JP4158880B2 - 複合耐火板 - Google Patents
複合耐火板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4158880B2 JP4158880B2 JP2001392461A JP2001392461A JP4158880B2 JP 4158880 B2 JP4158880 B2 JP 4158880B2 JP 2001392461 A JP2001392461 A JP 2001392461A JP 2001392461 A JP2001392461 A JP 2001392461A JP 4158880 B2 JP4158880 B2 JP 4158880B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- parts
- resin
- plate
- composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Building Environments (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡シートの両面にアルミ板を貼り合わせた複合耐火板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複合耐火板として難燃性樹脂発泡シートをアルミ板で挟んだものが知られている。このような複合耐火板は、未発泡シートを用いた複合耐火板に比べて軽量であり、例えば天井材、ドア材、ベランダの目隠し板などとして広く用いられている。
【0003】
従来、発泡シートの原料樹脂としては、難燃性の高さからフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられてきたが、価格と成形加工性の点で問題があった。そこで、近年は熱可塑性樹脂であるポリオレフィン系樹脂発泡体が広く用いられている。しかし、ポリオレフィン系樹脂は易燃性であるため、複合耐火板としての難燃性を高めるためにはアルミ板を厚くしなければならず、その場合には樹脂発泡シートの軽量性という最大の利点が犠牲になるという問題がある。
【0004】
高い難燃性を保ちながらアルミ板の厚みを薄くするためには、ポリオレフィン系樹脂の難燃化が必要である。従来、ポリオレフィン系樹脂の難燃化は、樹脂に難燃剤を配合するという方法で広く行われてきた。例えば特開平5−70623号公報では、ポリエチレン樹脂にハロゲン化含リン化合物を混合した難燃性樹脂発泡体用組成物が提案されている。しかし、ハロゲン化合物からなる難燃剤を用いた場合、燃焼すると有毒で腐食性の含ハロゲンガスが発生することから、人体に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0005】
一方、含ハロゲン化合物のような有毒ガスが発生しない難燃剤として、例えば特開平6−182916号公報、特開平8−216309号公報、特開平8−300563号公報では、金属水酸化物からなる無機系難燃剤が提案されている。しかし、金属水酸化物を用いて高い難燃性を得るためには、樹脂への添加量を多くする必要があり、その場合には発泡性、流動性、曲げ、引っ張り特性などの低下の原因となるうえに、金属水酸化物自体の比重が大きいために樹脂発泡シートの利点である軽量性が損なわれるという問題があった。
【0006】
有害なハロゲンを含まず、少ない添加量で難燃効果の高い難燃剤として、ポリリン酸アンモニウム系難燃剤が知られている。この難燃剤を用いて難燃化したポリオレフィン系樹脂を発泡シートに適用した例は多数あり、例えば特開平8−52839号公報、特開平8−164579号公報、特開平9−272179号公報などが挙げられる。ポリリン酸アンモニウムは少ない添加量で難燃効果が高いため、樹脂の発泡性は損なわれず、結果として軽量で、しかもアルミ板が薄い複合耐火板が得られる。しかし、現状では、ポリリン酸アンモニウム系難燃剤で難燃化した樹脂発泡シートを用いた複合耐火板よりも、さらに難燃性を改善してアルミ板の厚みを薄くすることが要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、難燃性発泡ポリオレフィン系樹脂に貼り合わせるアルミ板を従来よりも薄くすることができ、しかも燃焼時に有毒なガスを発生せず、軽量で高い剛性を持つ複合耐火板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合耐火板は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して膨張性黒鉛3〜15重量部および赤燐2〜10重量部を混合して発泡させた、150〜500kg/m3の密度を有する難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡シートの両面に、0.12〜0.50mmの厚さを有するアルミ板を貼り合わせた複合耐火板であって、建築基準法施行令第1条第5号の準不燃防火性能試験において加熱開始後10分間の総発熱量が5.4〜7.8MJ/m 2 以下であることを特徴とする。
本発明の他の複合耐火板は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して膨張性黒鉛3〜15重量部および赤燐2〜10重量部を混合して発泡させた、150〜500kg/m 3 の密度を有する難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡シートの両面に、0.12〜0.50mmの厚さを有するアルミ板を貼り合わせた複合耐火板であって、建築基準法施行令第1条第5号の準不燃防火性能試験において準不燃認定が得られることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者は、膨張性黒鉛と赤燐を組み合わせた難燃剤は、ポリリン酸アンモニウム難燃剤を用いた場合よりもアルミ板の厚みを薄くできることを見出した。その理由は以下の通りである。
【0010】
建築基準法施行令第1条第5号の準不燃防火性能試験によれば、準不燃認定を得るための基準の1つとして、コーンカロリー燃焼試験において50kW/m2の輻射熱で加熱した際、加熱開始後10分間の総発熱量が8MJ/m2以下であることが要求されている。
【0011】
ポリオレフィン系樹脂は、燃焼すると熱分解してできた低分子量成分が燃料となって燃焼を促進するため、この総発熱量の基準を満たせずに準不燃認定に不合格となることが多い。
【0012】
上記総発熱量を低減する方法は2つある。1つはアルミ板を厚くして着火時間を遅らせること、もう1つは着火してからの発熱速度を低く抑えることである。上述したように、アルミ板を厚くすることは樹脂発泡シートの軽量性を損なうため、本発明者は後者の方法で総発熱量を抑えてアルミ板を薄くすることを検討した。その結果、図1に示すように、ポリリン酸アンモニウム系難燃剤で難燃化した樹脂よりも、膨張性黒鉛および赤燐を組み合わせた難燃剤を使用した樹脂の方が、着火してからの発熱速度の増加率が低いことを見出した。このことから、膨張性黒鉛と赤燐を組み合わせた難燃剤を使用すれば、アルミ板を薄くしても総発熱量を低く抑えられることが期待できる。
【0013】
なお、特開平7−118435号公報には、膨張性黒鉛と赤燐を組み合わせた難燃剤でポリオレフィン樹脂発泡体を難燃化することが示されている。しかし、この公報は、難燃剤として膨張性黒鉛および赤燐を添加する利点として、非ハロゲンである点、およびUL94垂直試験法にて自消性(V0)を示す点を述べているにすぎない。また、この公報は、発泡性について発泡体を目で見た外観と手で触ったときの柔軟性を述べているだけで具体的な発泡体の密度や発泡倍率については記述されていない。さらに、この公報は難燃性ポリオレフィン樹脂発泡体をシート状に成形し、シートの両面にアルミ板を貼り合わせて複合耐火板とする用途については何ら述べられていない。これに対して、本発明は、膨張性黒鉛と赤燐の組み合わせにより着火後の発熱速度が低く抑えられる点を新たに見出し、この現象を利用して貼り合わせるアルミ板の厚さを薄くしようとするものである。したがって、本発明は上記公報と目的が異なっている。
【0014】
本発明においてポリオレフィン系樹脂とは、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエン三元共重合体、スチレンブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。さらに上記各樹脂のシラン変性、カルボン酸変性などの変性体なども用いることができ、またこれらの樹脂は単独または2種以上の混合物として使用される。上述した樹脂のうち、複合耐火板の剛性を高める目的からいえば、ポリプロピレンが特に好ましい。
【0015】
ポリプロピレンを使用する場合、押出成形の加工性と発泡性を考慮すると、樹脂のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kgf)は、0.05〜10.0g/10minが望ましい。さらに加工性と発泡性のバランスを良くするには、MFRは0.5〜3.0g/10minが望ましい。
【0016】
複合耐火板の芯材となる発泡ポリオレフィン系樹脂の密度は150〜500kg/m3の範囲にあることが望ましい。発泡ポリオレフィン系樹脂の密度が150kg/m3未満ではアルミ板を厚くしなければ高い剛性を得ることができない。発泡ポリオレフィン系樹脂の密度が500kg/m3を超えると発泡ポリオレフィン系樹脂の重量が重くなり、複合耐火板全体としての重量も重くなる。複合耐火板の剛性と重量のバランスを考えると、発泡ポリオレフィン系樹脂の密度は200〜400kg/m3の範囲にあることがさらに好ましい。
【0017】
上述したように本発明においては、難燃剤として膨張性黒鉛および赤燐を用いる。膨張性黒鉛の配合量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し3〜15重量部である。膨張性黒鉛の配合量が3重量部未満では得られる発泡体の難燃性が劣り、また15重量部を超えると得られる発泡体の柔軟性が劣るうえにコストが上昇する。赤燐の配合量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し2〜10重量部である。赤燐の配合量が2重量部未満では得られる発泡体の難燃性が劣り、また10重量部を超えると発泡体の柔軟性が劣るうえにコストが上昇する。
【0018】
建築基準法施行令第1条第5号に基づき準不燃材料を認定する際の判定基準は以下の通りである。すなわち、複合耐火板の表面を50kW/m2の輻射熱で加熱したときに、
(1)加熱開始後10分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること、
(2)加熱開始後10分間、防火上有害な、裏面まで貫通する亀裂や貫通穴がないこと、
(3)加熱開始後10分間、最高発熱温度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと、
という条件を満たすことが要求される。本発明では、難燃剤として膨張性黒鉛および赤燐を用いたことにより上記(1)〜(3)の条件を満たすことができる。
【0019】
また、本発明のように有機物を100g/m2以上含む難燃材料の場合はさらにガス有毒性試験にも合格する必要があるが、本発明ではこの条件を満たすことができる。なお、ガス有毒性試験に合格する範囲内で、ハロゲン系難燃剤を配合しても差しつかえない。
【0020】
難燃性樹脂シートを発泡させる方法としては、押出機に難燃性樹脂コンパウンドとともに発泡剤を供給し、ダイから無架橋の樹脂を押し出すと同時に発泡させる方法がある。この場合、樹脂が無架橋のため、発泡倍率を上げて発泡体を軽くするためには難燃剤の配合量を少なくする必要がある。例えば、発泡体の密度を400kg/m3以下にするためには、膨張性黒鉛と赤燐を合わせた難燃剤の量を10重量部以下にすることが好ましい。
【0021】
上記発泡剤としては、ガス発泡剤、蒸発型発泡剤、化学発泡剤を用いることができる。ガス発泡剤としては窒素ガスや炭酸ガスなどが挙げられる。蒸発型発泡剤としてはブタン、ペンタン、メタノール、水などが挙げられる。化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。ただし、発泡剤はこれらに限られるものではない。環境への影響や難燃剤との相互作用の影響を考慮すると、窒素や炭酸ガスなどのガス発泡剤が特に好ましい。
【0022】
上記ダイとしては、例えばTダイを用いてシート状に押し出してもよいし、サーキュラーダイを用いて円筒状に押し出した後、一端以上を切断することでシート状に加工してもよい。ただし、本発明のように固い板を作製する場合には、一度サーキュラーダイを通すと曲げぐせがつくおそれがあるので、Tダイを用いる方が好ましい。
【0023】
別の発泡方法として、化学発泡剤とポリオレフィン系樹脂とのコンパウンドをダイから押し出し、ダイを出た直後の樹脂に電子線を照射して樹脂を架橋させた後、連続的に加熱炉にシートを供給し加熱、発泡させる方法がある。
【0024】
また、樹脂に予め架橋開始剤を加えておき、ダイから出た樹脂を加熱して化学架橋させた後、加熱炉でシートを加熱して発泡させてもよい。ただし、樹脂を架橋させると、発泡倍率を高めやすくなる反面、発泡倍率が高くなりすぎて発泡シートの剛性が損なわれるおそれがある。剛性を考慮して発泡体の密度を150kg/m3以上にするためには、発泡剤の種類に応じて化学発泡剤の量を調節する。例えば、化学発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いた場合は、樹脂100重量部に対して発泡剤量を2重量部以下にすることが好ましい。上記架橋開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、アセチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソブチレート、クメンヒドロペルオキシドなどが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0025】
発泡シートを形成するポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、熱安定剤、加工助剤、滑剤、衝撃改質剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料などを適宜添加してもよい。
【0026】
本発明で使用するアルミ板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる薄板である。腐食性の問題から、これらのアルミ板の内側面(発泡シートとの接着面)にクロメートまたはアルマイトなどの防食処理を施しておくことが好ましい。さらにアルミ板の外側面(積層複合体表面)に例えば塗装/防食処理などを施してもよい。これらの塗装・防食剤が難燃化されていない場合、複合耐火板の難燃性を損なわないように、塗布される塗装・防食剤の固形量を200g/m2以下、さらには100g/m2以下とすることが好ましい。
【0027】
本発明において、アルミ板の厚みは0.12〜0.50mmであることが好ましい。アルミ板厚が0.12mm未満では燃焼試験において総発熱量の基準を満たすことが難しく、剛性も低くなる。アルミ板厚が0.50mmを超えると、複合耐火板全体が重くなるので、軽量性という利点が損なわれる。軽量で難燃性の高い複合耐火板を得るためには、アルミ板厚を0.12〜0.40mm、さらに0.12〜0.25mmとすることが好ましい。
【0028】
発泡樹脂シートとアルミ板とは接着剤によって接着してもよいし、接着剤を用いずに熱融着してもよい。上記接着剤としては、エポキシ化合物系またはウレタン化合物(イソシアネート)系の接着剤等を使用することができるが、これらに限られるものではない。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0030】
図2は、本発明に係る複合耐火板の一例を示す斜視図である。図2に示すように、複合耐火板2は、難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡シート21の両面に、アルミ板22を貼り合わせて構成されている。なお、アルミ板22の厚みは両面とも同じである必要はなく、異なっていてもよい。
【0031】
次に、図3に複合耐火板の製造装置の一例を示し、本発明に係る複合耐火板の製造方法を説明する。ポリオレフィン系樹脂、難燃剤、および必要に応じて発泡剤と他の添加剤を押出機31のホッパー311に供給し、Tダイ312からポリオレフィン系樹脂発泡シートを押出成形する。ガス発泡剤を使用する場合は、押出機の側面に設けられたガス注入弁313からガスを注入してもよい。なお、押出機31としては単軸押出機および二軸押出機のいずれを用いることもできるし、両者を組み合わせてタンデム押出システムとしてもよい。発泡性を考慮すれば、タンデム押出システムを用いることが望ましい。
【0032】
続いて、押し出された発泡シート22の表面をサイジングダイ32で平滑に成形する。サイジングダイの代わりにサイジングロールを用いてもよい。次に、接着剤塗布装置33によって発泡シート22の表面に接着剤を塗布し、アルミ貼合装置34においてアルミ板を貼り合わせ、得られた板を切断機35により適当な長さに切断し、最終的な複合耐火板2を得る。
【0033】
上記に示した方法は連続的に複合耐火板を得る方法であるが、アルミ貼合装置34と切断機35の間で十分な距離が取れない場合には、切断時に接着剤が十分に乾いておらず、アルミ板と発泡シートが剥離するおそれがある。その場合は、図3においてサイジングダイ32を出た後の発泡シート22を適当な長さに切断し、得られた発泡シート22の両面に接着剤を塗布し、アルミ板を貼り合わせた後に接着剤が乾くまで放置してから、必要な大きさに切断すればよい。
【0034】
ポリオレフィン系樹脂シートに架橋を施す場合は、例えば押出機31を出た直後に図示しない電子線架橋装置を用いて架橋処理を行えばよい。また、化学架橋を施す場合には、ホッパー311にポリオレフィン系樹脂、難燃剤、発泡剤、他の添加剤などとともに架橋開始剤を供給し、Tダイ312を出た直後の樹脂シートを図示しない加熱炉に通して化学架橋させればよい。
【0035】
なお、以上の製造方法は一例であり、本発明の複合耐火板を製造できる方法であれば特に限定されない。
【0036】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0037】
(実施例1)
ポリプロピレン(出光石油化学製:E203G MFR=2.4g/10min(230℃、2.16kgf))100重量部、膨張性黒鉛(東ソー社製:フレームカットGREP−EG)6重量部、赤燐3重量部(東ソー社製:ノーバレッド)、およびタルク(日本タルク社性:タルクMG)1重量部からなる発泡シート成形材料を調製した。
【0038】
押出機としてタンデム押出システムを用いた。タンデム押出システムの1段目押出機はφ40mm単軸押出機、2段目押出機はφ65mm単軸押出機である。ダイとしては幅400mmのTダイを用いた。1段目押出機のシリンダー温度を170〜220℃に、2段目押出機のシリンダー温度を175〜220℃に、ダイ温度を175℃に設定した。
【0039】
上記の発泡シート成形材料を1段目押出機に供給し、1段目押出機の側面に設けられたガス供給弁から炭酸ガスを押出量に対して1重量%の割合で供給し、Tダイより樹脂発泡シートを押し出した。サイジングロールにより樹脂発泡シートの表面を平滑に成形した後、切断機を用いて1000mmの長さに切断した。高して、厚さ4mm、幅400mm、長さ1000mmの難燃性ポリプロピレン樹脂発泡シートを得た。
【0040】
次に、得られた難燃性ポリプロピレン樹脂発泡シートの両面に接着剤(イソシアネート系ウレタン化合物)を塗布し、接着剤を塗布した面に厚さ0.20mmのアルミ板を貼り合わせた。こうして難燃性ポリプロピレン発泡シートの両面にアルミ板を貼り合わせた複合耐火板を得た。
【0041】
(実施例2)
樹脂、添加剤および複合板の製造方法は実施例1と同様とし、難燃剤の量を増やし、アルミ板厚を薄くして複合板を得た。
【0042】
(実施例3)
樹脂、添加剤および複合板の製造方法は実施例2と同様とし、難燃剤の量のみを膨張性黒鉛3部、赤燐10部に変更して複合板を得た。
【0043】
(実施例4)
樹脂、添加剤および複合板の製造方法は実施例2と同様とし、難燃剤の量のみを膨張性黒鉛15部、赤燐2部に変更して複合板を得た。
【0044】
(比較例1)
樹脂、添加剤、アルミ板厚および複合板の製造方法は実施例2と同様とし、難燃剤の量を増やして複合板を得た。
【0045】
(比較例2)
樹脂、添加剤、アルミ板厚および複合板の製造方法は実施例1と同様とし、難燃剤を添加せずに複合板を得た。
【0046】
(比較例3)
樹脂、添加剤、複合板の製造方法は実施例1と同様とし、難燃剤のみをポリリン酸アンモニウムに変更して複合板を得た。
【0047】
(比較例4)
樹脂、添加剤、難燃剤および複合板の製造方法は実施例1と同様とし、アルミ板の厚みのみを0.10mmに変更して複合板を得た。
【0048】
実施例1〜4および比較例1〜4で得られた複合板について、発泡体密度、10分間の燃焼試験における総発熱量、準不燃認定基準を比較した結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】
本発明の複合板は、上記の如き構成とされているので、アルミ板厚が薄いにもかかわらず準不燃性能試験に合格し、軽量で比強度が高く、燃焼の際に有害なハロゲンガス等を発生せず、建築、車両等の内外装材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリリン酸アンモニウム系難燃剤を使用した樹脂と、膨張性黒鉛および赤燐を組み合わせた難燃剤を使用した樹脂について、着火してからの発熱速度を示す図。
【図2】本発明に係る複合耐火板の一例を示す斜視図。
【図3】本発明に係る複合耐火板の製造に用いられる装置の一例を示す構成図。
【符号の説明】
2…複合耐火板
21…ポリオレフィン系樹脂発泡シート
22…アルミ板
31…押出機
311…ホッパー
312…Tダイ
313…ガス注入弁
32…サイジングダイ(サイジングロール)
33…接着剤塗布装置
34…アルミ貼合装置
35…切断機
Claims (2)
- ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して膨張性黒鉛3〜15重量部および赤燐2〜10重量部を混合して発泡させた、150〜500kg/m3の密度を有する難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡シートの両面に、0.12〜0.50mmの厚さを有するアルミ板を貼り合わせた複合耐火板であって、建築基準法施行令第1条第5号の準不燃防火性能試験において加熱開始後10分間の総発熱量が5.4〜7.8MJ/m 2 以下であることを特徴とする複合耐火板。
- ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して膨張性黒鉛3〜15重量部および赤燐2〜10重量部を混合して発泡させた、150〜500kg/m 3 の密度を有する難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡シートの両面に、0.12〜0.50mmの厚さを有するアルミ板を貼り合わせた複合耐火板であって、建築基準法施行令第1条第5号の準不燃防火性能試験において準不燃認定が得られることを特徴とする複合耐火板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001392461A JP4158880B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 複合耐火板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001392461A JP4158880B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 複合耐火板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003191376A JP2003191376A (ja) | 2003-07-08 |
JP4158880B2 true JP4158880B2 (ja) | 2008-10-01 |
Family
ID=27599773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001392461A Expired - Fee Related JP4158880B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 複合耐火板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4158880B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104797422A (zh) * | 2012-11-16 | 2015-07-22 | 凡世通建筑产品公司 | 含有可膨胀石墨的热塑性膜 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4609854B2 (ja) * | 2005-11-01 | 2011-01-12 | 古河電気工業株式会社 | 難燃性複合板 |
JP5128156B2 (ja) * | 2007-03-27 | 2013-01-23 | 古河電気工業株式会社 | アルミニウム樹脂複合板 |
MX2010008055A (es) * | 2008-01-25 | 2010-12-20 | Nmc Sa | Composiciones de espuma ignifuga. |
JP6744044B2 (ja) * | 2016-07-04 | 2020-08-19 | 株式会社ブリヂストン | ゴム発泡体用ゴム組成物、それを発泡させてなるゴム発泡体及びシール材 |
CN109762201A (zh) * | 2018-11-27 | 2019-05-17 | 浙江众创材料科技有限公司 | 一种阻燃低导热的发泡聚丙烯及其制备方法 |
US20230191751A1 (en) * | 2020-05-19 | 2023-06-22 | Basf Se | Metal Polymer Laminate Structure |
-
2001
- 2001-12-25 JP JP2001392461A patent/JP4158880B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104797422A (zh) * | 2012-11-16 | 2015-07-22 | 凡世通建筑产品公司 | 含有可膨胀石墨的热塑性膜 |
CN104797422B (zh) * | 2012-11-16 | 2017-05-10 | 凡世通建筑产品公司 | 含有可膨胀石墨的热塑性膜 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003191376A (ja) | 2003-07-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2918412B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡体 | |
JP4158880B2 (ja) | 複合耐火板 | |
JP4609854B2 (ja) | 難燃性複合板 | |
JP2006224468A (ja) | 難燃性発泡積層シートの製造方法 | |
JP2007069347A (ja) | 難燃性複合板 | |
US9120976B2 (en) | Fire retardant moldings and method for producing and using such a molding | |
JP5128156B2 (ja) | アルミニウム樹脂複合板 | |
JP2011173941A (ja) | ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体 | |
JP2541719B2 (ja) | 難燃性樹脂発泡体用組成物、難燃性樹脂発泡体及び難燃性樹脂発泡体の製造方法 | |
JP6520138B2 (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、積層シート及び発泡壁紙 | |
JP6405225B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムおよび積層フィルム | |
JP2004075707A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法 | |
JP2755109B2 (ja) | 連続シート状難燃性ポリプロピレン系架橋発泡体 | |
JPH07173317A (ja) | 成形性に優れたポリプロピレン系電子線架橋発泡体 | |
EP3926001A1 (en) | Halogen-free, flame-retardant foamed thermoplastic polymer | |
WO1998058993A1 (fr) | Mousse resineuse ignifuge, non halogenee | |
KR101711571B1 (ko) | 친환경 난연성 eva패널 | |
JP2581354B2 (ja) | 難燃性樹脂発泡体用組成物、難燃性樹脂発泡体及び難燃性樹脂発泡体の製造方法 | |
JPH10157009A (ja) | 難燃性に優れた積層体 | |
JP2013035196A (ja) | 断熱性能に優れた押出発泡体 | |
JPH08300563A (ja) | 難燃性積層複合体 | |
WO2017164339A1 (ja) | 積層発泡シート、及びそれを用いた成形体 | |
JP2018059338A (ja) | 発泡壁紙 | |
JP2018059243A (ja) | 発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法 | |
JPH01126346A (ja) | 無機物高充填高発泡倍率発泡体シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040802 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060808 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061006 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080610 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080709 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4158880 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |