JP2008286231A - 無給油チェーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内プレート110とブシュ120とローラ130と連結ピン140と外プレート150とを備え、内プレート110から一部突出したブシュ突出端部123が、外プレート150の内側面を凹ませて外側面へ膨出させたオフセット状態のブシュ軸支用環状凹部151にそれぞれ嵌合支持されているとともに、ローラ130のローラ端部131が、内プレート110の内側面を凹ませて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部111にそれぞれ嵌合支持されている無給油チェーン100。
【選択図】図1
Description
環状凹部またはローラ軸受用環状凹部とそれ以外のプレート部分とがプレート厚み方向にずれて段差状を呈している状態を意味している。
同様に、ローラ軸受用環状凹部が内プレートの内側面を凹ませて外側面へ膨出させたオフセット状態で形成されていることにより、ローラ軸受用環状凹部の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ローラ軸受用環状凹部を形成することによる内プレートの強度低下を抑制できるとともに、内プレートのプレス打ち抜き加工を行う際に、内プレートの内側面を凹ませて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、内プレートの打ち抜き加工とローラ軸受用環状凹部の形成加工とを同時に行うことができるので、内プレートの打ち抜き加工とは別途にローラ軸受用環状凹部を形成する研削やミーリング等の機械加工を内プレートに施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
ようなブシュと外リンクプレートとの間に押圧状態で配置したシール部材を別部品として設けていないので、チェーン稼動時に円滑に屈曲して周回走行するとともにチェーン部品点数の増加を回避でき、同様に、内プレートの内側面とローラの端面との間にも、従来のシールチェーンのような内リンクプレートの内側面とローラの端面との間に押圧状態で配置したシール部材を別部材として設けていないので、ローラの転動抵抗が小さくチェーン稼動時にローラが円滑に転動しながらスプロケットに噛み合うとともに、チェーンの部品点数が少なくチェーン切り継ぎ等の分解組み付け作業が容易である。
同様に、ローラ軸受用環状凹部の膨出面がローラ軸受用環状凹部の座面より大きな外径を有していることにより、内プレートの段差部分、すなわち、ブシュ孔を中心として膨出面よりも小径で座面よりも大径なプレート部分の断面係数がそれ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなるので、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな内プレートの段差部分の強度を向上できる。
の外周面とブシュの内周面との間で発生する摺接摩耗やブシュの外周面とローラの内周面との間で発生する摺動音や焼付けを抑制して、しかも、チェーンの部品点数が少なくチェーン製造負担とチェーン切り継ぎ等の分解組み付け作業負担が簡便なものであれば、その具体的な実施の形態は如何なるものであっても何ら構わない。
また、本発明におけるブシュ突出端部の具体的な形状については、外周面が円形に形成されたもの、外周面が多角形に形成されたものなどいずれであっても差し支えない。
また、本発明におけるローラ端部の具体的な形状については、ローラの両端面からローラの外径より小径な状態で内プレートに向けて突出形成したものであっても構わない。
そして、内プレートの内側面とローラの端面とが相互に近接対向するラビリンス構造形成粗面、いわゆる、ラビリンス構造を形成し得る粗面を備えている場合には、内プレートの内側面とローラの端面との間にはラビリンス構造が形成されているので、ローラとブシュとの間に注入された潤滑油のシール効果をより一層向上させることができ、ローラとブシュとの間に注入された潤滑油の外部漏出を防止できるとともに外部塵埃の侵入を防止できる。
ここで、図1は、本発明の第1実施例である無給油チェーンの一部を切り欠いた全体概要図であり、図2は、図1に示す無給油チェーンの連結状態を示す斜視図であり、図3は、図1に示す無給油チェーンの断面図であり、図4は、図1に示す無給油チェーンの寸法説明図である。
そして、ブシュ120の内周面と連結ピン140の外周面との間に潤滑油が封入されて
いるとともに、ローラ130の内周面とブシュ120の外周面との間に潤滑油が封入されている。
まず、図1乃至図3に示すように、外プレート150には、内側面を凹ませて外側面へ膨出させたオフセット状態のブシュ軸支用環状凹部151が形成されており、このブシュ軸支用環状凹部151に内プレート110の外側面から一部突出したブシュ突出端部121がそれぞれ支持されている。
なお、本発明の無給油チェーン100で言うところの「オフセット状態」とは、ブシュ軸支用環状凹部151またはローラ軸受用環状凹部111とそれ以外のプレート部分とがプレート厚み方向にずれて段差状を呈している状態を意味している。
したがって、このようなブシュ突出端部121とブシュ軸支用環状凹部151との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L1となって、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したブシュ120と連結ピン140との間に封入された潤滑油の漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、ブシュ120の内周面と連結ピン140の外周面の摩耗損傷を低減してチェーンの摩耗伸びを長期に亘って防止できる。
したがって、このようなローラ端部131とローラ軸受用環状凹部111との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L2となって、チェーン走行時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したローラ130とブシュ120との間に封入された潤滑油の漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン走行時において搬送物を支持するとともに走行するチェーンを支持して摺動頻度が高く摩耗が進行し易いローラ130の内周面とブシュ120の外周面の摩耗損傷や焼付きを抑制できる。
したがって、ブシュ軸支用環状凹部151の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ブシュ軸支用環状凹部151を形成することによる外プレート150の強度低下を抑制できるとともに、外プレート150のプレス打ち抜き加工を行う際に、外プレート150の内側面を凹ませて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、外プレート150の打ち抜き加工とブシュ軸支用環状凹部151の形成加工とを同時に行うことができるので、外プレート150の打ち抜き加工とは別途にブシュ軸支用環状凹部151を形成する研削やミーリング等の機械加工を外プレート150に施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
したがって、ローラ軸受用環状凹部111の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ローラ軸受用環状凹部111を形成することによる内プレート110の強度低下を抑制できるとともに、内プレート110のプレス打ち抜き加工を行う際に、内プレート110の内側面を凹ませて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、内プレート110の打ち抜き加工とローラ軸受用環状凹部111の形成加工とを同時に行うことができるので、内プレート110の打ち抜き加工とは別途にローラ軸受用環状凹部111を形成する研削やミーリング等の機械加工を内プレート110に施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
したがって、外プレート150の段差部分152、すなわち、ピン孔を中心として膨出面151aよりも小径で座面151bよりも大径なプレート部分の断面係数がそれ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなるので、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな外プレート150の段差部分152の強度を向上できる。
したがって、内プレート110の段差部分112、すなわち、ブシュ孔を中心として膨
出面111aよりも小径で座面111bよりも大径なプレート部分の断面係数がそれ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなるので、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな内プレート110の段差部分112の強度を向上できるなど、その効果は甚大である。
まず、本発明の第2実施例である無給油チェーン200は、図5及び図6に示すように、左右一対で離間配置された内プレート210、210と、この内プレート210のブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュ220、220と、このブシュ220に回転自在に外嵌された前後一対のローラ230、230と、ブシュ220の内部に回転自在に挿通された前後一対の連結ピン240、240と、この連結ピン240の両端にピン孔を圧入嵌合させて内プレート210をチェーン長手方向に連結する左右一対で離間配置された外プレート250、250とを備えている。
そして、ブシュ220の内周面と連結ピン240の外周面との間に潤滑油が封入されているとともに、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に潤滑油が封入されている。
まず、図5及び図6に示すように、外プレート250には、内側面を凹ませて外側面へ膨出させたオフセット状態のブシュ軸支用環状凹部251が形成されており、このブシュ軸支用環状凹部251に内プレート210の外側面から一部突出したブシュ突出端部221がそれぞれ支持されている。
なお、本発明の無給油チェーン200で言うところの「オフセット状態」とは、ブシュ軸支用環状凹部251またはローラ軸受用環状凹部211とそれ以外のプレート部分とがプレート厚み方向にずれて段差状を呈している状態を意味している。
いる。
したがって、このようなブシュ突出端部221とブシュ軸支用環状凹部251との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L1となって、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したブシュ220と連結ピン240との間に封入された潤滑油の漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、ブシュ220の内周面と連結ピン240の外周面の摩耗損傷を低減してチェーンの摩耗伸びを長期に亘って防止できる。
したがって、このようなローラ端部231とローラ軸受用環状凹部211との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L2となって、チェーン走行時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したローラ230とブシュ220との間に封入された潤滑油の漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン走行時において搬送物を支持するとともに走行するチェーンを支持して摺動頻度が高く摩耗が進行し易いローラ230の内周面とブシュ220の外周面の摩耗損傷や焼付きを抑制できる。
したがって、ブシュ軸支用環状凹部251の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ブシュ軸支用環状凹部251を形成することによる外プレート250の強度低下を抑制できるとともに、外プレート250のプレス打ち抜き加工を行う際に、外プレート250の内側面を凹ませて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、外プレート250の打ち抜き加工とブシュ軸支用環状凹部251の形成加工とを同時に行うことができるので、外プレート250の打ち抜き加工とは別途にブシュ軸支用環状凹部251を形成する研削やミーリング等の機械加工を外プレート250に施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
したがって、ローラ軸受用環状凹部211の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ローラ軸受用環状凹部211を形成することによる内プレート210の強度低下を抑制できるとともに、内プレート210のプレス打ち抜き加工を行う際に、内プレート210の内側面を凹ませて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、内プレート210の打ち抜き加工とローラ軸受用環状凹部211の形成加工とを同時に行うことができるので、内プレート210の打ち抜き加工とは別途にローラ軸受用環状凹部211を形成する研削やミーリング等の機械加工を内プレート210に施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
部品点数が少なくチェーン切り継ぎ等の分解組み付け作業が容易である。
したがって、より多くの潤滑油を封入して連結ピン240とブシュ220との間に潤滑油を継続的に供給するので、連結ピン240の外周面とブシュ220の内周面の摺動摩耗を長期に亘って低減してチェーンの摩耗伸びをより一層防止でき、同様に、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間にも潤滑油を継続的に供給するので、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面の摺動摩耗を長期に亘って低減でき、ローラ230とブシュ220との間で発生する摺動音や焼付きを防止できるとともに、スプロケットとの噛み合い時にローラ230が円滑に転動しながら噛み合ってチェーンの摩耗を防止できる。
したがって、外プレート250の段差部分252、すなわち、ピン孔を中心として膨出面251aよりも小径で座面251bよりも大径なプレート部分の断面係数がそれ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなるので、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな外プレート250の段差部分152の強度を向上できる。
したがって、内プレート210の段差部分212、すなわち、ブシュ孔を中心として膨出面211aよりも小径で座面211bよりも大径なプレート部分の断面係数がそれ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなるので、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな内プレート210の段差部分212の強度を向上できるなど、その効果は甚大である。
110、210 ・・・ 内プレート
111、211 ・・・ ローラ軸受用環状凹部
111a、211a ・・・ ローラ軸受用環状凹部の膨出面
111b、211b ・・・ ローラ軸受用環状凹部の座面
112、212 ・・・ 内プレートの段差部分
120、220 ・・・ ブシュ
121、221 ・・・ ブシュ突出端部
130、230 ・・・ ローラ
131、231 ・・・ ローラ端部
140、240 ・・・ 連結ピン
150、250 ・・・ 外プレート
151、251 ・・・ ブシュ軸支用環状凹部
151a、251a ・・・ ブシュ軸支用環状凹部の膨出面
151b、251b ・・・ ブシュ軸支用環状凹部の座面
152、252 ・・・ 外プレートの段差部分
222 ・・・ 油リザーバー部
L1、L2 ・・・ 油溜り用ラビリンス構造
Claims (3)
- 左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュと該ブシュに対して回転自在に外嵌された前後一対のローラと前記ブシュ内に対して回転自在に挿通された前後一対の連結ピンと該連結ピンの両端にピン孔を圧入嵌合させて内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとを備え、前記ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間及び前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を封入してなる無給油チェーンにおいて、
前記内プレートの外側面から一部突出したブシュ突出端部が、前記外プレートの内側面を凹ませて外側面へ膨出させたオフセット状態のブシュ軸支用環状凹部にそれぞれ嵌合支持されているとともに、
前記ローラのローラ端部が、前記内プレートの内側面を凹ませて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部にそれぞれ嵌合支持されていることを特徴とする無給油チェーン。 - 前記ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間及び前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に連通して潤滑油を供給する油リザーバー部が、前記ブシュのチェーン幅方向中央に形成されていることを特徴とする請求項1記載の無給油チェーン。
- 前記ブシュ軸支用環状凹部の膨出面が前記ブシュ軸支用環状凹部の座面より大きな外径を有しているとともに、前記ローラ軸受用環状凹部の膨出面が前記ローラ軸受用環状凹部の座面より大きな外径を有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の無給油チェーン。
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