JP3064654B2 - 電子線架橋ポリエチレン系発泡体 - Google Patents
電子線架橋ポリエチレン系発泡体Info
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Description
ポリエチレン(A)と高密度ポリエチレン(B)との2
成分を含有するブレンドポリマからなる電子線架橋ポリ
エチレン発泡体に関する。さらに詳しくはお風呂マット
などの生活用品,パッキン,断熱材,パイプカバ−等の
産業資材に好適な剛性と耐熱性を改善され,かつ厚みム
ラの小さい電子線架橋ポリエチレン系発泡体に関する。
優れた断熱性,クッション性を有している反面,機械的
特性,特にみかけ密度が0.07g/cm3より小さく
なると,いわゆる剛性のない(腰のない)発泡体となり
加工上の種々の問題が生じ,また最近の加工工程の高速
化に対処できないという問題があった。
かだか80℃であり,それ以上の雰囲気温度での使用が
制限されたり,また発泡体の表面に溶剤系接着剤や水エ
マルジョン系接着剤を塗布した後の溶剤や水の除去のた
めの温度を高くすることができず,ひいては生産性の向
上を達成できないという問題点があった。4
程での欠点がなく優れた剛性と耐熱性を有し,かつ厚み
ムラの小さい電子線架橋ポリエチレン系発泡体を提供す
ることにある。
本的には、融点(Tm)115℃未満,密度0.930
g/cm3未満の低密度ポリエチレン(A)と融点(T
m)120℃以上,密度0.950g/cm3以上の高
密度ポリエチレン(B)とを必須成分とするブレンドポ
リマからなり,そのブレンド比(A/B)が重量比率で
1〜9の範囲内であり,かつゲル分率が8〜45%であ
る電子線架橋ポリエチレン系発泡体またはその製造方法
によって達成することができる。
(A)および高密度ポリエチレン(B)を必須成分とす
るブレンドポリマから構成される。これらの必須成分
(A)および(B)は発泡体を構成するブレンドポリマ
総量当り少なくとも90重量%を占めることが望まし
い。
レン(A)はTm115℃未満,密度0.930g/c
m3未満の特性を有する必要があり、これは従来からあ
る高圧法で重合することができる。ここでTmは示差走
査熱量計(DSC)によって検出される値である。この
低密度ポリエチレン(A)にプロピレン10重量%未満
の範囲を含有するエチレン・プロピレンランダム共重合
体であってもよい。
レン(B)は,Tm120℃以上,密度0.950g/
cm3以上の特性を有する必要があり、これはいわゆる
低圧法で重合することができる。
レン(A)と高密度ポリエチレン(B)のブレンドポリ
マはブレンド比(A/B)が重量比率で1〜9,好まし
くは1.5〜5.8の範囲内とすることに特徴がある。
ブレンド比(A/B)が1未満の場合は得られる発泡体
の剛性や耐熱性は良好であるが,ブレンドポリマの押出
機内での混練が困難になり,また押出機の口金(ダイ)
を経てブレンドポリマを成形する際には均一な厚みと平
滑な面状態を持つシ−トを得ることが困難であり,ひい
ては発泡体とした時の厚みムラが大きくなり好ましくな
い。
得られる発泡体の剛性が低く,かつ耐熱性の低いものし
か得られず好ましくない。
2種類のポリマを必須成分とするブレンドポリマが使用
されるが,好ましくは第3成分として直鎖状ポリエチレ
ン(C),特にその融点(Tm)が115〜135℃の
範囲内である直鎖状ポリエチレンをさらにブレンドする
ことが好ましい。
しては,炭素原子数4〜20のα−オレフィンとエチレ
ンからなり,0.1〜50g/10分のメルトフロ−レ
−ト(ASTM−D−1238)を有し,密度が0.9
15〜0.940g/cm3,Tmが115〜135℃
の直鎖状低密度ないし中密度ポリエチレンがあり,ここ
で前記共重合成分の炭素数4〜20のα−オレフィンと
しては,たとえば1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキ
セン,4−メチル−1−ペンテン,1−オクテンなどを
例示することができる。
レンド割合は前記低密度ポリエチレン(A)との比率で
(A)/(C)=10/90〜90/10重量部の範
囲、より好ましくは40/60〜85/25重量部の範
囲がよい。
8〜45%,好ましくは12〜40%の範囲がよく,こ
のゲル分率が8%より低いと発泡体を製造する際の高温
下でのシ−ト形態保持性が悪くなったり,あるいは発泡
ガスが逸散するため所望のみかけ密度を持つ発泡体を得
ることが困難であるばかりか,発泡体を得たとしても,
厚みムラが大きく好ましくない。また,ゲル分率が45
%を越える時は,発泡体を製造する際の高温下でのシ−
ト形態保持性は問題ないが,得られる発泡体の気泡径が
不均一であり,さらに厚みの均一な発泡体を得ることが
困難であり好ましくない。
ン系発泡体の製造法の一態様について説明する。
ポリエチレン(B)とからなるブレンドポリマ100部
に,公知の熱分解型発泡剤,例えばアゾジカルボンアミ
ド,ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどおよび必
要に応じて加熱によってラジカルを発生する架橋剤を混
合し,前記の発泡剤及び架橋剤が分解しない温度に保持
して,シ−ト状に成形する。このシ−ト成形に際して,
シ−トをロ−ル状に引き取る時のロ−ル温度は用いる高
密度ポリエチレン(B)のTmより25〜45℃低めに
設定すると,より均一な厚みを有するシ−トが得られ
る。この成形されたシ−ト状物を電離性放射線架橋法に
より8〜45%になるように架橋する。
気中またはソルト浴上で加熱され,成形品内部に含有さ
れる発泡剤を急激に分解させ発泡体に変換されるが,ソ
ルト浴上で発泡剤を加熱分解させる方が得られる発泡体
の剛性や耐熱性が向上するのでより好ましい。
明の発泡体の製造に使用する前記エチレン系樹脂組成物
にポリプロピレン,ポリブチレン,塩素化ポリエチレン
等各種ポリマを10重量部を上限として少量添加混合す
ることができ,必要に応じて,同様に本発明の目的を損
わない範囲で,滑剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,着色
剤,帯電防止剤,難燃剤,その他の各種添加剤を所望の
目的を達成し得る範囲内で添加することができる。
体には,その少なくとも1面にコロナ放電処理,コ−テ
ィングなどにより接着剤を付与し,ラミネ−ト加工し,
その加工性の向上を図ることができるし,プラスチック
フィルムやシ−ト,他の発泡体シ−トの発泡体シ−トや
金属箔を貼り合わせたり,押出ラミなどにより複合構造
を付与したりする,すなわち各種の加工技術を適用する
ことができる。
基づき,さらに具体的に説明する。なお,本発明におけ
る各種のパラメ−タ−の測定方法について説明する。
(DSC)を用いて,一旦,融解再結晶化させた後の融
解の吸熱ピ−ク温度を融点(Tm)とした。
たテトラリン中に3時間浸浸して溶解分を溶出させる。
次に不溶分を取りだし,アセトンでテトラリンを除去
し,さらに40℃の温水でアセトンを除去する。つい
で,100℃に加熱した真空乾燥器中で1時間乾燥した
後,不溶分の重量W1(g)を測定する。ゲル分率
(%)は次式によって算出する。
測定し,この重さを体積で割って単位体積当たりの重量
(g/cm3)で示した。
さ方向25mmのところまでを板状の架台に乗せ,もう
一方の端に曲げ角度が30゜になるように荷重をかけ
る。この時の荷重を曲げ荷重(g)で示した。この曲げ
荷重(g)の値が大きいほど剛性が大きく,値が小さい
ほど剛性が小さいといえる。
(L1)をつけた後,110℃の定温乾燥器に24時間
加熱して取り出した後室温に1時間放置し,その後刻印
間の長さを測定し(L2),寸法変化率(%)を算出し
た。
1 この寸法変化率(負記号は収縮を示す)のMD方向
(発泡体ロ−ルの長さ方向)の値が−8%,TD方向
(発泡体ロ−ルの幅方向)の値が−5%より収縮が大き
くなると、実質上本発明の効果が得られなくなる。
長さ方向,幅方向に各々10cm間隔に厚みを測定し,
(最大厚み−最小厚み)×100/平均厚みを算出し
て,次の判定基準にしたがって厚みムラ(%)とした。
剤としてアゾジカルボンアミド15重量部を添加して,
ヘンシェルミキサ−で均一に混合した後,溶融押出しを
して厚さ2.0mmの連続成形シ−トを得た。
(日新ハイボルテ−ジ株式会社製IR−2)で、種々の
異なったゲル分率のものが得られるように、3〜18M
radの範囲で電子線を照射して架橋せしめた。
に加熱されたソルト浴上に連続的に導き,発泡させ,連
続シ−ト状発泡体を得た。
7mm,みかけ密度が0.029〜0.045g/cm
3の範囲で得られた。結果を表1に示す。
びゲル分率を適正化したため,厚みムラ,剛性(曲げ角
度),耐熱性のいずれもが優れていた。
分のブレンド比やゲル分率のいずれかが本願発明の構成
を満たしていないため,得られた発泡体は,厚みムラ,
剛性(曲げ角度),耐熱性のいずれかが明らかに劣って
いた。
系発泡体は,低見掛密度から高見掛密度に亘るものま
で,優れた剛性と耐熱性を有しており,この特性を活か
して,各種のパッキン,粘着テ−プベ−ス,パイプカバ
−,マット基材等など,さらにその他の衣料用途,建材
用途,などの多くの用途に使用,展開することができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 融点(Tm)115℃未満,密度0.9
30g/cm3未満の低密度ポリエチレン(A)と、融
点(Tm)120℃以上,密度0.950g/cm3以
上の高密度ポリエチレン(B)とを必須成分とするブレ
ンドポリマからなり,そのブレンド比(A/B)が重量
比率で1〜9の範囲内であり,かつゲル分率が8〜45
%である電子線架橋ポリエチレン系発泡体。 - 【請求項2】 ブレンドポリマが融点(Tm)115〜
135℃を有する直鎖状ポリエチレン(C)を含有して
なる請求項1記載の電子線架橋ポリエチレン系発泡体。 - 【請求項3】 融点(Tm)115℃未満,密度0.9
30g/cm 3 未満の低密度ポリエチレン(A)と、融
点(Tm)120℃以上,密度0.950g/cm 3 以
上の高密度ポリエチレン(B)とを必須成分とするブレ
ンド比(A/B)が重量比率で1〜9の範囲内であるブ
レンドポリマからなる組成物を、電子線架橋し、発泡さ
せ、ゲル分率を8〜45%とすることを特徴とする電子
線架橋ポリエチレン系発泡体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8896492A JP3064654B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 電子線架橋ポリエチレン系発泡体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8896492A JP3064654B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 電子線架橋ポリエチレン系発泡体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287104A JPH05287104A (ja) | 1993-11-02 |
JP3064654B2 true JP3064654B2 (ja) | 2000-07-12 |
Family
ID=13957511
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8896492A Expired - Lifetime JP3064654B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | 電子線架橋ポリエチレン系発泡体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3064654B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4577701B2 (ja) * | 2000-04-03 | 2010-11-10 | 日本発條株式会社 | ゴム状オレフィン系軟質樹脂発泡シーリング材 |
JP5919841B2 (ja) * | 2012-01-27 | 2016-05-18 | 東レ株式会社 | 発泡体 |
-
1992
- 1992-04-09 JP JP8896492A patent/JP3064654B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05287104A (ja) | 1993-11-02 |
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