JP2004149665A - 架橋オレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、優れた耐熱性を有しており、特に、スタンピング成形で成形加工された場合にあっても、破れや皺等を生じることなく美麗な成形加工品を得ることができる架橋オレフィン系樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】本発明の架橋オレフィン系樹脂発泡体は、密度が0.033〜0.077g/cm3 である架橋オレフィン系樹脂発泡体であって、175℃で一軸引張試験を行った際、破断点伸度が120〜400%で且つ最大抗張力が0.05〜0.5MPaであると共に100%モジュラスが0.03〜0.3MPaであることを特徴とするので、耐熱性に優れ、特にスタンピング成形時に高温の溶融状態の熱可塑性樹脂が接触しても、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れや凹凸が発生することはなく、美麗で且つ正確な所望形状を有する成形加工品を得ることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の架橋オレフィン系樹脂発泡体は、密度が0.033〜0.077g/cm3 である架橋オレフィン系樹脂発泡体であって、175℃で一軸引張試験を行った際、破断点伸度が120〜400%で且つ最大抗張力が0.05〜0.5MPaであると共に100%モジュラスが0.03〜0.3MPaであることを特徴とするので、耐熱性に優れ、特にスタンピング成形時に高温の溶融状態の熱可塑性樹脂が接触しても、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れや凹凸が発生することはなく、美麗で且つ正確な所望形状を有する成形加工品を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性及び成形加工性に優れ、自動車内装材等に好適に用いられる架橋オレフィン系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、架橋オレフィン系樹脂発泡体は、断熱材、クッション材等として広範な分野で使用されている。特に自動車分野では、天井材、ドア、インパネ、クーラーカバー等の内装材の断熱クッション材として用いられている。
【0003】
そして、上記自動車用内装材用途では、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体は、スタンピング成形により成形加工されて所望形状の成形加工品とされる。ここで、上記スタンピング成形とは、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体上に基材樹脂となる溶融状の熱可塑性樹脂を供給し、架橋オレフィン系樹脂発泡体と溶融状態の熱可塑性樹脂とを雌雄金型間に形成されたキャビティ内において所望形状に成形すると共に、架橋オレフィン系樹脂発泡体上に熱可塑性樹脂製基材層を積層一体化させる成形方法である。
【0004】
しかしながら、スタンピング成形では、上述のように、架橋オレフィン系樹脂発泡体に溶融状態の熱可塑性樹脂が接触することから、架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が不十分な場合にはスタンピング成形時に架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れや皺等が発生するといった問題があった。
【0005】
そこで、特許文献1には、(A)結晶化度が60〜80%の範囲内にあるエチレン又はブテンが共重合されたポリプロピレン、(B)炭素原子数が4以上のα−オレフィンが共重合されたポリエチレン樹脂、(C)結晶純度が95%以上のホモポリプロピレン樹脂を前記((A)+(B))に対して1〜7重量%、よりなることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物を加熱発泡してなる架橋オレフィン系樹脂発泡体が提案されている。
【0006】
しかしながら、上記スタンピング成形時における架橋オレフィン系樹脂発泡体と溶融状態の熱可塑性樹脂との接触部分の温度は165〜175℃と極めて高い一方、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体は、165℃以上の温度領域では十分な耐熱性を有しておらず、よって、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形した場合には、従来と同様に、架橋オレフィン系樹脂発泡体の表面に破れや皺等が発生するといった問題点を生じていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−45975号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐熱性を有しており、特に、スタンピング成形で成形加工された場合にあっても、破れや皺等を生じることなく美麗な成形加工品を得ることができる架橋オレフィン系樹脂発泡体を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の架橋オレフィン系樹脂発泡体は、密度が0.033〜0.077g/cm3 である架橋オレフィン系樹脂発泡体であって、175℃で一軸引張試験を行った際、破断点伸度が120〜400%で且つ最大抗張力が0.05〜0.5MPaであると共に100%モジュラスが0.03〜0.3MPaであることを特徴とする。
【0010】
上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の密度は、低いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の力学的強度が低下して、成形時或いは架橋オレフィン系樹脂発泡体を成形して得られた成形加工品の使用時に破断し、又、高いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下するので、0.033〜0.077g/cm3 に限定され、0.040〜0.063g/cm3 が好ましい。なお、架橋オレフィン系樹脂発泡体の密度は、JIS K7112のA法に準拠して測定されたものをいう。
【0011】
又、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を175℃で一軸引張試験を行った際における架橋オレフィン系樹脂発泡体の破断点伸度は、低いと、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生し、又、高いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の最大抗張力又は100%モジュラスが後述する範囲を下回り、架橋オレフィン系樹脂発泡体が成形加工時に破断するので、120〜400%に限定され、150〜300%が好ましい。
【0012】
そして、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を175℃で一軸引張試験を行った際における架橋オレフィン系樹脂発泡体の最大抗張力は、低いと、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生し、又、高いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の成形加工が困難となるので、0.05〜0.5MPaに限定され、0.1〜0.3MPaが好ましい。
【0013】
更に、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を175℃で一軸引張試験を行った際における架橋オレフィン系樹脂発泡体の100%モジュラスは、低いと、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生し、又、高いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の成形加工が困難となるので、0.03〜0.3MPaに限定され、0.05〜0.15MPaが好ましい。
【0014】
なお、本発明において、架橋オレフィン系樹脂発泡体の175℃での一軸引張試験は、JIS K6767(A法)に準拠して測定されたものであり、具体的には、架橋オレフィン系樹脂発泡体の表面温度を175℃に加熱した上で、JIS K6767(A法)に準拠して測定されたものをいう。
【0015】
そして、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を構成するオレフィン系樹脂としては、従来から発泡体に用いられているオレフィン系樹脂であれば、特に限定されず、例えば、プロピレン系樹脂やエチレン系樹脂等が挙げられる。具体的には、上記プロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレンを主成分とするα−オレフィンとの共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体等のプロピレン系樹脂を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられ、ホモポリプロピレンを含有するプロピレン系樹脂とエチレン系樹脂との混合物が好ましい。なお、α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0016】
更に、上記ホモポリプロピレンのメルトインデックスは、1以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.5以下が特に好ましい。これは、架橋オレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形により成形する際、架橋オレフィン系樹脂発泡体と溶融状態の熱可塑性樹脂との接触部分は165〜175℃といった高温になるが、このような高温状態となっても、メルトインデックスが1以下のホモポリプロピレンは完全に融解することはなく、よって、メルトインデックスが1以下のホモポリプロピレンをオレフィン系樹脂に含有させることにより、得られる架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性を向上させて、スタンピング成形時における架橋オレフィン系樹脂発泡体の破れや皺等を防止してスタンピング成形性を向上させることができるからである。なお、上記ホモポリプロピレンのメルトインデックスは、JIS K7210に基いて230℃、21.2Nの条件下で測定したものをいう。
【0017】
そして、オレフィン系樹脂中における上記メルトインデックスが1以下のホモポリプロピレンの含有量は、少ないと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生することがあり、又、多いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下して、使用時に割れ等が発生することがあるので、8〜40重量%が好ましく、10〜25重量%がより好ましい。
【0018】
更に、上記メルトインデックスが1以下のホモポリプロピレンの結晶化度は、少ないと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生することがあるので、60%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。
【0019】
又、上記エチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを主成分とするα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。なお、上記α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、得られる架橋オレフィン系樹脂発泡体の柔軟性を保持しつつ耐熱性を向上させることができる点で直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0020】
そして、オレフィン系樹脂中における直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、少ないと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下し、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ、皺等が発生することがあり、又、多いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の高温における力学的強度が低下し、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れが発生することがあるので、15〜60重量%が好ましく、25〜40重量%が好ましい。
【0021】
なお、架橋オレフィン系樹脂発泡体には、物性を損なわない範囲内において、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム等の気泡形成剤;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系、リン系、アミン系、ジラウリルチオプロピオネート等のイオウ系等の酸化防止剤;メチルベンゾトリアゾール等の金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェート等のリン系難燃剤;充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料等の添加剤が添加されてもよい。
【0022】
次に、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、上記オレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤とからなる発泡性樹脂組成物をこの発泡性樹脂組成物に必要に応じて架橋助剤を添加した上で、押出機、バンバリーミキサー、ロール等の汎用の混練装置に供給して溶融、混練した後に発泡性成形体に成形し、この発泡性成形体に電離性放射線を所定量照射して発泡性成形体を架橋した後、この架橋された発泡性成形体を熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱することによって発泡性成形体を発泡させる架橋オレフィン系樹脂発泡体の製造方法が挙げられる。
【0023】
上記熱分解型発泡剤としては、発泡体の製造に汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、ニトロソグアニジン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられ、アゾジカルボンアミドが好ましい。
【0024】
そして、上記熱分解型発泡剤の添加量は、多いと、発泡性成形体が破泡することがあり、又、少ないと、発泡性成形体が発泡しないことがあるので、オレフィン系樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、4〜25重量部が好ましい。
【0025】
更に、上記架橋助剤としては、発泡体の製造に汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、トリメリルトリメリテート、トリアリルメリテート、ジアリルメリテート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0026】
上記架橋助剤を用いると、発泡性成形体への電離性放射線の照射量を低く抑えて発泡性成形体を効果的に架橋させることができると共に、オレフィン系樹脂の分子鎖の切断や劣化を抑制することができて好ましい。
【0027】
そして、上記架橋助剤の添加量は、少ないと、発泡性成形体に所望の架橋度を付与することができないことがあり、又、多いと、発泡性成形体の架橋度が高くなってしまって、得られるオレフィン系樹脂架橋発泡体の外観性が低下することがあるので、上記オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜8重量部がより好ましく、0.3〜6重量部が特に好ましく、0.5〜5重量部が一層好ましい。
【0028】
上記電離性放射線としては、従来から架橋発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、例えば、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられる。
【0029】
そして、上記発泡性成形体に対する電離性放射線の照射量としては、少ないと、発泡性成形体の発泡時における剪断粘度が不足して良好な架橋オレフィン系樹脂発泡体が得られないことがあり、又、多いと、発泡性成形体の発泡時における流動性が低下して低密度の架橋オレフィン系樹脂発泡体を得ることができないことあるので、0.1〜10Mradが好ましく、0.2〜5Mradがより好ましく、0.5〜3Mradが特に好ましい。
【0030】
又、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体における175℃で一軸引張試験を行った際の破断点伸度を120〜400%に調整する方法としては、架橋助剤又は電離性放射線の照射量を調整して、架橋オレフィン系樹脂発泡体の架橋度を低く抑える方法が挙げられ、具体的には、架橋オレフィン系樹脂発泡体の架橋度としては、低いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体における175℃で一軸引張試験を行った際の最大抗張力及び100%モジュラスが低下することがあり、又、高いと、上記破断点伸度が低下することがあるので、10〜60重量%に調整するのが好ましく、15〜40重量%がより好ましい。
【0031】
なお、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の架橋度とは、架橋オレフィン系樹脂発泡体を100g秤量し、この100gの架橋オレフィン系樹脂発泡体を120℃、30cm3 のキシレン中に24時間浸漬した後、200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣の乾燥重量W1 gを測定し、以下の式により算出したものをいう。
〔架橋度〕(重量%)=100×W1 /100
【0032】
【実施例】
(実施例1〜4、比較例1)
表1に示した所定量のランダムポリプロピレン(メルトインデックス:4、密度:0.91g/cm3 )、ホモポリプロピレンA(メルトインデックス:0.4、密度:0.91g/cm3 、結晶化度:92%)、ホモポリプロピレンB(メルトインデックス:0.8、密度:0.91g/cm3 、結晶化度:94%)及び直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.92g/cm3 )、ジビニルベンゼン3重量部、アゾジカルボンアミド13重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部、ジラウリルチオプロピオネート0.3重量部及びメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を単軸押出機(池貝鉄工社製 商品名「PCM−230」)に供給して185℃で溶融混練して厚さ1mmの発泡性シートを押出した。
【0033】
得られた発泡性シートに電子線を加速電圧700kVで1.5Mrad照射して、発泡性シートを架橋させた後、この架橋させた発泡性シートを縦型熱風発泡炉内に供給して、炉内温度250℃、進入速度1.7m/秒、巻取速度6.2m/秒で連続的に幅方向に延伸させつつ加熱、発泡させて架橋オレフィン系樹脂発泡体を得た。
【0034】
得られた架橋オレフィン系樹脂発泡体のスタンピング成形性を下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。
【0035】
(スタンピング成形性)
架橋オレフィン系樹脂発泡体から一辺が100mmの平面正方形状で且つ厚みが2.5mmの試験片を切り出し、この試験片を雌雄金型間に配設し、試験片と雌金型との間に溶融状態のポリプロピレンを射出した上で雌雄金型を型締めして、一辺が70mmの平面正方形状の底面部とこの底面部の四方外周縁から上方における斜め外方に向かって突設された周壁部とからなる成形加工品を得た。なお、成形加工品の架橋オレフィン系樹脂発泡体の外周面全面にはポリプロピレン層が形成されていた。
○・・・成形加工品の架橋オレフィン系樹脂発泡体表面には破れや凹凸が殆ど或いは全く存在しなかった。
×・・・成形加工品表面の架橋オレフィン系樹脂発泡体表面に破れや凹凸が多数存在した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明の架橋オレフィン系樹脂発泡体は、密度が0.033〜0.077g/cm3 である架橋オレフィン系樹脂発泡体であって、175℃で一軸引張試験を行った際、破断点伸度が120〜400%で且つ最大抗張力が0.05〜0.5MPaであると共に100%モジュラスが0.03〜0.3MPaであることを特徴とするので、耐熱性に優れ、特にスタンピング成形時に高温の溶融状態の熱可塑性樹脂が接触しても、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れや凹凸が発生することはなく、美麗で且つ正確な所望形状を有する成形加工品を得ることができる。
【0038】
又、JIS K7210に基いて230℃、21.2Nの条件下で測定したメルトインデックスが1以下であるホモポリプロピレンを8〜40重量%含有するオレフィン系樹脂に電離性放射線を照射して架橋させたものを加熱、発泡させてなる場合には、架橋オレフィン系樹脂発泡体はより優れた耐熱性を有し、よって、架橋オレフィン系樹脂発泡体をより美麗で且つ正確な所望形状を有する成形加工品をより確実に得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性及び成形加工性に優れ、自動車内装材等に好適に用いられる架橋オレフィン系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、架橋オレフィン系樹脂発泡体は、断熱材、クッション材等として広範な分野で使用されている。特に自動車分野では、天井材、ドア、インパネ、クーラーカバー等の内装材の断熱クッション材として用いられている。
【0003】
そして、上記自動車用内装材用途では、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体は、スタンピング成形により成形加工されて所望形状の成形加工品とされる。ここで、上記スタンピング成形とは、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体上に基材樹脂となる溶融状の熱可塑性樹脂を供給し、架橋オレフィン系樹脂発泡体と溶融状態の熱可塑性樹脂とを雌雄金型間に形成されたキャビティ内において所望形状に成形すると共に、架橋オレフィン系樹脂発泡体上に熱可塑性樹脂製基材層を積層一体化させる成形方法である。
【0004】
しかしながら、スタンピング成形では、上述のように、架橋オレフィン系樹脂発泡体に溶融状態の熱可塑性樹脂が接触することから、架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が不十分な場合にはスタンピング成形時に架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れや皺等が発生するといった問題があった。
【0005】
そこで、特許文献1には、(A)結晶化度が60〜80%の範囲内にあるエチレン又はブテンが共重合されたポリプロピレン、(B)炭素原子数が4以上のα−オレフィンが共重合されたポリエチレン樹脂、(C)結晶純度が95%以上のホモポリプロピレン樹脂を前記((A)+(B))に対して1〜7重量%、よりなることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物を加熱発泡してなる架橋オレフィン系樹脂発泡体が提案されている。
【0006】
しかしながら、上記スタンピング成形時における架橋オレフィン系樹脂発泡体と溶融状態の熱可塑性樹脂との接触部分の温度は165〜175℃と極めて高い一方、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体は、165℃以上の温度領域では十分な耐熱性を有しておらず、よって、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形した場合には、従来と同様に、架橋オレフィン系樹脂発泡体の表面に破れや皺等が発生するといった問題点を生じていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−45975号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐熱性を有しており、特に、スタンピング成形で成形加工された場合にあっても、破れや皺等を生じることなく美麗な成形加工品を得ることができる架橋オレフィン系樹脂発泡体を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の架橋オレフィン系樹脂発泡体は、密度が0.033〜0.077g/cm3 である架橋オレフィン系樹脂発泡体であって、175℃で一軸引張試験を行った際、破断点伸度が120〜400%で且つ最大抗張力が0.05〜0.5MPaであると共に100%モジュラスが0.03〜0.3MPaであることを特徴とする。
【0010】
上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の密度は、低いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の力学的強度が低下して、成形時或いは架橋オレフィン系樹脂発泡体を成形して得られた成形加工品の使用時に破断し、又、高いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下するので、0.033〜0.077g/cm3 に限定され、0.040〜0.063g/cm3 が好ましい。なお、架橋オレフィン系樹脂発泡体の密度は、JIS K7112のA法に準拠して測定されたものをいう。
【0011】
又、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を175℃で一軸引張試験を行った際における架橋オレフィン系樹脂発泡体の破断点伸度は、低いと、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生し、又、高いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の最大抗張力又は100%モジュラスが後述する範囲を下回り、架橋オレフィン系樹脂発泡体が成形加工時に破断するので、120〜400%に限定され、150〜300%が好ましい。
【0012】
そして、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を175℃で一軸引張試験を行った際における架橋オレフィン系樹脂発泡体の最大抗張力は、低いと、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生し、又、高いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の成形加工が困難となるので、0.05〜0.5MPaに限定され、0.1〜0.3MPaが好ましい。
【0013】
更に、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を175℃で一軸引張試験を行った際における架橋オレフィン系樹脂発泡体の100%モジュラスは、低いと、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生し、又、高いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の成形加工が困難となるので、0.03〜0.3MPaに限定され、0.05〜0.15MPaが好ましい。
【0014】
なお、本発明において、架橋オレフィン系樹脂発泡体の175℃での一軸引張試験は、JIS K6767(A法)に準拠して測定されたものであり、具体的には、架橋オレフィン系樹脂発泡体の表面温度を175℃に加熱した上で、JIS K6767(A法)に準拠して測定されたものをいう。
【0015】
そして、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を構成するオレフィン系樹脂としては、従来から発泡体に用いられているオレフィン系樹脂であれば、特に限定されず、例えば、プロピレン系樹脂やエチレン系樹脂等が挙げられる。具体的には、上記プロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレンを主成分とするα−オレフィンとの共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体等のプロピレン系樹脂を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられ、ホモポリプロピレンを含有するプロピレン系樹脂とエチレン系樹脂との混合物が好ましい。なお、α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0016】
更に、上記ホモポリプロピレンのメルトインデックスは、1以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.5以下が特に好ましい。これは、架橋オレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形により成形する際、架橋オレフィン系樹脂発泡体と溶融状態の熱可塑性樹脂との接触部分は165〜175℃といった高温になるが、このような高温状態となっても、メルトインデックスが1以下のホモポリプロピレンは完全に融解することはなく、よって、メルトインデックスが1以下のホモポリプロピレンをオレフィン系樹脂に含有させることにより、得られる架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性を向上させて、スタンピング成形時における架橋オレフィン系樹脂発泡体の破れや皺等を防止してスタンピング成形性を向上させることができるからである。なお、上記ホモポリプロピレンのメルトインデックスは、JIS K7210に基いて230℃、21.2Nの条件下で測定したものをいう。
【0017】
そして、オレフィン系樹脂中における上記メルトインデックスが1以下のホモポリプロピレンの含有量は、少ないと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生することがあり、又、多いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下して、使用時に割れ等が発生することがあるので、8〜40重量%が好ましく、10〜25重量%がより好ましい。
【0018】
更に、上記メルトインデックスが1以下のホモポリプロピレンの結晶化度は、少ないと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ等が発生することがあるので、60%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。
【0019】
又、上記エチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを主成分とするα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。なお、上記α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、得られる架橋オレフィン系樹脂発泡体の柔軟性を保持しつつ耐熱性を向上させることができる点で直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0020】
そして、オレフィン系樹脂中における直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、少ないと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下し、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れ、皺等が発生することがあり、又、多いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体の高温における力学的強度が低下し、スタンピング成形等の成形加工を施す際、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れが発生することがあるので、15〜60重量%が好ましく、25〜40重量%が好ましい。
【0021】
なお、架橋オレフィン系樹脂発泡体には、物性を損なわない範囲内において、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム等の気泡形成剤;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系、リン系、アミン系、ジラウリルチオプロピオネート等のイオウ系等の酸化防止剤;メチルベンゾトリアゾール等の金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェート等のリン系難燃剤;充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料等の添加剤が添加されてもよい。
【0022】
次に、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、上記オレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤とからなる発泡性樹脂組成物をこの発泡性樹脂組成物に必要に応じて架橋助剤を添加した上で、押出機、バンバリーミキサー、ロール等の汎用の混練装置に供給して溶融、混練した後に発泡性成形体に成形し、この発泡性成形体に電離性放射線を所定量照射して発泡性成形体を架橋した後、この架橋された発泡性成形体を熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱することによって発泡性成形体を発泡させる架橋オレフィン系樹脂発泡体の製造方法が挙げられる。
【0023】
上記熱分解型発泡剤としては、発泡体の製造に汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、ニトロソグアニジン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられ、アゾジカルボンアミドが好ましい。
【0024】
そして、上記熱分解型発泡剤の添加量は、多いと、発泡性成形体が破泡することがあり、又、少ないと、発泡性成形体が発泡しないことがあるので、オレフィン系樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、4〜25重量部が好ましい。
【0025】
更に、上記架橋助剤としては、発泡体の製造に汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、トリメリルトリメリテート、トリアリルメリテート、ジアリルメリテート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0026】
上記架橋助剤を用いると、発泡性成形体への電離性放射線の照射量を低く抑えて発泡性成形体を効果的に架橋させることができると共に、オレフィン系樹脂の分子鎖の切断や劣化を抑制することができて好ましい。
【0027】
そして、上記架橋助剤の添加量は、少ないと、発泡性成形体に所望の架橋度を付与することができないことがあり、又、多いと、発泡性成形体の架橋度が高くなってしまって、得られるオレフィン系樹脂架橋発泡体の外観性が低下することがあるので、上記オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜8重量部がより好ましく、0.3〜6重量部が特に好ましく、0.5〜5重量部が一層好ましい。
【0028】
上記電離性放射線としては、従来から架橋発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、例えば、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられる。
【0029】
そして、上記発泡性成形体に対する電離性放射線の照射量としては、少ないと、発泡性成形体の発泡時における剪断粘度が不足して良好な架橋オレフィン系樹脂発泡体が得られないことがあり、又、多いと、発泡性成形体の発泡時における流動性が低下して低密度の架橋オレフィン系樹脂発泡体を得ることができないことあるので、0.1〜10Mradが好ましく、0.2〜5Mradがより好ましく、0.5〜3Mradが特に好ましい。
【0030】
又、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体における175℃で一軸引張試験を行った際の破断点伸度を120〜400%に調整する方法としては、架橋助剤又は電離性放射線の照射量を調整して、架橋オレフィン系樹脂発泡体の架橋度を低く抑える方法が挙げられ、具体的には、架橋オレフィン系樹脂発泡体の架橋度としては、低いと、架橋オレフィン系樹脂発泡体における175℃で一軸引張試験を行った際の最大抗張力及び100%モジュラスが低下することがあり、又、高いと、上記破断点伸度が低下することがあるので、10〜60重量%に調整するのが好ましく、15〜40重量%がより好ましい。
【0031】
なお、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の架橋度とは、架橋オレフィン系樹脂発泡体を100g秤量し、この100gの架橋オレフィン系樹脂発泡体を120℃、30cm3 のキシレン中に24時間浸漬した後、200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣の乾燥重量W1 gを測定し、以下の式により算出したものをいう。
〔架橋度〕(重量%)=100×W1 /100
【0032】
【実施例】
(実施例1〜4、比較例1)
表1に示した所定量のランダムポリプロピレン(メルトインデックス:4、密度:0.91g/cm3 )、ホモポリプロピレンA(メルトインデックス:0.4、密度:0.91g/cm3 、結晶化度:92%)、ホモポリプロピレンB(メルトインデックス:0.8、密度:0.91g/cm3 、結晶化度:94%)及び直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.92g/cm3 )、ジビニルベンゼン3重量部、アゾジカルボンアミド13重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部、ジラウリルチオプロピオネート0.3重量部及びメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を単軸押出機(池貝鉄工社製 商品名「PCM−230」)に供給して185℃で溶融混練して厚さ1mmの発泡性シートを押出した。
【0033】
得られた発泡性シートに電子線を加速電圧700kVで1.5Mrad照射して、発泡性シートを架橋させた後、この架橋させた発泡性シートを縦型熱風発泡炉内に供給して、炉内温度250℃、進入速度1.7m/秒、巻取速度6.2m/秒で連続的に幅方向に延伸させつつ加熱、発泡させて架橋オレフィン系樹脂発泡体を得た。
【0034】
得られた架橋オレフィン系樹脂発泡体のスタンピング成形性を下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。
【0035】
(スタンピング成形性)
架橋オレフィン系樹脂発泡体から一辺が100mmの平面正方形状で且つ厚みが2.5mmの試験片を切り出し、この試験片を雌雄金型間に配設し、試験片と雌金型との間に溶融状態のポリプロピレンを射出した上で雌雄金型を型締めして、一辺が70mmの平面正方形状の底面部とこの底面部の四方外周縁から上方における斜め外方に向かって突設された周壁部とからなる成形加工品を得た。なお、成形加工品の架橋オレフィン系樹脂発泡体の外周面全面にはポリプロピレン層が形成されていた。
○・・・成形加工品の架橋オレフィン系樹脂発泡体表面には破れや凹凸が殆ど或いは全く存在しなかった。
×・・・成形加工品表面の架橋オレフィン系樹脂発泡体表面に破れや凹凸が多数存在した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明の架橋オレフィン系樹脂発泡体は、密度が0.033〜0.077g/cm3 である架橋オレフィン系樹脂発泡体であって、175℃で一軸引張試験を行った際、破断点伸度が120〜400%で且つ最大抗張力が0.05〜0.5MPaであると共に100%モジュラスが0.03〜0.3MPaであることを特徴とするので、耐熱性に優れ、特にスタンピング成形時に高温の溶融状態の熱可塑性樹脂が接触しても、架橋オレフィン系樹脂発泡体に破れや凹凸が発生することはなく、美麗で且つ正確な所望形状を有する成形加工品を得ることができる。
【0038】
又、JIS K7210に基いて230℃、21.2Nの条件下で測定したメルトインデックスが1以下であるホモポリプロピレンを8〜40重量%含有するオレフィン系樹脂に電離性放射線を照射して架橋させたものを加熱、発泡させてなる場合には、架橋オレフィン系樹脂発泡体はより優れた耐熱性を有し、よって、架橋オレフィン系樹脂発泡体をより美麗で且つ正確な所望形状を有する成形加工品をより確実に得ることができる。
Claims (2)
- 密度が0.033〜0.077g/cm3 である架橋オレフィン系樹脂発泡体であって、175℃で一軸引張試験を行った際、破断点伸度が120〜400%で且つ最大抗張力が0.05〜0.5MPaであると共に100%モジュラスが0.03〜0.3MPaであることを特徴とする架橋オレフィン系樹脂発泡体。
- JIS K7210に基いて230℃、21.2Nの条件下で測定したメルトインデックスが1以下であるホモポリプロピレンを8〜40重量%含有するオレフィン系樹脂に電離性放射線を照射して架橋させたものを加熱、発泡させてなることを特徴とする請求項1に記載の架橋オレフィン系樹脂発泡体。
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