JP2009013159A6 - コケモモ抽出物並びにその製造方法及び使用 - Google Patents
コケモモ抽出物並びにその製造方法及び使用 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】コケモモの果実単独の原料を用いて人の健康に有益である有用成分を抽出できる方法等を提供すること。
【解決手段】本発明は、5〜35質量%のアントシアニンと、20〜95質量%のプロアントシアニンと、5質量%未満のレスベラトロールと、余り質量%の他の成分により組成されるコケモモ(Vaccinium vitis−idaea L)の第1の抽出物、及び60〜98質量%のレスベラトロールを含有する第2の抽出物を提供する。また、本発明は、これら抽出物を製造する方法を提供する。本発明において提供される抽出物は、フケ防止、ダイエット、抗酸化フリーラジカルの除去、心脳血管病気の予防、血栓形成の抑制、及び美容を目的とする機能食品に使用できる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、5〜35質量%のアントシアニンと、20〜95質量%のプロアントシアニンと、5質量%未満のレスベラトロールと、余り質量%の他の成分により組成されるコケモモ(Vaccinium vitis−idaea L)の第1の抽出物、及び60〜98質量%のレスベラトロールを含有する第2の抽出物を提供する。また、本発明は、これら抽出物を製造する方法を提供する。本発明において提供される抽出物は、フケ防止、ダイエット、抗酸化フリーラジカルの除去、心脳血管病気の予防、血栓形成の抑制、及び美容を目的とする機能食品に使用できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、コケモモ抽出物並びにその製造方法及び使用に関する。
コケモモ[(Vaccinium vitis−idaea L)、別名:唐アズキ、小リンゴ、歯くれ、熊果葉等]は、ツツジ(Ericaceae)科のコケモモ属(シャシャンボ属)に属し、落葉又は常緑の潅木、又は小潅木の種類である。当初、中国の東北、前ソ連、北朝鮮、アメリカ、北ヨーロッパの高山帯にて生育し、クロマメノキ(bog bilberry)と一緒に生育する常緑の小潅木である。高さは15〜30cmであり、葉が常緑の草本であり、耐寒性が強く、耐乾性に優れる。コケモモの果実は、明るい赤色を有し、渋くて酸っぱい味を呈するが、栄養に富んでいるため、高い利用価値を秘めている。
特許文献1には、コケモモの葉及び果実の抽出物、他の補助材料により美容混合物を製造する方法が開示されている。この文献では、アルコール水溶液を用いてコケモモの葉及び果実に抽出を行い、得られた抽出液を濃縮し、樹脂処理を経てコケモモ抽出物を得る。
特許第3826698号公報
しかしながら、この文献に開示されている方法で得られる抽出物には、(i)コケモモの葉及び果実の併用原料を用いるため、得られる製品中の成分が複雑で、応用範囲が限られること、(ii)製品が外用剤としてのみ使用されること、(iii)コケモモの有効成分を充分に抽出できず資源を浪費すること、といった問題がある。
そこで、本発明は、安全で直接食用可能なコケモモ抽出物を得るために、コケモモの果実単独の原料を用いて人の健康に有益である有用成分を抽出できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、コケモモの果実から有用成分をより充分に抽出できる方法を提供することを別の目的とする。
これにより、本発明は、コケモモの果実から得られる食用可能な混合物を提供することを更に別の目的とする。
本発明者らは、コケモモに対する研究を経て、コケモモの果実に、アントシアニン、プロアントシアニン、及びレスベラトロールが豊富に含まれていることを発見した。アントシアニンは、アントシアンとも称され、フラボン類の化合物に属する。毛細血管の柔軟性を向上し、血管の拡張及び伸縮性を促進するとともに、血管の破裂を防止できる。また、血管を硬化するフリーラジカルを除去して動脈硬化を予防することもできる。目及び体の他の組織内の毛細血管を増強して、各臓器の血管病変を予防できる。現在、既に食品及び薬品に用いられており、食品に応用された例としては、ペラルゴニジン、シアニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペチュニジン、マルビジン、又はこれらのアントシアニジンとグルコース、ガラクトース、アラビノースの各々と結合して形成されたアントシアニンが挙げられる。アントシアニンは、モノグリコシド及びジグリコシドである場合が多い。
プロアントシアニンは、植物の縮合タンニンであり、酸性媒体中で加熱するとアントシアニンが得られるため、プロアントシアニンという名前が付けられた。プロアントシアニンは、コレステロール及び低密度リポタンパク質のレベルを有効に降下させ、血栓の形成や心脳血管病の発生を予防できる。また、フリーラジカルの酸化傷害を受けないよう細胞DNAを保護することで、癌を誘発する遺伝子変異を予防できる。
レスベラトロール及びレスベラトロールグリコシドは、活性ポリフェノール物質であり、漢方薬である虎杖(Polygonum cuspidatum、イタドリ)に豊富に含有される。高い抗酸化機能を有するとともに、レスベラトロール及びレスベラトロールグリコシドは、癌への変化過程において細胞及び組織が変異する三つの主要段階(誘導、開始、発展)のいずれに対しても抑制作用を有するので、組織の癌化及び腫瘍の発生を抑制し治療する物質として、最も可能性が高い物質である。最近の研究によると、レスベラトロールは、化学的な損傷を受けないように、細胞のミトコンドリアDNA(デオキシリボ核酸)を保護することで老衰防止の役割を果たしていることが発表されている。その他、単純生命体の寿命に関する試験において、レスベラトロールと、カロリー摂取を制限することとの両方が寿命を延長する共同メカニズムが研究され、レスベラトロールは、Sir2酵素を活性化することで酵母の寿命を約70%延長することが分かった。よって、レスベラトロールは、Sir2酵素に対する活性化作用を介して、多段階及び多様な方法で生命体の健康に影響を与える。
本発明の第1の態様で提供されるコケモモ抽出物の製造方法は、以下の工程を含む。
(a)アルコール、アルコール水溶液、水、酸含有水溶液、酵素含有水溶液、又は酸及びアルコールを含有する水溶液である第1の溶剤を用い、コケモモの果実に対して抽出を行って第1の抽出液を得る。
(b)イオン交換樹脂カラム、吸着樹脂カラム、又は限外ろ過膜で第1の抽出液を処理する。
(c)処理後の第1の抽出液を濃縮、乾燥を経て、第1の抽出物を得る。
(d)第1の溶剤で抽出を行ったコケモモの果実に対して、エチルアセテート、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、メタノール、エタノール、及びその混合物からなる群から選択され、或いはメタノール又はエタノールの70〜95%水溶液である第2の溶剤で再抽出を行うことで、第2の抽出液を得る。
(e)ヘキサン、エチルアセテート、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、及びその混合溶剤からなる群から選択される溶離液を用い、カラムクロマトグラフィによって前記第2の抽出液を処理し、レスベラトロールを主成分とするコケモモの第3の抽出液を得る。
(f)第3の抽出液を濃縮、乾燥して第2の抽出物を得る。
(a)アルコール、アルコール水溶液、水、酸含有水溶液、酵素含有水溶液、又は酸及びアルコールを含有する水溶液である第1の溶剤を用い、コケモモの果実に対して抽出を行って第1の抽出液を得る。
(b)イオン交換樹脂カラム、吸着樹脂カラム、又は限外ろ過膜で第1の抽出液を処理する。
(c)処理後の第1の抽出液を濃縮、乾燥を経て、第1の抽出物を得る。
(d)第1の溶剤で抽出を行ったコケモモの果実に対して、エチルアセテート、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、メタノール、エタノール、及びその混合物からなる群から選択され、或いはメタノール又はエタノールの70〜95%水溶液である第2の溶剤で再抽出を行うことで、第2の抽出液を得る。
(e)ヘキサン、エチルアセテート、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、及びその混合溶剤からなる群から選択される溶離液を用い、カラムクロマトグラフィによって前記第2の抽出液を処理し、レスベラトロールを主成分とするコケモモの第3の抽出液を得る。
(f)第3の抽出液を濃縮、乾燥して第2の抽出物を得る。
本発明の具体的な実施形態において、第1の溶剤は、酸の含有量が1〜5質量%である酸含有水溶液又は酸及びアルコールを含有する水溶液で、その抽出は20〜50℃で行う。この酸は、塩酸、硫酸、酢酸、及びクエン酸から選択できる。
他の形態として、第1の溶剤は、セルラーゼ又はペクターゼを0.05〜0.2質量%含有する酵素含有水溶液であり、酵素の分解は30〜60℃で行う。
他の形態として、第1の溶剤は、アルコールの含有量が30〜90質量%のアルコール水溶液で、抽出は20〜70℃で行う。
本発明において、使用可能な吸着樹脂は、HP−20、ADS−F8、HPD−500、YWD−06、SP850、HP−30、S−861、D−101、DA−201、GDX−105、MD05271、CAD−40、XAD−4、XAD−6から選択できる。また、使用可能なイオン交換樹脂は、CHPA−20、WK1、CK08S、SP−550C、DEAE−650S、SP−5PWから選択できる。
本発明では、第1の抽出物と第2の抽出物を任意の割合で混合して、第3の抽出物を得る工程を含む。
本発明の第2の態様において、上記の方法で得られる、アントシアニンと、プロアントシアニンと、レスベラトロールとを含有するコケモモ抽出物が提供される。
本発明の第3の態様において、5〜35質量%のアントシアニンと、20〜95質量%のプロアントシアニンと、5質量%未満のレスベラトロールとを含み、好ましくは、5〜20質量%のアントシアニンと、50〜95質量%のプロアントシアニンと、2質量%未満のレスベラトロールとを含むコケモモの果実の抽出物が提供される。
本発明の第4の態様において、60〜98質量%のレスベラトロールを含むコケモモの果実の抽出物が提供される。
本発明は、フケ防止、ダイエット、酸素フリーラジカルの除去、心脳血管病気の予防、血栓形成の抑制及び顔面の美容に用いられる、上記のいずれの抽出物を含有する経口用組成物に関する。
本発明は、上記のいずれかの抽出物を含有する経口用組成物の、フケ防止、ダイエット、酸素フリーラジカルの除去、心脳血管病気の予防、血栓形成の抑制及び顔面の美容等における使用にも関する。
本発明は、コケモモの果実のみを原料としたので、得られる抽出物を直接内服でき、抽出物の生物学的利用能を向上できる。また、限外ろ過膜等のろ過を行ったので、製品に高含有量のアントシアニンとプロアントシアニンを含ませることができ、薬用効果を向上できる。更に本発明は、レスベラトロールの含有量が高いコケモモ抽出物及びその製造方法を提供し、レスベラトロールの新しい提供ルートを開発した。
専門用語「アントシアニン」は配糖体で、植物の花、果実、葉、茎等を、青色、紫、赤等の顕著な色に呈させるクロメン誘導体を指し、そのアグリコンはアントシアニジンと呼ばれる。一般的なアントシアニジンとしては、ペラルゴニジン(pelargonidin)、シアニジン(cyanidin)、デルフィニジン(delphinidin)、ペオニジン(peonidin)、ペチュニジン(petunnidin)、マルビジン (malvidin)、ヒレアティン(hireatin)、ジェスネリン(gesnerin)が挙げられる。
専門用語「プロアントシアニン」は、植物に存在し、酸性媒体中で加熱されると、アントシアニンを生成するポリフェノール化合物を指す。
本発明において、異なる抽出溶剤を用い、複数の段階に分けてコケモモの果実から有益の成分を抽出する。具体的には、まず、第1の溶剤を用いてコケモモの果実からアントシアニン及びプロアントシアニンを豊富に含有する第1の抽出物を得た後、第1の溶剤での抽出後の果実から第2の溶剤を用いてレスベラトロールを豊富に含有する第2の抽出物を得る。その後、第1の抽出物及び第2の抽出物を任意の割合で混合し、第3の抽出物を得る。
更に具体的には、本発明の第1の発明に係る方法は、以下の工程を含む。
(a)アルコール、アルコール水溶液、水、酸含有水溶液、酵素含有水溶液、又は酸及びアルコールを含有する水溶液である第1の溶剤を用い、コケモモの果実に対して抽出を行って第1の抽出液を得る。
(b)イオン交換樹脂、吸着樹脂、又は限外ろ過膜で第1の抽出液を処理する。
(c)処理後の前記第1の抽出液を濃縮し、乾燥して第1の抽出物を得る。
(d)第1の溶剤で抽出を行ったコケモモの果実に対して、エチルアセテート、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、メタノール、エタノール、及びその混合物からなる群から選択され、或いはメタノール又はエタノールの70〜95%水溶液、或いはセルラーゼ又はペクターゼを0.01〜0.3%含有する酵素含有水溶液である第2の溶剤で再抽出を行うことで、第2の抽出液を得る。
(e)ヘキサン、エチルアセテート、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、及びその混合溶剤からなる群から選択される溶離液を用い、カラムクロマトグラフィによって前記第2の抽出液を処理し、レスベラトロールを主成分とするコケモモの第3の抽出液を得る。
(f)第3の抽出液を濃縮し、乾燥して第2の抽出物を得る。
(a)アルコール、アルコール水溶液、水、酸含有水溶液、酵素含有水溶液、又は酸及びアルコールを含有する水溶液である第1の溶剤を用い、コケモモの果実に対して抽出を行って第1の抽出液を得る。
(b)イオン交換樹脂、吸着樹脂、又は限外ろ過膜で第1の抽出液を処理する。
(c)処理後の前記第1の抽出液を濃縮し、乾燥して第1の抽出物を得る。
(d)第1の溶剤で抽出を行ったコケモモの果実に対して、エチルアセテート、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、メタノール、エタノール、及びその混合物からなる群から選択され、或いはメタノール又はエタノールの70〜95%水溶液、或いはセルラーゼ又はペクターゼを0.01〜0.3%含有する酵素含有水溶液である第2の溶剤で再抽出を行うことで、第2の抽出液を得る。
(e)ヘキサン、エチルアセテート、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、及びその混合溶剤からなる群から選択される溶離液を用い、カラムクロマトグラフィによって前記第2の抽出液を処理し、レスベラトロールを主成分とするコケモモの第3の抽出液を得る。
(f)第3の抽出液を濃縮し、乾燥して第2の抽出物を得る。
本発明の具体的な実施形態において、第1の溶剤はアルコール水溶液である。好ましくは、メタノール又はエタノールの水溶液である。抽出は、20〜70℃で行う。抽出を行う時間は、温度に応じて適宜設定でき、高温では短く、低温では長くする。しかし、生産効率を考慮して、抽出時間は、16時間以内、好ましくは10時間以内、更に好ましくは6時間以内、例えば1又は2時間に設定する。また、例えば、2〜4回繰り返す等、上記の抽出操作を複数回繰り返すことができる。通常、抽出操作において、例えば、高温及び長い抽出時間である場合、繰返し回数を減らし又は一回のみ抽出する等、抽出時間、温度、抽出回数を包括的に考慮すべきである。通常、アルコールの含有量が30〜70質量%のアルコール水溶液が適切である。本発明の具体的な実施形態では、3〜5倍量の60%エタノール水溶液にて、50〜60℃で90分の抽出を2回行う。
本発明の他の実施形態において、第1の溶剤は水である。この場合、1〜5倍量の水を使用して、30〜80℃まで、好ましくは30〜60℃まで、更に好ましくは40〜50℃まで加熱する。抽出時間は、温度に応じて適宜設定でき、高温では短くする必要がある。しかし、アントシアニン及びプロアントシアニンは、熱水中での安定性が悪いので、抽出を行う温度が高すぎるのは好ましくない。その他、上記の操作を複数回繰り返すことができる。本発明の具体的な実施形態では、抽出は、3〜5倍量の水を用い、60〜80℃で16時間を2回行った。
本発明の好ましい実施形態において、第1の溶剤は酸を少量含有する水溶液である。この場合、抽出は常温(20〜30℃)で行い、又は、例えば30〜80℃、好ましくは30〜60℃まで加熱したうえで行うこともできる。更に好ましくは、常温で行う。本発明において使用される酸は、無機酸又は有機酸であってよく、ここでの「少量」とは、酸の含有量が10質量%、好ましくは5質量%、更に好ましくは3v%以下であることを指す。ここで使用する酸としては、特に限定されないが、好ましくは安価である塩酸及び硫酸を使用する。他の好ましい酸としては、酢酸、シュウ酸、マロン酸、ブタン二酸、クエン酸が挙げられる。本発明の具体的な実施形態では、3〜5倍量の水、pH1〜2、40〜50℃、60〜90分の抽出を1〜2回繰り返す。本発明者らは、アルコール水溶液及び湯に比べ、第1の溶液として酸含有水溶液を用いることが好ましく、第1の抽出物の収率も前者より高いことを発見した。
本発明の好ましい実施形態において、酵素法によってアントシアニン及びプロアントシアニン成分を抽出し、酵素分解条件は0.05〜0.2質量%のセルラーゼ又はペクトース酵素を含有する水溶剤で、酵素分解温度は30〜60℃である。本発明者らは、アルコール水溶液及び湯に比べ、かかる第1の溶液を用いる場合の第1の抽出物の収率が高いことを発見した。
本発明において、アルコール水溶液を抽出剤とした場合、抽出工程によって得た溶液の濃度を高めて、一部の溶剤を除去する。酸の水溶液又は酵素の水溶液を抽出剤とした場合、濃縮せず、抽出溶液を吸着樹脂カラム又はイオン交換樹脂カラムに直接通し、30〜95%エタノールで溶離する。本発明において、使用可能な吸着樹脂の種類としては、HP−20、ADS−F8、HPD−500、YWD−06、SP850、HP−30、S−861、D−101、DA−201、GDX−105、MD05271、CAD−40、XAD−4、XAD−6等が挙げられるが、これらに限定されない。使用可能なイオン交換樹脂の種類としては、CHPA−20、WK1、CK08S、SP−550C、DEAE−650S、SP−5PWが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明では、膜ろ過法でアントシアニン及びプロアントシアニンを抽出できる。その方法は、コケモモ果実の抽出液に粗ろ過又はセラミック膜のろ過を行うことで透明の溶液を得て、得られた溶液を分画分子量が2000の限外ろ過膜にろ過する。本発明者らは、この方法を試す際、ろ液からアントシアニンと一部のプロアントシアニンが得られると考えたが、意外にもろ液からはこれらの成分を検知できなかった。分析によると、それらは限外ろ過膜により全て分画され、従来技術とは全く異なっていた。このような発見は本発明の実施について極めて有利である。限外ろ過法によって抽出したアントシアニン及びプロアントシアニンをすべて回収でき、収率を更に向上できるからである。また、上記の樹脂浄化方法に比べ、この浄化方法は、限外ろ過に分画される液体濃度がかなり高いので、大規模な濃縮を行う必要なく、直ちに乾燥操作を行うことができる点で好ましい。
また、第1の粗抽出物に限外ろ過膜の処理を行った後、樹脂カラムを用いて精製を行い、乾燥することでコケモモの第1の抽出物を得る、又は第1の粗抽出物に樹脂カラムを用いて精製を行った後、限外ろ過膜の処理を経て乾燥することでコケモモの第1の抽出物を得る等、吸着樹脂方法又はイオン交換樹脂方法を組み合せて精製を行ってもよい。
第1の溶剤により抽出された原料に、第1の溶剤より極性が小さい第2の溶剤を用いて二回目の抽出を行うことによって、コケモモの第2の抽出物を得る。適切な第2の溶剤は、エチルアセテート、フェン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、メタノール、エタノール、又はその混合物から選択され、或いは、メタノール又はエタノールの70〜95%水溶液であり、適切な抽出温度は60〜100℃、好ましくは沸騰温度である。
具体的実施形態では、エチルアセテートを使用し、他の具体的実施形態では、エタノールの70〜95%水溶液を使用し、更に他の具体的実施形態では、ヘキサンを使用する。エタノールの70〜95%水溶液を用いて抽出する場合に比べ、ヘキサンを用いて抽出する場合には、収率がある程度低下するが、抽出物におけるレスベラトロールの含有量は上昇する。
本発明において、カラムクロマトグラフィ法によってコケモモの第2の抽出物を分離する。カラムクロマトグラフィ材料としては、吸着樹脂又はイオン交換樹脂及びシリカを用いることができるが、シリカが好ましい。用いられる溶液は、ヘキサン、エチルアセテート、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、又はその混合溶剤であってよく、好ましくは、ヘキサン、エチルアセテート、メタノール、エタノール、又はその混合溶剤を採用する。ヘキサン、エチルアセテート、メタノール、及びエタノールからなる群より選ばれる2種以上の溶剤を、適宜の割合で混合した混合溶剤を用いて勾配溶離を行うことが好ましい。例えば、ヘキサン:メタノールの割合が1:0、1:0.3、1:0.5、1:0.8である混合溶剤を用いて溶離を行うことができる。第2の溶剤を少なくとも一部除去できるように、上記のカラムクロマトグラフィ法の前に、第2の抽出液を濃縮することが好ましい。
通常、精製工程後に乾燥工程が必要になり、例えば真空乾燥方法を行う。
第1の抽出物及び第2の抽出物を任意の割合で混合し、コケモモの第3の抽出物を得る。製品の用途に応じて第1及び第2の抽出物の割合を決定する。例えば、抗酸化作用を目的とする製品の場合、第1の抽出物を多量に含み又は第2の抽出物を含まず、フケ防止を目的とする製品の場合、第1の抽出物を主成分とし、第2の抽出物の割合を適当に高めればよい。例えば、第1の抽出物:第2の抽出物は、10:1であってよい。ダイエットを目的とする製品の場合、組成物に第1の抽出物及び第2の抽出物を略等質量ずつ含ませればよい。
本発明に係る方法によって得られる第1の抽出物は、5〜35質量%のアントシアニンと、20〜95質量%のプロアントシアニンと、5質量%未満のレスベラトロールとを含有する。
本発明の好ましい方法によって得られる第1の抽出物は、5〜20質量%のアントシアニンと、50〜95質量%のプロアントシアニンと、2質量%未満のレスベラトロールとを含有する。本発明に係る方法によって得られる第1の抽出物において、アントシアニンは、シアニジン−3−ガラクトース、シアニジン−3−グルコースとシアニジン−3−アラビノースである。プロシアニンは、主に、プロシアニンB1、プロシアニンB2、及びプロシアニンC1を含む。
本発明に係る方法によって得られる第2の抽出物は、60〜98質量%のレスベラトロールを含有する。
本発明では、コケモモの果実における異なる目標成分に対して、異なる溶剤を用いて複数段階に分けて抽出を行っているので、製品の収率を向上できるとともに、製品における有効成分を更に明確化できる。また、当該方法によって得られる製品は直接内服できるとともに、いかなる毒・副作用も有しない。しかも、本発明では、酸含有水溶液及び酵素含有水溶液を用いて抽出を行うので、抽出操作が更に容易で、コストを更に低下し、収率を更に向上できる。また、樹脂精製法及び限外ろ過膜精製法を用いているので、有効成分の回収を更に明確化できる。
<分析>
本発明において、コケモモの第1及び第2の抽出物、並びにその組成物の定性分析は、HPLCで行う。
本発明において、コケモモの第1及び第2の抽出物、並びにその組成物の定性分析は、HPLCで行う。
第1の抽出物に対して採用するHPLCの条件は、
条件1
クロマトカラム ODS−C18
移動相 A相、水:ギ酸=90:10
B相、水:アセトニトリル:メタノール=
45:22.5:22.5
測定波長 540nm
又は条件2
クロマトカラム ODS−C18
移動相 A相、アセトニトリル
B相、リン酸:水=67:31
測定波長 280nm
を採用する。
第2の抽出物に対して採用するHPLCの条件は、
条件3
クロマトカラム ODS−C18
移動相 A相、アセトニトリル
B層、水:ギ酸=270:1
測定波長 303nm
である。
条件1
クロマトカラム ODS−C18
移動相 A相、水:ギ酸=90:10
B相、水:アセトニトリル:メタノール=
45:22.5:22.5
測定波長 540nm
又は条件2
クロマトカラム ODS−C18
移動相 A相、アセトニトリル
B相、リン酸:水=67:31
測定波長 280nm
を採用する。
第2の抽出物に対して採用するHPLCの条件は、
条件3
クロマトカラム ODS−C18
移動相 A相、アセトニトリル
B層、水:ギ酸=270:1
測定波長 303nm
である。
その他、本発明において、HPLC法によってアントシアニン及びレスベラトロールの定量分析を行い、プロアントシアニンの定量分析は、葡萄種子のプロアントシアニンの測定方法である酒石酸ナトリウムカリウム法によって行う。即ち、ポリフェノール及び酒石酸鉄をpH=7.5のリン酸塩緩衝液の中で特性反応させて、最大吸収波長540nmで反応物を定量してポリフェノールの総量を得て、この総量からアントシアニンの含有量を除きプロアントシアニンの量を得る。
<使用>
本発明において得られるコケモモ抽出物は、主にアントシアニン及びプロアントシアニンからなり、アントシアニンは主にシアニジン−3−ガラクトシドである。アントシアニンは酸化を防止する作用を持つ。プロアントシアニンは、酸性の水溶液に加熱処理すると、アントシアニンに分解されるとともに、コレステロール及び低密度リポタンパク質のレベルを有効に降下させ、血栓が形成されて心脳血管の病気が発生することを予防できる。また、フリーラジカルの酸化損害を受けないよう細胞DNAを保護することで、癌を誘発する遺伝子変異を予防できる。
本発明において得られるコケモモ抽出物は、主にアントシアニン及びプロアントシアニンからなり、アントシアニンは主にシアニジン−3−ガラクトシドである。アントシアニンは酸化を防止する作用を持つ。プロアントシアニンは、酸性の水溶液に加熱処理すると、アントシアニンに分解されるとともに、コレステロール及び低密度リポタンパク質のレベルを有効に降下させ、血栓が形成されて心脳血管の病気が発生することを予防できる。また、フリーラジカルの酸化損害を受けないよう細胞DNAを保護することで、癌を誘発する遺伝子変異を予防できる。
コケモモ抽出物は、レスベラトロール及びレスベラトロールグリコシドも含有するところ、レスベラトロール及びレスベラトロールグリコシドは、活性なポリフェノール物質であり、高い抗酸化機能を有する他、癌に変化する過程における細胞及び組織の変異の三つの主要段階(誘導、開始、発展)のいずれに対しても抑制作用を持つので、組織の癌化及び腫瘍の発生を抑制・治療する物質として、最も高い可能性を持つ。最近の研究によると、レスベラトロールは、細胞のミトコンドリアDNA(デオキシリボ核酸)を化学的な損傷を受けないよう保護するで、老衰防止機能を果たすことが発表されている。その他、近日、単純生命体の寿命に関する試験において、レスベラトロール及び摂取カロリーを制限することの両方の寿命延長の共同メカニズムが研究され、レスベラトロールが、Sir2酵素を活性化することで酵母の寿命を約70%延長することが分かった。このように、レスベラトロールは、Sir2酵素に対する活性化作用を介して、多段階、多様な方法で生命体の健康に影響を与える。
本発明の範囲は、コケモモ抽出物の抗酸化活性及び老衰防止、ダイエット、美容、心脳血管病気等の治療における使用も包含する。
o‐フェナントロリンFe2+酸化法によって、ヒドロキシフリーラジカル及びコケモモ抽出物のヒドロキシに対する消去作用を測定した結果、コケモモ抽出物はヒドロキシフリーラジカルに対する消去作用を持ち、この消去能力は薬物濃度及び顕著な量効関係を持ち、消去率は濃度に明らかに正に相関し、IC50は同等な実験条件でのアスコルビン酸(Vc)のIC50よりはるかに小さいことが発見された。これにより、コケモモ抽出物のヒドロキシフリーラジカルに対する消去能力はアスコルビン酸より強く、コケモモ抽出物は明らかな体外抗酸化作用を有することが分かった。
フリーラジカルは、人間の老衰及び多種の病気の発生及び発展において非常に重要な作用を果たす。コケモモ抽出物は良好な抗酸化作用を有するので、本発明に係る方法によって得られるコケモモ抽出物が老衰防止、ダイエット、美白、しわ防止と心脳血管病気の治療において有効であることは予見できる。
生物体の細胞代謝過程では、次々とフリーラジカルが生成され、例えば、紫外線、化学物質等の外部環境の各種の刺激要因も生命体におけるフリーラジカルの生成を促進する。これらのフリーラジカルが過剰に蓄積されると、例えばDNA、タンパク質等の生物高分子物質を損傷して、生物生命体の老衰を招く。コケモモ抽出物には、アントシアニン、プロアントシアニン及びレスベラトロール等の抗酸化物質が豊富に含まれており、フリーラジカルを有効に消去できるので、人間の老衰防止の作用を果たす。実験によると、コケモモ抽出物で飼育した老年マウスの血液における過酸化脂質分解産物であるMDAの含有量は明らかに低下すると同時に、血清中のグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−Px)の活性が明らかに向上する。これにより、コケモモ抽出物は、抗酸化作用を介して老衰防止の作用を果たすことができることが分かる。
高脂肪飼料による栄養性肥満のネズミモデルにコケモモ抽出物を摂食させた実験によると、肥満なネズミの体重の増加は鈍化したが、動物の食物の摂取量は殆ど変化していなかった。また、睾丸及び腎臓周囲の脂肪量は明らかに減少した。これにより、コケモモ抽出物は、摂取量の明らかな抑制作用は有しないが、体内脂肪の蓄積を抑制できるので、健康的ダイエット食品として利用できることが分かる。
台湾学者(国植等、国外医薬・植物薬分冊、1996、11(5):196〜204)は、研究を経て、プロアントシアニンは、血栓素TXA2を抑制することで血小板の凝集を抑制できることを発見した。由倍安等、中国心脳血管雑誌、2003、8(6):383〜385、実験によれば、葡萄種子のプロアントシアニンは、実験性の高血脂病のイエウサギの血脂レベルを明らかに変化することはできないが、抗酸化作用によって血漿の低密度リポタンパク質の酸化を抑制できるので、動脈の粥状硬化の予防及び治療に重要な役割を果たす。研究によると、葡萄種子におけるプロアントシアニンは、イエウサギの離体の大動脈を弛緩する役割を有し、分析によると、このような作用は、内皮細胞のNO釈放を促進することと関連する(張団笑等、中草薬、2006、37(1):87〜89)。コケモモ抽出物には、豊富なアントシアニンとプロアントシアニン、及び少量のレスベラトロールが含まれるので、良好な血栓形成の抑制、血脂の降下と血管の弛緩作用を有し、高血圧、動脈の粥状硬化、血栓性病気等を予防・治療する保健品と機能性食品に用いられる。
その他、コケモモの抗酸化活性を、美容系製品の開発に用いることができる。皮膚は、結合組織に属し、その中に含まれるコラーゲンと弾性タンパク質は、皮膚の全般構造に重要な役割を果たす。コラーゲンの適当な架橋は皮膚の完全性を維持できるが、体内のフリーラジカルの酸化は過度の架橋を招き、皮膚においてシワや嚢胞等を生じる。アントシアニン、プロアントシアニンは、コラーゲンを適度に架橋させ、フリーラジカルを有効に消去することで、柔軟で滑らかな皮膚を維持できる。また、弾性タンパク質は皮膚に弾性を保たせるので、弾性タンパク質が乏しい皮膚は、弛んで、老けたように見える。弾性タンパク質は、フリーラジカル又は弾性タンパク質酵素により分解される。アントシアニン、プロアントシアニンはフリーラジカルを消去し、弾性タンパク質酵素の生成を防止するとともに、その活性を抑制することで、皮膚の健康状況を改善する。紫外線照射により皮膚が光老化したモデルマウスの皮膚中のヒドロキシプロリンの含有量及びSOD活性の測定から分かるように、コケモモ抽出物を摂食させたマウスの皮膚中のヒドロキシプロリンの含有量及びSOD活性は、いずれもモデル動物より高い。これにより、コケモモ抽出物は良好な抗酸化作用を介して皮膚のコラーゲンを保持することで、シワ防止及び美容の役割を果たすことが分かる。
コケモモの第1の抽出物の製造
1000gのコケモモを原料とし、pH値が1である塩酸水溶液を溶剤として20〜40℃で抽出し、抽出液を樹脂カラムに通した。樹脂としてはHP20型樹脂を使用し、95%のエタノールで製品を溶離した。アルコールにより溶離された液を収集し、50℃で真空濃縮した後、噴霧乾燥して、約8gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、36.8%のアントシアニンと、52.7%のプロアントシアニンと、3.2%のレスベラトロールとを含んでいた。
1000gのコケモモを原料とし、pH値が1である塩酸水溶液を溶剤として20〜40℃で抽出し、抽出液を樹脂カラムに通した。樹脂としてはHP20型樹脂を使用し、95%のエタノールで製品を溶離した。アルコールにより溶離された液を収集し、50℃で真空濃縮した後、噴霧乾燥して、約8gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、36.8%のアントシアニンと、52.7%のプロアントシアニンと、3.2%のレスベラトロールとを含んでいた。
コケモモの第1の抽出物の製造
1000gのコケモモを原料とし、5倍量の水を溶剤として、60〜80℃で16時間、2回抽出した。抽出液を樹脂カラムに通した。樹脂としてはCHPA20イオン交換樹脂を使用した。60%のエタノールで製品を溶離した。アルコールにより溶離された液を収集し、濃縮した後、噴霧乾燥して、約6.5gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、19.6%のアントシアニンと、72.0%のプロアントシアニンと、1.4%のレスベラトロールとを含んでいた。
1000gのコケモモを原料とし、5倍量の水を溶剤として、60〜80℃で16時間、2回抽出した。抽出液を樹脂カラムに通した。樹脂としてはCHPA20イオン交換樹脂を使用した。60%のエタノールで製品を溶離した。アルコールにより溶離された液を収集し、濃縮した後、噴霧乾燥して、約6.5gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、19.6%のアントシアニンと、72.0%のプロアントシアニンと、1.4%のレスベラトロールとを含んでいた。
コケモモの第1の抽出物の製造
1000gのコケモモを原料とし、60%のエタノール水溶液を溶剤として、50〜60℃で90分抽出し、2回抽出した。抽出液を濃縮してエタノールを除去し、水を加えて希釈した後、樹脂カラムに通した。樹脂としてはHP20マクロポーラス型樹脂を使用した。95%のエタノールで製品を溶離した。アルコールにより溶離された液を収集し、真空濃縮した後、噴霧乾燥して、約7.0gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、14.5%のアントシアニンと、67.7%のプロアントシアニンと、1.5%のレスベラトロールとを含んでいた。
1000gのコケモモを原料とし、60%のエタノール水溶液を溶剤として、50〜60℃で90分抽出し、2回抽出した。抽出液を濃縮してエタノールを除去し、水を加えて希釈した後、樹脂カラムに通した。樹脂としてはHP20マクロポーラス型樹脂を使用した。95%のエタノールで製品を溶離した。アルコールにより溶離された液を収集し、真空濃縮した後、噴霧乾燥して、約7.0gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、14.5%のアントシアニンと、67.7%のプロアントシアニンと、1.5%のレスベラトロールとを含んでいた。
コケモモの第1の抽出物の製造
1000gのコケモモを原料とし、pH3である30%のエタノール水溶液を溶剤として抽出し、抽出液を樹脂カラムに通した。樹脂としてはHP20型樹脂を使用し、95%のエタノールで製品を溶離した。アルコールにより溶離された液を収集し、濃縮した後、噴霧乾燥して、約7.2gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、26.8%のアントシアニンと、68.9%のプロアントシアニンと、0.7%のレスベラトロールと、を含んでいた。
1000gのコケモモを原料とし、pH3である30%のエタノール水溶液を溶剤として抽出し、抽出液を樹脂カラムに通した。樹脂としてはHP20型樹脂を使用し、95%のエタノールで製品を溶離した。アルコールにより溶離された液を収集し、濃縮した後、噴霧乾燥して、約7.2gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、26.8%のアントシアニンと、68.9%のプロアントシアニンと、0.7%のレスベラトロールと、を含んでいた。
コケモモの第1の抽出物の製造
1000gのコケモモを3倍量の水中に浸し、0.08%のペクトース酵素の水溶液を加え、40℃の恒温ウォーターバスに置いて2時間保温し、ろ過して抽出液を得た。抽出液に吸着樹脂の処理を行って、7.6グラムのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、34.8%のアントシアニンと、53.9%のプロアントシアニンと、1.2%のレスベラトロールとを含んでいた。
1000gのコケモモを3倍量の水中に浸し、0.08%のペクトース酵素の水溶液を加え、40℃の恒温ウォーターバスに置いて2時間保温し、ろ過して抽出液を得た。抽出液に吸着樹脂の処理を行って、7.6グラムのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、34.8%のアントシアニンと、53.9%のプロアントシアニンと、1.2%のレスベラトロールとを含んでいた。
コケモモの第1の抽出物の製造
1000gのコケモモを3倍量の水中に浸し、0.1%のセルラーゼを加えて混合し、40℃の恒温水浴中に置いて2時間保温し、ろ過して抽出液を得た。抽出液に限外ろ過膜のろ過(分子量2000)を行った。膜ろ過後の濃縮液にCHPA20イオン交換樹脂を介して精製処理を行い、30%のエタノールで製品を溶離し、濃縮した後、噴霧乾燥して、7.4gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、25.2%のアントシアニンと、68.2%のプロアントシアニンと、0.5%のレスベラトロールとを含んでいた。
1000gのコケモモを3倍量の水中に浸し、0.1%のセルラーゼを加えて混合し、40℃の恒温水浴中に置いて2時間保温し、ろ過して抽出液を得た。抽出液に限外ろ過膜のろ過(分子量2000)を行った。膜ろ過後の濃縮液にCHPA20イオン交換樹脂を介して精製処理を行い、30%のエタノールで製品を溶離し、濃縮した後、噴霧乾燥して、7.4gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、25.2%のアントシアニンと、68.2%のプロアントシアニンと、0.5%のレスベラトロールとを含んでいた。
コケモモの第1の抽出物の製造
1000gのコケモモを純水の中に浸漬して抽出し、抽出液にセラミック膜のろ過(分子量15万)を行った。膜ろ過後の透析液に再び限外ろ過膜のろ過(分子量2000)を行った。濃縮液を噴霧乾燥して、15.9gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、5.2%のアントシアニンと、22.3%のプロアントシアニンと、0.5%のレスベラトロールとを含んでいた。図1に、当該実施例の製品を例に、上記条件1のクロマト条件での第1の抽出物の液相クロマトグラムを示す。
1000gのコケモモを純水の中に浸漬して抽出し、抽出液にセラミック膜のろ過(分子量15万)を行った。膜ろ過後の透析液に再び限外ろ過膜のろ過(分子量2000)を行った。濃縮液を噴霧乾燥して、15.9gのコケモモ抽出物を得た。得られたコケモモ抽出物は、5.2%のアントシアニンと、22.3%のプロアントシアニンと、0.5%のレスベラトロールとを含んでいた。図1に、当該実施例の製品を例に、上記条件1のクロマト条件での第1の抽出物の液相クロマトグラムを示す。
コケモモの第2の抽出物の製造
実施例1にて抽出された果実原料(200g)を原料とし、光を避けた窒素雰囲気において、エチルアセテートで抽出して、9.8gの淡黄色のペーストを得る。このペーストにシリカゲルカラムクロマトグラフィを行って、ヘキサンで不純物を溶離した後、ヘキサンとエチルアセテートの混合溶剤で勾配溶離を行って、TLC分析方法でモニターする。レスベラトロールを濃集した成分を収集し、レスベラトロールの含有量が80%であるレスベラトロールの粗品を得る。エタノールで当該粗品を再結晶して、1.8gのレスベラトロール結晶を得る。得られたコケモモの第2の抽出物におけるレスベラトロールの含有量は98%である。
実施例1にて抽出された果実原料(200g)を原料とし、光を避けた窒素雰囲気において、エチルアセテートで抽出して、9.8gの淡黄色のペーストを得る。このペーストにシリカゲルカラムクロマトグラフィを行って、ヘキサンで不純物を溶離した後、ヘキサンとエチルアセテートの混合溶剤で勾配溶離を行って、TLC分析方法でモニターする。レスベラトロールを濃集した成分を収集し、レスベラトロールの含有量が80%であるレスベラトロールの粗品を得る。エタノールで当該粗品を再結晶して、1.8gのレスベラトロール結晶を得る。得られたコケモモの第2の抽出物におけるレスベラトロールの含有量は98%である。
コケモモの第2の抽出物の製造
実施例1にて抽出された果実原料(200g)を原料とし、遮光した窒素雰囲気において、800mLのエタノール70〜95%水溶液で抽出して、淡黄色のペーストを得た。このペーストにシリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、ヘキサンで不純物を溶離した後、ヘキサン及びエチルアセテートの混合溶剤で勾配溶離を行って、TLC分析法でモニターした。レスベラトロールを濃集した成分を収集し、レスベラトロールの含有量が50%であるレスベラトロールの粗品を得た。エタノールで当該粗品を再結晶して3.1gのレスベラトロールの結晶を得た。得られたコケモモの第2の抽出物におけるレスベラトロールの含有量は65%であった。図2に、実施例の製品を例として第2の抽出物の液相クロマトグラムを示す。
実施例1にて抽出された果実原料(200g)を原料とし、遮光した窒素雰囲気において、800mLのエタノール70〜95%水溶液で抽出して、淡黄色のペーストを得た。このペーストにシリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、ヘキサンで不純物を溶離した後、ヘキサン及びエチルアセテートの混合溶剤で勾配溶離を行って、TLC分析法でモニターした。レスベラトロールを濃集した成分を収集し、レスベラトロールの含有量が50%であるレスベラトロールの粗品を得た。エタノールで当該粗品を再結晶して3.1gのレスベラトロールの結晶を得た。得られたコケモモの第2の抽出物におけるレスベラトロールの含有量は65%であった。図2に、実施例の製品を例として第2の抽出物の液相クロマトグラムを示す。
コケモモの第2の抽出物の製造
実施例1にて抽出された果実原料(200g)を原料とし、遮光した窒素雰囲気において、ヘキサンで抽出し、この抽出物に直接にシリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、ヘキサンで不純物を溶離した後、ヘキサン及びエチルアセテートの混合溶剤で勾配溶離を行って、TLC分析方法でモニターした。レスベラトロールを濃集した成分を収集し、レスベラトロールの含有量が70%であるレスベラトロールの粗品を得た。エタノールで当該粗品を再結晶して、2.0gのレスベラトロールの結晶を得た。得られたコケモモの第2の抽出物におけるレスベラトロールの含有量は80%であった。
実施例1にて抽出された果実原料(200g)を原料とし、遮光した窒素雰囲気において、ヘキサンで抽出し、この抽出物に直接にシリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、ヘキサンで不純物を溶離した後、ヘキサン及びエチルアセテートの混合溶剤で勾配溶離を行って、TLC分析方法でモニターした。レスベラトロールを濃集した成分を収集し、レスベラトロールの含有量が70%であるレスベラトロールの粗品を得た。エタノールで当該粗品を再結晶して、2.0gのレスベラトロールの結晶を得た。得られたコケモモの第2の抽出物におけるレスベラトロールの含有量は80%であった。
コケモモの第2の抽出物の製造
実施例1にて抽出された果実原料(200g)を原料とし、遮光した窒素雰囲気において、エチルアセテートで抽出し、直接にシリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、ヘキサンで不純物を溶離した後、ヘキサン及びメタノールの混合溶剤で勾配溶離を行って(勾配割合が順次1:0、1:0.3、1:0.5、1:0.8である混合溶剤)、TLC分析方法でモニターした。レスベラトロールを濃集した成分を収集し、レスベラトロールの含有量が65%であるレスベラトロールの粗品を得た。エタノールで当該粗品を再結晶して、1.8gのレスベラトロールの結晶を得た。得られたコケモモの第2の抽出物におけるレスベラトロールの含有量は75%であった。
実施例1にて抽出された果実原料(200g)を原料とし、遮光した窒素雰囲気において、エチルアセテートで抽出し、直接にシリカゲルカラムクロマトグラフィを行い、ヘキサンで不純物を溶離した後、ヘキサン及びメタノールの混合溶剤で勾配溶離を行って(勾配割合が順次1:0、1:0.3、1:0.5、1:0.8である混合溶剤)、TLC分析方法でモニターした。レスベラトロールを濃集した成分を収集し、レスベラトロールの含有量が65%であるレスベラトロールの粗品を得た。エタノールで当該粗品を再結晶して、1.8gのレスベラトロールの結晶を得た。得られたコケモモの第2の抽出物におけるレスベラトロールの含有量は75%であった。
コケモモの第3の抽出物の製造
0.89gの第1の抽出物(実施例3)(14.5%のアントシアニン、67.7%のプロアントシアニン、1.5%のレスベラトロールを含む)と、0.11gの第2の抽出物(実施例10)(80%のレスベラトロールを含む)とを混合し、エタノールで溶解した後、真空濃縮して噴霧乾燥して、1.00gの第3の抽出物を得た(12.9%のアントシアニンと、60.3%のプロアントシアニンと、10.1%のレスベラトロールとを含む)。
0.89gの第1の抽出物(実施例3)(14.5%のアントシアニン、67.7%のプロアントシアニン、1.5%のレスベラトロールを含む)と、0.11gの第2の抽出物(実施例10)(80%のレスベラトロールを含む)とを混合し、エタノールで溶解した後、真空濃縮して噴霧乾燥して、1.00gの第3の抽出物を得た(12.9%のアントシアニンと、60.3%のプロアントシアニンと、10.1%のレスベラトロールとを含む)。
図3に当該実施例の製品を例として、条件2のクロマト条件での第3の抽出物の液相クロマトグラムを示す。
コケモモの第1抽出物の体外酸化防止作用
コケモモの第1の抽出物(実施例7の方法で製造、5.2%のアントシアニン、22.3%のプロアントシアニン、0.5%のレスベラトロールを含む)を再蒸留水で溶解して、0.5、0.25、0.125、0.0625、0.03125、0.015625、0.0078125mg/ml濃度に希釈する。アスコルビン酸を再蒸留水で2、1、0.5、0.25、0.125、0.0625mg/ml濃度に調製する。
コケモモの第1の抽出物(実施例7の方法で製造、5.2%のアントシアニン、22.3%のプロアントシアニン、0.5%のレスベラトロールを含む)を再蒸留水で溶解して、0.5、0.25、0.125、0.0625、0.03125、0.015625、0.0078125mg/ml濃度に希釈する。アスコルビン酸を再蒸留水で2、1、0.5、0.25、0.125、0.0625mg/ml濃度に調製する。
o‐フェナントロリンFe2+酸化法で、ヒドロキシフリーラジカルと、被験薬物がヒドロキシフリーラジカルに対する消去作用とを測定して、コケモモの抗酸化性能を実証した。
総反応体積は4.7mlであった。従って、アスコルビン酸の最終濃度は、0.851、0.426、0.213、0.106mg/mlであり、コケモモ抽出物の最終濃度は、0.106、0.053、0.027、0.013mg/mlである。各群に五つのサンプルを測定し、それぞれについて・OHの消去率を計算し、平均値を算出した。
本実験において、コケモモ抽出物がヒドロキシフリーラジカルに対する消去作用を測定するとともに、既知の・OH消去剤であるアスコルビン酸を陽性対照として、当該方法の信頼性を検証した。IC50は、0.3078mg/mlである。
コケモモ抽出物がヒドロキシフリーラジカルを消去するIC50は、0.1181mg/mlである。
3.結論
本実験の反応体系において、コケモモ抽出物の水溶液は、Fenton反応で生成されるヒドロキシフリーラジカルと結合して、ヒドロキシフリーラジカルによるFe2+の酸化を阻害し、反応体系の吸光度値を測定することによって、ヒドロキシフリーラジカルに対する消去作用を検測する。
本実験の反応体系において、コケモモ抽出物の水溶液は、Fenton反応で生成されるヒドロキシフリーラジカルと結合して、ヒドロキシフリーラジカルによるFe2+の酸化を阻害し、反応体系の吸光度値を測定することによって、ヒドロキシフリーラジカルに対する消去作用を検測する。
コケモモ抽出物は、ヒドロキシフリーラジカルと結合して、Fe2+に対するヒドロキシフリーラジカルの酸化を阻害し、反応体系におけるo‐フェナントロリン−Fe2+結合物の濃度を向上することで、ヒドロキシフリーラジカルを消去する作用を表す。その消去能力と薬物の濃度とは明らかな量効関係を持ち、消去率はその濃度と明らかな正の相関を表す。IC50は、0.1181mg/mlである。しかし、同じ実験条件で、アスコルビン酸(Vc)のIC50は、0.3078mg/mlである。これにより、ヒドロキシフリーラジカルに対する消去能力はアスコルビン酸より強く、顕著な体外抗酸化作用を持つことが分かった。
コケモモ抽出物がマウスの血液中のMDA含有量とGSH−Px活性に対する影響の評価
60匹の10月齢の老年マウス(Mus musculus KM)を適切に飼育して一週間後、老年対照群と、コケモモの高、中、低剤量群との4群に任意に分ける。高、中、低の投薬群にそれぞれ160、80、40mg/kg bwのコケモモの第3の抽出物(実施例12の方法で製造し、12.9%のアントシアニン、60.3%のプロアントシアニン、10.1%のレスベラトロールを含む)を投薬し、対照群には同じ体積の蒸留水を供与した。8週間後、マウスを採取し、血清中の過酸化脂質の分解産物であるMDAとグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−Px)とを測定した。この結果、コケモモ抽出物は、老年マウスのMDAの含有量を明らかに降下させ、老年マウスの血清中のGSH−Px活性を明らかに上昇した(表3参照)。
60匹の10月齢の老年マウス(Mus musculus KM)を適切に飼育して一週間後、老年対照群と、コケモモの高、中、低剤量群との4群に任意に分ける。高、中、低の投薬群にそれぞれ160、80、40mg/kg bwのコケモモの第3の抽出物(実施例12の方法で製造し、12.9%のアントシアニン、60.3%のプロアントシアニン、10.1%のレスベラトロールを含む)を投薬し、対照群には同じ体積の蒸留水を供与した。8週間後、マウスを採取し、血清中の過酸化脂質の分解産物であるMDAとグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH−Px)とを測定した。この結果、コケモモ抽出物は、老年マウスのMDAの含有量を明らかに降下させ、老年マウスの血清中のGSH−Px活性を明らかに上昇した(表3参照)。
コケモモ抽出物が栄養性肥満ネズミモデルに対する影響の評価
体重が150〜200gのSDオスネズミ50匹を基礎飼料で適切に1週間飼育した後、体重によって任意に5つの群、つまり、基礎飼料の対照群、高脂肪飼料の対照群、コケモモ抽出物の高、中、低の3剤量群に分けた。基礎飼料対照群は普通のネズミ飼料で飼育し、他の各群は高脂肪飼料で飼育する。高脂肪飼料の組成は、55%の普通飼料、12%の豚脂、5%の蔗糖、8%のミルクパウダー、5%の落花生、10%の卵、3%ゴマ油、2%の食塩であった。高、中、低の各投薬群にはそれぞれ、110、55、28mg/kg bwのコケモモ抽出物(実施例12の方法で製造し、12.9%のアントシアニンと、60.3%のプロアントシアニンと、10.1%のレスベラトロールとを含む)を投薬し、対照群には同じ体積の蒸留水を供与した。毎日、実験動物の体重、食量を測定した。8週間後、動物を殺して、腎臓及び睾丸の周囲の脂肪組織を採取してその質量を測った。
体重が150〜200gのSDオスネズミ50匹を基礎飼料で適切に1週間飼育した後、体重によって任意に5つの群、つまり、基礎飼料の対照群、高脂肪飼料の対照群、コケモモ抽出物の高、中、低の3剤量群に分けた。基礎飼料対照群は普通のネズミ飼料で飼育し、他の各群は高脂肪飼料で飼育する。高脂肪飼料の組成は、55%の普通飼料、12%の豚脂、5%の蔗糖、8%のミルクパウダー、5%の落花生、10%の卵、3%ゴマ油、2%の食塩であった。高、中、低の各投薬群にはそれぞれ、110、55、28mg/kg bwのコケモモ抽出物(実施例12の方法で製造し、12.9%のアントシアニンと、60.3%のプロアントシアニンと、10.1%のレスベラトロールとを含む)を投薬し、対照群には同じ体積の蒸留水を供与した。毎日、実験動物の体重、食量を測定した。8週間後、動物を殺して、腎臓及び睾丸の周囲の脂肪組織を採取してその質量を測った。
実験過程において、各群のネズミは良好に成長し、死亡した動物は無く、異常の表現も無かった。食量も正常で、明確な異常が無かった。実験前後の各群のネズミの体重及び体内における脂肪の含有量、体脂比(腎臓及び睾丸の周囲の脂肪質量/体重×100)の変化は、表4の通りである。
これにより、コケモモ抽出物は、実験動物の飲食を影響しない一方、栄養の過剰による重量超過を明らかに抑制し、組織周囲の脂肪含有量及び体脂比を低下する。これにより、ダイエット機能を備える保健食品に使用できることが分かった。
コケモモ抽出物が光老化モデルマウスの皮膚におけるSOD活性とHYP(ヒドロキシプロリン)の含有量に対する影響
体重が15〜20gであるマウス(Mus musculus KM)50匹を、以下の5群:正常対照群、モデル対照群、コケモモ高、中、低の3つの剤量群に分けた。正常対照群以外の各群は、いずれも背部の毛を剃って、毎日UVAランプで照射し、光老化モデルを作った。高、中、低の各投薬群に、それぞれ160、80、40mg/kg bwのコケモモの第1の抽出物(実施例12の方法で製造し、12.9%のアントシアニンと、60.3%のプロアントシアニンと、10.1%のレスベラトロールとを含む)を投与し、対照群には同じ体積の蒸留水を供与した。8週間後、動物を殺して直ちに背部における脱毛箇所の全皮膚層を採取し、生化学的方法で局部のSOD活性及びHYPの含有量を測定した。この結果は表5の通りである。
体重が15〜20gであるマウス(Mus musculus KM)50匹を、以下の5群:正常対照群、モデル対照群、コケモモ高、中、低の3つの剤量群に分けた。正常対照群以外の各群は、いずれも背部の毛を剃って、毎日UVAランプで照射し、光老化モデルを作った。高、中、低の各投薬群に、それぞれ160、80、40mg/kg bwのコケモモの第1の抽出物(実施例12の方法で製造し、12.9%のアントシアニンと、60.3%のプロアントシアニンと、10.1%のレスベラトロールとを含む)を投与し、対照群には同じ体積の蒸留水を供与した。8週間後、動物を殺して直ちに背部における脱毛箇所の全皮膚層を採取し、生化学的方法で局部のSOD活性及びHYPの含有量を測定した。この結果は表5の通りである。
これにより、コケモモ抽出物は、光の照射による皮膚の老化過程を抑制し、皮膚におけるSODの活性及びHYPの含有量を上昇して、皮膚の活力及び弾性を回復でき、美容効果を備える保健品及び化粧品に使用できることが分かった。
本発明は、コケモモの果実のみを原料とするので、得られる抽出物を直接内服でき、抽出物の生物学的利用能を向上でき、限外ろ過膜のろ過法を用いるので、製品にアントシアニン及びプロアントシアニンを多量に含有させて、薬用効果を向上できることを特徴とする。また、本発明は、レスベラトロールの含有量が高いコケモモ抽出物及びその製造方法を提供し、レスベラトロールの新しい提供経路を開発した。
上記の例は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明において、種々の変更及び変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。本発明の技術的思想及び技術的範囲内で行う変更、均等物の代替、改善等は、すべて本発明で保護される。
Claims (20)
- (a)アルコール、アルコール水溶液、水、酸含有水溶液、酵素含有水溶液、又は酸及びアルコールを含有する水溶液である第1の溶剤を用い、コケモモの果実に対して抽出を行って第1の抽出液を得る工程と、
(b)イオン交換樹脂、吸着樹脂、又は限外ろ過膜で前記第1の抽出液を処理する工程と、
(c)処理後の前記第1の抽出液を濃縮し、乾燥して第1の抽出物を得る工程と、
(d)前記第1の溶剤で抽出を行ったコケモモの果実に対して、エチルアセテート、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、メタノール、エタノール、及びその混合物からなる群から選択され、或いはメタノール又はエタノールの70〜95%水溶液である第2の溶剤で再抽出を行うことで、第2の抽出液を得る工程と、
(e)ヘキサン、エチルアセテート、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、及びその混合溶剤からなる群から選択される溶離液を用い、カラムクロマトグラフィによって前記第2の抽出液を処理し、レスベラトロールを主成分とするコケモモの第3の抽出液を得る工程と、
(f)前記第3の抽出液を濃縮、乾燥して第2の抽出物を得る工程と、を有するコケモモ抽出物の製造方法。 - 前記第1の溶剤は、酸を1〜5質量%の量で含有する、酸含有水溶液又は酸及びアルコールを含有する水溶液であり、
前記抽出を20〜50℃で行う請求項1記載の製造方法。 - 前記酸は、塩酸、硫酸、酢酸、又はクエン酸からなる群より選択される請求項2記載の製造方法。
- 前記第1の溶剤は、セルラーゼ及び/又はペクターゼの含有量が0.05〜0.2質量%である酵素含有水溶液であり、酵素の分解を30〜60℃で行う請求項1記載の製造方法。
- 前記第1の溶剤は、アルコールの含有量が30〜90質量%であるアルコール水溶液であり、
前記抽出を20〜70℃で行う請求項1記載の製造方法。 - 工程(a)後に、前記第1の抽出液の濃度を高める濃縮工程(x)を更に有する請求項5記載の製造方法。
- 工程(b)において、前記第1の抽出液に吸着樹脂カラム又はイオン交換樹脂カラムを通過させ、30〜95%のメタノール又はエタノールで溶離する請求項1記載の製造方法。
- 前記吸着樹脂は、HP−20、ADS−F8、HPD−500、YWD−06、SP850、HP−30、S−861、D−101、DA−201、GDX−105、MD05271、CAD−40、XAD−4、XAD−6から選択され、前記イオン交換樹脂は、CHPA−20、WK1、CK08S、SP−550C、DEAE−650S、SP−5PWから選択される請求項7記載の製造方法。
- 工程(b)において、分画分子量が2000の限外ろ過膜でろ過を行い、分画された溶液を回収して次の工程を行う請求項1記載の製造方法。
- 前記第2の溶剤は、エチルアセテート、ヘキサン、メタノール、エタノール、及びその混合物からなる群から選択される請求項1記載の製造方法。
- 工程(d)及び(e)の間に、前記第2の抽出液の濃度を高める工程(y)を更に有する請求項1記載の製造方法。
- 工程(e)において、前記カラムクロマトグラフィはシリカゲルカラムクロマトグラフィであり、ヘキサン及びエチルアセテートが混合された溶離剤を用いて勾配溶離を行う請求項1記載の製造方法。
- 請求項1から12いずれか記載の第1抽出物及び第2抽出物を、任意の割合で混合するコケモモ抽出物の製造方法。
- 請求項13記載の製造方法で製造され、アントシアニンと、プロアントシアニンと、レスベラトロールとを含有するコケモモ抽出物。
- 請求項1から9いずれか記載の第1の抽出物からなり、5〜35%のアントシアニンと、20〜95%のプロアントシアニンと、5%未満のレスベラトロールと、を含有するコケモモ抽出物。
- 5〜20質量%のアントシアニンと、50〜95質量%のプロアントシアニンと、2質量%未満のレスベラトロールと、を含有する請求項15記載のコケモモ抽出物。
- 前記アントシアニンは、実質的に、シアニジン−3−ガラクトシド、シアニジン−3−グルコシド、及びシアニジン−3−アラビノシドからなる請求項15又は16記載のコケモモ抽出物。
- 請求項1から12いずれか記載の第2の抽出物からなり、60〜98質量%のレスベラトロールを含有するコケモモ抽出物。
- 請求項13記載の製造方法で製造されるコケモモ抽出物を含有する経口組成物。
- 請求項13記載の製造方法で製造されるコケモモ抽出物の、フケ防止、ダイエット、酸素フリーラジカルの除去、心脳血管病気の予防、血栓形成抑制及び顔面美容及び治療における使用。
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