JP2009223302A - 画像形成装置ないし画像形成用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子写真感光体と固体潤滑剤を該電子写真感光体に塗布する手段とを有する画像形成装置において、該電子写真感光体は導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層を有し、該架橋型樹脂表面層が少なくともトリメチロールプロパントリアクリレートの架橋体とケイ素含有微粒子を含有し、且つ、表面のケイ素含有微粒子の凝集領域の平均直径が0.5μm以上2.2μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】なし
Description
この重合トナー(球形トナー)は角張ったところがない球形状のトナーで、懸濁重合法、乳化凝集重合法、エステル伸長重合法、溶解懸濁法などの化学的製造法で製造される。重合トナーは製造方法によって形状に違いがあり、画像形成装置に使用される重合トナーは真球より少し形状をいびつにしている。一般的な特性値は平均円形度が0.95〜0.99、形状係数SF−1、SF−2は110〜140である。なお、平均円形度が1.0、形状係数SF−1、SF−2が100のとき、真球を表わす。
重合トナーは形状が揃っているため、保持する電荷も比較的揃いやすい。また、ワックス(5〜10%)などを内添させやすい。したがって、静電潜像からのはみ出しが殆どないため現像性がよく、シャープ性、解像度、階調性が優れており、転写効率もよい。また、転写時のオイルが不要等多くの利点がある。反面、この種のトナーはクリーニング性が困難であることや、オイルレス化に伴う外添剤を増量する必要の結果、感光体上にメダカ形状のフィルミングを来しやすいなどの不都合を有する。この対策に多くの検討がなされ、特許文献等に多数の提案を見ることができる。
重合トナーのクリーニング性を成立するために感光体は概して、その表面の摩擦係数が低く且つ繰り返し使用時も持続することが望まれている。例えば、感光体表面にステアリン酸亜鉛などの固形潤滑剤を塗布することで重合トナーのクリーニング性は改良されることが知られている(非特許文献1;百武信男,丸山彰久,重崎聡,奥山裕江,Japan Hardcopy Fall Meeting,24-27,2001)。
上記のラジカル重合性アクリル架橋膜を積層する高耐久な電子写真感光体にステアリン酸亜鉛のような固形潤滑剤を外部供給(固形潤滑剤の外部供給については、例えば特許文献9の特開平11−288194号公報参照)した場合、感光体表面に固形潤滑剤が充分に受容できない不具合がある。この種の感光体は凹凸が観測不能となる程平滑なものが多い。よって、この受容性の不良は感光体の表面平滑性が原因していると考えられる。これに対し、特許文献3の特開2007−79244号公報には感光体表面の粗面化によって潤滑性物質を安定供給する技術が開示されている。具体的には感光体の表面粗さ(Rz−JIS’94)を0.4μm〜1.0μmとすることが有利であり、その方策として表面層へのフィラー添加がよいとされている。この優位さは特定の表面粗さを持続するためと記述されている。
しかしながら、感光体のRz値が同一でも多様な粗面形状が存在する。例えば凹凸間距離が極端に異なる感光体でもRzは同一となることもある。このためか電子写真感光体の固体潤滑剤の受容性は同じRzを示す感光体の中で序列を有するケースがある。電子写真感光体の固体潤滑剤の受容性を高めるにはRz以外の特別な条件が必要となる。
また、この方策は次の課題を有する。特許文献3の実施例ではアルミナ微粒子が用いられている。アルミナ微粒子は塗料中へのフィラー分散性が不安定であるため、製膜条件に相応の工夫を要する。また、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を用いる別の実施例の場合は潤滑剤の受容性が必ずしも充分とはいえない。電子写真感光体表面の凹凸が大きく、電子写真感光体が固形潤滑剤を充分に担持できていないと考えられる。
また、特許文献10(特開平08−248663号公報)には0.01μm〜2μmの表面粗さの導電性支持体上に形成された表面粗さが0.1〜0.5μmの感光層に平均粒径0.05〜0.5μmの無機微粒子(疎水化処理したシリカ)を0.05〜15μmの厚みにわたって分散することが記載されている。
この手段は、分散するシリカ粒子に疎水化を施すことによって高耐久化と、コロナ生成物などの汚染物質の付着で起こる解像度低下を防止するものである。これは無機微粒子の疎水化によって水滴の弾き(接触角が大きい)は発現するが、コロナ生成物の付着までは防止できないため画像流れは防止できない。これに対し、例えば特開2004−138643号公報に見られるようにフィラーにアルミナを使用することで画像流れを回避している。ところが、上述のとおり架橋型表面層の場合、アルミナの配合は製造上の課題を有するためアルミナをそのまま用いることは困難である。
(1)「電子写真感光体と固体潤滑剤を該電子写真感光体に塗布する手段とを有する画像形成装置において、該電子写真感光体は導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層を有し、該架橋型樹脂表面層が少なくともトリメチロールプロパントリアクリレートの架橋体とケイ素含有微粒子を含有し、且つ、表面のケイ素含有微粒子の凝集領域の平均直径が0.5μm以上2.2μm以下であることを特徴とする画像形成装置」、
(2)「前記架橋型樹脂表面層の表面のケイ素含有微粒子の占有面積率が2%以上10%以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、
(3)「前記架橋型樹脂表面層に含有するケイ素含有微粒子が平均粒径の異なる二種以上のケイ素含有微粒子からなる混合フィラーであって、個々のフィラーのうち重量百分率が最も大きなケイ素含有微粒子の平均粒径が0.08μm以上0.12μm以下であり、且つ、混合フィラーの平均粒径が0.10μm以上0.70μm以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の画像形成装置」、
(4)「前記電子写真感光体の架橋型樹脂表面層に少なくとも下記一般式1の硬化型電荷輸送物質の架橋体が5wt%以上60wt%未満の割合で含有されることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の画像形成装置;
(5)「電子写真感光体の架橋型樹脂表面層に含有する互いに粒径の異なるケイ素含有微粒子のうち、重量百分率の最も大きなケイ素含有微粒子が疎水化処理されたアモルファスシリカであることを特徴とする前記第(3)項又は第(4)項に記載の画像形成装置」、
(6)「電子写真感光体の架橋型樹脂表面層に含有する互いに粒径の異なるケイ素含有微粒子のなかに球状シリカが含有されることを特徴とする前記第(5)項に記載の画像形成装置」、
(7)「固体潤滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の画像形成装置」、
(8)「固体潤滑剤を電子写真感光体に塗布する手段を有する画像形成用プロセスカートリッジにおいて、前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の画像形成装置が有する前記電子写真感光体を搭載することを特徴とする画像形成用プロセスカートリッジ」、
(9)「固体潤滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする前記第(8)項に記載の画像形成用プロセスカートリッジ」、
(10)「少なくとも重合トナーを用いて現像することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の画像形成装置」、
(11)「少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて現像することを特徴とする前記第(10)項に記載の画像形成装置」。
これに対しラジカル重合性のアクリル樹脂を架橋型樹脂膜に用いる場合、シリカを代表するケイ素含有微粒子が有効であることを確認した。シリカは低粘度の塗料でも分散安定性が高く、製造面やコスト面で有利となる。前述のとおり、感光体表面にシリカを配合すると、高湿環境下やNOx暴露によって画像ボケを来たすことが殆どである。このため、ドラムヒーターや装置内に湿度を調整する手段が必要となる。驚くべきことに感光体表面にケイ素含有微粒子成分とトリメチロールプロパントリアクリレートを併せて含有させると、高湿環境下やNOx暴露によって激しい画像流れが発生することが殆どであるにも関わらず、上記の組み合わせでは画像流れが発生しないことが確認された。
固形潤滑剤の受容性が良好となるドメインを形成するにはケイ素含有微粒子を単独で添加しても形成し難い。通常、添加量に応じて山谷の大きさと同時にうねりも変化してしまうためである。この関係の一例を図4に示す。表面粗さは東京精密社サーフコム1400Dを用いて得られたものである。)
これに対し、粒径の異なるケイ素含有微粒子を併用することで、例えば、Rzを固定しつつSmのみを変更することができる。その逆にSmを固定しつつRzを変えることができる。本発明では各々の平均粒径が0.08μm以上0.50μm未満のもの混合するのが好ましく、更には0.08μm以上0.12μm以下のケイ素含有微粒子の配合量が最も多くなるように混合するのが好ましく、先のドメインサイズを形成しやすい。
更に、固体潤滑剤の受容に有利な表面形状を得るために用いるフィラー種として、最も含有比率の大きなケイ素含有微粒子に疎水化処理が施されたものを用いるのが好ましい。この詳細は不明であるが、他の構成材料と適度な濡れ性がドメイン形成に作用するものと考えられる。
これらにより、適切なドメインサイズを形成できる。フィラーを架橋型樹脂表面層に内添するため、感光体表面が摩耗しても初期と変わらない混合フィラーの分散状態を保持できる。
なお、本発明では感光体の画像観察はレーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−8500)を用いている。
ここで投影像の平均直径とは、最表層表面を略垂直方向から観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなした平均値である。得られた感光体表面写真をMediacybernetics社製画像解析ソフトウエア(Image-Pro Plus)を用いて、混合フィラードメインの平均直径と面積率を算出した。例えば図1と図2のフィラーの専有面積は、順に6.5%と23.5%と算出される。
図6は本発明の電子写真感光体の層構成の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層(25)と電荷輸送層(26)と架橋型樹脂表面層(28)が設けられている。
図7は本発明の電子写真感光体の層構成の他の例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)と電荷発生層(25)の間に下引き層(24)が設けられ、電荷発生層(25)の上に電荷輸送層(26)と架橋型樹脂表面層(28)が設けられている。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することができる。
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層(24)を設けることができる。下引き層は、接着性の向上、モワレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は通常、樹脂を主成分とする。通常、下引き層の上に感光層を塗布するため、下引き層に用いる樹脂は有機溶剤に難溶である熱硬化性樹脂が相応しい。特に、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂は以上の目的を充分に満たすものが多く、特に好ましい材料である。樹脂はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いて適度に希釈したものを塗料とすることができる。
また、下引き層には、伝導度の調節やモアレを防止するために、金属、または金属酸化物などの微粒子を加えてもよい。特に酸化チタンが好ましく用いられる。
微粒子はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とする。
下引き層は以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などで支持体上に成膜する。必要な場合、加熱硬化することで形成される。
下引き層の膜厚は2〜5μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にするとよい。
〔電荷発生層〕
積層型感光体における各層のうち、電荷発生層(25)について説明する。電荷発生層は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系又は有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は通常、0.01〜5μm程度が適当である。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来たすことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分ということができる。
電荷輸送成分として用いることのできる材料としては、低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は、電荷輸送層の全固形分に対して50wt%以下とすることが好ましい。
また、電荷輸送層に2種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.10eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにするとよい。
なお、本発明における電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は理研計器社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1により一般的な方法で計測して得られた数値である。
電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
電荷輸送層の膜厚は、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合、10〜40μm程度が適当であり、より好ましくは15〜30μm程度が適当である。
架橋型樹脂表面層は感光体表面に製膜される保護層を指す。この保護層は塗料がコーティングされた後、重縮合反応によって架橋構造の樹脂が製膜される。樹脂膜が架橋構造をもつため感光体各層の中で最も耐摩耗性が強靱である。また、架橋性の電荷輸送材料が配合されるため電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示す。
また、架橋型樹脂表面層の表面のケイ素含有微粒子の凝集領域の平均直径は0.5μm以上2.2μm以下とするために、互いに平均粒径の異なる二種以上のケイ素含有微粒子を混合して用いるのが好ましい。具体的には平均粒径が0.08μm以上0.50μm未満の範囲にあるケイ素含有微粒子を混合するのが好ましい。なかでも平均粒径が0.08μm以上0.12μm以下のケイ素含有微粒子の含有率が最も高くなるように混合するのが好ましい。また混合されたケイ素含有微粒子の平均粒径が0.10μm以上0.70μm以下となるように混合するのが好ましい。より好ましくは架橋型樹脂表面層に含有する混合フィラーの占有面積率が2%以上10%以下とすると固形潤滑剤の受容性が更に高められる。
3官能以上のバインダー成分はカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートないしジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含有させるとよい。これにより架橋膜自体の耐摩耗性が向上したり、強靱性が増大したりすることが多い。
これにチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社イルガキュア184等の開始剤を全固形分に対して5〜10wt%程度加えてもよい。
本発明に用いることのできるケイ素含有微粒子は信越化学社から上市されているアモルファスシリカを疎水化処理したシリカパウダーKMPX−100、アドマテックス社から市販されている高純度合成球状シリカSO−E1、SO−C1、SO−E2、およびSO−C2が好ましく用いられる。他に、シリコーンレジンパウダーとして、東芝シリコーン社のトスパール103、トスパール105、東レ・ダウコーニング・シリコーン社のトレフィルR−925等が利用できる。
ケイ素含有微粒子の粉砕(塊砕)および分散は、ボールミル、サンドミル、KDミル、3本ロールミル、圧力式ホモジナイザー、超音波分散等により行なうことができる。大粒径の無機フィラーが多数存在すると、たちまち感光体の固形潤滑剤受容性を損ねてしまう。このため、ケイ素含有微粒子の粉砕(塊砕)および分散を行なう際、混合したケイ素含有微粒子の平均粒径は0.50μm未満とすることが好ましい。また、ケイ素含有微粒子を必要以上に粉砕すると、ケイ素含有微粒子の分散工程において、ケイ素含有微粒子の再凝集が生じ、結果、ケイ素含有微粒子のドメインサイズを極端に大きくしてしまいかねない。このことから使用する無機フィラーの平均粒径は0.10μmを超えることが好ましい。混合フィラーの平均粒径としては、0.10μmから0.70μm程度とすることで、感光体の固形潤滑剤受容性は確保される。
架橋型樹脂表面層塗料のコーティングとして、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。多くの場合、塗料はポットライフが長くないため、少量の塗料で必要な分量のコーティングができる手段が環境への配慮とコスト面で有利となる。このうちスプレー塗工法とリングコート法が好適である。
以下、図面に沿って本発明で用いられる画像形成装置を説明する。本発明の画像形成装置には後述する固形潤滑剤を感光体表面に入力する手段が取り付けられる。簡単のため、この手段は画像形成装置の説明の後に別に説明する。
図8は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後述するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図8において、感光体(11)は、架橋型樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段(12)は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段は、消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が望ましい。転写手段(16)には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャと分離チャージャを併用したものが効果的である。
本発明では、図16に示すように潤滑剤(3A)を感光体表面に供給するための潤滑剤供給手段(3C)として、潤滑剤塗布装置を上記の画像形成装置の全てについて設けている。この潤滑剤塗布装置は、塗布部材としてのファーブラシ(3B)、固体潤滑剤(3A)、潤滑剤をファーブラシ方向に押圧するための加圧バネ(3D)を有している。このときの固体潤滑剤(3A)はバー状に成型された固形潤滑剤である。ファーブラシ(3B)は感光体表面にブラシ先端が当接しており、軸を中心に回転することによって固体潤滑剤(3A)を一端ブラシに汲み上げ、感光体(31)表面との当接位置までブラシ上に担持搬送して感光体表面に塗布する。
また、経時で固体潤滑剤(3A)がファーブラシ(3B)に掻き削られて減少してもファーブラシ(3B)に接触しなくならないように、加圧バネ(3D)によって所定の圧力で固体潤滑剤(3A)がファーブラシ(3B)側に押圧されている。これによって、微量の固体潤滑剤(3A)でも常に均一にファーブラシ(3B)に汲み上げられる。
また、感光体表面に付着した固体潤滑剤の定着性を高めるための固体潤滑剤定着手段を設けてもよい。この手段はクリーニングブレードのような板をトレーリング方式で設ける手段や、ゴムロールを感光体に押し合てる手段がある。
始めに、本発明に関わる試験と測定方法について述べる。
感光体の固形潤滑剤受容性評価はカラー複写機(リコー社製 imagio MP 450)を改造して行なった。カラー複写機の改造は感光体周りを図15の構成となるように一部のユニットを取り除いた。
試験条件を一定にする目的で、感光体ユニット−現像器複合ユニット(簡単のためPDユニットと称する。)にステアリン酸亜鉛の固形潤滑剤バー、固形潤滑剤塗布ブラシ、および固形潤滑剤塗布ブレードの未使用の純正品を取り付けた。塗布ブラシは固形潤滑剤の含浸具合を揃えるため、30分間、カラー複写機内にPDユニットを装着した状態でフリーランを行なった。また、現像器ユニット内の現像剤は完全に除去した。
評価する感光体は予め、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−8500)で表面を観察した。
次に感光体をPDユニットに装着し、カラー複写機で30秒間のフリーランを行なった。フリーランとは、何も印字しないで空回しすることである。フリーラン後、感光体を回収し、レーザー顕微鏡で感光体表面を観察した。
得られた画像データから感光体と感光体上に残留する固形潤滑剤を区別して、これを画像解析ソフトウエア(メディアサイバネティクス社イメージプロプラスVer3.0)のMeasure、Countコマンドで固形潤滑剤のドメインサイズと面積占有率を算出した。測定結果をグラフに表わした一例を図5に示す。固形潤滑剤の受容性の優劣は30秒間のフリーラン直後に観測した面積率の大小で判断した。
未使用の感光体表面をレーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−8500)で表面を観察すると、図1や図2のような水玉状の模様が観察される。この模様の面積率と混合フィラーの含有量との関係をプロットすると、直線関係が得られる。そこで、これを混合フィラーの凝集領域(ドメイン)と判断した。面積率は上記と同様にして求めた。
はじめに本発明におけるすり抜け強度について説明する。
本発明におけるすり抜け強度とは、感光体に付着するトナーをクリーニングブレードで捕集するプロセスにおいて、クリーニングブレードをすりぬけるトナー量を表わす。すり抜けたトナーは厚さ1mmで8mm×310mmの白地のフエルト(槌屋社製、以下、すり抜けトナーキャッチャーと称する)をクリーニングブレード下流、現像器開口部上流に据え付け、感光体に接触させることで捕集した。
フエルトの汚染具合をイメージスキャナーでデジタルデータに変換し、濃淡(画像濃度)を5段階に分類した。5段階に分けた各濃度の面積(画像面積率)を求め、次の式(式1)からすり抜け強度を算出した。
(すり抜け強度;T)=Σ(画像面積率)×(画像濃度)・・・(式1)
ここで、前記画像濃度は、無論、微細な単位面積当りのトナー存在量にほぼ比例するので、特定画像濃度毎(5段階)にそれぞれの面積率を反映させ、得られた5つの結果を加算すれば、すり抜けたトナーの総量にほぼ見合う値が得られることになる。すり抜けたトナーを捕集し、その重量を測定することも可能性としては考えられるが、画像の汚れ程度は、すり抜けたトナーの重量よりも、該すり抜けたトナーにより齎される光学濃度に、より強く関係する。前記「ほぼ比例する」や「ほぼ見合う」とは、このような意味である。すり抜けのトナー総重量は、トナーを構成するトナー粒子の粒度分布状態を反映したものでないこと等が原因と思われる。なお、画像面積率と画像濃度はメディアサイバネティックス社イメージ−プロプラスVer.3.0のPSEUDO−COLORコマンドを用いて行なった。すり抜け強度は最小値が0、最大値が500となる。
試験は図14に示すレイアウトとなるように画像形成装置に感光体、クリーニングブレード、現像手段、すり抜けトナーキャッチャーを取り付け、帯電電位、現像バイアス、および書き込み光量を調節することで、現像器から感光体へ入力されるトナー量を統一する。そうして、画像濃度が5%のA4サイズの画像を50枚連続プリントアウトする。この後、すり抜けトナーキャッチャーを回収し、上記の方法ですり抜け強度を算定する。
このすり抜け強度は大きすぎると、感光体表面のフィルミングを来しやすくなる。他方、小さすぎるとクリーニングブレードが感光体の回転に引き込まれる結果、ブレードめくれを来したり、過剰なトナーのすり抜けを生じたりしてしまう。このすり抜け強度は5以上50以下であることが望ましい。これにより筋状のトナーフィルミングを回避できる。更にすり抜け強度を5以上30以下にすると地肌汚れの感じない高品位なプリント画像が得られる。
(4) 画像評価
カラー用テストチャート(リコー社、COLOR CHART C−5)のコピー画像を出力し、余白の地肌汚れを5段階に評価した。
5;きわめて優れている
4;優れている
3;問題なし
2;わずかにくすんだ感触を受けるが実際の使用では問題ない
1;くすんだ感触を受ける。
次に、現像手段の開口部上端に2mm厚の線状のスポンジテープ(住友3M社、スコッチテープ4016)を介して、すり抜けトナーキャッチャー(厚さ1mmで8mm×310mmのフエルト(槌屋社製))を貼り合わせた。これを本体に装着した。
クリーニングブレードはImagio Neo C455純正品の新品を取り付け、清掃した感光体ドラムを取り付けて、23℃55%RH環境で画像濃度5%のA4サイズのテストパターン画像を連続50枚、コピー用紙(My Paper A4、NBSリコー社品)にプリントした。トナーは純正品の重合トナーを使用した。
プリント後、すり抜けトナーキャッチャーを回収し、これをイメージスキャナー(エプソン社、ES−8500)を用いてこの画像をデジタルデータ化した。スキャナーはズーム100%、カラードライバーによる色補正;1.0,出力800dpi,写真;800dpi,アンシャープマスク;中、8bitグレーの条件で画像データを読みとった。
この画像データは画像解析ソフトウエア(メディアサイバネティクス社イメージプロプラスVer3.0)を用い、Pseudo−Colorコマンドで上限210,下限310、5分割の条件で、すり抜けトナーキャッチャーの画像濃度とその面積率を算出し、これらの総和をすり抜け強度として算出した。
はじめに固形分の分散濃度が10wt%の混合フィラーとテトラヒドロフランの分散液を部分安定ジルコニア(PSZ)ボールとともにイカ社バイブレーションシェーカーにて2時間分散処理を施した。別に、下記の架橋型樹脂表面層用塗料組成のうちケイ素含有微粒子成分を除く適当な濃度のビヒクルを調製した。ケイ素含有微粒子の分散液を回収し、これにビヒクルを加えたものを塗料とした。
・アルキッド樹脂溶液 12重量部
(ベッコライト M6401−50,大日本インキ化学工業社製)
・メラミン樹脂溶液 8重量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業社製)
・酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40重量部
・メチルエチルケトン 200重量部
〔電荷発生層用塗料〕
・下記構造のビスアゾ顔料(リコー社製) 5重量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 1重量部
・シクロヘキサノン 200重量部
・メチルエチルケトン 80重量部
〔電荷輸送層用塗料〕
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10重量部
・下記構造の低分子電荷輸送物質 7重量部
・テトラヒドロフラン 100重量部
・1%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業社製)
テトラヒドロフラン溶液 1重量部
〔架橋型樹脂表面層塗料〕
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 38重量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 19重量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 19重量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.1重量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4重量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・シリカ微粒子 10重量部
(KMPX−100、信越化学社製;平均粒径0.1μm)
・シリカ微粒子 10重量部
(SO−E1、アドマテックス社製;平均粒径0.3μm)
・テトラヒドロフラン 400重量部
(この例の混合フィラーの平均粒径は0.20μmである。)
実施例1の架橋型樹脂表面層塗料に含まれるKMPX−100含有量を15重量部、SO−E1をシリコーン樹脂パウダー(トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社;平均粒径2μm)5重量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。このとき、混合フィラーの占有面積率は9%、架橋型表面層に含む混合フィラーのドメインサイズは2.6μmだった。
実施例1の架橋型樹脂表面層塗料に含まれるKMPX−100含有量を20重量部に変更し、SO−E1を使用しなかった以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。このとき、混合フィラーの占有面積率は17%、架橋型表面層に含む混合フィラーのドメインサイズは3μmだった。
実施例1の架橋型樹脂表面層塗料に含まれるKMPX−100とSO−E1を使用せず、代わりにアルミナ微粒子(AA−03、住友化学工業社;平均粒径0.3μm)20重量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。塗料中のアルミナは分散安定性に劣り、分散後、直ちに沈降した。この塗料を用いてスプレー塗工したところ、塗工途中でスプレーノズルがアルミナフィラーで目詰まりを起こし、均質な製膜ができなかった。このため試験は中断した。
実施例1における架橋型樹脂表面層塗料を以下のものに変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10重量部
・下記構造の低分子電荷輸送物質 7重量部
感光体ユニット−現像器複合ユニット(PDユニット)は純正品を使用した。帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.5kV、周波数0.9kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の電子写真感光体の帯電電位が−700Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行なった。なお、この装置において、除電手段は設けていない。
また、実施例1〜実施例6および比較例1〜比較例4の直径φ30mmの電子写真感光体ドラムを実装用にした後、画像形成装置(imagio Neo C455、リコー社製)のブラック現像ステーションに搭載し、画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンを連続5枚ずつ印刷する条件で通算20万枚、コピー用紙(My Paper A4、NBSリコー社品)にプリントアウトした。トナーと現像剤はImagioNeo C455純正品を使用した。トナーは重合トナーである。
感光体ユニットは純正品を使用した。帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.5kV、周波数0.9kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が−700Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行なった。また、現像バイアスは−500Vとした。なお、この装置において、除電手段は設けていない。また、クリーニング手段は純正品を印刷枚数が5万枚毎に未使用品に変えて試験を行なった。試験終了後、カラーテストチャートをPPC用紙TYPE−6200A3に複写印刷した。試験環境は10℃/15%RHであった。
また、実施例1〜3は混合フィラーの重量百分率の最も大きいフィラーはKMPX100とSO−E1の両者が相当する。
また、実施例5と実施例6はKMPX100がこれに相当し、実施例4はSO−E1がこれに相当する。
また、実施例1〜6の場合は、ケイ素含有微粒子の凝集領域の平均直径が、0.5μm以上2.2μm以下である。これら実施例1〜6は請求項1の要件を満たしており、比較例1、2および4と比較して固形潤滑剤受容性試験では効率の高い付着性が得られている。
実施例1〜5は請求項2の条件を満たす架橋型樹脂表面層中の混合フィラーの専有面積率が2%〜10%の範囲にある感光体である。実施例1〜5はこの条件が満たされない実施例6よりも一段高い固形潤滑剤の付着性が得られている。
固体潤滑剤塗布性を高めるには感光体の粗面化が有利であることが従来提案されていた。感光体の粗面状態は触針式の表面粗さ計によって得られる粗さパラメータ(十点平均粗さ;Rz)で表現されていた。しかし、Rzは凹凸高さを表わすパラメータだから、同じRzでも凹凸間の長さ次第で多様な形状がとれる。このため、感光体表面のRzを特定しても必ずしも固形潤滑剤の塗布性に有効とはならないケースが数多く発生する。実際、比較例2〜3はステアリン酸亜鉛の付着性についてフィラーを配合する改良効果は充分とはいえない。
これらの比較例は単一のフィラーを感光体の表層に含有させるものである。この方法の場合、感光体を粗面化する制御因子は配合比率だけとなる。配合比率を変えた場合、Rzのみならず凹凸間距離も変動してしまうことが一般である。よって、ステアリン酸亜鉛の付着性を高める適当な粗面状態を形成することは容易ではない。このケースはステアリン酸亜鉛の付着性を高める制御因子が不足している。
フィラーを含有する感光体表面層は、このフィラーの凝集状態が粗面形状を特徴づけると我々は考えた。凝集状態は主に凝集領域の大きさやフィラーの占有面積率によって特徴づけられる。この制御は種々、異なるフィラーを混合使用することが有利である。
この考えに沿って得られた実施例1〜6は良好な固体潤滑剤受容性を呈している。
特に実施例1〜5は感光体表面に占めるフィラーの面積率を特定するもので、フィラーの混合使用によって実現していると考えられる。
このうち、実施例1〜5は本発明における請求項2の要件を満足する感光体で、実施例6よりも一段、優れた画像が得られている。すり抜け強度も低い値に抑制されており、重合トナーのクリーニング性が更に良好となっていることが解る。
また、更に実施例4を除く実施例1から実施例5は本発明における請求項3の要件を満足する感光体で、実施例4よりも優れた画像が得られた。
以上の画像品質は感光体に付着する固形潤滑剤の受容性と相関があり、本発明の感光体は高品質な画像を厳しい環境下でも安定して出力できる実用的価値に優れたものである。
21・・・導電性支持体
24・・・下引き層
25・・・電荷発生層
26・・・電荷輸送層
28・・・架橋型樹脂表面層
図8〜13について
11・・・電子写真感光体
12・・・帯電手段
13・・・露光手段
14・・・現像手段
15・・・トナー
16・・・転写手段
17・・・クリーニング手段
18・・・印刷メディア(印刷用紙、OHP用スライド)
19・・・定着手段
1A・・・除電手段
1B・・・クリーニング前露光手段
1C・・・駆動手段
1D・・・第1の転写手段
1E・・・第2の転写手段
1F・・・中間転写体
1G・・・搬送転写ベルト
図14〜16について
31・・・感光体
32・・・現像ローラ
33・・・すり抜けキャッチャー
34・・・すり抜けトナー
35・・・クリーニングブレード
36・・・プリント画像
37・・・固形潤滑剤
38・・・帯電ローラ
39・・・塗布ブレード
3A・・・固体潤滑剤
3B・・・塗布ブラシ
3C・・・潤滑剤供給手段
3D・・・加圧バネ
Claims (11)
- 電子写真感光体と固体潤滑剤を該電子写真感光体に塗布する手段とを有する画像形成装置において、該電子写真感光体は導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層を有し、該架橋型樹脂表面層が少なくともトリメチロールプロパントリアクリレートの架橋体とケイ素含有微粒子を含有し、且つ、表面のケイ素含有微粒子の凝集領域の平均直径が0.5μm以上2.2μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記架橋型樹脂表面層の表面のケイ素含有微粒子の占有面積率が2%以上10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記架橋型樹脂表面層に含有するケイ素含有微粒子が平均粒径の異なる二種以上のケイ素含有微粒子からなる混合フィラーであって、個々のフィラーのうち重量百分率が最も大きなケイ素含有微粒子の平均粒径が0.08μm以上0.12μm以下であり、且つ、混合フィラーの平均粒径が0.10μm以上0.70μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体の架橋型樹脂表面層に含有する互いに粒径の異なるケイ素含有微粒子のうち、重量百分率の最も大きなケイ素含有微粒子が疎水化処理されたアモルファスシリカであることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体の架橋型樹脂表面層に含有する互いに粒径の異なるケイ素含有微粒子のなかに球状シリカが含有されることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 固体潤滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 固体潤滑剤を電子写真感光体に塗布する手段を有する画像形成用プロセスカートリッジにおいて、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置が有する前記電子写真感光体を搭載することを特徴とする画像形成用プロセスカートリッジ。
- 固体潤滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成用プロセスカートリッジ。
- 少なくとも重合トナーを用いて現像することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて現像することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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