JP2755109B2 - 連続シート状難燃性ポリプロピレン系架橋発泡体 - Google Patents

連続シート状難燃性ポリプロピレン系架橋発泡体

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JP2755109B2
JP2755109B2 JP16163693A JP16163693A JP2755109B2 JP 2755109 B2 JP2755109 B2 JP 2755109B2 JP 16163693 A JP16163693 A JP 16163693A JP 16163693 A JP16163693 A JP 16163693A JP 2755109 B2 JP2755109 B2 JP 2755109B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続シ−ト状難燃性ポリ
プロピレン系架橋発泡体に関する。さらに詳しくは自動
車内装用緩衝材、建築材、産業資材、家具、家庭用電気
器具などに使用できる成形性、耐熱性、断熱性、緩衝性
に優れた連続シ−ト状難燃性ポリプロピレン系架橋発泡
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリプロピレン系発泡体は耐熱
性、軽量性、断熱性、遮音性に優れていることや各種の
加工法による成形が容易であることから自動車内装用緩
衝材や建築用途などの断熱材に広く利用されている。
【0003】しかし、ポリオレフィン系樹脂、特にポリ
エチレン、ポリプロピレン樹脂は元来燃えやすく、ま
た、その燃焼発熱量が高いことが最大の欠点とされてお
り、その難燃化は高く要望されている。
【0004】従来、これらの難燃化については特公昭6
2−34333号公報に記載のようにデカブロムジフェ
ニルエ−テル、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロムフ
タルイミド、ビスグアニジニュウムテトラブロムフタレ
−ト等のハロゲン化芳香族化合物や三酸化アンチモン等
の難燃助剤を併用したものや、テトラブロムビスフェノ
−ルAグリシジルエ−テルのごときエポキシ系難燃剤を
添加したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者のハロゲン化芳香
族化合物の場合、近年、難燃剤の合成時あるいは廃棄
時、有事の火災時に有毒な分解生成物を発生するという
ことが取り沙汰されており環境面への影響が心配されて
いる。一方、後者のテトラブロムビスフェノ−ルA等グ
リシジル誘導体を用いたものは前者に比べ、ハロゲンの
含有量が少なく難燃効果の点で劣るため多量の添加が必
要であるとともに、これらはいずれも融点が高い粉体で
あるためフィラ−として樹脂中に分散するため伸びが低
下し、成形性が悪化し、各種の成形法が適応できなくな
るなどの問題があった。また、架橋発泡体は発泡するこ
とにより縦方向、幅方向、厚さ方向に寸法変化を伴って
発泡するため、その配向差によって難燃性に異方性が生
じるなどの問題も指摘され、難燃性の安定性に欠けてい
た。
【0006】本発明者らは、特定のポリオレフィン系樹
脂に特定の難燃剤を添加し、架橋せしめ、かつ、特定の
気泡形状とした連続シ−ト状の架橋発泡体とすることに
よりきわめて高度の難燃性、成形性、耐熱性をもつ連続
シ−ト状難燃性ポリプロピレン系架橋発泡体を見出だ
し、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、特定の
ポリオレフィン系樹脂と特定の難燃剤からなる難燃性に
してかつ成形性、耐熱性に優れた連続シ−ト状難燃性ポ
リプロピレ系架橋発泡体を提供することにある。
【0008】本発明はプロピレンとエチレンもしくは炭
素数が4〜12のα−オレフィンが2〜15重量%ラン
ダムもしくはブロック共重合された融点が125〜15
5℃、MFRが0.5〜10g/10分のポリプロピレ
ン系樹脂(A)と、エチレンと炭素数が4〜12のα−
オレフィンを共重合した密度が0.915〜0.940
g/cm、MFRが1.0〜30g/10分のポリエ
チレン系樹脂(B)と、ハロゲンを50〜80%含有し
融点もしくは軟化点が150〜240℃の難燃剤(C)
とからなり、(A)/(B)が1〜9、{(A)+
(B)}/(C)が2.5〜99であり、かつ、ポリプ
ロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂のいずれにも1個
以上の架橋点を持ち、その架橋度が20〜70%,発泡
倍率が2〜40倍の連続シ−ト状難燃性ポリプロピレン
系架橋発泡体であることを特徴とするものである。
【0009】本発明に用いるポリプロピレン系樹脂
(A)とは一般にチ−グラ型触媒によって重合されるプ
ロピレンとエチレンもしくは炭素数が4〜12のα−オ
レフィンが2〜15重量%ランダムもしくはブロック共
重合された融点が125〜155℃、MFRが0.5〜
10g/10分である。共重合されるエチレンもしくは
炭素数が4〜12のα−オレフィンの種数には特に制限
はないが、エチレン、ブテン、ヘキセン、あるいはエチ
レン・ブテン、エチレン・ヘキセンなどが上げられる
が、発泡体の機械強度を維持するには炭素数が極力大き
く、かつ、3元共重合のものが好ましい。共重合される
エチレンもしくは炭素数が4〜12のα−オレフィンは
2〜15重量%、好ましくは3〜8重量%であるが、2
重量%未満であると樹脂の結晶性が高くなり、また融点
も高くなるため硬い発泡体となり緩衝性が低下するとと
もに低温下での耐衝撃性が悪化したり、発泡用シ−ト製
造時剪断発熱により発泡剤の分解が起こりやすくなり粗
大気泡を発生しやすくなるので好ましくない。一方、1
5重量%を越えると緩衝性、耐衝撃性の点では好ましい
が融点が低下するため耐熱性が低下するので好ましくな
い。樹脂の融点は125〜155℃、好ましくは130
〜145℃であるが、融点が125℃未満であると耐熱
性の点から用途的に制限が発生するので好ましくなく、
155℃を越えると融点が高くなり用途的に広範囲をカ
バ−できる点では好ましいが、発泡用シ−ト製造時剪断
発熱により発泡剤の分解が起こりやすくなり粗大気泡を
発生しやすくなるので好ましくない。MFRは0.5〜
10g/10分、好ましくは1.0〜3g/10分であ
る。MFRが0.5g/10分未満であると樹脂の溶融
粘度が高くなるため発泡用シ−ト製造時剪断発熱により
発泡剤の分解が起こりやすくなり粗大気泡を発生しやす
くなるので好ましくない。一方、10g/10分を越え
ると溶融粘度は低くなるためシ−ト製造上では好ましい
が発泡体の伸びが低下したり、真空成形など加熱成形加
工時に形状の保持力が悪化し、良好な成形品が得られに
くくなるので好ましくない。
【0010】本発明に用いられるポリエチレン系樹脂
(B)とはエチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィ
ンを共重合した密度が0.915〜0.940g/cm
、MFRが1.0〜30g/10分である。エチレン
に共重合されるα−オレフィンの種数は特に限定されな
いが、一般的にはエチレンとα−オレフィンの2元共重
合体で好ましくは炭素数4〜8のものを共重合したもの
が価格、物性の両面から有利である。密度は0.915
〜0.940g/cm、好ましくは0.925〜0.
935g/cmである。密度が0.915g/cm
未満であると樹脂の柔軟性が顕著となりベタツキを生じ
発泡体としたときブロッキングが発生したり、機械的強
度が低下するので好ましくない。一方、0.940g/
cmを越えると機械的強度の点では好ましいが伸びが
低下したり、発泡体としたときの圧縮回復性が低下する
ので好ましくない。MFRは1.0〜30g/10分、
好ましくは2〜15g/10分である。MFRが1.0
g/10分未満であると樹脂の溶融粘度が高くなるため
発泡用シ−ト製造時剪断発熱により発泡剤の分解が起こ
りやすくなり粗大気泡を発生しやすくなるので好ましく
ない。一方、30g/10分を越えると溶融粘度は低く
なるためシ−ト製造上では好ましいが高温下での樹脂の
抗張力が低下するため成形加工したとき偏肉が発生しや
すくなるので好ましくない。
【0011】本発明に用いる難燃剤(C)はハロゲンを
50〜80%含有し、融点もしくは軟化点が150〜2
40℃のものである。
【0012】この時、ハロゲンの含有率が50〜80
%、好ましくは60〜75%であり、燐・ハロゲンの含
有率が50〜80%、好ましくは60〜75%である難
燃剤を用いることが好ましい。また、この場合の燐・ハ
ロゲンの含有率とは、燐とハロゲンを合わせたものであ
り、燐のみの含有率は3〜15%であることが好まし
い。ハロゲンの含有率が50%未満であると発泡体を高
難燃化するには多量の添加が必要となり、発泡体の機械
的強度を低下させるので好ましくなく、80%を越える
と難燃剤の安定性が低下したものとなり、逆に難燃性を
低下させるので好ましくない。このとき燐・ハロゲンを
同一分子中に含有するものを用いる理由は燐とハロゲン
が相乗的に高難燃性を発揮するからである。難燃剤の融
点もしくは軟化点は150〜240℃、好ましくは16
0〜220℃である。融点が150℃未満であると組成
物のコンパウンド中に融解して分散し、一見良いように
思われるが、実際の発泡の際にはボイド状の大気泡を発
生させやすいので好ましくない。また、融点が250℃
を越えると難燃剤の分散状態が無機フィラ−と同じ分散
形態をとり、発泡体としたときの難燃剤の分散が発泡体
の配向差の影響を受けやすく、難燃性に異方性を生じ、
安定性に欠けるので好ましくない。ハロゲンの種類とし
ては塩素、ブロムが好ましいが、中でもブロムを含有し
た、いわゆる含ハロゲン燐酸エステル系難燃剤が好まし
い。具体的にはトリス(トリブロモネオペンチル)ホス
フェ−ト、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェ−ト
等が上げられる。なお、燐・ハロゲン系難燃剤に対し4
0%までは他種のハロゲン系難燃剤を併用しても良い。
【0013】本発明ではポリプロピレン系樹脂(A)、
ポリエチレン系樹脂(B)、難燃剤(C)の混合比率
(A)/(B)が1〜9、{(A)+(B)}/(C)
が2.5〜99である。
【0014】樹脂成分の混合比率(A)/(B)は1〜
9、好ましくは1.5〜5.5である。(A)/(B)
が1未満であるとポリエチレン系樹脂(B)の特性が支
配的となり耐熱性が悪化したり、成形性が低下するので
好ましくない。一方、9を越えると機械的強度、耐熱
性、成形性には良いが、発泡体の剛性が顕著となり緩衝
性が悪化するので好ましくない。
【0015】樹脂成分と難燃剤との混合比{(A)+
(B)}/(C)は2.5〜99、好ましくは4〜35
である。混合比が2.5未満では難燃性の点では好まし
いが、難燃剤を微分散させても樹脂に占める難燃剤量が
多くなるため機械的強度、伸び、成形性などの特性が低
下するので好ましくない。一方、99を越えると機械的
強度、伸び、成形性などの特性面では好ましいが、難燃
性が悪化したり、難燃剤の量が少なくなるため発泡体の
配向差の影響を受けやすく、難燃性に異方性を生じ、安
定性に欠けるので好ましくない。
【0016】本発明の発泡体ではポリプロピレン系樹
脂、ポリエチレン系樹脂のいずれにも1個以上の架橋点
を持ち、その架橋度が20〜70%、好ましくは30〜
60%である。本発明のポリプロピレン系樹脂、ポリエ
チレン系樹脂のいずれにも1個以上の架橋点をもうける
ことは機械的強度、成形性、耐熱性、特定気泡形状とし
高度の難燃性を得るのに重要である。すなわち、上記の
特定範囲のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂
を用いることにより樹脂間の相溶性が向上するため、架
橋助剤の分散が単一樹脂成分に極在化することなく、従
って、架橋付与、具体的には電子線照射したとき、樹脂
組成に平均的に架橋が生じる。この時、架橋が単一樹脂
成分に極在化すると伸びの点では好ましいが、発泡した
とき気泡形状がマバラになり、そのため長さ方向への配
向が顕著となりやすく難燃性に異方性が生じるので好ま
しくない。また、加熱真空成形したときに架橋部と非架
橋部が分離したような凹凸の表面欠点を生じ成形性を悪
化させるので好ましくない。架橋度が20%未満である
と加熱発泡時発泡体表面から発泡ガスが逸散しやすく所
定の発泡倍率が得られなかったり、発泡体表面が荒れた
り、また、発泡時長さ方向への配向が顕著となりやすく
難燃性に異方性を生じるので好ましくない。
【0017】一方、架橋度が70%を越えると気泡径が
小さくなり、かつ形状が完全球状に近くなるため硬くな
り緩衝性が低下したり、伸びが低下するため加熱成形性
が悪化するので好ましくない。
【0018】このとき平均気泡径は0.1〜0.8mm、
好ましくは0.25〜0.6mmである。気泡径が0.1
mm未満であると気泡径が小さくなるため発泡体の平面性
は良くなるが硬くなり緩衝性が低下するので好ましくな
く、0.8mmを越えると発泡体の平面性が悪化したり、
あるいは成形加工したとき表面に気泡模様が出やすくな
り欠点となるので好ましくない。
【0019】また、気泡形状は長さ方向(MD)の気泡
径が幅(TD)、厚さ方向(ZD)に対し1.5〜5
倍、好ましくは2〜4倍の楕円球形のものである。気泡
径が1.5倍未満であると完全球形に近くなり硬くなり
緩衝性が低下したり、加熱下で圧縮したとき圧縮回復性
が悪くなる、いわゆる脚気現象を生じるので好ましくな
い。一方、5倍を越えるとMD方向への配向が顕著とな
るため難燃性の異方性を生じやすくなるので好ましくな
い。
【0020】本発明の発泡体の発泡倍率は2〜40倍、
好ましくは5〜30倍である。発泡倍率が2倍未満では
高度の深絞り成形ができ最終加工成形品の付形性には優
れるが硬くなり緩衝性が乏しくなるので好ましくない。
一方、40倍を越えると緩衝性の点では好ましいが、高
発泡のため機械強度が低下し、成形性が悪化したり、難
燃剤の発泡体体積中に占める割合が低下するので難燃性
が悪化するので好ましくない。
【0021】本発明の発泡体は連続シ−ト状である必要
があるが、これは、特定気泡形状、架橋付与など本発泡
体を安定的に製造するためと本発泡体を使用して各種の
最終製品を製造する場合のロスを最小限にするためであ
る。
【0022】また本発明の樹脂成分には前記ポリプロピ
レン系、ポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹
脂を30重量%以下混入してもよい。具体的には低密度
ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPM),
エチレン−プロピレンゴム−ジエンゴム(EPDM)、
高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アルキルメ
タアクリレ−ト共重合体、エチレン−アルキルアクリレ
−ト共重合体あるいはこれらのエチレンとの共重合体に
第三成分として無水マレイン酸を共重合した3元共重合
体等が例示される。中でもエチレン−プロピレンゴム
(EPM),エチレン−プロピレンゴム−ジエンゴム
(EPDM)、エチレン−アルキルアクリレ−ト共重合
体、エチレン−メタアルキルアクリレ−ト共重合体ああ
るいはこれらのエチレンとの共重合体に第三成分として
無水マレイン酸を共重合した3元共重合体ものが好まし
い。混入量が30重量%をこえると柔軟性、緩衝性の点
では好ましいが、耐熱性、機械強度、成形性が低下する
ので好ましくない。
【0023】その他、必要に応じて熱安定剤、耐候剤、
難燃助剤、具体的にはアンチモン化合物、分散剤、架橋
剤、架橋助剤を添加しても良い。
【0024】本発明において適応できる分解型発泡剤と
しては有機、無機系の各種があるが、有機系にはアゾジ
カルボンアミド、N.N´−ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、P.P´−オキシベンゼンスルフォニルヒ
ドラジド等、無機系には炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム、重炭酸アンモニウム、カルシュウムアジド等が上
げられる。
【0025】本発明においては発泡体の樹脂部分が架橋
されていることが必要であるが、架橋方法としてはパ−
オキサイド等の過酸化物を添加して行う、いわゆる化学
架橋法、電離性放射線を照射して行う放射線架橋法が例
示できるが、化学架橋法の場合は、ジクミルパ−オキサ
イド、t−ブチルパ−−ベンゾエ−ト、ジタ−シャリ−
ブチルパ−オキサイド等の過酸化化合物を樹脂成分に対
し0.5〜5重量部添加して架橋させる公知の手法が適
用できる電離性放射線を照射して行う放射線架橋法の場
合は電子線照射による公知の手法の適用が好ましい。
【0026】本発明による発泡方法は公知の方法が適用
できるが、具体的には縦型熱風発泡法、横型熱風発泡
法、横型薬液発泡法などの連続シ−ト状として製造でき
るものに限定される。
【0027】次に本発明による連続シ−ト状難燃性ポリ
プロピレン系架橋発泡体の製造方法の一態様について説
明する。
【0028】プロピレンにエチレンを4重量%ランダム
共重合した融点が136℃、MFR0.8g/10分の
ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレンとヘキセンを共
重合した密度がO.930g/cm、MFRが6g/
10分のポリエチレン系樹脂(B)、平均粒径が3μ
m、融点が183℃、燐・ハロゲン含有率が約74%の
トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェ−トの難燃
剤(C)をおのの準備し、(A)/(B)が4、
{(A)+(B)}/(C)が9になるように混合した
組成物100kgにさらに熱安定剤としてIrgnox1
010を0.2kg混合して加圧ニ−ダ−に投入し、第一
段目の混練りし、溶融状態で樹脂、難燃剤、安定剤を十
分に分散させる。更に、この物に架橋助剤としてペンタ
エリスリト−ルトリアクリレ−ト3kg投入して第二段目
の混練りし架橋助剤を微分散させる。さらに分解型発泡
剤としてアゾジカルボンアミド12kg投入して第三段目
の混練りを行い発泡用樹脂組成物とする。このものをロ
−ル混練り機に通し、厚さが2mmのシ−ト状に成形して
取りだし、ペレタイザ−で2mm角のペレットにする。
【0029】この混合原料を発泡剤の分解しない温度、
具体的には150〜180℃に加熱したベント付き押出
し機に導入して、セットされているTダイから押し出
し、空気巻込みによる気泡のない厚さが1.7mm、幅
が430mmの連続シ−ト状にして巻き取る。
【0030】このシ−トに電子線照射よって発泡に適し
た架橋、すなわち発泡体としたときに架橋度が25〜7
0%となるように電子線を照射して架橋を付与する。こ
のシ−トを発泡剤の分解温度より30〜100℃高い温
度に加熱した熱風加熱方式の縦型熱風発泡炉に連続的に
導入して発泡させる。
【0031】このようにして得られた発泡体は厚みが
3.8mm,幅1450mm、発泡倍率が28倍の表面
の平滑な発泡体となる。
【0032】本発明は上述したように、特定のポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂に特定の燐・ハロゲ
ン系難燃剤を配合し架橋発泡体としたことにより特定の
架橋様式を得ることができ、このことにより気泡径およ
び気泡形状の制御が可能となったため,下記のような優
れた特徴を示すものである. (1)高度な難燃性を持つポリプロピレン系架橋発泡体
で、かつ、連続シ−ト状発泡体である。
【0033】(2)広範囲の発泡倍率で難燃性に異方性
がなく、安定した難燃性を示す。
【0034】(3)難燃剤を添加してあるにもかかわら
ず、機械的特性の低下がなく、成形加工性が優れてい
る。
【0035】(4)耐熱性に優れている。
【0036】(5)緩衝性に優れている。
【0037】本発明の効果の得られることについては定
かではないが、難燃性および機械的特性、成形性が低下
しないことの理由としてはそれぞれの要因、すなわち、
難燃剤、樹脂組成、架橋および気泡形状などが複雑に関
係しあって得られていると考えられるが、難燃性につい
ては難燃剤の燐成分による炭化の進行と同時に燃焼の延
焼を防止し、燃焼発熱量を低減すること。又ハロゲンに
よる樹脂成分の熱分解による可燃性成分の希釈により延
焼防止効果等が同時に進行して高度の難燃効果を発揮し
ていると考える。また、機械的特性、成形性が低下しな
い、難燃性に異方性がないことについては樹脂組成の適
正化の結果と難燃剤の融点を適性化したため難燃剤が発
泡体としたとき樹脂層(気泡膜)内に存在しにくく、む
しろ気泡内に多く存在していることによると考えられ
る。緩衝性が悪化しないのは架橋を適正化したため気泡
粒径、気泡径状が楕円球状となり、適度な圧縮特性、圧
縮回復性になるためと考えられる。
【0038】本発明による発泡体は高難燃性、断熱性、
気泡状態、成形性の特徴を生かしパイプカバ−、エアコ
ンパネル裏打ち材、鉄板と張合わせ山形に成形した断熱
折板、各種の表皮と張り合わせた自動車内装用緩衝材、
鉄板等の不燃材と張り合わせたエンジンル−ム仕切り
板、無機繊維マットと張合わせた不燃性ボ−ド用裏打ち
材等、金属板、金属フォイル、フィルム、無機繊維等と
の複合品で各種の分野に適応できる。なかでも、環境問
題やリサイクルの観点から自動車内装材の塩化ビニル表
皮からTPO、TPE表皮へ、ABS,ハ−ドボ−ド基
材からPP系基材へのオレフィン化には有益な発泡体と
なる。
【0039】本発明における測定法、評価基準は次の通
りである。
【0040】1.水平法難燃性試験 MVSS302燃焼試験法に準じて評価を行い、長さ方
向直径(MDd)と幅方向直径(TDd)の各方向とも
難燃性1級相当の品質を合格とする。 2.架橋度 発泡体を細断し、0.2g精秤する。このものを130
℃のテトラリン中に浸積し、攪拌しながら3時間加熱し
溶解部分を溶解せしめ、不溶部分を取り出しアセトンで
洗浄してテトラリンを除去後、純水で洗浄しアセトンを
除去して120℃の熱風乾燥機にて水分を除去して室温
になるまで自然冷却する。このものの重量(W1 )gを
測定し、次式で架橋度を求める。
【0041】架橋度 =(0.2−W1 /0.2)×1
00 (%) 3.架橋点 架橋度を測定した不溶分と未樹脂成分をC核NMR(核
磁気共鳴分析)法の13C−NMR分析し4級炭素濃度を
定量し、不溶分の4級炭素濃度から未樹脂成分の4級炭
素濃度を差し引いて、その濃度を1000C当たりに換
算した値を用いる。
【0042】4.発泡倍率 発泡体から10×10cmを切り出し、厚みt1 (c
m)と重量W2 (g)を測定し、次式で本発明の発泡倍
率を算出する。
【0043】発泡倍率= W2 /(10×10×t1
(g/cm3 ) 5.成形性 直径(D)に対し深さ(L)のカップ状の成形金型を備
えた真空成形機で成形し、発泡体が破れることなくカッ
プ状に成形されたL/D比を成形性とする。
【0044】L/Dが0.5以上を合格とする。
【0045】6.平均気泡径および直径倍率 凍結スライス法により発泡体をMD方向、TD方向、Z
D方向に30μm厚さにスライスしたもの50倍の拡大
鏡を使用し 0.5×0.5 cm部分の全気泡径を測定する。
この測定値を次式で算出して気泡径および直径倍率を求
める。
【0046】 X(MDd) =ΣMDd/nMD(TDd) ΣTDd/nTD(ZDd) =ΣZDd/nZD 平均気泡径:0.1≦(X(MDd) およびX(TDd) および
(ZDd) )≦0.8 直径倍率: 1.1≦(X(MDd) /X(TDd) およびX
(MDd) /X(ZDd) )≦5 各記号は下記の通り。
【0047】X(MDd) :MD方向の平均気泡径 X
(ZDd) :ZD方向の平均気泡径 MDd :MD方向の気泡径 ZDd :ZD方
向の気泡径 nMD :MD方向の気泡径の数 nZD :MD方
向の気泡径の数 X(TDd) :MD方向の平均気泡径 7.機械強度、伸び JIS K−6767に準じて測定した 8.融 点 示差走査熱量計(パ−キンエルマ社DSCII)で測定し
た溶融吸熱カ−ブの最も大きなピ−クを融点とする。
【0048】9.MFR ポリプロピレン系樹脂はJIS K−6758,ポリエ
チレン系樹脂はJIS K−6760に準じる。
【0049】10.密度 ポリエチレン系樹脂はJIS K−6760に準じる。
【0050】次に実施例に基づいて本発明の実施態様を
説明する。
【0051】実施例 1 プロピレンにエチレンを4.8重量%ランダム共重合し
た融点が134℃、MFR0.8g/10分のポリプロ
ピレン系樹脂(A)の粉体とエチレンとオクテンを共重
合した密度がO.935g/cm3 、MFRが6g/1
0分のポリエチレン系樹脂(B)の粉体、平均粒径が2
μm、融点が183℃、燐・ハロゲン含有率が約74%
のトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェ−トの難
燃剤(C)を準備し、(A)/(B)が3、{(A)+
(B)}/(C)が9になるように配合した組成物10
0kg、熱安定剤としてIrgnox1010を0.2kg
混合してヘンシェルミキサ−に投入し、第一段目の分散
混合し、更に難燃剤を投入して分散させた後、架橋助剤
としてジビニルベンゼン3kg投入して均一混合した。さ
らに分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド12kg投
入して混合し、発泡用樹脂組成物とする。この混合原料
を発泡剤の分解しない温度、具体的には150〜180
℃に加熱したベント付き押出し機に導入して、セットさ
れているTダイから押し出し、空気巻込みによる気泡の
ない厚さが1.7mm、幅が430mmの連続シ−ト状
にして巻き取った。
【0052】このシ−トに9.0Mradの電子線を照
射し、架橋せしめた。このシ−トを210→220→2
25℃の順に加熱したシリコ−ン薬液法の発泡装置に導
入し発泡し連続シ−ト状発泡体として巻き取った。
【0053】この発泡体は架橋度が40%、発泡倍率が
30倍で厚みが4.0mm,幅1200mmの製品であ
った。
【0054】この製品の特性を表3に示した。
【0055】表の如く本発明範囲に発泡体であるため難
燃性はいずれも最高の値を示し、成形性、機械強度、伸
びなどの要求特性の低下がない品質の優れた連続シ−ト
状難燃性ポリプロピレン系架橋発泡体である。
【0056】実施例 2〜5 比較例 1〜5 表1と表2に示したような成分を用い、表1と表2に示
したような方法にて発泡体とし、得られた発泡体の特性
を表3に示したなお、表中、エチレン・ヘキセン4.2
%と有るのは、エチレンとヘキセン合わせて4.2重量
%であることを意味し、エチレンとヘキセンの重量部比
は、4:1である。また、エチレン・ブテンについても
同様で、エチレンとブテンの重量比は、1:1である。
【0057】
【表1】
【表2】
【表3】
【0058】
【発明の効果】このように、実施例に示した本発明によ
る発泡体は特定の樹脂組成、特定の難燃剤を用い、配合
比の適正化、架橋の適正化、気泡形状の適正化を行った
ため卓越した難燃性を示し、また公知のハロゲン系芳香
族難燃材を使用していないため環境面への障害が軽減さ
れ機械物性、成形性などの品質低下のない連続シ−ト状
難燃性ポリプロピレン系架橋発泡体である。
【0059】一方、比較例に示したポリプロピレン系架
橋発泡体は樹脂や難燃材の種類、樹脂成分、難燃剤の配
合比が適性でないため難燃性が劣ったり、難燃性に異方
性を示したり、難燃性は満足しても成形性や発泡倍率、
気泡形状が適正化していないための不満足な発泡体であ
った。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンとエチレンもしくは炭素数が
    4〜12のα−オレフィンが2〜15重量%ランダムも
    しくはブロック共重合された融点が125〜155℃、
    MFRが0.5〜10g/10分のポリプロピレン系樹
    脂(A)と、エチレンと炭素数が4〜12のα−オレフ
    ィンを共重合した密度が0.915〜0.940g/c
    、MFRが1.0〜30g/10分のポリエチレン
    系樹脂(B)と、ハロゲンを50〜80%含有し融点も
    しくは軟化点が150〜240℃の難燃剤(C)とから
    なり、(A)/(B)が1〜9、{(A)+(B)}/
    (C)が2.5〜99であり、かつ、ポリプロピレン系
    樹脂、ポリエチレン系樹脂のいずれにも1個以上の架橋
    点を持ち、その架橋度が20〜70%,発泡倍率が2〜
    40倍の連続シ−ト状難燃性ポリプロピレン系架橋発泡
  2. 【請求項2】 請求項1において発泡体の平均気泡径が
    0.1〜0.8mmであり、長さ方向直径(MDd)が幅
    方向直径(TDd)と厚さ方向直径(ZDd)の1.5
    〜5倍であることを特徴とする連続シ−ト状難燃性ポリ
    プロピレン系架橋発泡体。
  3. 【請求項3】 請求項1において難燃剤(C)として燐
    ・ハロゲンを50〜80%含有するものを用いたことを
    特徴とする連続シ−ト状難燃性ポリプロピレン系架橋発
    泡体。
  4. 【請求項4】 特許請求範囲第一項においてポリプロピ
    レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン
    系樹脂が30重量%まで含有されてなる連続シ−ト状難
    燃性ポリプロピレン系架橋発泡体。
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