JP6230569B2 - 異方性導電性接着剤およびそれを用いたプリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の異方性導電性接着剤は、(A)導電性粒子と、(B)熱可塑性樹脂と、(C)有機酸と、(D)酸価が200KOHmg/g以上であるロジン系樹脂と、(E)1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有する重合性化合物と、(F)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とするものである。
本発明の異方性導電性接着剤においては、前記(C)有機酸に対する前記(D)ロジン系樹脂の質量比((D)/(C))が、1以上であることが好ましい。
本発明の異方性導電性接着剤においては、前記(C)有機酸が、グルタル酸、アジピン酸、2,5−ジエチルアジピン酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2,2−ジエチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2−エチル−3−プロピルグルタル酸およびセバシン酸からなる群から選択される少なくとも1つのジカルボン酸であることが好ましい。
本発明の異方性導電性接着剤においては、前記(D)ロジン系樹脂が、不飽和有機酸変性がされたものであることが好ましい。
本発明のプリント配線基板の製造方法は、前記異方性導電性接着剤を用いて電極同士を接続することを特徴とする方法である。
また、異方性導電性接着剤としては、異方性導電性フィルムおよび異方性導電性ペーストが挙げられる。
異方性導電性接着剤において、隣接電極間でイオンマイグレーションが生じる要因の一つは、接着後の異方性導電性接着剤に残存する有機酸にあると本発明者らは推察する。つまり、接着後の異方性導電性接着剤中では、(C)有機酸のカルボキシル基(−COOH)が、導電性粒子の金属(Snなど)や電極の金属(Cuなど)との塩を形成する(例えば、X−COO−Sn−OOC−X)。そして、実装基板が高湿の環境下にある場合には、有機酸金属塩からイオン化した金属(例えば、Sn2+)が放出され、これによりイオンマイグレーションが生じるものと本発明者らは推察する。
本発明の異方性導電性接着剤においては、(C)有機酸と(D)ロジン系樹脂とを併用している。(D)ロジン系樹脂は、カルボキシル基を有するので、導電性粒子の金属(Snなど)や電極の金属(Cuなど)との塩を形成する。また、(D)ロジン系樹脂は、(C)有機酸と比較して、金属塩を形成した場合に、高湿の環境下にある場合でもイオン化した金属(例えば、Sn2+)が生じにくい。つまり、(D)ロジン系樹脂は、高湿の環境下にある場合にも、金属塩として金属を取り込んでおくことができる。また、(D)ロジン系樹脂は、(C)有機酸よりも活性作用(金属酸化膜を除去する作用)が低く、金属酸化膜を除去して、金属塩とする能力は低いので、金属塩自体が生じにくい。一方で、(D)ロジン系樹脂は、イオン化した金属(例えば、Sn2+)であれば、それを容易に取り込んで金属塩を形成できる。つまり、高湿の環境下において、有機酸金属塩からイオン化した金属(例えば、Sn2+)が放出された場合には、それを(D)ロジン系樹脂が取り込んで金属塩とできる。このように、イオンマイグレーションの原因となるイオン化した金属の発生を抑制できる。
以上のようにして、本発明の異方性導電性接着剤によれば、イオンマイグレーションを十分に抑制できるものと本発明者らは推察する。
本発明の異方性導電性接着剤は、以下説明する(A)導電性粒子、(B)熱可塑性樹脂、(C)有機酸、(D)ロジン系樹脂、(E)重合性化合物、および(F)ラジカル重合開始剤を含有するものである。
本発明に用いる(A)導電性粒子としては、導電性を有する粒子(粉末)であれば、適宜公知のものを用いることができる。この(A)成分としては、はんだ粉末、無機物粒子(ニッケル、銅、銀、カーボンなど)、無機物粒子の表面に導電性の高い金属(銀、金など)をコーティングした粒子、および、有機物粒子の表面に導電性の高い金属(銀、金など)をコーティングした粒子などが挙げられる。これらの導電性粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この(A)成分としては、電極同士の間での導通性の観点から、はんだ粉末を用いることが好ましい。このはんだ粉末は、240℃以下の融点を有することが好ましく、低温プロセス化の観点からは、180℃以下の融点を有するものであることがより好ましい。このはんだ粉末の融点が180℃を超えるものを用いる場合には、熱圧着時の温度が低温(例えば、180℃以下)の場合に、はんだ粉末を溶融させることができない傾向にある。また、このはんだ粉末の融点は、熱圧着時の温度を低くするという観点からは、170℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。
また、このはんだ粉末は、環境への影響の観点から、鉛フリーはんだ粉末であることが好ましい。ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
本発明に用いる(B)熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、およびアクリル酸共重合体が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、飽和物であってもよく、不飽和物であってもよい。また、これらの熱可塑性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの熱可塑性樹脂の中でも、得られる異方性導電性接着剤の接着強度の観点から、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂が好ましい。
本発明に用いる(C)有機酸としては、モノカルボン酸、およびジカルボン酸などが挙げられる。この(C)成分により、はんだ粉末の表面を活性化できる。また、この(C)成分としては、活性作用の観点から、融点150℃以下のモノカルボン酸およびジカルボン酸を用いることが好ましい。
前記有機酸としては、公知の有機酸を適宜用いることができる。このような有機酸の中でも、保管中において結晶の析出が起こりにくいという観点から、アルキレン基を有する二塩基酸を用いることが好ましい。このようなアルキレン基を有する二塩基酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、2,5−ジエチルアジピン酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2,2−ジエチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2−エチル−3−プロピルグルタル酸、およびセバシン酸が挙げられる。これらの中でも、絶縁性の観点から、グルタル酸が特に好ましい。
本発明に用いる(D)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。
ロジン系変性樹脂としては、ディールス・アルダー反応の反応成分となり得る前記ロジン類の不飽和有機酸変性樹脂((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸等の変性樹脂)およびアビエチン酸の不飽和有機酸変性樹脂、並びに、これらの変性樹脂を主成分とするものなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのロジン系樹脂の中でも、マイグレーションの抑制効果の観点から、不飽和有機酸変性がされているものが好ましく、(メタ)アクリル酸変性、またはマレイン酸変性がされているものがより好ましい。
また、これらのロジン系樹脂の酸価は、マイグレーションの抑制効果の観点から、200KOHmg/g以上であることが好ましい。
本発明に用いる(E)重合性化合物は、1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有するものであり、具体的には、(E1)1分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有するラジカル重合性樹脂や、(E2)1分子内に1つの不飽和二重結合を有する反応性希釈剤である。この(E)成分としては、得られる異方性導電性接着剤の接着強度および塗布性のバランスの観点から、前記(E1)成分および前記(E2)成分の両方を含有することが好ましい。
前記(E1)成分の重量平均分子量は、1000以上10000以下であることが好ましく、1200以上5000以下であることがより好ましい。
本発明に用いる(F)ラジカル重合開始剤は、前記(E)成分などにおける不飽和二重結合のラジカル重合を開始させるためのものである。このようなラジカル重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
前記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、およびパーカーボネート類などの有機過酸化物が挙げられる。これらの熱ラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの熱ラジカル重合開始剤の中でも、反応性と安定性とのバランスの観点から、ハイドロパーオキサイド類が好ましく、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがより好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、およびP−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いる(G)有機フィラーとしては、公知の有機フィラーを適宜用いることができる。このような有機フィラーとしては、例えば、アクリル系有機フィラー、シリコーン系フィラー、スチレン系有機フィラーが挙げられる。これらの中でも、得られる異方性導電性接着剤の接合強度をほとんど低下させずに、フロー性を向上させることができるという観点から、コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子が好ましい。このコアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子は、コア層およびシェル層を有する微粒子であって、コア層およびシェル層がともに(メタ)アクリル系重合体からなるものである。このコアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子としては、適宜公知のものを用いることができる。また、この(メタ)アクリル系重合体は、アクリル基およびメタクリル基のうちの少なくとも一方の基を有する(メタ)アクリル系単量体を含む単量体成分を重合させて得られるものである。この(メタ)アクリル系重合体は、単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。
前記(G)成分の比重は、0.8g/cm3以上1.4g/cm3以下であることが好ましく、0.9g/cm3以上1.2g/cm3以下であることがより好ましい。なお、比重は、JIS−K0061の記載に準拠する方法より測定できる。
前記(G)成分のシェル層の軟化点は、60℃以上150℃以下であることが好ましく、75℃以上120℃以下であることがより好ましい。なお、軟化点は、熱機械分析(TMA)装置により測定できる。
本発明に用いる(H)チクソ剤としては、公知のチクソ剤を適宜用いることができる。このようなチクソ剤としては、例えば、脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油、オレフィン系ワックス、およびアモルファスシリカなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪酸アマイド、アモルファスシリカが好ましく、特に、得られる異方性導電性接着剤のにじみにくさの観点からは、アモルファスシリカが好ましい。アモルファスシリカとしては、アエロジルR974、およびアエロジル200などが挙げられる。
前記(H)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、0.5質量%以上4質量%以下であることが好ましい。前記(H)成分の配合量が前記下限未満では、チクソ性付与の効果を奏しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤を硬化させた際の泡残りが発生しやすくなる傾向にある。
次に、本発明のプリント配線基板について説明する。
本発明のプリント配線基板は、前述した本発明の異方性導電性接着剤を用いて電極同士を接続したことを特徴とするものである。具体的には、次のようにして、電極同士を接続することで、本発明のプリント配線基板を製造できる。ここでは、異方性導電性ペーストを用いて、リジット基板およびフレキ基板の電極同士を接続する場合を例に挙げて説明する。
このようにリジット基板およびフレキ基板の電極同士を接続する方法としては、前記リジット基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する塗布工程と、前記異方性導電性ペースト上に前記フレキ基板を配置し、前記はんだ粉末の融点よりも1℃以上(好ましくは10℃以上)高い温度で、前記フレキ基板を前記リジット基板に熱圧着する熱圧着工程と、を備える方法を採用できる。
ここで用いる塗布装置としては、例えば、ディスペンサー、スクリーン印刷機、ジェットディスペンサーおよびメタルマスク印刷機が挙げられる。
また、塗布膜の厚みは、特に限定されないが、50μm以上500μm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。厚みが前記下限未満では、リジット基板の電極上にフレキ基板を搭載した際の付着力が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接続部分以外にもペーストがはみ出しやすくなる傾向にある。
熱圧着時の温度が、前記はんだ粉末の融点よりも1℃以上高いという条件を満たさない場合には、はんだを十分に溶融させることができず、フレキ基板およびリジット基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、フレキ基板およびリジット基板の間の導電性が不十分となる。
熱圧着時の温度は、130℃以上200℃以下とすることが好ましく、140℃以上180℃以下とすることがより好ましい。
熱圧着時の圧力は、特に限定されないが、0.05MPa以上3MPa以下とすることが好ましく、0.1MPa以上2MPa以下とすることがより好ましい。圧力が前記上限未満では、リジット基板およびフレキ基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、リジット基板およびフレキ基板の間の導電性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えるとリジット基板にストレスがかかり、デッドスペースを広くとらなければならなくなる傾向にある。
なお、本発明においては、上記のように、熱圧着時の圧力を、従来の導電性フィラー系の異方性導電性接着剤を用いる方法による場合と比較して、低い圧力範囲に設定することができる。そのため、熱圧着工程に用いる装置の低コスト化を達成することもできる。
熱圧着時の時間は、特に限定されないが、通常、1秒以上60秒以下であり、2秒以上20秒以下であることが好ましく、3秒以上10秒以下であることがより好ましい。
例えば、前記接続方法では、熱圧着工程により、配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、熱圧着工程に代えて、レーザー光を用いて異方性導電性ペーストを加熱する工程(レーザー加熱工程)により、配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、InGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)および気体レーザー(He−Ne、Ar、CO2、エキシマーなど)が挙げられる。
((A)成分)
導電性粒子:はんだ粉末、平均粒子径は12μm、はんだの融点は139℃、はんだの組成は42Sn/58Bi
((B)成分)
熱可塑性樹脂:フェノキシ樹脂、軟化点は70℃、重量平均分子量は50,000〜60,000、商品名「フェノトートYP−70」、新日鐵住金化学社製
((C)成分)
有機酸:グルタル酸(1,3−プロパンジカルボン酸)
((D)成分)
ロジン系樹脂A:水添酸変性ロジン、酸価は240KOHmg/g、商品名「パインクリスタルKE−604」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂B:酸変性ロジン、酸価は320KOHmg/g、商品名「パインクリスタルKR−120」、荒川化学工業社製
((E1)成分)
ラジカル重合性樹脂:ウレタンアクリレート樹脂、商品名「アロニックスM−1200」、東亞合成社製
((E2)成分)
反応性希釈剤:テトラヒドロフルフリルアクリレート、商品名「ビスコート♯150」、大阪有機化学工業社製
((F)成分)
ラジカル重合開始剤:1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、商品名「パーオクタO」、日油社製
((G)成分)
有機フィラー:アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体微粒子、平均一次粒子径は0.5μm、比重は1.1〜1.2g/cm3、コア層の軟化点は約−40℃、シェル層の軟化点は100〜105℃、商品名「スタフィロイドAC―4030」、アイカ工業社製
((H)成分)
チクソ剤:アモルファスシリカ、商品名「AEROSIL R974」、日本アエロジル社製
熱可塑性樹脂15質量部および反応性希釈剤30質量部を容器に投入し、熱可塑性樹脂を反応性希釈剤に溶解させる。その後、ラジカル重合性樹脂20質量部、有機酸1質量部、有機フィラー10質量部、ロジン系樹脂A2質量部およびチクソ剤2質量部を容器に投入し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールを用いて室温にて混合し分散させて樹脂組成物を得た。
その後、得られた樹脂組成物80質量部に対し、ラジカル重合開始剤2質量部および導電性粒子20質量部を容器に投入し、混練機にて2時間混合することで異方性導電性接着剤(異方性導電性ペースト)を調製した。
次に、リジット基板(基材:FR−4、ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:18μm)を準備し、リジット基板の櫛形電極上に、得られた異方性導電性接着剤をディスペンサーにて塗布した(厚み:0.2mm)。そして、塗布後の異方性導電性接着剤上に、フレキ基板(ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:12μm)を配置し、熱圧着装置(アドバンセル社製)を用いて、温度160℃、圧力1.0MPa、圧着時間6秒の条件で、フレキ基板をリジット基板に熱圧着して、フレキ基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、異方性導電性接着剤を得た。
また、得られた異方性導電性接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして、フレキ基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。
異方性導電性接着剤の評価(イオンマイグレーション、接着強度)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)イオンマイグレーション
評価基板に対し、85℃、85%RH(相対湿度)中にて、15V電圧を印加しつつ1000時間放置する耐湿熱試験を施した。耐湿熱試験後の評価基板における櫛形電極の部分(ライン幅:100μm、ピッチ:200μm)を、拡大鏡にて観察し、イオンマイグレーションを以下の基準に従って評価した。
○:電極にデンドライトが発生していない。
△:電極に僅かにデンドライトが発生している。
×:電極にデンドライトが発生し、回路が短絡している。
(2)接着強度(ピール強度)
試験機(Dage社製の「Dage4000」)を用い、評価基板におけるリジット基板に対するフレキ基板の角度が90度となるようにして、フレキ基板を試験速度50mm/minで引っ張り、そのときのピール強度(単位:N/mm)を測定した。そして、接着強度は、以下の基準に従って評価した。
○:ピール強度が0.8N/mm以上である。
△:ピール強度が0.6N/mm以上0.8N/mm未満である。
×:ピール強度が0.6N/mm未満である。
これに対し、ロジン系樹脂を含有しない異方性導電性接着剤を用いた場合(比較例1)には、イオンマイグレーションが生じることが分かった。
Claims (6)
- (A)導電性粒子と、(B)熱可塑性樹脂と、(C)有機酸と、(D)酸価が200KOHmg/g以上であるロジン系樹脂と、(E)1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有する重合性化合物と、(F)ラジカル重合開始剤と、を含有する
ことを特徴とする異方性導電性接着剤。 - 請求項1に記載の異方性導電性接着剤において、
前記(A)導電性粒子が、はんだ粉末である
ことを特徴とする異方性導電性接着剤。 - 請求項1または請求項2に記載の異方性導電性接着剤において、
前記(C)有機酸に対する前記(D)ロジン系樹脂の質量比((D)/(C))が、1以上である
ことを特徴とする異方性導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の異方性導電性接着剤において、
前記(C)有機酸が、グルタル酸、アジピン酸、2,5−ジエチルアジピン酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2,2−ジエチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2−エチル−3−プロピルグルタル酸およびセバシン酸からなる群から選択される少なくとも一つのジカルボン酸である
ことを特徴とする異方性導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の異方性導電性接着剤において、
前記(D)ロジン系樹脂が、不飽和有機酸変性がされたものである
ことを特徴とする異方性導電性接着剤。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の異方性導電性接着剤を用いて電極同士を接続することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
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