JP3454739B2 - 架橋オレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

架橋オレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法

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JP3454739B2
JP3454739B2 JP5036499A JP5036499A JP3454739B2 JP 3454739 B2 JP3454739 B2 JP 3454739B2 JP 5036499 A JP5036499 A JP 5036499A JP 5036499 A JP5036499 A JP 5036499A JP 3454739 B2 JP3454739 B2 JP 3454739B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性及び機械的
強度に優れているとともに、複雑な形状に成形可能な架
橋オレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オレフィン系樹脂発泡体は柔軟
性及び断熱性に優れていることから、従来から天井、ド
ア、インストルメントパネル等の車両内装材として広く
用いられてきた。
【0003】このようなオレフィン系樹脂発泡体として
は、特公平2−38100号公報にプロピレン系樹脂を
主成分とするオレフィン系樹脂発泡体が開示されている
ものの耐熱性及び機械的強度の点において不十分なもの
であった。
【0004】そこで、耐熱性及び機械的強度を向上させ
るために、特公平8−9178号公報には、無機フィラ
ー含有シート層をオレフィン系樹脂発泡体表面に積層さ
せることが開示されているものの、上記無機フィラー含
有シート層を積層させると、製造工程が増加するととも
に、軽量性が低下するといった問題点があった。
【0005】又、特公昭57−26207号公報には、
オレフィン系樹脂発泡体の表層部の架橋度を増大させ
て、表面強度を向上させる方法が提案されているもの
の、得られるオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性及び機械
的強度は未だ不十分なものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性及び
機械的強度に優れているとともに、複雑な形状に成形可
能な架橋オレフィン系樹脂発泡体及びその製造方法を提
供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の架橋オ
レフィン系樹脂発泡体は、単位重量当たりの融解エネル
ギー(示差走査熱量分析の融解ピーク面積から得られる
熱量値/重量)が85mJ/mg以上であり、単位重量
当たりの融解エネルギーに含まれる120℃以上の融解
エネルギーが60mJ/mgよりも大きく且つ140℃
以上の融解エネルギーが40mJ/mgよりも大きいと
ともに、熱分解型発泡剤を用いて発泡させて得られたこ
とを特徴とする。
【0008】
【0009】上記単位重量当たりの融解エネルギーと
は、示差走査熱量分析の融解ピーク面積から得られる熱
量値(mJ)をサンプル重量(mg)で除して得られる
ものである。この示差走査熱量分析の融解ピーク面積
は、JIS K7211-1997 に準拠して測定された融
解ピーク曲線と、該融解ピーク曲線の融解開始温度部分
と融解終了温度部分とを結ぶ直線とによって囲まれた部
分の面積をいう(図1(a)における斜線部分の面
積)。なお、オレフィン系樹脂としてエチレン系樹脂を
含む場合は融解開始温度を70℃とする。
【0010】上記単位重量当たりの融解エネルギーの具
体的な測定方法としては、セイコー電子株式会社製SS
C5200示差走査熱量計を用いることによって示差走
査熱量分析の融解ピーク曲線を測定して該融解ピーク曲
線から融解ピーク面積を算出し、この融解ピーク面積か
ら熱量値を得る方法が挙げられる。
【0011】上記単位重量当たりの融解エネルギーに含
まれる120℃以上の融解エネルギーとは、上記示差走
査熱量分析の融解ピーク面積に対する120℃以上部分
の融解ピーク面積(図1(b)の斜線部分)の百分率を
算出し、上記示差走査熱量分析の融解ピーク面積から得
られる熱量値に上記算出した百分率を掛けて得られるも
のをいう。
【0012】同様に、上記単位重量当たりの融解エネル
ギに含まれる140℃以上の融解エネルギーとは、上記
示差走査熱量分析の融解ピーク面積に対する140℃以
上部分の融解ピーク面積(図1(c)の斜線部分)の百
分率を算出し、上記示差走査熱量分析の融解ピーク面積
から得られる熱量値に上記算出した百分率を掛けて得ら
れるものをいう。
【0013】上記示差走査熱量分析の融解ピーク面積に
対する120℃又は140℃以上部分の融解ピーク面積
の百分率の具体的な算出方法の一例としては、示差走査
熱量分析の融解ピーク曲線を紙にコピーし、該融解ピー
ク曲線と、該融解ピーク曲線の融解開始温度部分と融解
終了温度部分とを結ぶ直線とによって囲まれた部分を切
り取り、その切り取った紙の重さを測定する一方、上記
切り取った紙のうちの120℃又は140℃以上部分の
紙の重さを測定し、120℃又は140℃以上部分の紙
の重さを切り取った紙全体の重さで除すことによって算
出することができる。
【0014】上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の単位重
量当たりの融解エネルギーは、小さいと、架橋オレフィ
ン系樹脂発泡体の結晶性成分量が減少して、該架橋オレ
フィン系樹脂発泡体の耐熱性及び機械的強度が低下する
ので、85mJ/mg以上であることが必要である。
【0015】又、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体にお
ける単位重量当たりの融解エネルギーに含まれる120
℃以上の融解エネルギーは、小さいと、高温融解結晶成
分が減少して架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性及び
機械的強度が低下するので、60mJ/mgよりも大き
いことが必要である。
【0016】同様に、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体
における単位重量当たりの融解エネルギーに含まれる1
40℃以上の融解エネルギーは、小さいと、高温融解結
晶成分が減少して架橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性
及び機械的強度が低下するので、40mJ/mgよりも
大きいことが必要である。
【0017】
【0018】
【0019】即ち、単位重量当たりの融解エネルギーに
含まれる120℃以上の融解エネルギーを60mJ/m
gよりも大きく且つ140℃以上の融解エネルギーが4
0mJ/mgよりも大きく構成するとともに、単位重量
当たりの融解エネルギーを85mJ/mg以上に構成す
ることによって、架橋オレフィン系樹脂発泡体に、より
優れた耐熱性及び機械的強度を付与することができる。
【0020】上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を構成す
る樹脂としては、融解エネルギーが上記範囲を満足する
架橋オレフィン系樹脂発泡体が得られれば、特に限定さ
れず、例えば、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂等の
オレフィン系樹脂が挙げられ、これらは単独で用いられ
ても併用されてもよく、併用する場合には、プロピレン
系樹脂とエチレン系樹脂との組み合わせが好ましい。
【0021】上記プロピレン系樹脂としては、例えば、
ホモポリプロピレンの他、プロピレンを主成分(50重
量%越)とするα−オレフィンとの共重合体等が挙げら
れる。なお、α−オレフィンとしては、例えば、エチレ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘプテン等が
挙げられ,ホモポリプロピレンが好ましい。
【0022】そして、ホモポリプロピレンの中でも高結
晶性のアイソタクチックホモポリプロピレンが好まし
く、ペンダット分率が96%以上のアイソタクチックホ
モプロピレンがより好ましい。
【0023】上記アイソタクチックホモポリプロピレン
のメルトインデックス(以下、「MI」という)は、高
いと、発泡性が低下することがあり、又、低いと、溶融
粘度が増大して熱分解型発泡剤を混練して押し出す際に
得られるシートに一次発泡が発生することがあるので、
5〜30g/10分が好ましい。なお、本発明におい
て、プロピレン系樹脂のMIとは、JIS K7210
に基づき、温度230℃、荷重2.16kgfの条件下
で測定されたものをいう。
【0024】上記プロピレンを主成分(50重量%越)
とするα−オレフィンとの共重合体のMIは、高いと、
発泡性が低下し、又、低いと、溶融粘度が増加し、熱分
解型発泡剤を混練して押し出す際に得られるシートが一
次発泡を生じることがあるので、0.1〜10g/10
分が好ましく、0.3〜8g/10分がより好ましい。
【0025】架橋オレフィン系樹脂発泡体を構成する樹
脂中の上記プロピレン系樹脂の含有量は、多くなると、
製造工程において一次発泡を生じて得られる架橋オレフ
ィン系樹脂発泡体の表面性が低下したり、或いは、所望
の発泡倍率が得られないことがあり、又、少ないと、得
られる架橋オレフィン系樹脂発泡体の高温強度が低下す
ることがあるので、10〜90重量%が好ましい。
【0026】即ち、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を
構成する樹脂中、MIが5〜30g/10分のアイソタ
クチックホモポリプロピレンが10〜90重量%である
ことが好ましい。
【0027】上記エチレン系樹脂としては、例えば、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レンの他、エチレンを主成分(50重量%越)とするα
−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。なお、α−
オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘプテン等が挙げられる。
【0028】上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の単位重
量当たりの融解エネルギーを増大させるために、密度が
0.95g/cc以上の高密度ポリエチレンを用いるこ
とが好ましい。
【0029】又、エチレン系樹脂のMIは、高いと、架
橋オレフィン系樹脂発泡体の成形性が低下し、又、低い
と、溶融粘度が増大して熱分解型発泡剤を混練して押し
出す際に得られるシートに一次発泡が発生することがあ
るので、0.5〜15g/10分が好ましく、2〜15
g/10分が更に好ましい。なお、本発明において、エ
チレン系樹脂のMIとは、JIS K7210に基づ
き、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下で測定
されたものをいう。
【0030】そして、架橋オレフィン系樹脂発泡体を構
成する樹脂中の上記エチレン系樹脂の含有量は、少ない
と、得られる架橋オレフィン系樹脂発泡体の剛性が低下
することがあるので、10重量%以上が好ましい。
【0031】即ち、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡
体を構成する樹脂中、MIが0.5〜15g/10分で
且つ密度が0.95g/cc以上の高密度ポリエチレン
を10重量%以上含有することが好ましい。
【0032】又、上記プロピレン系樹脂と上記エチレン
系樹脂とを併用する場合、プロピレン系樹脂の含有量
は、多いと、溶融粘度が増大して熱分解型発泡剤を混練
して押し出す際に得られるシートに一次発泡が発生する
ことがあり、又、少ないと、得られる架橋オレフィン系
樹脂発泡体の耐熱性及び機械的強度が低下することがあ
るので、10〜90重量%が好ましい。
【0033】上記架橋オレフィン系樹脂発泡体を構成す
る樹脂として、上記オレフィン系樹脂の他に、エチレン
−プロピレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴ
ム(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチ
レンゴム(SEBS)等を架橋オレフィン系樹脂発泡体
の物性を損なわない範囲内で添加してもよい。
【0034】更に、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体は
熱分解型発泡剤を用いて発泡させて得られたものであ
り、このように熱分解型発泡剤を用いて発泡させる発泡
方法を用いると、発泡体に架橋構造を付与することがで
きる。
【0035】即ち、架橋オレフィン系樹脂発泡体の融解
エネルギーが上記範囲となるようにオレフィン系樹脂を
選択するとともに、熱分解型発泡剤を用いて発泡させ得
られる発泡体に架橋構造を導入すると、両者の相乗効果
によって、優れた耐熱性、機械的強度及び成形性を架橋
オレフィン系樹脂発泡体に付与することができる。
【0036】しかも、発泡体に架橋構造を導入すること
によって高発泡倍率のものを得ることができることか
ら、得られる架橋オレフィン系樹脂発泡体は軽量性にも
優れている。
【0037】上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の密度
は、小さくなると、架橋オレフィン系樹脂発泡体の機械
的強度が低下することがあり、又、大きいと、架橋オレ
フィン系樹脂発泡体の軽量性が低下することがあるの
で、0.02〜0.20g/ccが好ましく、0.03
〜0.10g/ccがより好ましい。
【0038】上記架橋オレフィン系樹脂発泡体の製造方
法としては、例えば、上記オレフィン系樹脂と熱分解型
発泡剤とからなる発泡性樹脂組成物に、必要に応じて架
橋助剤を添加した上で、この発泡性樹脂組成物を押出機
に供給して溶融混練して発泡性樹脂成形体を押し出し、
この得られた発泡性樹脂成形体に電離性放射線を所定量
照射して発泡性樹脂成形体に架橋構造を付与した後、こ
の架橋された発泡性樹脂成形体を上記熱分解型発泡剤の
分解温度以上に加熱して架橋オレフィン系樹脂発泡体を
製造する方法、上記オレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤
とからなる発泡性樹脂組成物に、架橋剤及び必要に応じ
て架橋助剤を添加した上で、この発泡性樹脂組成物を押
出機に供給して溶融混練して発泡性樹脂成形体を押し出
し、この得られた発泡性樹脂成形体を押し出しと同時に
加熱ロール等によって上記熱分解型発泡剤の分解温度以
上に加熱して架橋オレフィン系樹脂発泡体を製造する方
法等が挙げられる。
【0039】上記発泡性樹脂組成物を押出機に供給して
溶融混練する際、該発泡性樹脂組成物の溶融粘度が大き
いと、一次発泡が発生して、得られる架橋オレフィン系
樹脂発泡体の表面性が低下したり、或いは、その後の発
泡において所望発泡倍率が得られなかったりすることが
あるので、上記発泡性樹脂組成物の溶融粘度が10,0
00ポイズ以下となるように調整するのが好ましい。
【0040】上記熱分解型発泡剤としては、従来から発
泡体製造に用いられているものであれば特に限定され
ず、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、ヒドラドジカルボンアミド、アゾ
ジカルボン酸バリウム塩、ニトロソグアニジン、p,p
, −オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、N,N, −ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジ
ド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
【0041】上記熱分解型発泡剤の添加量は適宜調節さ
れるが、多いと破泡することがあり、又、少ないと、発
泡しないことがあるので、オレフィン系樹脂100重量
部に対して、1〜50重量部が好ましく、1〜30重量
部が更に好ましい。
【0042】上記架橋助剤としては、特に限定されず、
例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリ
レート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、
トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシ
アヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカ
ルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオー
ルジメタクリレート等が挙げられる。
【0043】上記架橋助剤の添加量は適宜調整される
が、多いと、発泡性樹脂成形体の架橋が進み過ぎ発泡を
阻害することがあり、又、少ないと、添加した効果が得
られないので、オレフィン系樹脂100重量部に対し
て、0.5〜30重量部が好ましく、2.0〜15重量
部がより好ましい。
【0044】上記架橋剤としては、特に限定されず、例
えば、イソブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン−3、1,3−ビス(t−ブチルパー
オキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、シクロヘキサンパーオキサ
イド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ベルレート、ベンゾイル
パーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルオパーオキ
シ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブチルパーオキシ
イソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸等が
挙げられる。
【0045】上記架橋剤の添加量は、多いと、架橋密度
が高くなりすぎて発泡しないことがあり、又、少ない
と、架橋密度が不足し発泡に必要な剪断粘度が得られな
いことがあるので、オレフィン系樹脂100重量部に対
して、0.1〜10重量部が好ましい。
【0046】なお、上記架橋剤及び架橋助剤の添加量の
目安としてゲル分率が挙げられ、得られる架橋オレフィ
ン系樹脂発泡体のゲル分率が好ましくは20〜75重量
%、より好ましくは、30〜65重量%となるように架
橋助剤の添加量を調整すればよい。
【0047】ここで、本発明においてゲル分率とは、架
橋オレフィン系樹脂発泡体をAg秤量し、これを120
℃のキシレン中に24時間浸漬し、残差を200メッシ
ュの金網で濾過し、金網上の不溶解分を真空乾燥し、そ
の時の重量を測定し(Bg)、下記式により算出された
ものである。 ゲル分率(重量%)=100×B/A
【0048】上記電離性放射線としては、従来から発泡
性樹脂成形体の架橋に用いられているものであれば、特
に限定されず、例えば、α線、β線、ガンマ線、電子線
等が挙げられる。
【0049】なお、上記発泡性樹脂組成物には、発泡性
を阻害しない範囲で、上記架橋助剤の他に、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系、リン
系、アミン系、ジラウリルチオジプロピオネート等のイ
オウ系等の酸化防止剤;メチルベンゾトリアゾール等の
金属害防止剤、リン系、チッソ系、ハロゲン系、アンチ
モン系及びこれらを混合してなる難燃剤、充填剤、帯電
防止剤、顔料等が添加されてもよい。
【0050】
【実施例】実施例1〜3及び比較例1、2において以下
のオレフィン系樹脂を用いた。 (プロピレン系樹脂) ホモPP;アイソタクチックホモプロピレン(ペンダッ
ト分率=98%、MI=15/10分) ランダムPP;エチレン−プロピレン共重合体(エチレ
ン含有量3.2重量%、MI=2.0g/10分)
【0051】(エチレン系樹脂) HDPE;高密度ポリエチレン(密度=0.969g/
cc、MI=5.0g/10分) LLDPE;直鎖状低密度ポリエチレン(密度=0.9
20g/cc、MI=2.0g/10分)
【0052】(実施例1〜3、比較例1、2)表1に示
した量のホモPP、ランダムPP、HDPE及びLLD
PE、架橋助剤として1,9−ノナンジオールジメタク
リレート4.0重量部、有機系熱分解型発泡剤としてア
ゾジカルボンアミド7.5重量部、酸化防止剤として
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部
及びジラウリルチオジプロピオネート0.3重量部並び
に金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾール0.5
重量部からなる発泡性樹脂組成物を二軸押出機(池貝鉄
工社製 形式;PCM87)に供給して、温度190℃
で表1に示した溶融粘度にて溶融混練してシート状に押
し出し、厚さ1.3mmの発泡性樹脂シートを得た。
【0053】得られた発泡性樹脂シートに加速電圧60
0kVで電子線10Mradを照射して発泡性樹脂シー
トを架橋させた後、この架橋された発泡性樹脂シートを
オーブンに入れて温度250℃で5分間自由発泡させ
て、架橋オレフィン系樹脂発泡体を得た。
【0054】得られた架橋オレフィン系樹脂発泡体の単
位重量当たりの融解エネルギー、密度並びに常温及び1
00℃における20%伸長時応力を以下の方法で測定
し、その結果を表2に示した。
【0055】(融解エネルギー)得られた架橋オレフィ
ン系樹脂発泡体の融解ピーク曲線をJIS K7211
-1997 に準拠して示差走査熱量計(セイコー電子株式会
社製 SSC5200)を用いて昇温温度10℃/mi
nで測定した。
【0056】そして、上記示差走査熱量計のAnalysisジ
ョブプログラムを使用して上記融解ピーク曲線から単位
重量当たりの融解エネルギーΔHを算出した。更に、上
記融解ピーク曲線から120℃以上の融解エネルギーΔ
120 と140℃以上の融解エネルギーΔH140 を算出
した。
【0057】(密度)得られた架橋オレフィン系樹脂発
泡体の密度を電子比重計(ミラージュ社製ED120
T)を用いて測定した。
【0058】(20%伸長時応力)得られた架橋オレフ
ィン系樹脂発泡体の常温及び100℃における20%伸
長時応力をJIS K6767に準拠して測定した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明の架橋オレフィン系樹脂発泡体
は、単位重量当たりの融解エネルギーが所定値以上とな
るように構成しているとともに、熱分解型発泡剤を用い
て得られたものであるから、耐熱性、機械的強度、成形
性及び軽量性に優れたものである。
【0062】更に、メルトインデックスが5〜30g/
10分のアイソタクチックホモポリプロピレンを10〜
90重量%含有させ、或いは、メルトインデックスが
0.5〜15g/10分で且つ密度が0.95g/cc
以上の高密度ポリエチレンを10重量%以上含有させる
ことによって高結晶性成分量を増加させて、得られる架
橋オレフィン系樹脂発泡体の耐熱性及び機械的強度をよ
り向上させることができる。
【0063】そして、上記架橋オレフィン系樹脂発泡体
の製造方法として、オレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤
とからなる発泡性樹脂組成物を押出機にて溶融混練して
発泡性樹脂成形体を製造し、この発泡性樹脂成形体を架
橋した後、架橋発泡性樹脂成形体を熱分解型発泡剤を分
解させることによって発泡させる方法を採用することに
よって、発泡体に架橋構造を付与し、より優れた耐熱
性、機械的強度及び成形性並びに軽量性を有する架橋オ
レフィン系樹脂発泡体を得ることができるとともに、発
泡性樹脂組成物を押出機にて10,000ポイズ以下の
溶融粘度で溶融混練することによって、一次発泡が生じ
るのを阻止して、表面性に優れているとともに気泡径が
略均一化され、更に、所望の発泡倍率に発泡した架橋オ
レフィン系樹脂発泡体を得ることが出来る。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】架橋オレフィン系樹脂発泡体の融解ピーク曲線
の一例を示した図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単位重量当たりの融解エネルギー(示差
    走査熱量分析の融解ピーク面積から得られる熱量値/重
    量)が85mJ/mg以上であり、単位重量当たりの融
    解エネルギーに含まれる120℃以上の融解エネルギー
    が60mJ/mgよりも大きく且つ140℃以上の融解
    エネルギーが40mJ/mgよりも大きいとともに、熱
    分解型発泡剤を用いて発泡させて得られたことを特徴と
    する架橋オレフィン系樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 メルトインデックスが5〜30g/10
    分のアイソタクチックホモポリプロピレンを10〜90
    重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の架橋
    オレフィン系樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 メルトインデックスが0.5〜15g/
    10分で且つ密度が0.95g/cc以上の高密度ポリ
    エチレンを10重量%以上含有することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の架橋オレフィン系樹脂発泡体。
  4. 【請求項4】 オレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤とか
    らなる発泡性樹脂組成物を押出機にて10,000ポイ
    ズ以下の溶融粘度で溶融混練して発泡性樹脂成形体を製
    造し、この発泡性樹脂成形体を架橋した後、架橋発泡性
    樹脂成形体を加熱することを特徴とする請求項1乃至請
    項3のいずれか1項に記載の架橋オレフィン系樹脂発
    泡体の製造方法。
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