JP2010084508A - 金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材、金属屋根および建築物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂発泡体層と熱可塑性樹脂層とが積層された金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材であって、前記熱可塑性樹脂層は、光遮蔽剤を含み、かつ紫外線吸収剤および/または光安定剤を含んでいる金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材とする。
【選択図】 図1
Description
ポリオレフィン系樹脂発泡体層と熱可塑性樹脂層とが積層された金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材であって、前記熱可塑性樹脂層は、光遮蔽剤を含み、かつ紫外線吸収剤および/または光安定剤を含んでいる金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材を特徴としている。
更には、金属板に適用して金属屋根とする場合は、主に強度維持を目的に各種の方法で金属板に所定の形状に折り曲げ加工を行うが、折り曲げ加工に好適な熱可塑性樹脂としてポリエチレン系樹脂や軟質塩化ビニル樹脂が例示される。
ここで示すポリオレフィン系樹脂は特に限定されないが、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、エチレン−オクテン共重合体、低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンとを共重合した直鎖状のポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等が例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。エチレンに共重合させるα−オレフィンについては特に限定されないが、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等が好ましい。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚みは1〜20mmが好ましく、更には2〜5mmが好ましい。厚みが1mm未満であれば断熱性を付与することが困難な場合があり、一方、厚みが20mmを超えると金属屋根の形状に即した折り曲げ加工が困難となる場合がある。ここで示す厚みとは、JIS K 7222(2001年版JISハンドブック記載)準じた測定方法で測定した数値を示す。
(1)表面を硬質クロームメッキ加工し、鏡面仕上げした金属ロール。
(2)上下面の2面が正方形で側面4面が等脚台形である凹状6面体であり、刻印底面の一辺が0.8mmの正方形、深さが1.0ミリ、ロール表面側が一辺が2.5mmの正方形を規則的な配列で金属ロール表面全体に連続的に刻印した規則的凹凸模様刻印金属ロール(四角錐形状)。
(3)表面を梨地加工した金属ロール。
熱可塑性樹脂層に接する金属ロールに上記金属ロール(1)〜(3)のいずれかを用い、ポリオレフィン系樹脂発泡体層に接するロール表面にシリコーン樹脂で覆ったゴムロールを配置し、ゴムロールを600kPaの圧力で圧接した2本のロール間に押出した熱可塑性樹脂とポリオレフィン系樹脂発泡体を同時に供給し積層した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体にドクターナイフで塗布量を調整するナチュラルロールコーターを用い、粘着剤としてBPS5375(東洋インキ製造株式会社製)100質量部とBHS8515(東洋インキ製造株式会社製)1.7質量部を混合したものをフィルム状の熱可塑性樹脂に塗布した後、30〜60℃に設定した熱風循環式乾燥機中で5〜10分間の十分な乾燥を行い、600kPaの圧力で圧接した2本のシリコーン樹脂で覆ったゴムロール間に粘着剤を塗布した熱可塑性樹脂とポリオレフィン系樹脂発泡体を同時に供給し積層した。粘着剤塗布量は乾燥後の質量で50〜70g/m2の範囲で塗布した。
ドクターナイフで塗布量を調整するナチュラルロールコーターを用い、接着剤としてサイビノールEX−8(サイデン化学株式会社製)を金属板に塗布し、40〜80℃に設定した熱風循環式乾燥機中で1〜10分間の十分な乾燥を行った後、押出ラミネートしたオレフィン系樹脂発泡体の発泡体面と金属板の接着剤塗布面を合わせ、400kPaの圧力で圧接した2本のゴムロール間に供給し積層した。接着剤塗布量は乾燥後の質量で50〜70g/m2の範囲で塗布した。
JIS K 7222(2001年版JISハンドブック記載)に準じた測定方法で測定した。
JIS K 6767(2001年版JISハンドブック記載)に準じた測定方法で測定した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体層との積層前に採取した熱可塑性樹脂層を2cmの正方形に裁断し、自動比重測定装置(メトラー・トレド株式会社製SGM−6)を用いて液浸前質量および比重を測定し、下式により熱可塑性樹脂層の厚みを求めた。
10点について上記の測定を行い、その平均値を熱可塑性樹脂層の厚みとした。
一辺が80mmで厚みが6mmであるJIS G3192(2005年版JISハンドブック記載)の等辺山形鋼を長さ10cmに切断した台座に、幅5cm、長さ12cmに切断した平板状の金属板と積層した試験片を置き、先端を曲率半径6mmに加工した厚み6mmで幅10cmの金属板を試験片の中心に当て、ハンマー等で力を加え試験片を概ね90°に曲げた。試験は両方向の面で行い金属板と反対する側の表面を肉眼で観察した。表面状態に変化が見られなかったものを良好と判断し、表面に亀裂、割れ等があったものを不良と判定した。
平板状の金属板に金属屋根用断熱材を積層した試験片を超促進耐候試験機(アイスーパーUVテスターSUV−W151:岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線強度を1,000W/m2、照射時間4時間と結露時間4時間の繰返し試験とし、照射条件として温度63℃、相対湿度50%とした促進試験において、2,016MJ/m2の紫外線照射量に相当する総試験時間1,120時間の繰返し暴露試験を行い紫外線を照射した。試験片の照射面は金属板と反対する面に行い、試料台への固定は端面のポリオレフィン系樹脂発泡体層の露出部分を無くすため外周を後述する実施例2に示す熱可塑性樹脂層の片面に粘着剤としてバインゾールR−8900(一方社油脂工業株式会社製)100質量部に対し架橋剤B−45(一方社油脂工業株式会社製)1.7質量部混合したものを乾燥質量で50〜70g/m2となるよう塗布し熱風循環式乾燥機中で充分に乾燥させたテープを用いて被覆した。
暴露試験後の試験片について照射面側の表面を肉眼およびマイクロスコープで100倍まで拡大して観察した。表面状態やポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡状態に変化が見られなかったものを良好と判断し、表面に亀裂、欠落等の変化や上記発泡体の気泡減少や消滅があったものを不良と判定した。なお、彩色した樹脂層の色調変化については判断基準外とした。
厚みを測定した暴露試験後の試験片に直径2cmの金属製丸棒を用い面加重3kg/cm2となる荷重を照射面側に30秒間加え、無荷重で10分間放置後を用いて厚みを測定し、加重後の厚みを加重前厚みで除した数値を百分率で表示したものを圧縮回復率とした。この時の厚みはダイヤルシックネスゲージG−2(株式会社尾崎製作所社製)を用いて測定した。
90°折曲げ試験後の外観性、暴露試験後の外観性が共に良好、かつ圧縮回復率が60%以上のものを合格と判断した。90°折曲げ試験後の外観性、暴露試験後の外観性のいずれかが不良または圧縮回復率が50%未満のものを不合格と判断した。
熱可塑性樹脂として、粉砕機を用い最大長辺を2mm以下に粉砕したMFRが8g/10分、密度が0.925g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製ニポロン−L M60)100質量部に紫外線吸収剤として2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチリフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(シプロ化成株式会社製SEESORB703)0.3質量部、光遮蔽剤として酸化チタン(石原産業株式会社製タイぺークR−980)3質量部、顔料としてC.I.ピグメントイエロー53(長瀬産業株式会社製イルガカラーYellow 10401)0.2質量部をスーパーミキサーで混合後、150〜250℃に加熱した40mmφの二軸押出機で溶融混練し、ノズルから押出すことにより直径2mmの棒状のストランドを作り、水冷後長さ3mmにカッティングして紫外線吸収剤と光遮蔽剤とを含む熱可塑性樹脂組成物を作成した。該樹脂組成物を160〜230℃に加熱した65mmφの単軸押出機に投入しTダイを介してシート状に押し出した直後、電子線架橋の長尺発泡体トーレペフ 40040−KY00(東レ株式会社製)を共に金属ロール(1)を用いて押出ラミネートし熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡体(金属屋根用断熱材)を得た。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表1に示すとおりである。
紫外線吸収剤として2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチリフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(シプロ化成株式会社製SEESORB703)0.6質量部、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート(旭電化工業株式会社製アデカスタブLA−77Y)0.6質量部、光遮蔽剤として酸化チタン(石原産業株式会社製タイぺークR−980)10質量部、顔料としてピグメントブルー−15(長瀬産業株式会社製イルガライトBlue BSP)0.2質量部、金属ロール(2)を用いて押出ラミネートしたほかは実施例1と同様にして金属屋根用断熱材を得た。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表1に示すとおりである。
熱可塑性樹脂としてMFRが9.4g/10分、密度が0.922g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックLD LC720)100質量部、紫外線吸収剤は用いず光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート(旭電化工業株式会社製アデカスタブLA−77Y)4.0質量部、光遮蔽剤として酸化亜鉛(住友大阪セメント株式会社製ZnO−350)20質量部用い、顔料は用いず、電子線架橋の長尺発泡体トーレペフ 40080−AY00(東レ株式会社製)を用い、金属ロール(3)を用いて押出ラミネートしたほかは実施例1と同様に金属屋根用断熱材を得た。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表1に示すとおりである。
熱可塑性樹脂としてMFRが2.0g/10分、酢酸ビニル含量が6質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックEVA LV244)100質量部、紫外線吸収剤として2’,4’−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(シプロ化成株式会社製SEESORB712)0.3質量部、光安定剤として2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−無水マレイン酸重縮合物(シプロ化成株式会社製SEESORB805)0.1質量部、光遮蔽剤として酸化セリウム(多木化学株式会社製ニードラルW−100)3質量部、顔料としてカーボンブラック(東海カーボン株式会社製トーカブラック#7360SB)1.0質量部、無架橋の長尺発泡体ミナフォーム #120(酒井化学株式会社製)、金属ロール(2)を用いて押出ラミネートしたほかは実施例1と同様にして金属屋根用断熱材を得た。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表1に示すとおりである。
熱可塑性樹脂としてMFRが3.5g/10分、密度が0.898g/cm3のメタロセンプラストマー(日本ポリエチレン株式会社製カーネル KF360T)100質量部、紫外線吸収剤は用いず、光安定剤としてポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}}(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製キマソーブ944LD)0.2質量部、光遮蔽剤として酸化マグネシウム(神島化学工業株式会社製スターマグU)15質量部、顔料としてピグメントレッド−57−1(長瀬産業株式会社製イルガライトRubine 4BP)0.2質量部、電子線架橋の長尺発泡体トーレペフ 13060−AM00(東レ株式会社製)、金属ロール(3)を用いて押出ラミネートしたほかは実施例1と同様にして金属屋根用断熱材を得た。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表2に示すとおりである。
熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂(ヴイテック株式会社製MT1100)70質量部、可塑剤としてアジピン酸ジイソノニル(株式会社ジェイ・プラス製DINA)30質量部、紫外線吸収剤として4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(シプロ化成株式会社製SEESORB103)2.0質量部、光安定剤として2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−無水マレイン酸重縮合物(シプロ化成株式会社製SEESORB805)0.1質量部、光遮蔽材としてカオリン(竹原化学工業株式会社製サテントン5)10質量部、顔料としてカーボンブラック(東海カーボン株式会社製トーカブラック#7360SB)1.0質量部を170℃に加熱した加圧式ニーダーで溶融混練した後、金属ロール(1)を用いたカレンダー成型機でフィルム状に成形した。このフィルムを用いて接着ラミネート法で電子線架橋の長尺発泡体トーレペフ 15030−AG00(東レ株式会社製)に積層し、金属屋根用断熱材を得た。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表2に示すとおりである。
熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂(ヴイテック株式会社製MT1100)60質量部、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(株式会社ジェイ・プラス製DINP)40質量部、紫外線吸収剤として2’−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(シプロ化成株式会社製SEESORB502)1.0質量部、光遮蔽剤として白雲母(山口雲母工業所社製SYA−21R)10質量部、光安定剤と顔料は用いず、化学架橋の長尺発泡体ハイエチレンスーパー(日立化成株式会社製)用いて接着ラミネートしたほかは実施例6と同様にして金属屋根用断熱材を得た。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表2に示すとおりである。
熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂(ヴイテック株式会社製MT1100)80質量部、可塑剤としてアジピン酸系ポリエステル(株式会社ジェイ・プラス製D643)20質量部、光安定剤としてポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}}(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製キマソーブ944LD)1.0質量部、光遮蔽剤としてセリサイト(岩瀬コスファ株式会社製ソフトセリサイトT−6)15質量部、紫外線吸収剤と顔料は用いず、電子線架橋の長尺発泡体トーレペフ 30040−AS60(東レ株式会社製)用いて接着ラミネートしたほかは実施例6と同様にして金属屋根用断熱材を得た。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表2に示すとおりである。
実施例1に記載した方法で作成した幅87cm、長さ10mの金属屋根用断熱材と、幅90cm、長さ150cm、厚み0.35mmの塗装溶融亜鉛めっき鋼板(日新製鋼株式会社製月星カラー B40)を、ポリオレフィン系樹脂発泡体層が該鋼板と接するように積層し、折り曲げ加工を行う前の平板状の金属屋根用部材を作成した。この部材を頂点間間隔が76mmの大波形状に丸波成型機を用いて折り曲げ加工を行い金属屋根を得た。この金属屋根のポリオレフィン系樹脂発泡体の断面が露出する部分は、実施例2に示す熱可塑性樹脂層の片面に粘着剤としてバインゾールR−8900(一方社油脂工業株式会社製)100質量部に対し架橋剤B−45(一方社油脂工業株式会社製)1.7質量部混合したものを乾燥質量で50〜70g/m2となるよう塗布し熱風循環式乾燥機中で充分に乾燥させたテープを用いて被覆した。
上記方法で作成した金属屋根を、幅1.4m、奥行き0.9m、高さ1.6mの屋外機器用雨避け構造物の屋根材として用いた。屋外機器用雨避け構造物の概要図を図8に示す。金属屋根の取り付けは屋外機器用雨避け構造物の天井に配置した支柱に水平方向に固定した円柱状の金属パイプにシーリングパッキン付パイプボルトで固定した。金属屋根の取り付け概要図を図9に示す。
[実施例10]
金属ロール(2)を用いて押出ラミネートしたほかは実施例1と同様にして金属屋根用断熱材得た。鋭利な先端に加工した直径2mm、長さ30mmの金属棒を縦方向と横方向にそれぞれ5cm間隔で金属ロールの円周に整列配置した貫通孔加工ロールへ前記の金属屋根用断熱材を通し連続的に貫通孔加工を施した金属屋根用断熱材を得た。個々の貫通孔の投影面積は鋼尺と共に撮影した貫通孔を、撮影した鋼尺目盛と現物の鋼尺目盛が合致するよう画像処理した貫通孔画像ときょう雑物計測図表を比較し、最も大きさと形状が近似しているものを選択して求めた結果、いずれも2.5mm2であった。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表3に示すとおりである。
紫外線吸収剤として2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチリフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(シプロ化成株式会社製SEESORB703)0.6質量部、光安定剤として2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−無水マレイン酸重縮合物(シプロ化成株式会社製SEESORB805)0.6質量部、光遮蔽剤として水酸化マグネシウム(神島化学工業株式会社製マグシーズN−3)10質量部としたほかは実施例1と同様にして金属屋根用断熱材を得た。鋭利な先端に加工した直径1mm、長さ20mmの金属棒を縦方向と横方向にそれぞれ10cm間隔で金属ロールの円周に整列配置した貫通孔加工ロールへ前記の金属屋根用断熱材を通し連続的に貫通孔加工を施した金属屋根用断熱材を得た。個々の貫通孔の投影面積は鋼尺と共に撮影した貫通孔を、撮影した鋼尺目盛と現物の鋼尺目盛が合致するよう画像処理した貫通孔画像ときょう雑物計測図表を比較し、最も大きさと形状が近似しているものを選択して求めた結果、0.5〜0.7mm2の範囲であった。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表3に示すとおりである。
上記方法で得た金属屋根用断熱材と厚み0.6mmの塗装溶融亜鉛めっき鋼板(日新製鋼株式会社製月星カラー B40)を、ポリオレフィン系樹脂発泡体層が該鋼板と接するように積層し、折り曲げ加工を行う前の平板状の金属屋根用部材を得た。評価結果は表3に示す通りであり、上記方法で得た金属屋根用部材は総合判定で合格であった。
紫外線吸収剤として2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチリフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(シプロ化成株式会社製SEESORB703)0.6質量部、光安定剤として2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−無水マレイン酸重縮合物(シプロ化成株式会社製SEESORB805)0.6質量部、光遮蔽剤として酸化鉄(神島化学工業株式会社製マグシーズN−3)5質量部と白雲母(山口雲母工業所社製SYA−21R)5質量部、顔料は用いず、金属ロール(3)を用いて押出ラミネートしたほかは実施例1と同様にして金属屋根用断熱材を得た。鋭利な先端に加工した直径3.5mm、長さ40mmの金属棒を縦方向と横方向にそれぞれ15cm間隔で金属ロールの円周に整列配置した貫通孔加工ロールへ前記の金属屋根用断熱材を通し連続的に貫通孔加工を施した金属屋根用断熱材を得た。個々の貫通孔の投影面積を表面欠陥検査装置(株式会社アヤハエンジニアリング製FITS−Ct)を用い測定した結果、7.5〜8.3mm2の範囲であった。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表3に示すとおりである。
上記方法で得た金属屋根用断熱材と厚み0.6mmの塗装溶融亜鉛めっき鋼板(日新製鋼株式会社製月星カラー B40)を、ポリオレフィン系樹脂発泡体層が該鋼板と接するように積層し、折り曲げ加工を行う前の平板状の金属屋根用部材を得た。評価結果は表3に示す通りであり、上記方法で得た金属屋根用部材は総合判定で合格であった。
熱可塑性樹脂としてMFRが2.5g/10分、酢酸ビニル含量が46質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル株式会社製エバフレックスEV45LX)100質量部、紫外線吸収剤として2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチリフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(シプロ化成株式会社製SEESORB703)0.6質量部、光安定剤として2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−無水マレイン酸重縮合物(シプロ化成株式会社製SEESORB805)0.6質量部、光遮蔽剤として酸化チタン(石原産業株式会社製タイぺークR−980)10質量部と水酸化マグネシウム(神島化学工業株式会社製マグシーズN−3)40質量部、顔料は用いず、添加剤として臭素系難燃剤エチレンビスペンタブロモベンゼン(株式会社鈴裕化学製ファイアカットP−801)10質量部、化学架橋の長尺発泡体ハイエチレンスーパー(日立化成株式会社製)用い、金属ロール(2)を用いて押出ラミネートしたほかは実施例1と同様にして金属屋根用断熱材を得た。鋭利な先端に加工した直径2mm、長さ30mmの金属棒を縦方向と横方向それぞれに5cm間隔で金属ロールの円周に整列配置した貫通孔加工ロールへ前記の金属屋根用断熱材を通し連続的に貫通孔加工を施した金属屋根用断熱材を得た。個々の貫通孔の投影面積は鋼尺と共に撮影した貫通孔を、撮影した鋼尺目盛と現物の鋼尺目盛が合致するよう画像処理した貫通孔画像ときょう雑物計測図表を比較し、最も大きさと形状が近似しているものを選択して求めた結果、いずれも2.5mm2であった。このときのポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚み、見掛け密度、圧縮永久歪、熱可塑性樹脂層の厚みは表3に示すとおりである。
上記方法で得た金属屋根用断熱材と厚み0.6mmの塗装溶融亜鉛めっき鋼板(日新製鋼株式会社製月星カラー B40)を、ポリオレフィン系樹脂発泡体層が該鋼板と接するように積層し、折り曲げ加工を行う前の平板状の金属屋根用部材を得た。評価結果は表3に示す通りであり、上記方法で得た金属屋根用部材は総合判定で合格であった。
熱可塑性樹脂を押出ラミネートしない以外は実施例1と同様にして金属屋根用積層体を得た。評価結果は表4に示す通りであり、暴露試験の外観性でポリオレフィン系樹脂発泡体層表面に無数の亀裂が生じ、部分的に黄変し極端に厚みが薄く気泡が崩壊・消滅し不良判定であった。圧縮回復率は紫外線劣化した上記発泡体層の弾性が失われ回復率は38%であった。これらの結果から総合判定は不合格であった。
紫外線吸収剤を用いない以外は実施例1と同様にして金属屋根用積層体を得た。評価結果は表4に示す通りであり、暴露試験の外観性で熱可塑性樹脂層の欠落が散発しポリオレフィン系樹脂発泡体層の露出が見られ、この発泡体露出部では発泡体が黄変し極端に厚みが薄く気泡が崩壊・消滅していた。また熱可塑性樹脂層には無数の亀裂もあり不良判定であった。圧縮回復率は紫外線劣化した上記発泡体層の弾性が失われ回復率は43%であった。これらの結果から総合判定は不合格であった。
光遮蔽剤を用いない以外は実施例1と同様にして金属屋根用積層体を得た。評価結果は表4に示す通りであり、暴露試験の外観性でポリオレフィン系樹脂発泡体層が黄変し極端に厚みが薄く気泡が崩壊・消滅した部分があり不良判定であった。圧縮回復率は紫外線劣化した上記発泡体層の弾性が失われ回復率は49%であった。これらの結果から総合判定は不合格であった。
発泡体層として吹付け発泡ウレタン(ヘンケルジャパン株式会社製シスタM5230)を厚み0.35mmの塗装溶融亜鉛めっき鋼板(日新製鋼株式会社製月星カラー B40)に発泡体層厚みが約4mmとなるよう吹付け30分放置した。熱可塑性樹脂層としてA液とB液とを同量に混合したウレタン樹脂(日新レジン株式会社製ホビーキャストNX透明)100質量部に紫外線吸収剤として2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチリフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(シプロ化成株式会社製SEESORB703)0.3質量部、光遮蔽剤として酸化チタン(石原産業株式会社製タイぺークR−980)3質量部、顔料としてC.I.ピグメントイエロー53(長瀬産業株式会社製イルガカラーYellow 10401)0.2質量部を攪拌混合し、刷毛を用いて吹付け発泡ウレタンに薄膜となるよう塗布し、金属屋根用発泡断熱材を得た。評価結果は表4に示す通りであり、90°折曲げ試験後の外観性で熱可塑性樹脂層に多数の割れや亀裂が発生し、また上記発泡断熱材にも部分的に割れが発生したため不良判定であった。圧縮回復率は上記発泡断熱材に弾性がなく回復率は35%であった。これらの結果から総合判定は不合格であった。
2 ポリオレフィン系樹脂発泡体層
3 表面が鏡面である熱可塑性樹脂層
4 表面に規則的凹凸模様を有する熱可塑性樹脂層
5 表面に梨地模様を有する熱可塑性樹脂層
6 屋外機器用雨避け構造物
7 金属屋根
8 片面に粘着剤を塗布した熱可塑性樹脂層テープ
9 円柱状の金属パイプ
10 パイプボルト
11 曲座
12 シーリングパッキン
13 貫通孔
Claims (7)
- ポリオレフィン系樹脂発泡体層と熱可塑性樹脂層とが積層された金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材であって、前記熱可塑性樹脂層は、光遮蔽剤を含み、かつ紫外線吸収剤および/または光安定剤を含んでいる金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材。
- 紫外線吸収剤および光安定剤の総含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対し0.1〜5質量部であり、光遮蔽剤の含有量が、熱可塑性樹脂100質量部に対し2〜50質量部である、請求項1に記載の金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材。
- 熱可塑性樹脂層の厚みが0.05〜2mmの範囲である、請求項1または2に記載の金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材。
- ポリオレフィン系樹脂発泡体層の厚みが1〜20mmの範囲にあり、見かけ密度が10〜100kg/m3の範囲にあり、かつ圧縮永久歪が15%以下の範囲にある、請求項1〜3のいずれかに記載の金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材。
- ポリオレフィン系樹脂発泡体層と熱可塑性樹脂層とを貫通する貫通孔を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の金属屋根用熱可塑性樹脂積層ポリオレフィン系発泡断熱材のポリオレフィン系樹脂発泡体層が金属板に接するように積層された金属屋根。
- 請求項6に記載の金属屋根を用いた建築物。
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