JP2001098101A - ポリエチレン系架橋発泡体 - Google Patents

ポリエチレン系架橋発泡体

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JP2001098101A
JP2001098101A JP27550399A JP27550399A JP2001098101A JP 2001098101 A JP2001098101 A JP 2001098101A JP 27550399 A JP27550399 A JP 27550399A JP 27550399 A JP27550399 A JP 27550399A JP 2001098101 A JP2001098101 A JP 2001098101A
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foam
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heat
weight
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Masatoshi Okura
正寿 大倉
Mihoko Makino
美保子 牧野
Itsuo Nagai
逸夫 永井
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレン系架橋発泡体の優れた特性を有
するとともに、耐熱性および成形性等にも優れたポリエ
チレン系架橋発泡体を提供する。 【解決手段】 示差走査熱量分析による110℃以上の
融解熱量が60〜160J/gであるポリエチレン系架
橋発泡体であり、さらに、高圧法低密度ポリエチレンを
20重量%以上、密度0.94g/cm3以下の直鎖状
低・中密度ポリエチレンを10重量%以上含むポリエチ
レン系樹脂を架橋発泡させてなることが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレン系架橋
発泡体に関する。さらに詳しくは自動車内装用緩衝材、
建材用断熱材、産業資材、家具、家庭用電気器具などに
適用できる各種の加熱下での成形法に対応できる特性を
有し、特に成形性および耐熱性に優れたポリエチレン系
架橋発泡体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン系発泡体は軽量性、断熱
性、遮音性に優れていることでスリットや打抜きなどで
各種形状に加工されパッキンやお風呂マット、鉄板と貼
合わせて成形した建材用途の断熱折板屋根材、あるいは
優れた加熱成形性から自動車内装用緩衝材などの分野で
広く利用されている。
【0003】ポリエチレン系発泡体に関する技術は既に
多く紹介されている。ポリエチレン系発泡体には、押出
発泡成形などによる無架橋発泡体と電子線架橋、過酸化
物架橋あるいはシラン架橋などにより樹脂成分に架橋構
造を導入した架橋発泡体があるが、耐熱性と成形性が特
に要求される用途には、架橋発泡体が多く用いられる。
ポリエチレン系架橋発泡体の製法としては、ポリエチレ
ンに分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した後、
電離性放射線、一般的には電子線を照射し架橋せしめ、
発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡したり、あるいは
発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化物、発
泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成形した
後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、加熱し
て発泡する方法が一般的である。
【0004】一方、高圧法低密度ポリエチレンの物理的
特性の向上や生産性の向上のためにエチレンにα−オレ
フィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンが開発さ
れ、この樹脂を用いた架橋発泡体、あるいは高圧法低密
度ポリエチレンと混合した樹脂を用いた架橋発泡体につ
いては特公平2−57577号公報、同2−57578
号公報によって紹介されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高圧法低密度ポリエチ
レンからなる架橋発泡体は引張強度など機械的特性で劣
る。また、高圧法低密度ポリエチレンおよびエチレンに
α−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン
からなる架橋発泡体は、引張強度や加熱成形性に優れる
ものの、自動車内装用途などの用途によっては耐熱性が
不足する場合がありその改善が強く望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特に耐熱
性と成形性に優れた特性を持つポリエチレン系架橋発泡
体について詳細検討した結果、示差走査熱量分析による
110℃以上の融解熱量が60〜160J/gであるポ
リエチレン系架橋発泡体が、従来のポリエチレン系架橋
発泡体の成形性、柔軟性、緩衝性といった優れた性質に
加え、特に高い耐熱性をもち、自動車内装材用途あるい
は断熱材としてのパイプカバーなどに好適であることを
見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における発泡体の「示差走
査熱量分析による110℃以上の融解熱量」とは、JI
S K−7122−1987に準拠して測定された示差
走査熱量分析装置(DSC)による示差走査熱量分析の
融解ピーク面積から得られる単位重量当たりの熱量のう
ち、110℃以上の融解熱量であり、以後、この110
℃以上の融解熱量をΔHm(110℃)と表す。なお本
発明で言うところの「高い耐熱性」とは、例えば110
℃といったポリエチレンの融点近傍での加熱下における
発泡体の寸法変化が小さいこと、あるいは自動車内装材
の真空成形など加熱成形2次加工時において加熱加圧下
で発泡体のセルの破壊や局所的なセル膨張によるフクレ
などが生じ難いことを意味する。
【0008】本発明においてΔHm(110℃)は60
〜160J/gに限定され、特に高い柔軟性、緩衝性と
耐熱性が要求される自動車内装用の発泡体としては70
〜140J/gであることが好ましい。ΔHm(110
℃)が60J/g未満では十分な耐熱性が得られない場
合がある。またΔHm(110℃)が160J/g以上
では緩衝性に劣る場合があり、特に自動車内装材用途に
は不適当である場合がある。
【0009】本発明における発泡体の樹脂成分はポリエ
チレン系樹脂を主成分とする。上記ポリエチレン系樹脂
としては、高圧法低密度ポリエチレン、エチレンにα−
オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共
重合体、エチレン−(メタ)アルキルアクリレート共重
合体、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、こ
れらのエチレンとの共重合体に第三成分として無水マレ
イン酸を共重合した3元共重合体およびこれらの混合物
などを挙げることができる。
【0010】本発明におけるポリエチレン系発泡体に用
いられるポリエチレン系樹脂としては、良好な生産性お
よび外観、引張強度や伸度などの物性、加熱成形性を付
与するため、高圧法低密度ポリエチレン(A)と密度
0.94g/cm3以下の直鎖状低・中密度ポリエチレ
ン(B)の両方をその成分として含むことが好ましく、
(A)を20重量%以上かつ(B)を10重量%以上含
むことがより好ましく、更に好ましくは(A)を20重
量%以上かつ(B)を30重量%以上含むことである。
【0011】上記高圧法低密度ポリエチレン樹脂(A)
とは特に製造方法に限定されるものではないが、一般に
チューブラ型やオートクレーブ型反応器で代表される高
圧ラジカル重合法によって重合されたもので、中でもオ
ートクレーブ型反応器によるものが好ましい。また、本
発明では(A)として2種類以上の高圧法低密度ポリエ
チレン系樹脂を組み合わせて用いることもできる。その
密度は0.915〜0.937g/cm3が好ましく、
更に好ましくは0.925〜0.937g/cm3であ
る。密度が0.915g/cm3未満であると十分な耐
熱性を得られない場合がある。また、密度が0.937
g/cm3を超えると架橋性が極端に悪化する場合があ
る。MFRは1〜10g/10分が好ましく、より好ま
しくは2〜8g/10分である。MFRが1g/10分
未満であると押出し時に剪断発熱により発泡剤が分解を
生じ良好な発泡用のシートが得られなくなる場合があ
り、一方、10g/10分を越えると押出し性の点では
好ましいが、引張強度や伸びなどの機械物性が低下する
場合がある。
【0012】本発明に用いられる直鎖状低・中密度ポリ
エチレン樹脂(B)とは、エチレンと炭素数が4〜12
のα−オレフィンとを共重合した直鎖状の低密度または
中密度のポリエチレン樹脂である。この樹脂(B)の製
造方法はチーグラー型触媒を使用した気相法、溶液法、
スラリー法などによるものが一般的で、またエチレンに
共重合されるα−オレフィンも種類は特に限定されない
ものの、一般的にはエチレンとα−オレフィンの2元共
重合体が好ましく、さらに、そのα−オレフィンは炭素
数4〜8のものが価格、物性の両面から有利であって好
ましい。また、本発明では(B)として2種類以上の直
鎖状低・中密度ポリエチレン系樹脂を組み合わせて用い
ることもできる。その密度は0.94g/cm3以下で
あり、好ましくは0.92〜0.94g/cm3であ
る。密度が0.92g/cm3未満であると樹脂の柔軟
性が顕著となりベタツキを生じ発泡体としたときブロッ
キングが発生しやすく、機械的強度および発泡体の腰が
低下する上、耐熱性も低くなる場合がある。また、密度
が0.94g/cm3を超えると発泡体が硬くなり緩衝
性が悪化する場合がある。また、そのMFRは好ましく
は0.7〜20g/10分であり、より好ましくは1〜
15g/10分であり、更に好ましくは2〜8g/10
分である。MFRが高すぎると引張強度や伸びなどの機
械物性が低下し、一方低すぎると押出し時に剪断発熱に
より発泡剤が分解を生じ良好な発泡用のシートが得られ
なくなる場合がある。
【0013】高圧法低密度ポリエチレン(A)が20重
量%未満の場合は溶融張力が低すぎるため架橋してもガ
ス抜けしやすく良好な発泡体が得らにくく、また架橋し
にくくなる場合がある。また、直鎖状低・中密度ポリエ
チレン(B)が10重量%未満では引張伸びや強度が不
足する場合がある。
【0014】本発明において発泡体のΔHm(110
℃)が60〜160J/gを満たすためには、必要に応
じて上記(A)(B)成分に加えて高密度ポリエチレン
樹脂(C)を添加することが好ましい。ここで言う高密
度ポリエチレン樹脂(C)とは、密度が0.94g/c
3以上のポリエチレンまたはエチレンとごく少量の炭
素数が4〜12のα−オレフィンを共重合したポリエチ
レン樹脂である。高密度ポリエチレンとしては直鎖状の
ものや長鎖分岐を有するものが知られているが、いずれ
も好適に用いられる。その密度は0.94g/cm3
上であり、好ましくは0.945g/cm3以上であ
る。また、そのMFRは好ましくは0.3〜25g/1
0分であり、より好ましくは1〜15g/10分であ
り、更に好ましくは2〜8g/10分である。MFRが
高すぎると引張強度や伸びなどの機械物性が低下し、一
方低すぎると押出し時に剪断発熱により発泡剤が分解を
生じ良好な発泡用のシートが得られなくなる場合があ
る。
【0015】本発明では発泡体に架橋構造を導入する。
ポリエチレン系架橋発泡体の製法としては、ポリエチレ
ン原料に分解型発泡剤を混練りし、シート状に成形した
後、電離性放射線、一般的には電子線を照射し架橋せし
め、発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡したり、ある
いは発泡剤と同時に過酸化物を混合し、同様に過酸化
物、発泡剤が分解しない温度で混練りし、シート状に成
形した後、過酸化物が分解する温度に加熱して架橋し、
加熱して発泡する方法が一般的である。電子線照射ある
いは過酸化物いずれの場合の架橋によっても、必要に応
じて架橋助剤を用いることができる。
【0016】架橋助剤としては、特に限定されないが、
ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、
1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−
デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリ
アリルエステル、トリアリルイソシアネート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼ
ントリカルボン酸トリアリルエステル、トリシクロデカ
ンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レートなどが例示され、これらを2つ以上組み合わせて
用いることもできる。
【0017】本発明の架橋発泡体の架橋度は15〜50
%が好ましく、より好ましくは20〜40%である。架
橋度が15%未満であると発泡体の製造時、発泡ガスの
保持力が弱いため表面より発泡ガスが散逸し所定の発泡
倍率にならなかったり、表面形態の悪化を招く場合があ
る。一方、50%を越えると架橋が密になり発泡性や表
面の平滑性の点では好ましいが、架橋が密になり過ぎて
発泡ガスの保持力が過度になり部分的に気泡の破壊が生
じ、ボイドとなる場合がある。
【0018】本発明の架橋発泡体の発泡倍率は5〜50
倍が好ましく、より好ましくは7〜40倍である。発泡
倍率が5倍未満であると体積中の樹脂部分が多いため機
械的強度、伸び、成形性の点では好ましいが、緩衝性が
低下する場合がある。一方、50倍を越えると柔軟性が
増し、緩衝性の点では好ましいが、体積中の樹脂部分が
減少するため機械的強度、耐熱性、成形性が低下する場
合がある。本発明の架橋発泡体の成形性を表す絞り比
(L/D)は0.4以上が好ましく、より好ましくは
0.5以上である。絞り比が0.4未満であると複雑な
成形形状に追随できず破れを生じたりする場合がある。
【0019】また本発明の樹脂成分には前記(A),
(B)樹脂以外の融点170℃以下の熱可塑性系樹脂を
(A),(B)、(C)樹脂合計の100重量部に対
し、30重量部以下混入してもよい。具体的にはホモポ
リプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン
−プロピレンゴム(EPM),エチレン−プロピレンゴ
ム−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
(メタ)アルキルアクリレート共重合体あるいはこれら
のエチレンとの共重合体に第三成分として無水マレイン
酸を共重合した3元共重合体などのポリオレフィン、あ
るいはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエ
ン−エチレンブロック共重合体、エチレン−ブタジエン
−エチレンブロック共重合体やそれらの水添樹脂等が例
示される。ただし、融点が120℃以下の結晶性熱可塑
性樹脂またはガラス転移温度120℃以下の非晶性熱可
塑性樹脂の添加は混入量が30重量部をこえると柔軟
性、緩衝性の点では好ましいが、耐熱性が低下する場合
がある。
【0020】その他、必要に応じて熱安定剤、耐候剤、
難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、流動性改良剤、離型
剤、充填剤など公知の添加剤を添加しても良い。本発明
において適応できる分解型発泡剤としては有機、無機系
の各種があるが、有機系にはアゾジカルボンアミド、
N.N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P.
P´−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジド等、無機
系には炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アン
モニウム、カルシウムアジド等が上げられる。
【0021】本発明において発泡体の樹脂部分を架橋す
る手法としては、電離性放射線を照射して行う放射線架
橋法が好ましいが、ジクミルパーオキサイド、ターシャ
リーブチルパーベンゾエート、ジターシャリーブチルパ
ーオキサイド等の過酸化化合物を樹脂成分100重量部
に対し0.5〜5重量部添加して架橋させる化学架橋法
などを用いることもできる。本発明による発泡方法は公
知の方法が適用できる。具体的には縦型熱風発泡法、横
型熱風発泡法、横型薬液浴上発泡法などの連続シート状
として製造できるものが好ましい。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はこれらによって制限される
ものではない。本発明における測定法、評価基準は次の
通りである。
【0023】1.架橋度 発泡体を細断し、0.2g精秤する。このものを130
℃のテトラリン中に浸積し、攪拌しながら3時間加熱し
溶解部分を溶解せしめ、不溶部分を取り出しアセトンで
洗浄してテトラリンを除去後、純水で洗浄しアセトンを
除去して120℃の熱風乾燥機にて水分を除去して室温
になるまで自然冷却する。このものの重量W1(g)を
測定し、次式で架橋度を求める。 架橋度=〔(0.2−W1)/0.2〕×100
(%)
【0024】2.発泡倍率 発泡体から10×10cmを切り出し、厚みt1(c
m)と重量W2(g)を測定し、次式で見掛密度を算出
する。 見掛密度=W2/(10×10×t1) (g/cm3) 発泡倍率は、この見掛密度より、次式で求められる。 発泡倍率=1/見掛密度
【0025】3.絞り比 赤外線ヒーターにより発泡体表面が130℃になるよう
加熱し、直径(D)に対し深さ(L)のカップ状の成形
金型を備えた真空成形機で成形し、発泡体が破れること
なくカップ状に成形された最大のL/D比を絞り比とす
る。この絞り比が大きいほど真空成形性に優れているこ
とを示す。 4.加熱収縮率 発泡体から15cm×15cmの正方形サンプルを切り
出し、その中心に各辺に平行となる各々長さ10cmの
直交した標線を書き、このサンプルを110℃の熱風循
環オーブンに入れ1時間加熱後、取出し、室温になるま
で自然冷却する。この加熱処理サンプルの各標線長さを
測定し、平均した値をLa(cm)とし、下記の式に従
って加熱収縮率を算出した。 加熱収縮率(%)=[(10−La)/10]×100
(%) 5.MFR JIS K−6760に準じた方法で、測定温度190
℃で測定する。
【0026】6.発泡体の110℃以上の融解熱量 発泡体をクリアランスゼロの冷ミキシングロールを通過
させることにより脱泡処理して得られたシート状物を、
測定用試料として裁断し、示差走査熱量分析装置(DS
C)用の所定のサンプルパンにつめた。融解熱量はJI
S K−7122−1987に準拠して測定した。セイ
コー電子工業製RDC220ロボットDSC装置を用
い、上記サンプルを25℃から200℃まで昇温速度1
0℃/分で示差走査熱量分析を行い、発泡体試料のDS
C融解曲線を得た。次に、解析ジョブプログラムにより
DSC融解曲線とベースラインで囲まれる面積から単位
重量当たりの融解熱量ΔHm(単位J/g)を得た。上
記DSC測定により得られたDSC融解曲線を上質紙に
コピーし、DSC融解曲線とベースラインで囲まれる部
分を切り取りその重量を測定し、その重量をW0(g)
とした。次にDSC融解曲線とベースラインで囲まれる
領域のうち110℃以上の部分を切り取りその重量を測
定し、その重量をW1(g)とした。110℃以上の融
解熱量ΔHm(110℃)(J/g)は以下の式により
計算した。 ΔHm(110℃)=ΔHm×W1/W0
【0027】以下に実施例に基づいて本発明の実施態様
を説明する。 [実施例1](A)として高圧法低密度ポリエチレン
(密度0.923g/cm3,MFR7.0g/10
分)35重量部、(B)としてエチレンにブテンを共重
合した直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.934g/
cm3,MFR3.0g/10分)45重量部、(C)
として高密度ポリエチレン(密度0.960g/c
3,MFR7.0g/10分)20重量部、熱安定剤
として"Irganox1010"を0.3重量部を15
0℃に設定したミキシングロールで十分混練した後、更
に分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド5.9重量
部を加えて混練し、発泡用組成物を得た。表1に発泡体
の組成を示す。この混合原料を発泡剤の分解しない温
度、具体的には150℃に加熱したプレスにて厚さ1.
2mmのシートを作成した。このシートにゲル分率が2
6±2重量%となるよう加速電圧800kVで電子線を
照射し、架橋を付与した。このシートを225℃に加熱
したシリコーン薬液浴上発泡槽にて加熱、発泡し厚さ
2.9mmの独立気泡構造を持つ発泡シートを得た。こ
のシートの発泡倍率は14倍、ゲル分率は26重量%で
あった。この発泡体の110℃以上の融解熱量、110
℃の加熱収縮率および絞り比を表2に示す。
【0028】[実施例2]表1に示した配合量、および
架橋助剤として樹脂100重量部に対しトリシクロデカ
ンジメタクリレートを0.8重量部添加した以外は実施
例と同様に発泡シートを作成した。表2にこの発泡シー
トの諸物性を示す。 [実施例3](A)として高圧法低密度ポリエチレン
(密度0.932g/cm3,MFR6.0g/10
分)、(C)として高密度ポリエチレン(密度0.96
4g/cm3,MFR5.0g/10分)を用いた以外
は実施例1と同様に発泡シートを作成した。表2にこの
発泡シートの諸物性を示す。
【0029】[実施例4]表1に示した配合量および架
橋助剤として樹脂100重量部に対し1,9−ノナンジ
オールジメタクリレートを1.0重量部添加した以外は
実施例1と同様に発泡シートを作成した。表2にこれら
の発泡シートの諸物性を示す。 [実施例5](B)としてエチレンにブテンを共重合し
た直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.922g/cm
3,MFR4.0g/10分)を用い、表1に示した配
合量とした以外は実施例1と同様に発泡シートを作成し
た。表2にこれらの発泡シートの諸物性を示す。 [比較例1〜3]表1に示した樹脂、配合量、架橋助剤
の条件を用いた以外は実施例1と同様に発泡シートを作
成した。表2にこれらの発泡シートの諸物性を示す。
【0030】表2において耐熱性については110℃1
時間の加熱収縮率が4%以下のものを合格とした。ま
た、自動車内装材用途などについては加熱成形性が要求
されるが、成形性については絞り比が0.4以上である
ものを合格とした。表2に示すとおり、比較例1による
発泡体は成形性、比較例3による発泡体は耐熱性および
成形性において劣っていた。また、比較例2による発泡
体はガス抜けのため外観不良であった。一方、実施例1
〜5による発泡体は成形性、耐熱性いずれも優れてい
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明によるポリエチレン系架橋発泡体
は、示差走査熱量分析による110℃以上の融解熱量が
60〜160J/gであって、特に高い耐熱性を有する
ものであり、なかでも、高圧法低密度ポリエチレンと密
度0.94g/cm3以下の直鎖状低・中密度ポリエチ
レンを含むポリエチレン系樹脂からの架橋発泡体は成形
性においても特に優れている。このように、本発明によ
ると、ポリエチレン系架橋発泡体の優れた特性を有する
とともに、耐熱性および成形性等にも優れたポリエチレ
ン系架橋発泡体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 示差走査熱量分析によるDSC融解曲線を示
す図であって、斜線で示した部分がDSC融解曲線とベ
ースラインとで囲まれる領域であり、この領域の面積か
ら単位重量当たりの融解熱量ΔHm(J/g)を算出す
る。
【図2】 図1と同じDSC融解曲線を示す図であっ
て、斜線で示した部分がDSC融解曲線とベースライン
とで囲まれる領域のうちの110℃以上の部分であり、
この領域の面積から110℃以上の融解熱量ΔHm(1
10℃)(J/g)を算出する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA13 AB14 AB21 GA04 GC02 4F074 AA18 AA20 AA21 AB02 BA13 BB25 BB28 CA29 CC04Y CC06X CC45 DA02 DA04 DA22 DA23 DA24 DA32 DA33 DA37 DA47 4J002 BB03W BB05X DE226 DF006 DF016 EK037 EK057 EQ016 ES006 EV266 FD147 FD150 FD326 GC00 GL00 GN00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 示差走査熱量分析による110℃以上
    の融解熱量が60〜160J/gであることを特徴とす
    るポリエチレン系架橋発泡体。
  2. 【請求項2】 高圧法低密度ポリエチレンと密度0.
    94g/cm3以下の直鎖状低・中密度ポリエチレンと
    を含有するポリエチレン系樹脂を架橋発泡させてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリエチレン系架橋発泡
    体。
  3. 【請求項3】 高圧法低密度ポリエチレンを20重量
    %以上、及び、密度0.94g/cm3以下の直鎖状低
    ・中密度ポリエチレンを10重量%以上含むポリエチレ
    ン系樹脂を架橋発泡させてなることを特徴とする請求項
    1又は2記載のポリエチレン系架橋発泡体。
  4. 【請求項4】 架橋度が15〜50%であること、及
    び/又は、発泡倍率が5〜50倍であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン系架橋
    発泡体。
  5. 【請求項5】 絞り比が0.4以上であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエチレン系
    架橋発泡体。
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