JP2009052624A - 搬送用長寿命チェーン - Google Patents
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Abstract
【課題】プレート強度の低下とチェーン部品点数の増加を回避しつつチェーン製造負担を大幅に軽減するとともに、チェーン稼動時における潤滑油の外部漏出と外部塵埃の侵入を防止して、しかも、ブシュが優れた潤滑油の徐放性を発揮してローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を長期に亘って供給する搬送用長寿命チェーンを提供すること。
【解決手段】内プレート110とブシュ120とローラ130と連結ピン140と外プレート150とから構成され、ローラ130の両端が、内プレート110の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部111によりそれぞれ囲繞支持されている搬送用長寿命チェーン100。
【選択図】図2
【解決手段】内プレート110とブシュ120とローラ130と連結ピン140と外プレート150とから構成され、ローラ130の両端が、内プレート110の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部111によりそれぞれ囲繞支持されている搬送用長寿命チェーン100。
【選択図】図2
Description
本発明は、搬送用コンベヤチェーン、伝動用ローラチェーンなどに用いる長寿命チェーンに係るものであって、特に、左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュと該ブシュに対して回転自在に外嵌された前後一対のローラと前記ブシュ内に対して回転自在に挿通された前後一対の連結ピンと該連結ピンの両端にピン孔を圧入嵌合させて内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとを備え、前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を封入してなる搬送用長寿命チェーンに関する。
一対の外リンクプレートの両端をピンで連結した外リンクと一対の内リンクプレートの両端をブシュで連結するとともにブシュにローラを被嵌した内リンクとをブシュにピンを嵌挿することにより交互に連結し、かつ前記ブシュとローラとの間に封入される潤滑油をシールするシール手段を備えてなるシールチェーンが知られている。そして、このようなシールチェーンのシール手段は、前記内リンクプレートの内側面にブシュを囲むように形成された凹部と、前記ローラの両端に遊嵌されたリング状のシールプレートと、前記凹部とシールプレートとの間に配置された弾性体からなるシールリングとを備えている(例えば特許文献1参照。)。
特開2005−282813号公報(第7頁、図4)
前述したような従来のシールチェーンでは、ローラと内リンクプレートとの間を密封してローラとブシュとの間に注入された潤滑油のシール効果を持続させるために、シールリングとシールプレートが内リンクプレートの内側面に形成された凹部とローラとの間に押圧状態で配置されており、このような押圧状態の押圧力によって、ローラと内リンクプレートとの間の相対的な回転抵抗が大きくなり、チェーン稼動時にローラが円滑に転動しなくなるという問題があった。
また、リング部材と弾性シールリングが内リンクプレートやローラ等に対して摺接摩耗することによって生じるシール効果の低下を防止するために、シールリングおよびシールプレートと接触する内リンクプレートの内側面とローラの端面の表面粗さを小さくする表面仕上げ加工を施す必要があり、加工負担が増加するという問題があった。
そして、シール手段としてのシールリングとシールプレートとを基本的なチェーン構成部品である内リンクプレートの内側面に形成された凹部とローラとの間に設けているので、チェーンの部品点数および組立工数が多くなり、チェーン組立性が悪くなるという問題があった。
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、プレート強度の低下とチェーン部品点数の増加を回避しつつチェーン製造負担を大幅に軽減するとともに、チェーン稼動時における潤滑油の外部漏出と外部塵埃の侵入を防止して、しかも、ブシュが優れた潤滑油の徐放性を発揮してローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を長期に亘って供給する搬送用長寿命チェーンを提供することである。
請求項1に係る本発明は、左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュと該ブシュに対して回転自在に外嵌された前後一対のローラと前記ブシュ内に対して回転自在に挿通された前後一対の連結ピンと該連結ピンの両端にピン孔を圧入嵌合させて内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとを備え、前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を封入してなる搬送用長寿命チェーンにおいて、前記ローラの両端が、前記内プレートの内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されていることにより、前述した課題を解決したものである。
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の構成に加えて、前記ローラの両端から内プレートに向けて突出形成した小径のローラ軸部が、前記ローラ軸受用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されていることにより、前述した課題を解決したものである。
請求項3に係る本発明は、請求項1または請求項2記載の構成に加えて、前記ローラ軸受用環状凹部が、前記内プレートの内側面を凹陥させて外側面へオフセット状態で膨出させるプレス加工により形成されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
請求項4に係る本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の構成に加えて、前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を供給する油溜り溝が、前記ブシュの外周面に刻設されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
請求項5に係る本発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の構成に加えて、前記ブシュが、前記潤滑油を含浸させた焼結含油金属材料から成形されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
請求項6に係る本発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の構成に加えて、前記ローラ軸受用環状凹部の膨出面が、前記ローラ軸受用環状凹部の座面より大きな外径を有していることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
なお、本発明の搬送用長寿命チェーンで言うところの「オフセット状態」とは、ローラ軸受用環状凹部とそれ以外のプレート部分とがプレート厚み方向にずれて段差状を呈している状態を意味している。
また、本発明の搬送用長寿命チェーンで言うところの「焼結含油金属材料」とは、その内部に無数の気孔を有するように金属粉末を圧縮成形して融解点以下の温度で焼結することで得られた多孔質材に潤滑油を含浸させた金属材料を意味している。
また、本発明の搬送用長寿命チェーンで言うところの「焼結含油金属材料」とは、その内部に無数の気孔を有するように金属粉末を圧縮成形して融解点以下の温度で焼結することで得られた多孔質材に潤滑油を含浸させた金属材料を意味している。
そこで、本発明は、左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュと該ブシュに対して回転自在に外嵌された前後一対のローラと前記ブシュ内に対して回転自在に挿通された前後一対の連結ピンと該連結ピンの両端にピン孔を圧入嵌合させて内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとを備え、前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を封入していることにより、外部からの無給油状態で長期にわたってチェーン駆動することができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
請求項1に係る本発明の搬送用長寿命チェーンによれば、ローラの両端が、内プレートの内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されていることにより、このようなローラの両端とローラ軸受用環状凹部との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造となって、チェーン走行時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したローラとブシュとの間に封入された潤滑油の外部漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン走行時において搬送物を支持するとともに走行するチェーンを支持して摺動頻度が高く摩耗が進行し易いローラの内周面とブシュの外周面の摩耗損傷や焼付きを抑制できる。
また、ローラ軸受用環状凹部が、内プレートの内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態で形成されていることにより、ローラ軸受用環状凹部の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ローラ軸受用環状凹部を形成することによる内プレートの強度低下を抑制できる。
また、内プレートとローラとの間には、従来のシールチェーンのような内リンクプレートとローラとの間に押圧状態で配置したシール部材を別部材として設けていないので、ローラの転動抵抗が小さく、チェーン稼動時にローラが円滑に転動しながらスプロケットに噛み合うとともに、チェーンの部品点数が少なくチェーン切り継ぎ等の分解組み付け作業が容易である。
また、従来のシールチェーンでは、シール部材の摺接摩耗を防止して潤滑油の密封性を維持するために、内リンクプレートの内側面とローラの端面に表面粗さを小さくする表面仕上げ加工を施す必要があったが、本発明の搬送用長寿命チェーンでは、従来のような表面仕上げ加工を施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
請求項2に係る本発明の搬送用長寿命チェーンによれば、請求項1記載の搬送用長寿命チェーンが奏する効果に加えて、ローラの両端から内プレートに向けて突出形成した小径のローラ軸部が、ローラ軸受用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されていることにより、ローラ軸受用環状凹部の内径よりも大きな外径を有するローラを使用する際においても、ローラ軸部を介してローラ軸受用環状凹部に嵌合させることができるので、ローラ軸受用環状凹部の内径の大きさに制限を受けることなく様々な外径のローラを適用することができ、また、ローラ軸部を形成した分だけローラと内プレートとの間に生じた潤滑油の流出径路がさらに複雑に屈曲した形状を呈するので、ローラの内周面とブシュの外周面との間に注入された潤滑油のシール効果をより一層向上させることができる。
請求項3に係る本発明の搬送用長寿命チェーンによれば、請求項1または請求項2記載の搬送用長寿命チェーンが奏する効果に加えて、ローラ軸受用環状凹部が、内プレートの内側面を凹陥させて外側面へオフセット状態で膨出させるプレス加工により形成されていることにより、内プレートのプレス打ち抜き加工を行う際に、内プレートの内側面を凹陥させて外側面へ膨出させる形状の金型を用いるだけで、内プレートの打ち抜き加工とローラ軸受用環状凹部の形成加工とを同時に行うことができるので、内プレートの打ち抜き加工とは別途にローラ軸受用環状凹部を形成する研削やミーリング等の機械加工を内プレートに施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
請求項4に係る本発明の搬送用長寿命チェーンによれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の搬送用長寿命チェーンが奏する効果に加えて、ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑剤を供給する油溜り溝が、ブシュの外周面に刻設されていることにより、より多くの潤滑油を封入してローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を継続的に供給するので、ローラの内周面とブシュの外周面の摺接摩耗を長期に亘って低減でき、ローラとブシュとの間で発生する摺動音や焼付きを防止できるとともに、スプロケットとの噛み合い時にローラが円滑に転動しながら噛み合うため、チェーンの摩耗を防止できる。
請求項5に係る本発明の搬送用長寿命チェーンによれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の搬送用長寿命チェーンが奏する効果に加えて、ブシュが潤滑油を含浸させた焼結含油金属材料から成形されていることにより、ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油が充分に供給されてない状態となっても、ブシュが優れた潤滑油の徐放性を発揮して、すなわち、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力等に起因してブシュの内部に形成された無数の気孔に含浸された潤滑油がローラの内周面とブシュの外周面との間に徐々に滲み出すので、ローラの内周面とブシュの外周面との間の摺接摩耗を低減でき、また、焼結含油金属材料からなるブシュは何らの加工を施していない通常のブシュと同形状を呈しており、通常のブシュと同様に取り扱うことができるので、チェーン切り継ぎなどの分解組み付け作業を簡便に達成できる。
請求項6に係る本発明の搬送用長寿命チェーンによれば、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の搬送用長寿命チェーンが奏する効果に加えて、ローラ軸受用環状凹部の膨出面が、ローラ軸受用環状凹部の座面より大きな外径を有していることにより、内プレートに形成された段差部分、すなわち、ブシュ圧入孔を中心として座面の外径よりも大径で膨出面の外径よりも小径なプレート部分の断面係数が、それ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなるので、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな内プレートの段差部分の強度を向上できる。
本発明は、左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュと該ブシュに対して回転自在に外嵌された前後一対のローラと前記ブシュ内に対して回転自在に挿通された前後一対の連結ピンと該連結ピンの両端にピン孔を圧入嵌合させて内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとを備え、前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を封入してなる搬送用長寿命チェーンにおいて、前記ローラの両端が、前記内プレートの内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されて、プレート強度の低下とチェーン部品点数の増加を回避しつつチェーン製造負担を大幅に軽減するとともに、チェーン稼動時における潤滑油の外部漏出と外部塵埃の侵入を防止して、しかも、ブシュが優れた潤滑油の徐放性を発揮してローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を長期に亘って供給するものであれば、その具体的な実施の形態は如何なるものであっても何ら構わない。
例えば、本発明の搬送用長寿命チェーンに組み込まれるブシュの具体的な態様については、何らの加工を施していない通常のブシュ、ローラとブシュとの間に潤滑剤を供給する油溜り溝を外周面に備えたブシュ、その内部に無数の気孔を有するように金属粉末を圧縮成形して融解点以下の温度で焼結することで得られた多孔質材に潤滑油を含浸させた焼結含油金属材料から成形されたブシュなどのいずれであっても構わないが、外周面に油溜り溝を備えたブシュを採用した場合には、より多くの潤滑油を封入してローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を継続的に供給するので、ローラの内周面とブシュの外周面との間の摺接摩耗を長期に亘って低減でき、また、焼結含油金属材料からなるブシュを採用した場合には、ブシュが優れた潤滑油の徐放性を発揮して、すなわち、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュの内部に形成された無数の気孔に含浸された潤滑油がローラの内周面とブシュの外周面との間に徐々に滲み出すので、ローラの内周面とブシュの外周面との間の摺接摩耗を低減できる。
なお、焼結含油金属材料からなるブシュに、油溜り溝を形成しても何ら構わない。
そして、前述した焼結含油金属材料の具体的な態様については、強靱性および潤滑油の徐放性を発揮するものであれば、焼結密度や原料となる金属粉末の具体的な種類や組み合わせは如何なるものであっても良く、特に、鉄、銅、ニッケル、クロムモリブデン鋼などを配合してなる混合金属粉末を圧縮形成するとともに6.0g/cm3〜7.0g/cm3の焼結密度で焼結することで成形されている場合には、強靱性能および潤滑油の徐放性能の両方をバランス良く兼ね備えて充分に発揮できる。
なお、焼結含油金属材料からなるブシュに、油溜り溝を形成しても何ら構わない。
そして、前述した焼結含油金属材料の具体的な態様については、強靱性および潤滑油の徐放性を発揮するものであれば、焼結密度や原料となる金属粉末の具体的な種類や組み合わせは如何なるものであっても良く、特に、鉄、銅、ニッケル、クロムモリブデン鋼などを配合してなる混合金属粉末を圧縮形成するとともに6.0g/cm3〜7.0g/cm3の焼結密度で焼結することで成形されている場合には、強靱性能および潤滑油の徐放性能の両方をバランス良く兼ね備えて充分に発揮できる。
また、本発明の搬送用長寿命チェーンに組み込まれるローラの具体的な形状については、ローラの両端がローラ中央部分と同じ外径を有するように成形されたもの、ローラ中央部分の外径より小径な状態で内プレートに向けて突出形成されたローラ軸部をローラの両端に有するものなどのいずれであっても構わないが、ローラ軸部をローラの両端に有するものである場合には、ローラ軸受用環状凹部の内径よりも大きな外径を有するローラを使用する際においても、ローラ軸部を介してローラ軸受用環状凹部に嵌合させることができるので、ローラ軸受用環状凹部の内径の大きさに制限を受けることなく様々な外径のローラを適用することができ、また、ローラ軸部を形成した分だけローラと内プレートとの間に生じた潤滑油の流出径路がさらに複雑に屈曲した形状を呈するので、ローラの内周面とブシュの外周面との間に注入された潤滑油のシール効果をより一層向上させることができる。
また、本発明の搬送用長寿命チェーンに組み込まれるローラの具体的材料については、耐摩耗性、耐衝撃性を備えたものであれば、工具鋼、ステンレス鋼、ゴム、エンプラと称するエンジニアリングプラスチックなどのいずれであっても良く、特に、工具鋼を採用した場合には、ブシュや内プレートなどとの摺動接触に起因した摩耗損傷を防止できるので、より好ましい。
ここで、図1は、本発明の第1実施例である搬送用長寿命チェーンの一部を切り欠いた全体概要図であり、図2は、図1に示す搬送用長寿命チェーンの連結状態を示す斜視図であり、図3は、図1に示す搬送用長寿命チェーンの一部を示す断面図であり、図4は、図1に示す搬送用長寿命チェーンの組み付け寸法図である。
以下、本発明の第1実施例である搬送用長寿命チェーン100を図面に基づいて説明する。
以下、本発明の第1実施例である搬送用長寿命チェーン100を図面に基づいて説明する。
まず、本発明の第1実施例である搬送用長寿命チェーン100は、図1乃至図3に示すように、左右一対で離間配置された内プレート110と、内プレート110のブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュ120と、ブシュ120に回転自在に外嵌された前後一対のローラ130と、ブシュ120の内部に回転自在に挿通された前後一対の連結ピン140と、連結ピン140の両端をピン孔に圧入嵌合して内プレート110をチェーン長手方向に連結する左右一対で離間配置された外プレート150とを備えている。
そして、ローラ130の内周面とブシュ120の外周面との間に潤滑油が封入されている。
そして、ローラ130の内周面とブシュ120の外周面との間に潤滑油が封入されている。
そこで、本実施例の搬送用長寿命チェーン100が最も特徴とする内プレート110およびローラ130の具体的な形態について図2乃至図4により詳しく説明する。
まず、図2および図3に示すように、内プレート110には、内側面を凹陥させて、すなわち、凹ませて陥らせたオフセット状態で外側面に膨出させたローラ軸受用環状凹部111がプレス加工により形成されており、このローラ軸受用環状凹部111にローラ130の両端がそれぞれ囲繞支持されている。
なお、本発明の搬送用長寿命チェーン100で言うところの「オフセット状態」とは、ローラ軸受用環状凹部111とそれ以外のプレート部分とがずれて段差状を呈している状態を意味している。
まず、図2および図3に示すように、内プレート110には、内側面を凹陥させて、すなわち、凹ませて陥らせたオフセット状態で外側面に膨出させたローラ軸受用環状凹部111がプレス加工により形成されており、このローラ軸受用環状凹部111にローラ130の両端がそれぞれ囲繞支持されている。
なお、本発明の搬送用長寿命チェーン100で言うところの「オフセット状態」とは、ローラ軸受用環状凹部111とそれ以外のプレート部分とがずれて段差状を呈している状態を意味している。
ローラ軸受用環状凹部111の膨出面111aの外径Wtoは、図4に示すように、ローラ軸受用環状凹部111の座面111bの外径Wtiより大きく設定されており、内プレート110の段差部分、すなわち、ブシュ圧入孔を中心として座面111bの外径Wtiよりも大径で膨出面111aの外径Wtoよりも小径なプレート部分の断面係数が、それ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなるようになっている。
ローラ軸受用環状凹部111の座ぐり深さDt、ローラ130のチェーン幅方向の長さDr、および内プレート110の内側面の相互間隔Diは、図4に示すように、Di+Dt<Dr<Di+2Dtを満足するようにそれぞれ形成されており、チェーン稼動時にローラ130が内プレート110に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、ローラ130の両端がローラ軸受用環状凹部111から外れることを阻止するようになっている。
ローラ軸受用環状凹部111の座面111bの外径Wti、ローラ130の外径Wro、ローラ130の内径Wri、およびブシュ120の外径Wbは、図4に示すように、Wti−Wro>Wri−Wbを満足するようにそれぞれ形成されており、ローラ130がブシュ120に対してチェーン進行方向に片寄った際に、ローラ130の内周面とブシュ120の外周面とが接触して、ローラ130の外周面とローラ軸受用環状凹部111の内周面とが互いに接触することを阻止するようになっている。
このようにして得られた本実施例の搬送用長寿命チェーン100は、ローラ130の両端が、内プレート110の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部111によりそれぞれ囲繞支持されている。
したがって、このようなローラ130の両端とローラ軸受用環状凹部111との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L1となって、チェーン走行時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したローラ130とブシュ120との間に封入された潤滑油の外部漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン走行時において搬送物を支持するとともに走行するチェーンを支持して摺動頻度が高く摩耗が進行し易いローラ130の内周面とブシュ120の外周面の摩耗損傷や焼付きを抑制できる。
したがって、このようなローラ130の両端とローラ軸受用環状凹部111との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L1となって、チェーン走行時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したローラ130とブシュ120との間に封入された潤滑油の外部漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン走行時において搬送物を支持するとともに走行するチェーンを支持して摺動頻度が高く摩耗が進行し易いローラ130の内周面とブシュ120の外周面の摩耗損傷や焼付きを抑制できる。
ローラ軸受用環状凹部111が、内プレート110の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態で形成されている。
したがって、ローラ軸受用環状凹部111の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ローラ軸受用環状凹部111を形成することによる内プレート110の強度低下を抑制できる。
したがって、ローラ軸受用環状凹部111の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ローラ軸受用環状凹部111を形成することによる内プレート110の強度低下を抑制できる。
内プレート110とローラ130との間には、従来のシールチェーンのような内リンクプレートとローラとの間に押圧状態で配置したシール部材を別部材として設けていないので、ローラ130の転動抵抗が小さく、チェーン稼動時にローラ130が円滑に転動しながらスプロケットに噛み合うとともに、チェーンの部品点数が少なくチェーン切り継ぎ等の分解組み付け作業が容易である。
従来のシールチェーンでは、シール部材の摺接摩耗を防止して潤滑油の密封性を維持するために、内リンクプレートの内側面とローラの端面に表面粗さを小さくする表面仕上げ加工を施す必要があったが、本発明の搬送用長寿命チェーン100では、従来のような表面仕上げ加工を施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
ローラ軸受用環状凹部111の膨出面111aの外径Wtoは、ローラ軸受用環状凹部111の座面111bの外径Wtiより大きく設定されている。
したがって、内プレート110の段差部分、すなわち、ブシュ圧入孔を中心として座面111bの外径Wtiよりも大径で膨出面111aの外径Wtoよりも小径なプレート部分の断面係数が、それ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなって、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな内プレート110の段差部分の強度を向上できる。
したがって、内プレート110の段差部分、すなわち、ブシュ圧入孔を中心として座面111bの外径Wtiよりも大径で膨出面111aの外径Wtoよりも小径なプレート部分の断面係数が、それ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなって、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな内プレート110の段差部分の強度を向上できる。
ローラ軸受用環状凹部111の座ぐり深さDt、ローラ130のチェーン幅方向の長さDr、および内プレート110の内側面の相互間隔Diは、Di+Dt<Dr<Di+2Dtを満足するようにそれぞれ形成されている。
したがって、チェーン稼動時にローラ130が内プレート110に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、ローラ130の両端がローラ軸受用環状凹部111から外れることを阻止して潤滑油の外部漏出を防止するので、ブシュ120の外周面とローラ130の内周面の摺接摩耗や焼付きを抑制できる。
したがって、チェーン稼動時にローラ130が内プレート110に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、ローラ130の両端がローラ軸受用環状凹部111から外れることを阻止して潤滑油の外部漏出を防止するので、ブシュ120の外周面とローラ130の内周面の摺接摩耗や焼付きを抑制できる。
ローラ軸受用環状凹部111の座面111bの外径Wti、ローラ130の外径Wro、ローラ130の内径Wri、およびブシュ120の外径Wbは、Wti−Wro>Wri−Wbを満足するようにそれぞれ形成されている。
したがって、ローラ130がブシュ120に対してチェーン進行方向に片寄った際に、ローラ130の内周面とブシュ120の外周面とが接触して、ローラ130の外周面とローラ軸受用環状凹部111の内周面とが互いに接触することを完全に阻止するので、ローラ130の外周面とローラ軸受用環状凹部111の内周面との摺動接触に起因する摩耗粉がローラ130の内周面とブシュ120の外周面との間に侵入して、このような摩耗粉が研摩剤となってローラ130の内周面とブシュ120の外周面との間で生じがちな異常な摩耗損傷を防止できるなど、その効果は甚大である。
したがって、ローラ130がブシュ120に対してチェーン進行方向に片寄った際に、ローラ130の内周面とブシュ120の外周面とが接触して、ローラ130の外周面とローラ軸受用環状凹部111の内周面とが互いに接触することを完全に阻止するので、ローラ130の外周面とローラ軸受用環状凹部111の内周面との摺動接触に起因する摩耗粉がローラ130の内周面とブシュ120の外周面との間に侵入して、このような摩耗粉が研摩剤となってローラ130の内周面とブシュ120の外周面との間で生じがちな異常な摩耗損傷を防止できるなど、その効果は甚大である。
つぎに、本発明の第2実施例である搬送用長寿命チェーン200について、図5乃至図7に基づいて説明する。
まず、本発明の第2実施例である搬送用長寿命チェーン200は、図5および図6に示すように、左右一対で離間配置された内プレート210と、内プレート210のブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュ220と、ブシュ220に回転自在に外嵌された前後一対のローラ230と、ブシュ220の内部に回転自在に挿通された前後一対の連結ピン240と、連結ピン240の両端をピン孔に圧入嵌合して内プレート210をチェーン長手方向に連結する左右一対で離間配置された外プレート250とを備えている。
そして、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に潤滑油が封入されている。
まず、本発明の第2実施例である搬送用長寿命チェーン200は、図5および図6に示すように、左右一対で離間配置された内プレート210と、内プレート210のブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュ220と、ブシュ220に回転自在に外嵌された前後一対のローラ230と、ブシュ220の内部に回転自在に挿通された前後一対の連結ピン240と、連結ピン240の両端をピン孔に圧入嵌合して内プレート210をチェーン長手方向に連結する左右一対で離間配置された外プレート250とを備えている。
そして、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に潤滑油が封入されている。
そこで、本実施例の搬送用長寿命チェーン200が最も特徴とする内プレート210およびローラ230の具体的な形態について図5乃至図7により詳しく説明する。
まず、図5および図6に示すように、内プレート210には、内側面を凹陥させて、すなわち、凹ませて陥らせたオフセット状態で外側面に膨出させたローラ軸受用環状凹部211がプレス加工により形成されており、このローラ軸受用環状凹部211にローラ230の両端から内プレート210に向けて突出形成した小径のローラ軸部231がそれぞれ囲繞支持されている。
なお、本発明の搬送用長寿命チェーン200で言うところの「オフセット状態」とは、ローラ軸受用環状凹部211とそれ以外のプレート部分とがずれて段差状を呈している状態を意味している。
まず、図5および図6に示すように、内プレート210には、内側面を凹陥させて、すなわち、凹ませて陥らせたオフセット状態で外側面に膨出させたローラ軸受用環状凹部211がプレス加工により形成されており、このローラ軸受用環状凹部211にローラ230の両端から内プレート210に向けて突出形成した小径のローラ軸部231がそれぞれ囲繞支持されている。
なお、本発明の搬送用長寿命チェーン200で言うところの「オフセット状態」とは、ローラ軸受用環状凹部211とそれ以外のプレート部分とがずれて段差状を呈している状態を意味している。
内プレート210の内側面とローラ230の両端面は、図6に示すように、梨地状のラビリンス構造形成粗面212、232をそれぞれ有しており、このラビリンス構造形成粗面212、232は、相互に近接対向して内プレート210の内側面とローラ230の両端面との間に油溜り用ラビリンス構造L2を形成して、ローラ230とブシュ220との間に注入された潤滑油の外部漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を防止するようになっている。
なお、本実施例の搬送用長寿命チェーン200で言うところの「ローラ230の両端面」とは、ローラ軸部231を除いたローラ230の両端面のことを意味している。
なお、本実施例の搬送用長寿命チェーン200で言うところの「ローラ230の両端面」とは、ローラ軸部231を除いたローラ230の両端面のことを意味している。
ローラ軸受用環状凹部211の膨出面211aの外径Wtoは、図7に示すように、ローラ軸受用環状凹部211の座面211bの外径Wtiより大きく設定されており、内プレート210の段差部分、すなわち、ブシュ圧入孔を中心として座面211bの外径Wtiよりも大径で膨出面211aの外径Wtoよりも小径なプレート部分の断面係数が、それ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなるようになっている。
ローラ軸受用環状凹部211の座ぐり深さDt、ローラ230のチェーン幅方向の長さDr、ローラ軸部231のローラ230の両端面からの突出量Drj、および内プレート210の内側面の相互間隔Diは、図7に示すように、Di+Dt<Dr+2Drj<Di+2Dtを満足するようにそれぞれ形成されており、チェーン稼動時にローラ230が内プレート210に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、ローラ軸部231がローラ軸受用環状凹部211から外れることを阻止するようになっている。
なお、本実施例の搬送用長寿命チェーン200で言うところの「ローラ230のチェーン幅方向の長さ」とは、ローラ軸部231を除いたローラ230のチェーン幅方向の長さのことを意味している。
なお、本実施例の搬送用長寿命チェーン200で言うところの「ローラ230のチェーン幅方向の長さ」とは、ローラ軸部231を除いたローラ230のチェーン幅方向の長さのことを意味している。
ローラ軸受用環状凹部211の座ぐり深さDtおよびローラ軸部231のローラ230の両端面からの突出量Drjは、図7に示すように、Dt<Drjを満足するようにそれぞれ形成されており、チェーン稼動時にローラ230が内プレート210に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、摺接抵抗の小さいローラ軸部231の両端面とローラ軸受用環状凹部211の座面211bとが互いに接触して、摺接抵抗の大きい内プレート210の内側面とローラ230の両端面とが接触することを完全に阻止するようになっている。
ローラ軸受用環状凹部211の座面211bの外径Wti、ローラ軸部231の外径Wrj、ローラ230の内径Wri、およびブシュ220の外径Wbは、図7に示すように、Wti−Wrj>Wri−Wbを満足するようにそれぞれ形成されており、ローラ230がブシュ220に対してチェーン進行方向に片寄った際に、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面とが接触して、ローラ軸部231の外周面とローラ軸受用環状凹部211の内周面とが互いに接触することを阻止するようになっている。
このようにして得られた本実施例の搬送用長寿命チェーン200は、ローラ230の両端から内プレート210に向けて突出形成した小径のローラ軸部231が、内プレート210の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部211によりそれぞれ囲繞支持されている。
したがって、このようなローラ軸部231とローラ軸受用環状凹部211との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L1となって、チェーン走行時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したローラ230とブシュ220との間に封入された潤滑油の外部漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン走行時において搬送物を支持するとともに走行するチェーンを支持して摺動頻度が高く摩耗が進行し易いローラ230の内周面とブシュ220の外周面の摩耗損傷や焼付きを抑制できる。
したがって、このようなローラ軸部231とローラ軸受用環状凹部211との間に生じた潤滑油の漏出径路が複雑に屈曲して油溜り機能を発揮する油溜り用ラビリンス構造L1となって、チェーン走行時の周回走行によって生じる遠心力等に起因したローラ230とブシュ220との間に封入された潤滑油の外部漏出を抑制するとともに外部塵埃の侵入を抑制するので、チェーン走行時において搬送物を支持するとともに走行するチェーンを支持して摺動頻度が高く摩耗が進行し易いローラ230の内周面とブシュ220の外周面の摩耗損傷や焼付きを抑制できる。
ローラ軸受用環状凹部211が、内プレート210の内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態で形成されている。
したがって、ローラ軸受用環状凹部211の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ローラ軸受用環状凹部211を形成することによる内プレート210の強度低下を抑制できる。
したがって、ローラ軸受用環状凹部211の断面係数とそれ以外のプレート部分の断面係数とが同程度となるので、ローラ軸受用環状凹部211を形成することによる内プレート210の強度低下を抑制できる。
内プレート210とローラ230との間には、従来のシールチェーンのような内リンクプレートとローラとの間に押圧状態で配置したシール部材を別部材として設けていないので、ローラ230の転動抵抗が小さく、チェーン稼動時にローラ230が円滑に転動しながらスプロケットに噛み合うとともに、チェーンの部品点数が少なくチェーン切り継ぎ等の分解組み付け作業が容易である。
従来のシールチェーンでは、シール部材の摺接摩耗を防止して潤滑油の密封性を維持するために、内リンクプレートの内側面とローラの端面に表面粗さを小さくする表面仕上げ加工を施す必要があったが、本発明の搬送用長寿命チェーン200では、従来のような表面仕上げ加工を施す必要がなく、チェーンの製造負担を軽減できる。
ローラ230の両端から内プレート210に向けて突出形成した小径のローラ軸部231が、ローラ軸受用環状凹部211によりそれぞれ囲繞支持されている。
したがって、ローラ軸受用環状凹部211の内径よりも大きな外径を有するローラ230を使用する際においても、ローラ軸部231を介してローラ軸受用環状凹部211に嵌合させることができるので、ローラ軸受用環状凹部211の内径の大きさに制限を受けることなく様々な外径のローラ230を適用することができ、また、ローラ軸部231を形成した分だけローラ230と内プレート210との間に生じた潤滑油の流出径路がさらに複雑に屈曲した形状を呈するので、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に注入された潤滑油のシール効果をより一層向上させることができる。
したがって、ローラ軸受用環状凹部211の内径よりも大きな外径を有するローラ230を使用する際においても、ローラ軸部231を介してローラ軸受用環状凹部211に嵌合させることができるので、ローラ軸受用環状凹部211の内径の大きさに制限を受けることなく様々な外径のローラ230を適用することができ、また、ローラ軸部231を形成した分だけローラ230と内プレート210との間に生じた潤滑油の流出径路がさらに複雑に屈曲した形状を呈するので、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に注入された潤滑油のシール効果をより一層向上させることができる。
内プレート210の内側面とローラ230の両端面は、梨地状のラビリンス構造形成粗面212、232をそれぞれ有している。
したがって、内プレート210の内側面とローラ230の両端面との間には油溜り用ラビリンス構造L2が形成されているので、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に注入された潤滑油のシール効果をより一層向上させることができ、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に注入された潤滑油の外部漏出および外部塵埃の侵入を防止できる。
したがって、内プレート210の内側面とローラ230の両端面との間には油溜り用ラビリンス構造L2が形成されているので、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に注入された潤滑油のシール効果をより一層向上させることができ、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に注入された潤滑油の外部漏出および外部塵埃の侵入を防止できる。
ローラ軸受用環状凹部211の膨出面211aの外径Wtoは、ローラ軸受用環状凹部211の座面211bの外径Wtiより大きく設定されている。
したがって、内プレート210の段差部分、すなわち、ブシュ圧入孔を中心として座面211bの外径Wtiよりも大径で膨出面211aの外径Wtoよりも小径なプレート部分の断面係数が、それ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなって、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな内プレート210の段差部分の強度を向上できる。
したがって、内プレート210の段差部分、すなわち、ブシュ圧入孔を中心として座面211bの外径Wtiよりも大径で膨出面211aの外径Wtoよりも小径なプレート部分の断面係数が、それ以外のプレート部分の断面係数よりも大きくなって、チェーン稼動時に疲労破壊を生じがちな内プレート210の段差部分の強度を向上できる。
ローラ軸受用環状凹部211の座ぐり深さDt、ローラ230のチェーン幅方向の長さDr、ローラ軸部231のローラ230の両端からの突出量Drj、および内プレート210の内側面の相互間隔Diは、Di+Dt<Dr+2Drj<Di+2Dtを満足するようにそれぞれ形成されている。
したがって、チェーン稼動時にローラ230が内プレート210に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、ローラ軸部231がローラ軸受用環状凹部211から外れることを阻止して潤滑油の外部漏出を防止するので、ブシュ220の外周面とローラ230の内周面の摺接摩耗や焼付きを抑制できる。
したがって、チェーン稼動時にローラ230が内プレート210に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、ローラ軸部231がローラ軸受用環状凹部211から外れることを阻止して潤滑油の外部漏出を防止するので、ブシュ220の外周面とローラ230の内周面の摺接摩耗や焼付きを抑制できる。
ローラ軸受用環状凹部211の座ぐり深さDtおよびローラ軸部231のローラ230の両端面からの突出量Drjは、Dt<Drjを満足するようにそれぞれ形成されている。
したがって、チェーン稼動時にローラ230が内プレート210に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、摺接抵抗の小さいローラ軸部231の端面とローラ軸受用環状凹部211の座面211bとが互いに接触して、摺接抵抗の大きい内プレート210の内側面とローラ230の両端面とが接触することを完全に阻止するので、ローラ230の転動抵抗が小さく、チェーン稼動時にローラ230が円滑に転動しながらスプロケットに噛み合うため、チェーンの摩耗を防止できる。
したがって、チェーン稼動時にローラ230が内プレート210に対してチェーン幅方向に片寄った際にも、摺接抵抗の小さいローラ軸部231の端面とローラ軸受用環状凹部211の座面211bとが互いに接触して、摺接抵抗の大きい内プレート210の内側面とローラ230の両端面とが接触することを完全に阻止するので、ローラ230の転動抵抗が小さく、チェーン稼動時にローラ230が円滑に転動しながらスプロケットに噛み合うため、チェーンの摩耗を防止できる。
ローラ軸受用環状凹部211の座面211bの外径Wti、ローラ軸部231の外径Wrj、ローラ230の内径Wri、およびブシュ220の外径Wbは、Wti−Wrj>Wri−Wbを満足するようにそれぞれ形成されている。
したがって、ローラ230がブシュ220に対してチェーン進行方向に片寄った際に、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面とが接触して、ローラ軸部231の外周面とローラ軸受用環状凹部211の内周面とが互いに接触することを阻止するので、ローラ軸部231の外周面とローラ軸受用環状凹部211の内周面との摺動接触に起因する摩耗粉がローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に侵入して、このような摩耗粉が研摩剤となってローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間で生じがちな異常な摩耗損傷を防止できるなど、その効果は甚大である。
したがって、ローラ230がブシュ220に対してチェーン進行方向に片寄った際に、ローラ230の内周面とブシュ220の外周面とが接触して、ローラ軸部231の外周面とローラ軸受用環状凹部211の内周面とが互いに接触することを阻止するので、ローラ軸部231の外周面とローラ軸受用環状凹部211の内周面との摺動接触に起因する摩耗粉がローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間に侵入して、このような摩耗粉が研摩剤となってローラ230の内周面とブシュ220の外周面との間で生じがちな異常な摩耗損傷を防止できるなど、その効果は甚大である。
つぎに、本発明の第3実施例である搬送用長寿命チェーン300について、図8に基づいて以下に説明する。
ここで、本発明の第3実施例である搬送用長寿命チェーン300におけるブシュ320以外の構成は、前述した第1実施例の搬送用長寿命チェーン100または第2実施例の搬送用長寿命チェーン200と全く同じであるため、第1実施例の搬送用長寿命チェーン100または第2実施例の搬送用長寿命チェーン200に関する明細書、および、図1乃至図4に示す100番台の符号または図5乃至図7に示す200番台の符号を300番台の符号に読み替えることによって、ブシュ320以外の構成についてはその説明を省略する。
ここで、本発明の第3実施例である搬送用長寿命チェーン300におけるブシュ320以外の構成は、前述した第1実施例の搬送用長寿命チェーン100または第2実施例の搬送用長寿命チェーン200と全く同じであるため、第1実施例の搬送用長寿命チェーン100または第2実施例の搬送用長寿命チェーン200に関する明細書、および、図1乃至図4に示す100番台の符号または図5乃至図7に示す200番台の符号を300番台の符号に読み替えることによって、ブシュ320以外の構成についてはその説明を省略する。
そこで、本実施例の搬送用長寿命チェーン300が最も特徴とするブシュ320の具体的な形態について詳しく説明する。
すなわち、図8に示すように、第3実施例の搬送用長寿命チェーン300におけるブシュ320の外周面には、ローラ(図示しない)の内周面とブシュ320の外周面との間に潤滑油を供給するDカット形状の油溜り溝321が刻設されており、より多くの潤滑油を封入してローラの内周面とブシュ320の外周面との間に潤滑油を継続的に供給するようになっている。
すなわち、図8に示すように、第3実施例の搬送用長寿命チェーン300におけるブシュ320の外周面には、ローラ(図示しない)の内周面とブシュ320の外周面との間に潤滑油を供給するDカット形状の油溜り溝321が刻設されており、より多くの潤滑油を封入してローラの内周面とブシュ320の外周面との間に潤滑油を継続的に供給するようになっている。
このようにして得られた本実施例の搬送用長寿命チェーン300は、ローラの内周面とブシュ320の外周面との間に潤滑剤を供給する油溜り溝321が、ブシュ320の外周面に刻設されている。
したがって、より多くの潤滑油を封入してローラの内周面とブシュ320の外周面との間に潤滑油を継続的に供給するので、ローラの内周面とブシュ320の外周面の摺接摩耗を長期に亘って低減でき、ローラとブシュ320との間で発生する摺動音や焼付きを防止できるとともに、スプロケットとの噛み合い時にローラが円滑に転動しながら噛み合うため、チェーンの摩耗を防止できるなど、その効果は甚大である。
したがって、より多くの潤滑油を封入してローラの内周面とブシュ320の外周面との間に潤滑油を継続的に供給するので、ローラの内周面とブシュ320の外周面の摺接摩耗を長期に亘って低減でき、ローラとブシュ320との間で発生する摺動音や焼付きを防止できるとともに、スプロケットとの噛み合い時にローラが円滑に転動しながら噛み合うため、チェーンの摩耗を防止できるなど、その効果は甚大である。
つぎに、本発明の第4実施例である搬送用長寿命チェーン400について、図9に基づいて以下に説明する。
ここで、本発明の第4実施例である搬送用長寿命チェーン400におけるブシュ420以外の構成は、前述した第1実施例の搬送用長寿命チェーン100または第2実施例の搬送用長寿命チェーン200と全く同じであるため、第1実施例の搬送用長寿命チェーン100または第2実施例の搬送用長寿命チェーン200に関する明細書、および、図1乃至図4に示す100番台の符号または図5乃至図7に示す200番台の符号を400番台の符号に読み替えることによって、ブシュ420以外の構成についてはその説明を省略する。
ここで、本発明の第4実施例である搬送用長寿命チェーン400におけるブシュ420以外の構成は、前述した第1実施例の搬送用長寿命チェーン100または第2実施例の搬送用長寿命チェーン200と全く同じであるため、第1実施例の搬送用長寿命チェーン100または第2実施例の搬送用長寿命チェーン200に関する明細書、および、図1乃至図4に示す100番台の符号または図5乃至図7に示す200番台の符号を400番台の符号に読み替えることによって、ブシュ420以外の構成についてはその説明を省略する。
そこで、本実施例の搬送用長寿命チェーン400が最も特徴とするブシュ420の具体的な形態について詳しく説明する。
すなわち、第4実施例の搬送用長寿命チェーン400におけるブシュ420は、図9に示すように、焼結含油金属材料、すなわち、その内部に無数の気孔422を有するように金属粉末を圧縮成形して融解点以下の温度で焼結することで得られた多孔質材に潤滑油を含浸させた金属材料から成形されており、そのため、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュ420の内部に形成された無数の気孔422に含浸された潤滑油がローラ(図示しない)の内周面とブシュ420の外周面との間に徐々に滲み出すようになっている。
なお、この焼結含油金属材料は、鉄、銅、ニッケル、クロムモリブデン鋼などを配合してなる混合金属粉末を圧縮形成するとともに6.0g/cm3〜7.0g/cm3の焼結密度で焼結することで成形されており、そのため、ブシュ420は、チェーン張力に起因する剪断力および衝撃力を受けるための強靱性能と、多くの潤滑油を含浸させて長期に亘ってローラとブシュ420との間に潤滑油を供給する含油性能および徐放性能の両方をバランス良く兼ね備えて充分に発揮するようになっている。
また、本実施例の搬送用長寿命チェーン400では、潤滑油としてポリαオレフィンやポリオールエステルなどの合成系炭化水素を基油とする合成油を採用しており、優れた粘性、潤滑性、耐劣化性を発揮して、ブシュ420の内部に形成された気孔422に目詰まりを生じさせることなくブシュ420の気孔422から長期に亘って安定してローラとブシュ420との間に滲み出て摺接摩耗を抑制するようになっている。
すなわち、第4実施例の搬送用長寿命チェーン400におけるブシュ420は、図9に示すように、焼結含油金属材料、すなわち、その内部に無数の気孔422を有するように金属粉末を圧縮成形して融解点以下の温度で焼結することで得られた多孔質材に潤滑油を含浸させた金属材料から成形されており、そのため、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュ420の内部に形成された無数の気孔422に含浸された潤滑油がローラ(図示しない)の内周面とブシュ420の外周面との間に徐々に滲み出すようになっている。
なお、この焼結含油金属材料は、鉄、銅、ニッケル、クロムモリブデン鋼などを配合してなる混合金属粉末を圧縮形成するとともに6.0g/cm3〜7.0g/cm3の焼結密度で焼結することで成形されており、そのため、ブシュ420は、チェーン張力に起因する剪断力および衝撃力を受けるための強靱性能と、多くの潤滑油を含浸させて長期に亘ってローラとブシュ420との間に潤滑油を供給する含油性能および徐放性能の両方をバランス良く兼ね備えて充分に発揮するようになっている。
また、本実施例の搬送用長寿命チェーン400では、潤滑油としてポリαオレフィンやポリオールエステルなどの合成系炭化水素を基油とする合成油を採用しており、優れた粘性、潤滑性、耐劣化性を発揮して、ブシュ420の内部に形成された気孔422に目詰まりを生じさせることなくブシュ420の気孔422から長期に亘って安定してローラとブシュ420との間に滲み出て摺接摩耗を抑制するようになっている。
このようにして得られた本実施例の搬送用長寿命チェーン400は、ブシュ420が潤滑油を含浸させた焼結含油金属材料から成形されている。
したがって、ローラとブシュ420との間に潤滑油が充分に供給されてない状態となっても、ブシュ420が優れた潤滑油の徐放性を発揮して、すなわち、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュ420の内部に形成された無数の気孔422に含浸された潤滑油がローラとブシュ420との間に徐々に滲み出すので、ローラの内周面とブシュ420の外周面との間の摺接摩耗を低減でき、また、焼結含油金属材料からなるブシュ420は何らの加工を施していない通常のブシュと同形状を呈しており、通常のブシュと同様に取り扱うことができるので、チェーン切り継ぎなどの分解組み付け作業を簡便に達成できるなど、その効果は甚大である。
したがって、ローラとブシュ420との間に潤滑油が充分に供給されてない状態となっても、ブシュ420が優れた潤滑油の徐放性を発揮して、すなわち、チェーン稼動時の周回走行によって生じる遠心力などに起因してブシュ420の内部に形成された無数の気孔422に含浸された潤滑油がローラとブシュ420との間に徐々に滲み出すので、ローラの内周面とブシュ420の外周面との間の摺接摩耗を低減でき、また、焼結含油金属材料からなるブシュ420は何らの加工を施していない通常のブシュと同形状を呈しており、通常のブシュと同様に取り扱うことができるので、チェーン切り継ぎなどの分解組み付け作業を簡便に達成できるなど、その効果は甚大である。
100、200、300、400 ・・・ 搬送用長寿命チェーン
110、210 ・・・ 内プレート
111、211 ・・・ ローラ軸受用環状凹部
111a、211a ・・・ 膨出面
111b、211b ・・・ 座面
120、220、320、420 ・・・ ブシュ
130、230 ・・・ ローラ
140、240 ・・・ 連結ピン
150、250 ・・・ 外プレート
212 ・・・ ラビリンス構造形成粗面
231 ・・・ ローラ軸部
232 ・・・ ラビリンス構造形成粗面
321 ・・・ 油溜り溝
422 ・・・ 気孔
L1、L2 ・・・ 油溜り用ラビリンス構造
110、210 ・・・ 内プレート
111、211 ・・・ ローラ軸受用環状凹部
111a、211a ・・・ 膨出面
111b、211b ・・・ 座面
120、220、320、420 ・・・ ブシュ
130、230 ・・・ ローラ
140、240 ・・・ 連結ピン
150、250 ・・・ 外プレート
212 ・・・ ラビリンス構造形成粗面
231 ・・・ ローラ軸部
232 ・・・ ラビリンス構造形成粗面
321 ・・・ 油溜り溝
422 ・・・ 気孔
L1、L2 ・・・ 油溜り用ラビリンス構造
Claims (6)
- 左右一対で離間配置された内プレートと該内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合された前後一対のブシュと該ブシュに対して回転自在に外嵌された前後一対のローラと前記ブシュ内に対して回転自在に挿通された前後一対の連結ピンと該連結ピンの両端にピン孔を圧入嵌合させて内プレートをチェーン長手方向に連結する左右一対の外プレートとを備え、前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を封入してなる搬送用長寿命チェーンにおいて、
前記ローラの両端が、前記内プレートの内側面を凹陥させて外側面へ膨出させたオフセット状態のローラ軸受用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されていることを特徴とする搬送用長寿命チェーン。 - 前記ローラの両端から内プレートに向けて突出形成した小径のローラ軸部が、前記ローラ軸受用環状凹部によりそれぞれ囲繞支持されていることを特徴とする請求項1記載の搬送用長寿命チェーン。
- 前記ローラ軸受用環状凹部が、前記内プレートの内側面を凹陥させて外側面へオフセット状態で膨出させるプレス加工により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の搬送用長寿命チェーン。
- 前記ローラの内周面とブシュの外周面との間に潤滑油を供給する油溜り溝が、前記ブシュの外周面に刻設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の搬送用長寿命チェーン。
- 前記ブシュが、前記潤滑油を含浸させた焼結含油金属材料から成形されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の搬送用長寿命チェーン。
- 前記ローラ軸受用環状凹部の膨出面が、前記ローラ軸受用環状凹部の座面より大きな外径を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の搬送用長寿命チェーン。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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-
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- 2007-08-24 JP JP2007218663A patent/JP2009052624A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11499605B2 (en) | 2016-11-04 | 2022-11-15 | Tsubakimoto Chain Co. | Seal chain |
DE112017005574B4 (de) | 2016-11-04 | 2024-06-20 | Tsubakimoto Chain Co. | Dichtkette |
CN109319385A (zh) * | 2018-10-21 | 2019-02-12 | 湖南精正设备制造有限公司 | 一种减少卡物的传动链 |
CN109319385B (zh) * | 2018-10-21 | 2020-04-14 | 湖南精正设备制造有限公司 | 一种减少卡物的传动链 |
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