JPH07145259A - 均一な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents

均一な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法

Info

Publication number
JPH07145259A
JPH07145259A JP5291684A JP29168493A JPH07145259A JP H07145259 A JPH07145259 A JP H07145259A JP 5291684 A JP5291684 A JP 5291684A JP 29168493 A JP29168493 A JP 29168493A JP H07145259 A JPH07145259 A JP H07145259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foamed sheet
cross
median particle
sheet
linked
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5291684A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kato
健二 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP5291684A priority Critical patent/JPH07145259A/ja
Publication of JPH07145259A publication Critical patent/JPH07145259A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート又は表
皮材付き架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートを用い、
熱成形法により表面が平滑な発泡成形品を得ることので
きる均一な気泡を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡
シートの製造方法を提供する。 【構成】 熱分解型発泡剤及び架橋促進剤を含有するポ
リプロピレン系樹脂の発泡性シートを、電離性放射線又
は有機過酸化物により架橋させ加熱発泡させることによ
り、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートを製造する方
法において、熱分解型発泡剤として、メジアン粒径が1
5〜60μm で且つメジアン粒径±5μmの範囲の粒子
の占める割合が80%以上であるアゾジカルボンアミド
粉末、好ましくはメジアン粒径が20〜50μm で且つ
メジアン粒径±5μm の範囲の粒子の占める割合が95
%以上であるアゾジカルボンアミド粉末を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱成形性に優れた架
橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートに比べて、耐熱
性や機械的強度に優れ、例えば、自動車の天井材、ドア
内面材、インスツルメントパネル、クーラーカバーなど
の断熱緩衝材として使用されている。
【0003】この種の用途では、一般に、発泡シート
に、軟質プラスチックシートや布などの表皮材を貼合わ
せて表皮材付き発泡シートを作り、この表皮材付き発泡
シートを熱成形(真空成形、圧縮成形、ホットスタンピ
ング成形など)して、所望形状の成形品とされる。な
お、用途によっては、表皮材を貼合わせていない発泡シ
ートを用いて熱成形されることもある。
【0004】そのため、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡
シート或いは表皮材付きの架橋ポリプロピレン系樹脂発
泡シートには、熱成形性に優れたものが要求され、特
に、各種の熱成形法によって得られる成形品は、その表
面が平滑で外観が良好であることが要求される。
【0005】従来、この種の架橋ポリプロピレン系樹脂
発泡シートは、熱分解型発泡剤(主にアゾジカルボンア
ミド粉末)及び架橋促進剤とを含有するポリプロピレン
系樹脂の発泡性シートを、電離性放射線又は有機過酸化
物により架橋させ加熱発泡させることにより製造されて
いる。このような製造方法は、広く知られている(例え
ば、特公昭46−38716号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術で
得られる架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、熱成
形性において充分に満足すべきものではない。すなわ
ち、従来技術で得られる架橋ポリプロピレン系樹脂発泡
シートは、一般に、その気泡径が小さいものは約30μ
m 程度で、大きいものは500μm を超え、大小様々な
気泡径のものが含まれており、全体として気泡径は非常
に不均一である。
【0007】そして、このような発泡シートを、例え
ば、雄型と雌型とが重なり合うマッチドダイ方式の金型
を用いて所望形状に熱成形性すると、成形品の形状や厚
みに対応して金型にクリアランスの異なる部分があるた
め、発泡シートの受ける応力が場所により異なる。
【0008】そのため、発泡シートが部分的に押し潰さ
れ、発泡シートの表層で気泡が破れ、得られる発泡成形
品に表面荒れや表面凹凸が発生するという問題がある。
このような問題は、表皮材付き発泡シートを用いて熱成
形する場合にも同様に発生する。また、深絞り成形の場
合に発生しやすい。
【0009】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡シート或いは表皮材付き架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡シートを用い、熱成形法により表面が平滑な発泡
成形品を得ることのできる均一な気泡を有する架橋ポリ
オレフィン系樹脂発泡シートの製造方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題について種々
検討した。その結果、従来技術で得られる架橋ポリプロ
ピレン系樹脂発泡シートは、一般に、細かい気泡のもの
が比較的多く分布しており、このような細かい気泡の気
泡壁(セル)は比較的薄くてセル強度が弱く、そのた
め、発泡成形品の表面荒れや表面凹凸が発生するものと
推察された。
【0011】そこで、細かい気泡が多く生ぜずに、全体
として均一な気泡を有する発泡シートを得るために、樹
脂の種類、架橋度、発泡温度等について種々検討した。
しかし、気泡径を充分に均一に揃えることはできず、全
体として不均一になって、発泡成形品の表面荒れや表面
凹凸を防止することはできなかった。また、発泡シート
の製造も安定化しなかった。
【0012】さらに、種々検討した結果、熱分解型発泡
剤として、特定の粒度分布を有するアゾジカルボンアミ
ド粉末を用いると、上記の問題が解決できることを見出
した。
【0013】すなわち、この発明は、熱分解型発泡剤及
び架橋促進剤を含有するポリプロピレン系樹脂の発泡性
シートを、電離性放射線又は有機過酸化物により架橋さ
せ加熱発泡させることにより、架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡シートを製造する方法において、熱分解型発泡剤
として、メジアン粒径が15〜60μm で且つメジアン
粒径±5μm の範囲の粒子の占める割合が80%以上で
あるアゾジカルボンアミド粉末を用いるもので、それに
より、上記の目的を達成することができる。
【0014】この発明で用いるポリプロピレン系樹脂
は、プロピレンの単独重合体又はプロピレンを主成分と
する共重合体、或いはこれらの混合物のいずれでもよ
い。プロピレンの共重合体としては、例えば、エチレン
や1−ブテン等のαオレフィンを10重量%以下の範囲
で含有するプロピレン−αオレフィンブロック共重合体
又はランダム共重合体が例示される。このようなポリプ
ロピレン系樹脂は、一般に、メルトインデックス(M
I)が、0.4〜12のものが用いられ、好ましくは1
〜10のものが用いられる。
【0015】この発明では、上記のポリプロピレン系樹
脂に、ポリエチレン系樹脂を50重量%以下の範囲で配
合することができる。ポリエチレン系樹脂は、エチレン
の単独重合体又はエチレンを主成分とする共重合体、或
いはこれらの混合物のいずれでもよい。エチレン共重合
体としては、例えば、エチレンと、プロピレン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−ブテン、1−ペンテン等のαオレフィン共重合体が例
示される。このようなポリエチレン系樹脂は、一般に、
メルトインデックス(MI) が、2〜50のものが用い
られ、好ましくは3〜30のものが用いられる。
【0016】そして、上記のポリプロピレン系樹脂或い
はポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合
樹脂に、熱分解型発泡剤として、アゾジカルボンアミド
粉末が配合される。このアゾジカルボンアミドは、メジ
アン粒径が15〜60μm で且つメジアン粒径±5μm
の範囲の粒子の占める割合が80%以上である粉末を用
いることが必要である。その中でも、特に、メジアン粒
径が20〜50μm で且つメジアン粒径±5μm の範囲
の粒子の占める割合が95%以上であるアゾジカルボン
アミド粉末を用いるのが望ましい。
【0017】ここで、メジアン粒径とは、粒度分布の累
積曲線における中央累積値を意味し、50%粒径とも呼
ばれる。粒度分布の累積曲線は、市販のPARTICL
ESIZE ANALYZER(例えば、堀場製作所製
の光透過式自動粒度分布測定器 HORIBA LA−
700)により自動的に簡単に得ることができ、この累
積曲線に基づいてメジアン粒径が測定される。
【0018】また、メジアン粒径±5μm の範囲の粒子
の占める割合は、各粒子径(μm )とその頻度(%)の
関係を示す粒度分布表又は粒度分布曲線を作成し、メジ
アン粒径±5μm の範囲の粒子の頻度(%)を合計する
ことにより算出される値を意味する。この粒度分布表又
は粒度分布曲線も、上記市販のPARTICLE SI
ZE ANALYZERにより自動的に簡単に得ること
ができる。
【0019】アゾジカルボンアミド粉末の粒度を上記の
ように限定した理由は、アゾジカルボンアミドのメジア
ン粒径が、上記値よりも小さくなると、発泡性シートを
調製する際に、アゾジカルボンアミドの粉末が凝集した
り、初期分解を起こしたりして、得られる発泡シートの
気泡径が不均一となるからである。逆に、アゾジカルボ
ンアミドのメジアン粒径が、上記値よりも大きくなる
と、発泡性シートを加熱発泡させる際に、加熱温度を高
くしたり加熱時間を長くしたりせねばならず、得られる
発泡シートの表面がざらざらした感触の面荒れが生じ、
また気泡径も不均一となるからである。
【0020】また、メジアン粒径±5μm の範囲の粒子
の占める割合が上記値を下回るアゾジカルボンアミドを
用いると、アゾジカルボンアミドの粒度分布が広くなっ
て、気泡径が充分均一に揃った発泡シートが得られず、
熱成形法により充分に満足できる程に表面平滑な発泡成
形品を得ることができなくなるからである。
【0021】このような特定の粒径をもったアゾジカル
ボンアミド粉末は、例えば、通常の方法でアゾジカルボ
ンアミドを調製する際に、フィルター等により分級する
ことにより簡単に調製することができ、それ以外に特別
な処理を必要としない。
【0022】上記アゾジカルボンアミド粉末は、上記ポ
リプロピレン系樹脂或いはポリプロピレン系樹脂とポリ
エチレン系樹脂との混合樹脂100重量部に対して、一
般に、3〜30重量部の範囲で、所望の発泡倍率に応じ
て適当な量が配合される。
【0023】さらに、架橋助剤が配合される。この架橋
助剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルベ
ンゼン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、ト
リアリルイソシアヌレート、ポリエチレンジメタクリレ
ート、エチレングリコールメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート、1,2,4−ベンゼントリカル
ボン酸トリアリルエステル等の多官能モノマーが例示さ
れる。
【0024】これらの架橋助剤は、上記のポリプロピレ
ン系樹脂或いはポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系
樹脂との混合樹脂100重量部に対して、一般に、0.
1〜10重量部、好ましくは0.3〜8重量部の範囲で
配合される。
【0025】また、発泡シートの架橋を有機過酸化物に
より行う場合は、さらに、有機過酸化物が配合される。
発泡シートの架橋を電離放射線で行う場合は、これ等の
有機過酸化物は必要でない。有機過酸化物としては、分
解温度が約150℃以上のものが好適で、例えば、ジク
ミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート等が例
示される。
【0026】これ等の有機過酸化物は、上記のポリプロ
ピレン系樹脂或いはポリプロピレン系樹脂とポリエチレ
ン系樹脂との混合樹脂100重量部に対して、一般に、
0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量
部の範囲で、所望の架橋度に応じて、適当な量が配合さ
れる。
【0027】こうして、発泡性のポリオレフィン系樹脂
組成物が調製される。この樹脂組成物には、さらに、必
要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、帯電防止
剤、難燃性剤、気泡核形成剤、その他の添加剤を配合す
ることができる。
【0028】そして、発泡性のポリオレフィン系樹脂組
成物は、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダーミキサー、ロール等の汎用の混練装置を用
いて、アゾジカルボンアミドの分解温度(約200℃)
未満の温度、例えば、150〜180℃で溶融混練され
シート状に成形される。なお、樹脂組成物中に有機過酸
化物が配合されている場合は、樹脂組成物の溶融混練は
有機過酸化物が実質的に分解しない温度で行われる。
【0029】こうして得られる発泡性シートは、電離性
放射線又は有機過酸化物により架橋される。電離性放射
線により架橋させる場合は、この発泡性シートに電離性
放射線が照射され、それにより発泡性シート中の樹脂の
架橋が行われる。電離性放射線としては、高エネルギー
の電子線をはじめ、α線、β線、γ線などが使用され
る。照射線量は、架橋度(ゲル分率)が20〜80重量
%、好ましくは30〜60重量%となるように、一般
に、1〜20Mradの範囲で照射される。
【0030】発泡性シートを有機過酸化物により架橋さ
せる場合は、有機過酸化物が配合されている発泡性シー
トを有機過酸化物の分解温度以上に加熱することによ
り、発泡性シート中の樹脂の架橋が行われる。この場合
も、架橋度(ゲル分率)が20〜80重量%、好ましく
は30〜60重量%となるように、有機過酸化物の配合
量が調節される。
【0031】このようにして架橋された発泡性シート
は、樹脂の溶融温度以上、好ましくは200〜300℃
の発泡温度(雰囲気温度又は浴液温度)で約0.5〜5
分間程度加熱して発泡させる。なお、発泡性シートを有
機過酸化物により架橋させる場合は、この有機過酸化物
により架橋させながら発泡させることができる。
【0032】発泡方法は、通常行われる公知の方法、例
えば、熱風、赤外線、熱風と赤外線の併用による発泡
炉、メタルバス、オイルバス等の発泡浴による加熱発泡
法が採用され、発泡性シートの性質に応じて適宜発泡条
件が選択される。こうして、気泡径が比較的大きく且つ
均一で、表面状態の良好な架橋ポリプロピレン系樹脂発
泡シートが製造される。
【0033】製造された架橋ポリプロピレン系樹脂発泡
シートは、通常、この発泡シートに表皮材を貼り合わせ
て使用される。表皮材としては、ポリエステル系、ポリ
アミド系、アクリル系等の合成繊維やセルロース系等の
天然繊維からなる布、塩化ビニル系、熱可塑性エラスト
マー等の合成樹脂フイルムが用いられ、これ等の表皮材
は、接着剤法、熱ラミ法、押出ラミ法等により、上記発
泡シートに積層接着される。
【0034】このような表皮材付き発泡シートは、真空
成形、圧縮成形、ホットスタンピング成形などの各種熱
成形法により、所望の成形品に成形される。なお、用途
によっては、表皮材の付いていない発泡シートが用いら
れ、このような発泡シートも上記と同様な熱成形法によ
り、所望の成形品に成形される。
【0035】
【作用】架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造に
は、熱分解型発泡剤として、従来よりアゾジカルボンア
ミド粉末が主に用いられている。この場合、アゾジカル
ボンアミド粉末は、市販のものがそのまま用いられてお
り、この市販のものはそのメジアン粒径は25μm より
小さく、また平均粒径も19μm より小さく、微細な粒
子も多く含まれている。このようなアゾジカルボンアミ
ド粉末を用いると、細かい気泡のものが比較的多く分布
した発泡シートが得られ、全体として気泡壁(セル)は
比較的薄くなる。また、充分に均一な気泡のものは得ら
れない。
【0036】この発明のように、メジアン粒径が15〜
60μm で且つメジアン粒径±5μm の範囲の粒子の占
める割合が80%以上、好ましくはメジアン粒径が20
〜50μm で且つメジアン粒径±5μm の範囲の粒子の
占める割合が95%以上占めるアゾジカルボンアミド粉
末を用いると、細かい気泡は生ぜず、しかも充分に均一
な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートが
得られ、全体として気泡壁(セル)も比較的厚くなり、
それにより、発泡シートの熱成形性が向上するものと推
察される。
【0037】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を説明す
る。
【0038】実施例1 架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造 ポリプロピレン系樹脂(MI1.8、エチレン含量3.
6重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体)6
0重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.920
g/cm3 、MI18)40重量%とからなる樹脂混合物
100重量部に、アゾジカルボンアミド粉末(メジアン
粒径24.3μm 、メジアン粒径±5μm の範囲の粒子
の占める割合は96.5%)10重量部、ジビニルベン
ゼン3重量部、フェノール系酸化防止剤1.0重量部を
混合し、アゾジカルボンアミドの分解温度以下の温度
で、120mmΦ単軸押出機を用いてシート状に成形し、
厚さ1.5mmの発泡性シートを得た。
【0039】なお、アゾジカルボンアミド粉末のメジア
ン粒径及びメジアン粒径±5μm の範囲の粒子の占める
割合は、PARTICLE SIZE ANALYZE
R(堀場製作所製の光透過式自動粒度分布測定器 HO
RIBA LA−700)を用いて測定した。
【0040】この発泡性シートに、高エネルギー(80
0kV)の電子線を2.5Mrad照射して樹脂を架橋
させ、架橋発泡性シートを得た。その後、この架橋発泡
性シートを280℃の熱風式縦型発泡炉に導入して樹脂
を発泡させて、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートを
製造した。架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの性能試験 得られた架橋発泡シートの厚さは3.5mm、密度は0.
039g/cm3 であった。また、平均気泡径は380μ
m 、気泡径分布において、全体の80%を占める気泡径
の範囲は210〜330μm であり、充分に均一な気泡
を有することが確認された。
【0041】なお、平均気泡径は、架橋発泡性シートの
断面を電子顕微鏡で50倍に拡大して写真撮影し、一つ
の気泡の最大断面径を測定し、その近辺の気泡100個
を測定し、このように測定した気泡100個のデーター
に基づいて測定した。また、気泡径分布において、全体
の80%を占める粒子径の範囲は、上記方法で測定され
た気泡100個のデーターから、細かい方の気泡径15
個のデーター及び粗い方の気泡径5個のデーターを除
き、残り80個(全体の80%)のデーターの最小気泡
径〜最大気泡径で示した。
【0042】また、上記架橋発泡シート(厚さ2.5m
m)の片面に、表皮材として軟質塩化ビニル樹脂シート
(厚さ0.4mm)をウレタン系接着剤を用いて貼り合わ
せ、これを幅25mmの短冊状に裁断し、引張試験機(オ
リエンテック社製のテンシロン)を用い、架橋発泡シー
トと表皮材とを引張り速度200mm/分で剥離し、剥離
強度を測定した。この場合、架橋発泡シートの表面部分
が破れて剥離し、その剥離強度は、縦2.41 kg/2
5mm幅、横2.98 kg/25mm幅であった。
【0043】さらに、図1に側面図で示すように、上型
11と下型12とからなる細長の試験用金型(剪断金
型)10を用い、この金型のクリアランス(矢印で示す
隙間)を、1.5mmにそれぞれ設定し、上型11と下型
12との間に、加熱された表皮材付き架橋発泡シート2
0をクランプ30で水平に保持し、上型11と下型12
とにより加熱された表皮材付き架橋発泡シート20を圧
縮成形し、その成形性を評価した。
【0044】なお、上記の表皮材付き架橋発泡シート2
0の加熱は、表皮材21側の表面を150℃に加熱し、
その反対側の架橋発泡シート22側の表面を190℃に
加熱することにより行った。この圧縮成形試験は10回
行い、成形性の評価結果は、得られた成形品の表面(表
皮材側の表面)に、ふくれの発生しない回数で示した。
その結果、10回中で10回ともふくれは発生せず(こ
れを10/10で示す)、表面は平滑で良好であった。
以上の結果をまとめて表1に示す。
【0045】実施例2及び比較例1、2 実施例1において、アゾジカルボンアミド粉末のメジア
ン粒径及びメジアン粒径±5μm の範囲の粒子の占める
割合を、表1に示すように変え、それ以外は実施例1と
同様にして架橋発泡シートを製造し、得られた架橋発泡
シーの性能試験を行った。その結果をまとめて表1に示
す。
【0046】なお、実施例2で用いたアゾジカルボンア
ミド粉末は、実施例1に比べてメジアン粒径の大きいも
のである。また、比較例1で用いたアゾジカルボンアミ
ド粉末は、従来より市販されている大塚化学製のユニホ
ームAZ−HMである。また、比較例2で用いたアゾジ
カルボンアミド粉末は、比較例1に比べてメジアン粒径
の大きいものである。
【0047】比較例2に見られるように、アゾジカルボ
ンアミド粉末のメジアン粒径を比較例1の従来品のメジ
アン粒径より大きくすると、成形性は改善されるが、そ
れだけではまだ充分ではない。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】上述の通り、この発明は、熱分解型発泡
剤及架橋促進剤とを含有するポリプロピレン系樹脂の発
泡性シートを、電離性放射線又は有機過酸化物により架
橋させ加熱発泡させることにより、架橋ポリプロピレン
系樹脂発泡シートを製造する方法において、熱分解型発
泡剤として、メジアン粒径が15〜60μm で且つメジ
アン粒径±5μm の範囲の粒子が80%以上を占めるア
ゾジカルボンアミド粉末を用いるもので、それにより、
充分に均一な気泡を有する架橋発泡シートが得られ、熱
成形の際に、表面荒れや表面凹凸のない表面平滑な発泡
成形品を得ることができる。
【0050】したがって、この発明により得られる架橋
ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、特に、この発泡シ
ートに表皮材を貼り合わせ、この表皮材付き発泡シート
を用いて熱成形(真空成形、圧縮成形、ホットスタンピ
ング成形など)される用途、例えば、自動車の天井、ド
ア内面材、インスツルメントパネル、クーラーカバー等
の断熱緩衝材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】表皮材付き架橋発泡シートの成形試験の概要を
示す側面図である。
【符号の説明】
10 試験用金型 11 上型 12 下型 20 表皮材付き架橋発泡シート 21 表皮材 22 架橋発泡シート 30 クランプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解型発泡剤及び架橋促進剤を含有す
    るポリプロピレン系樹脂の発泡性シートを、電離性放射
    線又は有機過酸化物により架橋させ加熱発泡させること
    により、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートを製造す
    る方法において、熱分解型発泡剤として、メジアン粒径
    が15〜60μm で且つメジアン粒径±5μm の範囲の
    粒子の占める割合が80%以上であるアゾジカルボンア
    ミド粉末を用いることを特徴とする均一な気泡を有する
    架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法。
JP5291684A 1993-11-22 1993-11-22 均一な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法 Pending JPH07145259A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5291684A JPH07145259A (ja) 1993-11-22 1993-11-22 均一な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5291684A JPH07145259A (ja) 1993-11-22 1993-11-22 均一な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07145259A true JPH07145259A (ja) 1995-06-06

Family

ID=17772079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5291684A Pending JPH07145259A (ja) 1993-11-22 1993-11-22 均一な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07145259A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5605483B1 (ja) * 2013-09-26 2014-10-15 大日本印刷株式会社 積層シート及び発泡積層シート並びにそれらの製造方法
US9260577B2 (en) 2009-07-14 2016-02-16 Toray Plastics (America), Inc. Crosslinked polyolefin foam sheet with exceptional softness, haptics, moldability, thermal stability and shear strength
WO2021065916A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 積水化学工業株式会社 架橋ポリオレフィン樹脂発泡体、粘着テープ、積層体、成形体及び表示部材
JP2021054900A (ja) * 2019-09-27 2021-04-08 積水化学工業株式会社 ポリオレフィン系樹脂発泡体シート、及びその製造方法
CN114514270A (zh) * 2019-09-24 2022-05-17 积水化学工业株式会社 透光性发泡体组合物和方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9260577B2 (en) 2009-07-14 2016-02-16 Toray Plastics (America), Inc. Crosslinked polyolefin foam sheet with exceptional softness, haptics, moldability, thermal stability and shear strength
US10301447B2 (en) 2009-07-14 2019-05-28 Toray Plastics (America), Inc. Crosslinked polyolefin foam sheet with exceptional softness, haptics, moldability, thermal stability and shear strength
JP5605483B1 (ja) * 2013-09-26 2014-10-15 大日本印刷株式会社 積層シート及び発泡積層シート並びにそれらの製造方法
CN114514270A (zh) * 2019-09-24 2022-05-17 积水化学工业株式会社 透光性发泡体组合物和方法
JP2021054900A (ja) * 2019-09-27 2021-04-08 積水化学工業株式会社 ポリオレフィン系樹脂発泡体シート、及びその製造方法
WO2021065916A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 積水化学工業株式会社 架橋ポリオレフィン樹脂発泡体、粘着テープ、積層体、成形体及び表示部材
CN114466890A (zh) * 2019-09-30 2022-05-10 积水化学工业株式会社 交联聚烯烃树脂发泡体、粘合带、叠层体、成型体及显示构件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3297253B2 (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体、積層体及び成形体
JPH07145259A (ja) 均一な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法
JP3311106B2 (ja) 架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法
US20040122120A1 (en) Crosslinked polyolefin-based resin foam, process for producing the same, and interior material for automobiles
JP3078089B2 (ja) 車輌用内装成型品
JP2003105117A (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP3152719B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体
JPH07102100A (ja) 架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法
JP2914839B2 (ja) 積層複合体
JP3308724B2 (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP3279456B2 (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP2663559B2 (ja) 放射線架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法
JP3352522B2 (ja) ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体及び該発泡体の製造方法
JP3308737B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物及び架橋オレフィン系樹脂発泡体
JP3257897B2 (ja) 発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物及び架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JPS5962643A (ja) 合成樹脂架橋発泡体
JP2853955B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物
JP2983304B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体
JP3267397B2 (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法
JPH08104765A (ja) 成形性に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP2851509B2 (ja) 発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物
JP2006070206A (ja) ポリオレフィン系樹脂架橋発泡シート
JPH07224182A (ja) ポリオレフィン架橋発泡体の製造方法
JP2014109013A (ja) 樹脂発泡体
JPH10139912A (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法