JP4962150B2 - ハンダ付け用フラックス組成物及びクリームハンダ組成物 - Google Patents

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本発明はハンダ付け用フラックス組成物(以下、単にフラックスと略すことがある。)および該フラックス組成物を含有するクリームハンダ組成物に関する。
フラックスは、IC、コンデンサ、抵抗などの電子部品をプリント基板等にハンダ付けして実装化するために用いられるハンダ付け用の材料であり、一般的にベースとなる樹脂成分、活性剤、溶剤などから構成されるものである。電子部品の表面実装においては、ハンダ接合の前に予めプリント基板等のハンダ接合部にスプレー塗布するなどしてフラックス組成物単独で使用される液状のフラックスと、フラックス組成物とハンダ粉末を混練してペースト状(クリーム状)とした、いわゆるクリームハンダ組成物として使用されることが知られている。
これらの液状のフラックスやクリームハンダ組成物に用いられるベースとなる樹脂成分としては、ロジン類( ロジンまたはその誘導体) が一般的である。その使用理由は、ロジン骨格に起因して耐腐食性に優れるとともに、電気絶縁抵抗、誘電特性などの電気特性に優れていることにある。ところが、ロジン類はハンダ付けの時の耐熱性が不十分であり、粘度も低下する。このためロジン類の熱分解等で発生したガスによってフラックスやハンダが飛散して、電極に飛散付着したフラックスによる接触不良や、電子部品の電極間に飛散着したハンダによる電気的短絡(ブリッジ)を引き起こし、製品の信頼性や歩留まりを大幅に低下させる恐れがある。
特に、ダイボンディング部やワイヤーボンディング部、ハンダ付け周辺部に金メッキ端子部を有する高密度実装においては、電極間の間隔が短いために、ハンダ・フラックスが飛散した場合に電極に付着する可能性が大きくなり、接合不良や電気的短絡の発生リスクが高まる。また、ハンダ付け後のハンダ中の空隙を低減させる為に、真空中あるいは減圧中でハンダ付け(リフロー)を行なう方式が知られているが、これらの方法は、大気圧下で行う場合と比較して、ハンダ付け中のガス発生量が増加するために、フラックスの飛散がより顕著となって、前述の製品の信頼性と歩留まりに関わる問題が顕在化している。
フラックスやハンダの飛散防止を目的とする従来技術として、特許文献1には、ハンダごてとヤニ入りハンダを用いたハンダ付けにおいて、フラックス成分中に重合脂肪酸系ポリアミドエラストマーを添加したものが開示されているが、ヤニ入りハンダとは異なり、溶剤を使用した液状のフラックスやクリームハンダ組成物には適用できないため、ハンダ・フラックス飛散を低減させる新たな方策の確立が望まれている。
また、特許文献2には、樹脂成分としてロジン類とポリエーテルエステルアミド樹脂を用いたハンダ付け用フラックス組成物およびクリームハンダ組成物が防湿効果を発揮することが開示されているが、フラックスの飛散防止効果についての記載はなく、更なる改良が望まれる。
特開2007−69259号公報 特開2004−230426号公報
本発明は、高いハンダ付け性能を有しつつ、ハンダ付け時のフラックスやハンダの飛散の発生量を低減することができるハンダ付け用フラックス組成物およびこれを含有するクリームハンダ組成物を提供することを目的とする。特に、飛散を起こしやすいダイボンディング部、ワイヤーボンディング部、およびメッキ部を有する電子部品の実装など、真空中または減圧下でハンダ付けがなされる表面実装を効率よく行えるクリームハンダ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、フラックスに含まれる樹脂成分の溶融粘度を所定範囲とすること、さらに、樹脂成分としてロジン類の多価アルコールエステルを使用することにより上記課題を解決することができることを見出し完成に到ったものである。
すなわち本発明は、200℃でのB型粘度計による溶融粘度が100〜500mPa・sである樹脂成分(A)、活性剤(B)、添加剤(C)ならびに溶剤(D)を含有するハンダ付け用フラックス組成物であって、(A)成分が、ロジン類の多価アルコールエステル(a)、ポリエーテルエステルアミド(b)、ならびに重合ロジン類、アクリル化ロジン類および水添ロジンからなる群より選ばれる1種のロジン類からなり、かつ、(b)成分の使用量が(a)成分100重量部に対して40〜100重量部となる範囲であり、かつ、(a)成分以外のロジン類の使用量が(A)成分の合計固形分重量に対して0〜20重量%であり、かつ、フラックスにおける(B)成分、(C)成分および(D)成分の含有量が順に0.1〜5重量%、0.1〜5重量%、25〜85重量%であることを特徴とするハンダ付け用フラックス組成物;該ハンダ付け用フラックス組成物およびハンダ粉末(B)を含有してなるクリームハンダ組成物。;前記記載のハンダ付け用フラックス組成物およびハンダ粉末(B)を含有してなる表面実装用クリームハンダ組成物、である。
本発明によれば、高いハンダ付け性能を有しつつ、ハンダ付け時のフラックスやハンダの飛散の発生量が低減されたハンダ付け用フラックス組成物およびクリームハンダ組成物を得ることができ、これらを使用することにより、電子部品の高密度実装や、真空中または減圧下でハンダ付けがなされる電子部品の表面実装において、品質や歩留まりを向上させるものである。
本発明のハンダ付け用フラックス組成物は、200℃でのB型粘度計による溶融粘度が100〜500mPa・sである樹脂成分(A)を含有するものである。フラックス組成物のベース樹脂の溶融粘度を前記範囲に調整したものを使用することにより、ハンダ溶融時のフラックス樹脂成分の熱劣化等により発生したガス成分の膨張と破裂にともなう、ハンダやフラックス飛散を低減したフラックス組成物とすることができる。
樹脂成分(A)の200℃でのB型粘度計による溶融粘度が100mPa・s未満の場合には、フラックスやハンダの飛散を十分に低減することができず、500mPa・sを超える場合にはハンダ付け性が低下する問題がある。
このような樹脂成分(A)としては、溶融粘度が上記範囲にある限りにおいて、従来公知ロジン類の多価アルコールエステル(a)(以下、(a)成分ということがある。)、ポリエーテルエステルアミド(b)、ならびに重合ロジン類、アクリル化ロジン類および水添ロジンからなる群より選ばれる1種のロジン類(以下、(a)以外のロジン類という)を用いる。中で(b)成分、溶融粘度をかかる範囲に調整することが容易である点において好ましい。また(a)成分および(b)成分を併用するこにより、ロジン類の活性カルボキシル基に多価アルコールを反応させて多価エステル化合物とすることにより、ロジン類の熱的安定性を高め、ハンダ付け時の熱分解に伴うガスの発生を低減させることができる。加えて、ポリアミドエーテルエステルアミド(b)を併用することにより、樹脂成分(A)のB型粘度計による溶融粘度を100〜500mPa・sの範囲に調整することができるので、不可避的に発生する熱分解ガスによるフラックスやハンダの破裂に伴うハンダやフラックス飛散を効果的に低減することができる。
(a)成分を構成するロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の各種公知の天然ロジン類、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、天然ロジン類の不飽和脂肪酸(フマル酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸)変性物、フェノール変性物などの各種ロジン誘導体を挙げることができる。
該天然ロジン類は、酸価が通常160〜190(好ましくは170〜180)mgKOH/g(JIS−K5902に準ずる。以下、単位を略す)程度であり、また軟化点が通常67〜177℃程度である。
該各種ロジン誘導体のうち、重合ロジン類は、天然ロジン類に含まれる樹脂酸を2量化されたものを30〜80重量%程度含有し、全体として通常100〜300程度、好ましくは140〜170の酸価を、また通常90〜177℃程度、好ましくは100〜140℃の軟化点を有する組成物である。このものは例えば「CP−No.140(武平県林産化工社製)」、「TX295(アリゾナケミカル社製)」等の市販品として入手できる。また前記天然ロジン類の不飽和脂肪酸(フマル酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸)変性物は、天然ロジン類に不飽和脂肪酸をディールス・アルダー付加してなる化合物を含むものであり、全体として通常酸価が20〜400程度、好ましくは100〜300程度、特に好ましくは200〜250であり、また軟化点が通常90〜180℃程度、好ましくは100〜170℃程度の組成物である。このものは例えば、「パインクリスタルKEシリーズ」、「マルキードシリーズ」等の市販品(いずれも荒川化学工業(株)製)として入手できる。
なお、ロジン類として、天然ロジン類とロジン誘導体を併用したものを適宜使用することもできる。
(a)成分は、前記ロジン類に多価アルコールを反応させてなる熱安定性に優れたエステル化合物としたものであるが、該多価アルコールは2価以上のものであれば特に限定されない。例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ジヒドロキシプロパン、1,3−ジヒドロキシプロパン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,3−ジヒドロキシブタン、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス−ヒドロキシメチル−シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオール、オクテングリコール、ポリエチレングリコール等の2価アルコール;グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、グリセリン等の3価アルコール;ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の4価アルコールを具体的に例示できるが、5価以上のアルコールを用いてもよい。これらの中でもフラックスやハンダの飛散の低減という観点より3価アルコールおよび/または4価アルコールが好ましく、特にグリセリンおよび/またはペンタエリスリトールが好ましい。
(a)成分の製造方法は特に限定されず、各種の公知の手段を利用できる。具体的には、ロジン類と多価アルコールを反応容器へ仕込み(窒素や希ガス等の不活性ガス気流下が好ましい)、通常は大気圧下で150〜300℃程度に系内を加熱し、生成する水を系外に除去しながら反応させればよい。なお、仕込み割合は、樹脂酸類のカルボキシル基数:多価アルコールの水酸基数が1:1.5〜1:0.7程度の当量比であるのがよい。また、反応の際にはエステル化触媒を用いてもよい。具体的には、例えば酢酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒;水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物等を例示できる。
こうして得られる(a)成分は、通常98〜90重量%程度、好ましくは95〜92重量%のエステル化合物を含有する組成物であり、酸価が通常0.1〜50程度、好ましくは0.1〜25程度、特に好ましくは1〜20、軟化点が通常70〜180℃程度、好ましくは80〜170℃程度であり、また水酸基価が通常0〜60程度、好ましくは1〜40である。なお、(a)成分における該エステル化合物の含有量(重量%)は、例えばガスクロマトグラフィー等の公知手段により測定して決定できる。(a)成分は、「エステルガムAAG」、「同AAL」、「同H」、「ペンセルA」、「同AD」、「同D−125」、「同D−135」、「同D−160」、「スーパーエステルL」、「同A−18」、「同A−115」、「同T−125」、「パインクリスタルKE−359」等の市販品(全て荒川化学工業(株)製)として入手できる。
本発明で用いる(b)成分とは、ハードセグメントであるポリアミド骨格とソフトセグメントであるポリエーテル骨格とから構成された樹脂である。
当該ポリアミド骨格はセバシン酸などのジカルボン酸などと、ヘキサメチレンジアミンなどのジアミンなどから構成され、ポリエーテル骨格はポリオキシエチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールなどから構成される。
当該ポリアミド骨格は、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの各種公知の直鎖ジカルボン酸類; 無水フタル酸、テレフタル酸および無水ハイミック酸など各種公知の芳香族ジカルボン酸類;および重合脂肪酸からなる群より選ばれる少なくとも1 種と、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの各種公知の直鎖ジアミン類; およびジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの各種公知の分岐多価アミン類からなる群より選ばれる少なくとも1 種とから構成される。ポリエーテル骨格はポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールから構成されるものである。
本発明で用いる(b)成分としては、セバシン酸、テトラメチレンジアミンおよびポリオキシエチレングリコールからなる縮重合体; 重合脂肪酸、ヘキサメチレンジアミンおよびポリオキシエチレングリコールからなる縮重合体などが、フラックス組成物のハンダ付け性などの諸性能が特にすぐれるため好ましい。
(b)成分の分子量はとくに限定されないが、溶融粘度の調整の容易性と、ハンダ付け性能の確保の観点から、5000〜50000(ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)が好ましい。
(a)成分と(b)成分の使用量としては、ロジン類の多価アルコールエステル(a)100重量部に対しポリエーテルエステルアミド(b)40〜100重量部とすることが好ましい。(a)成分100重量に対する(B)成分の使用量が40重量部を下回ると得られるフラックスの飛散低減効果が十分なものとならない傾向があり、またその使用量が100重量部を超えるとハンダ付け性が損なわれる傾向にある。かかる理由より(b)成分の使用量は、好ましく50〜90重量部とするのがよい。
(a)成分以外のロジン類は、前記したように重合ロジン類、アクリル化ロジン類および水添ロジンからなる群より選ばれる1種であるが、これらが有する活性カルボキシル基の作用により鉛フリーハンダ粉の表面を清浄化する(酸化被膜を除去する)というフラックスの機能を向上させるものであり、重合ロジン類および/または前記アクリル化ロジン類が特に好ましい。また、(b)成分以外の合成レジン等を併用してもよい。該合成レジンとしては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フツ素系樹脂又はABS樹脂のうち単体又は複数を配合したものを例示できる。なお、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム又はナイロンゴム等の合成ゴムや、ナイロン系エラストマ又はポリエステル系エラストマ等のエラストマを用いてもよい。これらは樹脂成分(A)の合計固形分重量に対し、通常0〜20重量%程度の範囲で用いればよい。
本発明に係るフラックス組成物は、樹脂成分(A)以外に活性剤(B)、添加剤(C)および溶剤(D)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する
活性剤(B)としては、通常ハンダ付け用フラックスに用いられるものを特に限定なく使用することができる。具体的には、リフロー処理のプリヒート過程で活性化する有機酸系化合物やピーク温度付近で活性化するハロゲン化物、あるいはプリヒートからピーク温度までに活性力を示す化合物等を用いることができる。該有機酸系化合物としては、例えばコハク酸、安息香酸、アジピン酸、アビエチン酸、グルタル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ギ酸またはアゼライン酸等を例示できる。また、該ハロゲン化合物としては、例えばエチルアミン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン臭素酸塩、ジエチルアミン臭素酸塩、メチルアミン臭素酸塩、プロペンジオール塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、3−アミノ−1−プロペン塩酸塩、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩、O−アニシジン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩またはP−アミノフェノール塩酸塩等を例示できる。また、該プリヒートからメインヒートまで活性力を示しうる活性剤としては、例えば第4級アンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドまたはアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらは適宜に併用してもよい。なおフラックスにおける活性剤(B)の含有量は、通常0.1〜5重量%程度、更に好ましくは0.1〜3重量%である。
添加剤(C)としては、各種公知の酸化防止剤、チキソトロピック剤等を用いることができる。酸化防止剤としては、例えばトリブチルアミン、テトラブチルアンモニウムブロマイド、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、パラ−tert−アミルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、trans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール等を例示できる。またチキソトロピック剤としては、例えばひまし油、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等を例示できる。なお、添加剤としては、「ボソツキ(あるいはバサツキ)」や「皮張り」(ソルダーペーストの保存中にハンダボールがフラックス中の活性剤等と反応してその粘度に変化が生じたり、ペースト表面が皮を張ったように硬くなったり、更にはクリーム全体の粘稠性が失われる等の経時変化をいう)を防止するために、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールおよび3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール等のアセチレンアルコール系化合物(特開2000−263281号公報参照)を任意に用いてもよい。フラックスにおける添加剤(C)の含有量は、通常0.1〜5重量%程度、更に好ましくは0.1〜2重量%である。添加剤(C)としてチキソトロピック剤を用いる場合には、これを3〜10重量%程度用いればよく、またアセチレンアルコール系化合物を用いる場合には、これを0.1〜5重量%程度用いればよい。
溶剤(D)としては、フラックスに用いうる各種公知の溶剤を特に限定なく用いることができる。具体的には、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシルグリコール、オクタンジオール、エチルヘキシルグリコール、ベンジルアルコール、1,3
−ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、テルピネオール等のアルコール類;安息香酸ブチル、アジピン酸ジエエチル、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート等のエステル類;ドデカン、テトラデセン等の炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類を例示できる。なお、鉛フリーハンダの溶融温度は前記したように非常に高いので、これらの中でも150〜300℃程度、好ましくは220〜250℃の範囲に沸点を有するものが好ましい。なおフラックスにおける溶剤(D)の含有量は、通常25〜85重量%程度、更に好ましくは30〜80重量%である。
本発明に係るフラックスはベース樹脂(A)、活性剤(B)、添加剤(C)、溶剤(D)を公知の手段で混錬することにより得ることができる。その際の条件(温度、圧力等)は特に限定されないが、混錬手段としては、例えばプラネタリーミル等が挙げられる。
本発明のクリームハンダ組成物は、本発明に係る前記フラックスと各種公知のハンダ粉末とを、プラネタリーミル等の公知混合手段で混錬して得られるクリーム状のソルダーペーストである。
本発明のクリームハンダ組成物に使用するハンダ粉末としては、Snハンダ粉、Sn−Pb系ハンダ粉、Sn−Pb−Ag系ハンダ粉、Sn−Pb−Bi系ハンダ粉、In−Pb系ハンダ粉、Pb−Ag系ハンダ粉、Sn−Ag系ハンダ粉、Sn−Cu系ハンダ粉、Sn−Zn系ハンダ粉、Sn−Sb系ハンダ粉を例示できる。なお、該Sn−Ag系ハンダ粉としては、Sn−Agハンダ粉、Sn−Ag−Cuハンダ粉、Sn−Ag−Biハンダ粉、Sn−Ag−Cu−Biハンダ粉、Sn−Ag−Cu−Inハンダ粉、Sn−Ag−Cu−Sハンダ粉、およびSn−Ag−Cu−Ni−Geハンダ粉等を例示できる。
また、フラックスとハンダ粉末の使用割合は、固形分重量比で、通常は前者:後者が5:95〜20:80程度となるようにすればよい。なお、かかる範囲内である限り、更に前記添加剤(C)や溶剤(D)、その他の添加物を任意に用いることができる。
以下、実施例および比較例を通じて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
( フラックス組成物の調製)
以下に示す材料を、それぞれ表1 に示す配合にて、容器に仕込み、2 0 0 ℃ 程度に加熱溶
解した後、冷却して、フラックス組成物を調製した。

ポリエーテルエステルアミド樹脂:富士化成(株)製、商品名「TPAE−12」数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィー、ポリスチレン換算値)30,000のもの。
ロジンのグリセリンエステル:荒川化学工業(株)製、商品名「KE−359」
水添ロジン: 荒川化学工業(株)製、商品名「C R W − 3 0 0 」
溶剤: ヘキシルカルビトール( 日本乳化剤(株)製)
活性剤1 : ジエチルアミン臭化水素酸(キシダ化学(株)製)
活性剤2 : アジピン酸(和光純薬工業(株)製)
チキソ剤: 硬化ひまし油(豊国製油(株)製、商品名「カスターワックス」)
( クリームハンダ組成物の調製)
ハンダ粉末( 粒径20〜40μmのSn−Ag−Cu合金、96.5重量%/3重量%/0.5重量%)89重量%と上記で調製した各フラックス組成物11重量%とを容器に取り、撹拌してクリームハンダ組成物を調製し、以下の評価試験を行った。その結果を表1に示す。
(評価試験)
(溶融粘度)
樹脂成分(A)をB型粘度計(東機産業株式会社製)を使用し、200℃における溶融樹脂の粘度を測定した。
(フラックス・ハンダ飛散性)
「JISZ3284 附属書10 ぬれ効力及びディウェッティング試験」に準拠し、ハンダ溶融させた。リン脱酸銅板は未研磨のものを使用した。その後、ハンダ付け部以外の銅板を光学顕微鏡にて、フラックス・ハンダ飛散数をカウントした。本試験において、各フラックス・ハンダ飛散数が10個以上発生する場合、実際の製造工程で大幅な不良が発生する恐れがあるため、以下の判定基準により、飛散性を評価した。
判定基準は下記の区分に従う。
良好(○):フラックス・ハンダ飛散数が10個未満
不良(×):フラックス・ハンダ飛散数が10個以上
( ハンダ付け性)
「JISZ3284 附属書10 ぬれ効力及びディウェッティング試験」に準拠して評価した。
判定基準はハンダ付け後のハンダ金属のぬれ広がりの度合いの区分に従う。
良好(○):広がりの度合いの区分2以上
不良(×):広がりの度合いの区分3以下
Figure 0004962150
















ポリエーテルエステルアミド樹脂とロジンのグリセリンエステルが配合された実施例1〜3のハンダ組成物は、ロジンのグリセリンエステルのみが配合された比較例1と比べると、フラックス・ハンダ飛散性の結果に優れており、かつ良好なハンダ付け性を維持していた。
他方、ポリエーテルエステルアミド樹脂のみが配合された比較例2のハンダ組成物は、フラックス・ハンダ飛散性の結果が良好なものの、ハンダ付け性の結果に問題があった。

Claims (2)

  1. 200℃でのB型粘度計による溶融粘度が100〜500mPa・sである樹脂成分(A)、活性剤(B)、添加剤(C)ならびに溶剤(D)を含有するハンダ付け用フラックス組成物であって、
    (A)成分が、ロジン類の多価アルコールエステル(a)、ポリエーテルエステルアミド(b)、ならびに重合ロジン類、アクリル化ロジン類および水添ロジンからなる群より選ばれる1種のロジン類(以下、(a)以外のロジン類という)からなり、かつ、
    (b)成分の使用量が(a)成分100重量部に対して40〜100重量部となる範囲であり、かつ、
    (a)成分以外のロジン類の使用量が(A)成分の合計固形分重量に対して0〜20重量%であり、かつ、
    フラックスにおける(B)成分、(C)成分および(D)成分の含有量が順に0.1〜5重量%、0.1〜5重量%、25〜85重量%であることを特徴とする、
    ハンダ付け用フラックス組成物。
  2. 請求項のハンダ付け用フラックス組成物およびハンダ粉末を含有してなるクリームハンダ組成物。
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