JP6136851B2 - はんだ用フラックスおよびはんだペースト - Google Patents
はんだ用フラックスおよびはんだペースト Download PDFInfo
- Publication number
- JP6136851B2 JP6136851B2 JP2013221542A JP2013221542A JP6136851B2 JP 6136851 B2 JP6136851 B2 JP 6136851B2 JP 2013221542 A JP2013221542 A JP 2013221542A JP 2013221542 A JP2013221542 A JP 2013221542A JP 6136851 B2 JP6136851 B2 JP 6136851B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- flux
- solder
- less
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Description
本発明のはんだ用フラックスは、フラックス主成分を35質量%以上70質量%未満、活性剤を5質量%以上30質量%未満、不飽和脂肪酸アミドを5質量%以上15質量%未満含み、フラックス主成分が、ロジン、変性ロジン、アビエチン酸および変性アビエチン酸の群から選択される少なくとも1種であり、酸価が100mgKOH/g以上230mgKOH/g未満であることを特徴とする。このようなはんだ用フラックスを用いた場合、接合時の濡れ性を改善し、また、フラックス残渣の発生を抑制することができるため、接合後の洗浄作業が不要になる。
はじめに、本発明のはんだ用フラックスの構成成分である、フラックス主成分、活性剤、不飽和脂肪酸アミドおよび有機溶剤のそれぞれについて説明する。
本発明のはんだ用フラックスにおいては、ロジン、変性ロジン、ロジンの主成分であるアビエチン酸、および、これを変性した変性アビエチン酸からなる群から選択される少なくとも1種を主成分として採用する。これは、ロジン、変性ロジン、アビエチン酸および変性アビエチン酸は、その骨格にカルボキシル基を含んでおり、このカルボキシル基が、はんだ粉末の表面に形成された酸化物と反応することで、酸化被膜を除去することができるからである。
活性剤としては、上述したフラックス主成分との組み合わせにより、はんだ用フラックスの酸価を100mgKOH/g以上230mgKOH/g未満の範囲に制御することができるものであれば、特に限定されることはない。しかしながら、フラックス主成分のみで十分な活性力を得ることは現実的ではないため、活性剤として、2−フェニルコハク酸、コハク酸、アジピン酸、ステアリン酸の群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
不飽和脂肪酸アミドは、はんだ用フラックスの粘度特性を向上させるために添加される成分である。すなわち、長鎖の脂肪酸である不飽和脂肪酸がフラックスに添加されると、分子内でカルボキシル基同士が水素結合性のゲルを形成し、これにより、はんだ用フラックスにチクソトロピー性(粘度が経時的に変化する性質)が付与されることとなる。
本発明のはんだ用フラックスにおいて、フラックスのペースト化を容易にするため、有機溶剤が含まれることが好ましい。この有機溶剤は、特に限定されることはなく、公知の有機溶剤を使用することができるが、フラックス主成分や活性剤を容易に溶解することができる極性溶剤であり、かつ、はんだ粉末と混合することにより得られるはんだペーストを、はんだ接合に使用可能な粘度に溶解できる高沸点溶剤、具体的には、200℃〜300℃の範囲に沸点を有する有機溶剤を使用することが好ましい。沸点が200℃未満では、はんだペーストの製造中に蒸発してしまう場合がある。一方、300℃を超えると、はんだ溶融後も残存し、導電性を阻害する場合がある。このような有機溶剤としては、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールブチルメチルエーテルなどを挙げることができる。
本発明のはんだ用フラックスには、上述した構成成分のほかに、必要に応じて、表面保護剤や仮止め接着性を向上させる成分を添加することができる。具体的には、表面保護剤としては、シランカップリング剤や界面活性剤などを、仮止め用接着性を向上させる成分としては、リン酸系(メタ)アクリルモノマーやトリアジンジチオール系モノマーなどを添加することができる。
次に、本発明のはんだ用フラックスの製造方法について説明をする。
(酸価)
本発明では、各構成成分の種類および含有量を上述のように調製することにより、はんだ用フラックスの酸価を、100mgKOH/g以上230mgKOH/g未満に制御していることを特徴とする。なお、酸価とは、はんだ用フラックス1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)の質量(mg)を意味する。はんだ用フラックスの酸価をこのような範囲に制御することにより、はんだ接合時の濡れ性を向上させることができ、また、フラックス残渣の発生量を抑制し、かつ、発生した微量のフラックス残渣については絶縁被膜として有効に利用することができるため、フラックス残渣に起因する導体や母材の腐食を効果的に防止することができる。
本発明のはんだ用フラックスは、コーンプレート(0.5°、25mm)を使用したレオメータを用いて、25℃、せん断速度10/sの条件で測定した場合のせん断粘度が、好ましくは1×102Pa・s以上1×105Pa・s未満、より好ましくは5×102Pa・s以上6×103Pa・s以下の範囲にある。せん断粘度が1×102Pa・s未満では、はんだ粉末と混合し、はんだペーストを構成した場合に、はんだ粉末とはんだ用フラックスとが分離するおそれがある。一方、1×105Pa・s以上では、はんだペーストの流動性が低下し、接合強度が低下するおそれがある。
最後に、本発明のはんだ用フラックスを用いたはんだペーストについて説明する。
本発明のはんだ用フラックスと混合する、はんだ粉末の合金成分は特に限定されることはなく、公知のものを使用することができる。たとえば、Pb−Sn系合金はんだ、Bi−Zn系合金はんだやSn−Ag系合金はんだなどのPbフリーはんだ、または、これらのはんだ合金に、Cu、Bi、In、Alなどを添加したものを使用することができる。
本発明のはんだペーストは、5質量%〜20質量%、好ましくは10質量%〜15質量%のはんだ用フラックスと、80質量%〜95質量%、好ましくは85質量%〜90質量%のはんだ粉末とから構成され、はんだ用フラックスとして、本発明のはんだ用フラックスを使用することを特徴とする。はんだ用フラックスおよびはんだ粉末の混合比をこのような範囲に制御することにより、得られるはんだペーストの接合時における濡れ性を優れたものとすることができる。また、フラックス残渣を、絶縁被膜として利用することができるため、母材の腐食を効果的に防止することができる。
本発明のはんだペーストは、本発明のはんだ用フラックスを使用しているため、接合時における濡れ性に優れる。具体的には、本発明のはんだ用フラックスと、Sn/Ag/Cuからなるはんだ粉末を混合することにより、はんだペーストを構成し、これを加熱溶融した場合の母材との接触角を、好ましくは80°以上、より好ましくは85°以上とすることができる。また、本発明のはんだペーストを用いて導体と母材を接合した場合には、フラックス残渣の発生が効果的に抑制され、フラックス残渣に起因する母材または導体の腐食を効果的に防止することができる。
はんだ用フラックスとして、表1に記載されるフラックス主成分、活性剤、不飽和脂肪酸アミド、有機溶剤および添加剤を用意した。これらの構成成分を表2に記載されるように調製し、はんだ用フラックスを得た。これらのはんだ用フラックスに対して、酸価の測定、せん断粘度の測定、および、はんだ浸漬後の外観評価を行った。
酸価の測定は、JIS Z 3197に準拠し、次の通り測定した。
せん断粘度測定は、コーンプレート(0.5°、25mm)を使用したレオメータ(AntonPaar社製、MCR501)を用いて、25℃、せん断速度10/sの条件で測定した。
はんだ浸漬後の外観評価は、実施例1〜15および比較例1〜7のはんだ用フラックスを、それぞれ母材(銅製)に塗布し、90℃で予熱した後、Sn−Ag−Cu系合金はんだを、はんだ浴温度:245℃、浸漬時間:3秒の条件ではんだ付けをした後、母材表面の腐食およびフラックス残渣の有無を目視で確認し、この結果、腐食およびフラックス残渣がない場合を「○(良)」、腐食またはフラックス残渣が確認された場合を「×(不良)」と評価した。
濡れ性の評価は、光学顕微鏡によって、はんだペーストの接触角を観察することにより行った。この結果、はんだペーストの接触角が80°以上であったものを「○(良)」、80°未満であったものを「不良(×)」として評価した。
実施例1〜15のはんだ用フラックスは、酸価およびせん断粘度のいずれもが、本発明に規定する範囲内にあり、また、浸漬後において、母材の腐食やフラックス残渣は確認されなかった。すなわち、これらのはんだ用フラックスは、優れた濡れ性を有し、かつ、接合後の洗浄が不要であると評価することができる。
Claims (6)
- 35質量%以上70%質量未満のフラックス主成分と、5質量%以上30質量%未満の活性剤と、5質量%以上15質量%未満の不飽和脂肪酸アミドとのみからなり、あるいは、35質量%以上70%質量未満のフラックス主成分と、5質量%以上30質量%未満の活性剤と、5質量%以上15質量%未満の不飽和脂肪酸アミドと、20質量%以上50質量%未満の有機溶剤および/または0.1質量%以上10質量%未満の添加剤とのみからなり、
前記フラックス主成分は、ロジン、変性ロジン、アビエチン酸および変性アビエチン酸の群から選択される少なくとも1種であり、
前記活性剤は、2−フェニルコハク酸、コハク酸、アジピン酸およびステアリン酸の群から選択される少なくとも1種であり、
前記添加剤は、シランカップリング剤、界面活性剤、リン酸系アクリルモノマー、トリアジンジチオール系モノマー、レオロジーコントロール剤および熱可塑性樹脂の群から選択される少なくとも1種であり、
酸価が100mgKOH/g以上230mgKOH/g未満である、
はんだ用フラックス。 - 前記フラックス主成分は、軟化点が70℃〜170℃であり、かつ、酸価が100mgKOH/g〜200mgKOH/gである、請求項1に記載のはんだ用フラックス。
- 前記不飽和脂肪酸アミドは、オレイン酸アミド、エライジン酸アミドおよびエルカ酸アミドの群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載のはんだ用フラックス。
- 前記有機溶剤は、200℃〜300℃の範囲の沸点を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のはんだ用フラックス。
- レオメータで測定した、25℃、せん断速度10/sにおけるせん断粘度が、1×102Pa・s以上、1×105Pa・s未満である、請求項1〜4のいずれかに記載のはんだ用フラックス。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のはんだ用フラックスを5質量%〜20質量%、はんだ粉末を80質量%〜95質量%含有する、はんだペースト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013221542A JP6136851B2 (ja) | 2013-10-24 | 2013-10-24 | はんだ用フラックスおよびはんだペースト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013221542A JP6136851B2 (ja) | 2013-10-24 | 2013-10-24 | はんだ用フラックスおよびはんだペースト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015080814A JP2015080814A (ja) | 2015-04-27 |
JP6136851B2 true JP6136851B2 (ja) | 2017-05-31 |
Family
ID=53011712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013221542A Expired - Fee Related JP6136851B2 (ja) | 2013-10-24 | 2013-10-24 | はんだ用フラックスおよびはんだペースト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6136851B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6230569B2 (ja) * | 2015-06-29 | 2017-11-15 | 株式会社タムラ製作所 | 異方性導電性接着剤およびそれを用いたプリント配線基板の製造方法 |
JP6444953B2 (ja) * | 2015-09-30 | 2018-12-26 | 株式会社タムラ製作所 | フラックス組成物およびソルダペースト |
JP6469623B2 (ja) * | 2016-09-28 | 2019-02-13 | 株式会社タムラ製作所 | ジェットディスペンサー用はんだ組成物 |
JP6831666B2 (ja) * | 2016-10-13 | 2021-02-17 | 株式会社パラット | 半田付けシステム、半田付け製品製造方法、半田付け方法、及び半田 |
TWI671128B (zh) * | 2016-12-30 | 2019-09-11 | 財團法人工業技術研究院 | 非牛頓流體材料的塗佈方法及其塗佈系統 |
JP6945136B2 (ja) * | 2017-01-17 | 2021-10-06 | 株式会社弘輝 | フラックス及びはんだ組成物 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60170594A (ja) * | 1984-02-10 | 1985-09-04 | Nippon Genma:Kk | クリ−ムはんだ |
JP3702969B2 (ja) * | 1994-09-02 | 2005-10-05 | 内橋エステック株式会社 | 液状フラックス及びはんだ付け方法 |
JP2001105180A (ja) * | 1999-10-05 | 2001-04-17 | Showa Denko Kk | はんだ付けフラックス |
JP4697599B2 (ja) * | 2006-02-27 | 2011-06-08 | 荒川化学工業株式会社 | プリコート用鉛フリーソルダーペースト、プリコート用鉛フリーソルダーペーストに用いるフラックス |
US9770786B2 (en) * | 2010-06-01 | 2017-09-26 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Lead-free solder paste |
CN102528326B (zh) * | 2010-09-24 | 2015-07-22 | 荒川化学工业株式会社 | 焊接用松香类焊剂以及焊料糊剂 |
-
2013
- 2013-10-24 JP JP2013221542A patent/JP6136851B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015080814A (ja) | 2015-04-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6136851B2 (ja) | はんだ用フラックスおよびはんだペースト | |
JP5531188B2 (ja) | フラックス、はんだ組成物および電子回路実装基板の製造方法 | |
TWI386273B (zh) | Solder fluxes and solder paste compositions | |
JP6402213B2 (ja) | はんだ組成物および電子基板 | |
JP6359499B2 (ja) | 耐冷熱衝撃フラックス組成物、ソルダペースト組成物および電子回路基板 | |
JP6674982B2 (ja) | はんだ組成物および電子基板 | |
JP2014100737A (ja) | レーザーはんだ付け用はんだ組成物およびそれを用いたプリント配線基板 | |
JP5877822B2 (ja) | 耐冷熱衝撃フラックス組成物、ソルダペースト組成物、はんだ接合部の製造方法および電子回路基板の製造方法 | |
JP6824208B2 (ja) | フラックス及びソルダペースト | |
JP6413843B2 (ja) | はんだ用フラックスおよびはんだペースト | |
CN102166689B (zh) | 一种无卤素无铅焊锡膏及其所用助焊剂 | |
JP6423840B2 (ja) | フラックス組成物及びソルダーペースト | |
JP2019025484A (ja) | はんだ組成物および電子基板 | |
JP6184817B2 (ja) | フラックス組成物、はんだ組成物、および、プリント配線基板の製造方法 | |
JPH05501082A (ja) | 低残留物はんだペーストにおける有機酸の使用 | |
CN105215579A (zh) | 一种自动焊接机器人用焊锡丝中无卤助焊剂及制备方法 | |
JP2020055035A (ja) | はんだ組成物および電子基板 | |
KR20200035208A (ko) | 플럭스 조성물 및 솔더 페이스트 | |
JP2015208779A (ja) | はんだ用フラックスおよびはんだペースト | |
JP2011104638A (ja) | 水溶性フラックス、導電性ペーストおよび接合部品 | |
JP2013221143A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物及びこれを用いた導電性ペースト | |
JP7066798B2 (ja) | はんだ組成物 | |
JP2019212577A (ja) | 接合剤 | |
JP2008062242A (ja) | はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物 | |
JP7361481B2 (ja) | はんだ組成物および電子基板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151111 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160907 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160920 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161118 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170124 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170302 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20170309 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170404 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170417 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6136851 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |