JP2018059338A - 発泡壁紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】防火認定で不燃材料の使用が義務付けられているところでも使用でき、さらに意匠性が高いオレフィン系発泡壁紙を提供する。
【解決手段】発泡壁紙1が、基材2と、発泡樹脂層4とを有し、基材2の坪量が50〜70g/m2であり、総樹脂分量が40g/m2以下である。
【選択図】図1
【解決手段】発泡壁紙1が、基材2と、発泡樹脂層4とを有し、基材2の坪量が50〜70g/m2であり、総樹脂分量が40g/m2以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、戸建て住宅、集合住宅、店舗、事務所ビル等、建築物の壁面装飾等に利用可能な発泡壁紙に関する。
建築物の壁面装飾等に用いる壁紙としては、紙基材に塩化ビニル樹脂の樹脂層を設けた塩化ビニル製壁紙が広く利用されていたが、環境問題の高まりにより、非塩素系壁紙として、オレフィン系壁紙が提案されてきている。
このようなオレフィン系壁紙の良さは、焼却処理しても有害なガスが発生しないことや、可塑剤に由来する人体への影響が少ないことであるが、燃焼時の発熱量が高く、準不燃化・及び不燃化のハードルが高いという課題があった。
このようなオレフィン系壁紙の良さは、焼却処理しても有害なガスが発生しないことや、可塑剤に由来する人体への影響が少ないことであるが、燃焼時の発熱量が高く、準不燃化・及び不燃化のハードルが高いという課題があった。
さらに、壁紙は石膏ボードに貼り合わせて使用されることが多く、石膏ボード自体が火に晒された場合に発する発熱量もあるため、オレフィン系壁紙は、これらの課題をもクリアしなければならない。
ここで、オレフィン系壁紙においては、建設省告示第1372号による準不燃の規格を満足するために様々な検討がなされ、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。
ここで、オレフィン系壁紙においては、建設省告示第1372号による準不燃の規格を満足するために様々な検討がなされ、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。
しかしながら、引用文献1に記載の技術のように準不燃の規格を満足するものはあっても、防火認定の不燃の要求を満足する技術は提案されていないのが現状である。それゆえ、高層マンションなどの不燃材料の使用が義務付けられている場所では、オレフィン系壁紙を使用することはできず、環境問題に課題があることを承知の上で、塩化ビニル製の壁紙を使用せざるを得ないのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防火認定で不燃材料の使用が義務付けられているところでも使用でき、さらに意匠性が高い発泡壁紙を提供することを目的とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防火認定で不燃材料の使用が義務付けられているところでも使用でき、さらに意匠性が高い発泡壁紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の発泡壁紙は、坪量が50〜70g/m2の繊維質の基材と、
熱可塑性樹脂を含む発泡樹脂層とを有し、
総樹脂分量が40g/m2以下である。
熱可塑性樹脂を含む発泡樹脂層とを有し、
総樹脂分量が40g/m2以下である。
本発明の一態様によれば、防火認定で不燃材料の使用が義務付けられているところでも使用でき、さらに意匠性が高い発泡壁紙を提供することが可能となる。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態について、完全な理解を提供するように、特定の細部について記載する。しかしながら、かかる特定の細部が無くとも、一つ以上の実施形態が実施可能であることは明確である。また、図面を簡潔なものとするために、周知の構造及び装置を、略図で表す場合がある。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1を参照して、発泡壁紙1の構成について説明する。
図1に表すように、発泡壁紙1は、基材2と、発泡樹脂層4とを少なくとも有する。
(構成)
図1を参照して、発泡壁紙1の構成について説明する。
図1に表すように、発泡壁紙1は、基材2と、発泡樹脂層4とを少なくとも有する。
<基材>
基材2の材料としては、壁紙用の裏打紙等、紙基材として通常使用されている材料であれば、特に限定されずに使用可能である。
したがって、基材2の材料としては、水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙や、無機質剤を混抄した無機質紙等を用いることが可能である。
本実施形態では、基材2の材料として、繊維質の材料を用いる。基材2を繊維質の基材とすることで、基材2の構成が発泡壁紙1に適切な構成となるとともに、基材2を形成する材料の入手が容易となる。
また、基材2の秤量は、50[g/m2]以上70[g/m2]以下である。
基材2の材料としては、壁紙用の裏打紙等、紙基材として通常使用されている材料であれば、特に限定されずに使用可能である。
したがって、基材2の材料としては、水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙や、無機質剤を混抄した無機質紙等を用いることが可能である。
本実施形態では、基材2の材料として、繊維質の材料を用いる。基材2を繊維質の基材とすることで、基材2の構成が発泡壁紙1に適切な構成となるとともに、基材2を形成する材料の入手が容易となる。
また、基材2の秤量は、50[g/m2]以上70[g/m2]以下である。
[水溶性難燃剤]
水溶性難燃剤としては、例えば、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等を用いることが可能である。
[無機質剤]
無機質剤としては、例えば、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を用いることが可能である。
水溶性難燃剤としては、例えば、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等を用いることが可能である。
[無機質剤]
無機質剤としては、例えば、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を用いることが可能である。
[易接着処理]
ここで、基材2の表面のうち、発泡樹脂層4を積層する側の面(図1中において、基材2の上側の面)には、易接着処理を施してもよく、また、易接着処理層を設けてもよい。
易接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等を用いることが可能である。
易接着処理層は、例えば、アクリル−ブチル共重合体や、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン等から形成する。
ここで、基材2の表面のうち、発泡樹脂層4を積層する側の面(図1中において、基材2の上側の面)には、易接着処理を施してもよく、また、易接着処理層を設けてもよい。
易接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等を用いることが可能である。
易接着処理層は、例えば、アクリル−ブチル共重合体や、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン等から形成する。
<発泡樹脂層>
発泡樹脂層4は、基材2上に積層されている。なお、「基材2上」とは、図1中において、基材2の上側の面を表す。
また、発泡樹脂層4は、樹脂組成物を含んで形成されている。
上記樹脂組成物は、充填剤と、発泡剤と、発泡助剤と、樹脂分と、添加剤を含有している。
したがって、上記樹脂組成物は、基材2と共に発泡壁紙1を形成し、且つ基材2上に設けられた発泡樹脂層4を形成する。
発泡樹脂層4は、基材2上に積層されている。なお、「基材2上」とは、図1中において、基材2の上側の面を表す。
また、発泡樹脂層4は、樹脂組成物を含んで形成されている。
上記樹脂組成物は、充填剤と、発泡剤と、発泡助剤と、樹脂分と、添加剤を含有している。
したがって、上記樹脂組成物は、基材2と共に発泡壁紙1を形成し、且つ基材2上に設けられた発泡樹脂層4を形成する。
また、発泡樹脂層4の基材2と反対側の面は、均一な面に形成されている。
また、発泡樹脂層4は、図2に示す樹脂シート6を基材2上に積層し、加熱発泡させて形成されている。樹脂シート6は、例えば、ドライブレンドした二種類以上の樹脂ペレットを、溶融・混練してシート状に成形する。
すなわち、発泡樹脂層4は、二種類以上の樹脂ペレットで成形され、且つ基材2上で発泡した樹脂シート6で形成されている。また、発泡樹脂層4は、基材2上に積層されるとともに、加熱発泡した樹脂シート6で形成されている。
また、発泡樹脂層4は、図2に示す樹脂シート6を基材2上に積層し、加熱発泡させて形成されている。樹脂シート6は、例えば、ドライブレンドした二種類以上の樹脂ペレットを、溶融・混練してシート状に成形する。
すなわち、発泡樹脂層4は、二種類以上の樹脂ペレットで成形され、且つ基材2上で発泡した樹脂シート6で形成されている。また、発泡樹脂層4は、基材2上に積層されるとともに、加熱発泡した樹脂シート6で形成されている。
以下、樹脂組成物に含まれる充填剤、発泡剤、発泡助剤、樹脂分、及び添加剤について説明する。
[充填剤]
充填剤としては、例えば、無機充填剤や有機充填剤を用いることが可能である。また、無機充填剤や有機充填剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン等を用いることが可能である。
有機充填剤としては、例えば、メラミンシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、木粉、セルロース及びその誘導体を用いることが可能である。
[充填剤]
充填剤としては、例えば、無機充填剤や有機充填剤を用いることが可能である。また、無機充填剤や有機充填剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン等を用いることが可能である。
有機充填剤としては、例えば、メラミンシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、木粉、セルロース及びその誘導体を用いることが可能である。
充填剤の含有量は、特に制限されないが、その合計量が、樹脂組成物全量を基準として、10[%]以上60[%]以下の質量であることが好ましい。
樹脂組成物に充填剤を添加する理由は、発泡壁紙1の隠蔽性の確保、単位面積当たりの燃焼カロリーの低減、嵩増しによる製造コストの低減等がある。
また、充填剤(特に、無機充填剤)の含有量が、樹脂組成物全量を基準として20[%]以上40[%]以下の質量%であると、良好な隠蔽性を確保することが可能であるとともに燃焼カロリーが低い発泡壁紙1を、低製造コストで製造することが可能となる。
上記の特性を有する無機充填剤(炭酸カルシウム)としては、例えば、備北粉化(株)製:「ソフトン1200」等、市販品を用いることが可能である。
上記の特性を有する有機充填剤(二酸化チタン)としては、例えば、石原産業(株)製:「タイペークCR−60」等、市販品を用いることが可能である。
樹脂組成物に充填剤を添加する理由は、発泡壁紙1の隠蔽性の確保、単位面積当たりの燃焼カロリーの低減、嵩増しによる製造コストの低減等がある。
また、充填剤(特に、無機充填剤)の含有量が、樹脂組成物全量を基準として20[%]以上40[%]以下の質量%であると、良好な隠蔽性を確保することが可能であるとともに燃焼カロリーが低い発泡壁紙1を、低製造コストで製造することが可能となる。
上記の特性を有する無機充填剤(炭酸カルシウム)としては、例えば、備北粉化(株)製:「ソフトン1200」等、市販品を用いることが可能である。
上記の特性を有する有機充填剤(二酸化チタン)としては、例えば、石原産業(株)製:「タイペークCR−60」等、市販品を用いることが可能である。
[発泡剤]
発泡剤としては、例えば、熱分解型発泡剤を用いることが可能である。
熱分解型発泡剤としては、アゾ系発泡剤、ヒドラジド系発泡剤、ニトロソ系発泡剤等を用いることが可能である。また、熱分解型発泡剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
発泡剤としては、例えば、熱分解型発泡剤を用いることが可能である。
熱分解型発泡剤としては、アゾ系発泡剤、ヒドラジド系発泡剤、ニトロソ系発泡剤等を用いることが可能である。また、熱分解型発泡剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
−アゾ系発泡剤−
アゾ系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等を用いることが可能である。
−アゾジカルボンアミド系発泡剤−
また、アゾジカルボンアミド系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「ビニホールAC#3C−K2」等、市販品を用いることが可能である。
アゾ系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等を用いることが可能である。
−アゾジカルボンアミド系発泡剤−
また、アゾジカルボンアミド系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「ビニホールAC#3C−K2」等、市販品を用いることが可能である。
−ヒドラジド系発泡剤−
ヒドラジド系発泡剤としては、例えば、p−トルエンスルホニルヒドラジド等を用いることが可能である。
−ヒドラジド系発泡剤−
また、ヒドラジド系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「ネオセルボン SB#51」等、市販品を用いることが可能である。
−ニトロソ系発泡剤−
ニトロソ系発泡剤としては、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を用いることが可能である。また、ニトロソ系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「セルラーD」等、市販品を用いることが可能である。
ヒドラジド系発泡剤としては、例えば、p−トルエンスルホニルヒドラジド等を用いることが可能である。
−ヒドラジド系発泡剤−
また、ヒドラジド系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「ネオセルボン SB#51」等、市販品を用いることが可能である。
−ニトロソ系発泡剤−
ニトロソ系発泡剤としては、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を用いることが可能である。また、ニトロソ系発泡剤としては、例えば、永和化成(株)製:「セルラーD」等、市販品を用いることが可能である。
上述した熱分解型発泡剤の中でも、特に、毒性が少なく、発泡開始温度の調節が容易で適用範囲が広いこと、更に、発生ガス量が多いことなどを理由に、アゾジカルボンアミド(ADCA)を用いることが好適である。
発泡剤の含有量は、特に制限されないが、その合計量が、樹脂組成物全量を基準として、1[%]以上20[%]以下の質量%であることが好ましい。これは、発泡剤の含有量が上記の範囲内であると、過剰なガスの発生に起因した表面からのガス抜けが抑制されている発泡樹脂層を得ることが可能であることが理由である。
本実施形態では、少なくとも一種類の樹脂ペレットが熱分解型発泡剤を含有しており、発泡樹脂層が熱分解型発泡剤を含有している場合について説明する。
発泡剤の含有量は、特に制限されないが、その合計量が、樹脂組成物全量を基準として、1[%]以上20[%]以下の質量%であることが好ましい。これは、発泡剤の含有量が上記の範囲内であると、過剰なガスの発生に起因した表面からのガス抜けが抑制されている発泡樹脂層を得ることが可能であることが理由である。
本実施形態では、少なくとも一種類の樹脂ペレットが熱分解型発泡剤を含有しており、発泡樹脂層が熱分解型発泡剤を含有している場合について説明する。
[発泡助剤]
発泡助剤としては、例えば、脂肪族系化合物、脂肪酸アミド系化合物、ビウレア等の尿素系化合物、ヒドラジン系化合物等の非金属系化合物、塩化亜鉛等の金属塩化物、酸化亜鉛等の金属酸化物等の有機または無機金属系化合物等を用いることが可能である。
脂肪族系化合物としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等を用いることが可能である。その一例として、永和化成(株)製:「ZS−6(12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛)」が挙げられる。
脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等を用いることが可能である。
発泡助剤としては、例えば、脂肪族系化合物、脂肪酸アミド系化合物、ビウレア等の尿素系化合物、ヒドラジン系化合物等の非金属系化合物、塩化亜鉛等の金属塩化物、酸化亜鉛等の金属酸化物等の有機または無機金属系化合物等を用いることが可能である。
脂肪族系化合物としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等を用いることが可能である。その一例として、永和化成(株)製:「ZS−6(12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛)」が挙げられる。
脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等を用いることが可能である。
ヒドラジン系化合物等の非金属系化合物としては、例えば、アジピン酸ヒドラジド等を用いることが可能である。
発泡助剤の含有量は、合計量が、発泡剤100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。これは、発泡剤100質量部に対する発泡助剤の含有量が、5質量部以上50質量部以下であれば、発泡助剤としての効果を十分に発揮しつつ、押出成形時に発泡剤の熱分解をより効果的に抑制することが可能なためである。
発泡助剤の含有量は、合計量が、発泡剤100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。これは、発泡剤100質量部に対する発泡助剤の含有量が、5質量部以上50質量部以下であれば、発泡助剤としての効果を十分に発揮しつつ、押出成形時に発泡剤の熱分解をより効果的に抑制することが可能なためである。
[樹脂分]
樹脂分は、燃焼時にダイオキシン等の有毒ガスの発生を防ぐ観点から、熱可塑性樹脂、特に、非塩素系の熱可塑性樹脂(以降の説明では、「非塩素系熱可塑性樹脂」又はその中でもオレフィン系に限定して「オレフィン系熱可塑性樹脂」と記載する場合がある)を含むことが好ましい。
ここで、本実施形態の発泡壁紙の総樹脂分量は40[g/m2]以下である。総樹脂分量は、本実施形態の発泡壁紙1を構成する各層に含まれる単位面積あたりの樹脂成分の総質量[g/m2]である。総樹脂分量は、例えば、発泡樹脂層4のみに樹脂成分が含まれる場合、発泡樹脂層4の樹脂分量である。なお、この場合、樹脂分は架橋されていてもよい。
本実施形態では、樹脂分が、非塩素系熱可塑性樹脂を含む場合について説明する。
本実施形態では、樹脂ペレットが、熱可塑性樹脂を含む。
非塩素系熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと他のオレフィンとの共重合体、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、エチレンコポリマー等を用いることが可能である。また、非塩素系熱可塑性樹脂として用いる重合体、樹脂、ポリマーは、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
樹脂分は、燃焼時にダイオキシン等の有毒ガスの発生を防ぐ観点から、熱可塑性樹脂、特に、非塩素系の熱可塑性樹脂(以降の説明では、「非塩素系熱可塑性樹脂」又はその中でもオレフィン系に限定して「オレフィン系熱可塑性樹脂」と記載する場合がある)を含むことが好ましい。
ここで、本実施形態の発泡壁紙の総樹脂分量は40[g/m2]以下である。総樹脂分量は、本実施形態の発泡壁紙1を構成する各層に含まれる単位面積あたりの樹脂成分の総質量[g/m2]である。総樹脂分量は、例えば、発泡樹脂層4のみに樹脂成分が含まれる場合、発泡樹脂層4の樹脂分量である。なお、この場合、樹脂分は架橋されていてもよい。
本実施形態では、樹脂分が、非塩素系熱可塑性樹脂を含む場合について説明する。
本実施形態では、樹脂ペレットが、熱可塑性樹脂を含む。
非塩素系熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと他のオレフィンとの共重合体、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、エチレンコポリマー等を用いることが可能である。また、非塩素系熱可塑性樹脂として用いる重合体、樹脂、ポリマーは、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等を用いることが可能である。
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等を用いることが可能である。
エチレンコポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等を用いることが可能である。
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等を用いることが可能である。
エチレンコポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等を用いることが可能である。
ここで、本実施形態では、上述した重合体、樹脂、ポリマーの中でも、樹脂分としては、エチレン単独重合体、または、エチレンと他のオレフィンとの共重合体を含むことが好ましい。
エチレン単独重合体としては、例えば、高圧法で合成された低密度ポリエチレン、中低圧法で合成されたコモノマーを含まない高密度ポリエチレン等を用いることが可能である。
なお、エチレン単独重合体としては、低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
エチレン単独重合体としては、例えば、高圧法で合成された低密度ポリエチレン、中低圧法で合成されたコモノマーを含まない高密度ポリエチレン等を用いることが可能である。
なお、エチレン単独重合体としては、低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
−低密度ポリエチレン−
また、低密度ポリエチレンは、例えば、その密度が0.91[g/cm3]以上0.94[g/cm3]以下のものが挙げられる。
低密度ポリエチレンの密度は、0.91[g/cm3]以上0.93[g/cm3]以下が好ましく、0.92[g/cm3]以上0.93[g/cm3]以下がより好ましい。
低密度ポリエチレンの分子量、融点、メルトフローレート(MFR)等については、特に制限されないが、融点については、50[℃]以上140[℃]以下が好ましく、60[℃]以上110[℃]以下がより好ましい。これは、低密度ポリエチレンの融点が140[℃]以下であれば、樹脂を溶融して成形する際に、より高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成形中に分解してしまうという可能性が少ないためである。また、低密度ポリエチレンの融点が50[℃]以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られるためである。
また、低密度ポリエチレンは、例えば、その密度が0.91[g/cm3]以上0.94[g/cm3]以下のものが挙げられる。
低密度ポリエチレンの密度は、0.91[g/cm3]以上0.93[g/cm3]以下が好ましく、0.92[g/cm3]以上0.93[g/cm3]以下がより好ましい。
低密度ポリエチレンの分子量、融点、メルトフローレート(MFR)等については、特に制限されないが、融点については、50[℃]以上140[℃]以下が好ましく、60[℃]以上110[℃]以下がより好ましい。これは、低密度ポリエチレンの融点が140[℃]以下であれば、樹脂を溶融して成形する際に、より高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成形中に分解してしまうという可能性が少ないためである。また、低密度ポリエチレンの融点が50[℃]以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られるためである。
低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)については、3以上150以下のものが好ましく、4以上100以下のものがより好ましい。これは、低密度ポリエチレンのMFRが3以上であれば、成形時に生じるせん断発熱を抑えることが可能であるため、加工温度の制御が容易になり、成形中に発泡剤が分解してしまうという可能性が少ないためである。また、低密度ポリエチレンのMFRが150以下であれば、製造された発泡壁紙1の機械強度が保たれて、施工性及び耐久性に優れるためである。
上記の特性を有する低密度ポリエチレンとしては、例えば、日本ポリエチレン(株)製:「ノバテックLD LC802A」や「ノバテックLD LC604」、宇部丸善ポリエチレン(株)製:「宇部ポリエチレン J2516」等、市販品を用いることが可能である。
上記の特性を有する低密度ポリエチレンとしては、例えば、日本ポリエチレン(株)製:「ノバテックLD LC802A」や「ノバテックLD LC604」、宇部丸善ポリエチレン(株)製:「宇部ポリエチレン J2516」等、市販品を用いることが可能である。
エチレンと他のオレフィンとの共重合体としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、コモノマーとの共重合で得られた高密度ポリエチレン等を用いることが可能である。また、エチレンと他のオレフィンとの共重合体として用いるポリエチレンは、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能であるが、超低密度ポリエチレンを単独で用いることが好ましい。
−超低密度ポリエチレン−
超低密度ポリエチレンとしては、例えば、その密度が0.86[g/cm3]以上0.91[g/cm3]未満のものを用いることが可能である。
超低密度ポリエチレンの密度は、0.86[g/cm3]以上0.90[g/cm3]以下が好ましく、0.87[g/cm3]以上0.90[g/cm3]以下がより好ましい。
超低密度ポリエチレンの分子量、融点、MFR等については、特に制限されないが、融点については、50[℃]以上140[℃]以下が好ましく、60[℃]以上110[℃]以下がより好ましい。これは、超低密度ポリエチレンの融点が140[℃]以下であれば、樹脂を溶融して成形する際に、より高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成形中に分解してしまうという可能性が少ないためである。また、超低密度ポリエチレンの融点が50[℃]以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られるためである。
超低密度ポリエチレンとしては、例えば、その密度が0.86[g/cm3]以上0.91[g/cm3]未満のものを用いることが可能である。
超低密度ポリエチレンの密度は、0.86[g/cm3]以上0.90[g/cm3]以下が好ましく、0.87[g/cm3]以上0.90[g/cm3]以下がより好ましい。
超低密度ポリエチレンの分子量、融点、MFR等については、特に制限されないが、融点については、50[℃]以上140[℃]以下が好ましく、60[℃]以上110[℃]以下がより好ましい。これは、超低密度ポリエチレンの融点が140[℃]以下であれば、樹脂を溶融して成形する際に、より高温で溶融する必要がなく、発泡剤が成形中に分解してしまうという可能性が少ないためである。また、超低密度ポリエチレンの融点が50[℃]以上であれば、実使用上の熱耐久性が十分に得られるためである。
超低密度ポリエチレンのMFRについては、3以上150以下のものが好ましく、4以上100以下のものがより好ましい。これは、超低密度ポリエチレンのMFRが3以上であれば、成形時に生じるせん断発熱を抑えることが可能となるため、加工温度の制御が容易になり、成形中に発泡剤が分解してしまうという可能性が少ないためである。また、超低密度ポリエチレンのMFRが150以下であれば、製造された発泡壁紙1の機械強度が保たれ、施工性及び耐久性に優れるためである。
上記の特性を有する超低密度ポリエチレンとしては、例えば、三井化学(株)製:「タフマー DF140、DF940、DF7350」や、日本ポリエチレン(株)製:「カーネル KJ−640T」等、市販品を用いることが可能である。同様に、超低密度ポリエチレンとしては、例えば、住友化学(株)製:「エクセレンFX CX5508」や、ダウ・ケミカル社(株)製:「エンゲージ 8400/8407」等、市販品を用いることが可能である。さらに、超低密度ポリエチレンとしては、例えば、(株)プライムポリマー(株)製:「エボリューP SP90100」等、市販品を用いることが可能である。
上記の特性を有する超低密度ポリエチレンとしては、例えば、三井化学(株)製:「タフマー DF140、DF940、DF7350」や、日本ポリエチレン(株)製:「カーネル KJ−640T」等、市販品を用いることが可能である。同様に、超低密度ポリエチレンとしては、例えば、住友化学(株)製:「エクセレンFX CX5508」や、ダウ・ケミカル社(株)製:「エンゲージ 8400/8407」等、市販品を用いることが可能である。さらに、超低密度ポリエチレンとしては、例えば、(株)プライムポリマー(株)製:「エボリューP SP90100」等、市販品を用いることが可能である。
本実施形態では、樹脂ペレットが含む熱可塑性樹脂の主成分を、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体のうちいずれかとする。
[添加剤]
上記樹脂組成物には、必要に応じて顔料等を添加して着色してもよい。
顔料の添加による着色は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、アニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料等を用いることが可能である。
顔料の添加量は、樹脂組成物全量を基準として、5[質量%]以上50[質量%]以下が好ましく、10[質量%]以上30[質量%]以下がより好ましい。
また、樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤等の周知の添加剤を用いることが可能である。
上記樹脂組成物には、必要に応じて顔料等を添加して着色してもよい。
顔料の添加による着色は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、アニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料等を用いることが可能である。
顔料の添加量は、樹脂組成物全量を基準として、5[質量%]以上50[質量%]以下が好ましく、10[質量%]以上30[質量%]以下がより好ましい。
また、樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤等の周知の添加剤を用いることが可能である。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤等を用いることが可能である。
セル調整剤としては、例えば、リン酸エステル系化合物等を用いることが可能である。
安定剤としては、例えば、フェノール/アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカル捕捉剤、リン系、イオウ系等の過酸化物分解剤、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等を用いることが可能である。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛等の脂肪酸金属塩系の滑剤等を用いることが可能である。
セル調整剤としては、例えば、リン酸エステル系化合物等を用いることが可能である。
安定剤としては、例えば、フェノール/アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカル捕捉剤、リン系、イオウ系等の過酸化物分解剤、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等を用いることが可能である。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛等の脂肪酸金属塩系の滑剤等を用いることが可能である。
(発泡壁紙の製造方法)
以下、図1及び図2を参照して、一実施形態の発泡壁紙1の製造方法を説明する。
発泡壁紙1の製造方法は、第一工程と、第二工程を有する。
第一工程では、図2に示すように、樹脂シート6を基材2上にラミネートして、積層シート8を形成する。なお、樹脂シート6及び積層シート8の詳細な説明は、後述する。
第二工程では、第一工程で形成した積層シート8に対し、樹脂シート6が含有する発泡剤を発泡させることで発泡樹脂層4を形成するとともに、発泡樹脂層4を基材2上に積層して、発泡壁紙1を製造する(図1参照)。
以下、図1及び図2を参照して、一実施形態の発泡壁紙1の製造方法を説明する。
発泡壁紙1の製造方法は、第一工程と、第二工程を有する。
第一工程では、図2に示すように、樹脂シート6を基材2上にラミネートして、積層シート8を形成する。なお、樹脂シート6及び積層シート8の詳細な説明は、後述する。
第二工程では、第一工程で形成した積層シート8に対し、樹脂シート6が含有する発泡剤を発泡させることで発泡樹脂層4を形成するとともに、発泡樹脂層4を基材2上に積層して、発泡壁紙1を製造する(図1参照)。
発泡剤の発泡は、樹脂シート6を加熱することで行う。
樹脂シート6を加熱する条件としては、樹脂シート6を構成する成分によって適宜設定することが可能であり、特に制限はない。具体的には、160[℃]以上280[℃]以下で10秒〜120秒で加熱することが好ましく、220[℃]以上240[℃]以下で20秒〜40秒加熱することがより好ましく、220[℃]で40秒間加熱することが更に好ましい。
樹脂シート6を加熱する条件としては、樹脂シート6を構成する成分によって適宜設定することが可能であり、特に制限はない。具体的には、160[℃]以上280[℃]以下で10秒〜120秒で加熱することが好ましく、220[℃]以上240[℃]以下で20秒〜40秒加熱することがより好ましく、220[℃]で40秒間加熱することが更に好ましい。
<樹脂シート>
樹脂シート6は、樹脂組成物から形成されている。
本実施形態では、樹脂シート6を、樹脂組成物を押出製膜して形成した場合について説明する。
押出製膜の方法としては、例えば、Tダイ押出法、Tダイ押出同時ラミネーション法、Tダイ押出タンデムラミネーション法等の押出成形を用いることが可能である。
また、樹脂シート6を形成する方法としては、押出成形以外に、射出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形等、公知の成形方法を用いることも可能である。
樹脂シート6は、樹脂組成物から形成されている。
本実施形態では、樹脂シート6を、樹脂組成物を押出製膜して形成した場合について説明する。
押出製膜の方法としては、例えば、Tダイ押出法、Tダイ押出同時ラミネーション法、Tダイ押出タンデムラミネーション法等の押出成形を用いることが可能である。
また、樹脂シート6を形成する方法としては、押出成形以外に、射出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形等、公知の成形方法を用いることも可能である。
樹脂シート6を形成する樹脂組成物としては、各成分を押出機で溶融・混練・分散させた後に、適宜ペレット化したものを用いることが可能である。
押出機は、単軸押出機でも二軸押出機でもよいが、生産性や品質への影響を考慮した場合、二軸押出機が望ましい。
押出製膜の条件としては、押出温度が100[℃]以上160[℃]以下、押出圧力が2[MPa]以上50[MPa]以下が挙げられる。
なお、発泡剤成分の分解を抑制しつつ、ポリエチレン成分の融点以上とする観点から、押出温度は、110[℃]以上150[℃]以下が好ましく、120[℃]以上140[℃]以下がより好ましい。また、押出安定性の観点から、押出圧力は、3[MPa]以上40[MPa]以下が好ましく、3[MPa]以上30[MPa]以下がより好ましい。
押出機は、単軸押出機でも二軸押出機でもよいが、生産性や品質への影響を考慮した場合、二軸押出機が望ましい。
押出製膜の条件としては、押出温度が100[℃]以上160[℃]以下、押出圧力が2[MPa]以上50[MPa]以下が挙げられる。
なお、発泡剤成分の分解を抑制しつつ、ポリエチレン成分の融点以上とする観点から、押出温度は、110[℃]以上150[℃]以下が好ましく、120[℃]以上140[℃]以下がより好ましい。また、押出安定性の観点から、押出圧力は、3[MPa]以上40[MPa]以下が好ましく、3[MPa]以上30[MPa]以下がより好ましい。
樹脂シート6の厚さは、用途に応じて適宜設定することが可能であるが、本実施形態のように、発泡壁紙1を製造する用途であれば、50[μm]以上200[μm]以下とすることが可能である。
また、本実施形態では、樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部に対し、架橋処理が施されている場合について説明する。
架橋処理としては、例えば、電子線照射処理、過熱蒸気処理等の加熱処理を用いることが可能である。
また、本実施形態では、樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部に対し、架橋処理が施されている場合について説明する。
架橋処理としては、例えば、電子線照射処理、過熱蒸気処理等の加熱処理を用いることが可能である。
電子線照射処理は、例えば、製膜した樹脂シート6の片面側、または、両面から電子線を照射する処理により、樹脂シート6に架橋処理を施す処理である。
電子線照射の条件としては、発泡樹脂層4の厚さにもよるが、加速電圧が150[kV]以上300[kV]以下の、吸収線量が10[kGy]以上150[kGy]以下が好ましい。これは、加速電圧が上記の範囲内であれば、電子線を樹脂シート6の厚さ方向深くまで十分に到達させることが可能であり、なおかつ、裏打紙への電子線による劣化を抑制することが可能となるためである。また、吸収線量が上記の範囲内であれば、樹脂シート6の黄変や機械物性の変化を抑制しつつ、樹脂シート6に所望の架橋処理を施すことが容易となるためである。
過熱蒸気処理としては、例えば、温度が130[℃]以上280[℃]以下の環境下で、20秒から15分の間、過熱蒸気(過熱水蒸気ともいう)処理する方法等を用いることが可能である。
電子線照射の条件としては、発泡樹脂層4の厚さにもよるが、加速電圧が150[kV]以上300[kV]以下の、吸収線量が10[kGy]以上150[kGy]以下が好ましい。これは、加速電圧が上記の範囲内であれば、電子線を樹脂シート6の厚さ方向深くまで十分に到達させることが可能であり、なおかつ、裏打紙への電子線による劣化を抑制することが可能となるためである。また、吸収線量が上記の範囲内であれば、樹脂シート6の黄変や機械物性の変化を抑制しつつ、樹脂シート6に所望の架橋処理を施すことが容易となるためである。
過熱蒸気処理としては、例えば、温度が130[℃]以上280[℃]以下の環境下で、20秒から15分の間、過熱蒸気(過熱水蒸気ともいう)処理する方法等を用いることが可能である。
また、過熱蒸気処理としては、例えば、過熱蒸気雰囲気下にシート状の物体を配置し、シート状の物体に過熱蒸気を接触させる方法が挙げられる。また、水架橋させる方法としては、湿度が60[%]以上の環境下において、温度が40[℃]以上70[℃]以下の温度域で、1日〜1ヶ月の間、養生させて水架橋させる方法を用いることが可能である。具体的には、温度が40[℃]であるとともに、湿度が90[%]の恒温恒湿槽の環境下で養生させて、水架橋させる方法が挙げられる。
なお、樹脂組成物がシラン架橋性樹脂を含む場合には、架橋処理として、例えば、過熱蒸気処理、水架橋処理を用いることが可能である。
また、樹脂シート6の架橋処理は、樹脂組成物を製膜したものに施してもよく、積層シート8に対して施してもよい。
なお、樹脂組成物がシラン架橋性樹脂を含む場合には、架橋処理として、例えば、過熱蒸気処理、水架橋処理を用いることが可能である。
また、樹脂シート6の架橋処理は、樹脂組成物を製膜したものに施してもよく、積層シート8に対して施してもよい。
<積層シート>
積層シート8は、図2に示すように、基材2と、基材2上に設けられた樹脂シート6を備えている。
また、積層シート8は、樹脂シート6を、基材2上にラミネートして形成されている。
樹脂シート6を基材2上にラミネートする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂シート6と基材2とを、熱プレス機等を用いて熱圧着を行う方法や、過熱蒸気を用いて圧着を行う方法等を用いることが可能である。
積層シート8は、図2に示すように、基材2と、基材2上に設けられた樹脂シート6を備えている。
また、積層シート8は、樹脂シート6を、基材2上にラミネートして形成されている。
樹脂シート6を基材2上にラミネートする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂シート6と基材2とを、熱プレス機等を用いて熱圧着を行う方法や、過熱蒸気を用いて圧着を行う方法等を用いることが可能である。
過熱蒸気を用いて圧着を行う方法によれば、過熱蒸気によって、樹脂シート6の表面の溶融状態を保ったまま、基材2上へラミネートすることが可能となる。このため、レベリング効果によって、密着させる基材2の表面の凹凸が、樹脂シート6に転写されることを抑制することが可能となる。また、樹脂シート6がシラン架橋性樹脂を含む場合は、過熱蒸気によって、シラン架橋性樹脂を効率良く架橋させることが可能となる。
なお、積層シート8の製造方法は、第一架橋工程、または、第二架橋工程を更に備えていてもよい。
なお、積層シート8の製造方法は、第一架橋工程、または、第二架橋工程を更に備えていてもよい。
第一架橋工程は、基材2上にラミネートされる前、または、ラミネート中の樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部を架橋処理する架橋工程である。
第二架橋工程は、積層シート8における樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部を架橋処理する工程である。
第一架橋工程及び第二架橋工程における架橋処理については、樹脂シート6の製造方法で述べた方法と同様の処理を用いることが可能である。この場合、樹脂シート6がシラン架橋性樹脂を含む場合は、過熱蒸気によって、ラミネートとシラン架橋性樹脂の架橋処理とを同時に行うことが可能である。
なお、上述した実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
第二架橋工程は、積層シート8における樹脂シート6に含まれる樹脂分の一部または全部を架橋処理する工程である。
第一架橋工程及び第二架橋工程における架橋処理については、樹脂シート6の製造方法で述べた方法と同様の処理を用いることが可能である。この場合、樹脂シート6がシラン架橋性樹脂を含む場合は、過熱蒸気によって、ラミネートとシラン架橋性樹脂の架橋処理とを同時に行うことが可能である。
なお、上述した実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(本実施形態の効果)
本実施形態の発泡壁紙1によれば、以下に記載する効果を奏する。
(1)基材2の坪量、及び各層に含まれる樹脂分の総坪量を規定することで、防火認定の不燃の基準を満足する発泡壁紙を得ることができる。
(2)長鎖分岐成分を含むことにより、高発泡状態を得ることが可能になる。したがって、エンボスを押した後の意匠性の高い発泡壁紙を得ることができる。
(3)密度0.90以下の成分は非晶質なため、フィラー受容性を高めることができる。したがって、分散性の良い発泡壁紙を得ることができる。
本実施形態の発泡壁紙1によれば、以下に記載する効果を奏する。
(1)基材2の坪量、及び各層に含まれる樹脂分の総坪量を規定することで、防火認定の不燃の基準を満足する発泡壁紙を得ることができる。
(2)長鎖分岐成分を含むことにより、高発泡状態を得ることが可能になる。したがって、エンボスを押した後の意匠性の高い発泡壁紙を得ることができる。
(3)密度0.90以下の成分は非晶質なため、フィラー受容性を高めることができる。したがって、分散性の良い発泡壁紙を得ることができる。
(変形例)
(1)本実施形態では、発泡壁紙1の構成を、基材2と、発泡樹脂層4を備える構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、発泡壁紙1の構成を、基材2と発泡樹脂層4に加え、「他の層」として、模様層及び表面保護層を設けた構成としてもよい。「他の層」は、発泡樹脂層4の基材2側及び基材2側と反対側の少なくとも何れか一方に一以上配置されることが好ましい。
模様層及び表面保護層は、公知の材料を使用して適宜設けることが可能である。また、模様層及び表面保護層は、グラビアコーティング等、公知の印刷技術を用いて設けることが可能である。なお、模様層及び表面保護層は、発泡剤を発泡させる前に設けることが可能である。
なお、「他の層」を設けた態様では、上記「総樹脂分量」は、発泡樹脂層4の樹脂分量と、「他の層」の樹脂分量との合計であり、その「総樹脂分量」が40g/m2以下であればよい。
(1)本実施形態では、発泡壁紙1の構成を、基材2と、発泡樹脂層4を備える構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、発泡壁紙1の構成を、基材2と発泡樹脂層4に加え、「他の層」として、模様層及び表面保護層を設けた構成としてもよい。「他の層」は、発泡樹脂層4の基材2側及び基材2側と反対側の少なくとも何れか一方に一以上配置されることが好ましい。
模様層及び表面保護層は、公知の材料を使用して適宜設けることが可能である。また、模様層及び表面保護層は、グラビアコーティング等、公知の印刷技術を用いて設けることが可能である。なお、模様層及び表面保護層は、発泡剤を発泡させる前に設けることが可能である。
なお、「他の層」を設けた態様では、上記「総樹脂分量」は、発泡樹脂層4の樹脂分量と、「他の層」の樹脂分量との合計であり、その「総樹脂分量」が40g/m2以下であればよい。
(2)本実施形態では、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面を、均一な面に形成したが、これに限定するものではない。すなわち、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面が、凹凸形状を有していてもよい。
この場合、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面に凹凸形状を設ける方法としては、例えば、加熱発泡の際の熱を利用して、表面側を冷却エンボスロールとし、基材側をゴムロールとしておき、2つのトールでニップし(エンボス加工し)冷却することにより、表面に凹凸形状を形成する方法等を用いることが可能である。
また、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面に設ける凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャー、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等を用いることが可能であり、目的とする意匠により、適宜選択可能である。
この場合、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面に凹凸形状を設ける方法としては、例えば、加熱発泡の際の熱を利用して、表面側を冷却エンボスロールとし、基材側をゴムロールとしておき、2つのトールでニップし(エンボス加工し)冷却することにより、表面に凹凸形状を形成する方法等を用いることが可能である。
また、発泡樹脂層4の基材2とは反対側の面に設ける凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャー、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等を用いることが可能であり、目的とする意匠により、適宜選択可能である。
本実施形態の図1及び図2を参照して、以下に記載するように実施例1〜5及び比較例1,2の発泡壁紙を作製し、発熱性試験を行い、不燃性を評価した。
(実施例1)
<発泡壁紙の製造>
まず、表1中に表す組成(表1中の数値は、特に標記しない場合、質量%を示す)を有する樹脂ペレットを、表1中に表す比率でアルミ製のタンブラーを用いてドライブレンドした。
さらに、コートハンガータイプのマニュホールドを有するTダイを用いて、スクリュー径(D)が65[mm]、L/D=32のバリアタイプスクリューを用い、押出温度を130[℃]とし、質量を55[g/m2]として製膜し、実施例1の樹脂シートを作製した。
ここで、作製した樹脂シートの単位面積当たりの質量を測定し、樹脂分量を算出したところ、表1に示すとおり39[g/m2]であった。なお、作製した樹脂シートの発泡樹脂層の配合比重は1.16であった。
その後、実施例1の樹脂シートに対し、加速電圧を200[kV]とし、吸収線量を60[kGy]として電子線を照射し、樹脂分を架橋させた。
(実施例1)
<発泡壁紙の製造>
まず、表1中に表す組成(表1中の数値は、特に標記しない場合、質量%を示す)を有する樹脂ペレットを、表1中に表す比率でアルミ製のタンブラーを用いてドライブレンドした。
さらに、コートハンガータイプのマニュホールドを有するTダイを用いて、スクリュー径(D)が65[mm]、L/D=32のバリアタイプスクリューを用い、押出温度を130[℃]とし、質量を55[g/m2]として製膜し、実施例1の樹脂シートを作製した。
ここで、作製した樹脂シートの単位面積当たりの質量を測定し、樹脂分量を算出したところ、表1に示すとおり39[g/m2]であった。なお、作製した樹脂シートの発泡樹脂層の配合比重は1.16であった。
その後、実施例1の樹脂シートに対し、加速電圧を200[kV]とし、吸収線量を60[kGy]として電子線を照射し、樹脂分を架橋させた。
次に、質量が65[g/cm2]の裏打紙(KJ特殊紙(株)製:「WK−6651HT」)上に、実施例1の樹脂シートを置き、温度が110[℃]で加熱した熱プレス機で、プレス圧力が5[MPa]の条件で1分間プレスして熱融着させ、積層シートを作製した。
さらに、積層シートのうち、樹脂シート側の表面にコロナ放電処理を施した後、グラビア印刷機により、水性インキ(大日精化工業(株)製:「ハイドリックWP」)を用いて絵柄模様を印刷した。
次に、実施例1の積層シートを、温度を220[℃]に設定したオーブンで40秒間加熱し、発泡剤を発泡させて、実施例1の発泡壁紙を作製した。
さらに、積層シートのうち、樹脂シート側の表面にコロナ放電処理を施した後、グラビア印刷機により、水性インキ(大日精化工業(株)製:「ハイドリックWP」)を用いて絵柄模様を印刷した。
次に、実施例1の積層シートを、温度を220[℃]に設定したオーブンで40秒間加熱し、発泡剤を発泡させて、実施例1の発泡壁紙を作製した。
表1中に表す各成分としては、以下の材料を用いた。なお、下記樹脂Aは、長鎖分岐成分を含む樹脂であり、下記樹脂Bは長鎖分岐成分を含まない樹脂である。
・樹脂A:比重が0.916の低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製:「J2516」)
・樹脂B:比重が0.87の超低密度ポリエチレン(三井化学(株)製:「タフマー DF7350」)
・充填剤A:比重が4.2の二酸化チタン(石原産業(株)製:「タイペークCR−60」)
・充填剤B:比重が2.7の炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製:「ソフトン1200」)
・発泡剤:比重が3.5のADCA(永和化成工業(株)製:「ビニホールAC#3C−K2」)
・発泡助剤:比重が1.5の脂肪酸亜鉛(日東化成工業(株)製:「ZS−6」)
・樹脂A:比重が0.916の低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製:「J2516」)
・樹脂B:比重が0.87の超低密度ポリエチレン(三井化学(株)製:「タフマー DF7350」)
・充填剤A:比重が4.2の二酸化チタン(石原産業(株)製:「タイペークCR−60」)
・充填剤B:比重が2.7の炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製:「ソフトン1200」)
・発泡剤:比重が3.5のADCA(永和化成工業(株)製:「ビニホールAC#3C−K2」)
・発泡助剤:比重が1.5の脂肪酸亜鉛(日東化成工業(株)製:「ZS−6」)
また、発泡壁紙の作製における加熱発泡時に、発泡厚みが一番厚いものの数値を「発泡厚み」として表1に示した。この発泡厚みの数値(寸法)は、基材2(裏打紙)の厚み(100μm)を含む数値(寸法)である。
<発熱性試験>
防火性能として不燃認定された石膏ボード(吉野石膏社製:厚み12mm)を99mm角にカットし、その上にアクリル系シーラー(ウォールボンド工業(株)製、「パラダインシーラー」)を0.36g塗布した後、乾燥した。
その後、さらにデンプン系接着剤(ウォールボンド工業(株)製、「パラダイン8020」)を1.51g塗布し、作製した実施例1の発泡壁紙を貼り合わせて試験片を作製し、40℃環境下で3日間の養生を行なった。
次に、作製した試験片に対して、コーンカロリーメータC3(東洋精機(株)製の燃焼試験機)を用いて、建築基準法で定められた発熱性試験法(ISO 5660)に基づく発熱性試験(50kW/m2で20分加熱)を実施した。
防火性能として不燃認定された石膏ボード(吉野石膏社製:厚み12mm)を99mm角にカットし、その上にアクリル系シーラー(ウォールボンド工業(株)製、「パラダインシーラー」)を0.36g塗布した後、乾燥した。
その後、さらにデンプン系接着剤(ウォールボンド工業(株)製、「パラダイン8020」)を1.51g塗布し、作製した実施例1の発泡壁紙を貼り合わせて試験片を作製し、40℃環境下で3日間の養生を行なった。
次に、作製した試験片に対して、コーンカロリーメータC3(東洋精機(株)製の燃焼試験機)を用いて、建築基準法で定められた発熱性試験法(ISO 5660)に基づく発熱性試験(50kW/m2で20分加熱)を実施した。
<不燃性の評価>
不燃性の評価は、上記発熱性試験の結果、試験片の総発熱量が8MJ/m2以下であり、200KW/m2超過継続時間が10秒を超えないものを良好(○)と評価し、それを満たさないものを不良(×)と評価した。
不燃性の評価は、上記発熱性試験の結果、試験片の総発熱量が8MJ/m2以下であり、200KW/m2超過継続時間が10秒を超えないものを良好(○)と評価し、それを満たさないものを不良(×)と評価した。
ここで、実施例1で作製した試験片をベースとして、樹脂分量を20g/m2〜130g/m2の範囲で変化させた試験片を作製し、それぞれの発熱量を上述と同様の要領で発熱性試験法(ISO 5660)に基づき測定した。その結果を図3に示す。また、図3における総樹脂分量が30〜50g/m2の範囲、かつ発熱量が6〜8MJ/m2の範囲の拡大図である図4にも、実施例1の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
図3に示すように、試験片中の樹脂分量と発熱量との間には、検量線で表されるような相関性が見られた。すなわち、発泡壁紙として、総発熱量が7.2MJ/m2以下を達成するためには、当該発泡壁紙中の樹脂量を40g/m2以下とすることが望ましいことがわかった。総発熱量が7.2MJ/m2以下という基準は、防火性能として不燃認定されるためのものである。本来の基準は8.0MJ/m2以下であるが、バラつきが10%程度あると仮定し、実質的な基準は10%減の7.2MJ/m2とした。
図3に示すように、試験片中の樹脂分量と発熱量との間には、検量線で表されるような相関性が見られた。すなわち、発泡壁紙として、総発熱量が7.2MJ/m2以下を達成するためには、当該発泡壁紙中の樹脂量を40g/m2以下とすることが望ましいことがわかった。総発熱量が7.2MJ/m2以下という基準は、防火性能として不燃認定されるためのものである。本来の基準は8.0MJ/m2以下であるが、バラつきが10%程度あると仮定し、実質的な基準は10%減の7.2MJ/m2とした。
なお、図3は、「試験片」として「発泡樹脂層の樹脂分量」で発熱性との関係を検証したものである。これは、当該試験片の総樹脂分量が「発泡樹脂層の樹脂分量」に相当するからである。したがって、樹脂分を「他の層」にも含む発泡壁紙の「総樹脂分(量)」としては、「発泡樹脂層に含まれる樹脂分量」だけでなく、「他の層に含まれる樹脂分量」も加えられる。
(実施例2)
実施例1における低密度ポリエチレン(樹脂A)及び超低密度ポリエチレン(樹脂B)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の試験片を作製した。なお、樹脂分を架橋させる際は、実施例2の樹脂シートに対し、加速電圧を200[kV]とし、吸収線量を60〜140[kGy]の範囲で10[kGy]刻みで電子線を照射した。これは、低密度ポリエチレン(樹脂A)が少なくなるほど、すなわち長鎖分岐成分が少なくなるほど、吸収線量を大きくしないと発泡せず、逆に吸収線量を大きくしても発泡効率が下がることがあるため、可変としたものである。以下、実施例1に対して低密度ポリエチレン(樹脂A)の含有率を変化させた実施例3〜6も同様である。表1に不燃性の評価結果を示す。総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは720[μm]であった。また、図3及び図4に、実施例2の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
実施例1における低密度ポリエチレン(樹脂A)及び超低密度ポリエチレン(樹脂B)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の試験片を作製した。なお、樹脂分を架橋させる際は、実施例2の樹脂シートに対し、加速電圧を200[kV]とし、吸収線量を60〜140[kGy]の範囲で10[kGy]刻みで電子線を照射した。これは、低密度ポリエチレン(樹脂A)が少なくなるほど、すなわち長鎖分岐成分が少なくなるほど、吸収線量を大きくしないと発泡せず、逆に吸収線量を大きくしても発泡効率が下がることがあるため、可変としたものである。以下、実施例1に対して低密度ポリエチレン(樹脂A)の含有率を変化させた実施例3〜6も同様である。表1に不燃性の評価結果を示す。総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは720[μm]であった。また、図3及び図4に、実施例2の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
(実施例3)
実施例1における低密度ポリエチレン(樹脂A)及び超低密度ポリエチレン(樹脂B)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の試験片を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは650[μm]であった。また、図3及び図4に、実施例3の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
実施例1における低密度ポリエチレン(樹脂A)及び超低密度ポリエチレン(樹脂B)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の試験片を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは650[μm]であった。また、図3及び図4に、実施例3の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
(実施例4)
実施例1における低密度ポリエチレン(樹脂A)を含まず、超低密度ポリエチレン(樹脂B)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の試験片を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは430[μm]であった。また、図3及び図4に、実施例4の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
実施例1における低密度ポリエチレン(樹脂A)を含まず、超低密度ポリエチレン(樹脂B)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の試験片を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは430[μm]であった。また、図3及び図4に、実施例4の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
(実施例5)
実施例1における超低密度ポリエチレン(樹脂B)を含まず、低密度ポリエチレン(樹脂A)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5の試験片を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは800[μm]であった。この実施例5の試験片では、密度0.90以下の成分を含まないため、発泡厚みに問題は見られなかったが、発泡前の面状態で分散不良が見られた。また、図3及び図4に、実施例5の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
実施例1における超低密度ポリエチレン(樹脂B)を含まず、低密度ポリエチレン(樹脂A)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5の試験片を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは800[μm]であった。この実施例5の試験片では、密度0.90以下の成分を含まないため、発泡厚みに問題は見られなかったが、発泡前の面状態で分散不良が見られた。また、図3及び図4に、実施例5の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
(実施例6)
実施例1における超低密度ポリエチレン(樹脂B)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例4と同様にして実施例6の試験片を作製した。なお、実施例6においては、低密度ポリエチレン(樹脂A)を含まない代わりに、線状低密度ポリエチレン「UJ580(日本ポリエチレン(株)製、密度:0.925、長鎖分岐成分なし)」を45質量%添加している。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは450[μm]であった。また、図3及び図4に、実施例6の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
実施例1における超低密度ポリエチレン(樹脂B)の含有率を表1に示すように変更した以外は、実施例4と同様にして実施例6の試験片を作製した。なお、実施例6においては、低密度ポリエチレン(樹脂A)を含まない代わりに、線状低密度ポリエチレン「UJ580(日本ポリエチレン(株)製、密度:0.925、長鎖分岐成分なし)」を45質量%添加している。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは450[μm]であった。また、図3及び図4に、実施例6の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
(比較例1)
実施例1における基材2の坪量を70g/m2超に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1の発泡壁紙を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは750[μm]であった。また、図3及び図4に、比較例1の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
実施例1における基材2の坪量を70g/m2超に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1の発泡壁紙を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は39[g/m2]であり、発泡厚みは750[μm]であった。また、図3及び図4に、比較例1の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
(比較例2)
総樹脂押出質量を65[g/m2]に変更すると共に、発泡樹脂層の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例2の発泡壁紙を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は42[g/m2]であり、発泡厚みは770[μm]であった。また、図3及び図4に、比較例2の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
総樹脂押出質量を65[g/m2]に変更すると共に、発泡樹脂層の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例2の発泡壁紙を作製した。表1に不燃性の評価結果を示す。なお、総樹脂分量は42[g/m2]であり、発泡厚みは770[μm]であった。また、図3及び図4に、比較例2の発熱性試験法に基づく測定結果を示す。
(実施例及び比較例の不燃性評価)
表1、図3及び図4に示すように、実施例1〜6の試験片は、比較例1,2の試験片に対し、不燃性を呈するので、防火認定で不燃材料の使用が義務付けられているところでも使用できる発泡壁紙を提供可能なことが確認された。また、実施例1〜6の試験片は、比較例1,2の試験片に対し、発泡厚みが厚く、意匠性が高い発泡壁紙を提供可能なことが確認された。
特に、実施例1〜3の試験片は、実施例4の試験片に比べ、同じ樹脂量でも、長鎖分岐成分が使用されているため、発泡厚みが厚く、エンボスを押した後の意匠性がより高い発泡壁紙を提供可能なことが確認された。
表1、図3及び図4に示すように、実施例1〜6の試験片は、比較例1,2の試験片に対し、不燃性を呈するので、防火認定で不燃材料の使用が義務付けられているところでも使用できる発泡壁紙を提供可能なことが確認された。また、実施例1〜6の試験片は、比較例1,2の試験片に対し、発泡厚みが厚く、意匠性が高い発泡壁紙を提供可能なことが確認された。
特に、実施例1〜3の試験片は、実施例4の試験片に比べ、同じ樹脂量でも、長鎖分岐成分が使用されているため、発泡厚みが厚く、エンボスを押した後の意匠性がより高い発泡壁紙を提供可能なことが確認された。
1 発泡壁紙
2 基材
4 発泡樹脂層
6 樹脂シート
8 積層シート
2 基材
4 発泡樹脂層
6 樹脂シート
8 積層シート
Claims (5)
- 坪量が50〜70g/m2の繊維質の基材と、
熱可塑性樹脂を含む発泡樹脂層とを有し、
総樹脂分量が40g/m2以下であることを特徴とする発泡壁紙。 - 前記発泡樹脂層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体のうちいずれかを主成分とする熱可塑性樹脂を含む請求項1に記載の発泡壁紙。
- 前記発泡樹脂層の前記基材側及び前記基材側と反対側の少なくとも何れか一方に配置された一以上の他の層を有し、
前記総樹脂分量が、前記発泡樹脂層の樹脂分量と、前記他の層の樹脂分量との合計である請求項1又は2に記載の発泡壁紙。 - 前記発泡樹脂層中に、少なくとも長鎖分岐構造を有する成分が含まれた請求項1〜3の何れか一項に記載の発泡壁紙。
- 前記発泡樹脂層中に、密度が0.90以下の成分が1〜30質量%の割合で含まれた請求項1〜4の何れか一項に記載の発泡壁紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016198015A JP2018059338A (ja) | 2016-10-06 | 2016-10-06 | 発泡壁紙 |
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JP2016198015A Pending JP2018059338A (ja) | 2016-10-06 | 2016-10-06 | 発泡壁紙 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021070295A (ja) * | 2019-11-01 | 2021-05-06 | 凸版印刷株式会社 | 化粧ボード |
-
2016
- 2016-10-06 JP JP2016198015A patent/JP2018059338A/ja active Pending
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JP2021070295A (ja) * | 2019-11-01 | 2021-05-06 | 凸版印刷株式会社 | 化粧ボード |
JP2022017299A (ja) * | 2019-11-01 | 2022-01-25 | 凸版印刷株式会社 | 化粧ボード |
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