JP3346027B2 - ポリエチレン系電子線架橋発泡体 - Google Patents
ポリエチレン系電子線架橋発泡体Info
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- JP3346027B2 JP3346027B2 JP8024694A JP8024694A JP3346027B2 JP 3346027 B2 JP3346027 B2 JP 3346027B2 JP 8024694 A JP8024694 A JP 8024694A JP 8024694 A JP8024694 A JP 8024694A JP 3346027 B2 JP3346027 B2 JP 3346027B2
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Description
体に関する。さらに詳しくは自動車内装用緩衝材、建材
用断熱材、産業資材、家具、家庭用電気器具などに適用
できる各種の加熱下での成形法に対応できる成形性、耐
熱性、また、スリット、各種形状への打抜きなどの加工
性、断熱性、緩衝性に優れたポリエチレン系電子線架橋
発泡体に関するものである。
性、断熱性、遮音性に優れていることでスリットや打抜
きなどで各種形状に加工されパッキンやお風呂マット、
あるいは鉄板と貼合わせて成形した建材用途の断熱折板
屋根材、自動車内装用パッド材などの分野で広く利用さ
れている。
既に多く紹介されている。具体的には高圧法低密度ポリ
エチレンの場合、ポリエチレンに分解型発泡剤を混練り
し、シ−ト状に成形した後、電離性放射線、一般的には
電子線を照射し架橋せしめ、発泡剤の分解温度以上に加
熱して発泡したり、あるいは発泡剤と同時に過酸化物を
混合し、同様に過酸化物、発泡剤が分解しない温度で混
練りし、シ−ト状に成形した後、過酸化物が分解する温
度に加熱して架橋し、加熱して発泡する方法が一般的で
ある。一方、高圧法低密度ポリエチレンの物理的特性の
向上や生産性の向上のためにエチレンにα−オレフィン
を共重合した直鎖状低密度ポリエチレンが開発され、こ
の樹脂を用いた架橋発泡体、あるいは高圧法低密度ポリ
エチレンと混合したものについては特公平2−5757
7号公報、同2−57578公報によって紹介されてい
る。
ポリエチレンによる架橋発泡体は機械的特性や耐熱性の
点で劣り、また、一般的に架橋度を上げると伸びが低下
するため加熱成形や折板屋根の製造時のロ−ルフォ−ミ
ング時に破れが生じ易く、従って、極めて限られた範囲
での架橋度でないと適性な特性を保持できないという問
題があった。また、直鎖状低密度ポリエチレンによる架
橋発泡体は樹脂の分岐量が少ないという骨格の特徴から
架橋特性が極めて悪いためビニル性2重結合を含む架橋
助剤を添加する必要があり、従って商業生産性の点で劣
るという欠点があった。また、直鎖状低密度ポリエチレ
ンと高圧法低密度ポリエチレンを混合した場合、任意の
配合比では各々の樹脂の架橋性の違いから高圧法低密度
ポリエチレン部分が過架橋を生じやすく、従って、気泡
破れによるボイドあるいは粗大気泡が発生したり、極め
て限られた範囲の配合比でないと安定した製品が得られ
ないという問題があった。 本発明者らは、ポリエチレ
ンに電子線を照射したときのエネルギ−の平均吸収線量
と架橋度の相関について詳細検討した結果、高圧法低密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンともに特定
の特性を持つ樹脂を選定し、特定配合比で混合すること
により成形性、耐熱性、加工性、断熱性、緩衝性に優れ
たポリエチレン系電子線架橋発泡体を見出だし、本発明
に至った。
が2〜10の高圧法低密度ポリエチレン(A)と電子線
架橋G値が0.1〜2のエチレンと炭素数が4〜12の
α−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン
(B)とを重量比((A)/(B))0.3〜4で混合
してなるポリエチレン系樹脂を、電子線架橋発泡させて
なることを特徴とするポリエチレン系電子線架橋発泡体
である。
樹脂(A)とは特に製造方法に限定されるものではない
が一般にチュ−ブラ型やオ−トクレ−ブ型反応器で代表
される高圧ラジカル重合法によって重合されたもので、
中でもオートクレーブ型反応器によるものが電子線架橋
G値の制御が行いやすいので好ましい。密度は0.91
5〜0.935g/cm3 、好ましくは0.920〜
0.930g/cm3 である。密度が0.915g/c
m3 未満であると樹脂の柔軟性が高くなり発泡体とした
ときの感触は良くなるが、反面いわゆる腰がなくなり広
範囲の用途に適用しにくくなることと樹脂のベタツキが
顕著になり発泡剤や添加剤を混合するときに凝集し分散
不良を起こし、結果的に良好な発泡体がえられなくなる
ので好ましくない。一方、0.935g/cm3 を越え
ると結晶性が高くなり固い発泡体となり緩衝性が低下す
ることと電子線による架橋制御に高エネルギ−を必要と
するので生産性の低下をともなうので好ましくない。M
FRは1〜10g/10分、好ましくは2〜8g/10
分である。MFRが1g/10分未満であると溶融粘度
が高いため溶融時、剪断発熱により発泡剤が分解を生じ
発泡用のシ−トが得られなくなるので好ましくない。一
方、10g/10分を越えると押出し性の点では好まし
いが発泡工程において長さ方向への引取り張力の影響が
大きく、長さ方向への配向が顕著となりやすく、従っ
て、加熱時の長さ方向の熱収縮が大きくなり寸法安定性
が悪化し、耐熱性が低下するので好ましくない。電子線
架橋G値は2〜10、好ましくは3〜8である。G値が
2未満であると混合する直鎖状低密度ポリエチレンのG
値と近接するため両者の架橋が均一になるので一見好ま
しいと考えられるが、実際は架橋度の上昇と共に発泡体
の伸びが低下し、成形性が低下するので好ましくない。
一方、10を越えると直鎖状低密度ポリエチレンのG値
との差が大きすぎるため直鎖状低密度ポリエチレンの配
合比が増加するにしたがい発泡に適した架橋度とするに
は高圧法低密度ポリエチレンの架橋度を高くする必要が
あり、このため高圧法低密度ポリエチレンの架橋度が過
架橋となりボイ ドを発生しやすくなるなど電子線照射
条件幅が極めて狭くなるので好ましくない。
レン樹脂(B)とはエチレンと炭素数が4〜12のα−
オレフィンを共重合した、電子線架橋G値が0.1〜2
である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であり、好ましく
は、密度が0.920〜0.940g/cm3 、MFR
が2.0〜15g/10分である。直鎖状低密度ポリエ
チレン系樹脂(B)は製造方法はチ−グラ−型触媒を使
用した気相法、溶液法、スラリ−法などによるものが一
般的で、またエチレンに共重合されるα−オレフィンも
種類には特に限定されないものの、一般的にはエチレン
とα−オレフィンの2元共重合体で好ましくは炭素数4
〜8のものを共重合したものが価格、物性の両面から有
利である。密度は0.920〜0.940g/cm3 、
好ましくは0.925〜0.935g/cm3 である。
密度が0.920g/cm3 未満であると樹脂の柔軟性
が顕著となりベタツキを生じ発泡体としたときブロッキ
ングが発生したり、機械的強度および発泡体の腰が低下
するので好ましくない。一方、0.940g/cm3 を
越えると機械的強度の点では好ましいが伸びが低下した
り、発泡体としたときの圧縮回復性が低下するので好ま
しくない。MFRは2.0〜15g/10分、好ましく
は4〜10g/10分である。MFRが2.0g/10
分未満であると樹脂の溶融粘度が高くなるため発泡用シ
−ト製造時剪断発熱により発泡剤の分解が起こりやすく
なり粗大気泡を発生しやすくなるので好ましくない。一
方、15g/10分を越えると溶融粘度が低くなるため
シ−ト製造上では好ましいが高温下での樹脂の抗張力が
低下するため発泡時に長さ方向への引取り張力の影響が
大きく、長さ方向への配向が顕著となりやすく、従っ
て、加熱時の長さ方向の熱収縮が大きくなり寸法安定性
が悪化し、耐熱性が低下するので好ましくない。電子線
架橋G値は0.1〜2、好ましくは0.3〜1である。
電子線架橋G値が0.1未満であると実質的に発泡体に
適した架橋度の範囲で架橋を生じないため直鎖状ポリエ
チレン樹脂部分でボイドを発生するので好ましくない。
一方、2を越えるとG値と近接するため両者の架橋が均
一になるので一見好ましいと考えられるが、実際は架橋
度の上昇と共に発泡体の伸びが低下し、成形性が低下す
るので好ましくない。
好ましくは0.4〜3.5、より好ましくは1〜2.5
である。(A)/(B)が0.3未満であると直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂部分が増加するため発泡体の伸び
や成形性の点では好ましいが、直鎖状低密度ポリエチレ
ン樹脂部分の架橋度が低いため粗大気泡が発生しやすく
表面の平滑性が悪化するので好ましくない。一方、4を
越えると架橋の均一性が増加するので気泡径の均一性、
表面の平滑性の点では好ましいが、発泡体の伸びが低下
し成形性が悪化し、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を配
合した効果が出ないので好ましくない。
40%である。架橋度が15%未満であると発泡体の製
造時、発泡ガスの保持力が弱いため表面より発泡ガスが
逸散し所定の発泡倍率にならなかったり、表面形態の悪
化を招くので好ましくない。一方、50%を越えると架
橋が密になり発泡性や表面の平滑性の点では好ましい
が、架橋が密になり過ぎて発泡ガスの保持力が過度にな
り広範囲の発泡倍率、特に30倍以上になると部分的に
気泡の破壊が生じ、ボイドとなるので好ましくない。
0倍である。発泡倍率が5倍未満であると体積中の樹脂
部分が多いため機械的強度、伸び、成形性の点では好ま
しいが、硬い発泡体となり緩衝性が低下するので好まし
くない。一方、50倍を越えると柔軟性が増し、緩衝性
の点では好ましいが、体積中の樹脂部分が減少するため
機械的強度が低下し、また、成形性は低下するので好ま
しくない。
は0.4以上である。成形性が0.3未満であると複雑
な成形形状に追随できず破れを生じたりするので好まし
くない。上限としてはその用途によって決定されるもの
であるが、成形品の形態保持の点から見ると0.8前後
と推定する。
しくは±0.15以下である。ボ−イング係数Fが±
0.25を越えると、これは取りも直さず発泡体製造時
の幅方向/長さ方向への配向差であり、通常、製造時、
発泡工程において長さ方向の発泡速度より早く引取り製
造の安定を計るのが一般的であるが、縦型熱風発泡法の
ごとき発泡開始前あるいは発泡途上においてシ−ト自重
によって長さ方向に伸びて必要以上の配向形態となった
り、あるいはこのことにより幅方向に不均一配向した
り、あるいは薬液浴上発泡法のごとく発泡体が薬液との
摩擦抵抗により長さ方向の配向状態の変わった形態をと
ったり、結果的に幅方向にも配向差ムラを生じたものと
なり、従って、強度、伸び、加熱寸法安定性の幅方向の
変化したものとなるため、成形性などが低下するので好
ましくない。また、発泡体の全幅方向の厚みも端部が厚
く中央部に行くに従って薄くなる形態をとるため製品巻
取時均一なロ−ルにならなかったり、加工品の品質が悪
化するので好ましくない。
は1〜5、好ましくは1.5〜4である。熱収縮率比が
1未満では製造時、生産が安定しないことに加え、通常
の連続成形機の発泡体固定装置が長さ方向への収縮を想
定して作成されているので広範囲の成形機での成形がで
きないので好ましくなく、一方、5を越えると連続成形
機での成形時長さ方向と幅方向の収縮率差が大き過ぎる
ため発泡体は一定の収縮現象を示さないことに起因する
山並み状のシワなどを発生しやすく実質的に成形品が得
られなくなるので好ましくない。
(B)樹脂以外のポリオレフィン系樹脂を(A),
(B)樹脂合計の100重量部に対し、30重量部以下
混入してもよい。具体的にはエチレン−プロピレンゴム
(EPM),エチレン−プロピレンゴム−ジエンゴム
(EPDM)、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレ
ン−(メタ)アルキルアクリレ−ト共重合体あるいはこ
れらのエチレンとの共重合体に第三成分として無水マレ
イン酸を共重合した3元共重合体等が例示される。中で
もエチレン−プロピレンゴム(EPM),エチレン−プ
ロピレンゴム−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−
(メタ)アルキルアクリレ−ト共重合体あるいはこれら
のエチレンとの共重合体に第三成分として無水マレイン
酸を共重合した3元共重合体のものが好ましい。混入量
が30重量部をこえると柔軟性、緩衝性の点では好まし
いが、柔軟性が増すことにより打抜き加工などで切断面
のシャ−プさが得られにくくなるので好ましくない。
難燃剤、難燃助剤、分散剤、顔料、充填剤など公知の添
加剤を添加しても良い。
しては有機、無機系の各種があるが、有機系にはアゾジ
カルボンアミド、N.N´−ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、P.P´−オキシベンゼンスルフォニルヒ
ドラジド等、無機系には炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム、重炭酸アンモニウム、カルシュウムアジド等が上
げられる。
は、電離性放射線を照射して行う放射線架橋法に限定さ
れる。他方の化学架橋法の場合は、ジクミルパ−オキサ
イド、t−ブチルパ−−ベンゾエ−ト、ジタ−シャリ−
ブチルパ−オキサイド等の過酸化化合物を樹脂成分に対
し0.5〜5重量部添加して架橋させる公知の手法が知
られているが、本発明による電子線架橋G値はこの方法
に有効には機能せず樹脂成分(A),(B)の各々の架
橋状態の制御ができず、成形性が悪化するので好ましく
ない。
できるが、具体的には縦型熱風発泡法、横型熱風発泡
法、横型薬液浴上発泡法などの連続シ−ト状として製造
できるものに限定される。中でも発泡工程の発泡開始前
あるいは発泡途上においてシ−トの自重によって長さ方
向に伸びて必要以上の配向形態となったり、あるいはこ
のことにより幅方向に不均一配向し、いわゆるボ−イン
グ現象を生じやすい縦型熱風発泡法で得た製品において
も本発明の範囲を満足することができる。
橋発泡体の製造方法の一態様について説明する。
ブ型反応機、密度0.923g/cm3 ,MFRが6g
/10分、架橋度G値5)100重量部とエチレンにブ
テンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(気相法、
密度0.935g/cm3 ,MFRが6g/10分、架
橋度G値0.3)100重量部の粉体に熱安定剤として
Irganox1010を0.6重量部をヘンシェルミ
キサ−に投入し、第一次混合した。更に分解型発泡剤と
してアゾジカルボンアミド20重量部投入して混合し、
発泡用組成物を得た。
具体的には120〜150℃に加熱したベント付き押出
し機に導入して、セットされているTダイから押し出
し、ロ−ル温度が75℃のポリシングタイプのシ−ト成
形機にかけ空気巻込みによる気泡のない厚さが3.1m
m、幅が500mmの連続シ−ト状にして巻き取った。
このシ−トに電子線を照射し、発泡に適した架橋、すな
わち発泡体としたときに架橋度が15〜50%となるよ
うに電子線を照射して架橋を付与した。このシ−トを発
泡剤の分解温度より30〜100℃高い温度に加熱した
熱媒浴上に連続的に供給して発泡させた。
6.1mm,幅1600mm、発泡倍率が31倍の表面
の平滑な発泡体であった。本発泡体の成形性は0.5
5、熱収縮率比は2.8、また幅方向の熱収縮率比Sの
平均は3.4、そのレンジは0.6と幅方向へのムラも
極めて小さい、また幅方向のボ−イング係数Fも−0.
1と配向ムラの小さな架橋発泡体であった。
融特性、電子線架橋性を持つ、高圧法低密度および 直
鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を用い、限られた範囲の
混合比で配合し、電子線架橋し、架橋発泡体としたこと
により特定の架橋様式が得られたと思われ、広範囲の架
橋度で各種の加熱下での成形法が適用でき、かつ良好な
成形性を保持し、スリット、各種形状への打抜きなどの
加工性、断熱性、緩衝性に優れたポリエチレン系電子線
架橋発泡体となった。本発明の効果の得られることにつ
いては定かではないが、一般的に従来、公知の方法によ
り製造したポリエチレン系架橋発泡体では架橋度を上げ
ると架橋度が40%を越えた付近から急速に成形性が悪
化し、発明者らの経験によると50%を越えるとL/D
は0.3以下となり、果物や機械部品などの極めて単純
な緩衝材成形品ですら加工できなくなるが、これは従来
の公知の方法では発泡用シ−ト内の架橋状態が電子線に
より架橋する成分間で適正化がなされておらず架橋度の
粗密が発生し、従って、両樹脂それぞれの発泡に適した
架橋状態となっていないことにより伸びが小さくなり成
形性が低下すると考えられ、また同時に架橋の粗密およ
び架橋状態の適正化がなっていないため、発泡工程で長
さ方向への配向ムラが生じやすくなることによると考え
られる。
性、電子線架橋性を持つ、高圧法低密度および直鎖状低
密度ポリエチレン系樹脂を用い、限られた範囲の混合比
で配合し電子線照射による架橋状態を制御することによ
り各種の加熱下での成形法に対応できる成形性、耐熱
性、また、スリット、各種形状への打抜きなどの加工
性、断熱性、緩衝性に優れたポリエチレン系電子線架橋
発泡体であるため各種の表皮材と張り合わせ複雑な形状
に成形が可能となるため各種の分野に適用できるととも
に、耐熱性、成形性を生かし鉄板等の不燃材と張り合わ
せたり、無機繊維マットと張合わせた不燃性ボ−ド用裏
打ち材等、金属板、金属ホイル、フィルム、無機繊維等
との複合品で各種の成形分野に適応できる。本発明にお
ける測定法、評価基準は次の通りである。
℃のテトラリン中に浸積し、攪拌しながら3時間加熱し
溶解部分を溶解せしめ、不溶部分を取り出しアセトンで
洗浄してテトラリンを除去後、純水で洗浄しアセトンを
除去して120℃の熱風乾燥機にて水分を除去して室温
になるまで自然冷却する。このものの重量(W1 )gを
測定し、次式で架橋度を求める。
00 (%) 2.発泡倍率 発泡体から10×10cmを切り出し、厚みt1 (c
m)と重量W2 (g)を測定し、次式で見掛密度を算出
する。
(g/cm3 ) 発泡倍率は、この見掛密度より、次式で求められる。
度) 3.成形性 直径(D)に対し深さ(L)のカップ状の成形金型を備
えた真空成形機で成形し、発泡体が破れることなくカッ
プ状に成形されたL/D比を成形性とする。
D)、幅方向(TD)に10cm間隔の測定用標線を書
き、このサンプルを110℃の熱風循環オ−ブンに入れ
1時間加熱後、取出し、室温になるまで自然冷却する。
この加熱処理サンプルの各方向の標線間隔(MDx,T
Dx、n=5の平均)を測定し、下記の式で寸法変化率
を算出し、これを熱収縮率とし、更に(n数は5)この
MDとTDの熱収縮率比率を算出し熱収縮率比Sとす
る。 MD=(10−MDx)÷10×100(%) TD=(10−TDx)÷10×100(%) 熱収縮率比S= MD/TD 6.ボ−イング係数F 発泡時、発泡が安定生産できる長さを確保した後、発泡
シ−トの全幅方向にシ−トのセンタ−を中心に直角とな
るように5cm間隔に黒印をシ−ト前巾に3〜5本打
ち、連続的に発泡し、黒印の部分の全幅を採取する。こ
の黒印の両端を結ぶ直線と黒印の最も離れた位置の距離
(b)を測定し、この値と発泡シ−トの全幅(D)よ
り、次式で算出した値をボ−イング係数Fとする。
とする。
の雰囲気中、1m/min又は5m/minの速度で走
行させつつ、800kV、10mAの条件で電子線を照
射し、このものの架橋度g(%)を、前述した架橋度測
定法に準じて測定する。一方、800kV時の電子線の
飛程分布曲線から1.7mmのシートにおける各走行速
度時の平均吸収線量M(Mrad)を算出する。走行速
度5m/minで低吸収線量時の吸収線量M1(Mra
d)、架橋度g1(%)、及び、走行速度1m/min
で高吸収線量時の吸収線量M2(Mrad)、架橋度g2
(%)から、次式に沿って電子線架橋度G値を算出す
る。 電子線架橋度G値=(g2−g1)/(M2−M1)
2 −M1 )(%/M) 走行速度5m/minの時(低吸収線量) : 吸収線量:M
1 、架橋度:g1 走行速度1m/minの時(高吸収線量) : 吸収線量:M
2 、架橋度:g1 但し、平均吸収線量Mは5〜20Mradとする。
説明する。
ブテン共重合直鎖状低密度ポリエチレンを準備した。 高
圧法低密度ポリエチレン(オートクレーブ型反応器、密
度0.920g/cm3、MFRが7g/10分、架橋
度G値5)100重量部と、エチレンにブテンを共重合
した直鎖状低密度ポリエチレン(気相法、密度0.92
0g/cm3、MFRが7g/10分、架橋度G値0.
5)50重量部の粉体に熱安定剤として“Irgano
x1010”0.5重量部を、ヘンシェルミキサーに投
入して第一次混合した。更に分解型発泡剤としてアゾジ
カルボンアミド15重量部を投入して混合し、発泡用組
成物を得た。
具体的には120〜150℃に加熱したベント付き押出
し機に導入して、セットされているTダイから押し出
し、ロ−ル温度が75℃のポリシングタイプのシ−ト成
形機にかけ空気巻込みによる気泡のない厚さが4.1m
m、幅が530mmの連続シ−ト状にして巻き取った。
このシ−トに平均吸収線量が6.3Mradとなるよう
に電子線を照射し、架橋を付与した。このシ−トを 2
10→220→225℃の順に加熱したシリコ−ン薬液
浴上発泡法の発泡装置に導入し、連続的に発泡し連続シ
−ト状発泡体として巻き取った。このようにして得られ
た発泡体は厚みが7.6mm,幅1640mm、発泡倍
率が25倍の表面の平滑な発泡体であった。発泡体の特
性を表−2に示した。
橋性を持つ、高圧法低密度および直鎖状低密度ポリエチ
レン系樹脂を用いることにより、限られた範囲の混合比
で配合し電子線照射による架橋状態を制御したことによ
り各種の加熱下での成形法に対応できる成形性、耐熱
性、また、スリット、各種形状への打抜きなどの加工
性、断熱性、緩衝性に優れたポリエチレン系電子線架橋
発泡体である。
とし、得られた発泡体の特性を表2に示した。
発泡体は特定の密度、溶融特性、電子線架橋性を持つ、
高圧法低密度および直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を
用い、限られた範囲の混合比で配合し電子線照射による
架橋状態を制御したポリエチレン系電子線架橋発泡体と
したため成形性、耐熱性を保持し、各種の成形加工性、
機械特性などの低下のないポリエチレン系電子線架橋発
泡体である。
よるポリエチレン系電子線架橋発泡体は樹脂特性、電子
線架橋G値、配合比が適正でないため長さ方向の配向が
顕著となりボ−イング現象の発生など多様な加工法に適
用できないものであったり、架橋度により成形性に制限
が出たり、伸びの低下が生じたり、広範囲の架橋度での
特性が一定しない不満足な発泡体である。
はスリット、各種形状への打抜きなどの加工性、断熱
性、緩衝性に優れたポリエチレン系電子線架橋発泡体を
得ることができた。
印を結ぶ直線で示している)
Claims (6)
- 【請求項1】 電子線架橋G値が2〜10の高圧法低
密度ポリエチレン(A)と、電子線架橋G値が0.1〜
2のエチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンを共
重合した直鎖状低密度ポリエチレン(B)とを重量比
((A)/(B))0.3〜4で混合してなるポリエチ
レン系樹脂を、電子線架橋発泡させてなることを特徴と
するポリエチレン系電子線架橋発泡体。 - 【請求項2】 電子線架橋G値が3〜8の高圧法低密
度ポリエチレン(A)と、電子線架橋G値が0.3〜1
のエチレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンを共重
合した直鎖状低密度ポリエチレン(B)とを重量比
((A)/(B))0.4〜3.5で混合してなるポリ
エチレン系樹脂を、電子線架橋発泡させてなることを特
徴とするポリエチレン系電子線架橋発泡体。 - 【請求項3】 密度が0.915〜0.935g/c
m3、MFRが1〜10g/10分、電子線架橋G値が
2〜10の高圧法低密度ポリエチレン(A)と、密度が
0.920〜0.940g/cm3、MFRが2〜15
g/10分、電子線架橋G値が0.1〜2のエチレンと
炭素数が4〜12のα−オレフィンを共重合した直鎖状
低密度ポリエチレン(B)とを重量比((A)/
(B))0.3〜4で混合してなるポリエチレン系樹脂
を、電子線架橋発泡させてなることを特徴とするポリエ
チレン系電子線架橋発泡体。 - 【請求項4】 架橋度が15〜50%および/または
発泡倍率が5〜50倍であることを特徴とする請求項1
〜3のいずれか記載のポリエチレン系電子線架橋発泡
体。 - 【請求項5】 成形性(L/D)が0.3以上および
/またはボーイング係数Fが±0.25以下であること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のポリエチレ
ン系電子線架橋発泡体。 - 【請求項6】 発泡体の110℃下での熱収縮率比S
が1〜5であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
か記載のポリエチレン系電子線架橋発泡体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8024694A JP3346027B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | ポリエチレン系電子線架橋発泡体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP8024694A JP3346027B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | ポリエチレン系電子線架橋発泡体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07286059A JPH07286059A (ja) | 1995-10-31 |
JP3346027B2 true JP3346027B2 (ja) | 2002-11-18 |
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ID=13712970
Family Applications (1)
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JP8024694A Expired - Lifetime JP3346027B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | ポリエチレン系電子線架橋発泡体 |
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JP (1) | JP3346027B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100676939B1 (ko) * | 2005-09-06 | 2007-02-02 | 영보화학 주식회사 | 전자선 가교 열가소성 올레핀계 복합탄성체 폼을 제조하기 위한 조성물 및 이를 이용한 전자선 가교 열가소성 올레핀계 복합탄성체 폼 제조방법 |
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-
1994
- 1994-04-19 JP JP8024694A patent/JP3346027B2/ja not_active Expired - Lifetime
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