JP5246452B2 - ハンダ付用ロジン系フラックスおよびソルダーペースト - Google Patents

ハンダ付用ロジン系フラックスおよびソルダーペースト Download PDF

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Description

本発明は、ハンダ付用ロジン系フラックスおよびソルダーペーストに関する。
電子デバイスの高機能化や小型・軽量化が進むにつれ、部品やパターンは以前に増して微小化、高精細化しており、表面実装基板はもはや、マイクロソルダリングと呼ばれる微小ハンダ接合技術なくして製造できない時代となっている。
マイクロソルダリングでは通常、基板に設けた微少な端子電極上に、ペースト状のフラックスと粉末状のハンダ合金との混合物であるソルダーペーストをスクリーン印刷した後、印刷後の基板をリフロー炉と呼ばれる加熱炉に通すことによって、ハンダ付けが行われる。また、リフロー炉では通常、プレヒートと呼ばれる予備加熱の後に、ハンダ合金を溶融させるためのメインヒートと呼ばれる本加熱が行われるが、ハンダ合金として鉛フリー合金を使用した場合には、メインヒートの温度が300℃を超えることもある。
前記フラックスとしては一般に、ロジン類やその誘導体をベース材とするロジン系フラックスが使用されることが多い。これは、プレヒート時には端子電極上に載置されたソルダーペーストの形状を維持する作用が、また、メインヒート時には、ハンダ合金と端子電極のぬれを促進する作用(活性作用)が得られるためである。
しかし、ロジン類やその誘導体は一般に熱可塑性の素材であるため、ハンダ付けの際に端子電極上でソルダーペーストが加熱だれすることがある。特に、鉛フリーハンダ合金を使用した場合にはメインヒートの温度が高くなるため加熱だれが生じ易くなり、ひどい場合にはフラックスとともに未溶融のハンダ粉末が端子電極周囲に流れ出し、ハンダボールや端子電極間のブリッジとなって、表面実装基板の絶縁信頼性が著しく損なわれることがある。
そこで、ロジン類を使用せずに加熱だれの問題を解消することが検討されており、例えば特許文献1には、アルコール変性ジシクロペンタジエン系樹脂の水素化物を使用したフラックスが開示されている。しかし、その効果は十分でない。
また、ロジン類は天然物であり様々な低沸点成分を含んでいることから、ロジン系フラックスを使用した場合には、ハンダ付け時にソルダーペーストからフラックス成分が飛散して実装基板表面やリフロー炉内部に多量に付着することがある。特にコネクタパターン等に残渣が付着すると絶縁不良の原因ともなるため、業界では、例えばリフロー炉にフラックス回収装置を組み込んだり、ハンダ付後に実装基板を洗浄したりする等の措置が採られているが、いずれも製造工程の煩雑化やコスト高を招くため望ましくはない。
フラックスの飛散を防止する手段としては種々知られているが、例えば特許文献2には、低沸点成分の含有率を7重量%未満に調整した蒸留ロジンを使用したロジン系フラックスが提案されている。しかし、リフロー炉においてソルダーペーストが加熱だれしやすく、ハンダボールが多く発生するという問題がある。
特開2009−154170号公報 特開2008−62241号公報
本発明は、ソルダーペーストの加熱だれを抑制でき、かつハンダ付時の飛散が殆どないロジン系フラックスを提供することを主たる課題とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、下記構造式(1)で表されるマレオピマル酸無水物類(a−1)を含み、かつ溶融粘度が100〜1000mPa・s/180℃であるロジン誘導体水素化物(A)を含むフラックスにより前記課題を解決できることを見出した。
(式(1)中、破線部はそこに炭素−炭素結合が存在してよいことを意味する。)
本発明のハンダ付用ロジン系フラックス(以下、単にフラックスということがある。)によれば、ハンダ付け時の加熱だれやフラックス成分の飛散が少ないソルダーペーストを得ることができる。また、ハンダ接合部が耐クラック性に優れたフラックス残渣で被覆されるため、例えば水分の付着によるマイグレーションが発生し難いと考えられる。その他、当該皮膜は色調にも優れることから、実装基板の仕上がり感、視認性が良好になる。また、そうした効果は融点が高い鉛フリーハンダ粉を使用した場合にも同様に得られることから、本発明のフラックスは特に鉛フリーハンダ用途に適している。なお、本発明のハンダ付用ロジン系フラックスは、端子電極をコーティングするためのポストフラックスや、やに入りハンダに用いるフラックスとしても好適である。
本発明のフラックスは、ベース材として、下記構造式(1)で表されるマレオピマル酸無水物(a−1)(以下、(a−1)成分という)を含むロジン誘導体水素化物(A)(以下、(A)成分という)を使用したものである。
(式(1)中、破線部はそこに炭素−炭素結合が存在してよいことを意味する。)
式(1)は、具体的には、下記構造式(1−2)で表すジヒドロ無水マレオピマル酸および/または下記構造式(1−3)で表される無水マレオピマル酸を意味する。
(A)成分の製造方法は特に制限されないが、例えば、(ア)α,β不飽和ジカルボン酸類とロジン類とのディールス・アルダー反応物を水素化する方法や、(イ)当該ディールス・アルダー反応物から公知の方法で単離した変性樹脂酸(米国特許2628226号等参照)の水素化物を使用する方法、(ウ)ロジン類から公知の方法で単離したレボピマル酸(J.Am.Chem.Soc.70,334(1948)等参照)とα,β不飽和ジカルボン酸類とのディールス・アルダー反応物の水素化物を使用する方法が挙げられる。工業的には(ア)の方法が簡便であり、以下、この方法について詳述する。
α,β不飽和ジカルボン酸類としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。また、ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の原料ロジン類が挙げられる。なお、該原料ロジン類は、耐加熱だれ性やハンダボールの抑制、フラックス残渣の色調等の観点より、減圧蒸留法や水蒸気蒸留法、抽出法、再結晶法等の手段で精製し、低沸分を除去したもの(以下、精製ロジンという)として使用するのが好ましい。
前記精製手段の条件は特に制限されず、例えば減圧蒸留法の場合には、温度が通常200〜300℃程度、0.01〜3kPa程度である。また、水蒸気蒸留法の場合には、温度が200〜300℃程度であり、常圧下で0.1〜1MPa程度に加圧した水蒸気を反応系に吹き込む。抽出法の場合には、前記ロジン類をアルカリ水溶液とし、該水溶液中で溶けていない不ケン化物を各種の有機溶媒により抽出した後、残った水層を中和する。再結晶法では、前記ロジン類を良溶媒としての有機溶媒に溶解し、ついで該有機溶媒を留去して濃厚な溶液となし、更に貧溶媒としての有機溶媒を加えることにより、目的とする精製ロジンが得られる。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、デカリン等の脂環族炭化水素類等が挙げられる。
ディールス・アルダー反応物は、前記α,β不飽和ジカルボン酸類とロジン類とを、通常180〜240℃程度、1〜9時間程度の条件で反応させることにより得られる。両者の使用量は、(A)成分中の(a−1)成分の含有量を考慮して適宜決定すればよいが、通常は、ロジン類中の全樹脂酸100モル%に対してα,β不飽和ジカルボン酸類が通常30〜100モル%程度、好ましくは55〜70モル%となる範囲である。また、目的とするディールス・アルダー反応物の着色を抑制し、フラックス残渣皮膜の色調を向上させる目的で、反応容器は密閉構造とし、更に窒素等の不活性ガス気流でパージするのが好ましい。また、反応の際には各種公知の触媒、例えば塩化亜鉛、塩化鉄、塩化錫等のルイス酸や、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のブレンステッド酸を使用でき、その使用量は、前記ロジン類に対して通常0.01〜10重量%程度である。
得られたディールス・アルダー反応物を各種公知の方法で水素化することにより、(A)成分が得られる。具体的には、前記ディールス・アルダー反応物を、水素化触媒の存在下、通常100〜300℃程度(好ましくは150〜260℃)の温度で、1〜25MPa程度(好ましくは5〜20MPa)の水素圧下で水素化反応させればよい。水素化触媒としては、例えばパラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、白金カーボンなどの担持触媒や、ニッケル、白金等の金属粉末、ヨウ素、ヨウ素化鉄等のヨウ素化物等が挙げられる。水素化触媒の使用量は、ディールス・アルダー反応物に対して通常0.01〜10重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。なお、必要であれば、前記有機溶剤を反応溶媒として利用できる。なお、(A)成分は、フラックス飛散防止等の観点より、前記した精製手段により更に精製するのが好ましい。
(A)成分は、加熱だれやフラックス飛散、フラックス残渣の耐クラック性等の観点より、溶融粘度が通常100〜1000mPa・s/180℃程度、好ましくは200〜600mPa・s/180℃である。溶融粘度は、例えば(A)成分中の(a−1)成分の含有量等により調節することができる。なお、「溶融粘度」とは、(A)成分を180℃で溶融させた状態におけるB型粘度計による測定値をいう。
(A)成分中の(a−1)成分の含有量は、耐加熱だれ性やフラックス飛散抑制、フラックス残渣の耐クラック性等を考慮すると、通常30重量%以上、好ましくは40〜75重量%程度である。また、(A)成分には、他の樹脂酸、例えばデヒドロアビエチン酸(以下、(a−2)成分ということがある。)が含まれていてもよく、その含有量は、通常70重量%未満、好ましくは10〜25重量%程度である。また、(a−1)成分および(a−2)成分以外の樹脂酸としては、アビエチン酸やマレオピマル酸等が挙げられ、それらの含有量は、通常70重量%未満、好ましくは50重量%未満である。
(A)成分には、各種触媒や、原料ロジン類に由来する夾雑物などの、分子量が通常280以下の低分子量成分(以下、単に低分子量成分という)が含まれていてもよく、その含有量は通常、耐加熱だれ性やフラックス飛散抑制等の観点より、通常3重量%以下である。
(A)成分中の各種樹脂酸や低分子量成分の含有量は、各種公知の分析法、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)やガスクロマトグラフィー(GC)法等により特定できる。例えばGPCの場合、樹脂酸類の含有量(X重量%)は、以下の式により得ることができる。
X=〔(測定対象の樹脂酸に帰属するピークの面積)/(当該樹脂酸を含めた樹脂酸成分全体のピーク面積)〕×100
また、(A)成分中の(a−1)成分や他の樹脂酸の構造は各種公知の手段、例えばIR法やNMR法によって同定することができる。
(A)成分の他の物性は特に限定されないが、例えば3級カルボキシル基に基づく理論酸価が通常130〜160mgKOH/g程度、好ましくは134〜154mgKOH/gである。当該理論酸価の(A)成分を使用することにより、加熱だれ抑制やフラックス飛散抑制、フラックス残渣皮膜の耐クラック性等の効果がバランスよく得られるようになる。なお、「3級カルボキシル基に基づく理論酸価」とは、(A)成分中の各種樹脂酸に由来する第3級カルボキシル基と等量反応する水酸化カリウムをmg数で表現した計算値である。
また、(A)成分は、カルボキシル基に基づくモル濃度(以下、単位カルボキシル基モル濃度という)が通常2.2×10−3〜3.2×10−3mol/g程度、好ましくは2.4×10−3〜3×10−3mol/gであるのがよい。当該単位カルボキシル基濃度は、(A)成分1g(固形分換算)あたりのカルボキシル基(−COOH)のモル数を意味し、そうした(A)成分を使用することにより、加熱だれ抑制やフラックス飛散抑制、フラックス残渣皮膜の耐クラック性等の効果がバランスよく得られるようになる。当該単位カルボキシル基濃度は実測値であり、以下のようにして求める。
単位カルボキシル基モル濃度(mol/g)=Y−(Y−Z)×2
(Yの算出法)
(A)成分0.3gをアセトン50mlに溶解させ、アセトン溶液を調製する。次いで、当該アセトン溶液に水酸化カリウム水溶液(濃度1.0×10−4mol/ml;和光純薬工業(株)製、容量分析用試薬)を25ml加え、撹拌したのち10分放置する。次いで、放置後のアセトン溶液にフェノールフタレインを数滴加え、塩酸水溶液(濃度1.0×10−4mol/ml)を用いて中和滴定を行い、当量点(溶液が赤紫色から無色に変化した点)における滴定量(ml)を記録する。そして、以下の式1よりYを算出する。
式1:Y(mol/g)={〔(水酸化カリウム水溶液量(ml)−塩酸滴定量(ml)〕×水酸化カリウム水溶液濃度(mol/ml)}÷(A)成分使用量(g)
(Zの算出法)
エタノールとトルエンを重量比=1:2で混合し、エタノール/トルエン溶媒を調製する。次いで、当該エタノール/トルエン溶媒に(A)成分1gを溶解させ、(A)成分のトルエン―エタノール溶液を調製する。次いで、当該溶液にフェノールフタレイン液を数滴加え、エタノール性水酸化カリウム溶液(濃度5.0×10−4mol/ml;和光純薬工業(株)製、容量分析用試薬)を用いて滴定を行い、当量点(溶液が無色から赤紫色に変化した点)における滴定量(ml)を記録する。そして、以下の式2よりZを算出する。
式2:Z(mol/g)=〔エタノール性水酸化カリウム溶液滴定量(ml)×エタノール性水酸化カリウム溶液濃度(mol/ml)〕÷(A)成分使用量(g)
また、耐加熱だれ性やフラックス飛散抑制、フラックス残渣の耐クラック性等の観点より、(A)成分の軟化点(JIS K 59202に規定する環球法により測定した値をいう。以下、同様。)は、通常100〜150℃程度、好ましくは110〜130℃である。
また、特にフラックス残渣の色調の観点より、(A)成分の色調は通常ガードナー2以下、好ましくはガードナー1以下〜ハーゼン50程度である。(ハーゼン色調は、JIS K 0071−1、ガードナー色調はJIS K 0071−2により測定した値をいう。)
本発明のフラックスは、(A)成分の他、チキソトロピック剤(B)(以下、(B)成分という。)およびフラックス用溶剤(C)(以下、(C)成分という。)、ならびに必要に応じて活性剤(D)、ならびに(A)成分以外のベース材(E)(以下、(E)成分という。)および各種添加剤(F)(以下、(F)成分という。)を含む。
(B)成分としては、例えば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス等の動植物系チキソトロピック剤や、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等のアミド系チキソトロピック剤が挙げられ、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
(C)成分としては、例えばジエチレングリコールモノヘキシルエーテルやジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル類;ヘキシルグリコール、オクタンジオール、エチルヘキシルグリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、テルピネオール等の他のアルコール類;安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジオクチル、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート等のエステル類;ドデカン、テトラデセン等の炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類が挙げられ、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも前記アルキレングリコールモノエーテル類および/またはエステル類が好ましい。特に、ハンダ付温度を考慮すると、150〜300℃程度、好ましくは220〜270℃の範囲に沸点を有する(C)成分(特にアルキレングリコールモノエーテル類および/またはエステル類)が好ましい。
(D)成分としては、例えば、エチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等のアミンのハロゲン化水素酸塩;コハク酸、安息香酸、アジピン酸、グルタル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピコリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等のハロゲン原子を含有しない脂肪族有機カルボン酸;N,N’−ビス(4−アミノブチル)−1,2−エタンジアミン、トリエチレンテトラミン、N,N’−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン等の有機ジアミン類;3−ブロモプロピオン酸、2−ブロモ吉草酸、5−ブロモ−n−吉草酸、2−ブロモイソ吉草酸、2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモコハク酸、2,2−ジブロモアジピン酸等のブロモジカルボン酸類;1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−1,4−ブテンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール等のブロモジオール類;1,2,3,4−テトラブロモブタン、1,2−ジブロモ−1−フェニルエタン等のブロモアルカン類;1−ブロモ−3−メチル−1−ブテン、1,4−ジブロモブテン、1−ブロモ−1−プロペン、2,3−ジブロモプロペン、1,2−ジブロモスチレン等のブロモアルケン類;4−ステアロイルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルベンジルブロマイド、4−ブロモメチルベンジルステアレート、4−ステアロイルアミノベンジルブロマイド、2,4−ビスブロモメチルべンジルステアレート、4−パルミトイルオキシベンジルブロマイド、4−ミリストイルオキシベンジルブロマイド、4−ラウロイルオキシべンジルブロマイド、4−ウンデカノイルオキシベンジルブロマイド等が挙げられる。(D)成分としては、ハロゲン原子を含有しない脂肪族有機カルボン酸、有機ジアミン類、ブロモジカルボン酸類、およびブロモジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(追記しました。)
(E)成分としては、例えば前記原料ロジン類や、該原料ロジン類とα,β不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸等)とから得られるディールス・アルダー反応物、その水素化物、前記原料ロジン類の水素化物、不均化ロジン、ホルミル化ロジン、重合ロジン等の、(A)成分以外のロジン系ベース材の他、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂が挙げられ、これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
(F)成分としては、例えば、酸化防止剤、防黴剤、艶消し剤等の添加剤が挙げられる。
(A)成分〜(D)成分の使用量は特に限定されないが、加熱だれやフラックス飛散、フラックス残渣皮膜の耐クラック性等を考慮すると、通常は以下の通りである。(但し、合計が100重量%を超えない。)
(A)成分:30〜75重量%程度、好ましくは40〜55重量%
(B)成分:0.1〜10重量%程度、好ましくは3〜10重量%
(C)成分:20〜69.9重量%程度、好ましくは30〜56.9重量%
(D)成分:0〜10重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%
なお、本発明のフラックスにおける(E)成分および(F)成分の使用量も特に限定されないが、通常は以下の通りである。
(E)成分:30重量%程度未満、好ましくは25重量%未満
(F)成分:10重量%未満、好ましくは5重量%未満
本発明のソルダーペーストは、本発明のフラックスおよびハンダ粉末を各種公知の手段(プラネタリーミル等)で混合したものであり、使用量は順に、通常5〜20重量部程度および80〜95重量部程度である。
ハンダ粉末としては、Sn−Pb系ハンダ粉末等の従来の鉛共晶ハンダ粉末や、Snハンダ粉末、Sn−Ag系ハンダ粉末、Sn−Cu系ハンダ粉末、Sn−Zn系ハンダ粉末、Sn−Sb系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu系ハンダ粉末、Sn−Ag−Bi系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu−Bi系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu−In系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu−S系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu−Ni−Ge系ハンダ粉末等の鉛フリーハンダ粉末が挙げられる。なお、本発明に係るフラックスは、鉛フリーハンダの溶融温度においても好適に作用し、加熱だれやハンダボールの発生、フラックス残渣のクラック等を抑制し得ることから、ハンダ粉末としては鉛フリーハンダ粉末、特にSn系鉛フリーハンダ粉末が好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、各調製例中、「溶融粘度」は市販のB8M型粘度計(製品名「VISCOMETER」、TOKIMEC(株)製、ローターNo.HM−1)により得た値を、「マレオピマル酸無水物類の含有量」と「低分子量成分の含有量」は、市販のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置(製品名「高速GPCシステムHLC−8220」、東ソー(株)製、カラム名「TSK−GEL G1000HXL」、東ソー(株)製、展開溶媒テトラヒドロフラン)による算出値を、「デヒドロアビエチン酸の含有量」は市販のガスクロマトグラフィー装置(製品名「GC7890」、Agilent(株)製)による算出値を意味する。
<(A)成分の調製>
調製例1
工程(1):精製
未精製のガムロジン(実測酸価171mgKOH/g、単位カルボキシル基モル濃度3.2×10−3mol/g、軟化点74℃、ガードナー6、中国産)を減圧蒸留容器に仕込み、窒素シール下に0.4kPaの減圧下で蒸留し、精製ロジン(実測酸価177、軟化点80℃、ガードナー3)を得た。
工程(2):ディールス・アルダー反応
次いで、別の減圧蒸留容器に当該精製ロジン700gと無水マレイン酸154gを仕込み、窒素気流化に撹拌しながら220℃で4時間反応させた後、4kPaの減圧下に未反応物を除去することによってロジン誘導体(理論酸価144mgKOH/g、単位カルボキシル基モル濃度2.7×10−3mol/g、軟化点121℃、ガードナー8)を得た。
工程(3):水素化反応
次いで、当該ロジン誘導体500gと5%パラジウムカーボン(含水率50%)6.0gを1リットル回転式オートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、水素にて10MPaに加圧し、220℃まで昇温し、同温度で3時間水素化反応させることにより、ロジン誘導体水素化物(理論酸価144mgKOH/g、単位カルボキシル基モル濃度2.7×10−3mol/g、軟化点120℃)を得た。
工程(4):精製
次いで、当該ロジン誘導体水素化物400gとキシレン200gを反応容器に仕込み、加熱下に溶解させた後、キシレン150gを留去した。次いでシクロヘキサン150gを仕込み、室温まで冷却し、結晶の収量が約40gに達したところで上澄み液を別の反応容器に移し、さらに室温で再結晶させた。その後、さらに上澄み液を除去し、シクロヘキサン20gで洗浄した後、このシクロヘキサンを留去することによって、溶融粘度361mPa・s(180℃)、理論酸価144mgKOH/g、単位カルボキシル基モル濃度2.7×10−3mol/g、軟化点120℃、ハーゼンカラー150、マレオピマル酸無水物類(a−1)の含有量が約66重量%、デヒドロアビエチン酸(a−2)の含有量が約17重量%、低分子量成分が0.7重量%であるロジン誘導体水素化物(A−1)(以下、(A−1)成分という)を得た。物性等を表1に示す。
調製例2
調製例1の工程(2)において、無水マレイン酸154gを77gとしたほかは同様にして、ロジン誘導体水素化物(A−2)(以下、(A−2)成分という)を得た。物性等を表1に示す。
調製例3
調製例1の工程(3)において、5%パラジウムカーボン(含水率50%)6.0gを12.0gとしたほかは同様にして、ロジン誘導体水素化物(A−3)(以下、(A−3)成分という)を得た。物性等を表1に示す。
調製例4
調製例2の工程(3)において、5%パラジウムカーボン(含水率50%)6.0gを12.0gとしたほかは同様にして、ロジン誘導体水素化物(A−4)(以下、(A−4)成分という)を得た。物性等を表1に示す。
調製例5
調製例1の工程(2)において、無水マレイン酸154gを200gとしたほかは同様にして、ロジン誘導体水素化物(A−5)(以下、(A−5)成分という)を得た。物性等を表1に示す。
調製例6
調製例5の工程(3)において、5%パラジウムカーボン(含水率50%)6.0gを12.0gとしたほかは同様にして、ロジン誘導体水素化物(A−6)(以下、(A−6)成分という)を得た。物性等を表1に示す。
調製例7
調製例1の工程(1)の精製を行わずに未精製のガムロジンを工程(2)使用したほかは同様にして、ロジン誘導体水素化物(A−7)(以下、(A−7)成分という)を得た。物性等を表1に示す。
比較調製例1
調製例1の工程(2)において、無水マレイン酸154gに変えてアクリル酸105gを使用した他は同様にしてロジン誘導体水素化物(X−1)(以下、(X−1)成分という)を得た。(X−1)成分の物性等を表1に示す。
<フラックスの調製>
実施例1
(A−1)成分を50部、(B)成分として12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミドを5部、および(C)成分としてジエチレングリコールモノヘキシルエーテルを45部ビーカーに入れ、加熱溶解させることによって、フラックスを調製した。
実施例2
実施例1において、(A−1)成分に代えて(A−2)成分を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
実施例3
実施例1において、(A−1)成分に代えて(A−3)成分を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
実施例4
実施例1において、(A−1)成分に代えて(A−4)成分を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
実施例5
実施例1において、(A−1)成分に代えて(A−5)成分を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
実施例6
実施例1において、(A−1)成分に代えて(A−6)成分を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
実施例7
実施例1において、(A−1)成分に代えて(A−7)成分を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
実施例8
実施例1において、(B)成分として12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミドの代わりに17−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミドを使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
実施例9
実施例1において、(B)成分として12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミドの代わりに硬化ひまし油を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
実施例10
実施例1で得たフラックスに更に(D)成分としてアジピン酸を5部配合し、フラックスを調製した。
実施例11
実施例1で得たフラックスに更に(D)成分としてトランス2,3ジブロモー1,4−ブタンジオールを1部配合し、フラックスを調製した。
実施例12
実施例1において、(D)成分としてN,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンを3部使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
比較例1
実施例1において、(A−1)成分に代えて(X−1)成分を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
比較例2
実施例1において、(A−1)成分に代えて市販の水素化ロジン(荒川化学工業(株)製、「ハイペールCH」、以下、(X−2)成分という。)を使用した他は同様にして、フラックスを調製した。なお、(X−2)成分の物性等を表1に示す。
比較例3
実施例1において、(A−1)成分に代えて調製例1の工程(1)で得られた精製ロジン(以下、(X−3)成分という)を使用した他はと同様にしてフラックスを調製した。なお、(X−3)成分の物性等を表1に示す。
比較例4
実施例1において、(A−1)成分に代えて調製例1の工程(2)で得られたロジン誘導体(以下、(X−4)成分という)を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。なお、(X−4)成分の物性等を表1に示す。
比較例5
実施例1において、(A−1)成分に代えて市販の不均化ロジン(荒川化学工業(株)製、「ロンヂスR」;未蒸留、未水素化、以下、(X−5)成分という)を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。なお、(X−5)成分の物性等を表1に示す。
比較例6
実施例1において、(A−1)成分に代えて市販の重合ロジン(荒川化学工業(株)製、「アラダイムR−140」;未蒸留、未水素化、以下、(X−6)成分という)を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。なお、(X−6)成分の物性等を表1に示す。
比較例7
実施例1において、(A−1)成分に代えて市販のガムロジン(荒川化学工業(株)製、「CG−WW」;未蒸留、未水素化、以下、(X−7)成分という)を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。なお、(X−7)成分の物性等を表1に示す。
表1中、各記号は以下の意味である。
H:ハーゼンカラー
G:はガードナーカラー
12−HSBA:12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド
17−HSBA:17−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド
C−WAX:硬化ひまし油
DEGMHE:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
AA:アジピン酸
DBBD:トランス2,3ジブロモー1,4−ブタンジオール
BAPED:N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン
なお、(X−3)成分〜(X−7)成分はいずれも水素化物ではない。
また、(X−1)成分〜(X−7)成分の単位カルボキシル基モル濃度は、本明細書の段落[0032]〜[0036]に記載の方法に準拠して得た実測値である。
比較例8
実施例1において、(A−1)成分50部に代えて、(X−1)成分45部およびアルコール変性ジシクロペンタジエン樹脂の水素化物5部の混合物(軟化点120℃、色調H200、商品名「KR−1842」、荒川化学工業(株)製、以下、(X−8)成分という)を使用した他は同様にしてフラックスを調製した。
(ソルダーペーストの調製)
実施例1のフラックス10部および鉛フリーハンダ粉末(Sn−Ag−Cu合金;96.5重量%/3重量%/0.5重量%、平均粒子径25〜38μm)90部をビーカー内で撹拌してソルダーペーストを調製した。実施例2〜12および比較例1〜8のフラックスについても同様にしてソルダーペーストを調製した。
<性能評価>
(加熱だれ試験)
銅基板上に、「JIS Z3284 附属書8 加熱時のだれ試験」に準拠して、実施例1に係るソルダーペーストを所定の間隔となるよう縦一列にスクリーン印刷し、得られた印刷基板を窒素リフロー炉で160秒加熱(プリヒート条件:180℃で100秒、メインヒート条件:240℃で約60秒)し、ソルダーペーストの形状の変化を目視確認することにより、加熱だれの程度を確認した。実施例2〜12、比較例1〜8に係るソルダーペーストについても同様にして評価した。
4:非常にだれにくい;一体にならない間隔が0.6mm未満
3:だれにくい;一体にならない間隔が0.6mm以上〜0.7mm未満
2:ややだれやすい;一体にならない間隔が0.7mm以上〜0.8mm未満
1:だれやすい;一体にならない間隔が0.8mm以上
(ハンダ付け性)
実施例1〜12および比較例1〜8の各ソルダーペーストについて、「JIS Z3284 附属書10 ぬれ効力およびディウェッティング試験」に準拠し、ハンダ付け性(濡れ性)を評価したところ、いずれも良好(広がり度合いの区分1または2)であった。表2、3において「3」と示す。
(フラックス飛散、ハンダボール、クラック、色調)
銅基板上に、実施例1に係るソルダーペーストをスクリーン印刷し、ハンダ付部位を顕微鏡VW−6000((株)キーエンス製:30倍)で観察することによって、フラックス飛散の程度、ハンダボールの発生、フラックス残渣におけるクラックの有無、およびフラックス残渣の色調を以下の基準で目視判断した。なお、ハンダボールの発生については「JIS Z3284 附属書11 ソルダーボール試験」に準拠した。実施例2〜12、比較例1〜8に係るソルダーペーストについても同様にして評価した。
3:飛散なし
2:飛散がわずかに認められる
1:飛散が多く認められる
2:良好;ハンダボールが10個未満
1:不良;ハンダボールが10個以上
3:クラック無し
2:クラックがわずかに認められる
1:多くのクラックが認められる
3:無色透明
2:若干の着色あり
1:着色あり
実施例1〜7より、本発明のフラックスは、マレオピマル酸無水物類を主成分とするロジン誘導体の水素化物をベース材として使用したものであるため、いずれの評価においても良好な結果が得られている。一方、比較例1(アクリル酸変性ロジン水素化物)や比較例2(水素化ロジン)のように、マレオピマル酸無水物を含まないロジン誘導体やロジンは、水素化物であったとしても加熱だれやフラックス飛散、フラックス残渣の耐クラック性、色調において不良であることがわかる。
実施例8〜12より、本発明のフラックスは(A)成分を使用していることより、他のフラックス材料を変更した場合においても良好な結果が得られていることがわかる。
比較例3(未水添の精製ロジン)、比較例4(未水添の無水マレイン酸変性ロジン)、比較例5(不均化ロジン)、比較例6(重合ロジン)、および比較例7(ガムロジン)の結果より、それらのロジン系ベース材については、水素化されていない場合には加熱だれの抑制とフラックス飛散防止の両立が困難であり、他の性能においても劣る場合があることがわかる。
また、比較例8の結果より、ロジン系ベース材の一部を石油樹脂系のベース材に代えると、加熱だれはやや改善するが、残渣のクラックが生じ易いことがわかる。

Claims (15)

  1. 下記構造式(1)で表されるマレオピマル酸無水物類(a−1)を含み、かつ溶融粘度が100〜1000mPa・s/180℃であるロジン誘導体水素化物(A)を用いた、ハンダ付用ロジン系フラックス。

    (式(1)中、破線部はそこに炭素−炭素結合が存在してよいことを意味する。)
  2. (A)成分における(a−1)成分の含有量が30重量%以上である、請求項1のハンダ付用ロジン系フラックス。
  3. (A)成分が更にデヒドロアビエチン酸(a−2)を70重量%未満含有する、請求項2のハンダ付用ロジン系フラックス。
  4. (A)成分における分子量が280以下の低分子量成分の含有量が3重量%以下である、請求項1〜3のいずれかのハンダ付用ロジン系フラックス。
  5. (A)成分のカルボキシル基モル濃度が2.2×10−3〜3.2×10−3mol/gである、請求項1〜4のいずれかのハンダ付用ロジン系フラックス。
  6. (A)成分の軟化点が100〜150℃である、請求項1〜5のいずれかのハンダ付用ロジン系フラックス。
  7. (A)成分のガードナー色調が2以下である、請求項1〜6のいずれかのハンダ付用ロジン系フラックス。
  8. さらにチキソトロピック剤(B)、フラックス用溶剤(C)、および活性剤(D)を含有する、請求項1〜7のいずれかのハンダ付用ロジン系フラックス。
  9. (B)成分が動植物系チキソトロピック剤および/またはアミド系チキソトロピック剤である、請求項8のハンダ付用ロジン系フラックス。
  10. (C)成分が沸点150〜300℃のアルキレングリコールモノエーテル類および/または150〜300℃のエステル類である、請求項8または9のハンダ付用ロジン系フラックス。
  11. 活性剤(D)が、ハロゲン原子を含有しない脂肪族有機カルボン酸、有機ジアミン類、ブロモジカルボン酸類、およびブロモジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項8〜10のいずれかのハンダ付用ロジン系フラックス。
  12. (A)成分〜(D)成分をそれぞれ以下の重量%で含む、請求項8〜11のいずれかのハンダ付用ロジン系フラックス。
    (A)成分:30〜75重量%
    (B)成分:0.1〜10重量%
    (C)成分:20〜69.9重量%
    (D)成分:0〜10重量%
  13. 請求項1〜12のいずれかのハンダ付用ロジン系フラックスおよびハンダ粉末を含有するソルダーペースト。
  14. ハンダ粉が鉛フリーハンダ粉末である請求項13のソルダーペースト。
  15. 鉛フリーハンダ粉末がSn系鉛フリーハンダ粉末である請求項14のソルダーペースト。
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