JP5128156B2 - アルミニウム樹脂複合板 - Google Patents
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Description
(i)加熱開始後20分間の総発熱量が、8MJ/m2以下であること。
(ii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと。
(iii)加熱開始後20分間、最高発熱速度が、10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと。
ものである。前述したように、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験の発熱性試験において、アルミニウム樹脂複合板が不燃材料の認定を受けるためには前記(i)〜(iii)の条件を満たさなければならない。これらのうち、満たすことが最も困難なのは(i)の総発熱量の条件である。発熱性試験で試験体から発する熱のほとんどは樹脂の燃焼熱に起因するので、樹脂量が十分少なければ、難燃剤を含まなくても総発熱量の基準を満足できると考えられる。
樹脂量を減らす手段としては、樹脂の発泡倍率を上げる、シートの厚さを薄くすることなどが挙げられるが、いずれにしても総発熱量が8MJ/m2 以下であればよい。そのためには、試験体1m2あたりの潜在発熱量、すなわち単位重量あたりの樹脂の燃焼熱に試験体の重量を乗じた値が8MJ/m2下回ればよい。しかしながら、実際にはすべての樹脂が燃焼するわけではなく、発明者らの実験では潜在発熱量の8割が8MJ/m2下回ればよく、またそれを満たせば前記不燃性能試験に合格することを見出した。これらのことを式で表すと以下のようになる。
(単位重量あたりの樹脂の燃焼熱)×(試験体重量)×0.8<8×106(J/m2)
・・・(A)
ここで、
単位重量あたりの樹脂の燃焼熱=ΔHb(J/g)・・・(B)
試験体重量=ρx(t/10x100x100)/φ=1000ρt/φ(g/m2)
・・・(C)
〔ここで、tは発泡体シートの厚さ(mm)、ρは樹脂の密度(g/cm3)、φは発泡体シートの発泡倍率、ΔHbは樹脂の燃焼熱(J/g)を表している。〕
(A)式に(B)式および(C)式を代入して、整理すると、実質的に燃焼する樹脂の潜在発熱量として、潜在発熱量の約8割が8MJ/m2 を下回わることを示す下記の(1)式が得られる。
tx(ρ/φ)xΔHb <10000(kJ/m2) ・・・(1)
すなわち、発泡体シートの厚さ、発泡倍率、樹脂の密度、燃焼熱が(1)式を満たす発泡体であれば、難燃剤を含むことなく不燃性能試験に合格すると考えられる。
例えば、ポリプロピレン系樹脂発泡体シートを用いたアルミニウム樹脂複合板を考え、ポリプロピレンの密度を0.9g/cm3、ポリプロピレンの燃焼熱を42000J/g、シートの厚さを3mmとしたとき、(1)式を用いて必要な発泡倍率を用いると、φは11.3倍以上あればよいことがわかる。
tx(ρ/φ)xΔHb
<10000(kJ/m2) …(1)
〔ここで、tは発泡体シートの厚さ(mm)、ρは樹脂の密度(g/cm3)、φは発泡体シートの発泡倍率、ΔHbは樹脂の燃焼熱(J/g)を表している。〕
さらに前記複合板は建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験の発熱性試験において、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、加熱開始後20分間の最高発熱速度が、10秒以上継続して200kW/m2を超えないことを特徴とするアルミニウム樹脂複合板である。
請求項2に係る発明のアルミニウム樹脂複合板は、前記アルミニウム板の厚さが0.2〜0.5mmで、さらに前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、発泡倍率を10.5〜13.6とすることで、前記複合板の曲げ弾性率が200MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム樹脂複合板である。
請求項3に係る発明のアルミニウム樹脂複合板は、前記ポリプロピレン系樹脂がプロピレンホモポリマーであって、その曲げ弾性率が1500MPa以上であることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム樹脂複合板である。
請求項4に係る発明のアルミニウム樹脂複合板は、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体シートが押出発泡法で製造され、前記押出発泡法の発泡剤が炭酸ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム樹脂複合板である。
図1に示すように、本発明に係るアルミニウム樹脂複合板1は、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の両面に、アルミニウム板12を貼合することで構成されている。
さらに、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11は複数の棒状発泡体32を束ねた構造を有する。そのような複数の棒状発泡体32を束ねた構造は、例えば図3に示す多孔ダイ31を用いて、該多孔ダイ31から複数の棒状発泡体32を押し出し、シート状に加工することにより得られる。このような複数の棒状発泡体32を束ねた構造は、各々の棒状発泡体の表面に薄く存在する非発泡層(スキン層)が剛性を発現する骨組みのように働き、発泡体シートの曲げ強度を向上させることができる。
ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の厚さは1.5mm以上であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の厚さが1.5mm未満だとアルミニウム樹脂複合板1の剛性が不足するからである。アルミニウム樹脂複合板1の剛性、重量、価格のバランスを考慮すると、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の厚さは2〜5mm以下であるとさらに好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の厚さは通常10mm以下とする。
ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の密度は0.03〜0.18g/cm3の範囲にあることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の密度が0.03g/cm3未満ではアルミニウム樹脂複合板1の剛性が不足し、0.18g/cm3を超えるとアルミニウム樹脂複合板1の軽量性が損なわれるからである。アルミニウム樹脂複合板1の剛性と重量のバランスを考慮すると、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の密度は0.05〜0.10g/cm3であるとさらに好ましい。
さらに、本発明に係るアルミニウム樹脂複合板1は、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験の発熱性試験において、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、かつ実質的に燃焼する樹脂の潜在発熱量として、潜在発熱量の8割が8MJ/m 2 を下回ることを示す下記(1)式を満たし、かつ前記アルミニウム樹脂複合板1の曲げ弾性率が200MPa以上であることを特徴とする。
tx(ρ/φ)xΔHb <10000(kJ/m2) ・・・(1)
〔ここで、tは発泡体シートの厚さ(mm)、ρは樹脂の密度(g/cm3)、φは発泡体シートの発泡倍率、ΔHbは樹脂の燃焼熱(J/g)を表している。〕
前記総発熱量が8MJ/m2を越えたり、前記(1)式を満たさないと、アルミニウム樹脂複合板1は、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験に合格するような高い難燃性を発揮できなくなるからである。また、曲げ弾性率は建材に使用することを想定すると200MPa以上あることが望ましいが、400MPa以上であればさらに好ましい。
上述した樹脂のうち、アルミニウム樹脂複合板1の剛性と価格のバランスを考慮するとポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂の使用が好ましく、曲げ弾性率が1500MPa以上のプロピレンホモポリマーの使用が特に好ましい。なお、曲げ弾性率とは非発泡状態でJISK6767にしたがって測定された曲げ弾性率のことをいう。
ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレンを使用する場合、押出加工性と発泡性を考慮すると、樹脂のメルトフローレート(MFR)(230℃;2.16kgf)は0.05〜10.0g/10min、特に0.5〜3.0g/10minであることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて気泡核剤、熱安定剤、加工助剤、滑剤、衝撃改質剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料等の任意成分を適宜添加することができる。
上記発泡剤としては、ガス発泡剤、蒸発型発泡剤、化学発泡剤を用いることができる。ガス発泡剤としては窒素ガスや炭酸ガス等を用いることができ、蒸発型発泡剤としてはブタン、ペンタン、メタノール、水等を用いることができ、化学発泡剤としてはアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等を用いることができるが、これらに限られるものではない。上記発泡剤の中では、環境への影響や難燃剤との相互作用の影響を考慮すると、窒素や炭酸ガスを用いたガス発泡が好ましく、発泡倍率を上げやすいことを考慮すると炭酸ガスを用いたガス発泡が好ましい。
アルミニウム板12の表面に施される塗料としては、ポリエステル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料等を単体で用いてもよいし、それらを積層したものを用いてもよいが、これらに限られるものではない。
アルミニウム板12の厚さは0.2〜0.5mmであることが好ましい。アルミニウム板12の厚さが0.2mm未満では、不燃性能試験において総発熱量の基準を満たすことが難しい上に複合板1の剛性も低くなり、アルミニウム板12の厚さが0.5mmを超えると、複合板1全体が重くなるので軽量性という利点が損なわれるからである。軽量で難燃性の高い複合板1にするには、アルミニウム板12の厚さは0.2〜0.4mmがより好ましく、0.25〜0.30mmがさらに好ましい。
なお、アルミニウム板12をポリオレフィン系樹脂発泡体シート11の両面に貼合する場合は、アルミニウム板12の厚さは両面とも同じである必要はなく、異なっていてもよい。
また、アルミニウム板12とポリオレフィン系樹脂発泡体シート11とは接着剤によって接着してもよいし、接着剤を用いずに熱融着してもよい。上記接着剤としては、エポキシ化合物系またはウレタン化合物(イソシアネート)系の接着剤等を使用することができるが、これらに限られるものではない。
ガス発泡剤を使用する場合は、押出機21の側面に設けられたガス供給弁25からガスを注入してもよい。なお、押出機21としては単軸押出機、二軸押出機のいずれを用いることもできるし、両者を組み合わせてタンデム押出システムとしてもよい。発泡性を考慮すれば、タンデム押出システムを用いることが好ましい。続いて、押し出された樹脂発泡体シート24の表面をサイジングダイ26で平滑に成形する。サイジングダイ26の代わりにサイジングロールを用いてもよい。次に、接着剤塗布装置27にて樹脂発泡体シート24の表面に接着剤を塗布し、アルミニウム板貼合装置28にてアルミニウム板を貼合し、得られたアルミニウム樹脂複合板を切断機29にて適当な長さに切断し、最終的なアルミニウム樹脂複合板1を得る。
上記に示した方法は連続的にアルミニウム樹脂複合板1を得る方法であるが、アルミニウム板貼合装置28と切断機29との間で十分な距離が取れない場合は、切断時に接着剤が十分に乾いておらず、アルミニウム板と樹脂発泡体シート24が剥離する恐れがある。その場合は、図2においてサイジングダイ26を出た後の樹脂発泡体シート24を適当な長さに切断し、得られた樹脂発泡体シート24の両面に接着剤を塗布し、アルミニウム板を貼合した後、接着剤が乾くまで放置してから、必要な大きさに切断すればよい。
なお、本発明に係るアルミニウム樹脂複合板の製造方法は上記記載に限定されるものではなく、本発明を実現できる方法であればどのような方法でも良い。
(実施例1)
押出機としてタンデム押出システムを用いた。タンデム押出システムの1段目押出機としてφ65mm単軸押出機、2段目押出機としてφ90mm単軸押出機を用いた。ダイには、直径1.5mmの円形断面をもつ孔を5mm間隔で80個、一列に配置した幅400mmの多孔ダイを用いた。
ポリプロピレン(サンアロマー株式会社製:PF814、MFR=3g/10min(230℃;2.16kgf)、密度0.9g/cm3、曲げ弾性率1700MPa)100重量部およびタルク(日本タルク株式会社製:タルクMG)1重量部からなる発泡体シート成形材料を調製した。また、上記タンデム押出システムの1段目押出機のシリンダー温度を170℃〜220℃に、2段目押出機の設定温度を175℃〜220℃に、ダイ温度を168℃に設定した。
上記発泡体シート成形材料を1段目押出機に供給し、多孔ダイより複数の棒状発泡体を束ねた構造を有する発泡体シートを押し出した。このとき、発泡剤は1段目押出機の側面に設けられたガス供給弁から炭酸ガスを押出量に対して3重量%の割合で供給した。得られた発泡体シートを、サイジングロールにてシートの表面を平滑に成形し、切断機にて1000mmの長さで切断した。これにより、発泡倍率13.6倍、密度0.07g/cm3、厚さ3.5mm、幅400mm、長さ1000mmで、複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリプロピレン樹脂発泡体シートを得た。
得られたポリプロピレン樹脂発泡体シートの両面に接着剤としてイソシアネート系ウレタン化合物を塗布し、表面に黒色ポリエステル系塗料を厚さ15μmで塗布したアルミニウム板(厚さ0.27mm)を貼合した。こうして複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリプロピレン発泡体シートの両面にアルミニウム板を貼合したアルミニウム樹脂複合板を得た。
さらに、得られたアルミニウム樹脂複合板を10mmx80mmの短冊状に切断し、JISK6767に規定される方法で曲げ弾性率の測定したところ、256MPaであった。また、得られたアルミニウム樹脂複合板を電気鋸で10cm角に切断し、建築基準法第2条第9号に従い発熱性試験を20分間行い、総発熱量、最大発熱速度を測定するとともに、アルミニウム樹脂複合板1に防火上有害な穴等が開くかどうかを調査した。結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1と同様な樹脂、方法により、発泡倍率が10.5倍、密度が0.09g/cm3、厚さが2.7mmである複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリプロピレン樹脂発泡体シートを得て、さらに実施例1と同様な方法により複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリプロピレン樹脂発泡体シートの両面にアルミニウム板を貼合したアルミニウム樹脂複合板1を得て、実施例1と同様の方法で曲げ弾性率の測定と発熱性試験を行った。アルミニウム樹脂複合板1の曲げ弾性率は302MPaであり、発熱性試験の結果は表1に示した。
(実施例3)
ポリプロピレンを低密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン株式会社製:ジェイレクスLD
F122、MFR=2.0g/10min(190℃;2.16kgf)、密度0.92g/cm3、曲げ弾性率275MPa)に変更したこと以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率が13.2倍、密度が0.07g/cm3、厚さ3mmの複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリエチレン発泡体シートを得て、さらに0.5mm厚のアルミニウム板に変更する以外は実施例1と同様な方法で複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリエチレン発泡体シートの両面にアルミニウム板を貼合したアルミニウム樹脂複合板1を得て、実施例1と同様の方法で曲げ弾性率の測定と発熱性試験を行った。アルミニウム樹脂複合板1の曲げ弾性率は338MPaであり、発熱性試験の結果は表1に示した。
(比較例1)
実施例1と同様な樹脂、方法により、発泡倍率が5.4倍、密度が0.17g/cm3、厚さが3.5mmである複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリプロピレン樹脂発泡体シートを得て、さらに実施例1と同様な方法により複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリプロピレン発泡体シートの両面にアルミニウム板を貼合したアルミニウム樹脂複合板1を得て、実施例1と同様の方法で曲げ弾性率の測定と発熱性試験を行った。アルミニウム樹脂複合板1の曲げ弾性率は460MPaであり、発熱性試験の結果は表1に示した。
(比較例2)
ダイに幅400mmのTダイを用いる以外は実施例1と同様な樹脂、方法により、発泡倍率が4.3倍、密度が0.21g/cm3、厚さ3.5mmの単なるポリプロピレン樹脂発泡体シートを得て、さらに0.32mm厚のアルミニウム板に変更する以外は実施例1と同様な方法で単なるポリプロピレン発泡体シートの両面にアルミニウム板を貼合したアルミニウム樹脂複合板1を得て、実施例1と同様の方法で曲げ弾性率の測定と発熱性試験を行った。アルミニウム樹脂複合板1の曲げ弾性率は342MPaであり、発熱性試験の結果は表1に示した。
(比較例3)
ポリプロピレンを低密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン株式会社製:ジェイレクスLD
F122、MFR=2.0g/10min(190℃;2.16kgf)、密度0.92g/cm3、曲げ弾性率275MPa)に変更し、発泡剤にアゾジカルボンアミドを用いて化学架橋発泡させた以外は実施例1と同様な方法により、発泡倍率が27倍、密度が0.03g/cm3、厚さ4mmの複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリエチレン発泡体シートを得て、さらに0.3mm厚のアルミニウム板に変更する以外は実施例1と同様な方法で複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリエチレン発泡体シートの両面にアルミニウム板を貼合したアルミニウム樹脂複合板1を得て、実施例1と同様の方法で曲げ弾性率の測定と発熱性試験を行った。アルミニウム樹脂複合板1の曲げ弾性率は38MPaであり、発熱性試験の結果は表1に示した。
比較例1の複合板は建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験の発熱性試験において、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2 を超えており、かつ(1)式を満たさなかった。なお、前記発熱性試験において、加熱開始後20分間の最大発熱速度が200kW/m2以下であり、かつ穴や亀裂はなかった。つまり建築基準法の第2条第9号の不燃性能試験に不合格レベルであった。なお、前記のように発泡体シートの密度が0.17g/cm3と非常に軽いものであり、曲げ弾性率が200MPa以上と高いものであった。したがって、比較例1の複合板は、軽量で、高い曲げ強度を有するものの、建築基準法の第2条第9号に規定される不燃性能試験に合格する高い難燃性は有さなかった。
比較例2の複合板は建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験の発熱性試験において、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2 を超えており、かつ(1)式を満たさなかった。なお、前記発熱性試験において、加熱開始後20分間の最大発熱速度が200kW/m2以上であったが、穴や亀裂はなかった。つまり建築基準法の第2条第9号の不燃性能試験に不合格レベルであった。なお、前記のように発泡体シートの密度が0.21g/cm3と重いものであり、曲げ弾性率が200MPa以上と高いものであった。したがって、比較例2の複合板は、高い曲げ強度を有するものの、重く、建築基準法の第2条第9号に規定される不燃性能試験に合格する高い難燃性も有さなかった。
比較例3の複合板は建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験の発熱性試験において、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、かつ(1)式を満たすものであり、さらに前記発熱性試験において、加熱開始後20分間の最大発熱速度が200kW/m2以下であり、かつ穴や亀裂はなかった。つまり建築基準法の第2条第9号の不燃性能試験に合格するレベルであった。しかしながら、前記のように発泡体シートの密度は0.03g/cm3と非常に軽いものであったが、曲げ弾性率が36MPaと非常に低いものであった。したがって、比較例3の複合板は、軽量で、建築基準法の第2条第9号に規定される不燃性能試験に合格する高い難燃性を有するものの、曲げ強度は弱いものであった。
11 ポリオレフィン系樹脂発泡体シート
12 アルミニウム板
21 押出機
22 ホッパー
23 ダイ
24 樹脂発泡体シート
25 ガス供給弁
26 サイジングダイ(サイジングロール)
27 接着剤塗布装置
28 アルミニウム板貼合装置
29 切断機
31 多孔ダイ
32 棒状発泡体
Claims (4)
- 難燃材を含まない複数の棒状発泡体を束ねた構造を有するポリオレフィン系樹脂発泡体シートの両面にアルミニウム板を貼合したアルミニウム樹脂複合板であって、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの厚さが2〜5mmで、且つ前記発泡体シートの密度が0.05〜0.10g/cm3であり、かつ実質的に燃焼する樹脂の潜在発熱量として、潜在発熱量の8割が8MJ/m 2 を下回ることを示す下記(1)式を満たすように、発泡体のシート厚さに応じて発泡倍率を決定したもので、
tx(ρ/φ)xΔHb
< 10000(kJ/m2) …(1)
〔ここで、tは発泡体シートの厚さ(mm)、ρは樹脂の密度(g/cm3)、φは発泡体シートの発泡倍率、ΔHbは樹脂の燃焼熱(J/g)を表している。〕
さらに前記複合板は建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験の発熱性試験において、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であり、加熱開始後20分間の最高発熱速度が、10秒以上継続して200kW/m2を超えないことを特徴とするアルミニウム樹脂複合板。 - 前記アルミニウム板の厚さが0.2〜0.5mmで、さらに前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、発泡倍率を10.5〜13.6とすることで、前記複合板の曲げ弾性率が200MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム樹脂複合板。
- 前記ポリプロピレン系樹脂がプロピレンホモポリマーであって、その曲げ弾性率が1500MPa以上であることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム樹脂複合板。
- 前記ポリオレフィン系樹脂発泡体シートが押出発泡法で製造され、前記押出発泡法の発泡剤が炭酸ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム樹脂複合板。
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