JP2004075976A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、優れた耐熱性、常温における伸び及び柔軟性を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、23℃での破断点伸度が150%以上で且つ160℃での破断点伸度が150%以上であると共に、160℃での最大抗張力が0.05MPa以上であって、架橋度が7〜80重量%で且つ見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であることを特徴とするので、優れた耐熱性及び柔軟性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく複雑な形状に成形することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、23℃での破断点伸度が150%以上で且つ160℃での破断点伸度が150%以上であると共に、160℃での最大抗張力が0.05MPa以上であって、架橋度が7〜80重量%で且つ見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であることを特徴とするので、優れた耐熱性及び柔軟性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく複雑な形状に成形することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、優れた耐熱性及び断熱性を有していることから、断熱材や雑貨製品の材料として汎用されており、最近では、車両用内装材として用いられることが多くなっている。
【0003】
そして、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いて車両用内装材を製造する方法としては、雌雄型間に形成されたキャビティ内に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を配設すると共に上記キャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給することによって架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体と熱可塑性樹脂とを所望形状に成形しつつ積層一体化させる、所謂、スタンピング成形方法が挙げられる。
【0004】
しかしながら、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、溶融状態の熱可塑性樹脂に直接接触することから、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が不十分である場合には、スタンピング成形時に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が破れたり、或いは、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体表面に皺が発生したりするといった問題点があった。
【0005】
更に、上記スタンピング成形方法において使用される雌雄型は、生産効率を向上させるため等の理由により加熱されないで用いられることが多く、このような場合、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における溶融状態の熱可塑性樹脂が接触する面は耐熱性が要求される一方、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における溶融状態の熱可塑性樹脂が接触しない面は常温付近の温度であっり、温付近での伸びが不足すると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が成形時に破れるといった問題点があった。
【0006】
そこで、特許文献1には、高結晶性のホモポリプロピレンを所定量添加してなる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が提案されている。ところが、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に高結晶性のホモポリプロピレンを添加すると、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での伸度や柔軟性が低下し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を巻回させた場合に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に亀裂が発生したりするといった別の問題点が発生した。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−45975号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐熱性、常温における伸び及び柔軟性を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、23℃での破断点伸度が150%以上で且つ160℃での破断点伸度が150%以上であると共に、160℃での最大抗張力が0.05MPa以上であって、架橋度が7〜60重量%で且つ見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であることを特徴とする。
【0010】
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における23℃での破断点伸度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を常温で保管中や架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形等によって成形した際に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体にひび割れや破れ等が発生するので、150%以上に限定される。
【0011】
そして、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における23℃での破断点伸度は、高すぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における160℃での破断点伸度及び最大抗張力を上記範囲にするのが困難となるので、150〜1500%が好ましく、180〜700%がより好ましい。
【0012】
又、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における160℃での破断点伸度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形等によって成形した際に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体にひび割れや破れ等が発生するので、150%以上に限定される。
【0013】
そして、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における160℃での破断点伸度は、高すぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の23℃での破断点伸度を上記範囲にするのが困難となるので、150〜3000%が好ましく、180〜500%がより好ましい。
【0014】
なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の破断点伸度は、JIS K6767(A法)に準拠して測定されたものをいい、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の破断点伸度を測定する際は、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を所定温度に調整されたオーブン内に放置し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度をサーモラベルにより測定して、23℃での破断点伸度を測定する場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が23℃となった時に、160℃での破断点伸度を測定する場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が160℃となった時に測定する。
【0015】
そして、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での最大抗張力は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形等によって成形した際に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体にひび割れや破れ等が発生するので、0.05MPa以上に限定される。
【0016】
更に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での最大抗張力は、高すぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の成形性が低下することがあるので、0.06〜0.50MPaが好ましく、0.07〜0.25MPaがより好ましく、0.075〜0.2MPaが特に好ましい。
【0017】
なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での最大抗張力は、JIS K6767(A法)に準拠して測定されたものをいい、測定する際は、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を所定温度に調整されたオーブン内に放置し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度をサーモラベルにより測定して、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が160℃となった時に測定する。
【0018】
又、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の架橋度は、大きいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における23℃及び160℃での破断点伸度が低くなると共に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率を高くすることができず、又、小さいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が得られないと共に、160℃での最大抗張力が上記範囲にならないので、7〜80重量%に限定され、7〜70重量%が好ましく、7〜60重量%がより好ましく、7〜50重量%が一層好ましく、15〜45重量%が特に好ましい。
【0019】
なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の架橋度とは、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をW1 g秤量し、このW1 gの架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を120℃のキシレン中に24時間浸漬した後、200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣の乾燥重量W2 gを測定し、以下の式により架橋度を算出する。
〔架橋度〕(重量%)=(W2 /W1 )×100
【0020】
又、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の見掛け密度は、小さいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の機械的強度が低下し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の成形時や架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体から得られる成形品の使用時に破断等が生じ、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下するので、0.01〜0.10g/cm3 に限定され、0.02〜0.08g/cm3 が好ましく、0.033〜0.60g/cm3 がより好ましい。なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の見掛け密度は、JIS K6767に準拠して測定されたものをいう。
【0021】
上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂、ホモプロピレン骨格を主鎖とし且つ分子内に分岐した炭素数10以上の長鎖を多く有する高伸長粘度のポリプロピレン系樹脂、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体等のポリプロピレン系樹脂;高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム等のポリエチレン系樹脂;ポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
【0022】
上記プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂は単独樹脂から構成されても混合樹脂から構成されてもよく、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを併用するのが好ましい。
【0023】
そして、ポリプロピレン系樹脂としては、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂、ホモプロピレン骨格を主鎖とし且つ分子内に分岐した炭素数10以上の長鎖を多く有する高伸長粘度のポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
【0024】
又、ポリオレフィン系樹脂中において、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少ないと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下するので、30重量%以上が好ましい。
【0025】
一方、ポリ レフィン系樹脂中において、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂の含有量は、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下することがあるので、30〜90重量%が好ましく、40〜85重量%がより好ましく、50〜75重量%が特に好ましい。
【0026】
なお、ポリプロピレン系樹脂として、ホモプロピレン骨格を主鎖とし且つ分子内に分岐した炭素数10以上の長鎖を多く有する高伸長粘度のポリプロピレン系樹脂が好ましいのは、このポリプロピレン系樹脂を架橋するために照射する電離性放射線の量を抑えて、ポリプロピレン系樹脂の劣化を抑えることができ、その結果、破断点伸度及び抗張力の高い架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができるからである。
【0027】
又、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂において、ポリエチレン成分の平均粒径は、大きいと、電子線を照射して樹脂に架橋構造を付与した時に架橋分布に偏りが生じ、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の強度が不均一となると共に抗張力も低下することがあるので、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、5μm以下が一層好ましく、3μm以下が特に好ましい。
【0028】
なお、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂におけるポリエチレン成分の平均粒径は以下の要領で測定されたものをいう。先ず、酸化ルテニウムを用いてポリプロピレン系樹脂のポリエチレン成分部分を染色し、この染色されたポリプロピレン系樹脂を電子顕微鏡で1万倍に拡大した顕微鏡写真を得る。そして、この顕微鏡写真に基づいて、染色されたポリエチレン成分部分のそれぞれの面積を測定する。次に、この測定した面積に等しい面積を有する真円の直径をそれぞれのポリエチレン成分部分について算出し、この直径を各ポリエチレン成分部分の粒径とする。そして、各ポリエチレン成分部分の粒径の平均値を算出し、この値をポリエチレン成分の平均粒径とする。なお、ピアス社から市販されている画像処理装置(商品名「HI−PIAS IV 」)を用いて、ポリプロピレン系樹脂のポリエチレン成分の平均粒径を測定することができる。
【0029】
そして、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂は、クロス分別法により測定された100℃以上での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂の40重量%以上であることが好ましく、65重量%以上がより好ましい。これは、クロス分別法により測定した100℃以上での樹脂溶出量が少ないと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるからである。
【0030】
更に、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂におけるクロス分別法により測定された0℃での樹脂溶出量は、少ないと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下することがあり、又、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるので、全ポリプロピレン系樹脂の1〜50重量%が好ましく、2〜40重量%がより好ましく、3〜30重量%が特に好ましく、5〜25重量%が最も好ましい。
【0031】
なお、上記ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法による樹脂溶出量の測定は以下の要領で行われる。即ち、ポリプロピレン系樹脂を先ず140℃或いはポリプロピレン系樹脂が完全に溶解する温度に保持されたo−ジクロロベンゼンに溶解し、このポリプロピレン系樹脂を溶解させた溶液を一定速度で冷却して予め用意した不活性担体表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成させる。次に、温度を連続的に又は段階的に昇温し、0℃で溶出した成分及び100℃以上で溶出した成分の濃度を検出して組成分布(結晶性分布)を測定することにより行われる。これを温度上昇溶離分別(TREF=Temperature Rising Elution Fractionation)という。上記ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法による樹脂溶出量の測定装置としては、例えば、三菱油化社製の商品名「CFC−T150A型」のものが挙げられる。
【0032】
又、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、特に、160℃での破断点伸度及び最大抗張力が低下することがあるので、155℃以上が好ましく、158〜175℃がより好ましく、160〜172℃が特に好ましい。
【0033】
ここで、本発明では、ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度は、ポリプロピレン系樹脂10mgを示差走査熱量計を用いて大気中において昇温速度10℃/分の条件下で測定した際のピーク温度をいう。なお、上記示差走査熱量計は、例えば、セイコーインスツルメンツ社から商品名「220C」で市販されている。
【0034】
又、本発明では、ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピークが複数本ある場合には、ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度は、最も高い結晶融解ピーク温度をいう。
【0035】
そして、ポリプロピレン系樹脂における180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)は、小さいと、後述する発泡性樹脂成形体の発泡適性を向上させるために架橋度を上げる必要があり、その結果、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での伸びが低下することがあるので、2以上が好ましく、2.5以上がより好ましい。なお、ひずみεがaの時の伸長粘度ηを、η(ε=a)と表現した。
【0036】
そして、ポリプロピレン系樹脂における180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)は、大きいと、後述する発泡性樹脂成形体の発泡適性を向上させるために架橋度を下げる必要があり、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での抗張力が低下することがあるので、2〜50が好ましく、2.5〜30がより好ましく、3〜10が特に好ましい。
【0037】
ここで、ポリプロピレン系樹脂における180℃、0.1sec−1のひずみ速度での伸長粘度η(ε=2)及びη(ε=0.8)の測定要領を以下に説明する。先ず、長さが150mm、直径が1〜6mmの円柱状の試験片、又は、長さが1〜3mm、幅が5〜15mm、長さが150mmのシート状の試験片を用意する。
【0038】
そして、上下一対の左側ローラ2a、2b及び上下一対の右側ローラ3a、3bを180℃に加熱したシリコンオイル4中に配設し、図1に示したように、長さ方向を水平方向に指向させた試験片1の長さ方向の両端の夫々を上下一対のローラ2a、2b、3a、3bによって上下方向から挟持した上で10分間放置した後、左側の上下一対のローラ2a、2bを互いに反対方向に一定の線速さv1 (cm/sec)で回転させて、ローラ2a、2bの対向面間によって試験片1の左端を左方向に引っ張ると共に、右側の上下一対のローラ3a、3bを互いに反対方向に上記ローラ2a、2bと同一の線速さv2 (cm/sec)で回転させて、ローラ3a、3bの対向面間によって試験片1の右端を右方向に引っ張り、試験片1をその長さ方向にv(=v1+v2 )の線速さで引っ張る。
【0039】
ここで、左右ローラ2a、3a(2b、3b)の回転軸間の距離をL0 (cm)とすると、試験片における伸長変形のひずみ速度(sec−1)は、(1/L0 )(dL/dt)で定義され、試験片は、(v/L0 )の一定のひずみ速度ε’(=dε/dt)(sec−1)で伸長される。
【0040】
ところが、通常は、試験片の表面とローラ表面との間で滑りが発生するために実際のひずみ速度ε’(sec−1)は、v/L0 よりも小さくなる。実際のひずみ速度は、試験片1の外径又は厚さの変化を測定することで求めることができ、具体的には、lnd=lnd0 −0.5×ε’×t〔d:時間tにおける試験片の外径又は厚み(cm)、d0 :試験片の当初の外径又は厚み(cm)、ε’:実際のひずみ速度(sec−1)〕の関係から算出することができる。
【0041】
そして、伸長粘度ηは、η(ε=a)=(F/A)/ε’〔F:左右ローラ2a、2b、3a、3b間にある試験片のひずみεがaとなる時における試験片の長さ方向の張力(N)、A:ひずみεがaとなる時の試験片をその長さ方向に直交する垂直面で切断した時の切断面の面積(cm2 )〕と定義され、この定義式に基づいて算出される。なお、伸長粘度ηは、図2に示したような時間tに対して依存性を示す。
【0042】
なお、ポリプロピレン系樹脂において、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時の伸長粘度η(ε=a)は、例えば、東洋精機製作所社から商品名「メルテンレオメーター」で市販されている測定機器を用いて測定することができる。
【0043】
更に、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂におけるJIS K7113に準拠した引張試験を行った時における23℃での破断点伸度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温で伸びが低下するので、120%以上が好ましく、160%以上がより好ましい。
【0044】
なお、ポリプロピレン系樹脂におけるJIS K7113に準拠した引張試験は、2号形試験片を用い、引張速度は500mm/minとした。
【0045】
又、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、特に、160℃での破断点伸度及び最大抗張力が低下することがあるので、155℃以上が好ましく、158〜175℃がより好ましく、160〜172℃が特に好ましい。
【0046】
そして、ポリオレフィン系樹脂中において、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少ないと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下するので、30重量%以上が好ましい。
【0047】
一方、ポリオレフィン系樹脂中において、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂の含有量は、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下して使用時に割れ等が発生することがあるので、30〜90重量%が好ましく、40〜85重量%がより好ましく、50〜75重量%が特に好ましい。
【0048】
そして、上記ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスは、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の原反となる発泡性樹脂組成物の押出機からの吐出量が低下して架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の生産効率が低下することがあり、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるので、0.2〜70g/10分が好ましく、0.3〜50g/10分がより好ましく、0.3〜40g/10分が特に好ましく、0.4〜25g/10分が最も好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスは、JIS K7210に準拠して測定されたものをいう。
【0049】
更に、上記ポリプロピレン系樹脂の密度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下したり或いは架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下して使用時にひび割れが発生し易くなるので、0.875〜0.940g/cm3 が好ましく、0.900〜0.938g/cm3 がより好ましい。
【0050】
ポリエチレン系樹脂としては、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が耐熱性及び柔軟性に優れていることから、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。又、上記ポリエチレン系樹脂の密度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあり、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下したり或いは架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下して使用時にひび割れが発生し易くなるので、0.880〜0.935g/cm3 が好ましく、0.885〜0.930g/cm3 がより好ましく、0.890〜0.925g/cm3 が特に好ましい。
【0051】
更に、上記ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスは、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の原反となる発泡性樹脂組成物の押出機からの吐出量が低下して架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の生産効率が低下することがあり、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるので、0.2〜50g/10分が好ましく、0.3〜30g/10分がより好ましく、0.5〜20g/10分が一層好ましく、0.7〜15g/10分が特に好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスは、JIS K7210に準拠して測定されたものをいう。
【0052】
そして、上記ポリエチレン系樹脂のポリオレフィン系樹脂中における含有量は、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるので、70重量%以下が好ましく、少なすぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下したり、或いは、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下することがあるので、10〜70重量%がより好ましく、15〜60重量%が特に好ましく、25〜50重量%が最も好ましい。
【0053】
即ち、上記ポリオレフィン系樹脂として、上記ポリプロピレン系樹脂と上記ポリエチレン系樹脂とを併用する場合には、上記ポリプロピレン系樹脂30重量%以上で且つ上記ポリエチレン系樹脂70重量%以下が好ましく、上記ポリプロピレン系樹脂30〜90重量%で且つ上記ポリエチレン系樹脂10〜70重量%がより好ましく、上記ポリプロピレン系樹脂40〜85重量%で且つ上記ポリエチレン系樹脂15〜60重量%が特に好ましく、上記ポリプロピレン系樹脂50〜75重量%で且つ上記ポリエチレン系樹脂25〜50重量%が最も好ましい。
【0054】
なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体には、物性を損なわない範囲内において、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム等の気泡形成剤;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ジラウリルチオプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤;メチルベンゾトリアゾール等の金属害防止剤;ヘキサブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェート等のリン系難燃剤等の難燃剤;充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料等の添加剤が添加されていてもよい。
【0055】
次に、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。先ず、上記ポリオレフィン系樹脂、好ましくは、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂、又は、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤に、必要に応じて、上記添加剤を添加してなる発泡性樹脂組成物を押出機、バンバリーミキサー、ロール等の汎用の混練装置に供給して溶融、混練して所望形状の発泡性樹脂成形体を得る。
【0056】
上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられていたものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられ、これらは、単独で用いられても併用されてもよい。
【0057】
そして、上記熱分解型発泡剤の添加量は、多いと、発泡性樹脂成形体の発泡時に破泡することがあり、又、少ないと、発泡性樹脂成形体が発泡しないことがあるので、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、4〜25重量部がより好ましい。
【0058】
次に、上記発泡性樹脂成形体に電離性放射線を照射して発泡性樹脂成形体を架橋させる。なお、上記電離性放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられる。
【0059】
又、上記発泡性樹脂成形体に対する電離性放射線の照射量としては、少ないと、発泡性樹脂成形体の発泡時における伸張粘度が不足して良好な架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が得られないことがあり、又、多いと、発泡性樹脂成形体の発泡時における流動性が低下して高い発泡倍率を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができないことがあるので、0.15〜10Mradが好ましく、0.15〜8Mradがより好ましく、0.15〜5Mradが特に好ましく、0.15〜4.5Mradが一層好ましく、0.2〜2.5Mradが最も好ましい。
【0060】
更に、上記発泡性樹脂成形体の架橋を促進させて、上記発泡性樹脂成形体に対する電離性放射線の照射量を低く抑え、上記ポリオレフィン系樹脂の分子鎖の切断や劣化を低く抑えるために、上記発泡性樹脂組成物に架橋助剤を添加してもよい。
【0061】
このような架橋助剤としては、従来から発泡剤の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0062】
上記架橋助剤の添加量は、少ないと、発泡性樹脂成形体に所望の架橋度を付与することができないことがあり、又、多いと、発泡性樹脂成形体の架橋度が高くなってしまって、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の外観性が低下することがあるので、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜8重量部がより好ましく、0.3〜6重量部が特に好ましく、0.5〜5重量部が最も好ましい。
【0063】
そして、上記のように架橋構造が付与された発泡性樹脂成形体を熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し、発泡性樹脂成形体を発泡させて架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(Dow社製 商品名「INSPiRE112」、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散した海島構造を有する、ポリエチレン成分の含有量:32重量%、ポリエチレン成分の平均粒径:0.8μm、クロス分別法により測定した100℃以上での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の75重量%、クロス分別法により測定した0℃での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の14.1重量%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:166℃、メルトインデックス:0.4g/10分、密度:0.900g/cm3 )60重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「UZ20100J」、密度:0.920g/cm3 、メルトインデックス:8.0g/10分)40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂100重量部、アゾジカルボンアミド13重量部、ジビニルベンゼン3重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部、ジラウリルチオプロピオネート0.3重量部及びメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を単軸押出機に供給して185℃で溶融、混練して押出し、厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0065】
次に、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、加速電圧700kVで電子線を2.5Mrad照射して発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させた上で、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを250℃に加熱して発泡させ、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0066】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が285%、160℃での破断点伸度が475%、160℃での最大抗張力が0.13MPa、架橋度が43重量%、見掛け密度が0.041g/cm3 であった。
【0067】
(実施例2)
ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(三菱化学社製 商品名「ゼラス5013」、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散した海島構造を有する、ポリエチレン成分の含有量:35重量%、ポリエチレン成分の平均粒径:25μm、クロス分別法により測定した100℃以上での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の42.1重量%、クロス分別法により測定した0℃での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の46.3重量%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:166℃、メルトインデックス:0.8、密度:0.88g/cm3 )60重量%と、実施例1と同様の直鎖状低密度ポリエチレン40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用い、電子線の照射量を1.5Mradとしたこと以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0068】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が275%、160℃での破断点伸度が420%、160℃での最大抗張力が0.11MPa、架橋度が47重量%、見掛け密度が0.041g/cm3 であった。
【0069】
(実施例3)
電子線の照射量を1.0Mradとしたこと以外は、実施例2と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0070】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が360%、160℃での破断点伸度が280%、160℃での最大抗張力が0.10MPa、架橋度が39重量%、見掛け密度が0.043g/cm3 であった。
【0071】
(実施例4)
電子線の照射量を2.5Mradとしたこと以外は、実施例2と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0072】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が310%、160℃での破断点伸度が355%、160℃での最大抗張力が0.17MPa、架橋度が60重量%、見掛け密度が0.043g/cm3 であった。
【0073】
(比較例1)
ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(チッソ社製 商品名「XF1800」、エチレン−プロピレンランダム共重合体、クロス分別法により測定した100℃以上での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の35.1重量%、クロス分別法により測定した0℃での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の1重量%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:147℃、メルトインデックス:1.8g/cm3 、密度:0.910g/cm3 )60重量%と実施例1と同様の直鎖状低密度ポリエチレン40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用い、電子線の照射量を5.0Mradとしたこと以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0074】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が190%、160℃での破断点伸度が135%、160℃での最大抗張力が0.03MPa、架橋度が47重量%、見掛け密度が0.048g/cm3 であった。
【0075】
(比較例2)
ポリオレフィン系樹脂として、実施例1と同様のポリプロピレン系樹脂15重量%と、実施例1と同様の直鎖状低密度ポリエチレン85重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0076】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が270%、160℃での破断点伸度が205%、160℃での最大抗張力が0.04MPa、架橋度が31重量%、見掛け密度が0.050g/cm3 であった。
【0077】
(比較例3)
電子線の照射量を0.1Mradとしたこと以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0078】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が340%、160℃での破断点伸度が150%、160℃での最大抗張力が0.03MPa、架橋度が5重量%、見掛け密度が0.030g/cm3 であって、表面荒れが発生しており外観性に劣るものであった。
【0079】
(比較例4)
ポリオレフィン系樹脂として、実施例2と同様のポリプロピレン系樹脂20重量%と実施例1と同様の直鎖状低密度ポリエチレン80重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用い、電子線の照射量を3.0Mradとしたこと以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0080】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が335%、160℃での破断点伸度が130%、160℃での最大抗張力が0.07MPa、架橋度が53重量%、見掛け密度が0.045g/cm3 であった。
【0081】
(実施例5)
ポリプロピレン系樹脂(バセル社製 商品名「SD−632」、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8):8.0、23℃での破断点伸度:165%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:160℃、メルトインデックス:3.0、密度:0.90g/cm3 )60重量%と、直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「UZ20100J」、密度:0.920g/cm3 、メルトインデックス:8.0g/10分)40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂100重量部、アゾジカルボンアミド13重量部、ジビニルベンゼン2重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部、ジラウリルチオプロピオネート0.3重量部及びメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を単軸押出機に供給して185℃で溶融、混練して押出し、厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0082】
次に、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、加速電圧700kVで電子線を1.0Mrad照射して発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させた上で、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを250℃に加熱して発泡させ、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0083】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が280%、160℃での破断点伸度が178%、160℃での最大抗張力が0.076MPa、架橋度が43重量%、見掛け密度が0.043g/cm3 であった。
【0084】
(実施例6)
電子線の照射量を2.0Mradとしたこと以外は、実施例5と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0085】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が295%、160℃での破断点伸度が162%、160℃での最大抗張力が0.091MPa、架橋度が41重量%、見掛け密度が0.048g/cm3 であった。
【0086】
(比較例5)
ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(バセル社製 商品名「PF−814」、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8):7.1、23℃での破断点伸度:80%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:161℃、メルトインデックス:3.0g/10分、密度:0.90g/cm3 )60重量%と、実施例5と同様の直鎖状低密度ポリエチレン40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用いた以外は、実施例5と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0087】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が110%、160℃での破断点伸度が206%、160℃での最大抗張力が0.081MPa、架橋度が47重量%、見掛け密度が0.048g/cm3 であった。
【0088】
【発明の効果】
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、23℃での破断点伸度が150%以上で且つ160℃での破断点伸度が150%以上であると共に、160℃での最大抗張力が0.05MPa以上であって、架橋度が7〜80重量%で且つ見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であることを特徴とするので、優れた耐熱性及び柔軟性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく複雑な形状に成形することができる。
【0089】
そして、ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、より優れた耐熱性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく更に複雑な形状に成形することができる。
【0090】
又、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散し且つクロス分別法により測定された100℃以上での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂の40重量%以上であるポリプロピレン系樹脂である場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は耐熱性に優れ、スタンピング成形によって破れや皺を発生させることなく外観性に優れた成形品を確実に得ることができる。
【0091】
そして、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散し且つクロス分別法により測定された0℃での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂の1〜50重量%であるポリプロピレン系樹脂である場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、耐熱性及び柔軟性に更に優れており、金型を最小限の加熱或いは加熱なしにスタンピング成形によって破れや皺を発生させることなく所望形状の成形品に成形することができる。
【0092】
一方、ポリオレフィン系樹脂として、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、より優れた耐熱性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく更に複雑な形状に成形することができる。
【0093】
そして、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であり且つJIS K7113に準拠した引張試験を行った時における23℃での破断点伸度が120%以上であるポリプロピレン系樹脂である場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、より優れた常温での伸びを有しており、金型を低温度或いは金型を加熱することなしにスタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく更に複雑な形状に成形することができる。
【0094】
更に、ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度が155℃以上である場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、優れた耐熱性及び柔軟性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなくさらに複雑な形状に成形することができる。
【0095】
最後に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂或いは180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂と、熱分解型発泡剤とからなる発泡性樹脂成形体に電離性放射線を0.15〜10Mrad照射して発泡性樹脂成形体を架橋した後、上記発泡性樹脂成形体を加熱し熱分解型発泡剤を分解させて発泡させることを特徴とするので、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、優れた耐熱性及び柔軟性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく複雑な形状に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリプロピレン系樹脂における180℃、0.1sec−1のひずみ速度での伸長粘度η(ε=2)及びη(ε=0.8)の測定装置の模式側面図である。
【図2】伸長粘度の時間に対する依存性の一例を示したグラフである。
【符号の説明】
1 試験片
2a、2b、3a、3b ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、優れた耐熱性及び断熱性を有していることから、断熱材や雑貨製品の材料として汎用されており、最近では、車両用内装材として用いられることが多くなっている。
【0003】
そして、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いて車両用内装材を製造する方法としては、雌雄型間に形成されたキャビティ内に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を配設すると共に上記キャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を供給することによって架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体と熱可塑性樹脂とを所望形状に成形しつつ積層一体化させる、所謂、スタンピング成形方法が挙げられる。
【0004】
しかしながら、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、溶融状態の熱可塑性樹脂に直接接触することから、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が不十分である場合には、スタンピング成形時に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が破れたり、或いは、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体表面に皺が発生したりするといった問題点があった。
【0005】
更に、上記スタンピング成形方法において使用される雌雄型は、生産効率を向上させるため等の理由により加熱されないで用いられることが多く、このような場合、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における溶融状態の熱可塑性樹脂が接触する面は耐熱性が要求される一方、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における溶融状態の熱可塑性樹脂が接触しない面は常温付近の温度であっり、温付近での伸びが不足すると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が成形時に破れるといった問題点があった。
【0006】
そこで、特許文献1には、高結晶性のホモポリプロピレンを所定量添加してなる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が提案されている。ところが、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に高結晶性のホモポリプロピレンを添加すると、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での伸度や柔軟性が低下し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を巻回させた場合に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に亀裂が発生したりするといった別の問題点が発生した。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−45975号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐熱性、常温における伸び及び柔軟性を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、23℃での破断点伸度が150%以上で且つ160℃での破断点伸度が150%以上であると共に、160℃での最大抗張力が0.05MPa以上であって、架橋度が7〜60重量%で且つ見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であることを特徴とする。
【0010】
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における23℃での破断点伸度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を常温で保管中や架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形等によって成形した際に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体にひび割れや破れ等が発生するので、150%以上に限定される。
【0011】
そして、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における23℃での破断点伸度は、高すぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における160℃での破断点伸度及び最大抗張力を上記範囲にするのが困難となるので、150〜1500%が好ましく、180〜700%がより好ましい。
【0012】
又、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における160℃での破断点伸度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形等によって成形した際に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体にひび割れや破れ等が発生するので、150%以上に限定される。
【0013】
そして、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における160℃での破断点伸度は、高すぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の23℃での破断点伸度を上記範囲にするのが困難となるので、150〜3000%が好ましく、180〜500%がより好ましい。
【0014】
なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の破断点伸度は、JIS K6767(A法)に準拠して測定されたものをいい、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の破断点伸度を測定する際は、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を所定温度に調整されたオーブン内に放置し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度をサーモラベルにより測定して、23℃での破断点伸度を測定する場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が23℃となった時に、160℃での破断点伸度を測定する場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が160℃となった時に測定する。
【0015】
そして、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での最大抗張力は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をスタンピング成形等によって成形した際に架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体にひび割れや破れ等が発生するので、0.05MPa以上に限定される。
【0016】
更に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での最大抗張力は、高すぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の成形性が低下することがあるので、0.06〜0.50MPaが好ましく、0.07〜0.25MPaがより好ましく、0.075〜0.2MPaが特に好ましい。
【0017】
なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での最大抗張力は、JIS K6767(A法)に準拠して測定されたものをいい、測定する際は、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を所定温度に調整されたオーブン内に放置し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度をサーモラベルにより測定して、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面温度が160℃となった時に測定する。
【0018】
又、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の架橋度は、大きいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体における23℃及び160℃での破断点伸度が低くなると共に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率を高くすることができず、又、小さいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が得られないと共に、160℃での最大抗張力が上記範囲にならないので、7〜80重量%に限定され、7〜70重量%が好ましく、7〜60重量%がより好ましく、7〜50重量%が一層好ましく、15〜45重量%が特に好ましい。
【0019】
なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の架橋度とは、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体をW1 g秤量し、このW1 gの架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を120℃のキシレン中に24時間浸漬した後、200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣の乾燥重量W2 gを測定し、以下の式により架橋度を算出する。
〔架橋度〕(重量%)=(W2 /W1 )×100
【0020】
又、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の見掛け密度は、小さいと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の機械的強度が低下し、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の成形時や架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体から得られる成形品の使用時に破断等が生じ、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下するので、0.01〜0.10g/cm3 に限定され、0.02〜0.08g/cm3 が好ましく、0.033〜0.60g/cm3 がより好ましい。なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の見掛け密度は、JIS K6767に準拠して測定されたものをいう。
【0021】
上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂、ホモプロピレン骨格を主鎖とし且つ分子内に分岐した炭素数10以上の長鎖を多く有する高伸長粘度のポリプロピレン系樹脂、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体等のポリプロピレン系樹脂;高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム等のポリエチレン系樹脂;ポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
【0022】
上記プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン等が挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂は単独樹脂から構成されても混合樹脂から構成されてもよく、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを併用するのが好ましい。
【0023】
そして、ポリプロピレン系樹脂としては、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂、ホモプロピレン骨格を主鎖とし且つ分子内に分岐した炭素数10以上の長鎖を多く有する高伸長粘度のポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
【0024】
又、ポリオレフィン系樹脂中において、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少ないと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下するので、30重量%以上が好ましい。
【0025】
一方、ポリ レフィン系樹脂中において、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂の含有量は、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下することがあるので、30〜90重量%が好ましく、40〜85重量%がより好ましく、50〜75重量%が特に好ましい。
【0026】
なお、ポリプロピレン系樹脂として、ホモプロピレン骨格を主鎖とし且つ分子内に分岐した炭素数10以上の長鎖を多く有する高伸長粘度のポリプロピレン系樹脂が好ましいのは、このポリプロピレン系樹脂を架橋するために照射する電離性放射線の量を抑えて、ポリプロピレン系樹脂の劣化を抑えることができ、その結果、破断点伸度及び抗張力の高い架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができるからである。
【0027】
又、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂において、ポリエチレン成分の平均粒径は、大きいと、電子線を照射して樹脂に架橋構造を付与した時に架橋分布に偏りが生じ、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の強度が不均一となると共に抗張力も低下することがあるので、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、5μm以下が一層好ましく、3μm以下が特に好ましい。
【0028】
なお、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂におけるポリエチレン成分の平均粒径は以下の要領で測定されたものをいう。先ず、酸化ルテニウムを用いてポリプロピレン系樹脂のポリエチレン成分部分を染色し、この染色されたポリプロピレン系樹脂を電子顕微鏡で1万倍に拡大した顕微鏡写真を得る。そして、この顕微鏡写真に基づいて、染色されたポリエチレン成分部分のそれぞれの面積を測定する。次に、この測定した面積に等しい面積を有する真円の直径をそれぞれのポリエチレン成分部分について算出し、この直径を各ポリエチレン成分部分の粒径とする。そして、各ポリエチレン成分部分の粒径の平均値を算出し、この値をポリエチレン成分の平均粒径とする。なお、ピアス社から市販されている画像処理装置(商品名「HI−PIAS IV 」)を用いて、ポリプロピレン系樹脂のポリエチレン成分の平均粒径を測定することができる。
【0029】
そして、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂は、クロス分別法により測定された100℃以上での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂の40重量%以上であることが好ましく、65重量%以上がより好ましい。これは、クロス分別法により測定した100℃以上での樹脂溶出量が少ないと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるからである。
【0030】
更に、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂におけるクロス分別法により測定された0℃での樹脂溶出量は、少ないと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下することがあり、又、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるので、全ポリプロピレン系樹脂の1〜50重量%が好ましく、2〜40重量%がより好ましく、3〜30重量%が特に好ましく、5〜25重量%が最も好ましい。
【0031】
なお、上記ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法による樹脂溶出量の測定は以下の要領で行われる。即ち、ポリプロピレン系樹脂を先ず140℃或いはポリプロピレン系樹脂が完全に溶解する温度に保持されたo−ジクロロベンゼンに溶解し、このポリプロピレン系樹脂を溶解させた溶液を一定速度で冷却して予め用意した不活性担体表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成させる。次に、温度を連続的に又は段階的に昇温し、0℃で溶出した成分及び100℃以上で溶出した成分の濃度を検出して組成分布(結晶性分布)を測定することにより行われる。これを温度上昇溶離分別(TREF=Temperature Rising Elution Fractionation)という。上記ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法による樹脂溶出量の測定装置としては、例えば、三菱油化社製の商品名「CFC−T150A型」のものが挙げられる。
【0032】
又、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、特に、160℃での破断点伸度及び最大抗張力が低下することがあるので、155℃以上が好ましく、158〜175℃がより好ましく、160〜172℃が特に好ましい。
【0033】
ここで、本発明では、ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度は、ポリプロピレン系樹脂10mgを示差走査熱量計を用いて大気中において昇温速度10℃/分の条件下で測定した際のピーク温度をいう。なお、上記示差走査熱量計は、例えば、セイコーインスツルメンツ社から商品名「220C」で市販されている。
【0034】
又、本発明では、ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピークが複数本ある場合には、ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度は、最も高い結晶融解ピーク温度をいう。
【0035】
そして、ポリプロピレン系樹脂における180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)は、小さいと、後述する発泡性樹脂成形体の発泡適性を向上させるために架橋度を上げる必要があり、その結果、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での伸びが低下することがあるので、2以上が好ましく、2.5以上がより好ましい。なお、ひずみεがaの時の伸長粘度ηを、η(ε=a)と表現した。
【0036】
そして、ポリプロピレン系樹脂における180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)は、大きいと、後述する発泡性樹脂成形体の発泡適性を向上させるために架橋度を下げる必要があり、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の160℃での抗張力が低下することがあるので、2〜50が好ましく、2.5〜30がより好ましく、3〜10が特に好ましい。
【0037】
ここで、ポリプロピレン系樹脂における180℃、0.1sec−1のひずみ速度での伸長粘度η(ε=2)及びη(ε=0.8)の測定要領を以下に説明する。先ず、長さが150mm、直径が1〜6mmの円柱状の試験片、又は、長さが1〜3mm、幅が5〜15mm、長さが150mmのシート状の試験片を用意する。
【0038】
そして、上下一対の左側ローラ2a、2b及び上下一対の右側ローラ3a、3bを180℃に加熱したシリコンオイル4中に配設し、図1に示したように、長さ方向を水平方向に指向させた試験片1の長さ方向の両端の夫々を上下一対のローラ2a、2b、3a、3bによって上下方向から挟持した上で10分間放置した後、左側の上下一対のローラ2a、2bを互いに反対方向に一定の線速さv1 (cm/sec)で回転させて、ローラ2a、2bの対向面間によって試験片1の左端を左方向に引っ張ると共に、右側の上下一対のローラ3a、3bを互いに反対方向に上記ローラ2a、2bと同一の線速さv2 (cm/sec)で回転させて、ローラ3a、3bの対向面間によって試験片1の右端を右方向に引っ張り、試験片1をその長さ方向にv(=v1+v2 )の線速さで引っ張る。
【0039】
ここで、左右ローラ2a、3a(2b、3b)の回転軸間の距離をL0 (cm)とすると、試験片における伸長変形のひずみ速度(sec−1)は、(1/L0 )(dL/dt)で定義され、試験片は、(v/L0 )の一定のひずみ速度ε’(=dε/dt)(sec−1)で伸長される。
【0040】
ところが、通常は、試験片の表面とローラ表面との間で滑りが発生するために実際のひずみ速度ε’(sec−1)は、v/L0 よりも小さくなる。実際のひずみ速度は、試験片1の外径又は厚さの変化を測定することで求めることができ、具体的には、lnd=lnd0 −0.5×ε’×t〔d:時間tにおける試験片の外径又は厚み(cm)、d0 :試験片の当初の外径又は厚み(cm)、ε’:実際のひずみ速度(sec−1)〕の関係から算出することができる。
【0041】
そして、伸長粘度ηは、η(ε=a)=(F/A)/ε’〔F:左右ローラ2a、2b、3a、3b間にある試験片のひずみεがaとなる時における試験片の長さ方向の張力(N)、A:ひずみεがaとなる時の試験片をその長さ方向に直交する垂直面で切断した時の切断面の面積(cm2 )〕と定義され、この定義式に基づいて算出される。なお、伸長粘度ηは、図2に示したような時間tに対して依存性を示す。
【0042】
なお、ポリプロピレン系樹脂において、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時の伸長粘度η(ε=a)は、例えば、東洋精機製作所社から商品名「メルテンレオメーター」で市販されている測定機器を用いて測定することができる。
【0043】
更に、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂におけるJIS K7113に準拠した引張試験を行った時における23℃での破断点伸度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温で伸びが低下するので、120%以上が好ましく、160%以上がより好ましい。
【0044】
なお、ポリプロピレン系樹脂におけるJIS K7113に準拠した引張試験は、2号形試験片を用い、引張速度は500mm/minとした。
【0045】
又、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、特に、160℃での破断点伸度及び最大抗張力が低下することがあるので、155℃以上が好ましく、158〜175℃がより好ましく、160〜172℃が特に好ましい。
【0046】
そして、ポリオレフィン系樹脂中において、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少ないと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下するので、30重量%以上が好ましい。
【0047】
一方、ポリオレフィン系樹脂中において、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂の含有量は、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下して使用時に割れ等が発生することがあるので、30〜90重量%が好ましく、40〜85重量%がより好ましく、50〜75重量%が特に好ましい。
【0048】
そして、上記ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスは、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の原反となる発泡性樹脂組成物の押出機からの吐出量が低下して架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の生産効率が低下することがあり、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるので、0.2〜70g/10分が好ましく、0.3〜50g/10分がより好ましく、0.3〜40g/10分が特に好ましく、0.4〜25g/10分が最も好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックスは、JIS K7210に準拠して測定されたものをいう。
【0049】
更に、上記ポリプロピレン系樹脂の密度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下し、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下したり或いは架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下して使用時にひび割れが発生し易くなるので、0.875〜0.940g/cm3 が好ましく、0.900〜0.938g/cm3 がより好ましい。
【0050】
ポリエチレン系樹脂としては、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が耐熱性及び柔軟性に優れていることから、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。又、上記ポリエチレン系樹脂の密度は、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあり、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下したり或いは架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下して使用時にひび割れが発生し易くなるので、0.880〜0.935g/cm3 が好ましく、0.885〜0.930g/cm3 がより好ましく、0.890〜0.925g/cm3 が特に好ましい。
【0051】
更に、上記ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスは、低いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の原反となる発泡性樹脂組成物の押出機からの吐出量が低下して架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の生産効率が低下することがあり、又、高いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるので、0.2〜50g/10分が好ましく、0.3〜30g/10分がより好ましく、0.5〜20g/10分が一層好ましく、0.7〜15g/10分が特に好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスは、JIS K7210に準拠して測定されたものをいう。
【0052】
そして、上記ポリエチレン系樹脂のポリオレフィン系樹脂中における含有量は、多いと、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が低下することがあるので、70重量%以下が好ましく、少なすぎると、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性が低下したり、或いは、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の常温での破断点伸度が低下することがあるので、10〜70重量%がより好ましく、15〜60重量%が特に好ましく、25〜50重量%が最も好ましい。
【0053】
即ち、上記ポリオレフィン系樹脂として、上記ポリプロピレン系樹脂と上記ポリエチレン系樹脂とを併用する場合には、上記ポリプロピレン系樹脂30重量%以上で且つ上記ポリエチレン系樹脂70重量%以下が好ましく、上記ポリプロピレン系樹脂30〜90重量%で且つ上記ポリエチレン系樹脂10〜70重量%がより好ましく、上記ポリプロピレン系樹脂40〜85重量%で且つ上記ポリエチレン系樹脂15〜60重量%が特に好ましく、上記ポリプロピレン系樹脂50〜75重量%で且つ上記ポリエチレン系樹脂25〜50重量%が最も好ましい。
【0054】
なお、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体には、物性を損なわない範囲内において、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム等の気泡形成剤;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ジラウリルチオプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤;メチルベンゾトリアゾール等の金属害防止剤;ヘキサブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェート等のリン系難燃剤等の難燃剤;充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料等の添加剤が添加されていてもよい。
【0055】
次に、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。先ず、上記ポリオレフィン系樹脂、好ましくは、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂、又は、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤に、必要に応じて、上記添加剤を添加してなる発泡性樹脂組成物を押出機、バンバリーミキサー、ロール等の汎用の混練装置に供給して溶融、混練して所望形状の発泡性樹脂成形体を得る。
【0056】
上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられていたものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられ、これらは、単独で用いられても併用されてもよい。
【0057】
そして、上記熱分解型発泡剤の添加量は、多いと、発泡性樹脂成形体の発泡時に破泡することがあり、又、少ないと、発泡性樹脂成形体が発泡しないことがあるので、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、4〜25重量部がより好ましい。
【0058】
次に、上記発泡性樹脂成形体に電離性放射線を照射して発泡性樹脂成形体を架橋させる。なお、上記電離性放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられる。
【0059】
又、上記発泡性樹脂成形体に対する電離性放射線の照射量としては、少ないと、発泡性樹脂成形体の発泡時における伸張粘度が不足して良好な架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が得られないことがあり、又、多いと、発泡性樹脂成形体の発泡時における流動性が低下して高い発泡倍率を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができないことがあるので、0.15〜10Mradが好ましく、0.15〜8Mradがより好ましく、0.15〜5Mradが特に好ましく、0.15〜4.5Mradが一層好ましく、0.2〜2.5Mradが最も好ましい。
【0060】
更に、上記発泡性樹脂成形体の架橋を促進させて、上記発泡性樹脂成形体に対する電離性放射線の照射量を低く抑え、上記ポリオレフィン系樹脂の分子鎖の切断や劣化を低く抑えるために、上記発泡性樹脂組成物に架橋助剤を添加してもよい。
【0061】
このような架橋助剤としては、従来から発泡剤の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0062】
上記架橋助剤の添加量は、少ないと、発泡性樹脂成形体に所望の架橋度を付与することができないことがあり、又、多いと、発泡性樹脂成形体の架橋度が高くなってしまって、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の外観性が低下することがあるので、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜8重量部がより好ましく、0.3〜6重量部が特に好ましく、0.5〜5重量部が最も好ましい。
【0063】
そして、上記のように架橋構造が付与された発泡性樹脂成形体を熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し、発泡性樹脂成形体を発泡させて架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(Dow社製 商品名「INSPiRE112」、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散した海島構造を有する、ポリエチレン成分の含有量:32重量%、ポリエチレン成分の平均粒径:0.8μm、クロス分別法により測定した100℃以上での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の75重量%、クロス分別法により測定した0℃での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の14.1重量%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:166℃、メルトインデックス:0.4g/10分、密度:0.900g/cm3 )60重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「UZ20100J」、密度:0.920g/cm3 、メルトインデックス:8.0g/10分)40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂100重量部、アゾジカルボンアミド13重量部、ジビニルベンゼン3重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部、ジラウリルチオプロピオネート0.3重量部及びメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を単軸押出機に供給して185℃で溶融、混練して押出し、厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0065】
次に、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、加速電圧700kVで電子線を2.5Mrad照射して発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させた上で、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを250℃に加熱して発泡させ、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0066】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が285%、160℃での破断点伸度が475%、160℃での最大抗張力が0.13MPa、架橋度が43重量%、見掛け密度が0.041g/cm3 であった。
【0067】
(実施例2)
ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(三菱化学社製 商品名「ゼラス5013」、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散した海島構造を有する、ポリエチレン成分の含有量:35重量%、ポリエチレン成分の平均粒径:25μm、クロス分別法により測定した100℃以上での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の42.1重量%、クロス分別法により測定した0℃での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の46.3重量%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:166℃、メルトインデックス:0.8、密度:0.88g/cm3 )60重量%と、実施例1と同様の直鎖状低密度ポリエチレン40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用い、電子線の照射量を1.5Mradとしたこと以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0068】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が275%、160℃での破断点伸度が420%、160℃での最大抗張力が0.11MPa、架橋度が47重量%、見掛け密度が0.041g/cm3 であった。
【0069】
(実施例3)
電子線の照射量を1.0Mradとしたこと以外は、実施例2と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0070】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が360%、160℃での破断点伸度が280%、160℃での最大抗張力が0.10MPa、架橋度が39重量%、見掛け密度が0.043g/cm3 であった。
【0071】
(実施例4)
電子線の照射量を2.5Mradとしたこと以外は、実施例2と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0072】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が310%、160℃での破断点伸度が355%、160℃での最大抗張力が0.17MPa、架橋度が60重量%、見掛け密度が0.043g/cm3 であった。
【0073】
(比較例1)
ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(チッソ社製 商品名「XF1800」、エチレン−プロピレンランダム共重合体、クロス分別法により測定した100℃以上での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の35.1重量%、クロス分別法により測定した0℃での樹脂溶出量:全ポリプロピレン系樹脂の1重量%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:147℃、メルトインデックス:1.8g/cm3 、密度:0.910g/cm3 )60重量%と実施例1と同様の直鎖状低密度ポリエチレン40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用い、電子線の照射量を5.0Mradとしたこと以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0074】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が190%、160℃での破断点伸度が135%、160℃での最大抗張力が0.03MPa、架橋度が47重量%、見掛け密度が0.048g/cm3 であった。
【0075】
(比較例2)
ポリオレフィン系樹脂として、実施例1と同様のポリプロピレン系樹脂15重量%と、実施例1と同様の直鎖状低密度ポリエチレン85重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0076】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が270%、160℃での破断点伸度が205%、160℃での最大抗張力が0.04MPa、架橋度が31重量%、見掛け密度が0.050g/cm3 であった。
【0077】
(比較例3)
電子線の照射量を0.1Mradとしたこと以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0078】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が340%、160℃での破断点伸度が150%、160℃での最大抗張力が0.03MPa、架橋度が5重量%、見掛け密度が0.030g/cm3 であって、表面荒れが発生しており外観性に劣るものであった。
【0079】
(比較例4)
ポリオレフィン系樹脂として、実施例2と同様のポリプロピレン系樹脂20重量%と実施例1と同様の直鎖状低密度ポリエチレン80重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用い、電子線の照射量を3.0Mradとしたこと以外は、実施例1と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0080】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が335%、160℃での破断点伸度が130%、160℃での最大抗張力が0.07MPa、架橋度が53重量%、見掛け密度が0.045g/cm3 であった。
【0081】
(実施例5)
ポリプロピレン系樹脂(バセル社製 商品名「SD−632」、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8):8.0、23℃での破断点伸度:165%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:160℃、メルトインデックス:3.0、密度:0.90g/cm3 )60重量%と、直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製 商品名「UZ20100J」、密度:0.920g/cm3 、メルトインデックス:8.0g/10分)40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂100重量部、アゾジカルボンアミド13重量部、ジビニルベンゼン2重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部、ジラウリルチオプロピオネート0.3重量部及びメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を単軸押出機に供給して185℃で溶融、混練して押出し、厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0082】
次に、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に、加速電圧700kVで電子線を1.0Mrad照射して発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させた上で、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを250℃に加熱して発泡させ、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0083】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が280%、160℃での破断点伸度が178%、160℃での最大抗張力が0.076MPa、架橋度が43重量%、見掛け密度が0.043g/cm3 であった。
【0084】
(実施例6)
電子線の照射量を2.0Mradとしたこと以外は、実施例5と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0085】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が295%、160℃での破断点伸度が162%、160℃での最大抗張力が0.091MPa、架橋度が41重量%、見掛け密度が0.048g/cm3 であった。
【0086】
(比較例5)
ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(バセル社製 商品名「PF−814」、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8):7.1、23℃での破断点伸度:80%、示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度:161℃、メルトインデックス:3.0g/10分、密度:0.90g/cm3 )60重量%と、実施例5と同様の直鎖状低密度ポリエチレン40重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を用いた以外は、実施例5と同様にして架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
【0087】
得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その23℃での破断点伸度が110%、160℃での破断点伸度が206%、160℃での最大抗張力が0.081MPa、架橋度が47重量%、見掛け密度が0.048g/cm3 であった。
【0088】
【発明の効果】
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、23℃での破断点伸度が150%以上で且つ160℃での破断点伸度が150%以上であると共に、160℃での最大抗張力が0.05MPa以上であって、架橋度が7〜80重量%で且つ見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であることを特徴とするので、優れた耐熱性及び柔軟性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく複雑な形状に成形することができる。
【0089】
そして、ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、より優れた耐熱性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく更に複雑な形状に成形することができる。
【0090】
又、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散し且つクロス分別法により測定された100℃以上での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂の40重量%以上であるポリプロピレン系樹脂である場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は耐熱性に優れ、スタンピング成形によって破れや皺を発生させることなく外観性に優れた成形品を確実に得ることができる。
【0091】
そして、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散し且つクロス分別法により測定された0℃での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂の1〜50重量%であるポリプロピレン系樹脂である場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、耐熱性及び柔軟性に更に優れており、金型を最小限の加熱或いは加熱なしにスタンピング成形によって破れや皺を発生させることなく所望形状の成形品に成形することができる。
【0092】
一方、ポリオレフィン系樹脂として、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、より優れた耐熱性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく更に複雑な形状に成形することができる。
【0093】
そして、180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であり且つJIS K7113に準拠した引張試験を行った時における23℃での破断点伸度が120%以上であるポリプロピレン系樹脂である場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、より優れた常温での伸びを有しており、金型を低温度或いは金型を加熱することなしにスタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく更に複雑な形状に成形することができる。
【0094】
更に、ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度が155℃以上である場合には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、優れた耐熱性及び柔軟性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなくさらに複雑な形状に成形することができる。
【0095】
最後に、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂或いは180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂と、熱分解型発泡剤とからなる発泡性樹脂成形体に電離性放射線を0.15〜10Mrad照射して発泡性樹脂成形体を架橋した後、上記発泡性樹脂成形体を加熱し熱分解型発泡剤を分解させて発泡させることを特徴とするので、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、優れた耐熱性及び柔軟性を有しており、スタンピング成形により成形した場合にあっても、破れや皺を生じることなく複雑な形状に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリプロピレン系樹脂における180℃、0.1sec−1のひずみ速度での伸長粘度η(ε=2)及びη(ε=0.8)の測定装置の模式側面図である。
【図2】伸長粘度の時間に対する依存性の一例を示したグラフである。
【符号の説明】
1 試験片
2a、2b、3a、3b ローラ
Claims (10)
- 23℃での破断点伸度が150%以上で且つ160℃での破断点伸度が150%以上であると共に、160℃での最大抗張力が0.05MPa以上であって、架橋度が7〜80重量%で且つ見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリプロピレン系樹脂が、クロス分別法により測定された100℃以上での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂の40重量%以上であることを特徴とする請求項2に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリプロピレン系樹脂が、クロス分別法により測定された0℃での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂の1〜50重量%であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度が155℃以上であることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- 180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリプロピレン系樹脂は、JIS K7113に準拠した引張試験を行った時における23℃での破断点伸度が120%以上であることを特徴とする請求項6に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリプロピレン系樹脂における示差走査熱量分析による結晶融解ピーク温度が155℃以上であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリエチレン成分がポリプロピレン成分中に分散してなるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤とからなる発泡性樹脂成形体に電離性放射線を0.15〜10Mrad照射して発泡性樹脂成形体を架橋した後、上記発泡性樹脂成形体を加熱し熱分解型発泡剤を分解させて発泡させることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
- 180℃、0.1sec−1のひずみ速度にて伸長粘度ηの時間依存性を測定した時のη(ε=2)/η(ε=0.8)が2以上であるポリプロピレン系樹脂を30重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤とからなる発泡性樹脂成形体に電離性放射線を0.15〜10Mrad照射して発泡性樹脂成形体を架橋した後、上記発泡性樹脂成形体を加熱し熱分解型発泡剤を分解させて発泡させることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
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JP2006028255A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-02 | Sekisui Chem Co Ltd | ポリオレフィン系樹脂、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂発泡体 |
JPWO2016039400A1 (ja) * | 2014-09-10 | 2017-06-22 | 積水化学工業株式会社 | 発泡体、積層体及び成形体 |
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-
2003
- 2003-02-12 JP JP2003034186A patent/JP2004075976A/ja active Pending
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