JP3064777B2 - 成形性に優れたポリプロピレン系電子線架橋発泡体 - Google Patents

成形性に優れたポリプロピレン系電子線架橋発泡体

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JP3064777B2 JP5319674A JP31967493A JP3064777B2 JP 3064777 B2 JP3064777 B2 JP 3064777B2 JP 5319674 A JP5319674 A JP 5319674A JP 31967493 A JP31967493 A JP 31967493A JP 3064777 B2 JP3064777 B2 JP 3064777B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン系架橋発
泡体に関する。さらに詳しくは自動車内装用緩衝材、建
築材、産業資材、家具、家庭用電気器具などに適用でき
る各種の加熱下での成形法に対応できる成形性、断熱
性、緩衝性に優れたポリプロピレン系電子線架橋発泡体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリプロピレン系架橋発泡体は耐
熱性、軽量性、断熱性、遮音性に優れていることや各種
の加工法による成形が容易であることから自動車内装用
緩衝材や建築用途などの断熱材に広く利用されている。
【0003】しかし、ポリプロピレン系架橋発泡体は架
橋度により耐熱性、成形性が変化し、一般的傾向として
耐熱性は架橋度が高くなると良くなるが、成形性は架橋
度が高くなると低下する方向にあるため各種の成形法毎
に架橋度を調整したものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリプ
ロピレン系電子線架橋発泡体の架橋部分の解析を行い、
架橋状態と成形性の相関をつかみ、この相関から架橋状
態を制御することにより広範囲の架橋度で成形性を満足
するポリプロピレン系電子線架橋発泡体を見出だし、本
発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、特定の
ポリオレフィン系樹脂の電子線による架橋状態を制御し
て広範囲の架橋度で成形性を満足するポリプロピレ系電
子線架橋発泡体を提供することにある。
【0006】本願発明は、基本的には、プロピレンとエ
チレンもしくは炭素数が4〜12のα−オレフィンが2
〜15重量%ランダムもしくはブロック共重合された融
点が125〜155℃、MFRが0.5〜10g/10
分のポリプロピレン系樹脂100重量部とエチレンと、
炭素数が4〜12のα−オレフィンを共重合した密度が
0.905〜0.940g/cm3、MFRが1.0〜
30g/10分のポリエチレン系樹脂5〜100重量部
の組成物に造核剤が0.05〜1.0重量部添加された
架橋度が25〜70%,発泡倍率が5〜30倍、成形性
(L/D)が0.4以上の広範囲の架橋度で成形性に優
れたポリプロピレン系電子線架橋発泡体およびその製造
方法であることを特徴とするものである。
【0007】本発明に用いるポリプロピレン系樹脂とは
特に製造方法に限定されるものではないが一般にチ−グ
ラ型触媒によって重合されるプロピレンとエチレンもし
くは炭素数が4〜12のα−オレフィンが2〜15重量
%ランダムもしくはブロック共重合された融点が125
〜155℃、MFRが0.5〜10g/10分である。
共重合されるエチレンもしくは炭素数が4〜12のα−
オレフィンの種類には特に制限はないが、エチレン、ブ
テン、ヘキセン、あるいはエチレン・ブテン、エチレン
・ヘキセンなどが上げられるが、発泡体の機械強度を維
持するには炭素数が極力大きく、かつ、3元共重合のも
のが好ましい。共重合されるエチレンもしくは炭素数が
4〜12のα−オレフィンは2〜15重量%、好ましく
は3〜8重量%であるが、2重量%未満であると樹脂の
結晶性が高くなり本発明による架橋状態の制御が難しく
なるので好ましくなく、また、融点が高くなるため硬い
発泡体となり緩衝性が低下するとともに低温下での耐衝
撃性が悪化したり、発泡用シ−ト製造時剪断発熱により
発泡剤の分解が起こりやすくなり粗大気泡を発生しやす
くなるので好ましくない。一方、15重量%を越えると
架橋状態の制御および緩衝性、耐衝撃性の点では好まし
いが融点が低下するため耐熱性が低下するので好ましく
ない。樹脂の融点は125〜155℃、好ましくは13
0〜145℃であるが、融点が125℃未満であると耐
熱性の点から用途的に制限が発生するので好ましくな
く、155℃を越えると融点が高くなり用途的に広範囲
をカバ−できる点では好ましいが、発泡用シ−ト製造時
剪断発熱により発泡剤の分解が起こりやすくなり粗大気
泡を発生しやすくなるので好ましくない。MFRは0.
5〜10g/10分、好ましくは1.0〜3g/10分
である。MFRが0.5g/10分未満であると樹脂の
溶融粘度が高くなるため発泡用シ−ト製造時剪断発熱に
より発泡剤の分解が起こりやすくなり粗大気泡を発生し
やすくなるので好ましくない。一方、10g/10分を
越えると溶融粘度が低くなるためシ−ト製造上では好ま
しいが発泡体の伸びが低下したり、真空成形など加熱成
形加工時に形状の保持力が悪化し、良好な成形品が得ら
れにくくなるので好ましくない。
【0008】本発明に用いられるポリエチレン系樹脂と
はエチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンを共重
合した密度が0.905〜0.940g/cm、MF
Rが1.0〜30g/10分である。エチレンに共重合
されるα−オレフィンの種類は特に限定されないが、一
般的にはエチレンとα−オレフィンの2元共重合体で好
ましくは炭素数4〜8のものを共重合したものが価格、
物性の両面から有利である。密度は0.905〜0.9
40g/cm、好ましくは0.920〜0.935g
/cmである。密度が0.905g/cm未満であ
ると樹脂の柔軟性が顕著となりベタツキを生じ発泡体と
したときブロッキングが発生したり、機械的強度が低下
するので好ましくない。一方、0.940g/cm
越えると機械的強度の点では好ましいが伸びが低下した
り、発泡体としたときの圧縮回復性が低下するので好ま
しくない。MFRは1.0〜30g/10分、好ましく
は2〜15g/10分である。MFRが1.0g/10
分未満であると樹脂の溶融粘度が高くなるため発泡用シ
−ト製造時剪断発熱により発泡剤の分解が起こりやすく
なり粗大気泡を発生しやすくなるので好ましくない。一
方、30g/10分を越えると溶融粘度は低くなるため
シ−ト製造上では好ましいが高温下での樹脂の抗張力が
低下するため成形加工したとき不均一な厚みの成形品、
すなわち、偏肉が発生しやすくなるので好ましくない。
【0009】本発明に用いる造核剤としては造核効果の
あるものであれば特に限定されるものではないが、具体
的には脂肪酸金属塩系、ベンジリデンソルビト−ル系化
合物、有機リン酸金属塩などが上げられるが、発泡時の
高温下の加熱に対しては安定性の点で脂肪酸金属塩系、
有機リン酸金属塩を用いる事が好ましい。本発明におい
てはこの造核剤の添加がないと架橋剤の分散制御が難し
く、従って、広範囲での架橋度で成形性を満足すること
ができないので好ましくない。
【0010】本発明に用いるビニル性2重結合を一分子
中に2個以上含有する架橋助剤としての作用を発揮でき
るものであれば特に限定されるものではないが、芳香環
に2つ以上のビニル基を有するもの、例えば、ジビニル
ベンゼン、なかでもパラ体含有率が10%以上のもの、
あるいはトリアリルトリメリテ−ト、または、多官能性
の化合物にビニルモノマーが2つ以上結合したもの、例
えば、ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト、また
は、共役2重結合性モノマーのオリゴマーやポリマー、
例えば、液状ポリブタジエン、ポリイソプレンなどが例
示できるが、液状物を用いる方が架橋の制御には好まし
い。
【0011】上記のように本発明においては造核剤とビ
ニル性2重結合を一分子中に2個以上含有する架橋助剤
は同時に用いる事が必須条件である。
【0012】本発明による発泡体はポリプロピレン系樹
脂100重量部にエチレン系樹脂5〜100重量部、好
ましくは10〜75重量部の組成物に造核剤が0.05
〜1.0重量部好ましくは0.07〜0.8重量部、ビ
ニル性2重結合を一分子中に2個以上含有する架橋助剤
0.5〜10重量部,好ましくは1〜8重量部添加され
たものである必要がある。
【0013】ポリプロピレン系樹脂100重量部にエチ
レン系樹脂を5重量部未満混合した場合、耐熱性の点で
は好ましいが、結晶性が高くなるため剛性が高くなり硬
くなるため緩衝性が悪化したり耐寒性が低下するので好
ましくない。一方、100重量部を越えると緩衝性の点
では好ましいが、結晶性が低下するとともに融点の低い
成分が増加することになり耐熱性が悪化するので好まし
くない。
【0014】造核剤が0.05重量部未満であると造核
効果が小さくなり、架橋助剤の分散状態の制御がしにく
くなるため、従って架橋の制御が難しくなり、成形性が
悪化するので好ましくない。一方、1.0重量部を越え
て造核剤を添加しても増量による効果が認められず、逆
に造核剤がフィラ−として働くため機械的強度、伸び、
成形性などの特性が低下するので好ましくない。
【0015】ビニル性2重結合を一分子中に2個以上含
有する架橋助剤が0.5重量部未満であると架橋に関与
するビニル性2重結合量が不足し、架橋の制御が難しく
なることと、広範囲の架橋度を得るために多量の電子線
を照射する必要があり、このためポリプロピレン系樹脂
の劣化が進み機械的強度、伸び、成形性などの特性が低
下するので好ましくない。一方、10重量部を越えると
架橋時の電子線照射量は少なくて済み機械的強度、耐熱
性の点では好ましいが、逆に、架橋点が増加するため本
発明における広範囲の架橋度での成形性および伸びが低
下するので好ましくない。
【0016】本発明の発泡体での架橋度は25〜70
%、好ましくは30〜60%である必要がある。架橋度
が25%未満であると伸びや成形性の点では好ましい
が、架橋度が不足し、発泡時に発泡体表面から発泡ガス
が逸散しやすく所定の発泡倍率が得られなかったり、発
泡体表面が荒れたり、また、耐熱性が低下するので好ま
しくない。一方、架橋度が70%を越えると機械的強
度、耐熱性の点では好ましいが、実質的に架橋点が増加
するため本発明の架橋度を制御し、成形性を満足させる
範囲を越えるので好ましくない。
【0017】本発明の発泡体は前記の架橋度の範囲で成
形性(L/D)が、0.4以上,好ましくは0.5〜
0.9である。成形性(L/D)が0.4未満であると
複雑な形状の製品を得ることができず成形法や成形のデ
ザインに制限がでるので好ましくなく、一方、L/Dが
大きいほど成形法や成形のデザインの自由度の点では好
ましいが、一般的には成形品の形態保持性、緩衝性の点
から0.9程度が上限と言える。
【0018】また本発明の樹脂成分には前記ポリプロピ
レン系、ポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹
脂を30重量部以下混入してもよい。具体的には低密度
ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPM),
エチレン−プロピレンゴム−ジエンゴム(EPDM)、
高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)ア
ルキルアクリレ−ト共重合体あるいはこれらのエチレン
との共重合体に第三成分として無水マレイン酸を共重合
した3元共重合体等が例示される。中でもエチレン−プ
ロピレンゴム(EPM),エチレン−プロピレンゴム−
ジエンゴム(EPDM)、エチレン−(メタ)アルキル
アクリレ−ト共重合体あるいはこれらのエチレンとの共
重合体に第三成分として無水マレイン酸を共重合した3
元共重合体のものが好ましい。混入量が30重量部をこ
えると柔軟性、緩衝性の点では好ましいが、架橋の制御
が難しくなり、また、耐熱性、機械強度、成形性が低下
するので好ましくない。
【0019】その他、必要に応じて熱安定剤、耐候剤、
難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、充填剤を添加しても
良い。
【0020】本発明において適応できる分解型発泡剤と
しては有機、無機系の各種があるが、有機系にはアゾジ
カルボンアミド、N,N´−ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、P,P´−オキシベンゼンスルフォニルヒ
ドラジド等、無機系には炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム、重炭酸アンモニウム、カルシュウムアジド等が上
げられる。
【0021】本発明においては発泡体の樹脂部分が架橋
されていることが必要であるが、架橋方法としては電離
性放射線を照射して行う放射線架橋法に限定される。放
射線強度は、3〜50Mradが好ましく、より好まし
くは、5〜20Mradである。化学架橋法の場合は、
ジクミルパ−オキサイド、t−ブチルパーベンゾエー
ト、ジターシャリーブチルパーオキサイド等の過酸化化
合物を樹脂成分に対し0.5〜5重量部添加して架橋さ
せる公知の手法が知られているが、ポリプロピレン系樹
脂の劣化が大きく、また、架橋の制御ができないので好
ましくない。
【0022】本発明による発泡方法は公知の方法が適用
できるが、具体的には縦型熱風発泡法、横型熱風発泡
法、横型薬液発泡法などの連続シ−ト状として製造でき
るものに限定される。
【0023】次に本発明によるポリプロピレン系電子線
架橋発泡体の製造方法の一態様について説明する。
【0024】プロピレンにエチレンを4重量%ランダム
共重合した融点が136℃、MFR0.8g/10分の
ポリプロピレン系樹脂100kg、エチレンとヘキセンを
共重合した密度がO.930g/cm、MFRが6g
/10分のポリエチレン系樹脂30kg、リン酸2,2−
メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)リチュウム0.5kg、熱安定剤としてIrgano
x1010(チバガイギー社製)を0.4kgを内容積7
50リットルのヘンシェルミキサ−に投入し、第一次混
合した。更にp体含有率19%のジビニルベンゼン(三
共化成DVB)3kgを投入して十分混合し、ヘンシェル
ミキサ−のモ−タ−負荷が低下した時点で分解型発泡剤
としてアゾジカルボンアミド12kg投入して混合し、発
泡用組成物を得た。
【0025】この混合原料を発泡剤の分解しない温度、
具体的には150〜180℃に加熱したベント付き押出
し機に導入して、セットされているTダイから押し出
し、ロ−ル温度が80℃のポリシングタイプのシ−ト成
形機にかけ空気巻込みによる気泡のない厚さが1.5m
m、幅が500mmの連続シ−ト状にして巻取った。
【0026】このシ−トに電子線を照射し、発泡に適し
た架橋、すなわち発泡体としたときに架橋度が25〜7
0%となるように電子線を照射して架橋を付与した。こ
のシ−トを発泡剤の分解温度より30〜100℃高い温
度に加熱した熱媒浴上に連続的に供給して発泡させた。
【0027】このようにして得られた発泡体は厚みが
3.1mm,幅1500mm、発泡倍率が28倍の表面
の平滑な発泡体であった。
【0028】本発明は上述したように、特定のポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂に特定の造核剤と架
橋助剤を配合し架橋発泡体としたことにより特定の架橋
様式が得られたと思われ、広範囲の架橋度で各種の加熱
下での成形法が適用でき、かつ良好な成形性を保持し、
同時に耐熱性、緩衝性に優れたものとなった。
【0029】本発明の効果の得られることについては定
かではないが、一般的に従来、公知の方法により製造し
たポリオレフィン系架橋発泡体では架橋度を上げると架
橋度が40%を越えた付近から急速に成形性が悪化し、
発明者らの経験によると50%を越えるとL/Dは0.
6以下となり、自動車内装材の成形方法の一つであるス
タンピングモ−ルド法では複雑な形状の成形に対応でき
ないことが判っているが、これは従来の公知の方法では
発泡用シ−ト内の架橋助剤の分散が制御されていないた
め、架橋点の分散性が悪化する、すなわち架橋密度の粗
密が発生する。従って、架橋点間が不規則となり伸びが
小さくなり成形性が低下するためと考えられ、一方、本
発明では造核剤により発泡用シ−ト内の結晶サイズが小
さく、かつ、制御された大きさとなるため、従って、架
橋助剤が結晶間の非晶部分に均一分散し、結果的に架橋
が制御された範囲で生じるため広範囲の架橋度でも成形
性が低下しないと考えている。
【0030】
【発明の効果】本発明による発泡体は高度の成形性、耐
熱性を保持しているため、各種の加熱下での成形法に対
応でき、特に現在,発泡体にとって最も過酷な成形法で
ある高温下での耐圧性も要求されるスタンピングモ−ル
ド成形法には最適で、従って、各種の表皮と張り合わせ
た自動車内装材として従来の公知品では得られなかった
複雑な形状での成形が可能となるため適用部位が増え一
層の軽量化が計れる利点が生じる。また、耐熱性、成形
性を生かし鉄板等の不燃材と張り合わせた成形エンジン
ル−ム仕切り板、無機繊維マットと張合わせた不燃性ボ
−ド用裏打ち材等、金属板、金属フォイル、フィルム、
無機繊維等との複合品で各種の成形分野に適応できる。
【0031】
【実施例】本発明における測定法、評価基準は次の通り
である。
【0032】1.架橋度 発泡体を細断し、0.2g精秤する。このものを130
℃のテトラリン中に浸積し、攪拌しながら3時間加熱し
溶解部分を溶解せしめ、不溶部分を取り出しアセトンで
洗浄してテトラリンを除去後、純水で洗浄しアセトンを
除去して120℃の熱風乾燥機にて水分を除去して室温
になるまで自然冷却する。このものの重量(W)gを
測定し、次式で架橋度を求める。
【0033】架橋度 =(0.2−W/0.2)×1
00 (%) 2.発泡倍率 発泡体から10×10cmを切り出し、厚みt(c
m)と重量W(g)を測定し、次式で本発明の発泡倍
率を算出する。
【0034】発泡倍率= W/(10×10×t
(g/cm) 3.成形性 直径(D)に対し深さ(L)のカップ状の成形金型を備
えた真空成形機で成形し、発泡体が破れることなくカッ
プ状に成形されたL/D比を成形性とする。
【0035】L/Dが0.4以上を合格とする. 4.機械強度、伸び JIS K−6767に準じて測定した 5.耐熱性 発泡体から15×15cmを切り出し、長さ方向(M
D)、幅方向(TD)に10cm間隔の測定用標線を書
き、厚み(T) を測定する。このサンプルを120℃
の熱風循環オ−ブンに入れ2時間加熱後、取出し、室温
になるまで自然冷却する。この加熱処理サンプルの各方
向の標線間隔(MDx,TDx)、厚み(Tx)を測定
し、下記の式で寸法変化率を算出し、これを耐熱性とす
る。n数は5、平均寸法変化率が±3%以内を合格とす
る。
【0036】 MD−−(15−MDx)÷15×100(%) TD−−(15−TDx)÷15×100(%) 厚さ−−(T −Tx )÷T×100(%) 6.耐圧性 発泡体から20×20cmを切り出し、220℃で完全
に溶融したスタンピングモ−ルド用樹脂(無機充填剤添
加ポリプロピレン樹脂、MFR60g/10分)100
gを乗せ、発泡体厚み+10%まで一気に冷却プレスす
る。完全冷却後、延ばされた樹脂面の反対面の発泡体の
状況を次の基準で判断し耐圧性とする。
【0037】◎・・・発泡体の破れ、皺、樹脂の流れ模
様のないもの ○・・・発泡体の破れ、皺はないが樹脂の流れ模様が軽
度に認められるもの △・・・発泡体の破れ、皺はないが樹脂の流れ模様が認
められるもの ×・・・発泡体の破れまたは、皺の認められるもの 判定基準は◎、○、△を合格とし、×を不合格とする。
【0038】6.融点 示差走査熱量計(パ−キンエルマ社DSCII)で測定し
た溶融吸熱カ−ブの最も大きなピ−クを融点とする。
【0039】7.MFR ポリプロピレン系樹脂はJIS K−6758,ポリエ
チレン系樹脂はJISK−6760に準じる。
【0040】8.密度 ポリエチレン系樹脂はJIS K−6760に準じる。
【0041】次に実施例に基づいて本発明の実施態様を
説明する。
【0042】実施例1 プロピレンにエチレンを4.8重量%ランダム共重合し
た融点が134℃、MFR0.8g/10分のポリプロ
ピレン系樹脂の粉体100kg、エチレンとヘキセンを共
重合した密度がO.935g/cm、MFRが6g/
10分のポリエチレン系樹脂の粉体30kg、造核剤とし
てリン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert
−ブチルフェニ ル)ナトリウム0.5kg、熱安定剤と
してIrgnox1010を0.4kg、架橋剤としてp
体含有率19%のジビニルベンゼン5kg、発泡剤として
190℃加熱下での分解開始時間が5分以上のアゾジカ
ルボンアミド11.5kgを準備し、ポリプロピレン系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、造核剤、安定剤をヘンシェル
ミキサ−に投入し、第一段目の分散混合させた後、架橋
助剤としてジビニルベンゼンを投入して均一混合した。
さらに発泡剤を投入混合して発泡用樹脂組成物とする。
この混合原料を発泡剤の分解しない温度、具体的には1
50〜180℃に加熱したベント付き押出し機に導入し
て、セットされているTダイから押し出し、空気巻込み
による気泡のない厚さが1.3mm、幅が450mmの
連続シ−ト状にして巻き取った。
【0043】このシ−トに15.0Mradの電子線を
照射し、架橋せしめた。このシ−トを210→220→
225℃の順に加熱したシリコ−ン薬液法の発泡装置に
導入し発泡し連続シ−ト状発泡体として巻き取った。
【0044】この発泡体は架橋度が53%、発泡倍率が
25倍で厚みが2.8mm,幅1250mmの製品とし
た。
【0045】この製品の特性を表3に示した。
【0046】表の如く本発明範囲内の発泡体であるため
成形性、機械強度、伸び、耐熱性、耐圧性などの要求特
性の低下がない品質の優れたポリプロピレン系電子線架
橋発泡体である。
【0047】実施例2〜5、比較例1〜5 表1、表2に示したような成分を用い、発泡体とし、得
られた発泡体の特性を表3に示した。
【表1】
【表2】
【表3】 このように、実施例に示した本発明による発泡体は特定
のポリプロピレン系樹脂,ポリエチレン系樹脂に特定の
造核剤と架橋助剤を同時に配合し電子線架橋発泡体とし
たため、広範囲の架橋度で成形性、耐熱性を保持し、か
つ機械特性などの低下のないポリプロピレン系電子線架
橋発泡体である。
【0048】一方、比較例に示した従来の公知の方法に
よるポリプロピレン系電子線架橋発泡体は樹脂、配合剤
が適性でないため架橋度により成形性に制限が出たり、
伸びの低下が生じたり、広範囲の架橋度での特性が一定
しない不満足な発泡体である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンに炭素数が4〜12のα
    −オレフィンが2〜15重量%ランダムもしくはブロッ
    ク共重合された融点が125〜155℃、MFRが0.
    5〜10g/10分のポリプロピレン系樹脂100重量
    部に、エチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンを
    共重合した密度が0.905〜0.940g/cm3
    MFRが1.0〜30g/10分のポリエチレン系樹脂
    5〜100重量部の組成物に造核剤が0.05〜1.0
    重量部、ビニル性2重結合を一分子中に2個以上含有す
    る架橋助剤0.5〜10重量部添加された架橋度が25
    〜70%,発泡倍率が5〜30倍、成形性(L/D)が
    0.4以上の成形性に優れたポリプロピレン系電子線架
    橋発泡体。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレンに炭素数が4〜12のα
    −オレフィンが2〜15重量%ランダムもしくはブロッ
    ク共重合された融点が125〜155℃、MFRが0.
    5〜10g/10分のポリプロピレン系樹脂100重量
    部に、エチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンを
    共重合した密度が0.905〜0.940g/cm 3
    MFRが1.0〜30g/10分のポリエチレン系樹脂
    5〜100重量部の組成物に造核剤が0.05〜1.0
    重量部、ビニル性2重結合を一分子中に2個以上含有す
    る架橋助剤0.5〜10重量部添加された組成物を、電
    子線架橋し、発泡させ、架橋度を25〜70%,発泡倍
    率を5〜30倍、成形性(L/D)を0.4以上にする
    ことを特徴とする成形性に優れたポリプロピレン系電子
    線架橋発泡体の製造方法。
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