JP4112546B2 - 鉛フリー接合材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第2の特徴は、前述の製造方法により製造された接合材を要旨とする。
本明細書において「接合材」とは、金属を接合するための材料であって、必須成分として錫亜鉛系はんだ材を含む材料を意味する。接合材の使用の形態は特に制限されるものではないが、例えばはんだ材やソルダーペースト、はんだボール等の形態で使用される。
第1の実施形態のはんだ材は、錫及び亜鉛を含むはんだ粉末の表面に、ケイ素含有高分子溶液を塗布することにより製造されるものである。
スプレー缶中に、プロパン、二酸化炭素等の圧縮ガスと、アルコールまたはケトン溶媒にケイ素含有高分子化合物を溶解させた溶液とを封入し、はんだ粉末にスプレーコーティングする。溶媒の揮発により、表面にケイ素含有高分子化合物の被膜が形成されたはんだ粉末が得られる。
アルコールまたはケトン溶媒にケイ素含有高分子化合物を溶解させた溶液中にはんだ粉末を混合し、攪拌しながら溶媒を減圧除去する。溶媒が完全に除去されると同時に、表面にケイ素含有高分子化合物の被膜が形成されたはんだ粉末が得られる。
アルコールまたはケトン溶媒にケイ素含有高分子化合物を溶解させた溶液中にはんだ粉末を混合し、溶媒が完全に除去しきらないように溶媒を減圧除去する。その結果、はんだ粉末とケイ素含有高分子化合物(と少量の溶媒)が混合されたペーストが得られる。このペーストに、先に使用した溶媒と混和可能で、かつケイ素含有高分子化合物が不溶な溶媒を加え混合攪拌することにより、表面にケイ素含有高分子化合物の被膜が形成されたはんだ材が得られる。
(イ)ポリメチルシルセスキオキサン0.5g、エタノール45gを室温で1時間攪拌してポリメチルシルセスキオキサン溶液を調製する。
(ロ)得られた溶液に粒径22〜45μmのSn−8Zn−1Bi組成のはんだ粉末84.5gを加え、さらに室温で1時間混合攪拌させる。
(ハ)その後、減圧してエタノールを除去してはんだ粒子を得る。
得られたはんだ粒子をエネルギー分散型X線分光分析(EDX)で表面の分析を試みると、ケイ素(Si)が検出され、はんだ粉末表面にポリメチルシルセスキオキサンが被覆されていることが確認される。被覆厚は、0.15μmである。
尚、第1の実施形態として、はんだ粉末からはんだ材を製造する方法について説明したが、はんだ粉末に代えて、粒子状、球状、糸状、線状、棒状のはんだからはんだ材を製造することもできる。
第2の実施形態のソルダーペーストは、錫及び亜鉛を含むはんだ粉末の表面にケイ素含有高分子溶液を塗布する工程と、得られたはんだ粉末をフラックスに混入する工程とを有する製造方法により得られたものである。
(イ)まず、上記のフラックス構成成分を均一に混合してフラックスを調製する。
(ロ)次に、ケイ素含有高分子化合物層で表面が被覆されたはんだ粉末を、前述のフラックスに加入し混練する。
第3の実施形態のソルダーペーストは、ケイ素含有高分子溶液及びフラックスを混練する工程と、得られたフラックスに、錫及び亜鉛を含むはんだ粉末を混入し混練する工程とを有する製造方法により得られたものである。
(イ)まず、第2の実施形態と同様にしてフラックス構成成分を均一に混合してフラックスを調製する。
(ロ)次に、フラックスにケイ素含有高分子化合物を添加する。
(ハ)そして、はんだ粉末を、前述のフラックスに加入し混練する。
第4の実施形態のはんだ接合体は、錫及び亜鉛を含有するはんだ材と、銅素材と、を含む接合体であって、前述のはんだ材の表面がケイ素含有高分子化合物で被覆されているものである。
(イ)まず、第1〜第3の実施形態にかかる接合材と、無酸素銅板とを用意する。
(ロ)次に、銅板上に接合材を配置し、所定の温度に加熱する。その際、接合材の融点以上の加熱温度が必要である。第1の実施形態のはんだ材、あるいは第2及び第3の実施形態のソルダーペーストを使用する場合には、ケイ素含有高分子化合物は250℃以上で劣化し効果を奏しないため、はんだ接合体形成温度は250℃未満が適切である。より好ましくは230℃以下である。尚、250℃以上に加熱する場合は、はんだ接合体表面にケイ素含有高分子化合物を更に塗布することが好ましい。また、ケイ素含有高分子化合物を含まない状態のはんだ材を用いはんだ接合体を形成する場合、はんだ接合体表面にケイ素含有高分子化合物を塗布することにより同様の効果が得られ、はんだ接合体の酸化による経時変化が少ないという作用効果が得られる。
実施例1〜18及び比較例1〜2についての実験条件については以下に示すと共に、表1〜4にまとめた。
錫及び亜鉛を含有するはんだ粉末として、粒径20〜40μmの錫−亜鉛共晶合金(Sn91wt%−Zn9wt%)粉末、または錫−亜鉛−ビスマス合金(Sn89wt%−Zn8wt%−Bi3wt%)粉末を用いた。はんだ粉末の被覆材としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサンからなる群から選択された被覆剤を用いた。
表1〜4に示す配合割合(質量%)に従い、以下に示す各成分をフラックス原料として配合し、加熱溶解後冷却して、実施例1〜18及び比較例1〜2のフラックスを調製した。
溶剤:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
活性剤:ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩
活性剤:ステアリン酸
チキソトロピー化剤:硬化ひまし油
上記フラックス中にケイ素含有高分子化合物を添加する場合には、適宜上記被覆剤を配合し調製した。
フラックスとして上記調製したフラックスを用いた。はんだ粉末として前述の各種被覆を施した錫及び亜鉛を含有するはんだ粉末、及び被覆を施さない錫及び亜鉛を含有するはんだ粉末を用いた。表1〜4に従いはんだ粉末90重量部及びフラックス10重量部を混練機で攪拌して混合し、実施例1〜18及び比較例1〜2のソルダーペーストを調製した。
上記のように調製した実施例1〜18及び比較例1〜2に係る20種のソルダーペーストについて、タッキング試験を行った。
上記のように調製した実施例1〜18及び比較例1〜2に係る20種のソルダーペーストを、無酸素銅板上に直径6mmの円形状で150μmの厚さで印刷した後、酸素濃度1000ppmの窒素雰囲気下で、最高到達温度225℃でリフロー加熱しはんだ接合体を得た。実施例13〜18については、はんだ接合部表面に上記被覆剤をスプレー法により塗布し、温度85℃、湿度85%RHの環境下ではんだ接合体を形成した銅板を放置し、1000時間後にはんだ接合部の中心線近傍で断面を切り出し、SEMによる観察を行った。
メチルトリメトキシシランに代えてメチルトリエトキシシランを用いたことを除いて、特開平9−19794の実施例6に従い実験を行った。即ち、メチルトリエトキシシラン0.5g、エタノール45g、水0.05gを取り、室温で30分攪拌してシラン化合物を加水分解後、粒径22〜45μmのSn−8Zn−1Bi組成の球形はんだ原料粉末を84.5g加え、45℃で3時間反応させ、反応終了後減圧にてエタノールと水を除去した。
Claims (8)
- 錫及び亜鉛からなるはんだ粉末の表面に、ポリシロキサン及びポリシルセスキオキサンの少なくともいずれか一方を含むケイ素含有高分子化合物を被覆する工程を有することを特徴とする鉛フリー接合材の製造方法。
- 錫、亜鉛及びビスマスからなるはんだ粉末の表面に、ポリシロキサン及びポリシルセスキオキサンの少なくともいずれか一方を含むケイ素含有高分子化合物を被覆する工程を有することを特徴とする鉛フリー接合材の製造方法。
- 得られたはんだ粉末をフラックスに混入する工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は2記載の鉛フリー接合材の製造方法。
- ポリシロキサン及びポリシルセスキオキサンの少なくともいずれか一方を含むケイ素含有高分子化合物及びフラックスを混練する工程と、
得られたフラックスに、錫及び亜鉛からなるはんだ粉末を混入し混練する工程
とを有することを特徴とする鉛フリー接合材の製造方法。 - ポリシロキサン及びポリシルセスキオキサンの少なくともいずれか一方を含むケイ素含有高分子化合物及びフラックスを混練する工程と、
得られたフラックスに、錫、亜鉛及びビスマスからなるはんだ粉末を混入し混練する工程
とを有することを特徴とする鉛フリー接合材の製造方法。 - 前記ケイ素含有高分子化合物量が、はんだ粉末に対して0.01〜1質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の鉛フリー接合材の製造方法。
- 前記はんだ粉末上に被覆された前記ケイ素含有高分子の被覆厚が、0.001〜2μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鉛フリー接合材の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法により製造された鉛フリー接合材。
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