JP2015047808A - 発泡積層シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】黄変が少なく、柄再現性に優れた発泡積層シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】紙基材上に発泡剤含有樹脂層を有し、前記発泡剤含有樹脂層は少なくとも無機充填剤、発泡剤、エチレン単独若しくは他のコモノマーと共重合させた樹脂を含有してなり、表面に凹凸模様を有してなる発泡積層シートの製造方法において、サーキュラーダイを用いたインフレーション押出法により、発泡剤のガス発生温度以下で発泡剤含有樹脂層を製膜し、電子線を照射し、紙基材上に貼り合せ、発泡剤の発泡開始温度以上に加熱し、凹凸を有する版または凹凸を有するロールを押圧することで、前記発泡剤含有樹脂層の表面に凹凸模様を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、戸建て住宅、集合住宅、店舗、事務所ビル等の建築物の壁面装飾に用いる積層シートに関し、特には紙基材上に発泡剤を含有した樹脂層を設け、発泡させてなる発泡積層シートの製造方法に関するものである。
従来、前記用途に用いる発泡積層シートとしては、紙基材に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年、環境に配慮し、発泡樹脂層にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂のようなオレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むエマルジョンに、マイクロカプセル型発泡剤を添加した樹脂組成物を、紙基材に塗布・乾燥後、表面に絵柄模様を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる発泡積層シートが知られている。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体に熱分解型発泡剤を添加した樹脂組成物を、Tダイ押出機を用いて紙基材上に押し出し積層し、表面に絵柄模様を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる発泡積層シートが知られている。
これらのオレフィン系の発泡積層シートは、例えば前者のエマルジョン方式であれば、エマルジョンの水を揮発乾燥させる為に大きなエネルギーを必要とする。またマイクロカプセル方式の発泡剤を使用する為、表面の平滑性が、化学発泡剤を使用した場合と比べると劣る。またエンボス加工時に、マイクロカプセルのシェルが屈強であるがゆえにエンボスの押し込みが不充分になることがあり、結果として意匠性に制限が出てくるほか、施工時の不陸隠蔽性も悪くなりやすい。後者のTダイ押出し方式では、エマルジョン方式と比べると乾燥工程が不要であることなど、生産性における優位性が認められるが、Tダイの流速が巾方向で違うことにより、端部とセンターで品質差が生じやすい。具体的には、端部では中央部に比べて流速が遅く滞留時間が長いために、端部では、中央部よりも発泡剤その他の原料の熱劣化が進行しやすい。更には主原料である酢酸ビニルにより押出機を腐食させてしまう問題や、酢酸ビニルの極性が炭酸カルシウム、二酸化チタンなどの無機充填剤成分に過剰に作用して、押出機内で増粘効果をもたらし、それに伴って製膜安定不良、トルク・樹脂圧の異常などを起こす問題を抱える。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の加水分解による経年劣化も懸念される。
また、特許文献4には、Tダイ押出機を用いて、裏打ち紙上に発泡剤含有樹脂を直接加熱溶融押出ししたのちに、電子線照射により樹脂を架橋させ、その後に加熱発泡するという製造方法に関する記載がある。この場合、電子線により樹脂が架橋されるため、溶融張力や分子量の増大の効果により、発泡セルが微細で、かつ表面状態の優れた発泡積層シートを得ることができる。しかしこの文献の方法により製造した発泡積層シートは、樹脂を架橋させるために照射した電子線が一部裏打ち紙にまで達してしまうため、裏打ち紙のセルロースが電子線劣化し、機械強度の低下や黄変などの問題が発生する(この傾向は、後の加熱発泡工程で受ける熱履歴により、より増大する)。特に黄変は、発泡積層シートの意匠感を損なう。
また、これらの特許文献を含む既存の発泡積層技術では、印刷等により模様を付与した後に発泡・エンボスを施すため、付与した意匠が発泡により引き伸ばされて意匠感が低下するという問題を潜在的に持っている。
特開平6−47875 特開2000−255011 特開2001−347611 特許第3923969号
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、即ち、本発明が解決しようとする課題は、生産効率の高いTダイ押出し機を用い、かつ発泡セルが微細で、かつ表面状態が優れるように、電子線を照射する工程を含んで製造される発泡積層シートにおいて、より高意匠の発泡積層シートを製造する方法に関するものであり、具体的には、黄変が少なく、柄再現性に優れた発泡積層シートを製造する方法に関するものである。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、すなわちその請求項1記載の発明は、紙基材上に発泡剤含有樹脂層を有し、前記発泡剤含有樹脂層は少なくとも無機充填剤、発泡剤、エチレン単独若しくは他のコモノマーと共重合させた樹脂を含有してなり、表面に凹凸模様を有してなる発泡積層シートの製造方法において、少なくとも下記の工程順に製造することを特徴とする、発泡積層シートの製造方法である。
(1)サーキュラーダイを用いたインフレーション押出法により、発泡剤のガス発生温度以下で発泡剤含有樹脂層を製膜する工程。
(2)前記製膜した発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する工程。
(3)前記電子線を照射した発泡剤含有樹脂層を、紙基材上に貼り合せる工程。
(4)前記紙基材上に貼り合せた発泡剤含有樹脂層を、発泡剤の発泡開始温度以上に加熱し、発泡剤含有樹脂層を発泡させる工程。
(5)前記発泡した発泡剤含有樹脂層の表面に、凹凸を有する版または凹凸を有するロールを押圧することで、前記発泡剤含有樹脂層の表面に凹凸模様を設ける工程。
またその請求項2記載の発明は、前記発泡剤含有樹脂層を製膜後、水冷にて冷却することを特徴とする請求項1記載の発泡積層シートの製造方法である。
またその請求項3記載の発明は前記インフレーション押出法のブロー比を1倍以上3倍以下にすることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか1つに記載の発泡積層シートの製造方法である。
またその請求項4記載の発明は、前記電子線を照射した発泡剤含有樹脂層を紙基材上に貼り合せる工程が、熱ラミネーション法により成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡積層シートの製造方法である。
またその請求項5記載の発明は、前記発泡剤含有樹脂層の樹脂成分が、密度0.93〜0.90で温度190℃かつ加重21.2Nの条件下におけるMFRが0.1〜15g/10分のポリエチレン70〜100重量%と、密度0.90〜0.86で温度190℃かつ加重21.2Nの条件下におけるMFRが0.1〜15g/10分のポリエチレン0〜30重量%の単独もしくは混合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡積層シートの製造方法である。
またその請求項6記載の発明は、前記(5)の凹凸模様を設ける工程の後の、模様層及び/または表面保護層を、インクジェット法を用いて積層することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の発泡積層シートの製造方法である。
またその請求項7記載の発明は、前記発泡樹脂層の主成分が、無極性の非ハロゲン系熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡積層シートの製造方法である。
本発明は、その請求項1記載の発明により、サーキュラーダイを用いたインフレーション押出法を用いることで、シートのどの部分においても樹脂の押出機内部での滞留時間をほぼ同じにすることができる為、品質の安定した積層シートを製造することができる。例えば、同じく押出方式でシートを製膜する方法であるTダイ押出法では、巾方向で樹脂の滞留時間に違いが出てしまうため、品質のバラツキがおきやすいが、サーキュラーダイ(円形ダイ)では、滞留時間はどの位置でもほぼ一定であり、品質のバラツキは生じない。また、電子線を照射した後に紙基材へ貼り合せるため、樹脂が架橋されて溶融聴力が上がり、樹脂発泡ガスの保持力を向上させることが可能になる。この効果により、使用可能な樹脂の溶融粘度や設定可能な発泡条件などに自由度が増す。また、紙基材と貼り合せるよりも前の段階で電子線照射を行なう為、紙基材の電子線による黄変などの心配がない。
また本発明の請求項2記載の発明により、水冷にて冷却することで、厚み精度の高い積層シートを製造することができる。サーキュラーダイを使用した押出し成形においては、円形のダイの中央部にエアを吹き付けることにより樹脂を冷却固化する、所謂空冷方法が用いられることが多いが、この場合、冷却エアの風速などが安定しない為に、固化するタイミングにバラツキが生じて厚みムラの原因になる。しかしながら、水冷方式であれば、冷却固化のタイミングをほぼ均一にできる為に、上記の様な問題は生じない。
また本発明の請求項3記載の発明により、ブロー比を限定することで、発泡後の施工時のカールを抑えることができる。ブロー比が3倍を超えると、発泡時の加熱により、延伸した樹脂が収縮しようとする力が強くなる為、カールが発生してしまうが、ブロー比を3倍以下に抑えると、カールの問題が発生しない。
また本発明の請求項4記載の発明により、熱ラミネーション法により貼り合せることで、接着剤等を使用することなく貼り合せを行なう為、経済的に優れた積層シートを提供することができる。更には、その後の発泡工程において、発泡剤含有樹脂層からの溶融樹脂が紙基材の繊維質と絡み合うことにより投錨効果が発現し、接着剤では得られない強固な層間強度を得ることができる。
また本発明の請求項5記載の発明により、発泡剤含有樹脂層の樹脂成分を限定することで、より安定して製造をすることができる。積層シートとして使用する場合には、適度な柔軟性が必要な為、密度0.90以下の超低密度ポリエチレンの使用が好適に用いられるが、超低密度ポリエチレンはエチレンとαオレフィンの共重合により製造され、長鎖分岐構造を有さない為に高い溶融張力を得ることが困難な為に、過度な量の使用は好ましくない。本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、密度0.90〜0.86のポリエチレンを0〜30重量%の範囲内が好適であることを見出した。30重量%以上では、所望の溶融張力を得ることができず、製膜及び発泡条件への影響がある。また密度0.86未満のポリエチレンを使用した場合には、融点が低すぎることにより、高温環境下での耐久性に課題を残す。また、温度190℃加重21.2Nの条件下におけるMFRが0.1〜15g/10分の範囲内にあることが望ましい。0.1g/10分以下では樹脂の流動性が低すぎて安定製膜できず。15g/10分以上では、流動性が高すぎて製膜時のバブル保持が困難になり、同じく製膜が安定しない。
またその請求項6記載の発明により、より意匠性の高い意匠層、または表面保護層の厚みが均一で高い表面保護性能を有する発泡積層シートとすることが可能となる。発泡工程よりも前に模様層や表面保護層を設ける工程があると、発泡させてエンボス模様を付加させた場合に模様の一部分が伸ばされてしまうことがあり、模様がぼやけてしまい意匠性が損なわれることがある。また表面保護層も部分的に伸ばされてしまうことがあるため、場所により表面保護性能にバラツキが生じてしまうことがある。しかしながら、発泡後にインクジェット法により模様層や表面保護層を設ける場合においては、上記のような問題は殆ど発生しない。エンボス後に公知の印刷法を用いて模様層や表面保護層を設けようとする場合には、圧胴によりエンボスのつぶれが発生してしまうため、好適ではない。
またその請求項7記載の発明により、無極性の非ハロゲン系熱可塑性樹脂を用いることで、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの極性樹脂を使用した場合と比較して、フィラーを増量した場合の粘度上昇が抑えられる為、高品質の壁紙を安定して生産することができるので好ましい。無極性非ハロゲン系熱可塑性樹脂としては、例えば単一の炭化水素を重合させたもの、あるいは複数種の炭化水素を共重合させたものなどが使用可能である。一方で、例えば、エチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、及びアイオノマー樹脂などはいずれも極性を持っている為、好適ではない。
本発明の発泡積層シートの一実施例の断面の構造を示す説明図である。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明による発泡積層シートの一実施例の断面の構造を示す。紙基材1上に発泡剤含有樹脂層2を有し、表面に凹凸模様3を設けてなる。また適宜模様層4、表面保護層5を設けてなる。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明による発泡積層シートの一実施例の断面の構造を示す。紙基材1上に発泡剤含有樹脂層2を有し、表面に凹凸模様3を設けてなる。また適宜模様層4、表面保護層5を設けてなる。
本発明における紙基材1としては、従来ある壁紙用裏打紙といわれているものに通常使用されているものであれば得に限定されずに使用可能であるが、特には、スルファミン酸グアニジンやリン酸グアニジンなどの水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙、あるいは、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機質剤を混抄した無機質紙などが好適であり、その坪量としては50〜300g/m、好ましくは60〜160g/mである。
また、紙基材1の表面で、後述する発泡剤含有樹脂層2を設ける側の面に、たとえば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施す、および/ないし、アクリル−ブチル共重合体、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン等を塗布した易接着処理層(図示しない)を設けてもよい。
本発明における発泡剤含有樹脂層2としては、無機充填剤と発泡剤とを含有した樹脂を主成分とするものが用いられる。樹脂としてはエチレン単独若しくは他のコモノマーと共重合させた樹脂を用いる。また、無極性の非ハロゲン系熱可塑性樹脂を用いることで、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの極性樹脂を使用した場合と比較して、フィラーを増量した場合の粘度上昇が抑えられる為、高品質の壁紙を安定して生産することができるので好ましい。無極性非ハロゲン系熱可塑性樹脂としては、例えば単一の炭化水素を重合させたもの、あるいは複数種の炭化水素を共重合させたものなどが使用可能である。一方で、例えば、エチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、及びアイオノマー樹脂などはいずれも極性を持っている為、好適ではない。
また、本発明における発泡剤含有樹脂層2には、必要に応じて顔料等を添加して着色してもよい。顔料添加による着色は透明であってよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよいものであり、たとえば、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料やアニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料を挙げることができ、顔料の添加量としては樹脂成分100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部である。また、前記発泡剤含有樹脂層2には、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤等の周知の添加剤を用いることができる。
本発明における発泡剤含有樹脂層2は加熱発泡させる前、さらには紙基材1と積層する前に電子線の照射により架橋させる。電子線を照射した後に紙基材へ貼り合せるため、電子線による紙基材の劣化が起きず、ひいては紙基材の劣化に由来する、壁紙の機械強度の低下や変色などを抑えることができる。特に、発泡とのバランスで高強度の電子線を照射する必要がある場合に有効である。本発明においては無機充填剤を添加するため、紫外線は遮蔽されるために紫外線による硬化は好ましくない。
電子線照射条件としては、加速電圧は発泡剤含有樹脂層2の厚みなどによって適宜設定され、たとえば前記発泡剤含有樹脂層2の厚みが100μm程度であれば150〜250kV程度が適当である。電子線の加速電圧は、その値が大きいほど、試料に対して深く電子線が到達するので、100μmより厚い場合はより高い加速電圧が必要になり、薄い場合はその逆である。また、電子線の照射量は10〜150kGy程度が適当である。後述の架橋助剤を使用する場合には、上記範囲内のより低い照射量で行なう事ができる。電子線源としては、周知の電子線照射装置を使用すればよい。
また、電子線照射を行う場合には、各層の樹脂に架橋助剤を添加してもよい。架橋助剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよく、たとえば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマー等を挙げることができる。架橋助剤は、樹脂100重量部に対して0〜10重量部程度、好ましくは0.5〜3重量部である。但し使用に関しては、ブルーミングには充分に留意する必要がある。
本発明における表面の凹凸模様3としては、前記発泡剤含有樹脂層2の表面に設けたものであって、設ける方法としては特に限定しないが、加熱発泡の際の熱を利用して、表面側を冷却エンボスロールとし、紙基材1側をゴムロールとしておき、2つのロールでニップし、(エンボス加工し、)冷却することにより、表面に凹凸模様を形成する方法が好適である。凹凸模様3としては、たとえば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が可能であり、目的とする意匠により適宜選択可能であり特に限定されるものではない。
適宜設ける模様層4及び表面保護層5としては、公知の材料を使用可能である。本発明の目的が達成できるのであれば、模様層4及び表面保護層5を設けなくてもよい。模様層3や表面保護層4は、グラビアコーティング等の公知の印刷技術を用いて設けることが可能である。しかしながら、インクジェット法を用いることで、より意匠性の高い意匠層、または表面保護層の厚みが均一で高い表面保護性能を有する発泡積層シートとすることが可能となる。発泡工程よりも前に模様層や表面保護層を設ける工程があると、発泡させてエンボス模様を付加させた場合に模様の一部分が伸ばされてしまうことがあり、模様がぼやけてしまい意匠性が損なわれることがある。また表面保護層も部分的に伸ばされてしまうことがあるため、場所により表面保護性能にバラツキが生じてしまうことがある。しかしながら、発泡後にインクジェット法により模様層や表面保護層を設ける場合においては、上記のような問題は殆ど発生しない。エンボス後に公知の印刷法を用いて模様層や表面保護層を設けようとする場合には、圧胴によりエンボスのつぶれが発生してしまうため、好適ではない。
直径300mm円筒形ダイが取り付けられた、下向き空冷型のインフレーション押出機を用いて、下記表1に示す配合でペレット化された発泡剤含有樹脂を折り径を1040mm厚み90μmで押出し製膜した。この時のブロー比は4倍であった。押出条件はシリンダー、及びそこからダイに至るまでのすべての設定温度は125℃とした。その後、両端をスリットすることで、厚み90μm巾960mmのシートを作成し、発泡剤含有樹脂層2とした。
前記発泡剤含有樹脂層2に電子線照射(200kV、30kGy)を行い、その後、その片面にコロナ処理を施した後、熱ロールを用いて、巾975mmの紙基材1として積層シート用紙「WK−665:興人製」を用い、これと熱融着させた。その際には、コロナ処理面が熱融着面にくるようにし、ロール設定温度は160℃、ライン速度20m/minとした。
前記紙基材1と貼り合せた発泡剤含有樹脂層2側にコロナ放電処理を施したあと、グラビア印刷機により模様層4として水性インキ(「ハイドリック」、大日精化工業製)を用いて織物絵柄を印刷し、更に同印刷機により水性の表面処理剤(ビニブランT−16:日信化学工業株式会社製)をコートして、表面保護層5を形成した。
最後に220℃で40秒加熱して発泡剤含有樹脂層2を発泡剤させた後、布目調の凹凸パターンを有する金属ロール(エンボス版)を押し当てて凹凸模様3を賦型し、本発明の発泡積層シートを得た。
絵柄印刷の工程と表面処理剤の工程を行なわず、凹凸模様3を賦型後、凹凸模様面にプラズマ処理を施した後、インクジェット方式により水性インキを吹き付けて織物絵柄を印刷し、発泡積層シートを得た。
下記表2で示す配合で発泡剤含有樹脂を用いた以外は、実施例1と同じ方法により、発泡積層シートを得た。
<比較例1>
ストレートマニュホールドのT型ダイ押出機(ダイ巾1300mm)を用いて製膜し、両端をスリットして巾を960mmに揃え、紙基材1と発泡剤含有樹脂層2を積層した後に電子線を照射した以外は実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
<性能評価>
実施例1〜3及び比較例1の発泡積層シートについて、巾方向5点(中央部、両端部、及び中央と両端部との中間地点)の発泡前後の厚みを測定して発泡倍率を測定した。また、積層シート用紙の変色の程度を、目視により確認した。また、作製した発泡積層シートを900mm×900mmにカットし、その裏面(積層シート用紙側)に水系の積層シート施工用澱粉系接着剤(ルーアマイルト;ヤヨイ化学工業株式会社製)を、120g/m2(WET)の量で均一に塗工した。その後、接着剤を塗工した発泡積層シートの角一箇所をクリップで留めて宙吊り状態にし、カールの有無を確認した。また、目視にて、柄の滲みの有無を確認した。また、積層シート用紙に貼り合せる前の段階で、発泡剤含有樹脂層の厚みを巾方向に50mmピッチで測定し、最大値と最小値の差を算出した。以上の結果を表3に示す。
本発明の発泡積層シートは、戸建て住宅、集合住宅、店舗、事務所ビル等の建築物の壁面装飾などに利用可能である。
1…紙基材
2…発泡剤含有発泡樹脂層
3…凹凸模様
4…模様層
5…表面保護層

Claims (7)

  1. 紙基材上に発泡剤含有樹脂層を有し、前記発泡剤含有樹脂層は少なくとも無機充填剤、発泡剤、エチレン単独若しくは他のコモノマーと共重合させた樹脂を含有してなり、表面に凹凸模様を有してなる発泡積層シートの製造方法において、少なくとも下記の工程順に製造することを特徴とする、発泡積層シートの製造方法。
    (1)サーキュラーダイを用いたインフレーション押出法により、発泡剤のガス発生温度以下で発泡剤含有樹脂層を製膜する工程。
    (2)前記製膜した発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する工程。
    (3)前記電子線を照射した発泡剤含有樹脂層を、紙基材上に貼り合せる工程。
    (4)前記紙基材上に貼り合せた発泡剤含有樹脂層を、発泡剤の発泡開始温度以上に加熱し、発泡剤含有樹脂層を発泡させる工程。
    (5)前記発泡した発泡剤含有樹脂層の表面に、凹凸を有する版または凹凸を有するロールを押圧することで、前記発泡剤含有樹脂層の表面に凹凸模様を設ける工程。
  2. 前記発泡剤含有樹脂層を製膜後、水冷にて冷却することを特徴とする請求項1記載の発泡積層シートの製造方法。
  3. 前記インフレーション押出法のブロー比を1倍以上3倍以下にすることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか1つに記載の発泡積層シートの製造方法。
  4. 前記電子線を照射した発泡剤含有樹脂層を紙基材上に貼り合せる工程が、熱ラミネーション法により成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡積層シートの製造方法。
  5. 前記発泡剤含有樹脂層の樹脂成分が、密度0.93〜0.90で温度190℃かつ加重21.2Nの条件下におけるMFRが0.1〜15g/10分のポリエチレン70〜100重量%と、密度0.90〜0.86で温度190℃かつ加重21.2Nの条件下におけるMFRが0.1〜15g/10分のポリエチレン0〜30重量%の単独もしくは混合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡積層シートの製造方法。
  6. 前記(5)の凹凸模様を設ける工程の後の、模様層及び/または表面保護層を、インクジェット法を用いて積層することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の発泡積層シートの製造方法。
  7. 前記発泡樹脂層の主成分が、無極性の非ハロゲン系熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡積層シートの製造方法。
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