JP2004090528A - 不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体 - Google Patents

不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験の基準を充分に満たし、燃焼時の総発熱量及び発熱速度が小さく、火災が起こった際、延焼を抑制する効果がある不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を提供する。
【解決手段】不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体は、ポリオレフィン(A)とセルロース系粉体(B)とをA:B=90〜10:10〜90の比率(質量比)で含有するセルロース系粉体含有複合樹脂成形体1を、下記式:X=8000/Y、t=(X/10000)/ρ(ここで、Xは総発熱量が8MJ以下となる材料の重さ[g/m]、Yは材料(母材樹脂+セルロース系粉体)の発熱量[kJ/g]、ρは材料の密度[g/cm]、tは総発熱量が8MJ以下となる材料の厚さ[cm]である。)で計算される厚さtが0.05≦t≦0.8mmとなるような厚さで、接着層2を介して無機系基材3に積層してなる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体に関し、さらに詳しくは、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験において、総発熱量が8MJ/m以下であり、かつ最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないため、不燃性に優れ、かつ表面層であるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を木質様に加工することで木質感を作出することができ、加工性、施工性に優れる不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からセルロース系粉体含有複合樹脂成形体の開発は種々行なわれ、特に充填材にセルロース系粉体を用いることは木屑、木質系建築廃材、古紙等の資源の再利用を図るために有効な方法である。また、セルロース系粉体含有複合樹脂成形体中のセルロース系粉体の割合を多くし、ポリオレフィンの割合を少なくすることが経済的に有利であり、さらに木粉が多くなるに従って、優れた木質感が得られる。このような組成のセルロース系粉体含有複合樹脂成形品は、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記セルロース系粉体含有複合樹脂成形体においては、ポリオレフィンにセルロース系粉体が配合されているため、難燃性に劣り、火災が起こった際、延焼を抑制できないという問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特公昭59−30176号公報(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記したような問題に鑑みなされたものであり、その目的は、母材樹脂がポリオレフィンからなる不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体において、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験の基準を充分に満たし、燃焼時の総発熱量及び発熱速度が小さく、火災が起こった際、延焼を抑制する効果がある不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によれば、不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体が提供され、その基本的な態様は、ポリオレフィン(A)とセルロース系粉体(B)とをA:B=90〜10:10〜90の比率(質量比)で含有するセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、下記式
X[g/m]=8000[kJ/m]/Y[kJ/g]
t[cm]=(X/10000)/ρ[g/cm
X:総発熱量が8MJ以下となる材料の重さ[g/m
Y:材料(母材樹脂+セルロース系粉体)の発熱量[kJ/g]
ρ:材料の密度[g/cm
t:総発熱量が8MJ以下となる材料の厚さ[cm]
で計算される厚さtが0.05≦t≦0.8[mm]となるような厚さで無機系基材に積層してなることを特徴としている。
このような不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体は、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験において、総発熱量が8MJ/m以下であり、かつ最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないことを特徴としている。
セルロース系粉体含有複合樹脂成形体を無機系基材に積層する態様は、セルロース系粉体含有複合樹脂成形体をビス止め及び/又は加締め等、機械的な接合方法によって無機系基材に積層する態様、又はセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を接着剤及び/又は粘着剤を用いた接着層を介して無機系基材に積層する態様、及びこれらを組み合わせて採用する態様がある。
【0006】
【発明の実施の形態】
前記したように、一般にセルロース系粉体含有複合樹脂成形体においては、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験で、総発熱量が8MJ/m以上であり、かつ最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えるため、燃焼時の総発熱量及び発熱速度が大きく、火災が起こった際、延焼を抑制することができない。
本発明者らは、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験で、総発熱量及び最大発熱速度を小さくすることについて鋭意検討の結果、母材樹脂がポリオレフィンからなるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を無機系基材に積層すること、及び積層するセルロース系粉体含有複合樹脂成形体の厚さをその材料(母材樹脂+セルロース系粉体)の発熱量から計算した前記特定範囲に調整することにより、用いるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体の組成が異なっても優れた難燃性を付与できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体は、セルロース系粉体含有複合樹脂成形体を無機系基材に積層すると共に、積層するセルロース系粉体含有複合樹脂成形体の厚さをその材料(母材樹脂+セルロース系粉体)の発熱量から計算した総発熱量が一定値以下となるように調整したことにより、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験で、総発熱量が8MJ/m以下であり、かつ最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないため、燃焼時の総発熱量及び発熱速度が小さく、火災が起こった際、延焼を抑制する効果がある。
ちなみに、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験で、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴の発生がなく、燃焼時の総発熱量が8MJ/m以下、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない場合、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験の合格基準を満たしたことになり、その材料は不燃材料として良好な不燃性を有する。
【0008】
前記無機系基材としては如何なるものであってもよく、例えば鉄板、ステンレス板、亜鉛メッキ鋼板、マグネシウム板、アルミニウム板、銅板等の金属材や、ガラス板、石膏ボード等のセラミックス材、及びこれらの材料にメッキ処理又は塗装処理を行なったものが挙げられ、それ自身が不燃材料としての難燃性を有するものが好ましく、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
前記のような無機系基材の中でも、人体への毒性が認められず、比較的汎用性があり、加工性、施工性に優れ、軽量で経済的にも有利なアルミニウム板を用いることが好ましく、特にアルミ建材等に一般的に使用される6063合金が好ましい。
【0009】
前記セルロース系粉体としては如何なるものであってもよく、例えば木粉、竹粉、パルプ、バカス、ケナフ、おが屑、木質繊維、籾殻、破砕チップ材、果実穀粉、古紙等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。このようなセルロース系粉体の中でも、特に木粉を用いることが好ましい。
なおセルロース系粉体は如何なる大きさのものであってもよいが、60メッシュ以上、300メッシュ以下の大きさのセルロース系粉体が、得られる複合樹脂成形体の機械的物性の点からより好ましい。
また、セルロース系粉体が水分等の揮発成分を含んでいると、これが加工工程で発泡し、製品不良の原因となる。そのため、セルロース系粉体が揮発成分を含んでいる場合、予め乾燥して、130℃で測定したときの揮発成分が0.5質量%以下となるように調整することが好ましい。
【0010】
前記ポリオレフィンとしては、如何なるものであってもよく、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらポリオレフィンの中でも、特に、安価で工業的に量産性があること、軽量でかつ剛性に優れ、比較的耐熱性が良好なこと、及び成形性がよいことからポリプロピレンが好適である。
【0011】
セルロース系粉体及びポリオレフィンの配合割合は、ポリオレフィン90〜10質量%及びセルロース系粉体10〜90質量%である。ここで、ポリオレフィンがセルロース系粉体との配合比率で10:90よりも少なくなると、ポリオレフィンがセルロース系粉体の各部周囲に回り切らないため、強度に問題のあるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体が得られるので好ましくない。一方、ポリオレフィンがセルロース系粉体との配合比率で90:10よりも多くなると、その分、添加するセルロース系粉体の配合量が少なくなり、天然に近い木質感が極端に損なわれるので好ましくない。
【0012】
なお、本発明においては、前記各成分の他に、必要に応じて、セルロース系粉体とポリオレフィンの親和性を向上させるための不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂や、着色剤等の各種添加剤を加えることができる。上記不飽和カルボン酸としては、如何なるものであってもよく、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、上記不飽和カルボン酸の誘導体としては、如何なるものであってもよく、上記不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステル等のうちの1つ或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
着色剤としては、如何なるものであってもよく、例えば二酸化チタン、酸化コバルト、群青、紺青、弁柄、銀朱、鉛白、鉛丹、黄鉛、ストロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、チタンブラック、ジンククロメート、鉄黒、モリブデン赤、モリブデンホワイト、リサージ、リトポン、カーボンブラック、エメラルドグリーン、ギネー緑、カドミウム黄、カドミウム赤、コバルト青、アゾ顔料、フタロシアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン、ジオキサジンバイオレット、ペリノンペリレン等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
その他必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤及び滑剤等の各種添加剤を加えることができる。
【0014】
本発明の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体は、前記のように母材樹脂がポリオレフィンからなるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、無機系基材に接着及び/又は粘着することによっても得ることができるし、或いはまた、ビス止め及び/又は加締め等の機械的な接合方法によっても得ることができる。
本発明の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体の幾つかの構成例を図1〜3に示す。図1は、無機系基材3の上面及び両側面を覆うように接着剤及び/又は粘着剤からなる接着層2を介してセルロース系粉体含有複合樹脂成形体1が積層された不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層板を示し、図2は無機系基材3の上面のみを覆うように接着剤及び/又は粘着剤からなる接着層2を介してセルロース系粉体含有複合樹脂成形体1が積層された例を示し、また、図3は無機系基材3の上面及び一方の側面のみを覆うように接着剤及び/又は粘着剤からなる接着層2を介してセルロース系粉体含有複合樹脂成形体1が積層された例を示しているが、これらの態様に限定されるものではなく、また、図示のような板状成形品の他、中空部を有する板状成形品等の各種形状、構造の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を製造できる。
【0015】
前記したように、本発明の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体は、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験において、総発熱量が8MJ/m以下であり、かつ最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないように、セルロース系粉体含有複合樹脂成形体の厚さは、セルロース系粉体含有複合樹脂成形体を構成する原料の発熱量より決定され、
X[g/m]=8000[kJ/m]/Y[kJ/g]
t[cm]=(X/10000)/ρ[g/cm
X:総発熱量が8MJ以下となる材料の重さ[g/m
Y:材料(母材樹脂+セルロース系粉体)の発熱量[kJ/g]
ρ:材料の密度[g/cm
t:総発熱量が8MJ以下となる材料の厚さ[cm]
で計算される厚さtが0.05≦t≦0.8[mm]となるような厚さで無機系基材に積層してなることを特徴としている。
厚さtが0.05mm未満の場合、積層されるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体の厚みが薄くなりすぎ、木質感を与えることができなくなると共に、木質様に加工することが困難になる。一方、適用可能なセルロース系粉体含有複合樹脂成形体の最大厚みは、本発明の目的である不燃性と成形性との関係から、0.8mm以下とすることが必要である。なお、積層に接着層を用いる場合には、セルロース系粉体含有複合樹脂成形体と接着層の合計厚さは0.05〜0.8mm、接着層の厚さは0.01〜0.25mmとすることが好ましい。
【0016】
セルロース系粉体含有複合樹脂成形体の厚さは、材料(母材樹脂+セルロース系粉体)の発熱量をもとに前記した計算式により決定されるが、燃焼時に発熱を伴わない前記添加剤の添加量によって調整可能である。例えば、セルロース系粉体として木粉を最大の90質量%用い、また他の添加剤を添加しないとした場合、木粉(もみじ)の燃焼熱は17.76[kJ/g]、ポリプロピレンの燃焼熱は43.31[kJ/g]であるから、総発熱量は20.315[kJ/g]となり、材料の発熱量をもとに計算した場合の厚さは0.39mmとなる。しかしながら、水酸化マグネシウムなどの難燃剤や無機系粉体を混入させることにより、それだけ上記有機系材料の配合割合が小さくなり、従って総発熱量が低下するので、前記厚さを大きくすることが可能であり、成形が可能な混入量(約50質量%)とする点から0.8mmまで大きくすることが可能である。
なお、難燃性の評価には、コーンカロリーメータ等が用いられる。
【0017】
また、得られる積層体成形品の表面層であるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体の表面樹脂部分を除去(サンディング等による木質様加工)することでセルロース系粉体が表面に露出するので、木質感を作出することができ、さらには、研削、研磨、切断、彫刻等の加工を施すことによって、サッシ、枠材、壁材、床材、ドア、パネル、笠木、腰板、すのこ、濡れ縁、額縁、デッキ材、屋根、しきり板、雨戸、雨どい、柱、柱カバー、つき板、室内建具用框材及び枠材、花壇、フェンス、ベンチ、門扉、看板、ルーバー、ドアハンドル、クレセント、手すり、家具、船舶のデッキ材、電車の床材、自動車の内外装材、家電製品のハウジング等の製品に仕上げることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明についてより具体的に説明するが、もちろん本発明は、下記実施例によって何ら限定されるものではない。尚、とくに断りの無い限り、実施例に記載の「部」は「質量部」を示す。下記実施例及び比較例においては、セルロース系粉体含有複合樹脂成形体及び不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を得るためには如何なる装置を用いてもよい。
【0019】
実施例1
木粉122部、ポリプロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1部及び顔料12部よりなる厚さ0.1mmのセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、厚さ0.1mm以下となるように塗布した熱硬化性接着剤により厚さ3mmのアルミニウム板に接着し、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0020】
実施例2〜3
実施例1において、セルロース系粉体含有複合樹脂成形体を表1に記載した厚さに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0021】
実施例4〜5
実施例1において、熱硬化性接着剤を表1に記載した厚さに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した
【0022】
実施例6
木粉122部、ポリプロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1部及び顔料12部よりなる厚さ0.3mmのセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、厚さ0.1mm以下となるように塗布した熱硬化性接着剤により厚さ3mmのアルミニウム板に接着し、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0023】
実施例7
実施例6において、接着剤を粘着剤に変更した以外は、実施例6と同様の操作を行なうことにより、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0024】
実施例8〜11
実施例6において、アルミニウム板を表1に記載した厚さに変更した以外は、実施例6と同様の操作を行なうことにより、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0025】
実施例12〜13
実施例6において、アルミニウム板を表1に記載した種類の板に変更した以外は、実施例6と同様の操作を行なうことにより、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0026】
実施例14
木粉122部、ポリプロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1部及び顔料12部よりなる厚さ0.3mmのセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、厚さ0.1mm以下となるように塗布した熱硬化性接着剤により厚さ10mmの石膏ボードに接着し、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0027】
実施例15
木粉900部、ポリプロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1部及び顔料90部よりなる厚さ0.4mmのセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、厚さ0.1mm以下となるように塗布した熱硬化性接着剤により厚さ3mmのアルミニウム板に接着し、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0028】
実施例16
木粉122部、ポリプロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1部、顔料12部及び水酸化マグネシウム111部よりなる厚さ0.4mmのセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、厚さ0.1mm以下となるように塗布した熱硬化性接着剤により厚さ3mmのアルミニウム板に接着し、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0029】
実施例17
木粉122部、ポリプロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1部、顔料12部及び水酸化マグネシウム222部よりなる厚さ0.5mmのセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、厚さ0.1mm以下となるように塗布した熱硬化性接着剤により厚さ3mmのアルミニウム板に接着し、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0030】
実施例18
木粉900部、ポリプロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1部、顔料90部及び水酸化マグネシウム1000部よりなる厚さ0.8mmのセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、厚さ0.1mm以下となるように塗布した熱硬化性接着剤により厚さ3mmのアルミニウム板に接着し、本発明に係る不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を作製した。
【0031】
比較例1
木粉122部、ポリプロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン1部及び顔料12部よりなる厚さ3mmのセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を作製した。
【0032】
試験例
前記実施例1〜18及び比較例1で得られた各複合樹脂積層体及び複合樹脂成形体について、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づき、発熱性試験を行なった(平成12年6月1日(財)日本建築総合試験所制定「防耐火性能試験・評価業務方法書」に記載の方法)。試験に用いた複合樹脂積層体及び複合樹脂成形体は、所定の寸法に調整したものを用いた。また試験装置としては、株式会社東洋精機製作所製コーンカロリーメータを用いた。
【0033】
得られた燃焼試験(総発熱量、最大発熱量及び最大発熱速度が200kW/mを連続して超えた時間を測定)の評価結果を、複合樹脂積層体及び複合樹脂成形体の構成とまとめて表1に示す。なお、総発熱量及び発熱速度は、所定の試験条件下において、材料が燃焼する時に発生し、数値が小さいほど難燃性に優れることを示している。
【表1】
Figure 2004090528
上記表1に示される各符号の意味は以下の通りである。
最大発熱速度継続時間試験:
○:10秒以上継続して200kW/mを超えない。
×:10秒未満の継続時間で200kW/mを超える。
総発熱量試験:
○:総発熱量が8MJ/m以下である。
×:総発熱量が8MJ/mを超える。
表1に示されるように、本発明の各実施例のセルロース系粉体含有複合樹脂積層体は全て、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験における不燃性基準を満たしていた。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体は、難燃性に極めて優れており、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験において不燃性基準を満たしている。従来は、ポリオレフィンにセルロース系粉体が配合されているのみであるため、難燃性に劣り、火災が起こった際、延焼を抑制できないという欠点があった。しかし、本発明の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体は、建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験において、総発熱量が8MJ/m以下であり、かつ最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないため、火災が起こった際、延焼を抑制する効果がある。本発明によれば、このような不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体を生産性よく低コストで製造でき、またサンディング等の簡単な表面処理により木目様の模様を容易に付与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層板の一例を示す断面図である。
【図2】不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層板の他の例を示す断面図である。
【図3】不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層板のさらに他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 セルロース系粉体含有複合樹脂成形体
2 接着層
3 無機系基材

Claims (11)

  1. ポリオレフィン(A)とセルロース系粉体(B)とをA:B=90〜10:10〜90の比率(質量比)で含有するセルロース系粉体含有複合樹脂成形体を、下記式
    X[g/m]=8000[kJ/m]/Y[kJ/g]
    t[cm]=(X/10000)/ρ[g/cm
    X:総発熱量が8MJ以下となる材料の重さ[g/m
    Y:材料(母材樹脂+セルロース系粉体)の発熱量[kJ/g]
    ρ:材料の密度[g/cm
    t:総発熱量が8MJ以下となる材料の厚さ[cm]
    で計算される厚さtが0.05≦t≦0.8[mm]となるような厚さで無機系基材に積層してなることを特徴とする不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  2. 建築基準法施行令第2条第9号(不燃材料)の規定に基づく発熱性試験において、総発熱量が8MJ/m以下であり、かつ最大発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないことを特徴とする請求項1に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  3. セルロース系粉体が木粉、竹粉、パルプ、バカス、おが屑、木質繊維、籾殻、及び古紙よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  4. セルロース系粉体が木粉であることを特徴とする請求項1又は2に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  5. ポリオレフィンがポリプロピレンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  6. 無機系基材が金属及びセラミックスよりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  7. 無機系基材がアルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  8. セルロース系粉体含有複合樹脂成形体が不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、着色剤、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤及び滑剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  9. セルロース系粉体含有複合樹脂成形体を機械的な接合方法によって無機系基材に積層したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  10. セルロース系粉体含有複合樹脂成形体を接着層を介して無機系基材に積層したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
  11. セルロース系粉体含有複合樹脂成形体と接着層の合計厚さが0.05〜0.8mmであり、接着層の厚さが0.01〜0.25mmであることを特徴とする請求項10に記載の不燃性セルロース系粉体含有複合樹脂積層体。
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