JP2006088205A - 接合材の製造方法及びその製造方法により得られた接合材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 経時安定性に優れると共に、印刷工程後リフローされるまでに高温または高湿度環境下に曝された場合でも、ソルダーペースト特性が劣化しない良好な接合材を提供する。
【解決手段】 錫及び亜鉛を含むはんだ粉末の表面に、ケイ素含有高分子溶液を塗布する工程を有することを特徴とする接合材の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、接合材、即ち鉛フリーはんだ材及びそれを含むソルダーペーストに関する。特に、プリント基板と電子部品との接合などに好適に使用可能な、錫亜鉛系はんだ材及びそれを含むソルダーペーストに関する。
近年、地球環境問題への関心が高まり、電子電気機器に鉛フリーはんだが採用され始めている。しかし、先行して実用化された錫銀系はんだは融点が高く、はんだ付けの際にプリント基板や電子部品を熱損傷する恐れがある。そのため、現行の錫鉛はんだと同等のはんだ付け温度ではんだ付け可能な錫亜鉛系はんだに期待が寄せられている。
しかし、亜鉛を含有するはんだ材は、空気中の酸素と反応してはんだ材表面に厚い酸化膜が形成されることで、ぬれ性の低下をまねいていた。また、錫亜鉛系はんだを用いたソルダーペーストにおいては、フラックス中の活性剤等と亜鉛が保管中に反応して粘度変化等の経時変化が生じ、基板への印刷性やはんだ付け性の低下をまねいていた。特に、印刷工程後リフローするまでに数時間、高温または高湿度環境に放置した場合、前述のはんだ粉末の酸化またはフラックス成分との反応が促進され、ソルダーペースト特性の劣化が短時間で起こり、連続印刷性やはんだ付け性が著しく低下することが懸念されていた。
したがって、錫亜鉛系はんだを用いたソルダーペーストを好適に使用可能にするためには、保管中の保存安定性と、印刷工程後リフローされるまでの間の経時安定性の改善が求められていた。特に、印刷工程後リフローされるまでに高温または高湿度環境下に曝された場合でも、経時劣化が少ない接合材、即ちはんだ材及びソルダーペーストが求められていた。
これに対して、ソルダーペースト中のはんだ粉末の反応性を抑制し、保存安定性を向上させる技術として、はんだ粉末の表面にケイ素樹脂で表面処理を施すことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる特許文献1に開示された発明は、ケイ素含有プレポリマー溶液にはんだ粉末を投入し、その後、前述のプレポリマーを架橋させてポリマーとする構成を備える。そのため、はんだ粉末間でポリマーが架橋するため、はんだ粉末がだまになる傾向があった。また、はんだ材に被覆されずに残るケイ素樹脂塊がはんだ粉末と混在する傾向があった。その結果、ぬれ性の低下やソルダーペーストの印刷不良を防ぐため、はんだ粉末塊やケイ素樹脂塊を取り除く手間が必要であり、工業上使用するうえで改善の余地が大きく残されていた。
また、錫亜鉛系はんだを用いて形成されたはんだ接合体は、高温または高湿度環境に放置された場合、はんだ中の亜鉛の酸化が加速され、はんだ表面からはんだ内部にわたり、錫相と亜鉛相の界面に亀裂が入り、また、ぬれ広がり先端部からはんだと銅との接合界面近傍に同様に亀裂が入る現象が起き、接合信頼性が著しく低下することが懸念されていた。
特開平9−19794号公報
本発明は、経時安定性に優れると共に、印刷工程後リフローされるまでに高温または高湿度環境下に曝された場合にソルダーペースト特性が劣化せず、リフロー後に高湿度環境下に曝された場合にもはんだ接合体が劣化しない良好な接合材を提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、錫及び亜鉛を含むはんだ粉末の表面に、ケイ素含有高分子溶液を塗布する工程を有することを特徴とする接合材の製造方法を要旨とする。
本発明の第2の特徴は、前述の製造方法により製造された接合材を要旨とする。
本発明によれば、経時安定性に優れると共に、印刷工程後リフローされるまでに高温または高湿度環境下に曝された場合でもソルダーペースト特性が劣化せず、リフロー後に高湿度環境下に曝された場合にもはんだ接合体が劣化しないはんだ材及びソルダーペーストが提供される。
以下に、第1から第4の実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「接合材」とは、金属を接合するための材料であって、必須成分として錫亜鉛系はんだ材を含む材料を意味する。接合材の使用の形態は特に制限されるものではないが、例えばはんだ材やソルダーペースト、はんだボール等の形態で使用される。
[第1の実施形態:はんだ材]
第1の実施形態のはんだ材は、錫及び亜鉛を含むはんだ粉末の表面に、ケイ素含有高分子溶液を塗布することにより製造されるものである。
はんだ粉末としては、錫及び亜鉛を主成分として含有するものであれば特に制限なく使用することができる。錫及び亜鉛の含有量は特に限定されるものではなく、はんだ材としての適切な特性を有するものであればよい。好ましくは錫と亜鉛の重量比は錫:亜鉛=97:3〜85:15、さらに好ましくは錫:亜鉛=94:6〜88:12である。
錫及び亜鉛に加えてさらにその他の金属、例えば、銀、銅、ビスマス、インジウム、ニッケル、金、アルミニウム、イットリウム、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、マグネシウム、コバルト、アンチモン、鉛等をはんだに添加してもよい。添加される金属の種類及び量については何ら限定されるものではない。したがって、例えば、錫−亜鉛二元合金や、錫−亜鉛−ビスマス合金、錫−亜鉛−アルミニウム合金、錫−亜鉛−銀合金等の三元合金、錫−亜鉛−ビスマス−インジウム合金、錫−亜鉛−ビスマス−アルミニウム合金、錫−亜鉛−銀−インジウム合金、錫−亜鉛−マグネシウム−アルミニウム合金等の四元合金を本はんだの合金として好適に使用することができる。はんだ合金の組成によって溶融温度は異なるので、組成を調製することにより、低温はんだや高温はんだに使い分けることができる。
はんだ粉末としては、例えば粒径4〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度のはんだ粉末を用いることができる。ここで「粒径」とは、粒子が通り抜けることができる篩の目の直径を意味する。
上記はんだ粉末の被覆に用いるケイ素含有高分子化合物は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリエチルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリエチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、ポリエチルハイドロジェンシロキサン、ポリフェニルハイドロジェンシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチルシルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサン等があげられる。
これらのケイ素含有高分子化合物は、単独で用いても2種類以上併用してもよい。はんだ粉末を被覆するケイ素含有高分子化合物量は、はんだ粉末に対して0.003〜6重量%が適切であり、より好ましくは0.01〜1重量%である。0.003重量%未満では被覆の効果がみられず、6重量%を越えるとぬれ性が阻害される。
ケイ素含有高分子化合物の被覆厚は、0.001〜2μmが好ましい。
0.001μm未満だと、塗膜が不均一になり、はんだ粉末の反応性を抑制する効果が損なわれる点で好ましくなく、2μmを超えると、はんだ粉末同士を結合したり、はんだ粉末を加熱した際のぬれ性を阻害する点で好ましくない。より好ましい被覆厚は0.01〜1μmである。
第1の実施形態にかかるはんだ材は、その表面がケイ素含有高分子化合物で被覆されていることから、空気中の酸素との反応が抑制される。その結果、酸化被膜が形成されずらくなることより、ぬれ性の低下を防止できる。
これらのケイ素含有高分子化合物をはんだ粉末表面に被覆する方法は限定されるものではないが、例えば以下の方法等が挙げられる。
(1)スプレー法
スプレー缶中に、プロパン、二酸化炭素等の圧縮ガスと、アルコールまたはケトン溶媒にケイ素含有高分子化合物を溶解させた溶液とを封入し、はんだ粉末にスプレーコーティングする。溶媒の揮発により、表面にケイ素含有高分子化合物の被膜が形成されたはんだ粉末が得られる。
(2)溶媒除去法
アルコールまたはケトン溶媒にケイ素含有高分子化合物を溶解させた溶液中にはんだ粉末を混合し、攪拌しながら溶媒を減圧除去する。溶媒が完全に除去されると同時に、表面にケイ素含有高分子化合物の被膜が形成されたはんだ粉末が得られる。
(3)析出法
アルコールまたはケトン溶媒にケイ素含有高分子化合物を溶解させた溶液中にはんだ粉末を混合し、溶媒が完全に除去しきらないように溶媒を減圧除去する。その結果、はんだ粉末とケイ素含有高分子化合物(と少量の溶媒)が混合されたペーストが得られる。このペーストに、先に使用した溶媒と混和可能で、かつケイ素含有高分子化合物が不溶な溶媒を加え混合攪拌することにより、表面にケイ素含有高分子化合物の被膜が形成されたはんだ材が得られる。
より具体的なはんだ材の製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
(イ)ポリメチルシルセスキオキサン0.5g、エタノール45gを室温で1時間攪拌してポリメチルシルセスキオキサン溶液を調製する。
(ロ)得られた溶液に粒径22〜45μmのSn−8Zn−1Bi組成のはんだ粉末84.5gを加え、さらに室温で1時間混合攪拌させる。
(ハ)その後、減圧してエタノールを除去してはんだ粒子を得る。
得られたはんだ粒子をエネルギー分散型X線分光分析(EDX)で表面の分析を試みると、ケイ素(Si)が検出され、はんだ粉末表面にポリメチルシルセスキオキサンが被覆されていることが確認される。被覆厚は、0.15μmである。
第1の実施形態のはんだ材の製造方法によれば、はんだ粉末間に架橋が形成されることなく、ケイ素含有高分子で被覆されたはんだ粉末が得られる。
尚、第1の実施形態として、はんだ粉末からはんだ材を製造する方法について説明したが、はんだ粉末に代えて、粒子状、球状、糸状、線状、棒状のはんだからはんだ材を製造することもできる。
[第2の実施形態:ソルダーペースト]
第2の実施形態のソルダーペーストは、錫及び亜鉛を含むはんだ粉末の表面にケイ素含有高分子溶液を塗布する工程と、得られたはんだ粉末をフラックスに混入する工程とを有する製造方法により得られたものである。
はんだ粉末としては、第1の実施形態で説明したものと同様のはんだ粉末を用いることができる。
フラックス成分としては、ベース樹脂、活性剤、溶剤、チキソトロピー化剤等から構成されたものを用いることができる。ベース樹脂としては、ウォーターホワイトロジン、ガムロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン及びそのほかの各種ロジン誘導体や、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂があげられる。活性剤としては、ヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリエチルアミン、ベンゾトリアゾール等の有機アミン類、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸、フタル酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸等の有機カルボン酸及びその無水物、アニリン臭化水素酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩等のアミンハロゲン化水素酸塩、及びハロゲン化炭化水素等があげられる。溶剤としては、アルコール、ケトン、エステル、芳香族系の溶剤が使用でき、例えばイソプロピルアルコール、ブタノール、エチルセルソルブ、ブチルカルビトール、テルピネオール、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル等があげられる。チクソトロピー化剤としては、例えば硬化ひまし油、水添ひまし油、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等が使用できる。その他、酸化防止剤や防錆剤等の添加剤が加えられても構わない。
第2の実施形態にかかるソルダーペーストによれば、ケイ素含有高分子化合物を含むことから、フラックス中の活性剤と亜鉛との反応が抑制される。その結果、保管中の粘度変化が防止されるため、基板への印刷性やはんだ付け性の低下が抑制され、連続印刷性やはんだ付け性が向上する。
第2の実施形態のソルダーペーストは、以下の工程により調製される。
(イ)まず、上記のフラックス構成成分を均一に混合してフラックスを調製する。
(ロ)次に、ケイ素含有高分子化合物層で表面が被覆されたはんだ粉末を、前述のフラックスに加入し混練する。
[第3の実施形態:ソルダーペースト]
第3の実施形態のソルダーペーストは、ケイ素含有高分子溶液及びフラックスを混練する工程と、得られたフラックスに、錫及び亜鉛を含むはんだ粉末を混入し混練する工程とを有する製造方法により得られたものである。
はんだ粉末としては、例えば、粒径4〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度に粉末化したはんだ粉末を用いることができる。また、前述の第1、第2の実施形態において説明したケイ素含有高分子化合物で表面被覆したはんだ材を用いることもできる。
上記フラックス中に混合されるケイ素含有高分子化合物としては、前述の第1の実施形態において説明したものが挙げられ、単独で用いても2種類以上併用してもよい。ケイ素含有高分子化合物量は、はんだ粉末に対して0.01重量%以上必要であり、0.01重量%未満では効果が得られない。
第3の実施形態にかかるソルダーペーストによれば、ケイ素含有高分子化合物を含むことから、フラックス中の活性剤と亜鉛との反応が抑制され、また、ソルダーペースト加熱後のはんだ接合部上にケイ素含有高分子化合物が被覆することにより、はんだ接合部の耐酸化性が向上し、はんだの接続強度が保持される。
第3の実施形態のソルダーペーストは、以下の工程により調製される。
(イ)まず、第2の実施形態と同様にしてフラックス構成成分を均一に混合してフラックスを調製する。
(ロ)次に、フラックスにケイ素含有高分子化合物を添加する。
(ハ)そして、はんだ粉末を、前述のフラックスに加入し混練する。
[第4の実施形態:はんだ接合体]
第4の実施形態のはんだ接合体は、錫及び亜鉛を含有するはんだ材と、銅素材と、を含む接合体であって、前述のはんだ材の表面がケイ素含有高分子化合物で被覆されているものである。
第4の実施形態のはんだ接合体としては、前述の第1〜第3の実施形態において説明したはんだ材及びソルダーペーストを、銅素材上に印刷し加熱して形成したものが挙げられる。
上記銅素材は、無酸素銅、リン脱酸銅等があげられ、必要に応じて水溶性耐熱プリフラックス、ロジン系プリフラックス、ニッケル/金めっき、はんだめっき、はんだレベラー処理等が施されていてもよい。
第4の実施形態にかかる接合体によれば、ケイ素含有高分子化合物で表面が被覆されていることより、はんだ接合体の酸化による経時変化が少ないという作用効果が得られる。
第4の実施形態のはんだ接合体の形成方法は、以下のとおりである。
(イ)まず、第1〜第3の実施形態にかかる接合材と、無酸素銅板とを用意する。
(ロ)次に、銅板上に接合材を配置し、所定の温度に加熱する。その際、接合材の融点以上の加熱温度が必要である。第1の実施形態のはんだ材、あるいは第2及び第3の実施形態のソルダーペーストを使用する場合には、ケイ素含有高分子化合物は250℃以上で劣化し効果を奏しないため、はんだ接合体形成温度は250℃未満が適切である。より好ましくは230℃以下である。尚、250℃以上に加熱する場合は、はんだ接合体表面にケイ素含有高分子化合物を更に塗布することが好ましい。また、ケイ素含有高分子化合物を含まない状態のはんだ材を用いはんだ接合体を形成する場合、はんだ接合体表面にケイ素含有高分子化合物を塗布することにより同様の効果が得られ、はんだ接合体の酸化による経時変化が少ないという作用効果が得られる。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明を行う。
実施例1〜18及び比較例1〜2についての実験条件については以下に示すと共に、表1〜4にまとめた。
[はんだ粉末の調製]
錫及び亜鉛を含有するはんだ粉末として、粒径20〜40μmの錫−亜鉛共晶合金(Sn91wt%−Zn9wt%)粉末、または錫−亜鉛−ビスマス合金(Sn89wt%−Zn8wt%−Bi3wt%)粉末を用いた。はんだ粉末の被覆材としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサンからなる群から選択された被覆剤を用いた。
上記被覆剤のアルコール、またはケトン溶液と前述のはんだ粉末を混合した後、常温放置で溶剤を揮発させ、実施例1〜18及び比較例1〜2に係る20種の被覆を施した、錫及び亜鉛を含有するはんだ粉末を得た。
[フラックスの調製]
表1〜4に示す配合割合(重量%)に従い、以下に示す各成分をフラックス原料として配合し、加熱溶解後冷却して、実施例1〜18及び比較例1〜2のフラックスを調製した。
ベース樹脂:ガムロジン
溶剤:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
活性剤:ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩
活性剤:ステアリン酸
チキソトロピー化剤:硬化ひまし油
上記フラックス中にケイ素含有高分子化合物を添加する場合には、適宜上記被覆剤を配合し調製した。
[ソルダーペーストの調製]
フラックスとして上記調製したフラックスを用いた。はんだ粉末として前述の各種被覆を施した錫及び亜鉛を含有するはんだ粉末、及び被覆を施さない錫及び亜鉛を含有するはんだ粉末を用いた。表1〜4に従いはんだ粉末90重量部及びフラックス10重量部を混練機で攪拌して混合し、実施例1〜18及び比較例1〜2のソルダーペーストを調製した。
[ソルダーペーストの評価]
上記のように調製した実施例1〜18及び比較例1〜2に係る20種のソルダーペーストについて、タッキング試験を行った。
試験は、ソルダーペーストをガラス板上に厚さ150μmに印刷し、温度28℃、湿度70%RHの環境下に放置し、2時間経過毎にタッキング試験機にてタック力を測定した。測定は最長12時間経過後までとし、タック力が1.0N未満になるまでの限界経過時間を測定した。限界経過時間が12時間以上の場合は全て12時間とした。
[はんだ接合体の評価]
上記のように調製した実施例1〜18及び比較例1〜2に係る20種のソルダーペーストを、無酸素銅板上に直径6mmの円形状で150μmの厚さで印刷した後、酸素濃度1000ppmの窒素雰囲気下で、最高到達温度225℃でリフロー加熱しはんだ接合体を得た。実施例13〜18については、はんだ接合部表面に上記被覆剤をスプレー法により塗布し、温度85℃、湿度85%RHの環境下ではんだ接合体を形成した銅板を放置し、1000時間後にはんだ接合部の中心線近傍で断面を切り出し、SEMによる観察を行った。
はんだ接合体端部から銅との接合界面に沿って発生成長するクラックの長さを測定した。
得られた評価結果を表1〜4に示す。
Figure 2006088205
Figure 2006088205
Figure 2006088205
Figure 2006088205
上記表1に示すように、実施例1〜6のソルダーペーストは、保存後の粘度上昇が少なく保存安定性に優れる。また、印刷工程後リフローまでに高温高湿度環境下に曝されても、タック力等の特性劣化が小さく、良好な連続印刷性を示すことが確認された。また、銅との接合後も高温高湿度環境下に曝されても安定した接合強度を示すことが確認された。
一方、表2に示すように、実施例7〜12のソルダーペーストは、実施例1〜6のソルダーペーストよりも保存安定性、耐環境性に劣るものの、銅との接合後は高温高湿度環境下に曝されても安定した接合強度を示すことが確認された。
また、表3に示すように、実施例13〜18のソルダーペーストは、実施例1〜6のソルダーペーストよりも保存安定性、耐環境性が劣るものの、銅との接合後は高温高湿度環境下に曝されても安定した接合強度を示すことが確認された。
一方、表4に示した比較例1〜2のソルダーペーストは、実施例1〜6のソルダーペーストよりも保存安定性、耐環境性に劣っていた。また、銅との接合後、高温高湿度環境下に曝されると接合強度の低下が著しいことが分かった。
(参考例)
メチルトリメトキシシランに代えてメチルトリエトキシシランを用いたことを除いて、特開平9−19794の実施例6に従い実験を行った。即ち、メチルトリエトキシシラン0.5g、エタノール45g、水0.05gを取り、室温で30分攪拌してシラン化合物を加水分解後、粒径22〜45μmのSn−8Zn−1Bi組成の球形はんだ原料粉末を84.5g加え、45℃で3時間反応させ、反応終了後減圧にてエタノールと水を除去した。
得られたはんだ粒子をエネルギー分散型X線分光分析(EDX)で観察したところ、はんだ粒子中に不定形で透明なケイ素(Si)粒子が混在することが確認された。つまり、はんだ粉末に被覆されていないSi粒子が検出された。このことから、特開平9−19794の実施例6は、はんだ粉末とSi粒子を分別する必要があり、作業工数、コストの点で工業的使用には不向きであることが言えた。

Claims (5)

  1. 錫及び亜鉛を含むはんだ粉末の表面に、ケイ素含有高分子溶液を塗布する工程を有することを特徴とする接合材の製造方法。
  2. 得られたはんだ粉末をフラックスに混入する工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の接合材の製造方法。
  3. ケイ素含有高分子溶液及びフラックスを混練する工程と、
    得られたフラックスに、錫及び亜鉛を含むはんだ粉末を混入し混練する工程
    とを有することを特徴とする接合材の製造方法。
  4. 前記ケイ素含有高分子化合物は、ポリシロキサン及びポリシルセスキオキサンの少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により製造された接合材。
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