上のように構成された基準電流源回路301の出力電流Iは上記式(13)〜(15)及び式(18)から次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、
Figure 2010231774
従って、式(6)は、次式で表される。
Figure 2010231774
温度の関数f(T)=0を満たすように各MOSFETのサイズKn、Kpを設定することで、温度変化に対して一定の電流を生成することができる。
第2の実施形態.
図22は本発明の第2の実施形態に係る基準電流源回路302の構成を示す回路図である。第2の実施形態に係る基準電流源回路302は、図22に示すように、nMOS構成電源回路21と、pMOS構成電源回路22と、電流減算回路13とを備えて構成される。ここで、nMOS構成電源回路21は、出力電流の温度特性が電子移動度に依存するnMOSFETQ31を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するnMOSFETQ31と、
(b)4個のnMOSFETQ42,Q44〜Q46を用いて2対の差動対を構成し、さらにnMOSFETQ43を備え、上記nMOSFETQ31を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ31のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB11と、
(c)2対のnMOSFET(Q33,Q34)(Q35,Q36)を備え、上記nMOSFETQ31のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB1と、
(d)5個のpMOSFETQ37〜Q41及びCMOS回路で構成されたオペアンプ91を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM21とを備えて構成される。当該nMOS構成電源回路21において、nMOSFETQ35,Q36のゲート電圧は第1の電圧となり、接続点T1nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ73のゲートに印加され、また、nMOSFETQ33,Q34のゲート電圧は第2の電圧となり、接続点T2nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ74のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のnMOSFETQ73,Q74において、nMOS構成電源回路21による電流Iを生成する。
また、pMOS構成電源回路22は、nMOS構成電源回路21とは相補的な回路で形成され、出力電流の温度特性がホール移動度に依存するpMOSFETQ51を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するpMOSFETQ51と、
(b)4個のpMOSFETQ62,Q64〜Q66を用いて2対の差動対を構成し、さらにpMOSFETQ63を備え、上記pMOSFETQ51を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してpMOSFETQ51のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB12と、
(c)2対のpMOSFET(Q53,Q54)(Q55,Q56)を備え、上記pMOSFETQ51のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB2と、
(d)5個のnMOSFETQ57〜Q61及びCMOS回路で構成されたオペアンプ92を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM22とを備えて構成される。当該pMOS構成電源回路22において、pMOSFETQ53,Q54のゲート電圧は第3の電圧となり、接続点T1pを介して電流減算回路13のpMOSFETQ71のゲートに印加され、また、pMOSFETQ55,Q56のゲート電圧は第4の電圧となり、接続点T2pを介して電流減算回路13のnMOSFETQ72のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のpMOSFETQ71,Q72において、pMOS構成電源回路12による電流Iを生成する。
さらに、電流減算回路13は図21の回路と同様に構成され、減算電流(I−I)を得る一方、当該減算電流(I−I)に対応しかつ温度変化に対して一定の基準出力電流Irefをカレントミラー回路CM51のpMOSFETQ78のソースにおいて得る。
以上のように構成された基準電流源回路302の温度特性について以下考察する。式(19)及び式(23)に示すように図21の基準電流源回路301と図22の基準電流源回路302の出力電流Iの温度係数は等しい。
従って、図22のように構成された基準電流源回路302の場合でも、図21の基準電流源回路301を用いた場合と同様に出力電流の温度変化に対する傾きを式(5)及び式(6)で表すことができる。すなわち、図22の基準電流源回路302の出力電流Iは式(21)及び式(22)から次式で表される。
Figure 2010231774
Figure 2010231774
従って、式(6)は次式で表される。
Figure 2010231774
ここで、温度の関数f(T)=0を満たすように各MOSFETのサイズKn、Kpを設定することで、温度変化に対して一定の電流を生成することができる。また、図22の基準電流源回路302の出力電流は、図21の基準電流源回路301の出力電流よりもプロセスバラツキに対し安定であるため、この回路の出力電流は図21の基準電流源回路301を電源回路として用いた場合よりもプロセスバラツキの影響が小さくなる。
本発明者らは、上記各基準電流源回路301,302の出力電流の特性を評価するためにSPICEによる回路シミュレーションを行った。使用するプロセスは0.35μmCMOSプロセスを用いて、電源電圧は2.5Vである。ここで、出力電流の温度依存性の評価では、回路の温度を−20°Cから100°Cまで変化させ、このときの出力電流の変動幅を平均電流値で割ったものを温度変動率として算出し、評価を行った。
図23は図21の基準電流源回路301の出力電流Iの温度依存特性を示すグラフである。図23において、図21の基準電流源回路301を−20°Cから100°Cまで変化させたときの出力電流の変化を示す。図23のI、IはそれぞれnMOS構成電源回路11の生成電流、pMOS構成電源回路12の生成電流であり、温度上昇とともに電流量が増大している。これらの差をとったものが回路全体の出力電流Irefであり、温度変化に対しほぼ一定値であることがわかる。シミュレーション結果から出力電流Irefの変動幅が0.14nA、平均値が29.7nAであり、これらから温度変動率を算出すると0.47%となる。これは温度依存性を考慮していない第1の従来例に係る基準電流源回路の出力電流の温度変動率が8.62%であることと比較すると約94.5%の改善を実現している。このことから、温度特性の異なるnMOS構成電源回路11とpMOS電源回路12のそれぞれの出力電流I,Iの差(I−I)をとることで、温度変化に対して一定の電流を生成することが可能であることを確認した。
図24は図22の基準電流源回路302の出力電流Iの温度依存特性を示すグラフである。図24において、基準電圧源回路302の温度を−20°Cから100°Cまで変化させたときの出力電流の変化を示す。図24から出力電流Irefは温度変化に対してほぼ一定の値を取り、変動幅は0.10nA、平均値は29.1nAである。これらから温度変動率を算出すると0.34%となり、第1の従来例に係る基準電流源回路と比較すると約96%の改善を実現している。従って、この基準電流源回路302の出力電流が温度変化に対して安定であることを確認した。
以下の実施例においては、6個の基準電流源回路101〜106を設計してシミュレーションした結果を示す。
図25は本発明の実施例1に係る基準電流源回路101の構成を示す回路図である。実施例1に係る基準電流源回路101は、図25に示すように、nMOS構成電源回路101Nと、pMOS構成電源回路101Pと、電流減算回路23とを備えて構成される。ここで、nMOS構成電源回路101Nは、出力電流の温度特性が電子移動度に依存するnMOSFETQ31を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するnMOSFETQ31と、
(b)ダイオード接続されたnMOSFETQ32を備え、上記nMOSFETQ31を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ31のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB1と、
(c)1対のnMOSFET(Q33,Q34)を備え、上記nMOSFETQ31のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB11と、
(d)3個のpMOSFETQ47〜Q49を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM31とを備えて構成される。当該nMOS構成電源回路101Nにおいて、nMOSFETQ47,Q48のゲート電圧は第1の電圧となり、接続点Tnを介して電流減算回路23のnMOSFETQ81のゲートに印加され、nMOSFETQ81において、nMOS構成電源回路101Nによる電流Iを生成する。
また、pMOS構成電源回路101Pは、nMOS構成電源回路101Nとは相補的な回路で形成され、出力電流の温度特性がホール移動度に依存するpMOSFETQ51を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するpMOSFETQ51と、
(b)ダイオード接続されたpMOSFETQ52を備え、上記pMOSFETQ51を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してpMOSFETQ51のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB2と、
(c)1対のpMOSFET(Q55,Q56)を備え、上記pMOSFETQ51のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB12と、
(d)3個のnMOSFETQ60〜Q62を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM32とを備えて構成される。当該pMOS構成電源回路101Pにおいて、pMOSFETQ60,Q61のゲート電圧は第2の電圧となり、接続点Tpを介して電流減算回路23のpMOSFETQ82のゲートに印加され、pMOSFETQ82においてpMOS構成電源回路101Pによる電流Iを生成する。
さらに、電流減算回路23は、電圧源VDDと接地との間で互いに直列に接続された2個のMOSFETQ81〜Q82と、2個のnMOSFETQ83,Q84にて構成されたカレントミラー回路CM52とを備えて構成され、カレントミラー回路CM52のnMOSFETQ83のドレインを、2個のMOSFETQ81,Q82間の接続点に接続することにより、減算電流(I−I)を得る一方、当該減算電流(I−I)に対応しかつ温度変化に対して一定の基準出力電流Irefをカレントミラー回路CM52のnMOSFETQ84のソースにおいて得る。
図26は本発明の実施例2に係る基準電流源回路102の構成を示す回路図である。実施例2に係る基準電流源回路102は、図26に示すように、nMOS構成電源回路102Nと、pMOS構成電源回路102Pと、図21の電流減算回路13とを備えて構成される。ここで、nMOS構成電源回路102Nは、出力電流の温度特性が電子移動度に依存するnMOSFETQ31を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するnMOSFETQ31と、
(b)ダイオード接続されたnMOSFETQ32を備え、上記nMOSFETQ31を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ31のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB1と、
(c)2対のnMOSFET(Q33,Q34)(Q35,Q36)を備え、上記nMOSFETQ31のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB1と、
(d)3個のpMOSFETQ37〜Q39及びCMOS回路で構成されたオペアンプ91を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM11とを備えて構成される。当該nMOS構成電源回路102Nにおいて、nMOSFETQ35,Q36のゲート電圧は第1の電圧となり、接続点T1nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ73のゲートに印加され、また、nMOSFETQ33,Q34のゲート電圧は第2の電圧となり、接続点T2nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ74のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のnMOSFETQ73,Q74において、nMOS構成電源回路102Nによる電流Iを生成する。
また、pMOS構成電源回路102Pは、nMOS構成電源回路101Nとは相補的な回路で形成され、出力電流の温度特性がホール移動度に依存するpMOSFETQ51を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するpMOSFETQ51と、
(b)ダイオード接続されたpMOSFETQ52を備え、上記pMOSFETQ51を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してpMOSFETQ51のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB2と、
(c)2対のpMOSFET(Q55,Q56)(Q60,Q61)を備え、上記pMOSFETQ51のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB2と、
(d)3個のnMOSFETQ57〜Q59及びCMOS回路で構成されたオペアンプ92を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM12とを備えて構成される。当該pMOS構成電源回路102Pにおいて、pMOSFETQ55,Q56のゲート電圧は第3の電圧となり、接続点T1pを介して電流減算回路13のpMOSFETQ71のゲートに印加され、また、pMOSFETQ60,Q61のゲート電圧は第4の電圧となり、接続点T2pを介して電流減算回路13のnMOSFETQ72のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のpMOSFETQ71,Q72において、pMOS構成電源回路102Pによる電流Iを生成する。
さらに、電流減算回路13は図21及び図22と同様に構成され、減算電流(I−I)を得る一方、当該減算電流(I−I)に対応しかつ温度変化に対して一定の基準出力電流Irefを得る。
特に、実施例2においては、カレントミラー回路CM11,CM12においてオペアンプ91,92を用いることで、電源電圧VDDの変動があっても、回路を流れる電流の特性変動を抑えることができる。オペアンプ91,92がない場合、例えばpMOSカレントミラー回路CM11のドレイン電圧が変動することがある。このドレイン電圧の変動は電流値の変動につながるため、オペアンプ91を用いてドレイン電圧を2つのトランジスタで同一とし、電流量を同じにする効果がある。
ここで、ダイオード接続されたpMOSFETとこの電圧を受け電流を生成しているカレントミラー回路を考えると、ダイオード接続されたpMOSFETのドレイン電圧はほぼ固定されるが、もう一方は固定されない。このMOSFETのドレイン電圧は電源が変化すると大きく変化する可能性があり、その場合、カレントミラーの精度が悪化することがあり、これを回避するためにオペアンプ91,92を用いている。なお、ゲートバイアス電圧生成回路GB1,GB2に電流を供給するpMOSトランジスタQ39,Q59はそれほど精度が必要でないので、多少電流量が変わっても影響は少ないと考えられる。
なお、上記のオペアンプ91,92の作用効果については実施例4及び6、並びに第1の及び第2の実施形態に適用できる。
図27は本発明の実施例3に係る基準電流源回路103の構成を示す回路図である。実施例3に係る基準電流源回路103は、図27に示すように、nMOS構成電源回路103Nと、pMOS構成電源回路103Pと、図25の電流減算回路23とを備えて構成される。ここで、nMOS構成電源回路103Nは、出力電流の温度特性が電子移動度に依存するnMOSFETQ31を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するnMOSFETQ31と、
(b)4個のnMOSFETQ42、Q44〜Q46を用いて2対の差動対を構成し、さらにnMOSFETQ43を備え、上記nMOSFETQ31を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ31のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB11と、
(c)1対のnMOSFET(Q33,Q34)を備え、上記nMOSFETQ31のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB11と、
(d)5個のpMOSFETQ37〜Q41を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM21aとを備えて構成される。当該nMOS構成電源回路103Nにおいて、nMOSFETQ37,Q38のゲート電圧は第1の電圧となり、接続点Tnを介して電流減算回路23に印加され、nMOS構成電源回路103Nによる電流Iを生成する。
また、pMOS構成電源回路103Pは、nMOS構成電源回路103Nとは相補的な回路で形成され、出力電流の温度特性がホール移動度に依存するpMOSFETQ51を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するpMOSFETQ51と、
(b)4個のpMOSFETQ62,Q64〜Q66を用いて2対の差動対を構成し、さらにpMOSFETQ63を備え、上記pMOSFETQ51を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してpMOSFETQ51のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB12と、
(c)1対のpMOSFET(Q53,Q54)を備え、上記pMOSFETQ51のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB12と、
(d)5個のnMOSFETQ57〜Q61を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM22aとを備えて構成される。当該pMOS構成電源回路103Pにおいて、pMOSFETQ57,Q58のゲート電圧は第2の電圧となり、接続点Tpを介して電流減算回路13に印加され、pMOS構成電源回路103Pによる電流Iを生成する。
さらに、電流減算回路23は図25の回路と同様に構成され、減算電流(I−I)を得る一方、当該減算電流(I−I)に対応しかつ温度変化に対して一定の基準出力電流Irefを得る。特に、実施例3においては、ゲートバイアス電圧生成回路GB11,GB12では、上述の図9を参照した考察から、2対の差動対を用いて電圧源回路を構成したので、式(21)及び式(22)に示すように、プロセスバラツキに対して安定であるため、当該基準電流源回路103の出力電流は、実施例1及び2に比較して、プロセスバラツキに対する影響を小さくすることができるという特有の効果を有する。
図28は本発明の実施例4に係る基準電流源回路104の構成を示す回路図である。実施例4に係る基準電流源回路104は、図28に示すように、nMOS構成電源回路104Nと、pMOS構成電源回路104Pと、図21の電流減算回路13とを備えて構成される。ここで、nMOS構成電源回路104Nは、出力電流の温度特性が電子移動度に依存するnMOSFETQ31を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するnMOSFETQ31と、
(b)4個のnMOSFETQ42、Q44〜Q46を用いて2対の差動対を構成し、さらにnMOSFETQ43を備え、上記nMOSFETQ31を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ31のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB11と、
(c)2対のnMOSFET(Q33,Q34)(Q35,Q36)を備え、上記nMOSFETQ31のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB1と、
(d)5個のpMOSFETQ37〜Q41及びCMOS回路で構成されたオペアンプ91を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM21とを備えて構成される。当該nMOS構成電源回路104Nにおいて、nMOSFETQ35,Q36のゲート電圧は第1の電圧となり、接続点T1nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ73のゲートに印加され、また、nMOSFETQ33,Q34のゲート電圧は第2の電圧となり、接続点T2nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ74のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のnMOSFETQ73,Q74において、nMOS構成電源回路104Nによる電流Iを生成する。
また、pMOS構成電源回路104Pは、nMOS構成電源回路104Nとは相補的な回路で形成され、出力電流の温度特性がホール移動度に依存するpMOSFETQ51を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するpMOSFETQ51と、
(b)4個のpMOSFETQ62,Q64〜Q66を用いて2対の差動対を構成し、さらにpMOSFETQ63を備え、上記pMOSFETQ51を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してpMOSFETQ51のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB12と、
(c)2対のpMOSFET(Q53,Q54)(Q55,Q56)を備え、上記pMOSFETQ51のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB2と、
(d)5個のnMOSFETQ57〜Q61及びCMOS回路で構成されたオペアンプ92を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM22とを備えて構成される。当該pMOS構成電源回路104Pにおいて、pMOSFETQ53,Q54のゲート電圧は第3の電圧となり、接続点T1pを介して電流減算回路13のpMOSFETQ71のゲートに印加され、また、pMOSFETQ55,Q56のゲート電圧は第4の電圧となり、接続点T2pを介して電流減算回路13のnMOSFETQ72のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のpMOSFETQ71,Q72において、pMOS構成電源回路104Pによる電流Iを生成する。
さらに、電流減算回路13は図21の回路と同様に構成され、減算電流(I−I)を得る一方、当該減算電流(I−I)に対応しかつ温度変化に対して一定の基準出力電流Irefを得る。特に、実施例4においては、ゲートバイアス電圧生成回路GB11,GB12では、上述の図9を参照した考察から、2対の差動対を用いて電圧源回路を構成したので、式(21)及び式(22)に示すように、プロセスバラツキに対して安定であるため、当該基準電流源回路104の出力電流は、実施例1及び2に比較して、プロセスバラツキに対する影響を小さくすることができるという特有の効果を有する。
図29は本発明の実施例5に係る基準電流源回路105の構成を示す回路図である。実施例5に係る基準電流源回路105は、図29に示すように、nMOS構成電源回路105Nと、pMOS構成電源回路105Pと、図25の電流減算回路23とを備えて構成される。ここで、nMOS構成電源回路105Nは、出力電流の温度特性が電子移動度に依存するnMOSFETQ31を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するnMOSFETQ31と、
(b)ダイオード接続されたnMOSFETQ100と2個の差動対回路(Q101〜Q103)(Q104〜Q106)を備え、上記nMOSFETQ31を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ31のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB21と、
(c)1対のnMOSFET(Q33,Q34)を備え、上記nMOSFETQ31のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB11と、
(d)5個のpMOSFETQ37〜Q41を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM21aとを備えて構成される。当該nMOS構成電源回路105Nにおいて、nMOSFETQ37,Q38のゲート電圧は第1の電圧となり、接続点Tnを介して電流減算回路23に印加され、nMOS構成電源回路105Nによる電流Iを生成する。
また、pMOS構成電源回路105Pは、nMOS構成電源回路105Nとは相補的な回路で形成され、出力電流の温度特性がホール移動度に依存するpMOSFETQ51を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するpMOSFETQ51と、
(b)ダイオード接続されたnMOSFETQ200と4個の差動対回路(Q201〜Q203)(Q204〜Q206)(Q207〜Q209)(Q210〜Q212)を備え、上記nMOSFETQ51を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ51のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB22と、
(c)1対のpMOSFET(Q53,Q54)を備え、上記pMOSFETQ51のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB12と、
(d)7個のnMOSFETQ57〜Q61,Q67,Q68を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM22aとを備えて構成される。当該pMOS構成電源回路105Pにおいて、pMOSFETQ53,Q54のゲート電圧は第2の電圧となり、接続点Tpを介して電流減算回路23に印加され、pMOS構成電源回路105Pによる電流Iを生成する。
さらに、電流減算回路23は図25の回路と同様に構成され、減算電流(I−I)を得る一方、当該減算電流(I−I)に対応しかつ温度変化に対して一定の基準出力電流Irefを得る。特に、実施例5においては、ゲートバイアス電圧生成回路GB11,GB12では、上述の図9を参照した考察から、2対の差動対回路を用いて電圧源回路を構成したので、式(21)及び式(22)に示すように、プロセスバラツキに対して安定であるため、当該基準電流源回路105の出力電流は、実施例1及び2に比較して、プロセスバラツキに対する影響を小さくすることができるという特有の効果を有する。
図30は本発明の実施例6に係る基準電流源回路106の構成を示す回路図である。実施例6に係る基準電流源回路106は、図30に示すように、nMOS構成電源回路106Nと、pMOS構成電源回路106Pと、電流減算回路13とを備えて構成される。ここで、nMOS構成電源回路106Nは、出力電流の温度特性が電子移動度に依存するnMOSFETQ31を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するnMOSFETQ31と、
(b)ダイオード接続されたnMOSFETQ100と2個の差動対回路(Q101〜Q103)(Q104〜Q106)を備え、上記nMOSFETQ31を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ31のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB21と、
(c)2対のnMOSFET(Q33,Q34)(Q35,Q36)を備え、上記nMOSFETQ31のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB1と、
(d)5個のpMOSFETQ37〜Q41及びCMOS回路で構成されたオペアンプ91を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM31とを備えて構成される。当該nMOS構成電源回路106Nにおいて、nMOSFETQ35,Q36のゲート電圧は第1の電圧となり、接続点T1nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ73のゲートに印加され、また、nMOSFETQ33,Q34のゲート電圧は第2の電圧となり、接続点T2nを介して電流減算回路13のnMOSFETQ74のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のnMOSFETQ73,Q74において、nMOS構成電源回路106Nによる電流Iを生成する。
また、pMOS構成電源回路106Pは、nMOS構成電源回路106Nとは相補的な回路で形成され、出力電流の温度特性がホール移動度に依存するpMOSFETQ51を用いて電流を生成する回路であって、
(a)電流を生成するpMOSFETQ51と、
(b)ダイオード接続されたnMOSFETQ200と4個の差動対回路(Q201〜Q203)(Q204〜Q206)(Q207〜Q209)(Q210〜Q212)を備え、上記nMOSFETQ51を強反転領域で動作させるためのゲートバイアス電圧を生成してnMOSFETQ51のゲートに印加するゲートバイアス電圧生成回路GB22と、
(c)2対のpMOSFET(Q53,Q54)(Q55,Q56)を備え、上記pMOSFETQ51のドレインバイアスを生成するドレインバイアス生成回路DB2と、
(d)7個のnMOSFETQ57〜Q61,Q67,Q68及びCMOS回路で構成されたオペアンプ92を備え、安定した電源電流供給を行うカレントミラー回路CM32とを備えて構成される。当該pMOS構成電源回路106Pにおいて、pMOSFETQ53,Q54のゲート電圧は第3の電圧となり、接続点T1pを介して電流減算回路13のpMOSFETQ71のゲートに印加され、また、pMOSFETQ55,Q56のゲート電圧は第4の電圧となり、接続点T2pを介して電流減算回路13のnMOSFETQ72のゲートに印加され、そして、直列接続された2個のpMOSFETQ71,Q72において、pMOS構成電源回路106Pによる電流Iを生成する。
さらに、電流減算回路13は図21の回路と同様に構成され、減算電流(I−I)を得る一方、当該減算電流(I−I)に対応しかつ温度変化に対して一定の基準出力電流Irefを得る。特に、実施例6においては、ゲートバイアス電圧生成回路GB21,GB22では、上述の図9を参照した考察から、複数の差動対回路を用いて電圧源回路を構成したので、式(21)及び式(22)に示すように、プロセスバラツキに対して安定であるため、当該基準電流源回路106の出力電流は、実施例1及び2に比較して、プロセスバラツキに対する影響を小さくすることができるという特有の効果を有する。
以上の実施例6においては、ゲートバイアス電圧生成回路GB21,GB22で差動対回路の個数が異なるが、これは電流生成用MOSFETQ31,Q51のゲートに印加するバイアス電圧の精度を向上させるためである。
シミュレーション結果.
本発明者らは、以上のように構成された各実施例について、
(1)理想状態における動作確認をするために、典型値のパラメータセットを用いたシミュレーションを行い、
(2)モンテカルロシミュレーション法を用いて以下に示すようにパラメータを変化させてシミュレーションを行った。
後者のモンテカルロシミュレーションでは、LSI製造ベンダの提供する製造プロセスバラツキデータセットを利用して、グローバルバラツキ(LSIチップ毎に異なるパラメータ)とランダムバラツキ(LSIチップ内で異なるパラメータ)を想定してパラメータを統計的確率に基づいてばらつかせ、回路の安定動作を確認した。グローバルバラツキパラメータセットを図31に示す。すなわち、図31は実施例1、4及び6に係る基準電流源回路101,104,106について本発明者らが実行したモンテカルロシミュレーションにおけるグローバルバラツキパラメータセット(0.35μmCMOSパラメータの典型値とバラツキ量)の一例を示す表である。ここで、各パラメータは、典型値を中心にしてバラツキ量分だけ分布してばらつくように設定され、分布の形態は、ガウス分布を想定することが一般的だが、今回は均一分布を想定した。一般に、均一分布を用いることを製造ベンダが推奨しているが、均一分布の方が厳しい条件なので今回採用した。
ランダムバラツキパラメータセットとして、0.35μmCMOSパラメータσは次式で表される。
Figure 2010231774
上記式から明らかなように、LSIチップ内のバラツキの分散は、デバイス素子面積(LW)の平方根に反比例する。当該バラツキのパラメータを図32に示す。すなわち、図32は上記モンテカルロシミュレーションのおけるしきい値電圧及び移動度のパラメータセットを示す表である。ここで、ランダムバラツキは、しきい値電圧と移動度のみ考慮し、分布の形態はガウス分布を想定し、先のグローバルバラツキの変動値に上記のランダムバラツキ成分を追加した。
図33(a)は実施例1に係る基準電流源回路101のシミュレーション(典型値1回)の結果であって、当該基準電流源回路101におけるnMOS構成電源回路101Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図33(b)は当該基準電流源回路101におけるpMOS構成電源回路101Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図33(c)は当該基準電流源回路101の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。
図34(a)は実施例1に係る基準電流源回路101のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって、当該基準電流源回路101におけるnMOS構成電源回路101Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図34(b)は当該基準電流源回路101におけるpMOS構成電源回路101Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図34(c)は当該基準電流源回路101の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。
図35(a)は実施例4に係る基準電流源回路104のシミュレーション(典型値1回)の結果であって、当該基準電流源回路104におけるnMOS構成電源回路104Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図35(b)は当該基準電流源回路104におけるpMOS構成電源回路104Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図35(c)は当該基準電流源回路104の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。
図36(a)は実施例4に係る基準電流源回路104のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって、当該基準電流源回路104におけるnMOS構成電源回路104Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図36(b)は当該基準電流源回路104におけるpMOS構成電源回路104Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図36(c)は当該基準電流源回路104の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。
図37(a)は実施例6に係る基準電流源回路106のシミュレーション(典型値1回)の結果であって、当該基準電流源回路106におけるnMOS構成電源回路106Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図37(b)は当該基準電流源回路106におけるpMOS構成電源回路106Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図37(c)は当該基準電流源回路106の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。
図38(a)は実施例6に係る基準電流源回路106のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって、当該基準電流源回路106におけるnMOS構成電源回路106Nの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図38(b)は当該基準電流源回路106におけるpMOS構成電源回路106Pの出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図38(c)は当該基準電流源回路106の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。
図39(a)は実施例6に係る基準電流源回路106のシミュレーション(典型値1回)の結果であって基準電流源回路106の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフであり、図39(b)は実施例4の基準電流源回路104のシミュレーション(典型値1回)の結果であって基準電流源回路104の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフであり、図39(c)は実施例1の基準電流源回路101のシミュレーション(典型値1回)の結果であって基準電流源回路101の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。また、図40(a)は図39(a)の拡大図であり、図40(b)は図39(b)の拡大図であり、図40(c)は図39(c)の拡大図である。
図41(a)は実施例6に係る基準電流源回路106のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって基準電流源回路106の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフであり、図41(b)は実施例4の基準電流源回路104のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって基準電流源回路104の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフであり、図41(c)は実施例1の基準電流源回路101のモンテカルロシミュレーション(500回)の結果であって基準電流源回路101の基準出力電流Irefの温度特性を示すグラフである。
図42(a)は図41(a)の各基準出力電流Irefを各試行回の温度平均電流で規格化してなる規格化基準出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図42(b)は図41(b)の各基準出力電流Irefを各試行回の温度平均電流で規格化してなる規格化基準出力電流Iの温度特性を示すグラフであり、図42(c)は図41(c)の各基準出力電流Irefを各試行回の温度平均電流で規格化してなる規格化基準出力電流Iの温度特性を示すグラフである。
図43(a)は図41(a)の基準出力電流Iref(温度平均)の頻度を示すヒストグラムであり、図43(b)は図41(b)の基準出力電流Iref(温度平均)の頻度を示すヒストグラムであり、図43(c)は図41(c)の基準出力電流Iref(温度平均)の頻度を示すヒストグラムである。
図44は実施例1、4及び6に係る各基準電流源回路101,104,106、並びに、実施例6に係る基準電流源回路106のnMOS構成電源回路106Nについての特性評価結果を示す表である。
図33乃至図44の結果から明らかなように、すべての回路で、電子移動度とホール移動度の相違を利用して出力電流の温度依存性をキャンセルできた。ここで、実施例1及び2に係る基準電流源回路101、102では、パラメータのバラツキに弱いが、最も省面積であるという利点を有する。また、実施例3及び4に係る基準電流源回路103,104では、パラメータのバラツキに強いが、占有面積は中間程度であり、電流パスが少ないので最も省電力であると考えられる。さらに、実施例5及び6に係る基準電流源回路105,106では、パラメータのバラツキに最も強いが、大きな面積を占有し、電流パスが多いので消費電力が大きくなる。
図45は本発明の第3の実施形態に係る基準電流源回路101Aの構成を示す回路図である。第3の実施形態に係る基準電流源回路101Aは、図25の実施例1に係る基準電流源回路101(本実施形態において、回路構成の説明を省略する。)において、スタートアップ回路101SN,101SPをさらに備えたことを特徴としている。スタートアップ回路101SN,101SPを設ける理由は以下の通りである。基準電流源回路101において、nMOSFETのゲートがすべて0Vであり、pMOSFETのゲートがすべて電源電圧VDDとなる場合があり、この場合において、当該回路101には動作電流が流れず動作しない、当該回路101の非動作時の場合(以下、ゼロ電流状態時という。)がある。これを回避するためにスタートアップ回路101SN,101SPを用いる。
図45において、スタートアップ回路101SNは、複数段のダイオード接続のpMOSFETQ301〜Q306と、カレントミラー回路を構成するpMOSFETQ307と、インバータ93を構成するpMOSFETQ308及びnMOSFETQ309と、動作電流を引き抜いて流すnMOSFETQ310とを備えて構成される。また、スタートアップ回路101SPは、複数段のダイオード接続のnMOSFETQ401〜Q406と、カレントミラー回路を構成するnMOSFETQ407と、インバータ94を構成するpMOSFETQ408及びnMOSFETQ409と、動作電流を強制的に流すpMOSFETQ410とを備えて構成される。ここで、スタートアップ回路101SN,101SPは上記ゼロ電流状態時のみ動作し、正常な動作点で動作している場合、動作しない。
スタートアップ回路101SNにおいて、nMOSFETQ32のソース電圧を、インバータ93によりモニタすることによりnMOS構成電源回路101Nの非動作時を検出し、当該ソース電圧が0Vであるとき(非動作時)、インバータ93の出力信号はハイレベルになり、当該ハイレベルの出力信号がnMOSFETQ310のゲートに印加されて当該nMOSFETQ310がオンされる。これにより、nMOSFETQ310はpMOSFETQ48からの電流を引き抜き、これがnMOS構成電源回路101Nの起動電流となって回路101Nを起動させて安定に動作させる。一方、インバータ93によるモニタ電圧が動作電圧ならば、インバータ93の出力信号はローレベル(0V)になって、当該ローレベルの出力信号がnMOSFETQ310のゲートに印加されて当該nMOSFETQ310はオフのままである。従って、nMOSFETQ310は電流を流さない。すなわち、正常動作時に回路動作に影響を与えない。なお、複数段のダイオード接続のpMOSFETQ301〜Q306により一定の微小電流を発生し、そのカレントミラー回路であるpMOSFETQ307は上記微小電流に対応する微小電流をインバータ93にバイアス動作電流として供給し、消費電力の低減のためにインバータ93を流れる電流が大きくならないように制御している。
スタートアップ回路101SPはスタートアップ回路101SNと以下のように同様に動作する。スタートアップ回路101SNにおいて、pMOSFETQ52のソース電圧を、インバータ94によりモニタすることによりpMOS構成電源回路101Pの非動作時を検出し、当該ソース電圧がハイレベル(電源電圧VDD)であるとき(非動作時)、インバータ94の出力信号はローレベルになり、当該ローレベルの出力信号がpMOSFETQ410のゲートに印加されて当該pMOSFETQ410がオンされる。これにより、pMOSFETQ410はnMOSFETQ61に対して強制的に電流を流し、これがpMOS構成電源回路101Pの起動電流となって回路101Pを起動させて安定に動作させる。一方、インバータ94によるモニタ電圧が0Vならば、インバータ94の出力信号はハイレベルになって、当該ハイレベルの出力信号がpMOSFETQ410のゲートに印加されて当該pMOSFETQ410はオフのままである。従って、pMOSFETQ410は電流を流さない。すなわち、正常動作時に回路動作に影響を与えない。なお、複数段のダイオード接続のnMOSFETQ401〜Q406により一定の微小電流を発生し、そのカレントミラー回路であるnMOSFETQ407は上記微小電流に対応する微小電流をインバータ94にバイアス動作電流として供給し、消費電力の低減のためにインバータ94を流れる電流が大きくならないように制御している。
図46は本発明の第3の実施形態の変形例に係る基準電流源回路101Bの構成を示す回路図である。第3の実施形態の変形例に係る基準電流源回路101Bは、図45の基準電流源回路101Aと比較して以下の点が異なる。
(1)スタートアップ回路101SPに代えて、スタートアップ回路101SPAとしたこと。ここで、スタートアップ回路101SPAは、スタートアップ回路101SPに比較して、複数段のダイオード接続のnMOSFETQ401〜Q406を用いず、基準電流源回路101Nの電流(具体的には、例えば、nMOSFETQ34のソース電流)に対応する電流をカレントミラー回路のnMOSFETQ407により発生して当該電流をインバータ94のバイアス電流として用いたことを特徴とする。これにより、複数段のダイオード接続のnMOSFETQ401〜Q406を用いないので、回路規模を削減できるという効果を有する。
図47は本発明の第4の実施形態に係る基準電流源回路107Aの構成を示す回路図である。第4の実施形態に係る基準電流源回路107Aは、nMOS構成電源回路107Nと、pMOS構成電源回路107Pと、電流減算回路3と、スタートアップ回路101SN,101SPとを備えて構成され、以下のことを特徴としている。
(1)pMOSFETQ311〜Q314及びnMOSFETQ315〜Q320を用いてnMOS構成電源回路107Nを構成し、当該nMOS構成電源回路107Nに図45のスタートアップ回路101SNを付加した。
(2)nMOSFETQ411〜Q414及びpMOSFETQ415〜Q420を用いてpMOS構成電源回路107Pを構成し、当該nMOS構成電源回路107Nに図45のスタートアップ回路101SNを付加した。
以上のように構成された基準電流源回路107Aは図45の基準電流源回路101Aと同様に動作し、同様の作用効果を有する。
図48は本発明の第4の実施形態の変形例に係る基準電流源回路107Bの構成を示す回路図である。第4の実施形態の変形例に係る基準電流源回路107Bは、nMOS構成電源回路107Nと、pMOS構成電源回路107Pと、電流減算回路3と、スタートアップ回路101SN,101SPAとを備えて構成され、図47の第4の実施形態と比較して、スタートアップ回路101SPに代えて、スタートアップ回路SPAを備えたことを特徴としている。
以上のように構成された基準電流源回路107Bは図46の基準電流源回路101Bと同様に動作し、同様の作用効果を有する。
図49は本発明の試作例に係る基準電流源回路108の構成を示す回路図である。試作例に係る基準電流源回路108は、nMOS構成電源回路108Nと、pMOS構成電源回路108Pと、電流減算回路108SBと、スタートアップ回路101SN,101SPAとを備えて構成される。ここで、電流減算回路108SBは、pMOSFETQ501,Q502と、nMOSFETQ503〜Q508とを備えて構成される。以上のように構成された基準電流源回路108において、電流減算回路108SBは、nMOS構成電源回路108Nにより発生される出力電流Iに対応する電流αInから、pMOS構成電源回路108Pにより発生される出力電流Iを減算してなる基準出力電流Irefを発生して出力する。すなわち、基準電流源回路108は図46の基準電流源回路101B及び図48の基準電流源回路107Bと同様に動作し、同様の作用効果を有する。
図50(a)は図49の試作例に係る基準電流源回路108の測定結果であって基準出力電流Irefの温度依存性を示すグラフである。図50(a)から明らかなように、温度変化は、−20°Cから100°Cまでの範囲において0.4%/°C以内に抑圧されていることがわかる。
図50(b)は図49の試作例に係る基準電流源回路108の測定結果であって基準出力電流Irefの電源電圧依存性を示すグラフである。当該基準電流源回路108は1.5V以上の電源電圧で正常に動作し、基準出力電流Irefの当該依存性は0.5nA/Vである。
図51(a),(b)及び(c)は図49の試作例に係る基準電流源回路108の測定結果であって10個の測定サンプルの温度依存性を示しており、図51(a)は出力電流Iの温度依存性を示すグラフであり、図51(b)は出力電流Iの温度依存性を示すグラフであり、図51(c)は基準出力電流Irefの温度依存性を示すグラフである。図51(a),(b)及び(c)から明らかなように、すべての電流I,I,Irefは同一の傾斜を有して変化して、当該回路108は設計通りに正常に動作していることがわかる。ここで、基準出力電流Irefの平均値は63nAであり、その標準偏差は4.3nAである。また、変化係数は6.8%である。
変形例等.
以上の実施形態及び実施例において、電流減算回路13,23において、各電源回路からの電圧に基づいて電流を発生している(例えば図21及び図22においてMOSFETQ71〜Q74)が、本発明はこれに限らず、各電源回路において当該機能を有してもよい。
以上の実施形態及び実施例(一部の実施例を除く。)において、各電源回路から2つの電圧を発生して当該2つの電圧を電流減算回路13,23に印加しているが、本発明はこれに限らず、3つ以上の複数の電圧を発生して当該3つ以上の複数の電圧を電流減算回路13,23に印加して各電流I,Iを発生してもよい。複数の電圧に基づいて各電流I,Iを発生することにより、プロセスバラツキに対して安定な電流を得る場合の精度を大幅に向上できる。
以上の実施形態及び実施例(一部の実施例を除く。)のゲートバイアス電圧生成回路GB11,GB12,GB21,GB22においては、複数の差動対又は複数の差動対回路を用いてゲートバイアス電圧生成回路GB11,GB12,GB21,GB22を構成しており、これにより、温度に対するゲートバイアス電圧の変動の傾きを、1個の差動対又は1個の差動対回路を用いて構成する場合に比較してより正確に制御することができ、これにより、プロセスバラツキに対して安定な電流を得る場合の精度を大幅に向上できる。
以上詳述したように、本発明に係る基準電流源回路によれば、電子移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第1の電流を生成する第1の電源回路と、ホール移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第2の電流を生成する第2の電源回路と、上記第1の電流から上記第2の電流を減算することにより一定の基準電流を生成する電流減算回路とを備えることにより、電子移動度とホール移動度における生成電流の温度特性の違いに基づいて、互いに相補的な回路構成で当該温度依存性をキャンセルして、温度依存性のない一定の基準電流を得ることができる。

Claims (9)

  1. 電流生成用nMOSFETを備え、電子移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第1の電流を生成する第1の電源回路と、
    電流生成用pMOSFETを備え、ホール移動度に依存する出力電流の温度特性を有して第2の電流を生成する第2の電源回路と、
    上記第1の電流から上記第2の電流を減算することにより一定の基準電流を生成する電流減算回路とを備えたことを特徴とする基準電流源回路。
  2. 上記第1の電源回路は複数の第1の電流を発生し、上記第2の電源回路は複数の第2の電流を発生し、上記減算回路は上記複数の第1の電流及び上記複数の第2の電流に基づいて一定の基準電流を生成することを特徴とする請求項1記載の基準電流源回路。
  3. 上記第1の電源回路は、
    上記電流生成用nMOSFETを強反転領域で動作させるためにゲートバイアス電圧を生成する第1のゲートバイアス電圧生成回路と、
    上記電流生成用nMOSFETのドレインバイアスを生成する第1のドレインバイアス生成回路とをさらに備え、
    上記第2の電源回路は、
    上記電流生成用pMOSFETを強反転領域で動作させるためにゲートバイアス電圧を生成する第2のゲートバイアス電圧生成回路と、
    上記電流生成用pMOSFETのドレインバイアスを生成する第2のドレインバイアス生成回路とをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の基準電流源回路。
  4. 上記第1のゲートバイアス電圧生成回路は複数の差動対又は複数の差動対回路を用いて構成され、上記第2のゲートバイアス電圧生成回路は複数の差動対又は複数の差動対回路を用いて構成されたことを特徴とする請求項3記載の基準電流源回路。
  5. 上記第1の電源回路は、上記電流生成用nMOSFETと、上記第1のドレインバイアス生成回路と、上記第1のゲートバイアス電圧生成回路とに対し、電源電流を供給する第1のカレントミラー回路をさらに備え、
    上記第2の電源回路は、上記電流生成用pMOSFETと、上記第2のドレインバイアス生成回路と、上記第2のゲートバイアス電圧生成回路とに対し、電源電流を供給する第2のカレントミラー回路をさらに備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の基準電流源回路。
  6. 上記第1のカレントミラー回路は電源電圧の変動に伴う電源電流の変動を抑制する第1のオペアンプを備え、
    上記第2のカレントミラー回路は電源電圧の変動に伴う電源電流の変動を抑制する第2のオペアンプを備えたことを特徴とする請求項5記載の基準電流源回路。
  7. 上記第1の電源回路と上記第2の電源回路はそれぞれスタートアップ回路をさらに備え、
    上記スタートアップ回路は、
    上記第1の電源回路と上記第2の電源回路の非動作時を検出する検出回路と、
    上記検出回路により上記第1の電源回路と上記第2の電源回路の非動作時が検出されたとき、上記第1の電源回路と上記第2の電源回路に所定の電流を流すことにより上記第1の電源回路と上記第2の電源回路を起動する起動トランジスタ回路とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載の基準電流源回路。
  8. 上記第1の電源回路と上記第2の電源回路の上記スタートアップ回路はさらに、上記検出回路にバイアス動作電流を供給する電流供給回路を備え、
    上記電流供給回路は、
    電源電圧から所定の微小電流を発生する微小電流発生回路と、
    上記発生された微小電流に対応する微小電流をバイアス動作電流として発生する第3のカレントミラー回路とを備えたことを特徴とする請求項7記載の基準電流源回路。
  9. 上記第1の電源回路の上記スタートアップ回路はさらに、上記検出回路にバイアス動作電流を供給する第1の電流供給回路を備え、
    上記第1の電流供給回路は、
    電源電圧から所定の微小電流を発生する微小電流発生回路と、
    上記発生された微小電流に対応する微小電流をバイアス動作電流として発生する第3のカレントミラー回路とを備え、
    上記第2の電源回路の上記スタートアップ回路はさらに、上記検出回路にバイアス動作電流を供給する第2の電流供給回路を備え、
    上記第2の電流供給回路は、
    上記第2の電源回路の起動後の動作電流に対応する電流をバイアス動作電流として発生する第4のカレントミラー回路とを備えたことを特徴とする請求項7記載の基準電流源回路。
JP2010040627A 2009-03-02 2010-02-25 基準電流源回路 Expired - Fee Related JP4837111B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040627A JP4837111B2 (ja) 2009-03-02 2010-02-25 基準電流源回路
US12/713,362 US8305134B2 (en) 2009-03-02 2010-02-26 Reference current source circuit provided with plural power source circuits having temperature characteristics

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009048379 2009-03-02
JP2009048379 2009-03-02
JP2010040627A JP4837111B2 (ja) 2009-03-02 2010-02-25 基準電流源回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010231774A true JP2010231774A (ja) 2010-10-14
JP4837111B2 JP4837111B2 (ja) 2011-12-14

Family

ID=42677698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010040627A Expired - Fee Related JP4837111B2 (ja) 2009-03-02 2010-02-25 基準電流源回路

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8305134B2 (ja)
JP (1) JP4837111B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012099065A (ja) * 2010-11-05 2012-05-24 Handotai Rikougaku Kenkyu Center:Kk 基準電圧源回路
JP2012151611A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Toyota Central R&D Labs Inc 高周波電力増幅器
JP2012178008A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Handotai Rikougaku Kenkyu Center:Kk 電流源回路のための電流補正回路
JP2012190370A (ja) * 2011-03-13 2012-10-04 Seiko Instruments Inc 定電流回路
US8614570B2 (en) 2010-07-30 2013-12-24 Semiconductor Technology Academic Research Center Reference current source circuit including added bias voltage generator circuit
KR20140028447A (ko) * 2012-08-29 2014-03-10 엘지디스플레이 주식회사 전류 기준 회로
JP2014149692A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Rohm Co Ltd 定電圧源
JP2015122635A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 三菱プレシジョン株式会社 増幅回路
JP2015176229A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 セイコーインスツル株式会社 電圧検出回路
JP2015216536A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 ラピスセミコンダクタ株式会社 発振回路、電流生成回路および発振方法
KR101919555B1 (ko) 2012-08-16 2019-02-08 에스케이하이닉스 주식회사 기준 전류원
JP2019028552A (ja) * 2017-07-26 2019-02-21 ローム株式会社 基準電圧源および半導体装置
KR20230049785A (ko) * 2021-10-06 2023-04-14 한양대학교 에리카산학협력단 영의 온도 계수를 가지는 nA급 기준전류 생성 회로
US11962274B2 (en) 2020-08-28 2024-04-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Amplifier device

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8736357B2 (en) * 2011-02-28 2014-05-27 Rf Micro Devices, Inc. Method of generating multiple current sources from a single reference resistor
FR2975512B1 (fr) 2011-05-17 2013-05-10 St Microelectronics Rousset Procede et dispositif de generation d'une tension de reference ajustable de bande interdite
FR2975510B1 (fr) * 2011-05-17 2013-05-03 St Microelectronics Rousset Dispositif de generation d'une tension de reference de bande interdite ajustable a fort taux de rejection d'alimentation
US8350611B1 (en) * 2011-06-15 2013-01-08 Himax Technologies Limited Bandgap circuit and start circuit thereof
US8836413B2 (en) * 2012-09-07 2014-09-16 Nxp B.V. Low-power resistor-less voltage reference circuit
KR20140071176A (ko) * 2012-12-03 2014-06-11 현대자동차주식회사 전류 발생 회로
US9316695B2 (en) * 2012-12-28 2016-04-19 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device
US9525407B2 (en) 2013-03-13 2016-12-20 Analog Devices Global Power monitoring circuit, and a power up reset generator
US9632521B2 (en) * 2013-03-13 2017-04-25 Analog Devices Global Voltage generator, a method of generating a voltage and a power-up reset circuit
US9298952B2 (en) 2013-11-18 2016-03-29 King Fahd University Of Petroleum And Minerals CMOS logarithmic current generator and method for generating a logarithmic current
US9176513B2 (en) 2014-04-02 2015-11-03 King Fahd University Of Petroleum And Minerals High dynamic range exponential current generator with MOSFETs
US9547324B2 (en) * 2014-04-03 2017-01-17 Qualcomm Incorporated Power-efficient, low-noise, and process/voltage/temperature (PVT)—insensitive regulator for a voltage-controlled oscillator (VCO)
US9519304B1 (en) 2014-07-10 2016-12-13 Ali Tasdighi Far Ultra-low power bias current generation and utilization in current and voltage source and regulator devices
KR102391518B1 (ko) * 2015-09-15 2022-04-27 삼성전자주식회사 기준 전류 발생 회로와 이를 구비하는 반도체 집적 회로
US10296026B2 (en) * 2015-10-21 2019-05-21 Silicon Laboratories Inc. Low noise reference voltage generator and load regulator
US10177713B1 (en) 2016-03-07 2019-01-08 Ali Tasdighi Far Ultra low power high-performance amplifier
US10256811B2 (en) * 2016-11-22 2019-04-09 Electronics And Telecommunications Research Institute Cascode switch circuit including level shifter
CN109388172A (zh) * 2018-11-23 2019-02-26 西安电子科技大学 一种低压低功耗cmos电压基准电路
JP7237774B2 (ja) * 2019-08-27 2023-03-13 株式会社東芝 電流検出回路
FR3104751B1 (fr) * 2019-12-12 2021-11-26 St Microelectronics Rousset Procédé de lissage d’un courant consommé par un circuit intégré et dispositif correspondant
FR3113776A1 (fr) 2020-08-25 2022-03-04 Stmicroelectronics (Rousset) Sas Alimentation de circuit électronique
CN114089804B (zh) * 2020-08-25 2023-05-23 意法半导体(鲁塞)公司 用于电子电路供电的设备和方法
FR3113777A1 (fr) 2020-08-25 2022-03-04 Stmicroelectronics (Rousset) Sas Alimentation de circuit électronique

Citations (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57111711A (en) * 1980-11-14 1982-07-12 Puuru Rechiyuudo E Ra Fuaburik Generator for current of integrated circuit
JPH01296491A (ja) * 1988-05-25 1989-11-29 Hitachi Ltd 基準電圧発生回路
JPH09179644A (ja) * 1995-12-06 1997-07-11 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 温度補償基準電流発生器
JPH1078827A (ja) * 1996-09-02 1998-03-24 Yokogawa Electric Corp Icのスタート回路
JPH11231955A (ja) * 1998-02-19 1999-08-27 Fujitsu Ltd 基準電流源回路
JP2000201032A (ja) * 1998-12-28 2000-07-18 Xerox Corp 広範囲の出力負荷インピ―ダンスに対して定電流を供給するカレントミラ―
JP2001142552A (ja) * 1999-11-10 2001-05-25 Nec Ic Microcomput Syst Ltd 温度補償型定電流回路
JP2001344028A (ja) * 2000-05-30 2001-12-14 New Japan Radio Co Ltd 基準電流源回路
JP2004318235A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Renesas Technology Corp 基準電圧発生回路
JP2005301410A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Ricoh Co Ltd 定電流源、その定電流源を使用した増幅回路及び定電圧回路
JP2005311546A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Okayama Prefecture 基準電流発生回路
US20050264345A1 (en) * 2004-02-17 2005-12-01 Ming-Dou Ker Low-voltage curvature-compensated bandgap reference
JP2005539335A (ja) * 2002-09-16 2005-12-22 アトメル・コーポレーション 温度補償された電流基準回路
JP2006196022A (ja) * 2001-12-27 2006-07-27 Toyama Prefecture Mos型基準電圧発生回路
JP2006338434A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 New Japan Radio Co Ltd 基準電圧発生回路
JP2007514988A (ja) * 2003-10-07 2007-06-07 アナログ・デバイシス・インコーポレーテッド 半導体プロセスおよび半導体回路における温度ドリフトを補償するための方法ならびに装置
JP2007200233A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Nec Electronics Corp ダイオードの非直線性を補償した基準電圧回路
WO2009014042A1 (ja) * 2007-07-23 2009-01-29 National University Corporation Hokkaido University 基準電圧発生回路

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7224210B2 (en) * 2004-06-25 2007-05-29 Silicon Laboratories Inc. Voltage reference generator circuit subtracting CTAT current from PTAT current

Patent Citations (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57111711A (en) * 1980-11-14 1982-07-12 Puuru Rechiyuudo E Ra Fuaburik Generator for current of integrated circuit
JPH01296491A (ja) * 1988-05-25 1989-11-29 Hitachi Ltd 基準電圧発生回路
JPH09179644A (ja) * 1995-12-06 1997-07-11 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 温度補償基準電流発生器
JPH1078827A (ja) * 1996-09-02 1998-03-24 Yokogawa Electric Corp Icのスタート回路
JPH11231955A (ja) * 1998-02-19 1999-08-27 Fujitsu Ltd 基準電流源回路
JP2000201032A (ja) * 1998-12-28 2000-07-18 Xerox Corp 広範囲の出力負荷インピ―ダンスに対して定電流を供給するカレントミラ―
JP2001142552A (ja) * 1999-11-10 2001-05-25 Nec Ic Microcomput Syst Ltd 温度補償型定電流回路
JP2001344028A (ja) * 2000-05-30 2001-12-14 New Japan Radio Co Ltd 基準電流源回路
JP2006196022A (ja) * 2001-12-27 2006-07-27 Toyama Prefecture Mos型基準電圧発生回路
JP2005539335A (ja) * 2002-09-16 2005-12-22 アトメル・コーポレーション 温度補償された電流基準回路
JP2004318235A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Renesas Technology Corp 基準電圧発生回路
JP2007514988A (ja) * 2003-10-07 2007-06-07 アナログ・デバイシス・インコーポレーテッド 半導体プロセスおよび半導体回路における温度ドリフトを補償するための方法ならびに装置
US20050264345A1 (en) * 2004-02-17 2005-12-01 Ming-Dou Ker Low-voltage curvature-compensated bandgap reference
JP2005301410A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Ricoh Co Ltd 定電流源、その定電流源を使用した増幅回路及び定電圧回路
JP2005311546A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Okayama Prefecture 基準電流発生回路
JP2006338434A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 New Japan Radio Co Ltd 基準電圧発生回路
JP2007200233A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Nec Electronics Corp ダイオードの非直線性を補償した基準電圧回路
WO2009014042A1 (ja) * 2007-07-23 2009-01-29 National University Corporation Hokkaido University 基準電圧発生回路

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8614570B2 (en) 2010-07-30 2013-12-24 Semiconductor Technology Academic Research Center Reference current source circuit including added bias voltage generator circuit
JP2012099065A (ja) * 2010-11-05 2012-05-24 Handotai Rikougaku Kenkyu Center:Kk 基準電圧源回路
JP2012151611A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Toyota Central R&D Labs Inc 高周波電力増幅器
JP2012178008A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Handotai Rikougaku Kenkyu Center:Kk 電流源回路のための電流補正回路
JP2012190370A (ja) * 2011-03-13 2012-10-04 Seiko Instruments Inc 定電流回路
KR101919555B1 (ko) 2012-08-16 2019-02-08 에스케이하이닉스 주식회사 기준 전류원
KR20140028447A (ko) * 2012-08-29 2014-03-10 엘지디스플레이 주식회사 전류 기준 회로
KR101950839B1 (ko) 2012-08-29 2019-02-21 엘지디스플레이 주식회사 전류 기준 회로
JP2014149692A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Rohm Co Ltd 定電圧源
JP2015122635A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 三菱プレシジョン株式会社 増幅回路
JP2015176229A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 セイコーインスツル株式会社 電圧検出回路
JP2015216536A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 ラピスセミコンダクタ株式会社 発振回路、電流生成回路および発振方法
JP2019028552A (ja) * 2017-07-26 2019-02-21 ローム株式会社 基準電圧源および半導体装置
US11962274B2 (en) 2020-08-28 2024-04-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Amplifier device
KR20230049785A (ko) * 2021-10-06 2023-04-14 한양대학교 에리카산학협력단 영의 온도 계수를 가지는 nA급 기준전류 생성 회로
KR102542290B1 (ko) 2021-10-06 2023-06-13 한양대학교 에리카산학협력단 영의 온도 계수를 가지는 nA급 기준전류 생성 회로

Also Published As

Publication number Publication date
JP4837111B2 (ja) 2011-12-14
US20100225384A1 (en) 2010-09-09
US8305134B2 (en) 2012-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4837111B2 (ja) 基準電流源回路
US8614570B2 (en) Reference current source circuit including added bias voltage generator circuit
JP6242274B2 (ja) バンドギャップリファレンス回路及びそれを備えた半導体装置
JP4791581B2 (ja) サブスレッショルドディジタルcmos回路のための電源電圧制御回路及び制御方法
US9535444B2 (en) Differential operational amplifier and bandgap reference voltage generating circuit
US6677810B2 (en) Reference voltage circuit
JP2006277360A (ja) 定電流回路、および定電流生成方法
US20080284502A1 (en) Current biasing circuit
KR100809716B1 (ko) 레지스터를 추가하여 트리밍을 수행하는 밴드갭 기준 회로
JP5220826B2 (ja) 基準電圧源回路
US9811107B2 (en) Low power bias current generator and voltage reference
JP2018018561A (ja) 半導体装置及び電子システム
JP7190927B2 (ja) 基準電圧回路及び半導体装置
JP2010074721A (ja) 遅延回路
JP4607482B2 (ja) 定電流回路
JP3024645B1 (ja) 定電圧発生回路
KR20180094390A (ko) 밴드갭 전압 기준 회로
KR102517460B1 (ko) 액티브 소자를 이용하여 온도 변화가 보상되도록 하는 전류 발생 회로
KR101885256B1 (ko) 저전력 밴드갭 기준전압 및 기준전류 동시 발생 회로
JP2006285337A (ja) 基準電流発生回路
JP2006313438A (ja) 基準電圧生成回路
US11526189B2 (en) Voltage reduction circuit for bandgap reference voltage circuit
JP4445916B2 (ja) バンドギャップ回路
JP2008146238A (ja) バンドギャップレファレンス電圧源回路
US7567071B1 (en) Current and voltage source that is unaffected by temperature, power supply, and device process

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110601

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110829

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110927

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees