JP2008062242A - はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物 - Google Patents

はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 はんだ付け後のフラックス残渣の亀裂発生を充分に抑制することができるとともに、信頼性が高く、良好なはんだ付け性を有し、製造コストや環境に対する負荷は従来と同等であるはんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のはんだ付け用フラックスは、ベース樹脂として、軟化点が60℃以下の低軟化点ロジンを含有する。低軟化点ロジンは、セコデヒドロアビエチン酸を含むこと、および/または、ロジンの加熱分解成分を含むことが好ましく、これらセコデヒドロアビエチン酸および/または加熱分解成分の含有量は低軟化点ロジン中5重量%以上であるのがよい。また、低軟化点ロジンの含有量はフラックス総量に対して0.5〜80重量%であるのがよい。本発明のはんだペースト組成物は、前記本発明のフラックスとはんだ合金粉末とを含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、回路基板に対して回路部品等をはんだ接続する際に使用されるはんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物に関する。
従来から、電子回路部品等をはんだ接続するために、種々のはんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物が使用されている。しかし、従来のフラックスおよびはんだペースト組成物では、はんだ付けを行った後のフラックス残渣に亀裂が発生し、この亀裂部に水分が結露して部品リード間の短絡不良を招くといった問題を生じることがあった。この問題は、特に、使用時の寒暖差が大きく、また振動も大きい車載用基板上で発生する可能性が高い。
この問題を改善する方法として、これまでに以下のような亀裂防止手段が提案されている。すなわち、a)ロジンをベース樹脂とするはんだペーストにおいて、高沸点可塑剤であるトリメリット酸のエステルを添加する方法(特許文献1参照)のように、高沸点の可塑剤を添加してはんだ付け後の残渣中に可塑剤を残留させる手段、b)エチレン−アクリル共重合体を使用したはんだ付け用フラックス(特許文献2参照)のように、エチレンあるいはプロピレンの重合体等の柔軟な合成樹脂をベース樹脂とする手段、c)はんだ付け後に洗浄を行い、フラックス残渣を取り除く手段、である。
特開平9−234588号公報 特開平9−122975号公報
しかしながら、前記a)の手段では、フラックス残渣の亀裂発生が低減される一方で、液状物質の残留による信頼性低下が懸念されるという問題があった。前記b)の手段では、合成樹脂の使用により、ロジン系フラックスと比較して、はんだのぬれ性の確保が難しくなり、はんだ付け性が低下するという問題があった。前記c)の手段では、洗浄のための後工程や洗浄設備の増設等が必要になることで製品コストが高騰したり、洗浄に用いる溶剤によって環境汚染が懸念されるという問題があった。
そこで、本発明は、はんだ付け後のフラックス残渣の亀裂発生を充分に抑制することができるとともに、信頼性が高く、良好なはんだ付け性を有し、製造コストや環境に対する負荷は従来と同等である、はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、はんだ付け用フラックスのベース樹脂として、特定温度以下の軟化点を持つロジンを使用することにより、はんだ付け後のフラックス残渣に柔軟性が付与され、該フラックス残渣に亀裂が生じるのを効果的に抑制できるとともに、従来のロジンと同等の活性力と高い絶縁性を備えているので、高い信頼性の確保と良好なはんだ付け性を得ることができ、製造コストや環境に対する負荷も従来と同等に保つことができる、という新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)ベース樹脂として、軟化点が60℃以下の低軟化点ロジンを含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス。
(2)前記低軟化点ロジンがセコデヒドロアビエチン酸を含む、前記(1)記載のはんだ付け用フラックス。
(3)前記低軟化点ロジンがロジンの加熱分解成分を含む、前記(1)または(2)に記載のはんだ付け用フラックス。
(4)前記低軟化点ロジン中に含まれるセコデヒドロアビエチン酸および/または加熱分解成分の含有量が5重量%以上である、前記(2)または(3)に記載のはんだ付け用フラックス。
(5)前記低軟化点ロジンの含有量がフラックス総量に対して0.5〜80重量%である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
(6)ベース樹脂として、アクリル化ロジンおよび/またはアクリル樹脂をも含有する、前記(1)〜(5)のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のはんだ付け用フラックスとはんだ合金粉末とを含有することを特徴とするはんだペースト組成物。
本発明によれば、はんだ付け後のフラックス残渣の亀裂発生を充分に抑制することができるとともに、高信頼性と良好なはんだ付け性を得ることができる。これにより、フラックス残渣の亀裂に起因する短絡やはんだ付け不足による接合部品の脱落、腐食による断線等を防止することができるので、信頼性が高く、高品質な電子機器を容易に製造できる、という効果が得られる。特に、低温高温サイクル(冷熱サイクル)や振動に曝されるなどの過酷な環境下で使用される場合にも、耐腐食性と高い電気絶縁性を保持することが可能になり、はんだ付け部の信頼性を向上させることができる。また、本発明によれば、従来のように、はんだ付け後の残留フラックスを洗浄する必要がないので、製品コストの高騰させるおそれがなく、洗浄溶剤が人体や環境に悪影響を及ぼすおそれもない。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本発明のはんだ付け用フラックス(以下、単に「フラックス」と称することもある)は、ベース樹脂として、軟化点が60℃以下の低軟化点ロジンを含有する。軟化点が60℃以下の低軟化点ロジンは、一般に、柔軟な構造を有するとともに、軟化点が60℃を超える従来のロジンと同等の活性力と高い絶縁性を備えている。したがって、このような低軟化点ロジンをベース樹脂とすることにより、はんだ付け後のフラックス残渣中に亀裂が発生するのを効果的に抑制しつつ、良好なはんだ付け性と高信頼性を得ることができるのである。軟化点が60℃を超えるロジンであると、樹脂の柔軟性が低下し、残渣中の亀裂の発生を抑制するという本発明の効果が得られなくなる。
前記低軟化点ロジンは、セコデヒドロアビエチン酸を含むものであることが好ましい。フラックス中にセコデヒドロアビエチン酸が存在することによって、特に低温高温サイクルや振動にさらされる環境下で使用された場合にも、耐腐食性と高い電気絶縁性を保持させることができる。
前記セコデヒドロアビエチン酸は、下記式(I)に示す構造を有するものであり、各種ロジンに含まれる共役二重結合を有する成分(例えば、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマール酸等のアビエチン酸型の共役二重結合を有する樹脂酸)が変性されたものである。詳しくは、前記セコデヒドロアビエチン酸は、アビエチン酸型の共役二重結合を有する樹脂酸を、そのカルボン酸部分を保持させたまま、不均斉化と同時に開環させてなるものである。
Figure 2008062242
前記セコデヒドロアビエチン酸を含む低軟化点ロジンは、例えば、前記共役二重結合を有する成分(アビエチン酸型の共役二重結合を有する樹脂酸)を含む各種ロジンを、ヨウ素、イオウ、鉄等の触媒存在下、150〜300℃、好ましくは250〜280℃で、3〜24時間程度加熱する方法で得ることができる。この方法によって、ロジン中のアビエチン酸型共役二重結合を有する樹脂酸を、不均斉化すると同時に開環させ、セコデヒドロアビエチン酸を生じさせるのである。該方法において、不均斉化反応と同時に開環反応を促進させるためには、後述する製造例のように、加熱中に存在させる触媒として下記式(II)に示す構造を有するアルキルフェノールジスルフィドオリゴマー(例えば、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー、t−アミルフェノールジスルフィドオリゴマー等)を用いることが有効である。また、前記方法において、所望の不均斉化および開環以外の副反応を抑制し、他の分解反応物を副生させないためには、加熱の際の温度制御が重要となる。
Figure 2008062242
前記低軟化点ロジンは、ロジンの加熱分解成分を含むものであることが好ましい。フラックス中にロジンの加熱分解成分が存在することによって、特に低温高温サイクルや振動にさらされる環境下で使用された場合にも、耐腐食性と高い電気絶縁性を保持させることができる。
前記ロジンの加熱分解成分とは、通常、各種ロジンに含まれる種々の成分(例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸等)が熱分解されてなるものであり、具体的には、例えば、ガムロジンを熱分解させてなるピノリンやロジンオイル等が挙げられる。
前記加熱分解成分を含む低軟化点ロジンは、例えば、各種ロジンを、不活性ガス雰囲気中で、250〜300℃の温度で数時間加熱する方法で得ることができる。この方法では、前述したセコデヒドロアビエチン酸を含む低軟化点ロジンを得る方法と異なり、加熱時にヨウ素、イオウ、鉄等の触媒を存在させないので、不均斉化および開環反応は起こらず、単なる熱分解反応のみが起こる。
なお、前記低軟化点ロジンは、前記セコデヒドロアビエチン酸と前記加熱分解成分のいずれか一方のみを含有するものであってもよいし、両方を含有するものであってもよい。
低軟化点ロジン中に占める前記セコデヒドロアビエチン酸および/または前記加熱分解成分の含有量は、5重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20重量%以上であるのがよい。セコデヒドロアビエチン酸および/または加熱分解成分が5重量%未満であると、ロジンの軟化点を60℃以下とすることが難しくなり、前記低軟化点樹脂にならないおそれがある。なお、低軟化点ロジン中に前記セコデヒドロアビエチン酸と前記加熱分解成分の両方が含まれる場合には、両者の合計量が前記範囲であればよい。本発明において、セコデヒドロアビエチン酸および/または加熱分解成分の含有量は、ガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
低軟化点ロジンの含有量は、フラックス総量に対して0.5〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは、2〜60重量%であるのがよい。低軟化点ロジンが0.5重量%未満であると、フラックス中の固形分量が少なくなるため、はんだ付け時の皮膜性が低下し、充分なはんだ付け性が得られないおそれがある。一方、低軟化点ロジンが80重量%を超えると、フラックスが高粘度化し、作業性が著しく低下するおそれがある。
本発明のはんだ付け用フラックスは、ベース樹脂として、前記低軟化点ロジンとともに、アクリル化ロジンおよび/またはアクリル樹脂をも含有することが好ましい。アクリル化ロジンを含有させることにより、さらにはんだ付け性の向上を図ることができ、他方、アクリル樹脂を含有させることにより、はんだ付け性や信頼性への影響を抑えつつフラックス残渣の柔軟性をさらに向上させ、より確実に亀裂の発生を防止することができる。したがって、アクリル化ロジンとアクリル樹脂は、少なくとも一方を、好ましくは両方を含有させるのがよい。
アクリル化ロジンとしては、各種ロジンにアクリル酸やメタクリル酸を付加反応させてなるものを用いればよい。
アクリル化ロジンの含有量は、フラックス総量に対して0.1〜60重量%であるのが好ましく、より好ましくは1〜45重量%であるのがよい。アクリル化ロジンが0.1重量%未満であると、はんだ付け性の向上効果が期待できない可能性が高い。一方、アクリル化ロジンが60重量%を超えると、低軟化点ロジンの量が相対的に少なくなってしまい、残渣の耐亀裂性が悪化するおそれがある。
アクリル樹脂としては、重合性不飽和基を有するモノマー(例えば、(メタ)アクリル酸、その各種エステル、クロトン酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸およびそのエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、塩化ビニル、酢酸ビニル等)を、過酸化物等の触媒を用いて、塊状重合法、液状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等のラジカル重合により重合させたものを用いるのがよい。
アクリル樹脂の含有量は、フラックス総量に対して0.1〜60重量%であるのが好ましく、より好ましくは1〜45重量%であるのがよい。アクリル樹脂が0.1重量%未満であると、残渣の柔軟性を向上させるという効果が期待できない可能性が高い。一方、アクリル樹脂が60重量%を超えると、フラックス固形分中の低軟化点ロジンの比率が相対的に低下してしまうため、はんだ付け性の低下を招くおそれがある。
本発明のはんだ付け用フラックスには、ベース樹脂として、さらに必要に応じて、従来から一般的にフラックスに用いられているロジンおよびその誘導体または合成樹脂を含有させることができる。その場合には、前述した低軟化点ロジン(必要に応じて、アクリル化ロジンおよびアクリル樹脂)のベース樹脂中に占める割合が充分に確保できるような範囲で含有させるのがよい。
従来から一般的にフラックスに用いられているロジンおよびその誘導体としては、例えば、通常のガムロジン、トールロジン、ウッドロジン等が挙げられる。また、それらの誘導体としては、熱処理した樹脂、重合ロジン、水素添加ロジン、ホルミル化ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂等が挙げられる。従来から一般的にフラックスに用いられている合成樹脂としては、例えば、スチレン−マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
本発明のはんだ付け用フラックスは、前述したベース樹脂のほかに、通常、活性剤を含有するものであり、必要に応じてチキソ剤をも含有するものである。さらに、フラックスを液状にして使用する場合には、適当な有機溶剤を含有させることもできる。
活性剤としては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン等のハロゲン化水素酸塩、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸等の有機カルボン酸等が挙げられる。
活性剤の含有量は、フラックス総量に対して0.1〜30重量%であるのがよい。活性剤が0.1重量%未満であると、活性力が不足し、はんだ付け性が低下するおそれがある。一方、活性剤が30重量%を超えると、フラックスの皮膜性が低下し、親水性が高くなるので、腐食性および絶縁性が低下するおそれがある。
チキソ剤としては、例えば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等が挙げられる。チキソ剤の含有量は、フラックス総量に対して1.0〜25重量%であるのがよい。
有機溶剤としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、トルエン、テレピン油等の炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの中でも、揮発性や活性剤の溶解性の点でイソプロピルアルコールが好ましい。
有機溶剤の含有量は、フラックス総量に対して20〜99重量%であるのがよい。有機溶剤が20重量%未満であると、フラックスの粘性が高くなり、フラックスの塗布性が悪化するおそれがある。一方、有機溶剤が99重量%を超えると、フラックスとしての有効成分(ロジン等)が相対的に少なくなってしまうため、はんだ付け性が低下するおそれがある。
さらに、本発明のフラックスは、前述した各成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、一般にフラックスのベース樹脂として用いられている従来公知の合成樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂等)や、酸化防止剤、防黴剤、つや消し剤等の添加剤を含有させることもできる。
本発明のはんだペースト組成物は、前述した本発明のはんだ付け用フラックスとはんだ合金粉末とを含有する。
はんだ合金粉末としては、特に制限はなく、一般に用いられている錫−鉛合金、さらに銀、ビスマスまたはインジウムなどを添加した錫−鉛合金等を用いることができる。また、錫−銀系、錫−銅系、錫−銀−銅系等の鉛フリー合金を用いてもよい。なお、はんだ合金粉末の粒径は、5〜50μm程度であるのがよい。
本発明のはんだペースト組成物におけるフラックスとはんだ合金粉末との重量比(フラックス:はんだ合金粉末)は、特に制限されないが、5:95〜20:80程度であるのがよい。
本発明のはんだペースト組成物は、電子機器部品等をはんだ接続する際に、ディスペンサーやスクリーン印刷等により基板上に塗布される。そして、塗布後、例えば150〜200℃程度でプリヒートを行い、最高温度170〜250℃程度でリフローを行う。基板上への塗布およびリフローは、大気中で行ってもよく、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気中で行ってもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、得られたフラックスおよびはんだペースト組成物の評価は、下記の方法で行なった。
<はんだ付け性試験>
20本のリードを持つ0.8mmピッチのSOP(Shrink Outline Package)パターンが15個存在するガラスエポキシ基板にフラックスを塗布した。フラックス塗布後の基板を噴流はんだ付け装置ではんだ付けした後(はんだ付けには、Sn−Ag−Cu合金(Sn:Ag:Cu=96.5:3.0:0.5(重量比))からなるはんだ合金粉末を使用)、目視観察によりSOPパターン部でのブリッジ不良の有無を判定し、ブリッジがあった場合、その数(不良発生数)をカウントし、全SOPパターン(300本)に対する不良発生数の割合を百分率で示した値を不良率(%)として求めることにより評価した。
<はんだボール試験>
0.8mmピッチのQFP(Quad Flat Package)パターンが存在する基板に、同じパターンを有する厚み200μmのメタルマスクを用いてはんだペースト組成物を印刷した。印刷後10分以内に、大気下において175±5℃で80±5秒間プリヒートを行い、最高温度235±5℃でリフローを行った。そして、はんだ付け性の指標となるはんだボールの発生状況を、20倍の実体顕微鏡を用いて80パッド(80個のはんだ付け部)の周囲に発生したはんだボール数(個)をカウントすることにより評価した。
<残渣亀裂試験>
上記のはんだ付け性試験またははんだボール試験を行った後の基板を試験片とし、該試験片に、−30℃×30分→85℃×30分を100サイクルの条件で冷熱サイクル負荷をかけた後、基板上のSOPパターンまたはQFPパターンのはんだ付け部における亀裂発生状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
○;亀裂が全く認められない。
△;亀裂は発生しているが、信頼性に悪影響を及ぼす亀裂、すなわち2つ以上の隣接するはんだ付け部にまたがるような亀裂(以下「連結亀裂」と称する)は認められない。
×;連結亀裂が発生している。
<絶縁抵抗試験>
1)フラックスの場合;JIS−Z−3197に規定するくし形基板(II型)に、フラックスを塗布した。フラックス塗布後、噴流はんだ付け装置ではんだ付けを行った(はんだ付けには、Sn−Ag−Cu合金(Sn:Ag:Cu=96.5:3.0:0.5(重量比))からなるはんだ合金粉末を使用)。はんだ付け後の基板を、85℃、85%の恒温恒湿槽内に放置して経時的に(初期、500時間後および1000時間後)抵抗値(Ω)を測定することにより電気的な信頼性として絶縁抵抗を評価した。
2)はんだペースト組成物の場合;JIS−Z−3197に規定するくし形基板(II型)に、同じパターンを有する厚み100μmのメタルマスクを用いてはんだペースト組成物を印刷した。印刷後10分以内に、大気下において175±5℃で80±5秒間プリヒートを行い、最高温度235±5℃でリフローを行った。リフロー後の基板に上記残渣亀裂試験と同じ条件で冷熱サイクル負荷をかけ、その後、85℃、85%の恒温恒湿槽内に放置して経時的に(初期、500時間後および1000時間後)抵抗値(Ω)を測定することにより電気的な信頼性として絶縁抵抗を評価した。
<腐食試験>
フラックスまたははんだペースト組成物を用いてJIS−Z−3197に規定する銅板腐食試験片を作製し、該試験片に上記残渣亀裂試験と同じ条件で冷熱サイクル負荷をかけた。その後、各試験片を40℃、85%の恒温恒湿槽内に放置して、500時間後および1000時間後に、目視観察により点食もしくは腐食発生の有無を確認した。
(製造例1)
ガムロジン100重量部に対し、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー(イオウ含有量10重量%)0.5重量部を添加し、260℃に昇温した後、同温度で6時間保持して、合成ロジンAを得た。
この合成ロジンAは、軟化点が57℃であり、セコデヒドロアビエチン酸を3.6重量%、加熱分解物であるピノリンを2.2重量%含有するものであった。
(製造例2)
ガムロジン100重量部に対し、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー(イオウ含有量10重量%)0.35重量部と、ヨウ素0.14重量部と、ナフテン酸鉄0.013重量部とを添加し、250℃に昇温した後、同温度で3時間保持して、合成ロジンBを得た。
この合成ロジンBは、軟化点が44℃であり、セコデヒドロアビエチン酸を14.8重量%含有するものであった。
(製造例3)
ガムロジン100重量部に対し、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー(イオウ含有量10重量%)0.56重量部と、ヨウ素0.05重量部と、ナフテン酸鉄0.01重量部とを添加し、250℃に昇温した後、同温度で3時間保持して、合成ロジンCを得た。
この合成ロジンCは、軟化点が48℃であり、セコデヒドロアビエチン酸を11.2重量%含有するものであった。
(製造例4)
ガムロジン100重量部に対し、t−アミルフェノールジスルフィドオリゴマー(イオウ含有量23重量%)0.30重量部と、ヨウ素0.05重量部と、ナフテン酸鉄0.01重量部とを添加し、260℃に昇温した後、同温度で3時間保持して、合成ロジンDを得た。
この合成ロジンDは、軟化点が35℃であり、セコデヒドロアビエチン酸を21.2重量%含有するものであった。
(製造例5)
ガムロジン100重量部を窒素ガス雰囲気下、280℃に昇温した後、同温度で10時間保持して、合成ロジンEを得た。
この合成ロジンEは、軟化点が56℃であり、ガムロジンの加熱分解成分であるピノリンおよびジテルペンを合計で6.1重量%含有するものであった。
(実施例1〜4および比較例1)
ベース樹脂として、上記各製造例で得られた合成ロジン、アクリル樹脂(重量平均分子量5000、酸価50mgKOH/g)、アクリル化ロジン(軟化点110℃、酸価210mgKOH/g)およびガムロジン(軟化点79℃、酸価168mgKOH/g)、のうちのいずれかと、表1に示す活性剤および溶剤とを、表1に示す配合組成で混合し、均一になるように充分に熱を加えて溶解させ、フラックスをそれぞれ得た。
得られた各フラックスを用いて、はんだ付け性試験、残渣亀裂試験、絶縁抵抗試験および腐食試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2008062242
(実施例5〜8および比較例2)
ベース樹脂として、上記各製造例で得られた合成ロジン、アクリル樹脂(重量平均分子量8000、酸価75mgKOH/g)、アクリル化ロジン(軟化点105℃、酸価200mgKOH/g)およびガムロジン(軟化点77℃、酸価165mgKOH/g)、のうちのいずれかと、表2に示す活性剤、チキソ剤および溶剤とを、表2に示す配合組成で混合し、均一になるように充分に熱を加えて溶解させ、フラックスをそれぞれ得た。
次いで、得られた各フラックスと、Sn−Ag−Cu合金(Sn:Ag:Cu=96.5:3.0:0.5(重量比))からなるはんだ合金粉末(粒径38〜25μm)とを、フラックス:はんだ合金粉末=12:88(重量比)の比率で混合して、はんだペースト組成物をそれぞれ得た。
得られた各はんだペースト組成物を用いて、はんだボール試験、残渣亀裂試験、絶縁抵抗試験および腐食試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2008062242
表1および表2から、低軟化点ロジンである合成ロジンA〜Dを用いた実施例1〜8は、はんだ付け不良とはんだボールの発生が抑制されているとともに、冷熱サイクル負荷後も信頼性低下および腐食発生が抑制されており、優れた性能が得られていることがわかる。特に、セコデヒドロアビエチン酸を5重量%以上含有する合成ロジンB〜Dを用いた実施例2〜4および実施例6〜8は、冷熱サイクルでの亀裂発生の抑制効果が優れていることがわかる。
以上から明らかなように、本発明によれば、はんだ付け性に優れ、低温高温サイクルや振動にさらされる環境下で使用される場合にも耐腐食性と高い電気絶縁性を保持でき、はんだ付け部の信頼性を向上させることができる。

Claims (7)

  1. ベース樹脂として、軟化点が60℃以下の低軟化点ロジンを含有することを特徴とするはんだ付け用フラックス。
  2. 前記低軟化点ロジンがセコデヒドロアビエチン酸を含む、請求項1記載のはんだ付け用フラックス。
  3. 前記低軟化点ロジンがロジンの加熱分解成分を含む、請求項1または2に記載のはんだ付け用フラックス。
  4. 前記低軟化点ロジン中に含まれるセコデヒドロアビエチン酸および/または加熱分解成分の含有量が5重量%以上である、請求項2または3に記載のはんだ付け用フラックス。
  5. 前記低軟化点ロジンの含有量がフラックス総量に対して0.5〜80重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
  6. ベース樹脂として、アクリル化ロジンおよび/またはアクリル樹脂をも含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のはんだ付け用フラックス。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のはんだ付け用フラックスとはんだ合金粉末とを含有することを特徴とするはんだペースト組成物。
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