JP2008266597A - 重合ロジン、水素化重合ロジン、およびこれらの製造方法、ならびにこれらを用いたはんだ用フラックスおよびソルダーペースト - Google Patents
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Abstract
【目的】色調が良好であり、かつ加熱下で保存しても安定性が良好(加熱安定性が良好)であり、さらに長期間保存した後に問題なく水素化(淡色化)ができる重合ロジンおよび色調および加熱安定性が良好な水素化重合ロジン、および色調が良好なはんだ用フラックスおよびソルダーペーストを提供する。
【解決手段】硫酸系触媒を用いて得られる重合ロジン(A)を脱硫処理することにより得られる、酸化防止剤の硫黄分を除いた硫黄分の含有量が100ppm以下の重合ロジン(A1)およびこれを水素化して得られる水素化重合ロジンとする。前記重合ロジンまたは水素化重合ロジンを含有するはんだ用フラックス、およびはんだフラックスにはんだ粉末を含有するソルダーペーストを用いる。
【選択図】なし
【解決手段】硫酸系触媒を用いて得られる重合ロジン(A)を脱硫処理することにより得られる、酸化防止剤の硫黄分を除いた硫黄分の含有量が100ppm以下の重合ロジン(A1)およびこれを水素化して得られる水素化重合ロジンとする。前記重合ロジンまたは水素化重合ロジンを含有するはんだ用フラックス、およびはんだフラックスにはんだ粉末を含有するソルダーペーストを用いる。
【選択図】なし
Description
本願発明は、重合ロジン、水素化重合ロジン、およびこれらの製造方法、はんだ用フラックスおよびソルダーペーストに関する。
重合ロジンはロジン類を重合させて得られる樹脂であり、ロジン等と比較して、高い軟化点を有するため、そのままあるいは水素化により安定化させることにより、はんだフラックスや粘着付与剤として広く使用されている。
従来、重合ロジンの製造方法としては、生産性が優れることから、塩化亜鉛や硫酸を用いる方法(硫酸塩化亜鉛法)が採用されている(非特許文献1参照)。また、さらに生産性が高く、簡便な方法を見出すべく、様々な方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、触媒として、ペンダントスルホン酸基を有する高分子を触媒として用いる技術が開示されている。また、特許文献2には、脂肪族スルホン酸を触媒として用いる技術などが開示されている。
例えば、特許文献1には、触媒として、ペンダントスルホン酸基を有する高分子を触媒として用いる技術が開示されている。また、特許文献2には、脂肪族スルホン酸を触媒として用いる技術などが開示されている。
ところで、従来より、重合ロジンは、淡色または無色のものがより望ましく、色調が品質の1つとして重要視されている。さらに、近年、はんだフラックスに重合ロジンが用いられているが、色調が良好な重合ロジンを用いたはんだフラックス等を用いることにより、見栄えが向上し、かつ洗浄工程を省略することができるメリットがあり、色調(加熱後も含む)が良好な重合ロジンがよりいっそう求められるようになった。
しかし、硫酸塩化亜鉛法等の生産性が良好な方法では、硫酸等の酸性触媒を用いるため、得られる樹脂には触媒または触媒の分解物に基因すると考えられる硫黄分が残存している(例えば、特許文献2の表1参照)。このようにして得られた重合ロジンは、加熱下で保存すると著しく着色し、長期間(約2ヶ月以上)保存した後に水素化をしても淡色化を十分に行なうことができないといった問題があった。
特許文献3には、無色重合ロジンの製造方法にかかる技術が開示されている。これらの製造方法は、精製したロジンを用いるものの、従来の硫黄分を含有する重合ロジン類を水素化または不均化等することにより無色重合ロジンを製造する方法であり、色調を良好にする効果がある。しかしながら、当該方法によって得られた無色重合ロジンは水素化や不均化を行っているため、例えば、不飽和カルボン酸等で変性することができず、用途が限定されるという問題がある。これらの方法は、ロジン類を精製した後、重合、エステル化させて、水素化するというものであり、あらかじめ重合ロジンを調製し、長期間保存した後に使用する場合には、やはり淡色化が不十分となる場合がある。
Zhong Qingyouら、「Effective Way to Improve the Quality ofPolymerized Rosin」Chemistry and Industry of Forest Products、1977年、第17巻 第4期 p.45−47
米国特許公報4414146号
特開2006−45396号公報
特開2002−201433号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、色調が良好で、かつ加熱下で保存しても(加熱)安定性が良好であり、さらに長期間保存した後に水素化等の処理を行っても問題なく水素化(淡色化)ができる、重合ロジンおよび色調、加熱安定性が良好な水素化重合ロジンおよび重合ロジンエステル、色調が良好なーはんだ用フラックスおよびソルダーペーストを提供することを目的とする。
本発明者は長期間保存した後に水素化した際に淡色化を十分に行なうことができない原因を追求した結果、重合ロジンの製造時に用いられる触媒の残存に起因する硫黄分が原因であり、重合ロジンまたは重合ロジンエステルに含まれる硫黄分を減少させることにより前記問題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、硫酸系触媒を用いて得られる重合ロジン(A)を脱硫処理することにより得られる、酸化防止剤の硫黄分を除いた硫黄分の含有量が100ppm以下の重合ロジン(A1);前記重合ロジン(A1)を水素化することにより得られる、酸化防止剤の硫黄分を除いた硫黄分の含有量が100ppm以下の水素化重合ロジン;前記重合ロジン(A)を脱硫処理することを特徴とする、前記重合ロジン(A1)の製造方法;前記脱硫処理が、脱硫触媒の存在下、100〜300℃で処理されてなることを特徴とする、前記重合ロジン(A1)の製造方法;前記重合ロジン(A1)を水素化することを特徴とする、水素化重合ロジンの製造方法;前記重合ロジン(A)を水素化して得られる水素化重合ロジンを脱硫処理して得られる、酸化防止剤の硫黄分を除いた硫黄分の含有量が100ppm以下である水素化重合ロジンの製造方法;前記脱硫処理が、脱硫触媒の存在下、100〜300℃で処理されてなることを特徴とする、前記水素化重合ロジンの製造方法;前記重合ロジン(A1)または前記水素化重合ロジンを含有するはんだ用フラックス;前記重合ロジン(A1)または前記水素化重合ロジンの含有量が6〜55重量%である前記はんだ用フラックス;活性剤(B)、添加剤(C)および溶剤(D)がさらに含有されてなる、前記はんだ用フラックス;前記はんだ用フラックスおよびはんだ粉末を含有するソルダーペーストに関する。
本発明によれば、色調が良好であり、かつ加熱下で保存しても安定性が良好(加熱安定性が良好)であり、さらに長期間保存した後に水素化等の処理を行っても問題なく水素化ができる重合ロジンおよび色調および加熱安定性が良好な水素化重合ロジンを提供することができる。
また、本発明により得られる重合ロジン、水素化重合ロジンは、色調が良好で、かつ硫黄分の含有量が少ないため、はんだ付用フラックスとして好適に用いることができる。また、色調や加熱安定性が良好なことから粘着付与樹脂としても有用である。
本発明で用いる硫黄分の含有量(ただし、酸化防止剤による分を除く)が100ppm以下の重合ロジン(A1)(以下、(A1)成分という)は、公知の重合ロジンの硫黄分を低減させたものである。硫黄分の含有量が100ppmを超える場合には、長期保存後に水素化しても一部淡色化が十分にできない場合が生じ、また、加熱安定性が悪くなる。なお、本発明において硫黄分の量は、蛍光X線分析(ZSK100e、理学電気工業(株)製)で測定した値である。
重合ロジン(A)(以下、(A)成分という)の製造は、ロジンを公知の方法で重合させることにより得られる。ロジンとしては、ウッドロジン、トール油ロジン、ガムロジン等を用いることができる。これらは未精製のまま使用してもよいが、色調が良好な重合ロジンエステル(ガードナー色数が8以下)を得るためには、ロジンを精製して用いることが好ましい。本発明において色調(ガードナー色数)とは、対象となる樹脂10gを試験管にとり、窒素気流下、加熱溶融させたものをキシダ化学(株)製ガードナー色数標準液と比色することにより決定した値である。(以下色調(ガードナー色数)は、本方法により測定した値である。)ロジンの精製とは、出発原料である未精製ロジンに含まれる過酸化物から生起したと考えられる高分子量物、およびロジンにもともと含まれている不ケン化物を除去することを意味する。精製方法としては、具体的には、例えば、蒸留、再結晶、抽出等の操作を行なえばよく、工業的には蒸留による精製が好ましい。蒸留による場合は、通常は温度200〜300℃、圧力130〜1300Paの範囲から蒸留時間を考慮して適宜選択される。再結晶の場合は、例えば未精製ロジンを良溶媒に溶解し、次いで溶媒を留去して濃厚な溶液となし、この溶液に貧溶媒を添加することにより行なうことができる。良溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、低級アルコール、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等の酢酸エステル類等が挙げられ、貧溶媒としてはn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、イソオクタン等の炭化水素系溶剤が挙げられる。更に前記精製は未精製ロジンを、アルカリ水を用いてアルカリ水溶液となし、生じた不溶性の不ケン化物を有機溶媒により抽出したのち水層を中和して、精製ロジンを得ることもできる。
本発明で用いられる重合ロジンは、前記ロジンを、通常、硫酸系触媒存在下、有機溶剤中で、40〜160℃程度で、1〜10時間程度反応させることにより得られる。硫酸系触媒としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、スチレン−ジビニルベンゼン等の共重合体スルホン化物等が挙げられる。また、硫酸系触媒に加え、ぎ酸、フッ化水素、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化チタン等も併用できるが、ロジンの脱炭酸等の副反応が少なく、反応活性が良好なことから、塩化亜鉛および硫酸を用いることが好ましい。また、有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応終了後、触媒を除去するには、通常、水洗、ろ過等の各種公知の方法を採用することができる。また、未反応ロジンおよび分解物は減圧蒸留により除去することができる。
こうして得られる(A)成分は、通常、未反応物としてのロジン(単量体)、ロジンが二量化したダイマー成分、ダイマー成分より大きな分子量を持つ成分などの混合物であり、色調(ガードナー色数)は4〜7程度である。本発明で用いる(A)成分中のダイマー成分含有率は、特に限定されず、最終的に得られる重合ロジン(A1)や水素化重合ロジンの用途に応じて決定すればよい。通常は10〜85重量%程度、好ましくは20〜80重量%である。なお、このようにして得られた重合ロジンは、通常、重金属分を含有せず(蛍光X線分析で検出限界以下)、塩素含有量は100ppm以下、硫黄分含有量は、200ppm程度以上である。当該硫黄分は、重合反応時に用いる硫酸系触媒またはその分解物が、ロジン等と反応することにより、ロジン等と結合していると考えられ、通常の洗浄、蒸留等では除去することができないと考えられる。
当該ロジン等と反応した硫黄分を除去する方法(脱硫処理)としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、脱硫触媒の存在下、通常0.1〜5MPa程度、好ましくは0.1〜3MPaの水素雰囲気下で(A)成分を加熱する方法が挙げられる。なお、当該加熱時間は特に限定されないが、通常、0.1〜5時間程度、好ましくは0.3〜3時間である。圧力および加熱時間を当該範囲に維持することで、(A)成分中に存在する炭素−炭素二重結合の水素化を抑制することができるため、得られた(A1)成分に各種変性等を行なうことができる。脱硫触媒としては、特に限定されず公知のものを使用することができる。例えば、パラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、白金カーボンなどの担持触媒、ニッケル、白金などの金属粉末触媒、ニッケルモリブデン系やコバルトモリブデン系等の金属複合酸化物触媒若しくは金属複合硫化物触媒、ヨウ素、ヨウ化鉄等のヨウ化物触媒が挙げられる。脱硫触媒の使用量は、特に限定されないが、通常、(A)成分100重量部に対し、0.01〜5.0重量部程度、好ましくは0.01〜2.0重量部である。当該範囲にすることで、効率的に硫黄分を除去し、(A)成分中に存在する炭素−炭素二重結合の水素化を抑制することができる。また、加熱は、通常、100〜300℃程度、好ましくは150〜270℃とする。加熱温度を当該範囲にすることにより、効率的に硫黄分を除去し、重合ロジン中に存在する炭素−炭素二重結合の水素化を抑制することができる。
このようにして得られた(A1)成分は、硫黄分が、100ppm以下であり、原料として未精製ロジンを用いた場合には、色調が6〜11G(ガードナー色数)程度で、軟化点(環球法、JIS K5902による。以下、軟化点は、本方法により測定した値である。)が90〜160℃程度である。なお、原料として、精製ロジンを用いた場合には、色調が4〜7(ガードナー色数)程度で、軟化点が90〜160℃程度である。
前記方法により得られた(A1)成分は、水素化することで、加熱安定性をさらに向上させた水素化重合ロジンとすることができる。
水素化は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば、水素化触媒の存在下、通常1〜25MPa、好ましくは5〜20MPaの水素加圧下で、0.5〜7時間程度、好ましくは1〜5時間、(A1)成分を加熱する方法が挙げられる。水素化触媒としては、パラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、白金カーボンなどの担持触媒、ニッケル、白金等の金属粉末、ヨウ素、ヨウ化鉄等のヨウ化物等、各種公知のものを使用することができる。該触媒の使用量は、重合ロジン100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜3.0重量部である。また、水素化温度は100〜350℃、好ましくは150〜300℃である。
このようにして得られた水素化重合ロジンは、硫黄分の含有量が100ppm以下である。特に(A)成分の製造の際、精製ロジンを用いた場合には、色調(ガードナー色数)が2以下、ハーゼン色数(APHA法:日本油化学協会 基準油脂分析試験法2.2.1.4−1996による。以下、色調(ハーゼン色数)は本方法により測定した値である。)で30〜300程度、好ましくは30〜200であり、軟化点は90〜160℃程度、好ましくは95〜150℃である。また、重量平均分子量(ゲルパーメーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算値)は350〜650程度、好ましくは400〜600であり、酸価(JIS K5902による。以下、酸価は本方法により測定した値である。)は130〜160mgKOH/g程度、好ましくは135〜155mgKOH/gである。また、水素化重合ロジン中のダイマー成分含有率は、通常は、10〜85重量%程度、好ましくは20〜80重量%とされる。なお、(A1)成分を脱硫および水素化しても、重合物含有率は、脱硫および水素化の前後でほとんど変化しない。
なお、本発明の重合ロジン、水素化重合ロジンには、公知のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤など各種の添加剤を添加することができる。
本発明の脱硫重合ロジン(A1)および/または水素化重合ロジン(はんだ用フラックス用途の説明においては、本発明の脱硫重合ロジン(A1)および/または水素化重合ロジンを単にベース樹脂(1)という。)は、色調が良好なうえ、特に硫黄分の残存量が少ないため、はんだ用フラックス、特に、鉛フリーはんだ用フラックスに好適に用いることができる。
ベース樹脂(1)は、通常、はんだ用フラックス100重量部に対し6〜55重量部程度、好ましくは9〜45重量部、特に好ましくは18〜40重量部となるように使用する。当該範囲にすることによりボイドの低減を容易に行うことができ、はんだボールの発生等を防止することができるため好ましい。
なお、本発明のはんだ用フラックスでは、ベース樹脂(1)にさらにベース樹脂(1)にモノアルコールを反応させたモノアルコールエステル類や、100〜300程度の酸価を有する合成レジン等を併用することができる。該合成レジンとしては、通常、はんだ用フラックスに用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フッ素系樹脂またはABS樹脂のうち単体または複数を配合したものを例示できる。なお、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴムまたはナイロンゴム等の合成ゴムや、ナイロン系エラストマまたはポリエステル系エラストマ等のエラストマを単独でまたは複数を併用してもよい。これらベース樹脂(1)以外の成分を用いる場合には、ベース樹脂(1)100重量部に対し、通常0〜20重量部程度の範囲で用いればよい。
本発明のはんだ用フラックスは、通常、ベース樹脂(1)に加え、活性剤(2)、添加剤(3)および溶剤(4)を含有する。
活性剤(2)としては、はんだ用フラックスに用いることができる活性剤であれば特に限定なく使用することができる。具体的には、リフロー処理のプリヒートで活性化する有機酸系化合物やメインヒートで活性化するハロゲン化物、あるいはプリヒートからメインヒートまで活性力を示す化合物等を用いることができる。該有機酸系化合物としては、例えばコハク酸、安息香酸、アジピン酸、アビエチン酸、グルタル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ギ酸またはアゼライン酸等を例示できる。また、該ハロゲン化合物としては、例えばエチルアミン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン臭素酸塩、ジエチルアミン臭素酸塩、メチルアミン臭素酸塩、プロペンジオール塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、3−アミノ−1−プロペン塩酸塩、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、O−アニシジン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩またはP−アミノフエノール塩酸塩等を例示できる。また、該プリヒートからメインヒートまで活性力を示しうる活性剤としては、例えば第4級アンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドまたはアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらは適宜に併用してもよい。活性剤(2)の含有量は、はんだ用フラックス100重量部に対し、通常0.1〜10重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.1〜3重量部である。
添加剤(3)としては、はんだ用フラックスに用いることができる公知の添加剤を用いることができる。具体的には、例えば、各種公知の酸化防止剤、チキソトロピック剤等を用いることができる。酸化防止剤としては、例えばトリブチルアミン、テトラブチルアンモニウムブロマイド、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、パラ−tert−アミルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、trans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール等を例示できる。またチキソトロピック剤としては、例えばひまし油、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等を例示できる。なお、添加剤としては、「ボソツキ(あるいはバサツキ)」や「皮張り」(ソルダーペーストの保存中にハンダボールがフラックス中の活性剤等と反応してその粘度に変化が生じたり、ペースト表面が皮を張ったように硬くなったり、更にはクリーム全体の粘稠性が失われる等の経時変化をいう)を防止するために、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールおよび3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール等のアセチレンアルコール系化合物(特開2000−263281号公報参照)を任意に用いてもよい。添加剤(3)の含有量は、通常、はんだ用フラックス100重量部に対し、0.1〜10重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部である。また、添加剤(3)としてチキソトロピック剤を用いる場合には、これを3〜10重量%程度用いればよく、またアセチレンアルコール系化合物を用いる場合には、これを0.1〜5重量部程度用いればよい。
溶剤(4)としては、はんだ用フラックスに用いうる各種公知の溶剤であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシルグリコール、オクタンジオール、エチルヘキシルグリコール、ベンジルアルコール、1,3
−ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、テルピネオール等のアルコール類;安息香酸ブチル、アジピン酸ジエエチル、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート等のエステル類;ドデカン、テトラデセン等の炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類を例示できる。なお、はんだの溶融温度は前記したように非常に高いので、これらの中でも150〜300℃程度、好ましくは220〜250℃の範囲に沸点を有するものが好ましい。なおフラックスにおける溶剤(4)の含有量は、はんだ用フラックス100重量部に対し、通常20〜85重量部程度、好ましくは25〜85重量部、更に好ましくは30〜80重量部である。
−ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、テルピネオール等のアルコール類;安息香酸ブチル、アジピン酸ジエエチル、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート等のエステル類;ドデカン、テトラデセン等の炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類を例示できる。なお、はんだの溶融温度は前記したように非常に高いので、これらの中でも150〜300℃程度、好ましくは220〜250℃の範囲に沸点を有するものが好ましい。なおフラックスにおける溶剤(4)の含有量は、はんだ用フラックス100重量部に対し、通常20〜85重量部程度、好ましくは25〜85重量部、更に好ましくは30〜80重量部である。
本発明に係るフラックスはベース樹脂(1)、活性剤(2)、添加剤(3)、溶剤(4)を公知手段で混錬することにより得ることができる。その際の条件(温度、圧力等)は特に限定されない。混錬手段としては、例えばプラネタリーミル等を用いうる。
本発明のソルダーペーストは、本発明のはんだ用フラックスと各種公知のはんだ粉末とを、プラネタリーミル等の公知混合手段で混錬して得られるクリーム状の組成物である。
鉛フリーはんだ粉末としては、Snはんだ粉、Sn−Ag系はんだ粉、Sn−Cu系はんだ粉、Sn−Zn系はんだ粉、Sn−Sb系はんだ粉を例示できる。なお、該Sn−Ag系はんだ粉としては、Sn−Agはんだ粉、Sn−Ag−Cuはんだ粉、Sn−Ag−Biはんだ粉、Sn−Ag−Cu−Biはんだ粉、Sn−Ag−Cu−Inはんだ粉、Sn−Ag−Cu−Sはんだ粉、およびSn−Ag−Cu−Ni−Geはんだ粉等を例示できる。
なお、本発明に係るフラックスは鉛フリーはんだ用途を意図したものであるが、従来の鉛共晶ハンダ用途に供することもできる。鉛共晶ハンダ粉としては、Sn−Pb系ハンダ粉、Sn−Pb−Ag系ハンダ粉、Sn−Pb−Bi系ハンダ粉、In−Pb系ハンダ粉、Pb−Ag系ハンダ粉等を例示できる。
また、本発明のソルダーペーストは、通常、フラックスと鉛フリーはんだ粉末の固形分重量比を、通常は前者:後者が5:95〜20:80程度となるようにすればよい。鉛共晶はんだ粉末の場合でも同様である。なお、かかる範囲内である限り、ソルダーペーストに、さらに前記添加剤(3)や溶剤(4)、その他の添加物を任意に用いることができる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、各例中、%は重量基準である。なお、軟化点(環球法)はJIS K5902で、酸価は、JIS K5902で、色調のガードナー色数は、対象となる樹脂10gを試験管にとり、窒素気流下、加熱溶融させたものをキシダ化学(株)製ガードナー色数標準液と比色することにより決定した値である。以下色調(ガードナー色数)は本方法により測定した値であり、ハーゼン色数はAPHA法(日本油化学協会 基準油脂分析試験法2.2.1.4−1996による)により決定した値である。また、イオウ量は蛍光X線分析(ZSK100e、理学電気工業株式会社製)で測定した値である。
実施例1
(1)精製
酸価170.0mgKOH/g、軟化点78℃、色調ガードナー6の未精製ロジン(中国産ガムロジン)を窒素シール下に400Paの減圧下で蒸留し、表1に示す主留を精製ロジンとした。当該精製ロジンは、酸価178.4mgKOH/g、軟化点88℃、色調(ガードナー色数)3であった。
(1)精製
酸価170.0mgKOH/g、軟化点78℃、色調ガードナー6の未精製ロジン(中国産ガムロジン)を窒素シール下に400Paの減圧下で蒸留し、表1に示す主留を精製ロジンとした。当該精製ロジンは、酸価178.4mgKOH/g、軟化点88℃、色調(ガードナー色数)3であった。
(2)重合反応
温度計、攪拌機、窒素導入管および減圧装置を備えた反応装置に、(1)で得られた精製ロジン900g、キシレン900g、塩化亜鉛40gおよび硫酸6.0gを仕込み、窒素気流下100℃で6時間、重合反応を行なった。反応生成物のキシレン溶液1845.9gを濃塩酸7gおよび温水500gを加えて洗浄した後、更に各500gの温水にて2回洗浄した。洗浄後のキシレン溶液は液温200℃未満、減圧度1300Paの条件下でキシレンを留去した後、更に液温200〜275℃、減圧度400Paの条件下で精製ロジンの分解物および未反応精製ロジン計70gを留去して、酸価135.3mgKOH/g、軟化点146℃、色調(ガードナー色数)5の精製重合ロジン471gを得た。GPC測定により、当該精製重合ロジン中の重合物含有率は71.3%、単量体(精製ロジン)は27.2%、分解物は1.6%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該精製重合ロジン中の硫黄量は203ppmであることが認められた。
温度計、攪拌機、窒素導入管および減圧装置を備えた反応装置に、(1)で得られた精製ロジン900g、キシレン900g、塩化亜鉛40gおよび硫酸6.0gを仕込み、窒素気流下100℃で6時間、重合反応を行なった。反応生成物のキシレン溶液1845.9gを濃塩酸7gおよび温水500gを加えて洗浄した後、更に各500gの温水にて2回洗浄した。洗浄後のキシレン溶液は液温200℃未満、減圧度1300Paの条件下でキシレンを留去した後、更に液温200〜275℃、減圧度400Paの条件下で精製ロジンの分解物および未反応精製ロジン計70gを留去して、酸価135.3mgKOH/g、軟化点146℃、色調(ガードナー色数)5の精製重合ロジン471gを得た。GPC測定により、当該精製重合ロジン中の重合物含有率は71.3%、単量体(精製ロジン)は27.2%、分解物は1.6%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該精製重合ロジン中の硫黄量は203ppmであることが認められた。
(3)脱硫反応
ついでオートクレーブ反応装置に、(2)で得た精製重合ロジン150g、脱硫触媒(N−113、日揮化学(株)製)3.0g、およびシクロヘキサン150gを仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素にて3MPaに加圧後、攪拌下に240℃まで昇温して、同温度で1時間脱硫反応を行い、酸価137.0mgKOH/g、軟化点145℃、色調(ガードナー色数)5の脱硫精製重合ロジンを得た。GPC測定(面積比)により当該脱硫精製重合ロジン中の重合物含有率は71.0%、単量体(精製ロジン)は27.5%、分解物は1.5%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該脱硫精製重合ロジン中の硫黄量は95ppmであることが認められた。
ついでオートクレーブ反応装置に、(2)で得た精製重合ロジン150g、脱硫触媒(N−113、日揮化学(株)製)3.0g、およびシクロヘキサン150gを仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素にて3MPaに加圧後、攪拌下に240℃まで昇温して、同温度で1時間脱硫反応を行い、酸価137.0mgKOH/g、軟化点145℃、色調(ガードナー色数)5の脱硫精製重合ロジンを得た。GPC測定(面積比)により当該脱硫精製重合ロジン中の重合物含有率は71.0%、単量体(精製ロジン)は27.5%、分解物は1.5%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該脱硫精製重合ロジン中の硫黄量は95ppmであることが認められた。
実施例2
オートクレーブ反応装置に、実施例1で得られた脱硫精製重合ロジンを150g、水素化触媒として5%パラジウムカーボン(含水率50%)1.5g、およびシクロヘキサン150gを仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素にて9MPaに加圧後、撹拌下に240℃まで昇温して、同温度で3時間水素化反応を行い、酸価145.2mgKOH/g、軟化点140℃、色調(ハーゼン色数)50の無色重合ロジンを得た。GPC測定により、当該無色重合ロジン中の重合物含有率は70.3%、単量体(精製ロジンの水素化物)は27.7%、分解物は2.0%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該無色重合ロジン中の硫黄量は62ppmであることが認められた。
オートクレーブ反応装置に、実施例1で得られた脱硫精製重合ロジンを150g、水素化触媒として5%パラジウムカーボン(含水率50%)1.5g、およびシクロヘキサン150gを仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素にて9MPaに加圧後、撹拌下に240℃まで昇温して、同温度で3時間水素化反応を行い、酸価145.2mgKOH/g、軟化点140℃、色調(ハーゼン色数)50の無色重合ロジンを得た。GPC測定により、当該無色重合ロジン中の重合物含有率は70.3%、単量体(精製ロジンの水素化物)は27.7%、分解物は2.0%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該無色重合ロジン中の硫黄量は62ppmであることが認められた。
実施例3
重合ロジンを実施例1で得られた重合ロジンに代えて、実施例1と同様にして得られた重合ロジンを室温で、2ヶ月間大気中に保存したものを使用した以外は実施例2と同様にして水素化反応を行い、無色重合ロジンを得た。得られた無色重合ロジンは酸価144.4mgKOH/g、軟化点138℃、色調(ハーゼン色数)80であった。GPC測定により、当該無色重合ロジン中の重合物含有率は71.4%、単量体(精製ロジンの水素化物)は26.4%、分解物は2.2%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該無色重合ロジン中の硫黄量は66ppmであることが認められた。
重合ロジンを実施例1で得られた重合ロジンに代えて、実施例1と同様にして得られた重合ロジンを室温で、2ヶ月間大気中に保存したものを使用した以外は実施例2と同様にして水素化反応を行い、無色重合ロジンを得た。得られた無色重合ロジンは酸価144.4mgKOH/g、軟化点138℃、色調(ハーゼン色数)80であった。GPC測定により、当該無色重合ロジン中の重合物含有率は71.4%、単量体(精製ロジンの水素化物)は26.4%、分解物は2.2%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該無色重合ロジン中の硫黄量は66ppmであることが認められた。
比較例1(未精製重合ロジンの水素化物)
実施例1で得られた重合ロジン(脱硫処理したもの)を、未精製重合ロジン(原料ロジンを蒸留せずに実施例1の(2)と同様にして重合し、得られた重合ロジン(未脱硫))に代えた他は、実施例2と同様にして水素化重合ロジンを調製した。当該水素化重合ロジンは、酸価138.3mgKOH/g、軟化点140℃、色調(ガードナー色数)4であった。GPC測定により、当該水素化重合ロジン中の重合物含有率は70.7%、単量体(精製ロジンの水素化物)は26.8%、分解物は2.5%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該水素化重合ロジン中の硫黄量は112ppmであることが認められた。
実施例1で得られた重合ロジン(脱硫処理したもの)を、未精製重合ロジン(原料ロジンを蒸留せずに実施例1の(2)と同様にして重合し、得られた重合ロジン(未脱硫))に代えた他は、実施例2と同様にして水素化重合ロジンを調製した。当該水素化重合ロジンは、酸価138.3mgKOH/g、軟化点140℃、色調(ガードナー色数)4であった。GPC測定により、当該水素化重合ロジン中の重合物含有率は70.7%、単量体(精製ロジンの水素化物)は26.8%、分解物は2.5%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該水素化重合ロジン中の硫黄量は112ppmであることが認められた。
比較例2(未脱硫精製重合ロジンの水素化物)
実施例2で用いた実施例1で得られた重合ロジン(脱硫処理したもの)に代えて、実施例1の(2)で得られた重合ロジン(未脱硫)を室温で、2ヶ月間大気中に保存したものを使用した他は、実施例2と同様にして水素化重合ロジンを調製した。当該水素化物は、酸価142.3mgKOH/g、軟化点140℃、色調(ガードナー色数)3あった。GPC測定により、当該水添重合ロジン中の重合物含有率は71.8%、単量体(精製ロジンの水素化物)は25.9%、分解物は2.3%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該水添重合ロジン中の硫黄量は110ppmであることが認められた。
実施例2で用いた実施例1で得られた重合ロジン(脱硫処理したもの)に代えて、実施例1の(2)で得られた重合ロジン(未脱硫)を室温で、2ヶ月間大気中に保存したものを使用した他は、実施例2と同様にして水素化重合ロジンを調製した。当該水素化物は、酸価142.3mgKOH/g、軟化点140℃、色調(ガードナー色数)3あった。GPC測定により、当該水添重合ロジン中の重合物含有率は71.8%、単量体(精製ロジンの水素化物)は25.9%、分解物は2.3%であることが認められ、蛍光X線測定により、当該水添重合ロジン中の硫黄量は110ppmであることが認められた。
(性能評価)各実施例および比較例にて得た各種の重合ロジンを以下の条件にて性能評価した。結果は表2および表3に示す。
(加熱安定性)内径1.5cm、高さ15cmの試験管にサンプル10gを入れ、蓋をしないまま180℃の循風乾燥機に静置して経時による色調(ガードナー色数)の変化を観察した。
(溶媒溶解性)スクリュー管に各実施例および比較例で得られた重合ロジンとノルマルヘキシルジグリコール(HeDG)を計10gとなるように入れ(重合ロジンの含有量が30重量%、40重量%、50重量%となるようにする。)、各試料濃度のサンプルを調製する。調製したサンプルを2時間振とう器で振とうし、振とう後の試料のHeDGへの溶解性を評価した。
○:完全に溶解した、△:溶け残りはあるが1g以下である、×:溶け残り量が1gを超える
○:完全に溶解した、△:溶け残りはあるが1g以下である、×:溶け残り量が1gを超える
(結晶性)内径1.5cm、高さ15cmの試験管に各実施例および比較例で得られた重合ロジン2.5g、HeDG7.5gを入れ、加熱溶解後、試験管を封入し、結晶の析出を観察した。○:結晶析出なし、×:結晶が析出、あるいは濁る
表中、未脱硫重合ロジンとは、実施例1(2)で得られた脱硫処理をしていない重合ロジンを意味する。
表中、未脱硫重合ロジンとは、実施例1(2)で得られた脱硫処理をしていない重合ロジンを意味する。
表中、未脱硫重合ロジンとは、実施例1(2)で得られた脱硫処理をしていない重合ロジンを意味する。
これらのことから硫黄分の含有量が100ppmを超えるものでは、硫黄分の含有量が100ppm以下のものよりも加熱安定性が悪く、また、有機溶媒等に対する溶解性が悪いことが明らかである。
評価例1および2ならびに比較評価例1および2
実施例1、2、比較例2および実施例1(2)で得られた脱硫処理をしていない重合ロジンを用いてはんだ用フラックス、ソルダーペーストを調製し、評価を行った。
実施例1、2、比較例2および実施例1(2)で得られた脱硫処理をしていない重合ロジンを用いてはんだ用フラックス、ソルダーペーストを調製し、評価を行った。
(ソルダーペーストの調製)
表5に示す原料配合(表中の各成分の使用量は重量部を示す)でフラックスを調製した。次いで得られたフラックス11重量部に、Sn−Ag−Cu系ハンダ金属粉(Sn96.5重量%、Ag3重量%、Cu0.5重量%;商品名「Sn96.5/Ag3/Cu0.5」、三井金属鉱業(株)製)89重量部を加え、プラネタリーミルで1時間混練し、ソルダーペーストを調製した。
表5に示す原料配合(表中の各成分の使用量は重量部を示す)でフラックスを調製した。次いで得られたフラックス11重量部に、Sn−Ag−Cu系ハンダ金属粉(Sn96.5重量%、Ag3重量%、Cu0.5重量%;商品名「Sn96.5/Ag3/Cu0.5」、三井金属鉱業(株)製)89重量部を加え、プラネタリーミルで1時間混練し、ソルダーペーストを調製した。
<ハンダ付け:バンプ接合>
バンプ形成用試験基板(220μmピッチのハンダ付けランドを有する基板)に上記で得られたソルダーペーストを印刷し、窒素リフローによりハンダ付けを行い、これを試験片とした。印刷条件は下記の通りである。バンプ径は約100μmである。
バンプ形成用試験基板(220μmピッチのハンダ付けランドを有する基板)に上記で得られたソルダーペーストを印刷し、窒素リフローによりハンダ付けを行い、これを試験片とした。印刷条件は下記の通りである。バンプ径は約100μmである。
<印刷条件>
メタルマスク:厚さ70μmのレーザー加工品
メタルスキージ速度:20mm/秒
版離れ速度:0.1mm/秒
メタルマスク:厚さ70μmのレーザー加工品
メタルスキージ速度:20mm/秒
版離れ速度:0.1mm/秒
<リフロープロファイル>
プリヒート:150〜160℃で90秒
リフロー時のピーク温度:235℃
リフロー条件:220℃以上、約30秒
プリヒート:150〜160℃で90秒
リフロー時のピーク温度:235℃
リフロー条件:220℃以上、約30秒
リフロー後の残渣色調の評価法
○ :無色透明
△ :残渣に着色有り
× :残渣に著しい着色有り
○ :無色透明
△ :残渣に着色有り
× :残渣に著しい着色有り
表中、未脱硫重合ロジンとは、実施例1(2)で得られた脱硫処理をしていない重合ロジンを意味する。
Claims (11)
- 硫酸系触媒を用いて得られる重合ロジン(A)を脱硫処理することにより得られる、酸化防止剤の硫黄分を除いた硫黄分の含有量が100ppm以下の重合ロジン(A1)。
- 前記重合ロジン(A1)を水素化することにより得られる、酸化防止剤の硫黄分を除いた硫黄分の含有量が100ppm以下の水素化重合ロジン。
- 前記重合ロジン(A)を脱硫処理することを特徴とする、前記重合ロジン(A1)の製造方法。
- 前記脱硫処理が、脱硫触媒の存在下、100〜300℃で処理されてなることを特徴とする、請求項5記載の重合ロジン(A1)の製造方法。
- 前記重合ロジン(A1)を水素化することを特徴とする、前記水素化重合ロジンの製造方法。
- 前記重合ロジン(A)を水素化して得られる水素化重合ロジンを脱硫処理して得られる、酸化防止剤の硫黄分を除いた硫黄分の含有量が100ppm以下である水素化重合ロジンの製造方法。
- 前記脱硫処理が、脱硫触媒の存在下、100〜300℃で処理されてなることを特徴とする、請求項6記載の水素化重合ロジンの製造方法。
- 請求項1記載の重合ロジンまたは請求項2記載の水素化重合ロジンを含有するはんだ用フラックス。
- 請求項1記載の重合ロジンまたは請求項2記載の水素化重合ロジンの含有量が6〜55重量%である請求項12に記載のはんだ用フラックス。
- 活性剤(B)、添加剤(C)および溶剤(D)がさらに含有されてなる、8または9記載のはんだ用フラックス。
- 請求項8〜10のいずれかに記載のはんだ用フラックスおよびはんだ粉末を含有するソルダーペースト。
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