JP2012063720A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤を必要なときに必要量だけを供給でき、クリーニング性の高安定化を図りつつ、高画質の画像が得られる画像形成装置、及びプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】 導電性支持体上に感光層と表面層とを有する電子写真感光体と、該電子写真感光体へ潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有する画像形成装置であって、
前記潤滑剤供給手段が、前記潤滑剤を液滴化する液滴化部材を有し、
前記液滴化部材が、貫通孔が形成された薄膜と、該薄膜を振動させる振動発生部とを有することを特徴とする画像形成装置である。
【選択図】図15

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザープリンター、ダイレクトデジタル製版機等に応用可能な画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
複写機やレーザープリンターなどに応用される画像形成装置に使用される電子写真感光体(以下、「感光体」と称することがある。)には、現在では、主に有機感光体が使用されている。有機感光体には、交換頻度を低減させる点から耐久性が求められており、感光体表面に架橋樹脂膜を成膜する方法(例えば、特許文献1)、感光体表面に高硬度なフィラーを配合した膜を成膜する方法(例えば、特許文献2)などにより耐久性が付与された感光体が使用されている。
画像形成装置に使用される現像用トナーとしては、重合トナー(球形トナー)が主流となりつつある。重合トナーは、現像性が良く、シャープ性、解像度、階調性が優れており、転写効率も良い。また、転写時のオイルが不要等多くの利点がある。
しかしながら、重合トナーはクリーニング性に問題がある。
重合トナーのクリーニング性を改良するために、感光体には、その表面の摩擦係数が低く、かつ繰返し使用時も低い摩擦係数が持続することが望まれている。例えば、感光体表面にステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を塗布することで重合トナーのクリーニング性が改良されることが知られている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、高耐久化された感光体にステアリン酸亜鉛やパラフィンなどの潤滑剤を供給した場合、感光体表面における潤滑剤の供給と除去(循環)が不十分であるために、感光体表面の摩擦係数が高くなることが多い。このため、感光体がクリーニングブレードを巻き込んだり、クリーニングブレードがえぐれた状態で摩耗したりして、実用上十分なクリーニング性が得られないという問題がある。このような問題を起こす感光体には表面が平滑であるものが多いことから、感光体表面における潤滑剤の循環性不良の一因として、感光体の表面形状が考えられる。
そこで、この問題に関連し、有機電子写真感光体の表面を、直径13μm〜20μmの金属製ワイヤーで処理して前記表面に細線状の筋溝を多数形成させる技術が提案されている(例えば、特許文献3)。
しかしながら、この提案の技術には、摩耗による耐久劣化によって潤滑剤の定着性が不十分になるなどし、良質の複写画像が得られなくなるという問題がある。
また、強靱化した感光体表面に互いに交差する無数の線状傷が均一に形成された電子写真感光体(例えば、特許文献4)や、感光体最表面にλ/4(但しλは干渉性の露光波長)以上の深さの凹部を複数設けた感光体(例えば、特許文献5)が提案されている。
しかしながら、以上の提案の技術を用いても、電子写真感光体における潤滑剤の循環性の不良は十分には解消されない。
また、潤滑剤は帯電工程によって劣化することが知られている。劣化した潤滑剤が感光体表面に不必要に滞留すると感光体の駆動トルクを増大させたり、感光体と摺擦するクリーニングブレードなどの部材の故障の原因となったりする。この点からも、感光体に供給される潤滑剤は感光体表面への供給と除去の適当な循環が重要である。
感光体表面における潤滑剤の循環性を高める点において、感光体表面の形状制御は重要な技術の一つと考えられるが、上記のように、従来技術では、解決が図られていない。また、仮に、感光体表面の形状により潤滑剤の供給が改善されても、潤滑剤の除去性を同時に改善することは難しい。潤滑剤の除去性が改善されないと、劣化した潤滑剤の感光体表面への滞留が解決されず、良好なクリーニング性を長期間維持することは困難である。
そのため、感光体表面における潤滑剤の循環性を高めるために、感光体表面の形状に係る技術とは別の技術の検討が必要である。この観点から、潤滑剤を感光体に供給する方法が種々提案されている。
潤滑剤を感光体に供給する方法には、種々の方法が知られている(例えば、特許文献6)。例えば、潤滑剤を感光体表面にそのまま付着させる方法、潤滑剤をローラー、ベルト又はクリーナーを介して感光体表面に付着させる方法、マイクロカプセル化した潤滑剤を感光体表面に付着させる方法、潤滑剤粉末やマイクロカプセル化した潤滑剤を感光体に静電気力で付着させる方法、潤滑剤を適当な溶媒に溶解し、適当な方法によって感光体表面に塗布、乾燥させ、供給する方法などが知られている。
これら方法のいくつかを説明する。
図1は、ベルトを介して感光体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を有する画像形成装置の概略構成図である。画像形成装置は、感光体311、帯電器312、露光ビーム手段313、現像器314、転写器315、トナークリーナー316、及び潤滑剤供給手段31Bを有している。潤滑剤供給手段31Bは、そのケーシング内に、潤滑剤を収容する潤滑剤ボトル317を有している。この潤滑剤ボトル317内には、潤滑剤搬送ベルト319の一部が入り込み、他の一部分は突出し、残余の一部分は感光体311表面の極近隣又は感光体311表面にほとんど当接する程度にローラー318間に掛け回わされている。そして、潤滑剤供給手段31Bにより、潤滑剤は、潤滑剤ボトル317から潤滑剤搬送ベルト319により感光体311表面に運ばれ、感光体311表面に供給される。また、潤滑剤供給手段31Bは、過剰又は不必要な潤滑剤を感光体311表面から除去するためのブレード31Aを有している。
図2はローラーを介して感光体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を有する画像形成装置の概略構成図である。潤滑剤供給手段31Bは、潤滑剤ボトル317の潤滑剤出口にローラー318が設けられた構成をしている。潤滑剤は、潤滑剤ボトル317内においてローラー318表面に付着し、ローラー318の回転に伴って感光体311表面に供給される。
また、ブラシ等の塗布手段によりブロック上の固体潤滑剤を削り取って感光体に塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献7)。図3は、ブラシによりブロック上の固体潤滑剤を削り取って感光体に塗布する潤滑剤供給手段を有する画像形成装置の概略構成図である。この潤滑剤供給手段において、塗布ブラシ3Bは固体潤滑剤3Aと当接して回転し、その一部分を削ぎ取る。削ぎ取られた固体潤滑剤3Aは塗布ブラシ3Bに付着して、回転する塗布ブラシ3Bにより感光体表面31に塗布される。感光体表面31に塗布された固体潤滑剤3Aは、塗布ブレード39によって感光体表面31に広げられる。
ところで、二物体間の付着力は、二物体間の非静電的な引力、静電的な引力、接触面積が影響するとの考察がされている(例えば、非特許文献2)。静電的な引力は接触電位差によって発現し、非静電的な引力は濡れやすさ等の表面エネルギーの関係から発現するものと考えられる。
本来、潤滑剤は付着性が弱く、種々の表面調整剤を感光体表面に含有させて表面エネルギーを変化させても両者の付着力は大きく変えることができない。そこで、潤滑剤と感光体表面との付着力を向上させるためには、別のファクターとして、接触面積から考察された感光体表面の粗面化効果が考えられる。
感光体表面の粗面化に関連し、感光体表面の形状の影響を考察した一例を以下に示す。図4は、塗布ブレードエッジ部分3D近傍で、塗布ブラシから掻き取られた固体潤滑剤3Aの粉体が凝集体や一個の固体形状として感光体表面31に付いている状態を表している。感光体表面31が平滑であると、図5に表されるように、固体潤滑剤3Aは塗布ブレードエッジ部分3Dを通過できずに感光体表面31を横滑りした後に感光体表面31から脱離することが考えられる。また、図6に表されるように、感光体表面31の凹凸がなだらかな場合も、横滑りが起こり、固体潤滑剤3Aが感光体表面31から脱離すると考えられる。また、図7に表されるように、感光体表面31に激しい凹凸がある場合、固体潤滑剤3Aは感光体表面31と点接触する状態となり、この場合も固体潤滑剤3Aは感光体表面31から簡単に脱離すると考えられる。
以上から、感光体表面の凹凸は適当な周期をもたせなければ、固体潤滑剤が感光体表面から脱離することが考えられる。
そのため、図8のように固体潤滑剤の横滑りを予防する適度な高周波の凹凸を感光体表面に付与することで潤滑剤の付着性は高められると考えられるものの、期待されるほどの十分な効果は得られない。
感光体への潤滑剤の供給手段には以上のような種々の方式が従来から提案されている。しかし、上記何れの方式を用いても潤滑剤の循環性は高められない。これは感光体への潤滑剤の供給が制御されていないことがその一因と考えられる。また、潤滑剤の供給が制御されていないと、潤滑剤が感光体表面に過剰に滞留する問題も解決されない。そうすると、滞留した潤滑剤が劣化し、この劣化した潤滑剤が画像ノイズに直接的な影響を及ぼしたり、感光体と摺擦するクリーニングブレードの摩耗を促し、結果的にクリーニング不良の原因となるという問題も解決されない。そして、これら問題は、画像の画質の低下につながる。また、過剰に滞留した潤滑剤を除去する装置が必要となるという問題もある。また、潤滑剤の消費量を減量化できず、潤滑剤の補充、又は潤滑剤ボトルの交換作業の頻度が増大するという問題もある。
しかしながら、これまでに潤滑剤の供給を制御でき、必要なときに必要量だけを供給できる潤滑剤供給手段を有する画像形成装置、又はプロセスカートリッジについて検討されておらず、上記問題は依然として解決されていなかった。
したがって、潤滑剤を必要なときに必要量だけを供給でき、クリーニング性の高安定化を図りつつ、高画質の画像が得られる画像形成装置、及びプロセスカートリッジが求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、潤滑剤を必要なときに必要量だけを供給でき、クリーニング性の高安定化を図りつつ、高画質の画像が得られる画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 導電性支持体上に感光層と表面層とを有する電子写真感光体と、該電子写真感光体へ潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有する画像形成装置であって、
前記潤滑剤供給手段が、前記潤滑剤を液滴化する液滴化部材を有し、
前記液滴化部材が、貫通孔が形成された薄膜と、該薄膜を振動させる振動発生部とを有することを特徴とする画像形成装置である。
<2> 電子写真感光体の表面形状が、表面粗さ・輪郭形状測定機により該電子写真感光体の表面の凹凸形状を測定して得た一次元データ配列を、ウェーブレット変換して最高周波数成分(HHH)から、次の高周波数成分(HHL)、3番目の高周波数成分(HMH)、4番目の高周波数成分(HML)、5番目の高周波数成分(HLH)及び最低周波数成分(HLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−1)を行い、更にここで得た最低周波数成分(HLL)の一次元データ配列に対してデータ配列数が1/10〜1/100に減少するように間引きした一次元データ配列を作り、該間引きした一次元データ配列に対して更にウェーブレット変換を行って、最高周波数成分(LHH)から、次の高周波数成分(LHL)、3番目の高周波数成分(LMH)、4番目の高周波数成分(LML)、5番目の高周波数成分(LLH)及び最低周波数成分(LLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−2)を行うことにより得られる合計12個の各周波数成分の算術平均粗さのうち、少なくともWRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)が0.01μm以上0.1μm未満である前記<1>に記載の画像形成装置である。
ここで、前記算術平均粗さは、JIS−B0601:2001で定義される算術平均粗さ(略号;Ra)であり、WRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)は、それぞれ以下の帯域におけるRaを表す。
WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
<3> 貫通孔の開口径が、2μm以上10μm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4> 薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離が、1mm以上10mm以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> 潤滑剤の温度が、50℃以上100℃以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> 2次元のグラフの横軸に最高周波数成分(HHH)から最低周波数成分(LLL)まで(最低周波数成分(HLL)を除く)の11個の周波数成分を帯域の長さの順に並べ、前記2次元のグラフの縦軸に各周波数成分の算術平均粗さの対数をプロットし、該プロットを結んで得られる線が、LMH、LHL、及びLHHのいずれか一つの帯域に、屈曲点及び極大点のいずれかを持つ前記<2>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<7> 表面層が、架橋樹脂を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<8> 架橋樹脂が、トリメチロールプロパントリアクリレートに由来する構造単位を含有する前記<7>に記載の画像形成装置である。
<9> 架橋樹脂が、官能基当量450g/mol以上12,000g/mol以下のメタクリロイル変性シリコーンオイルに由来する構造単位を架橋樹脂の固形分に対して1質量%以上10質量%以下で含有する前記<7>から<8>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<10> 表面層が、フィラーを含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<11> 導電性支持体上に感光層と表面層とを有する電子写真感光体と、該電子写真感光体へ潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有するプロセスカートリッジであって、
前記潤滑剤供給手段が、前記潤滑剤を液滴化する液滴化部材を有し、
前記液滴化部材が、貫通孔が形成された薄膜と、該薄膜を振動させる振動発生部とを有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<12> 電子写真感光体の表面形状が、表面粗さ・輪郭形状測定機により該電子写真感光体の表面の凹凸形状を測定して得た一次元データ配列を、ウェーブレット変換して最高周波数成分(HHH)から、次の高周波数成分(HHL)、3番目の高周波数成分(HMH)、4番目の高周波数成分(HML)、5番目の高周波数成分(HLH)及び最低周波数成分(HLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−1)を行い、更にここで得た最低周波数成分(HLL)の一次元データ配列に対してデータ配列数が1/10〜1/100に減少するように間引きした一次元データ配列を作り、該間引きした一次元データ配列に対して更にウェーブレット変換を行って、最高周波数成分(LHH)から、次の高周波数成分(LHL)、3番目の高周波数成分(LMH)、4番目の高周波数成分(LML)、5番目の高周波数成分(LLH)及び最低周波数成分(LLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−2)を行うことにより得られる合計12個の各周波数成分の算術平均粗さのうち、少なくともWRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)が0.01μm以上0.1μm未満である前記<11>に記載のプロセスカートリッジである。
ここで、前記算術平均粗さは、JIS−B0601:2001で定義される算術平均粗さ(略号;Ra)であり、WRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)は、それぞれ以下の帯域におけるRaを表す。
WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、潤滑剤を必要なときに必要量だけを供給でき、クリーニング性の高安定化を図りつつ、高画質の画像が得られる画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
図1は、ベルトを介して感光体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を有する画像形成装置の概略構成図である。 図2は、ローラーを介して感光体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を有する画像形成装置の概略構成図である。 図3は、ブラシによりブロック上の固体潤滑剤を削り取って感光体に塗布する潤滑剤供給手段を有する画像形成装置の概略構成図である。 図4は、感光体表面に潤滑剤が付着した状態を表す模式図である。 図5は、潤滑剤の感光体表面への塗布性が不良である状態を表す一例の図である。 図6は、潤滑剤の感光体表面への塗布性が不良である状態を表す一例の図である。 図7は、潤滑剤の感光体表面への塗布性が不良である状態を表す一例の図である。 図8は、適度な凹凸を持つ感光体表面への潤滑剤の塗布状態を表す一例の図である。 図9は、表面粗さ・輪郭形状測定機の一構成例を模式的に示す概略構成図である。 図10aは、ウェーブレット変換による多重解像度解析を表す一例の図である。 図10bは、ウェーブレット変換による多重解像度解析を表す一例の図である。 図10cは、ウェーブレット変換による多重解像度解析を表す一例の図である。 図10dは、ウェーブレット変換による多重解像度解析を表す一例の図である。 図11は、一回目の多重解像度解析における周波数帯域の分離の図である。 図12は、一回目の多重解像度解析での最低周波数データを間引きした後のグラフである。 図13は、二回目の多重解像度解析における周波数帯域の分離の図である。 図14は、周波数成分に分解したWRaの関係図である。 図15は、潤滑剤供給手段により電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布している一態様の概略断面図である。 図16は、潤滑剤供給手段の一態様を示す概略断面図である。 図17は、図15の液滴化部材を下側から見た底面図である。 図18は、液滴化部材の概略断面図である。 図19は、液滴化部材の他の態様の概略断面図である。 図20aは、液滴化部材による液滴化の動作原理を説明するための薄膜の模式的説明図である。 図20bは、液滴化部材による薄膜の振動の動作原理を説明するための薄膜の模式的図である。 図21は、薄膜の基本振動を説明するための図である。 図22は、薄膜の第2次振動モードを説明するための図である。 図23は、薄膜の第3次振動モードを説明するための図である。 図24は、薄膜に凸形状部を設けた例の模式図である。 図25は、薄膜の第2次振動モードを説明するための図である。 図26は、薄膜の中央部に凸部を形成した例の模式図である。 図27aは、液滴化部材による液滴化の動作原理を説明するための模式図である。 図27bは、液滴化部材による液滴化の動作原理を説明するための模式図である。 図28は、本発明の画像形成装置の一態様の概略断面図である。 図29は、本発明の画像形成装置の一態様の概略断面図である。 図30は、本発明の画像形成装置の一態様の概略断面図である。 図31は、本発明の画像形成装置の一態様の概略断面図である。 図32は、本発明のプロセスカートリッジの一態様の概略断面図である。 図33は、実施例1の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図34は、実施例14の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図35は、スプレーノズルの配座を示す図である。 図36は、実施例15の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図37は、スプレーノズルの配座を示す図である。 図38は、スプレーガンのヘッドの図である。 図39は、図38のスプレーガンのヘッドの先端部分を正面から観察した概略図である。 図40は、実施例16の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図41は、実施例17の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図42は、実施例18の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図43は、実施例19の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図44は、実施例20の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図45は、実施例21の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図46は、実施例22の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図47は、実施例23の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図48は、実施例24の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図49は、実施例25の画像形成装置の電子写真感光体の表面粗さスペクトルである。 図50は、えぐれが観察されるクリーニングブレード先端の拡大写真である。 図51は、えぐれがほとんどないクリーニングブレード先端の拡大写真である。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、潤滑剤供給手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
<電子写真感光体>
前記電子写真感光体は、導電性支持体と、感光層と、表面層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の構成を有する。
−導電性支持体−
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板又はそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などが挙げられる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。また、厚み50μm〜150μmのニッケル箔でもよく、厚み50μm〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にアルミニウム蒸着等の導電加工を行ったものでもよい。
前記導電性支持体が円筒状の支持体である場合には、直径は60mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましい。
−感光層−
前記感光層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型感光層が挙げられる。
−−電荷発生層−−
前記電荷発生層は、電荷発生物質を少なくとも含有し、更に必要に応じて、樹脂などのその他の成分を含有する。
−−−電荷発生物質−−−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料等のアゾ系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−樹脂−−−
前記電荷発生層に必要に応じて用いられる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷発生物質100質量部に対し、500質量部以下が好ましく、10質量部〜300質量部がより好ましい。
前記電荷発生層を形成する際には、塗工液を用いてもよい。
前記塗工液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質を必要に応じて前記樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等の公知の分散方法を用いて溶剤中に分散した塗工液が挙げられる。なお、前記樹脂の添加は、前記電荷発生物質の分散前及び分散後のどちらでも構わない。前記塗工液は、電荷発生物質、溶媒及び樹脂を主成分とするが、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤が含まれていてもよい。場合によっては、電荷発生層に後述の電荷輸送物質を添加することも可能である。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキソラン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロインなどの一般に用いられる有機溶剤が挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒を使用することが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層は、前記塗工液を用いて前記導電性支持体上又は下引き層等の上に塗工し、乾燥することにより形成される。塗工方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の公知の方法を用いることができる。塗工後にはオーブン等を用いて加熱乾燥してもよい。乾燥温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜160℃が好ましく、80℃〜140℃がより好ましい。
前記電荷発生層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以下が好ましく、0.1μm〜1μmがより好ましい。
−−電荷輸送層−−
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を少なくとも含有し、更に必要に応じて、樹脂などのその他の成分を含有する。
−−−電荷輸送物質−−−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、例えば、非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体等の電子受容性物質、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開2001−330973号公報の一般式(1)〜一般式(6)に例示される芳香族ポリカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電子輸送物質のうち、重合体型の電子輸送物質は、架橋樹脂表面層を前記電荷輸送層上に積層した際に、電荷輸送層を構成する成分の架橋樹脂表面層への滲みだしが少なく、架橋樹脂表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、耐熱性にも優れるため、架橋樹脂表面層を成膜する際の硬化熱による劣化が少ない点で有利である。
前記正孔輸送物質としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−樹脂−−−
前記電荷輸送層に必要に応じて用いられる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、エポキシアクリレート等の光硬化樹脂等の樹脂がある。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できる点で好ましい。また、機械的、化学的及び電気的安定性、密着性などの他に電荷輸送物質との相溶性が重要である。
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常の場合、電荷輸送物質及び添加剤を樹脂とともに溶媒に分散又は溶解した塗工液を、前記電荷発生層上に塗工し、乾燥させる方法などが好適である。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール、ジメトキシエタン、ジオキサン、ジオキソラン、アニソール等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒が特に好ましい。
前記電荷輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、実用的に有効な表面電位を維持するためには3μm〜50μmが好ましく、10μm〜40μmがより好ましい。
−表面層−
前記表面層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐摩耗性に優れる点、及び耐熱性に優れ温度が高い潤滑剤が付着した場合でも熱による変形などが起こりにくい点から、架橋樹脂を含有する表面層が好ましい。
−−架橋樹脂−−
前記架橋樹脂としては、架橋構造を有する樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記架橋樹脂を構成する構造単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メタクリロイル変性シリコーンオイルなどに由来する構造単位が挙げられる。
これらの中でも、耐摩耗性に優れる点、及び画像流れを解消する点から、トリメチロールプロパントリアクリレートに由来する構造単位が好ましい。
前記トリメチロールプロパントリアクリレートに由来する構造単位の前記架橋樹脂における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐摩耗性に優れる点から、前記架橋樹脂の固形分に対して10質量%以上50質量%以下が好ましく、15質量%以上30質量%以下がより好ましい。
また、架橋樹脂を構成する構造単位としては、官能基当量450g/mol以上12,000g/mol以下のメタクリロイル変性シリコーンオイルに由来する構造単位が好ましい。該構造単位を有することで、前記電子写真感光体の表面に適度な大きさの滑らかなクレーター状の形状を形成し、潤滑剤の付着効率を高くすることができる。
前記官能基当量450g/mol以上12,000g/mol以下のメタクリロイル変性シリコーンオイルに由来する構造単位の前記架橋樹脂における含有量は、前記クレーター状の形状の形成が容易な点から、前記架橋樹脂の固形分に対して1質量%以上10質量%以下が好ましい。
前記架橋樹脂は、架橋性の電荷輸送材料に由来する構成単位を有していてもよい。
前記架橋性の電荷輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷輸送物質に由来する構造及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、電荷輸送物質に由来する構造及びスチリル基を有する化合物、電荷輸送物質に由来する構造及び水酸基を有する化合物、電荷輸送物質に由来する構造及びアルコキシシリル基を有する化合物、電荷輸送物質に由来する構造及びイソシアネート基を有する化合物などが挙げられる。
前記電荷輸送物質に由来する構造及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、以下の一般式1で表される化合物が挙げられる。
ただし、前記一般式1中、d、e、fは、それぞれ0又は1の整数を表す。g、hは、それぞれ0〜3の整数を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。R、Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基を表し、g、hが2又は3の場合は、R、Rはそれぞれが異なってもよい。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
又は
を表す。
前記一般式1で表される化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
前記表面層は、潤滑剤の付着効率を向上できる点から、フィラーを含有することが好ましい。
−−フィラー−−
前記フィラーとしては、有機フィラー、無機フィラーが挙げられる。
前記有機フィラーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂粉末;シリコ−ン樹脂粉末、a−カーボン粉末などが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末;シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、α−アルミナ等のアルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物;フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物;チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げられる。これらの中でも、フィラーの硬度の点から無機フィラーを用いることが耐摩耗性の向上の点で好ましい。
また、いわゆる画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラーが好ましい。このようなフィラーとしては、pHが5以上を示すフィラー又は誘電率が5以上を示すフィラーが特に有効であり、例えば酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物などが挙げられる。また、pHが5以上のフィラー又は誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することもでき、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合して用いることも可能である。
これらフィラーの中でも、α−アルミナ、シリカが、画像ボケの発生抑制及び耐摩耗性の向上の点から特に好ましい。
前記フィラーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電子写真感光体と摺擦するクリーニングブレードなどの他部材へのダメージを緩和できる点から、前記表面層の固形分に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上35質量%以下がより好ましい。
前記表面層は、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、発泡剤、有機微粒子などを含有していてもよい。これらの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面層の固形分に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。なお、レベリング剤の含有量としては、前記表面層の固形分に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
前記表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面層を形成する材料を含有する塗料(表面層用塗料)を塗工する方法が挙げられる。
前記表面層用塗料は、硬化を促進させたり、安定化させたりするために、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの光重合開始剤を含有していてもよい。
前記表面層用塗料は、溶媒を含有していてもよい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、環境負荷の観点から、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールなどが好ましい。
前記表面層用塗料の塗工方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコート法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。これらの中でも、スプレー塗工法、リングコート法が好ましい。
前記表面層は、一度で塗工し、表面層を形成することも可能であるが、二回以上重ねて塗工し、表面層を多層にする方が層中におけるフィラーの均一性の面から好ましい。これによって、残留電位の低減、解像度の向上、及び耐摩耗性の向上に対してより一層の効果が得られる。
前記架橋樹脂を含有する表面層を形成する際には、架橋性の材料を架橋させるために、主に紫外線領域に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプ等のUV照射光源を利用してもよい。
前記UV照射光源の照度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50mW/cm以上1,000mW/cm以下が好ましい。前記照度が、50mW/cm未満であると、架橋反応に時間を要することがあり、1,000mW/cmを超えると、架橋反応の進行が不均一となることがあり、表面層に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生じたりすることがある。また、急激な架橋反応により内部応力が大きくなり、表面層にクラックや剥がれが発生することがある。
前記表面層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm〜15μmが好ましい。前記表面層の厚みが著しく増加すると、画質が若干劣化する傾向が認められるため、必要最小限度の厚みに設定することが好ましい。
−その他の構成−
前記その他の構成としては、例えば、下引き層などが挙げられる。
−−下引き層−−
前記導電性支持体と前記感光層との間には、必要に応じて、前記下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
前記下引き層の材料としては、例えば、樹脂と、微粉末とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有するものが挙げられる。
−−−樹脂−−−
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
−−−微粉末−−−
前記微粉末としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、又は金属窒化物などが挙げられる。
−−−その他の成分−−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などが挙げられる。
また、前記下引き層としては、Alを陽極酸化にて設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものなどが挙げられる
前記下引き層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜50μmが好ましく、0.5μm〜20μmがより好ましい。
−電子写真感光体の表面形状−
前記電子写真感光体の表面形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、潤滑剤の塗布性が優れる点で以下の表面形状が好ましい。
前記電子写真感光体の表面形状は、表面粗さ・輪郭形状測定機により前記電子写真感光体の表面の凹凸形状を測定して得た一次元データ配列を、ウェーブレット変換して最高周波数成分(HHH)から、次の高周波数成分(HHL)、3番目の高周波数成分(HMH)、4番目の高周波数成分(HML)、5番目の高周波数成分(HLH)及び最低周波数成分(HLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−1)を行い、更にここで得た最低周波数成分(HLL)の一次元データ配列に対してデータ配列数が1/10〜1/100に減少するように間引きした一次元データ配列を作り、該間引きした一次元データ配列に対して更にウェーブレット変換を行って、最高周波数成分(LHH)から、次の高周波数成分(LHL)、3番目の高周波数成分(LMH)、4番目の高周波数成分(LML)、5番目の高周波数成分(LLH)及び最低周波数成分(LLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−2)を行うことにより得られる合計12個の各周波数成分の算術平均粗さのうち、少なくともWRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)が0.01μm以上0.1μm未満であることが好ましい。
ここで、前記算術平均粗さは、JIS−B0601:2001で定義される算術平均粗さ(略号;Ra)であり、WRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)は、それぞれ以下の帯域におけるRaを表す。
WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
なお、各周波数成分の算術平均粗さ(Ra)は、周波数分解された各粗さ曲線に対してJIS−B0601:2001の算術平均粗さの算出方法に準じて算定される。ただし、周波数分解された粗さ曲線に対して、再度、うねり成分を減じて粗さ曲線を求める操作は行わず、周波数分解された粗さ曲線に対して直接Raを算出する。
前記表面形状は、実験により作製した種々の表面形状の電子写真感光体の中で、潤滑剤の塗布性が優れる電子写真感光体の表面形状について、ウェーブレット変換による解析を行って定義したものである。この表面形状が潤滑剤の塗布性に優れる理由は、潤滑剤が横滑りしにくいこと、また、潤滑剤が大きな液溜まりを形成することや、潤滑剤の液滴が大きくなることを妨げること、更に、低周波数成分の凹凸が乗畳されることで電子写真感光体表面に滞留する潤滑剤の均し効率を高めていること、などによると考えられる。
そして、前記表面形状により潤滑剤の塗布性が向上する効果は、潤滑剤を塗布する際に、詳細を後述する潤滑剤供給手段を用いることで、顕著になる。
なお、電子写真感光体の表面形状を表面粗さ・輪郭形状測定機で得られる算術平均粗さ(中心線平均粗さ)RaやうねりRSmなどの従来の方法で評価しても、潤滑剤の塗布性について、実験結果と相関のある関係を得ることは困難である。一方、前記多重解像度解析によれば、表面形状の詳細な解析が可能であることから、潤滑剤の塗布性について、実験結果と相関のある前記表面形状を得ることができた。
−−表面形状の多重解像度解析−−
前記表面形状を測定する前記多重解像度解析の詳細を説明する。
はじめに、電子写真感光体の表面の凹凸形状について、表面粗さ・輪郭形状測定機により測定し、JIS−B0601に定める断面曲線を求め、その断面曲線である一次元データ配列を得る。
表面粗さ・輪郭形状測定機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、東京精密社製Surfcom 1400Dが挙げられる。
この断面曲線である一次元データ配列は、表面粗さ・輪郭形状測定機からデジタル信号として得てもよく、表面粗さ・輪郭形状測定機のアナログ出力をA/D変換して得てもよい。
測定の際の測定長さとしては、JIS規格に定める測定長さであることが好ましく、8mm以上25mm以下がより好ましい。サンプリング間隔は1μm以下が好ましく、0.2μm以上0.5μm以下がより好ましい。例えば、測定長さを12mmとし、サンプリング点数を30,720点として測定する場合、サンプリング間隔は0.390625μmとなり、測定条件として好適である。
図9は表面粗さ・輪郭形状測定機の一構成例を模式的に示す概略構成図である。表面粗さ・輪郭形状測定機は、表面粗さを測定するプローブが付いたプローブ付き治具42と、前記プローブ付き治具42を測定対象に沿って移動させるプローブの移動手段43と、表面粗さ計44と、信号解析を行うコンピューター45とを備えている。この図において、前記コンピューター45によって前記多重解像度解析の計算が行われる。前記電子写真感光体41がシリンダー形状の場合、前記電子写真感光体41の表面粗さ測定は周方向でも長手方向でも適当な方向について測定することができる。
図9は一例として示したものであり、構成は他の構成によってもかまわない。例えば、多重解像度解析はコンピューターではなく、専用の数値計算プロセッサで行ってもよい。また、この処理を表面粗さ・輪郭形状測定機自体で行ってもよい。結果の表示は各種の方法が使用可能であり、CRTや液晶画面に表示してもよく、印字出力を行ったりしてもよい。また、他の装置に電気信号として送信してもよく、USBメモリやMOディスクに保存してもよい。
前記測定では、例えば、表面粗さ・輪郭形状測定機は東京精密社製Surfcom 1400Dを使用し、コンピューターはIBM社製パーソナルコンピューターを使用し、Surfcom 1400DとIBM社製パーソナルコンピューターの間はRS−232−Cケーブルで接続することができる。Surfcom 1400Dからパーソナルコンピューターに送られた表面粗さデータの処理は、C言語で作成したソフトウエアで行うことができる。なお、多重解像度解析計算は、数値解析ソフトウエア(例えばMATLAB)を用いて行う。
次に、前記一次元データ配列を、ウェーブレット変換して最高周波数成分(HHH)から、次の高周波数成分(HHL)、3番目の高周波数成分(HMH)、4番目の高周波数成分(HML)、5番目の高周波数成分(HLH)及び最低周波数成分(HLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−1)を行い、更にここで得た最低周波数成分(HLL)の一次元データ配列に対してデータ配列数が1/10〜1/100に減少するように間引きした一次元データ配列を作り、該間引きした一次元データ配列に対して更にウェーブレット変換を行って、最高周波数成分(LHH)から、次の高周波数成分(LHL)、3番目の高周波数成分(LMH)、4番目の高周波数成分(LML)、5番目の高周波数成分(LLH)及び最低周波数成分(LLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−2)を行う。
前記ウェーブレット変換は、数値解析ソフトウエア(例えばMATLAB)を使用して行うことができる。帯域幅の定義はソフトウエア上の制約で、定義する範囲に格別の意味はない。そして、HML成分とHLH成分、LHL成分とLMH成分、LMH成分とLML成分、LML成分とLLH成分、LLH成分とLLL成分の個々の帯域は、周波数帯域がオーバーラップするが、オーバーラップの理由は、次のとおりである。すなわち、ウェーブレット変換では、元の信号を一回目のウェーブレット変換(Level 1)でL(Low−pass Components)とH(High−pass Components)に分解し、更に、このLに関して、ウェーブレット変換を施すことでLLとHLに分解する。ここで、元の信号に含まれる周波数成分fが、分離する周波数Fと一致した場合は、fは丁度分離の境界になるので、分離後は、LとHの両方の、それぞれに分離される。この現象は、多重解像度解析では不可避な現象である。そこで、観察したい周波数帯域がこのようにウェーブレット変換の際に分離されてしまわないように、元の信号に含まれる周波数を設定することも重要である。また、数段階のウェーブレット変換を行った後に、任意の段階で逆ウェーブレット変換を行って、複数の帯域に分離されてしまった信号を復号する(元に戻す)ことも有効である。
前記測定では2回のウェーブレット変換を行うが、最初のウェーブレット変換を第一回目のウェーブレット変換、その後のウェーブレット変換を第二回目のウェーブレット変換と呼ぶことにする。一回目と二回目の変換を区別するため、便宜上、各周波数帯域の略号に接頭語として、H(一回目)とL(二回目)を付けている。
ここで、第一回目、及び第二回目のウェーブレット変換に使用するマザーウェーブレット関数としては、各種のウェーブレット関数が使用可能であり、例えば、ドビッシー(Daubecies)関数、ハール(Haar)関数、メーヤー(Meyer)関数、シムレット(Symlet)関数、コイフレット(Coiflet)関数等が使用可能である。
第一回目のウェーブレット変換により得た最低周波数成分(HLL)に対して行う間引きは、データ配列数を、1/10〜1/100にすることが好ましい。
データの間引きは、データの周波数を上げる(横軸の対数目盛幅を拡げる)効果があり、例えば、第一回目のウェーブレット変換結果で得た一次元配列のデータ配列数が30,000であった場合、1/10の間引きを行うと、データ配列数が3,000になる。
前記間引きが1/10未満、例えば、1/5であると、データの周波数を上げる効果が少なく、第二回目のウェーブレット変換を行い、多重解像度解析を行ってもデータはよく分離されない。
前記間引きが1/100を超える、例えば、1/200であると、データの周波数が高くなりすぎ、第二回目のウェーブレット変換を行い、多重解像度解析を行ってもデータは高周波数成分に集中してよく分離されない。
前記間引きは、例えば、間引きを1/100とする場合、100個のデータの平均値を求め、その平均値を代表の1点とすることにより行われる。
最後に、前記多重解像度解析により得られた各周波数成分に対して、算術平均粗さを求める。本明細書では、一般の算術平均粗さRaと区別するために、この各周波数成分の算術平均粗さをWRaと称する。
上記により、前記表面形状を測定する前記多重解像度解析を行うことができる。
次に、電子写真感光体の表面形状の多重解像度解析の手順について具体例によって説明する。
はじめに、電子写真感光体の表面形状を東京精密社製Surfcom 1400Dで測定した。
ここで、一回の測定長は12mmであり、総サンプリング点数は30,720であった。一度の測定では、これを四カ所測定した。測定した結果はパーソナルコンピューターに取り込み、これを発明者の作成したプログラムにより第一回目のウェーブレット変換と、そこで得た最低周波数成分に対する1/40の間引き処理、そして、第二回目のウェーブレット変換を行った。
このようにして得た第一回目、及び第二回目の多重解像度解析の結果に対し、算術平均粗さRa、最大高さRmax、十点平均粗さRzを求めた。演算結果の一例を図10a〜図10dに示す。図10a〜図10dには合計14個のグラフがある。グラフの縦軸は表面形状の変位であり、縦軸の単位はμmである。また、横軸は長さであり、目盛は付けていないが測定長は12mmである。
図10aはSurfcom 1400Dで測定して得た元のデータを示すグラフであり、粗さ曲線、又は断面曲線と呼ぶ場合がある。
従来の表面粗さ測定では、図10aのデータのみから算術平均粗さRa、最大高さRmax、Rz等を求めていた。
図10bの6個のグラフは第一回目のウェーブレット変換による多重解像度解析(MRA−1)結果である。
ここで、図10bにおいて、グラフ101は一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分であり、本発明ではこの帯域をHHHと呼ぶ。
グラフ102は、一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より1つ低い周波数成分であり、本発明ではこの帯域をHHLと呼ぶ。
グラフ103は、一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より2つ低い周波数成分であり、本発明ではこの帯域をHMHと呼ぶ。
グラフ104は、一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より3つ低い周波数成分であり、本発明ではこの帯域をHMLと呼ぶ。
グラフ105は、一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より4つ低い周波数成分であり、本発明ではこの帯域をHLHと呼ぶ。
グラフ106は、一回目の多重解像度解析結果の最低周波数成分であり、本発明ではこの帯域をHLLと呼ぶ。
前記多重解像度解析(MRA−1)において、図10aのグラフはその周波数によって、図10bの6個のグラフに分離されるが、その周波数分離の状態を図11に示す。
図11において、グラフ121は多重解像度解析(MRA−1)におけるHHHの帯域、グラフ122はHHLの帯域、グラフ123はHMHの帯域、グラフ124はHMLの帯域、グラフ125はHLHの帯域、グラフ126はHLLの帯域である。
図11において、横軸は凹凸の形状が正弦波とした場合の、長さ1mm当たりに出現する凹凸数である。また、縦軸は、各帯域に分離された場合の割合を示すものである。
図11をより詳細に説明すると、1mm当たりの凹凸数が20個以下の場合は、すべてグラフ126に出現することを示す。例えば、凹凸数が1mm当たり110個の場合、グラフ124に最も強く出現し、これは図10bにおいてはHMLに出現する。また、凹凸数が1mm当たり220個の場合、グラフ123に最も強く出現し、これは図10bにおいては、HMHに出現することを示している。また、凹凸数が1mm当たり310個の場合、グラフ122とグラフ123に出現し、これは図10bにおいては、HHLとHMHの両方に出現することを示している。
したがって、表面粗さの周波数によって、図10bの6本のグラフでどこに現われるかが決まってくる。言い換えると、表面粗さにおいて、細かなザラツキは図10bにおいて上の方のグラフに出現し、大きな表面うねりは図10bにおいて下の方のグラフに出現する。
前記表面形状の測定においては、表面粗さをその周波数によって分解する。これをグラフとしたものが図10bであるが、このグラフからそれぞれの周波数帯域での表面粗さを求める。ここで、表面粗さとしては、算術平均粗さRa、最大高さRmax、十点平均粗さRzを計算することが可能である。
このようにして計算した算術平均粗さRa、最大高さRmax、十点平均粗さRzを、図10bのそれぞれのグラフに、数値で例示している。
このように表面粗さ・輪郭形状測定機で測定したデータをその周波数によって複数のデータに分離するので、各周波数帯域における凹凸変化量を測定できる。
前記表面形状の測定では、周波数によって図10bのように分離したデータから、最も低い周波数、すなわちHLLのデータを間引きする。
間引きをどのようにするか、すなわち何個のデータから取り出すかは実験によって決めればよく、間引き数を最適にすることによって図12に示す多重解像度解析における周波数帯域分離を最適化することが可能となり、目的とする周波数をその帯域の中心にとることが可能になる。
図11では40個のデータの平均値を代表の1点とする1/40の間引きを行っている。
間引きした結果を図12に示す。図12では縦軸は表面凹凸であり、単位はμmである。また横軸に目盛は付けていないが、測定長さ12mmである。
前記表面形状の測定では、図12のデータを更に多重解像度解析する。すなわち二回目の多重解像度解析(MRA−2)を行う。
図10cの6個のグラフは第二回目のウェーブレット変換による多重解像度解析(MRA−2)結果である。
ここで、図10cにおいて、グラフ107は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分であり、本発明ではこの帯域をLHHと呼ぶ。
グラフ108は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より1つ低い周波数成分であり、本発明ではこの帯域をLHLと呼ぶ。
グラフ109は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より2つ低い周波数成分であり、本発明ではこの帯域をLMHと呼ぶ。
グラフ110は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より3つ低い周波数成分であり、本発明ではこの帯域をLMLと呼ぶ。
グラフ111は、二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より4つ低い周波数成分であり、本発明ではこの帯域をLLHと呼ぶ。
グラフ112は、二回目の多重解像度解析結果の最低周波数成分であり、本発明ではこの帯域をLLLと呼ぶ。
前記多重解像度解析(MRA−2)において、図12のグラフはその周波数によって、図10cの6個のグラフに分離されるが、その周波数分離の状態を図13に示す。
図13において、横軸は凹凸の形状が正弦波とした場合の、長さ1mm当たりに出現する凹凸数である。また、縦軸は、各帯域に分離された場合の割合を示すものである。
図13において、グラフ127は多重解像度解析(MRA−2)におけるLHHの帯域、グラフ128はLHLの帯域、グラフ129はLMHの帯域、グラフ130はLMLの帯域、グラフ131はLLHの帯域、グラフ132はLLLの帯域である。
図13をより詳細に説明すると、1mm当たりの凹凸数が0.2個以下の場合は、すべてグラフ132に出現することを示す。例えば、凹凸数が1mm当たり11個の場合、グラフ128が最も高くなっているが、これは、二回目の多重解像度解析(MRA−2)における最高周波数成分より1つ低い周波数成分の帯域に最も強く出現することを示しており、図10cにおいては、LMLに出現することを示している。
したがって、表面粗さの周波数によって、図10cの6本のグラフでどこに現われるか決まってくる。言い換えると、表面粗さにおいて、細かなザラツキは図10cにおいて上の方のグラフに出現し、大きな表面うねりは図10cにおいて下の方のグラフに出現する。
前記表面形状の測定においては、表面粗さをその周波数によって分解する。これをグラフとしたものが図10cであるが、このグラフからそれぞれの周波数帯域での表面粗さを求める。ここで、表面粗さとしては、算術平均粗さRa、最大高さRmax、十点平均粗さRzを計算することが可能である。
このようにして電子写真感光体表面の凹凸形状を表面粗さ・輪郭形状測定機により測定して得た一次元データ配列について、多重解像度解析(MRA−1)及び多重解像度解析(MRA−2)を行い、得た各周波数成分に対して、算術平均粗さRa(WRa)、最大高さRmax(WRmax)、十点平均粗さRz(WRz)を求めた結果の一例を表1に示す。
前記多重解像度解析結果から求めた算術平均粗さにおいて、2次元のグラフの横軸に最高周波数成分(HHH)から最低周波数成分(LLL)まで(最低周波数成分(HLL)を除く)の11個の周波数成分を帯域の長さの順に並べ、前記2次元のグラフの縦軸に各周波数成分の算術平均粗さの対数をプロットし、該プロットを結んで得られる線(以下、「表面粗さスペクトル」と称することがある。)は、例えば図14のようになる。ここで、LHH成分は算術上、突出した値になるため、LHHの帯域の算術平均粗さは省略している。
前記電子写真感光体の表面形状としては、前記表面粗さスペクトルが、LMH、LHL、及びLHHのいずれか一つの帯域に、屈曲点及び極大点のいずれかを持つことが、クリーニング性が優れる点で好ましい。前記屈曲点及び極大点のいずれかを持つことによりクリーニング性が優れるのは、電子写真感光体表面の凹凸が電子写真感光体と接触する部材に適度な振動を与えることで該部材のストレスを緩和させるためと考えられる。
ここで、屈曲点とは、前記表面粗さスペクトルにおいて、曲率が急変する点を意味する。曲率が急変する点とは、前記2次元のグラフ(図33、図34、図36、図40〜図49の表面粗さスペクトル図)の横軸、縦軸のスケールでの表面粗さスペクトルにおいて、凸角の頂点がない全くない状態(直線)を0°とした場合に、凸角があり、凸角の頂点が前記0°に対して20°以上の角度を有する点をいう。
前記電子写真感光体の表面形状を、前記少なくともWRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)が0.01μm以上0.1μm未満とする方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記表面層に前記フィラーを含有させる方法、前記表面層にガラス転移温度の異なる2種以上の樹脂を含有させる方法、前記表面層に有機微粒子を含有させる方法、前記表面層に発泡剤を含有させる方法、前記表面層にシリコーンオイルを含有させる方法などが挙げられる。
また、前記表面層を形成するための前記表面層用塗料としてゾル−ゲル系塗料を用い、その配合を調整する方法、前記表面層を形成するための前記表面層用塗料に多量の水を配合したり、沸点の異なる溶剤を配合したりする方法が挙げられる。ゾル−ゲル系塗料を用い、その配合を調整する方法としては、例えば、オルガノシリカゾル等のゾル−ゲル型の塗料にアクリル系のUV硬化成分を配合する方法が挙げられる。この方法により得られた塗料を塗布した後、露光により塗布した塗料を硬化させると、海島構造や周期的なうねりが形成できる。即ち、ゾル−ゲル硬化物が島又は縞状に偏在することで、特徴的な表面凹凸が形成できる。
また、架橋性を有する材料を含有した表面層用塗料をコーティングした直後の架橋前の表面層に対して、有機溶剤や水を散布する方法が挙げられる。
また、前記表面層をサンドブラスト処理する方法、ラッピングフィルム等の研磨紙で表面研磨する方法が挙げられる。
さらに、前記電荷輸送層などを溶剤で溶解させることで粗面化し、その上に前記表面層を形成する方法が挙げられる。
<潤滑剤供給手段>
前記潤滑剤供給手段は、前記電子写真感光体へ潤滑剤を供給する手段である。
前記潤滑剤供給手段は、液滴化部材を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
−液滴化部材−
前記液滴化部材は、前記潤滑剤を液滴化する部材である。
前記液滴化部材は、薄膜と、振動発生部とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部を有する。
−−薄膜−−
前記薄膜の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス、ニッケル等の金属、ポリイミド樹脂フィルム等の樹脂、シリコンなどが挙げられる。
前記薄膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、均一な粒子径を有する潤滑剤の微小液滴を吐出できる点から、5μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましく、15μm以上30μm以下が特に好ましい。
前記薄膜には、貫通孔が形成されている。
前記貫通孔の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、略円形、楕円形、矩形などが挙げられる。
前記貫通孔の開口径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、均一な粒子径を有する潤滑剤の微小液滴を吐出できる点から、1μm以上35μm以下が好ましく、2μm以上10μm以下がより好ましく、3μm以上8μm以下が特に好ましい。
なお、前記開口径は、貫通孔が略円形の場合は、直径を意味し、楕円形の場合には、短径を意味する。
前記薄膜に形成された貫通孔の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2個以上が好ましく、2個〜3,000個がより好ましい。
−−振動発生部−−
前記振動発生部は、前記薄膜を振動させる部である。
前記振動発生部の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電体が挙げられる。
前記圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子、単結晶の水晶、LiNbO、LiTaO、KNbOなどが挙げられる。
前記圧電体としては、バイモルフ型のたわみ振動が励起される圧電体が好ましい。
前記振動発生部の配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記薄膜の周囲に略円環状に配置されていることが、前記薄膜の振動の変位量が大きくなり、かつ前記薄膜において大きな変位量が得られる領域が広くなり、その領域に複数の貫通孔を配置することができ、これら複数の貫通孔より一度に多くの潤滑剤の液滴を安定的に形成して吐出することができる点で好ましい。
−潤滑剤−
前記潤滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂、パラフィンなどが挙げられる。これらの中でも、前記電子写真感光体の表面の摩擦係数を低減する効果が大きい点から、ステアリン酸金属塩、パラフィンが好ましく、ステアリン酸亜鉛、パラフィンがより好ましい。
前記潤滑剤の中には常温で固体であるものが少なくない。そのため、前記潤滑剤を前記電子写真感光体の表面に供給する際に、加熱部材により、前記潤滑剤を加熱すると良い。
前記潤滑剤の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上100℃以下であることが、潤滑剤の循環効率が高くなる点、及び前記貫通孔からの吐出が安定する点から好ましい。また、比較的高温の潤滑剤を前記電子写真感光体の表面へ供給するため、高湿環境下で発生しやすい画像ボケが防止できる点からも好ましい。
ここで、前記温度とは、前記貫通孔を出る際の前記潤滑剤の温度を意味する。
−−その他の部−−
前記その他の部としては、例えば、潤滑剤を前記薄膜へ供給する流路部などが挙げられる。
−その他の部材−
前記その他の部材としては、例えば、潤滑剤を収容する潤滑剤収容部材、潤滑剤を前記潤滑剤収容部材から前記液滴化部材へ供給するポンプ部材、潤滑剤を加熱する加熱部材などが挙げられる。
前記潤滑剤供給手段の前記薄膜の表面と前記電子写真感光体の表面との最短距離は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm以上10mm以下が好ましく、2mm以上8mm以下がより好ましく、3mm以上7mm以下が特に好ましい。前記最短距離が前記特に好ましい範囲であると、前記潤滑剤の、前記電子写真感光体の表面への付着効率が向上する点で有利である。また、前記潤滑剤を加熱している場合には、前記潤滑剤が溶融状態で前記電子写真感光体の表面に付着し、前記潤滑剤が電子写真感光体表面を膜として覆うため、潤滑剤による被覆率が向上する点でも有利である。
前記潤滑剤供給手段により前記電子写真感光体の表面へ潤滑剤を供給する場合、潤滑剤を必要なときに必要量だけを供給できる。すなわち、必要最小限の潤滑剤を供給することができる。必要量の判断は、例えば電子写真感光体のドラム駆動に要するモーター電流値などを参考にして判定できる。前記潤滑剤供給手段を用いると、前記電子写真感光体の表面へ供給する潤滑剤が必要最小限で済むため、見かけ上、潤滑剤の循環効率が極めて高く有利となる。また、余分な潤滑剤を使用しなくてよいため、残存した潤滑剤の劣化によるクリーニングブレードの摩耗を防ぎ、クリーニング性の高安定化を図ることができる。さらに、これら効果も相まって、高画質の画像を得ることができる。
前記潤滑剤供給手段について、図面を用いて説明する。図15は前記潤滑剤供給手段により電子写真感光体の表面に潤滑剤を塗布している一態様の概略断面図である。潤滑剤供給手段は、液滴化部材202、ポンプ部材209、及び潤滑剤収容部材207を有し、電子写真感光体201の上方に配置されている。前記液滴化部材202は、複数の貫通孔215が形成された薄膜211、振動発生部217、流路212を形成した流路部213、及び支持部220を有している。前記液滴化部材202は、前記支持部220により、前記電子写真感光体201の近傍に保持されている。前記薄膜211は、最外周部をはんだ又は潤滑剤に溶解しない樹脂結着材料によって流路部213に接合されている。前記振動発生部217は、前記薄膜211の変形可能領域(流路部に接合していない領域)の周囲に略円環状に配置されている。前記潤滑剤収容部材207には、潤滑剤210が収容されており、該潤滑剤210は、ポンプ部材209、及び配管208により前記液滴化部材202へ供給される。前記振動発生部217はリード線221、222を通じて駆動回路(駆動信号発生源)223に接続されており、所要周波数の駆動電圧(駆動信号)が印加されることで、前記振動発生部217は、前記薄膜211に撓み振動を発生させる。そして、前記薄膜211が振動することにより、前記液滴化部材202内の前記潤滑剤210が液滴231となって前記貫通孔215から外部へ吐出され、前記電子写真感光体201の表面に塗布される。
前記潤滑剤供給手段は前記画像形成装置において図15のように1個配置されていてもよく、2個以上配置されていてもよい。
例えば、図16に示すように、制御性の観点からは1個〜100個(図16では4個)の液滴化部材202を、電子写真感光体の近傍に並べて配置し、配管208により前記液滴化部材202を潤滑剤収容部材(図示せず)に通じさせて潤滑剤が供給されるようにしてもよい。図16の態様とすることで、一度により多くの液滴を放出させることが可能になったり、個々の液滴化部材202に異なる潤滑剤を供給して、環境の変化に応じて種々の潤滑剤を使い分けることが可能になる。
図17は、図15の液滴化部材202を下側から見た底面図であり、図18は液滴化部材202の概略断面図である。
前記液滴化部材は図18に示すように、複数の貫通孔215を有する薄膜211の変形可能領域216A内の周囲に円環状の振動発生部217が配置されていることによって、例えば図19に示す構成のように振動発生部217が薄膜216の周囲を保持している構成に比べて、相対的に薄膜216の変位量が大きくなり、この大きな変位量が得られる比較的大面積(φ1mm以上)の領域に複数の貫通孔215を配置することができ、これら複数の貫通孔215より一度に多くの液滴を安定的に形成して放出することができるようになる。
前記薄膜の振動の動作原理について図20a、及び図20bを参照して説明すると、図20a、及び図20bに示すような薄膜216(単純円形薄膜)の周辺部216Bを固定した(より具体的には、図18に示す変形可能領域216Aの外周が固定された状態である)場合、前記薄膜216に振動を与えると、基本振動は周辺が節になり、図21に示すように、前記薄膜216の中心0で変位量ΔLが最大(ΔLmax)となる断面形状となり、振動方向に周期的に上下振動する。
前記薄膜216を、図22に示すような、周辺が節となり、直径方向(径方向)に節を持たない振動モードで振動させることが好ましい。なお、図23に示すような、より高次の振動モードが存在することが知られている。これらのモードは、前記薄膜216内に、同心円状に節を1ないし複数持ち、実質的に径方向に対称な変形形状となる。
また、図24に示すように、凸形状部216Dの直径方向に節を持たない振動モードも利用できるが、この場合は、むしろ図22に示した2次のモードを使用した方がよい。また、節の位置を凸形状部216Dと凸形状部外周部分の境界に設定することが好ましい。図25に示すように、凸形状部216Dの振動は、凸形状中心部と周辺部で振動変位、振動速度差が少なくなり、ピストニックなものとなるため、貫通孔配置領域の拡大も図れるが、この場合、面積的に拡大する凸形状部216Dがいわゆる分割振動をしてしまう危険性がある。分割振動を避け、単一振動モードにするには、凸形状部216Dの剛性向上が必要となる。剛性向上には、ヤング率の高い金属を薄膜に利用する、前記薄膜の厚膜化を図る、凸形状を最適化することにより達成することができる。
振動モードの測定には、市販のレーザードップラー振動測定器が使用できる。例えば、ポリテック社製のスキャニング型振動計(PSV−200)を使用すれば、数100μmの立体形状を有する金属板であっても計測でき、少なくとも50μm間隔で格子状に測定を行うことで振動モードを正確に把握することができる。
さらに、図26に示すように、凸形状部216Cのような形状とすることで、液滴の進行方向を制御し、かつ振動振幅量を調整することが可能となる。
ここで、前記薄膜216の振動により、前記薄膜216に設けられた複数の貫通孔215近傍の潤滑剤には、前記薄膜216の振動速度Vmに比例した圧力Paが与えられる。圧力Paは、潤滑剤の放射インピーダンスZrの反作用として生じることが知られており、放射インピーダンスZrと膜振動速度Vmの積による次の(1)式で示す方程式を用いて表すことができる。
Pa(r,t)=Zr・Vm(r,t) ・・・(1)
前記薄膜216の膜振動速度Vmは、時間とともに周期的に変動しているため時間の関数であり、例えばサイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、前述したとおり、前記薄膜216の各部位で振動方向の振動変位は異なっており、前記膜振動速度Vmは、前記薄膜216上の位置座標の関数でもある。好ましい薄膜の振動形態は、上述のとおり径方向に対称な変形形状であるので、実質的には半径座標の関数となる。
以上のように、分布を持った前記薄膜216の膜振動速度に対して、それに比例する圧力が発生し、圧力の周期的変化に対応して、潤滑剤は気相へ吐出される。そして、気相へ周期的に吐出された潤滑剤は、液相と気相との表面張力差によって球体を形成することから、液滴が周期的に発生する。これらにより、潤滑剤は複数の貫通孔215から液滴化されて吐出されることとなる。
この様子を図27a、及び図27bに模式的に示している。薄膜216の変形可能領域内の周囲に配された振動発生部217に対して撓み振動を与えることによって、前記薄膜216は、図27aに示すように流路212側と反対側に撓んだ状態と、図27bに示すように流路212側に撓んだ状態との間で振動することになる。その結果、前記薄膜216の振動によって貫通孔215から出た潤滑剤210は液滴化されて液滴231となる。
この際、圧力が10kPa以上であると、液滴化が効率よく行われる。
形成される前記液滴231の直径は、複数の前記貫通孔215が形成された前記薄膜216の領域における振動変位が大きいほど大きくなる傾向にあり、振動変位が小さい場合、小滴が形成されるか、又は液滴化しない。複数の前記貫通孔215が形成された領域における液滴の大きさのばらつきを低減するためには、複数の前記貫通孔215の配置を前記薄膜16の振動変位の最適な位置に規定することが必要である。
振動方向変位(変位量)ΔLの最大値ΔLmaxと最小値ΔLminの比R(=ΔLmax/ΔLmin)が2.0以内である範囲を拡大するには、図24及び図25に示すように、薄膜に設けた凸形状部の直径方向に節を持たない振動モードを利用する方が有利である。この場合は、図22に示した2次のモードを使用した方がよい。そして、節の位置を凸形状部216Dと凸形状外周部分の境界に設定することが好ましい。したがって、例えば図24において、凸形状部216Dと凸形状部周辺の薄膜とでは、位相が180°異なることとなる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、例えば、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、除電手段、クリーニング手段などが挙げられる。
−帯電手段−
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子写真感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段が用いられる。
前記非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器及び針電極デバイス、固体放電素子、電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。これらの中でも、コロナ放電が特に好ましい。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを電子写真感光体の表面に与える非接触な帯電方法であり、電子写真感光体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトロン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトロン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
−露光手段−
前記露光手段としては、前記電子写真感光体の表面を像様に露光し、静電潜像を形成することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接電子写真感光体上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して電子写真感光体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像手段−
前記現像手段は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する手段である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−転写手段−
前記転写手段としては、前記可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を記録媒体上に二次転写する手段が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有することが好ましい。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着手段−
前記定着手段は、記録媒体に転写された転写像を定着部材により定着させる手段であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行う手段であってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行う手段であってもよい。
前記定着部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
−除電手段−
前記除電手段としては、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行うことができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング手段−
前記クリーニング手段は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
以下、図面に沿って本発明の画像形成装置の一態様を説明する。図28は、本発明の画像形成装置の一態様の概略断面図である。図28の画像形成装置は、電子写真感光体11と、帯電手段12と、露光手段13と、現像手段14と、転写手段16と、クリーニング手段17と、定着手段19と、潤滑剤供給手段20と、除電手段1Aとを備えている。図28において、前記電子写真感光体11は、架橋樹脂表面層を有する電子写真感光体である。前記電子写真感光体11はドラム状の形状をしている。前記現像手段14により前記電子写真感光体11上に現像されたトナー15は、印刷用紙やOHP用スライド等の印刷メディア18に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、前記電子写真感光体11上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、前記クリーニング手段17により、前記電子写真感光体11より除去される。
図29は、本発明の画像形成装置の一態様の概略断面図である。図29の画像形成装置は、ベルト状の電子写真感光体11と、帯電手段12と、露光手段13と、転写手段16と、クリーニング手段17と、潤滑剤供給手段20と、除電手段1Aと、クリーニング前露光手段1Bと、駆動手段1Cとを備えている。前記電子写真感光体11は、架橋樹脂表面層を有する電子写真感光体である。前記画像形成装置では、前記電子写真感光体11は前記駆動手段1Cにより駆動され、前記帯電手段12による帯電、前記露光手段13による像露光、現像手段(図示せず)による現像、前記転写手段16による転写、前記クリーニング前露光手段1Bによるクリーニング前露光、前記クリーニング手段17によるクリーニング、前記除電手段1Aによる除電が繰返し行われる。図29においては、電子写真感光体11(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行われる。
図30は、本発明の画像形成装置の一態様の概略断面図である。図30の画像形成装置は、電子写真感光体11と、帯電手段12と、露光手段13と、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の色ごとの現像手段(14Bk、14C、14M、14Y)と、中間転写体である中間転写ベルト1Fと、クリーニング手段17と、定着手段19と、潤滑剤供給手段20とを備えている。ここで、図中に示す(Bk、C、M、Y)の添字は上記のトナーの色に対応し、必要に応じて添字を付けたり適宜省略する。前記電子写真感光体11は、架橋樹脂表面層を有する電子写真感光体である。各色の現像手段(14Bk、14C、14M、14Y)は各々独立に制御可能となっており、画像形成を行う色の現像手段のみが駆動される。前記電子写真感光体11上に形成されたトナー像は前記中間転写ベルト1Fの内側に配置された第1の転写手段1Dにより、前記中間転写ベルト1F上に転写される。前記第1の転写手段1Dは前記電子写真感光体11に対して接離可能に配置されており、転写動作時のみ前記中間転写ベルト1Fを前記電子写真感光体11に当接させる。各色の画像形成を順次行い、前記中間転写ベルト1F上で重ね合わされたトナー像は第2の転写手段1Eにより、印刷メディア18に一括転写された後、前記定着手段19により定着されて画像が形成される。前記第2の転写手段1Eも前記中間転写ベルト1Fに対して接離可能に配置され、転写動作時のみ前記中間転写ベルト1Fに当接する。
転写ドラム方式の画像形成装置では、転写ドラムに静電吸着させた転写材に各色のトナー像を順次転写するため、厚紙にはプリントできないという転写材の制限があるのに対し、図30に示すような中間転写方式の画像形成装置では中間転写体1F上で各色のトナー像を重ね合わせるため、転写材の制限を受けないという特徴がある。
図31は、本発明の画像形成装置の一態様の概略断面図である。図31の画像形成装置は、トナーとしてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色を用いるタイプであり、各色の電子写真感光体(11Y、11M、11C、11Bk)が設けられている。そして、各電子写真感光体(11Y、11M、11C、11Bk)の周りには、帯電手段12、露光手段13、現像手段14、クリーニング手段17、潤滑剤供給手段20が配設されている。ここで、図中に示す(Bk、C、M、Y)の添字は上記のトナーの色に対応し、必要に応じて添字を付けたり適宜省略する。また、直線上に配設された各電子写真感光体(11Y、11M、11C、11Bk)の各転写位置に接離する転写材担持体としての搬送転写ベルト1Gが駆動手段1Cにて掛け渡されている。この搬送転写ベルト1Gを挟んで各電子写真感光体(11Y、11M、11C、11Bk)に対向する転写位置には転写手段16が配設されている。
図31の形態のようなタンデム方式の画像形成装置は、色ごとに電子写真感光体(11Y、11M、11C、11Bk)を配し、各色のトナー像を定着手段19を用いて前記搬送転写ベルト1Gに保持された印刷メディア18に順次転写するため、電子写真感光体を一つしかもたないフルカラー画像形成装置に比べ、高速のフルカラー画像の出力が可能となる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、潤滑剤供給手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記電子写真感光体としては、前記画像形成装置の説明において記載した前記電子写真感光体と同様の電子写真感光体が挙げられる。
前記潤滑剤供給手段としては、前記画像形成装置の説明において記載した前記潤滑剤供給手段と同様の潤滑剤供給手段が挙げられる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができることが好ましい。
前記プロセスカートリッジの一態様を図で説明する。図32は、本発明のプロセスカートリッジの一態様の概略断面図である。図32のプロセスカートリッジは、電子写真感光体11と、帯電手段12と、露光手段13と、現像手段14と、転写手段16と、クリーニング手段17と、定着手段19と、潤滑剤供給手段20と、除電手段1Aとを備えている。
図32に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、前記電子写真感光体11は、回転しながら、前記帯電手段12による帯電、前記露光手段13による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、前記現像手段14でトナー現像され、該トナー現像は前記転写手段16により、記録媒体18に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の前記電子写真感光体11表面は、前記クリーニング手段17によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返す。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<画像形成装置の作製>
−電子写真感光体の作製−
肉厚1mm、長さ352mm、外径Φ40mmのアルミニウムドラムに、下記組成の下引き層用塗料、電荷発生層用塗料、電荷輸送層用塗料を順次、塗布乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、厚み22μmの電荷輸送層を形成した。その上に表面層用塗料をスプレーで塗工した。スプレー塗工はスプレーガンにオリンポス社製PC−WIDE308を使用し、2.5kgf/cmの霧化圧力でスプレーガンのノズル先端と感光体間の距離が50mmとなる位置で行った。吐出量は約5ccだった。
結果、厚み6μmの表面層が形成された電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗料〕
・アルキッド樹脂溶液 12質量部
(ベッコライト M6401−50、大日本インキ化学工業社製)
・メラミン樹脂溶液 8.0質量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
・酸化チタン(CR−EL、石原産業社製) 40質量部
・メチルエチルケトン 200質量部
〔電荷発生層用塗料〕
・下記構造のビスアゾ顔料(株式会社リコー製) 5.0質量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 1.0質量部
・シクロヘキサノン 200質量部
・メチルエチルケトン 80質量部
〔電荷輸送層用塗料〕
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10質量部
・下記構造の電荷輸送物質 7.0質量部
・テトラヒドロフラン 100質量部
・1%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1質量部
〔表面層用塗料〕
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10質量部
・下記構造の電荷輸送物質 7質量部
・アルミナ微粒子(α−アルミナ) 5.7質量部
(スミコランダム AA−03、住友化学社製)
・分散剤(ビックケミー社、BYK−P104) 0.014質量部
・テトラヒドロフラン 280質量部
・シクロヘキサノン 80質量部
−潤滑剤供給手段の作製−
図15に示すような薄膜と振動発生部とを有する液滴化部材を備える潤滑剤供給手段を作製した。使用した薄膜は、外径8.0mmで厚み20μmのニッケル板で、円形状の直径5μmの貫通孔を、電鋳法による加工で作製した。貫通孔は各貫通孔間の距離が100μmとなるような千鳥格子状で、薄膜の中心の約5mmΦの範囲にのみ設けた。振動発生部にはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用い、前記薄膜の外周に円環状に配置した。これに振動数98kHz、ピーク間電圧が20.0Vのサイン波の電圧を印加することで電子写真感光体表面に向けて潤滑剤を吐出する潤滑剤供給手段を作製した。
潤滑剤には、融点が70℃のノルマルパラフィン(関東化学社)を用い、潤滑剤の温度を75℃にして吐出するようにした。1つの潤滑剤供給手段からは、電子写真感光体の走行距離1kmに対して150mgの吐出量となるように調製した。
前記電子写真感光体と前記潤滑剤供給手段を、IPSiO SP C811(株式会社リコー製)のブラック現像ステーションに搭載し画像形成装置を得た。
前記潤滑剤供給手段は、IPSiO SP C811専用の感光体カートリッジ内に本来設置されている潤滑剤塗布手段としての塗布ブラシと潤滑剤バーを取り除き、その空いたスペースに70mmの等間隔で5個取り付けた。
前記潤滑剤供給手段の薄膜と前記電子写真感光体の表面との最短距離は5mmにした。
<測定・評価>
(1)電子写真感光体表面形状の測定
電子写真感光体の表面形状の測定は、表面粗さ・輪郭形状測定機(東京精密社製、Surfcom 1400D)を用い、ピックアップ:E−DT−S02Aを取り付け、測定長さ;12mm、総サンプリング点数;30,720、測定速度;0.06mm/sの条件で行った。
測定により取得した電子写真感光体の表面形状の一次元データ配列をウェーブレット変換して、HHHからHLLに至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−1)を行った。更にここで得たHLLの一次元データ配列に対してデータ配列数が1/40に減少するように間引きした一次元データ配列を作り、該間引きした一次元データ配列に対して更にウェーブレット変換を行って、LHHからLLLに至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−2)を行った。そして、得られた合計12個の各周波数成分について算術平均粗さを計算した。
前記表面形状の測定を一つの電子写真感光体につき4箇所行い、それぞれの箇所に対して前記各周波数成分についての算術平均粗さの計算を行った。
なお、ウェーブレット変換にはMatlabのWavelet Toolboxをそのまま利用した。上述の通り、本発明では2度に分けてウェーブレット変換を行った。
4箇所の各周波数成分の算術平均粗さの平均値を、測定結果の各周波数成分の算術平均粗さ(WRa)とした。測定結果を表2に示す。また、表面粗さスペクトルを図33に示す。
(2)画像評価
10万枚のプリント試験を行った後、画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンの地肌汚れを目視により、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
5; 極めて優れている
4; 優れている
3; 問題なし
2; 僅かにくすんだ感触を受けるが実際の使用では問題ない
1; くすんだ感触を受ける
0; 明らかに地肌汚れが認識される
(3)クリーニングブレードの摩耗の評価
画像濃度が6%の電子写真感光体の副走査方向に平行なラインパターンを連続5枚ずつ印刷する条件で通算10万枚、コピー用紙(My Paper A4、NBSリコー社製)にプリントアウトした。トナーと現像剤はIPSiO SP C811純正品を使用した。トナーは重合トナーである。
電子写真感光体ユニットに設けられる帯電ローラーの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.5kV、周波数0.9kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の電子写真感光体の帯電電位が−700Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行った。また、現像バイアスは−500Vとした。なお、前記画像形成装置に、除電手段は設けていない。また、クリーニング手段は試験開始前に未使用品に変えた。試験終了後、カラーテストチャートをPPC用紙TYPE−6200A3に複写印刷した。試験環境は25℃/55%RHであった。
試験終了後に回収したクリーニングブレードの先端部分をコンフォーカル顕微鏡(レーザーテック社製、OPTELICS H−1200)で観察した。ゴム板でつくられるクリーニングブレードの先端は電子写真感光体との摺擦で電子写真感光体の移動方向に引き込まれる。このため、クリーニングブレードは先端から引き込まれて電子写真感光体と接触する部分が摩耗するため、回収したクリーニングブレードの摩耗は先端から離れた部分がえぐれた様に摩耗する。先端からえぐれた長さをえぐれ開始点として摩耗具合を評価した。ここで、先端からえぐれた長さとは、先端から、えぐれの外縁の先端側までの距離を指す。コンフォーカル顕微鏡で得られるブレードカット面の先端部位の観察画像に対し、上下を等間隔に分ける四ラインに対して高さ方向のデジタルデータによる断面曲線を取得し、これらのデータを用いて、上記のえぐれた長さを個々に算出し、その平均値を先端からえぐれた長さ(えぐれ開始点)の評価値とした。
結果を表2に示す。なお、評価はえぐれ開始点が短いほうが、クリーニングブレードの摩耗が少なく、優れていることを示す。
ここで、図50、及び図51に、クリーニングブレード先端の拡大写真を示す。図50は、「えぐれ」が観察されたクリーニングブレード先端の拡大写真であり、図51が、「えぐれ」がほとんどないクリーニングブレード先端の拡大写真である。
(実施例2)
実施例1において、薄膜に形成された貫通孔を直径2μmの円形状の貫通孔に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、薄膜に形成された貫通孔を直径10μmの円形状の貫通孔に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、薄膜に形成された貫通孔を直径1μmの円形状の貫通孔に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1において、薄膜に形成された貫通孔を直径12μmの円形状の貫通孔に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1において、潤滑剤供給手段の薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離を1mmに代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1において、潤滑剤供給手段の薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離を10mmに代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1において、潤滑剤供給手段の薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離を0.5mmに代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1において、潤滑剤供給手段の薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離を11mmに代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例1において、潤滑剤の温度を50℃に代え、かつ潤滑剤を融点が46℃のノルマルパラフィン(関東化学社)に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例1において、潤滑剤の温度を100℃に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例1において、潤滑剤の温度を45℃に代え、かつ潤滑剤を融点が44℃のノルマルパラフィン(関東化学社)に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例1において、潤滑剤の温度を110℃に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例14)
実施例1において、電子写真感光体を下記の電子写真感光体に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
−電子写真感光体の作製−
肉厚1mm、長さ352mm、外径Φ40mmのアルミニウムドラムに、下記組成の下引き層用塗料、電荷発生層用塗料、電荷輸送層用塗料を順次、塗布乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、厚み22μmの電荷輸送層を形成した。
次に、ドラムを回転速度;160rpmで回転させながら、吹きつけ速度;11mm/s、吹きつけ圧力;2.0kgf/cm、吹きつけ回数;1回の条件でテトラヒドロフランを加熱乾燥後の上記の表面が電荷輸送層の電子写真感光体へ吹き付け、更に、135℃にて20分間の加熱乾燥を行った。テトラヒドロフランの吹きつけ量は330mg/sとした。
その上に下記組成の架橋樹脂表面層用塗料をスプレーで塗工した。15分間放置し、指触乾燥させた後、電子写真感光体ドラムから120mm距離を置いたところにメタルハライドランプを設け、電子写真感光体ドラムを回転させながらUV硬化を施した。この位置でのメタルハライドランプの照度は550mW/cm(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ社製による測定値)であった。また、ドラムの回転速度は25rpmとした。UV硬化を行う際、アルミニウムドラム内に30℃の水を循環させて連続4分間、UV硬化した。その後、130℃にて30分間加熱乾燥した。結果、厚み6μmの架橋樹脂表面層を設けた電子写真感光体を得た。表面粗さスペクトルを図34に示す。
〔下引き層用塗料〕
・アルキッド樹脂溶液 12質量部
(ベッコライト M6401−50、大日本インキ化学工業社製)
・メラミン樹脂溶液 8.0質量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
・酸化チタン(CR−EL、石原産業社製) 40質量部
・メチルエチルケトン 200質量部
〔電荷発生層用塗料〕
・下記構造のビスアゾ顔料(株式会社リコー製) 5.0質量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 1質量部
・シクロヘキサノン 200質量部
・メチルエチルケトン 80質量部
〔電荷輸送層用塗料〕
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10質量部
・下記構造の低分子電荷輸送物質 7.0質量部
・テトラヒドロフラン 100質量部
・1%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1質量部
〔架橋樹脂表面層用塗料〕
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 21質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.2質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 567質量部
(実施例15)
実施例1において、表面層用塗料を下記の架橋樹脂表面層用塗料に代え、かつ該架橋樹脂表面層用塗料の塗工方法を下記の塗工方法に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
−塗工方法−
スプレーノズルの配座を図35のタイプにした。電荷輸送層上に下記の架橋樹脂表面層用塗料をスプレー塗工後、15分間放置し、指触乾燥した後、電子写真感光体ドラムから120mm距離を置いたところにメタルハライドランプを設け、電子写真感光体ドラムを回転させながらUV硬化を施した。この位置におけるメタルハライドランプの照度は550mW/cm(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ社製による測定値)であった。また、電子写真感光体ドラムの回転速度は25rpmとした。UV硬化を行う際、電子写真感光体ドラム内に30℃の水を循環させて連続4分間、UV硬化した。その後、130℃にて30分間加熱乾燥した。結果、厚み6μmの架橋樹脂表面層を設けた電子写真感光体を得た。表面粗さスペクトルを図36に示す。
〔架橋樹脂表面層用塗料〕
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 21質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.2質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・シリカ微粒子 38質量部
(SO−E1、アドマテックス社製)
・テトラヒドロフラン 721質量部
(実施例16)
実施例15において、架橋樹脂表面層用塗料を下記の架橋樹脂表面層用塗料に代え、かつ該架橋樹脂表面層用塗料の塗工方法を下記の方法に代えた以外は、実施例15と同様にして画像形成装置を得た。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
−塗工方法−
スプレー塗工は電子写真感光体ドラム長手方向に対して定速条件で平行移動させながら行った。スプレーノズルの配座を図37のタイプにした。スプレーガンのヘッドは、図38に示すものを用いた。また、このヘッドの先端部分を正面から観察した概略図を図39に示す。この先端部分には圧縮エアーの通気孔と塗料が吐出する孔がある。この通気口の位置を変えると吹き出される塗料のブラシ状の向きが変わる。この塗工においては、このブラシ状の向きを変えることで特異なパターン形成を施し、電子写真感光体を得た。表面粗さスペクトルを図40に示す。
〔架橋樹脂表面層用塗料〕
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 21質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.2質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・アルミナ微粒子(α−アルミナ) 38質量部
(スミコランダムAA−03、住友化学社製)
・テトラヒドロフラン 721質量部
(実施例17)
実施例1において、表面層用塗料を下記の架橋樹脂表面層用塗料に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた電子写真感光体について、表面粗さスペクトルを測定した。測定結果を図41に示す。得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
なお、下記の架橋樹脂表面用塗料の塗工は、図35に示すタイプの配座のスプレーでスプレー塗工した後、130℃で30分間加熱乾燥することにより行った。
〔架橋樹脂表面層用塗料〕
・下記構造の低分子電荷輸送物質 27質量部
・アルミナ微粒子(α−アルミナ) 3質量部
(スミコランダムAA−03、住友化学社製)
・酸化スズ 7質量部
(NanoTek SnO、シーアイ化成社製)
・分散剤 2質量部
(DisperBYK−2000、ビックケミー社製;固形分40質量%、アミン価;4mgKOH/g)
・硬化性モノマー(メラミン) 105質量部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製;固形分60質量%)
・テトラヒドロフラン 90質量部
・1−メトキシ−2プロパノール 766質量部
(実施例18)
実施例1において、表面層用塗料を下記の架橋樹脂表面層用塗料に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。得られた電子写真感光体について、表面粗さスペクトルを測定した。測定結果を図42に示す。また、得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
〔架橋樹脂表面層用塗料〕
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 21質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.2質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・メタクリロイル変性シリコーンオイル(官能基当量;4,600g/mol)
(X−22−174DX、信越化学工業社製) 3質量部
・テトラヒドロフラン 522質量部
(実施例19)
実施例18において、架橋樹脂表面層用塗料に含まれるメタクリロイル変性シリコーンオイル(X−22−174DX)の含有量を3質量部から5質量部に代えた以外は、実施例18と同様にして画像形成装置を得た。得られた電子写真感光体の表面粗さスペクトルを図43に示す。また、得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例20)
実施例18において、架橋樹脂表面層用塗料に含まれるメタクリロイル変性シリコーンオイル(X−22−174DX)の含有量を3質量部から2.5質量部に代え、更に別のメタクリロイル変性シリコーンオイル(官能基当量;2,370g/mol、X−22−164C、信越化学工業社製)を2.5質量部追加した以外は、実施例18と同様にして画像形成装置を得た。得られた電子写真感光体の表面粗さスペクトルを図44に示す。また、得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例21)
実施例15において、架橋樹脂表面層用塗料に含まれるシリカ微粒子38質量部を、高架橋粒子(SX8743(B)−03;粒径0.03μm、有機フィラー、JSR社製)を5質量部(固形分のみの質量)に代え、テトラヒドロフランの配合量を721質量部から494質量部に代えた以外は、実施例15と同様にして画像形成装置を得た。得られた電子写真感光体の表面粗さスペクトルを図45に示す。また、得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例22)
実施例15において、架橋樹脂表面層用塗料を下記の架橋樹脂表面層用塗料に代えた以外は、実施例15と同様にして画像形成装置を得た。得られた電子写真感光体の表面粗さスペクトルを図46に示す。また、得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
〔架橋樹脂表面層用塗料〕
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 21質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.2質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・アルミナ
(スミコランダムAA−1.5、住友化学社製) 9質量部
・分散剤(ビックケミー社、BYK−P104) 1.8質量部
・テトラヒドロフラン 522質量部
(実施例23)
実施例15において、架橋樹脂表面層用塗料を下記の架橋樹脂表面層用塗料に代えた以外は、実施例15と同様にして画像形成装置を得た。得られた電子写真感光体の表面粗さスペクトルを図47に示す。また、得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
〔架橋樹脂表面層用塗料〕
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 21質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.2質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・メタクリロイル変性シリコーンオイル(官能基当量;4,600g/mol)
(X−22−174DX、信越化学工業社製) 3質量部
・アルミナ
(スミコランダムAA−05、住友化学工業社製) 18質量部
・分散剤(ビックケミー社、BYK−P104) 1.8質量部
・テトラヒドロフラン 653質量部
(実施例24)
実施例1において、表面層用塗料を下記の架橋樹脂表面層用塗料に代え、かつ架橋樹脂表面層用塗料の塗工方法を下記の塗工方法に代えた以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を得た。
−塗工方法−
電荷輸送層上に架橋樹脂表面層用塗料をスプレー塗工した。スプレーノズルの配座は図35のタイプにした。スプレー塗工後、15分間放置し、指触乾燥した後、電子写真感光体ドラムから120mm距離を置いたところにメタルハライドランプを設け、電子写真感光体ドラムを回転させながらUV硬化を施した。この位置におけるメタルハライドランプの照度は550mW/cm(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ社製による測定値)であった。また、電子写真感光体ドラムの回転速度は25rpmとした。UV硬化を行う際、電子写真感光体ドラム内に30℃の水を循環させて連続4分間、UV硬化した。その後、130℃にて30分間加熱乾燥した。結果、厚み6μmの架橋樹脂表面層を設けた電子写真感光体を得た。表面粗さスペクトルを図48に示す。
(架橋樹脂表面層用塗料)
・下記構造の架橋型電荷輸送物質 43質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 21質量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21質量部
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬社製)
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物 0.2質量部
(BYK−UV3570、ビックケミー社製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
・テトラヒドロフラン 567質量部
(実施例25)
実施例24において、架橋樹脂表面層用塗料が含有するテトラヒドフラン567質量部を454質量部に変更し、イオン交換水113質量部を加えた以外は実施例24と同様にして画像形成装置を得た。得られた電子写真感光体の表面粗さスペクトルを図49に示す。また、得られた画像形成装置について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例24において、潤滑剤供給手段の代わりにファーブラシを介してノルマルパラフィンを電子写真感光体表面に塗布した以外は、実施例24と同様にして画像形成装置を得た。また、得られた画像形成装置について、実施例24と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例25において、潤滑剤供給手段の代わりにファーブラシを介してノルマルパラフィンを電子写真感光体表面に塗布した以外は、実施例25と同様にして画像形成装置を得た。また、得られた画像形成装置について、実施例25と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
以上の実施例と比較例についての評価結果を表2に示す。
電子写真感光体への潤滑剤の供給が不足すると、電子写真感光体の摩擦係数は増大する。電子写真感光体表面に十分に潤滑剤が塗布されたとき、電子写真感光体の摩擦係数を測定すると通常0.15以下を示す。そして、電子写真感光体の摩擦係数は、電子写真感光体を駆動させるモーター電流値に影響を与える。そのため、モータ電流値を計測することで潤滑剤塗布の状態を判断することができる。
潤滑剤が十分に塗布された場合、プリント時のモーター電流値は0.9A以下を示し、これを越える場合は潤滑剤の供給が不十分である。
実施例1から25では、モーター電流値はいずれも0.9A以下であった。すなわち、潤滑剤供給手段により必要量の潤滑剤を供給できていた。
比較例1ではモーター電流値は1.1Aを示し、比較例2ではモーター電流値は1.2Aを示していた。すなわち、潤滑剤供給手段により必要量の潤滑剤が供給できていなかった。
実施例1の画像形成装置は比較例1の画像形成装置と比較して、耐久試験後のプリント画像は高品質であった。また、クリーニングブレードのえぐれ摩耗も小さかった。実施例1の画像形成装置は、電子写真感光体表面が適切に粗面化されており、潤滑剤供給手段によって電子写真感光体表面に供給される潤滑剤の塗布性に優れた性状を呈していた。また、比較例1では電子写真感光体表面が適切な粗面が施されているものの、潤滑剤の供給手段がファーブラシであるため、電子写真感光体への潤滑剤の供給量が制御できていなかった。このため、電子写真感光体表面への潤滑剤の塗布性に多分にムラが生じた。
実施例2から実施例5は、実施例1に対して潤滑剤供給手段の貫通孔の開口径を種々変更した画像形成装置である。耐久試験後のプリント画像の品質は何れも高品質であった。クリーニングブレードのえぐれ摩耗をみると、実施例1から実施例3が実施例4と実施例5よりも摩耗深さが浅く耐久性に優れると評価できる。潤滑剤供給手段から潤滑剤を電子写真感光体表面に供給した直後の電子写真感光体表面を観察すると、貫通孔の開口径が小さい条件ほど均一であった。反面、開口径が小さすぎると、液滴が霧状になるため、電子写真感光体表面への潤滑剤の付着効率が低下した。実施例1から実施例3の潤滑剤供給手段は、これらのバランスが良い。これがクリーニングブレードのえぐれ摩耗に優れた結果を与えた。
実施例6から実施例9は、実施例1に対して潤滑剤供給手段の薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離を種々変更した画像形成装置である。耐久試験後のプリント画像の品質は何れも高品質であった。クリーニングブレードのえぐれ摩耗をみると、実施例1、実施例6、実施例7が実施例8と実施例9よりも摩耗深さが浅く耐久性に優れると評価できる。潤滑剤供給手段の薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離には適当な距離があり、この距離が長過ぎなければ電子写真感光体表面に潤滑剤を十分に行き渡らせることができ、電子写真感光体とクリーニングブレードの摺動が安定化されると考えられる。この効果の一つとしてクリーニングブレードの摩耗が浅くなると考えられる。特に、実施例1、実施例6、実施例7が好条件であり、潤滑剤供給手段の薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離は、1mm以上10mm以下が好ましい。
実施例10から実施例13は、実施例1に対して潤滑剤の温度を種々変更した画像形成装置である。耐久試験後のプリント画像の品質は何れも高品質であった。これらの中でも実施例1、実施例10、実施例11が優れていた。クリーニングブレードのえぐれ摩耗も何れも浅い摩耗となっているが、これらの中でも実施例1、実施例10、実施例11が良好であった。潤滑剤の温度を高くすると潤滑剤が電子写真感光体表面で広がりをみせて、潤滑剤の膜形成がされやすい。このことがクリーニングブレードの摩耗に反映したと考えられる。実施例13ではその効果が弱いが、これは電子写真感光体の熱特性が影響した結果と考えられる。潤滑剤の膜形成能と電子写真感光体の熱劣化の低減から、潤滑剤の温度は50℃以上100℃以下で最も優れた潤滑効果が得られる。
実施例14から実施例23は、表面粗さスペクトルにおいてLMH、LHL、及びLHHのいずれか一つの帯域に、屈曲点又は極大点を持たせた表面形状を電子写真感光体に付与した画像形成装置である。耐久試験後のプリント画像は格段に高品質が維持されている。電子写真感光体に特別な表面形状を付与することで潤滑剤の塗布性が向上したものと考えられる。この効果はクリーニングブレードの摩耗低減にも有利に作用している。潤滑剤供給手段と、特別な表面形状を有する電子写真感光体を併用することで極めて高耐久性が得られる。実施例22と実施例23において顕著な高品質と顕著な高耐久性が得られていることの詳細な理由は不明であるものの、電子写真感光体とクリーニングブレード間の摩擦が潤滑剤によってほぼ完璧な流体潤滑が実現されていると考えられる。言い換えれば、特定の表面形状が電子写真感光体とクリーニングブレードとのなじみを促進していると考えられる。
本発明の画像形成装置は、潤滑剤を必要なときに必要量だけを供給でき、クリーニング性の高安定化を図りつつ、高画質の画像が得られることから、複写機、ファクシミリ、レーザープリンター、ダイレクトデジタル製版機等に好適に使用される。
11 電子写真感光体
12 帯電手段
13 露光手段
14 現像手段
15 トナー
16 転写手段
17 クリーニング手段
18 印刷メディア(印刷用紙、OHP用スライド)
19 定着手段
1A 除電手段
1B クリーニング前露光手段
1C 駆動手段
1D 第1の転写手段
1E 第2の転写手段
1F 中間転写体
1G 搬送転写ベルト
20 潤滑剤供給手段
21 導電性支持体
31 感光体表面
39 塗布ブレード
3A 固体潤滑剤
3B 塗布ブラシ
3D 塗布ブレードエッジ部分
41 電子写真感光体
42 プローブ付き治具
43 プローブの移動手段
44 表面粗さ計
45 コンピューター
101 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分(HHH)のグラフ
102 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より1つ低い周波数成分(HHL)のグラフ
103 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より2つ低い周波数成分(HMH)のグラフ
104 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より3つ低い周波数成分(HML)グラフ
105 一回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より4つ低い周波数成分(HLH)のグラフ
106 一回目の多重解像度解析結果の最低周波数成分(HLL)のグラフ
107 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分(LHH)のグラフ
108 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より1つ低い周波数成分(LHL)のグラフ
109 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より2つ低い周波数成分(LMH)のグラフ
110 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より3つ低い周波数成分(LML)のグラフ
111 二回目の多重解像度解析結果の最高周波数成分より4つ低い周波数成分(LLH)のグラフ
112 二回目の多重解像度解析結果の最低周波数成分(LLL)のグラフ
121 一回目の多重解像度解析における最高周波数成分(HHH)の帯域
122 一回目の多重解像度解析における最高周波数成分より1つ低い周波数成分(HHL)の帯域
123 一回目の多重解像度解析における最高周波数成分より2つ低い周波数成分(HMH)の帯域
124 一回目の多重解像度解析における最高周波数成分より3つ低い周波数成分(HML)の帯域
125 一回目の多重解像度解析における最高周波数成分より4つ低い周波数成分(HLH)の帯域
126 一回目の多重解像度解析における最低周波数成分(HLL)の帯域
127 二回目の多重解像度解析における最高周波数成分(LHH)の帯域
128 二回目の多重解像度解析における最高周波数成分より1つ低い周波数成分(LHL)の帯域
129 二回目の多重解像度解析における最高周波数成分より2つ低い周波数成分(LMH)の帯域
130 二回目の多重解像度解析における最高周波数成分より3つ低い周波数成分(LML)の帯域
131 二回目の多重解像度解析における最高周波数成分より4つ低い周波数成分(LLH)の帯域
132 二回目の多重解像度解析における最低周波数成分(LLL)の帯域
201 電子写真感光体
202 液滴化部材
207 潤滑剤収容部材
208 配管
209 ポンプ部材
210 潤滑剤
211 薄膜
212 流路
213 流路部
215 貫通孔
216 薄膜
216A 変形可能領域
216B 周辺部
216C 凸形状部
216D 凸形状部
217 振動発生部
220 支持部
221 リード線
222 リード線
223 駆動回路
231 液滴
311 感光体
312 帯電器
313 露光ビーム手段
314 現像器
315 転写器
316 トナークリーナー
317 潤滑剤ボトル
318 ローラー
319 潤滑剤搬送ベルト
31A ブレード
31B 潤滑剤供給手段
特開2000−66424号公報 特開2002−229227号公報 特開昭57−94772号公報 特開2006−11047号公報 特開昭63−106757号公報 特開平9−311486号公報 特開2000−162881号公報
百武信男、丸山彰久、重崎聡、奥山裕江、Japan Hardcopy Fall Meeting、24−27、2001 水口由紀子、宮本賢人、KONICA MINOLTA TECHNOLOGY REPORT Vol.1、19−22、2004

Claims (12)

  1. 導電性支持体上に感光層と表面層とを有する電子写真感光体と、該電子写真感光体へ潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有する画像形成装置であって、
    前記潤滑剤供給手段が、前記潤滑剤を液滴化する液滴化部材を有し、
    前記液滴化部材が、貫通孔が形成された薄膜と、該薄膜を振動させる振動発生部とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 電子写真感光体の表面形状が、表面粗さ・輪郭形状測定機により該電子写真感光体の表面の凹凸形状を測定して得た一次元データ配列を、ウェーブレット変換して最高周波数成分(HHH)から、次の高周波数成分(HHL)、3番目の高周波数成分(HMH)、4番目の高周波数成分(HML)、5番目の高周波数成分(HLH)及び最低周波数成分(HLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−1)を行い、更にここで得た最低周波数成分(HLL)の一次元データ配列に対してデータ配列数が1/10〜1/100に減少するように間引きした一次元データ配列を作り、該間引きした一次元データ配列に対して更にウェーブレット変換を行って、最高周波数成分(LHH)から、次の高周波数成分(LHL)、3番目の高周波数成分(LMH)、4番目の高周波数成分(LML)、5番目の高周波数成分(LLH)及び最低周波数成分(LLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−2)を行うことにより得られる合計12個の各周波数成分の算術平均粗さのうち、少なくともWRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)が0.01μm以上0.1μm未満である請求項1に記載の画像形成装置。
    ここで、前記算術平均粗さは、JIS−B0601:2001で定義される算術平均粗さ(略号;Ra)であり、WRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)は、それぞれ以下の帯域におけるRaを表す。
    WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
    WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
    WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
    WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
  3. 貫通孔の開口径が、2μm以上10μm以下である請求項1から2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 薄膜の表面と電子写真感光体の表面との最短距離が、1mm以上10mm以下である請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 潤滑剤の温度が、50℃以上100℃以下である請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 2次元のグラフの横軸に最高周波数成分(HHH)から最低周波数成分(LLL)まで(最低周波数成分(HLL)を除く)の11個の周波数成分を帯域の長さの順に並べ、前記2次元のグラフの縦軸に各周波数成分の算術平均粗さの対数をプロットし、該プロットを結んで得られる線が、LMH、LHL、及びLHHのいずれか一つの帯域に、屈曲点及び極大点のいずれかを持つ請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 表面層が、架橋樹脂を含有する請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 架橋樹脂が、トリメチロールプロパントリアクリレートに由来する構造単位を含有する請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 架橋樹脂が、官能基当量450g/mol以上12,000g/mol以下のメタクリロイル変性シリコーンオイルに由来する構造単位を架橋樹脂の固形分に対して1質量%以上10質量%以下で含有する請求項7から8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 表面層が、フィラーを含有する請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 導電性支持体上に感光層と表面層とを有する電子写真感光体と、該電子写真感光体へ潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有するプロセスカートリッジであって、
    前記潤滑剤供給手段が、前記潤滑剤を液滴化する液滴化部材を有し、
    前記液滴化部材が、貫通孔が形成された薄膜と、該薄膜を振動させる振動発生部とを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 電子写真感光体の表面形状が、表面粗さ・輪郭形状測定機により該電子写真感光体の表面の凹凸形状を測定して得た一次元データ配列を、ウェーブレット変換して最高周波数成分(HHH)から、次の高周波数成分(HHL)、3番目の高周波数成分(HMH)、4番目の高周波数成分(HML)、5番目の高周波数成分(HLH)及び最低周波数成分(HLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−1)を行い、更にここで得た最低周波数成分(HLL)の一次元データ配列に対してデータ配列数が1/10〜1/100に減少するように間引きした一次元データ配列を作り、該間引きした一次元データ配列に対して更にウェーブレット変換を行って、最高周波数成分(LHH)から、次の高周波数成分(LHL)、3番目の高周波数成分(LMH)、4番目の高周波数成分(LML)、5番目の高周波数成分(LLH)及び最低周波数成分(LLL)に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析(MRA−2)を行うことにより得られる合計12個の各周波数成分の算術平均粗さのうち、少なくともWRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)が0.01μm以上0.1μm未満である請求項11に記載のプロセスカートリッジ。
    ここで、前記算術平均粗さは、JIS−B0601:2001で定義される算術平均粗さ(略号;Ra)であり、WRa(LHL)、WRa(LMH)、WRa(LML)及びWRa(LLH)は、それぞれ以下の帯域におけるRaを表す。
    WRa(LHL):凹凸の一周期の長さが53μm〜183μmの帯域におけるRa
    WRa(LMH):凹凸の一周期の長さが106μm〜318μmの帯域におけるRa
    WRa(LML):凹凸の一周期の長さが214μm〜551μmの帯域におけるRa
    WRa(LLH):凹凸の一周期の長さが431μm〜954μmの帯域におけるRa
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