JP3352522B2 - ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体及び該発泡体の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体及び該発泡体の製造方法

Info

Publication number
JP3352522B2
JP3352522B2 JP1538194A JP1538194A JP3352522B2 JP 3352522 B2 JP3352522 B2 JP 3352522B2 JP 1538194 A JP1538194 A JP 1538194A JP 1538194 A JP1538194 A JP 1538194A JP 3352522 B2 JP3352522 B2 JP 3352522B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
polyolefin
foam
polyethylene
polypropylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP1538194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07224183A (ja
Inventor
謙治 居内
眞男 小笠
晃一 柴山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=11887188&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3352522(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP1538194A priority Critical patent/JP3352522B2/ja
Publication of JPH07224183A publication Critical patent/JPH07224183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3352522B2 publication Critical patent/JP3352522B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Ceased legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐熱性、二次加工性
に優れ、特に表皮材等との積層に好適なポリオレフィン
系架橋樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂の発泡体は、一般
的に柔軟性、断熱性に優れており、従来より、天井、ド
アー、インストルメントパネル等の車両内装材として用
いられている。これらの内装材は、主にポリオレフィン
系樹脂発泡体に、塩化ビニル系樹脂シート、熱可塑性エ
ラストマーシート、布状物、皮革等の表皮材が積層さ
れ、真空成形や圧縮成形等の二次加工によって所定の形
状に成形されている。
【0003】この二次加工の際の成形温度は160℃程
度となることが多く、また、発泡体の耐熱性、伸び等の
物性が不十分であると、発泡体が破断したりし、その結
果、表皮材の剥離が起こり、積層体に表面の膨れ、皺等
が生じ易かった。
【0004】このような問題点に関し、ポリオレフィン
系架橋樹脂発泡体の耐熱性を向上させるため、ポリプロ
ピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合した樹脂を
用いることが試みられており、また、発泡体の好ましい
架橋を実現させるため、特定の架橋助剤を選択すること
(例えば、特公昭46−38716号公報、特公昭58
−57542号公報)、架橋量を特定なものとすること
(特公昭63−1977号公報)等の試みがなされてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、架橋反応を
行わせる際に用いられている架橋助剤は、各樹脂成分に
対する相溶性がそれぞれ異なるため、架橋助剤の各樹脂
への分散が異なる。そのため、各樹脂成分の架橋度が異
なってきて、発泡体中の各樹脂の分散状態を所望のもの
とすることが困難であった。その結果、従来得られた発
泡体では、ポリエチレンが部分的に連続相となったり、
また、ポリエチレンが巨大化したり、不均一な分散とな
っていた。
【0006】この発明は、上記の点に鑑み、耐熱性に優
れ、高温時での良好な伸びを示し、例えば表皮材等と積
層したものの二次加工性のよいポリオレフィン架橋発泡
体の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のポリオレフィ
ン系架橋樹脂発泡体は、ポリプロピレン系樹脂とポリエ
チレン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂に多官能モ
ノマー及び有機系熱分解型発泡剤を混和させてなる樹脂
組成物を、有機系熱分解型発泡剤を分解させることなく
成形し、この成形された成形体に電離性放射線を照射し
て架橋反応を行わしめ、この架橋された成形体を発泡剤
が分解するに十分な高温雰囲気中で発泡反応を行って得
たポリオレフィン架橋樹脂発泡体であって、該ポリオレ
フィン系架橋樹脂発泡体は、任意の切断面において、ポ
リプロピレン系樹脂が連続相、ポリエチレン系樹脂が分
散相であって、該分散相の平均面積が1.8μm 2 以下
であることを特徴とするものである。
【0008】請求項2記載のポリオレフィン系架橋樹脂
発泡体の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチ
レン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂に多官能モノ
マー及び有機系熱分解型発泡剤を混和させてなる樹脂組
成物を、有機系熱分解型発泡剤を分解させることなく成
形し、この成形された成形体に、次式(1)及び(2)
を満足する照射量の電離性放射線を照射して架橋反応を
行わしめ、この架橋された成形体を発泡剤が分解するに
十分な高温雰囲気中で発泡反応を行うことにより、上記
のポリオレフィン系架橋樹脂発泡体を得る方法である。5.5< A+B<6.5 …………(1)6.0< A×B<7.5 …………(2) (但し、Aは多官能モノマーのポリオレフィン系樹脂1
00重量部に対する混和量:重量部、Bは電離性放射線
の照射量:Mradである。)
【0009】また、請求項3記載のポリオレフィン系架
橋樹脂発泡体の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂とし
てポリプロピレン系樹脂45〜95重量%とポリエチレ
ン系樹脂55〜5重量%との混合物を用い、これに多官
能モノマーとしてビニル基、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基またはアリル基を分子内に2個以上有する多官
能モノマーの一種もしくは二種以上と有機系熱分解型発
泡剤を混和させてなる樹脂組成物を、有機系熱分解型発
泡剤を分解させることなく成形し、この成形された成形
体に、電離性放射線を上記と同じ照射量で照射して架橋
反応を行わしめ、この架橋された成形体を発泡剤が分解
するに十分な高温雰囲気中で発泡反応を行うことによ
り、上記のポリオレフィン系架橋樹脂発泡体を得る方法
である。
【0010】上記のポリプロピレン系樹脂は、プロピレ
ン単独重合体、プロピレンを主成分とする共重合体であ
って、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを主成分と
するプロピレン−エチレン共重合体、プロピレンを主成
分とするプロピレン−プロピレン以外のα−オレフィン
共重合体があげられる。プロピレン以外のα−オレフィ
ンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オ
クテン等があげられる。これらのポリプロピレン系樹脂
は、メルトインデックスが0.3〜8(g/10分)で
あることが好ましく、より好ましくは0.5〜5であ
る。ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスが0.
3未満であると押出が困難となり、8を超えると耐熱性
が不十分となる等の問題が生ずるからである。
【0011】ポリエチレン系樹脂は、エチレン単独重合
体、エチレンを主成分とする共重合体であって、例えば
ポリエチレン、エチレンを主成分とするエチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル類、酢
酸ビニル等との共重合体である。なお、α−オレフィン
としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン等があげられる。これらのポリエチレ
ン系樹脂は、メルトインデックスが2〜25(g/10
分)であることが好ましく、より好ましくは5〜20で
ある。ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスが2未
満であると、ポリプロピレン系樹脂との相溶性が悪くな
って樹脂の分散構造が所望のものとならず、25を超え
ると耐熱性が不十分となる等の問題が生ずるからであ
る。
【0012】この発明においては、ポリオレフィン系樹
脂は、ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂とか
らなるものであるが、ポリプロピレン系樹脂の含有比率
が高すぎると、発泡体は必要以上に硬いものとなり、逆
に低すぎると発泡体の強度や耐熱性が失われたり、また
発泡体中における樹脂の分散状態が所望のものとならな
いので、ポリプロピレン系樹脂の含有比率が45〜95
重量%でポリエチレン系樹脂の含有比率が55〜5重量
%であることが必要である。さらに好ましいのは、ポリ
プロピレン系樹脂の含有比率が50〜80重量%でポリ
エチレン系樹脂の含有比率が50〜20重量%である。
【0013】有機系熱分解型発泡剤としては、例えば、
アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンス
ルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンス
ルホニルヒドラジド)等があげられる。これらの発泡体
は単独で用いてもよいし、併用することもできる。この
熱分解型発泡剤の混和量は特に限定されないが、通常ポ
リオレフィン系樹脂の総量100重量部に対して1〜5
0重量部である。
【0014】多官能モノマーとしては、ビニル基、アク
リロイル基、メタクリロイル基またはアリル基を分子内
に2個以上有する多官能モノマーが特に好適に用いられ
る。このような多官能モノマーの具体例としては、ジビ
ニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9
−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメリッ
ト酸トリアリルエステル、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、シアノエチルアクリレート、ビス(4−アクリロキ
シポリエトキシフェニル)プロパン等があげられる。こ
れらの多官能モノマーは単独で使用される他、二種以上
を組み合わせて使用できる。
【0015】多官能モノマーの混和量は特に限定されな
いが、通常ポリオレフィン系樹脂の総量100重量部に
対して0.5〜30重量部、より好ましくは1〜15重
量部である。0.5重量部未満であると発泡させるに十
分な架橋度が得られないし、30重量部を超えると、組
成物表面へのブリード等の問題が生ずるからである。
【0016】ポリオレフィン系樹脂には、得られる発泡
体の特性を損なわない範囲に、塩化ビニル系樹脂等の熱
可塑性樹脂、過酸化ベンゾイルで例示される樹脂架橋の
ためのラジカル発生剤、フェノール系、リン系、アミン
系、硫黄系等の抗酸化剤、金属害防止剤、難燃剤、充填
剤、帯電防止剤、顔料等を混和することができる。
【0017】この発明においては、上記の樹脂組成物を
熱分解型発泡剤が分解しない温度で混練し、板状、シー
ト状、管状等所定の形状に成形するが、この成形方法と
しては押出成形やその他の成形方法があげられる。樹脂
組成物の混練成形装置としては、単軸押出機、2軸押出
機、バンバリーミキサー、ロール等従来の装置が用いら
れる。
【0018】この発明においては、未発泡状態の成形体
に対して、電離性放射線を照射して架橋反応を行わせる
が、電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線
等があげられる。この電離性放射線の照射線量は、通常
1〜20Mradであることが好ましい。より好ましく
は1〜6Mradである。照射線量が1Mrad未満で
あると、架橋度が低すぎて強度が不足したりして十分な
発泡倍率の発泡体が得られず、逆に20Mradを超え
るような高い線量であると得られる発泡体は必要以上に
硬いものとなり、柔軟性が失われるからである。
【0019】この発明のポリオレフィン系架橋樹脂発泡
体を得るのに好ましい架橋条件としては、多官能モノマ
ーの混和量がA(重量部、ポリオレフィン系樹脂の総量
100重量部に対して)であるとき、次式(1)及び
(2)を満足するような電離性放射線量B(Mrad)
を照射する。5.5< A+B<6.5 ……………(1)6.0< A×B<7.5 ……………(2) A+Bの値が、5.5以下であると、得られる発泡体の
架橋度が不足して十分な耐熱性、強度のものが得られ
、6.5以上であると架橋した成形体が必要以上に硬
くなるからである。また、A×Bの値が、6.0以下
あると得られる発泡体の架橋度が不足して十分な耐熱
性、強度のものが得られず、7.5以上であると架橋し
た成形体が必要以上に硬くなり、発泡体の樹脂の分散構
造を所望のものにすることが困難となるからである。
【0020】上記したとおりの樹脂分散構造のポリオレ
フィン系架橋樹脂発泡体を得るためには、樹脂組成物を
混練して成形する際の混練温度におけるポリプロピレン
系樹脂とポリエチレン系樹脂樹脂の溶融粘度を一致させ
るか、もしくはより近づけるのがよい。具体的には、混
練温度におけるこれらの樹脂の溶融粘度の比を3倍以内
にすることが好ましく、より好ましくは2倍以内とす
る。ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂樹脂の
溶融粘度の比が3倍を超えると、樹脂の分散構造が不均
一になり、分散粒子における巨大相の割合が多くなって
不適当となるからである。
【0021】こうして架橋した成形体の発泡は、発泡体
を熱分解させることにより発泡させるものであるが、そ
の方法としては、加熱炉に供給して加熱発泡させる方
法、加熱ロールにて加熱して発泡させる方法等の常圧下
での発泡方法、発泡型内で加熱して発泡させる方法等が
あげられる。
【0022】この発明のポリオレフィン系架橋樹脂発泡
体の用途の一つとして、表皮材と積層され、二次加工に
より所定の形状に成形された、天井、ドアー、インスト
ルメントパネル等の車両内装材があげられる。この表皮
材としては、従来から用いられた表皮材が使用でき、例
えば塩化ビニル系樹脂シート、熱可塑性エラストマーシ
ート、天然、人造の布状物、レザー等があげられる。こ
れらの表皮材は、発泡体に接着剤によって接着された
り、熱ラミネートにより熱融着されて積層させられる。
この積層の際、発泡体の表面にコロナ放電処理を行う等
の表面処理を行い、表皮材との接着性をさらに向上させ
ることができる。
【0023】
【作用】ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂と
は互いに非相溶性であり、両者を均一に混合するのは困
難であり、これを混練して混練体(アロイ)としたもの
は、連続相(海相)と非連続相(島相)からなる、いわ
ゆる海島構造、もしくは両相が連続相である海海構造を
とる。そして、ポリプロピレン系樹脂はポリエチレン系
樹脂に比して高融点であり、高温時の伸び、強度等の物
性が優れているため、ポリプロピレン系樹脂とポリエチ
レン系樹脂との混合樹脂から製した発泡体を、二次加工
時の高温で発泡体を延伸させた場合の破断は、主にポリ
エチレン系樹脂の部分で起こるものと考えられる。
【0024】この発明のポリオレフィン系架橋樹脂発泡
体は、その任意の切断面において、ポリプロピレン系樹
脂が連続相、ポリエチレン系樹脂が分散相であって、こ
の分散相の平均面積は1.8μm 2 以下と、ポリエチレ
ン系樹脂が細かく分散し非連続状態となっており、その
結果、混練体(アロイ)の高温時の物性は、主としてポ
リプロピレン系樹脂樹脂に依存するので良好となる。し
たがって、得られた発泡体は、二次加工の際の高温時に
おいても連続相のポリプロピレン系樹脂が延伸される結
果、破断したりすることがなく、発泡体の膨れ、破れ等
が生じない。
【0025】よって、この発明のポリオレフィン系架橋
樹脂発泡体に表皮材を積層する等した積層体は、大きな
剪断力を受ける真空成形や圧縮成形等の二次加工の際に
も、二次加工品の表面にふくれが生じたり、表皮材が剥
離したりする等の不具合がなく、複雑で深い形状の外観
良好なものに二次加工することができる。
【0026】また、この成形された成形体に、上記した
とおりの照射条件で電離性放射線を照射して架橋反応を
行わしめることにより、ポリプロピレン系樹脂が連続
相、ポリエチレン系樹脂が分散相となり、任意の切断面
において、分散相の平均面積が1.8μm 2 以下となる
ような発泡体が容易に製造される。
【0027】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。 (実施例1) 表1に示すとおり、ポリプロピレン(メルトインデック
ス0.5)70重量部、ポリエチレン(メルトインデッ
ス18)30重量部に、発泡剤としてアゾジカルボン
アミド13重量部、多官能モノマーとしてトリメリット
酸トリアリルエステル4.0重量部、酸化防止剤として
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部
及びジラウリルチオプロピオネート0.3重量部、金属
害防止剤としてメチルベンゾトリアゾール0.5重量部
を混和した樹脂組成物を、二軸押出機を用いて190℃
の温度で押出し、厚さ1mmのシートを得た。
【0028】このシートに、電子線1.5Mradを照
射して架橋シートを得た。この架橋シートを250℃の
オーブンに5分間入れ、荷重をかけずに自由発泡させ、
見かけ密度0.050g/cm3、厚さ3.2mmの発
泡体を得た。
【0029】得られた発泡体のゲル分率は、表1に示す
とおりであった。このゲル分率は架橋度を示すものであ
り、発泡体の120℃におけるキシレン抽出残分値
(%)で示されるが、発泡体0.1g程度を秤取してそ
の気泡を潰し、温度120℃のキシレン50ミリリット
ル中で24時間保持した後、200メッシュの金網を透
過させた残存物の乾燥重量(g)を量り、次式により算
出した。 ゲル分率(%)=〔残存物乾燥重量(g)/秤取重量
(g)〕×100
【0030】一方、得られた発泡体をRuO4 によって
染色し、透過型電子顕微鏡写真撮影を行い、画像解析法
によりポリエチレン系樹脂の分散状態を数値化し、分散
相の平均面積を求めた。この結果は表1に示すとおりで
あった。
【0031】また、発泡体を、オリエンテック社製テン
シロン(形式UCD−500)用い、JIS K676
7に準拠し、160℃で引っ張り、破断時の最大伸び率
(%)を測定した
【0032】また、得られた発泡シートの表面にコロナ
放電処理を行い、この表面処理面に塩化ビニル樹脂にA
BS樹脂を混和してなる市販の耐衝撃性タイプの塩化ビ
ニル系樹脂シート(厚さ0.65mm)をポリエステル
系接着剤を用いて貼り合わせて積層体を得た。
【0033】この積層体について、真空成形を行って真
空成形性及び外観を評価した。その結果は表1に示すと
おりであった。真空成形性は、遠赤外線ヒーターで積層
体の発泡体の表面温度が150〜160℃となるように
加熱し、これを円柱状窪み(直径:100mm、深さ:
10mmから150mmまで10mm刻み)を持つ金型
を用いて真空成形を行い、破断しない最大深さHmmを
求め、直径D(100mm)との比(H/D)で表し
た。このH/D値が大きい程真空成形性がよいことにな
る。外観は真空成形したものについて、目視によりヤブ
レ、フクレ、ヘコミ、表面荒さ等が一箇所でも見られた
場合×とし、いずれもない場合を○として評価した。
【0034】(実施例2、比較例1〜6) ポリプロピレンとポリエチレンと配合比率、多官能モノ
マー、電子線の照射線量を表1に示すとおりとしたこと
以外は、実施例1と同様にして、樹脂シート、発泡シー
ト、積層体を得た。得られた発泡体のゲル分率、樹脂の
分散状態(分散相平均面積、ポリエチレンが分散相のケ
ースのみ測定)、を実施例1と同様にして測定した。ま
た、得られた積層体の外観、真空成形性の評価を実施例
1と同様にして行った。これらの結果は表1に示すとお
りであった。
【0035】
【表1】
【0036】以上の結果から明らかなように、実施例
1、2により得られた発泡体を用いた積層体は、H/D
(真空成形性)が1.2以上で外観が良好であるのに対
し、比較例1〜6の発泡体は、H/D(真空成形性)
1.2未満と劣り、H/Dが0.5以下である比較例3
〜6については、いずれの場合も外観不良であった。
【0037】
【発明の効果】この発明のポリオレフィン系架橋樹脂発
泡体は、耐熱性や伸び率等の物性に優れていることか
ら、真空成形性等の二次加工性に優れており、ヤブレ、
フクレ、ヘコミ、表面荒さ等のない外観良好な二次加工
体が容易に得られる。また、このポリオレフィン系架橋
樹脂発泡体に表皮材が積層体は、160℃程度の高温に
おける深絞り成形が可能となり、種々の形態の製品が提
供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/06 C08L 23/04,23/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系
    樹脂からなるポリオレフィン系樹脂に多官能モノマー及
    び有機系熱分解型発泡剤を混和させてなる樹脂組成物
    を、有機系熱分解型発泡剤を分解させることなく成形
    し、この成形された成形体に電離性放射線を照射して架
    橋反応を行わしめ、この架橋された成形体を発泡剤が分
    解するに十分な高温雰囲気中で発泡反応を行って得たポ
    リオレフィン架橋樹脂発泡体であって、該ポリオレフィ
    ン系架橋樹脂発泡体は、任意の切断面において、ポリプ
    ロピレン系樹脂が連続相、ポリエチレン系樹脂が分散相
    であって、該分散相の平均面積が1.8μm 2 以下であ
    ることを特徴とするポリオレフィン系架橋樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系
    樹脂からなるポリオレフィン系樹脂に多官能モノマー及
    び有機系熱分解型発泡剤を混和させてなる樹脂組成物
    を、有機系熱分解型発泡剤を分解させることなく成形
    し、この成形された成形体に、次式(1)及び(2)を
    満足する照射量の電離性放射線を照射して架橋反応を行
    わしめ、この架橋された成形体を発泡剤が分解するに十
    分な高温雰囲気中で発泡反応を行うことを特徴とする請
    求項1記載のポリオレフィン系架橋樹脂発泡体を製造す
    る方法。5.5< A+B<6.5 …………(1)6.0< A×B<7.5 …………(2) (但し、Aは多官能モノマーのポリオレフィン系樹脂1
    00重量部に対する混和量:重量部、Bは電離性放射線
    の照射量:Mradである。)
  3. 【請求項3】 請求項2記載のポリオレフィン系架橋樹
    脂発泡体を製造する方法において、ポリオレフィン系樹
    脂がポリプロピレン系樹脂45〜95重量%とポリエチ
    レン系樹脂55〜5重量%とからなり、多官能モノマー
    ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基または
    アリル基を分子内に2個以上有する多官能モノマーの一
    種もしくは二種以上であることを特徴とするポリオレフ
    ィン系架橋樹脂発泡体の製造方法。
JP1538194A 1994-02-09 1994-02-09 ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体及び該発泡体の製造方法 Ceased JP3352522B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1538194A JP3352522B2 (ja) 1994-02-09 1994-02-09 ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体及び該発泡体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1538194A JP3352522B2 (ja) 1994-02-09 1994-02-09 ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体及び該発泡体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07224183A JPH07224183A (ja) 1995-08-22
JP3352522B2 true JP3352522B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=11887188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1538194A Ceased JP3352522B2 (ja) 1994-02-09 1994-02-09 ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体及び該発泡体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3352522B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2348679C3 (de) * 1973-09-27 1982-03-25 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verbundfasern und Verbundfasergarne aus zwei verschiedenen Acrylnitrilpolymerisaten und ihre Verwendung
KR100402538B1 (ko) * 2000-07-07 2003-10-22 주식회사 진양 환경친화성수지의 직물원단용 조성물 및 그것을 이용한 직물원단의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07224183A (ja) 1995-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1752485B1 (en) Soft polyolefin foams with high heat resistance
JP2918412B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP3352522B2 (ja) ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体及び該発泡体の製造方法
JP3152719B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体
JPH08197664A (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法並びに発泡体を用いた積層体
JPH059325A (ja) オレフイン系エラストマー組成物の架橋発泡体の製造方法
JP2853956B2 (ja) ポリオレフィン系発泡体の製造方法
JP2853952B2 (ja) 発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物
JP3308737B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物及び架橋オレフィン系樹脂発泡体
JPH07145259A (ja) 均一な気泡を有する架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法
JP2851507B2 (ja) 発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物
JP2914839B2 (ja) 積層複合体
JPH07224182A (ja) ポリオレフィン架橋発泡体の製造方法
JP3311106B2 (ja) 架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法
JPH0925351A (ja) 発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物、発泡性ポリプロピレン系樹脂組成物及び発泡体の製造方法
JP2853955B2 (ja) オレフィン系樹脂組成物
JP2851509B2 (ja) 発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物
JP2932497B2 (ja) 車輌用内装材
JP3071336B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体
JPH07119310B2 (ja) 連続シート状架橋発泡体
JPH08325404A (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体
JP2003183435A (ja) 架橋樹脂発泡体
JP3139789B2 (ja) ポリオレフィン系発泡性樹脂組成物および架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
JPH07216124A (ja) ポリオレフィン架橋発泡体の製造方法
JPH07224181A (ja) ポリオレフィン系架橋樹脂発泡体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RVOP Cancellation by post-grant opposition