JP6346877B2 - 異方性導電性接着剤およびそれを用いたプリント配線基板の製造方法 - Google Patents

異方性導電性接着剤およびそれを用いたプリント配線基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、異方性導電性接着剤およびそれを用いたプリント配線基板の製造方法に関する。
近年、フレキ基板(フレキシブル性を有する配線基板)とリジット基板(フレキシブル性を有しない配線基板)との接続や、電子部品と配線基板との接続には、異方性導電性接着剤(異方性導電性フィルム、異方性導電性ペースト)を用いた接続方式が利用されている。例えば、電子部品と配線基板とを接続する場合には、電極が形成された電子部品と、電極のパターンが形成された配線基板との間に異方性導電性接着剤を配置し、電子部品と配線基板とを熱圧着して電気的接続を確保している。
異方性導電性接着剤としては、樹脂成分と、はんだ粉末と、活性剤とを含有する異方性導電性ペーストが提案されている(例えば、特許文献1)。電子部品と配線基板とを熱圧着させると、接続対象である電子部品および配線基板の電極同士をはんだ接合することができ、これらの電極同士の間での導電性が確保される。一方、電子部品の電極同士の間隙や配線基板の電極同士の間隙では、樹脂成分内にはんだ粉末が埋設されたような状態となり、隣接電極間の絶縁性が確保される。
特開2014−077105号公報
異方性導電性接着剤を使用するプリント配線基板の製造においては、自動化が進められている。そして、各製造工程での検査も、目視による確認から、カメラによる画像認識に移行している。しかしながら、従来の異方性導電性接着剤は、灰色系の色調を有しており、プリント配線基板の基材に対する濃淡差が明確にならず、カメラによる画像認識が困難となるという問題があった。
そこで、本発明は、カメラによる画像認識性に優れる異方性導電性接着剤、並びにそれを用いたプリント配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のような異方性導電性接着剤およびプリント配線基板の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明の異方性導電性接着剤は、プリント配線基板を自動化された製造ラインにて製造する場合に用いる異方性導電性接着剤であって、前記異方性導電性接着剤が、(A)導電性粒子と、(B)着色剤と、(C)樹脂と、(D)1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤と、を含有し、前記(B)着色剤が、黒色着色剤を含み、前記黒色着色剤が、酸化鉄であり、前記黒色着色剤の配合量が、0.1質量%以上5質量%以下であることを特徴とするものである。
本発明の異方性導電性接着剤においては、前記(A)導電性粒子が、金属を含有する金属系導電性粒子であることが好ましい。
本発明の異方性導電性接着剤においては、前記黒色着色剤の配合量が、0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
本発明の異方性導電性接着剤においては、前記(C)樹脂が、熱可塑性樹脂であり、(E)1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有する重合性化合物と、(F)ラジカル重合開始剤とをさらに含有することが好ましい。
本発明のプリント配線基板の製造方法は、前記異方性導電性接着剤を用いて電極同士を接続することを特徴とする方法である。
なお、本発明において、異方性導電性接着剤とは、所定値以上の熱および所定値以上の圧力をかけた箇所では熱圧着方向(厚み方向)に導電性を持つようになるが、それ以外の箇所では隣接電極間の絶縁性を有する異方性導電材を形成できる接着剤のことをいう。
また、異方性導電性接着剤としては、異方性導電性フィルムおよび異方性導電性ペーストが挙げられる。
本発明によれば、カメラによる画像認識性に優れる異方性導電性接着剤、並びにそれを用いたプリント配線基板の製造方法を提供できる。
先ず、本発明の異方性導電性接着剤について説明する。
本発明の異方性導電性接着剤は、以下説明する(A)導電性粒子、(B)着色剤、および(C)樹脂を含有するものである。
[(A)成分]
本発明に用いる(A)導電性粒子としては、導電性を有する粒子(粉末)であれば、適宜公知のものを用いることができる。この(A)成分としては、金属を含有する金属系導電性粒子を用いることができ、はんだ粉末、無機物粒子(ニッケル、銅、銀など)、無機物粒子の表面に導電性の高い金属(銀、金など)をコーティングした粒子、および、有機物粒子の表面に導電性の高い金属(銀、金など)をコーティングした粒子などが挙げられる。これらの導電性粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この(A)成分としては、電極同士の間での導通性の観点から、はんだ粉末を用いることが好ましい。このはんだ粉末は、240℃以下の融点を有することが好ましく、低温プロセス化の観点からは、180℃以下の融点を有するものであることがより好ましい。このはんだ粉末の融点が180℃を超えるものを用いる場合には、熱圧着時の温度が低温(例えば、180℃以下)の場合に、はんだ粉末を溶融させることができない傾向にある。また、このはんだ粉末の融点は、熱圧着時の温度を低くするという観点からは、170℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。
また、このはんだ粉末は、環境への影響の観点から、鉛フリーはんだ粉末であることが好ましい。ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
前記(A)成分は、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、およびチタン(Ti)からなる群から選択される少なくとも1種の金属からなる金属または合金であることが好ましい。例えば、スズ基のはんだとしては、Sn−0.7Cuなどのスズ−銅系;Sn−3.5Agなどのスズ−銀系;Sn−3.0Ag−0.5Cu、Sn−3.5Ag−0.7Cu、Sn−1.0Ag−0.7Cu、Sn−0.3Ag−0.7Cuなどのスズ−銀−銅系;Sn−2.5Ag−1.0Bi−0.5Cu、Sn−1.0Ag−2.0Bi−0.5Cuなどのスズ−銀−ビスマス−銅系;Sn−3.5Ag−0.5Bi−8.0Inなどのスズ−銀−ビスマス−インジウム系;Sn−1.0Ag−0.7Cu−2.0Bi−0.2Inなどのスズ−銀−銅−ビスマス−インジウム系;Sn−58Biなどのスズ−ビスマス系;Sn−1.0Ag−58Biなどのスズ−銀−ビスマス系;Sn−5.0Sbなどのスズーアンチモン系;Sn−9Znなどのスズ−亜鉛系;Sn−8.0Zn−3.0Biなどのスズ−亜鉛−ビスマス系;Sn−30In−12Sb−3Znなどのスズ−インジウム−アンチモン−亜鉛系;Sn−56Bi−4Tiなどのスズ−ビスマス−チタン系;Sn−3.5Ag−4Tiなどのスズ−銀−チタン系;Sn−52Inなどのスズ−インジウム系などが挙げられる。インジウム基のはんだとしては、金属インジウムのインジウム系;In−3.0Agなどのインジウム−銀系が挙げられる。また、上記金属、合金には更に微量成分として、上記の金属以外にも、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、リン(P)、セリウム(Ce)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、金(Au)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、鉛(Pb)などを含有していてもよい。これらの中でも、低融点特性の点からは、スズ−ビスマス系、スズ−銀−ビスマス系、スズ−インジウム系、インジウム系、インジウム−銀系などがより好ましい。また、はんだ接合の強度の観点からは、スズ−銀−銅系、スズ−銀系などが好ましい。
前記(A)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、はんだ付けパッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上20μm以下であることがより好ましく、2μm以上15μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以上12μm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
前記(A)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、15質量%以上40質量%以下であることが好ましく、17質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、18質量%以上25質量%以下であることが特に好ましい。前記(A)成分の配合量が前記下限未満では、得られる異方性導電性接着剤の接着強度や導電性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の絶縁性が低下する傾向にある。
[(B)成分]
本発明に用いる(B)着色剤としては、黒色着色剤、白色着色剤、赤色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、橙色着色剤、茶色着色剤および蛍光着色剤などが挙げられる。これらの着色剤は、顔料、染料、色素のいずれでもよい。また、これらの着色剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この(B)成分としては、より少ない配合量でプリント配線基板の基材に対する濃淡差を大きくできるという観点から、黒色着色剤、蛍光着色剤が好ましい。
黒色着色剤としては、カーボンブラック系の顔料(C.I.Pigmentblack 6、7、9および18など)、黒鉛系の顔料(C.I.Pigment black 8および10など)、酸化鉄系の顔料(C.I.Pigment black 11、12、27、およびPigment Brown 35、戸田工業社製KN−370など)、チタン系の顔料(三菱マテリアル社製13Mなど)、アンスラキノン系の顔料(C.I.Pigment black 20など)、酸化コバルト系の顔料(C.I.Pigment black 13、25および29など)、酸化銅系の顔料(C.I.Pigment black 15および28など)、マンガン系の顔料(C.I.Pigment black 14および26など)、酸化アンチモン系の顔料(C.I.Pigment black 23など)、酸化ニッケル系の顔料(C.I.Pigment black 30など)、ペリレン系の顔料(C.I.Pigment black 31および32など)、アニリン系の顔料(Pigment Black 1など)、硫化モリブデン、および硫化ビスマスなどが挙げられる。これらの黒色着色剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの黒色着色剤の中でも、濃淡差の観点から、カーボンブラック系、黒鉛系および酸化鉄系の顔料が好ましい。
白色着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、硫化亜鉛、および酸化アンチモンなどが挙げられる。
赤色着色剤としては、モノアゾ系化合物、ジスアゾ系化合物、アゾレーキ系化合物、ベンズイミダゾロン系化合物、ペリレン系化合物、ジケトピロロピロール系化合物、縮合アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、キナクリドン系化合物などが挙げられる。
青色着色剤としては、フタロシアニン系化合物、およびアントラキノン系化合物などが挙げられる。これらは、金属置換されていてもよく、無置換であってもよい。
緑色着色剤としては、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、およびペリレン系化合物などが挙げられる。これらは、金属置換されていてもよく、無置換であってもよい。
黄色着色剤としては、モノアゾ系化合物、ジスアゾ系化合物、縮合アゾ系化合物、ベンズイミダゾロン系化合物、イソインドリノン系化合物、およびアントラキノン系化合物などが挙げられる。
紫色着色剤としては、Pigment Violet19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet13および36などが挙げられる。
橙色着色剤としては、C.I.Pigment Orange 1,5,13,14,16,17,24,34,36,38,40、43、46、49、51、61、63、64、71および73などが挙げられる。
茶色着色剤としては、C.I.Pigment Brown 23および26などが挙げられる。
これらの着色剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
蛍光着色剤としては、公知の蛍光材料を適宜使用でき、例えば、蛍光増白剤、蛍光染料、蛍光顔料を用いることができる。
蛍光増白剤としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸から誘導された化合物、クマリン誘導体、およびピラゾリン誘導体などが挙げられる。
蛍光染料としては、ジアミノスチルベン、ペリレン、クマリン、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。
蛍光顔料としては、ローダミンB、ローダミン6G、フルオレセイン、エオシン、オーラミンタングステート、ローダミンタングステート、ソジウムレッドレーキCなどが挙げられる。
これらの蛍光着色剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがさらにより好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。前記(A)成分の配合量が前記下限未満では、得られる異方性導電性接着剤のカメラによる画像認識性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の接着強度や導電性が低下する傾向にある。
[(C)成分]
本発明に用いる(C)樹脂としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、およびアクリル酸共重合体が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、飽和物であってもよく、不飽和物であってもよい。また、これらの熱可塑性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの熱可塑性樹脂の中でも、得られる異方性導電性接着剤の接着強度の観点から、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂が好ましい。
なお、(C)成分として熱可塑性樹脂を用いる場合、以下説明する(E)重合性化合物および(F)重合開始剤などが必要となる。
前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、熱可塑性樹脂の流動性の観点から、0.2万〜50万であることが好ましく、0.3万〜25万であることがより好ましく、0.4万〜10万であることが更に好ましく、0.5万〜8万であることが特に好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、および熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、電子部品の接着強度の観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
なお、(B)成分として熱硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて、公知の樹脂硬化剤を併用してもよい。
前記(C)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、8質量%以上35質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、12質量%以上25質量%以下であることが特に好ましい。前記(C)成分の配合量が前記下限未満では、得られる異方性導電性接着剤の接着強度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の粘度が高くなり、塗布性が低下する傾向にある。
[(D)成分]
前記(A)成分としてはんだ粉末を用いる場合には、はんだ粉末の表面を活性化するために、以下説明する(D)活性剤をさらに含有することが好ましい。
本発明に用いる(D)活性剤は、1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤である。この(D)成分としては、有機酸(モノカルボン酸、ジカルボン酸など)の他に、ロジン系樹脂などの天然の樹脂酸や、カルボキシル基を有する単量体成分を用いて重合される樹脂酸が挙げられる。この(D)成分により、はんだ粉末の表面を活性化できる。また、この(D)成分としては、活性作用の観点から、融点150℃以下のモノカルボン酸およびジカルボン酸を用いることが好ましい。
前記有機酸としては、公知の有機酸を適宜用いることができる。このような有機酸の中でも、保管中において結晶の析出が起こりにくいという観点から、アルキレン基を有する二塩基酸を用いることが好ましい。このようなアルキレン基を有する二塩基酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、2,5−ジエチルアジピン酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2,2−ジエチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2−エチル−3−プロピルグルタル酸、およびセバシン酸が挙げられる。これらの中でも、絶縁性の観点から、グルタル酸が特に好ましい。
前記樹脂酸としては、例えば、1分子内に1つ以上のカルボキシル基と1つ以上の不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有する重合性不飽和化合物とを共重合させてなるカルボキシル基含有共重合体(樹脂酸)が挙げられる。
前記カルボキシル基含有重合性不飽和化合物としては、例えば、カルボキシル基含有(メタ)アクリル化合物が挙げられる。
前記重合性不飽和化合物としては、スチレン化合物などが挙げられる。これらの重合性不飽和化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記カルボキシル基含有共重合体は、前記カルボキシル基含有重合性不飽和化合物と前記重合性不飽和化合物とを共重合させてなるものである。具体的には、カルボキシル基含有(メタ)アクリル−スチレン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐湿性の観点から、カルボキシル基含有(メタ)アクリル−スチレン共重合体が好ましい。
前記(D)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、0.2質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上4質量%以下であることが特に好ましい。前記(D)成分の配合量が前記下限未満では、はんだ粉末の表面への活性作用が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の絶縁性や耐湿性が低下する傾向にある。
[(E)成分]
本発明に用いる(E)重合性化合物は、1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有するものであり、具体的には、(E1)1分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有するラジカル重合性樹脂や、(E2)1分子内に1つの不飽和二重結合を有する反応性希釈剤である。この(E)成分としては、得られる異方性導電性接着剤の接着強度および塗布性のバランスの観点から、前記(E1)成分および前記(E2)成分の両方を含有することが好ましい。
前記(E1)ラジカル重合性樹脂は、1分子内に2つ以上の不飽和二重結合を有する樹脂である。この(E1)成分としては、例えば、重量平均分子量が800以上で、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性樹脂である。前記(E1)成分を適量添加することにより、得られる異方性導電性接着剤の接着強度を向上できる傾向にある。前記(E1)成分としては、例えば、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、およびシリコンアクリレート樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(E1)成分の重量平均分子量は、1000以上10000以下であることが好ましく、1200以上5000以下であることがより好ましい。
前記(E1)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。前記(E1)成分の配合量が前記下限未満では、得られる異方性導電性接着剤の接着強度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の粘度が高くなり、塗布性が低下する傾向にある。
前記(E2)反応性希釈剤は、1分子内に1つの不飽和二重結合を有する反応性希釈剤である。この(E2)成分は、常温(25℃)において液体であり、かつ熱可塑性樹脂などを溶解させることができるものである。前記(E2)成分としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、および(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。これらの反応性希釈剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの反応性希釈剤の中でも、熱可塑性樹脂などの溶解性や接着強度の観点からは、テトラヒドロフルフリルアクリレートが好ましい。
前記(E2)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、15質量%以上55質量%以下であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、25質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。前記(B2)成分の配合量が前記下限未満では、得られる異方性導電性接着剤の粘度が高くなり、塗布性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の接着強度が低下する傾向にある。
前記(E)成分の配合量((E1)成分および(E2)成分の合計の配合量)は、得られる異方性導電性接着剤の接着強度および塗布性のバランスの観点から、異方性導電性接着剤100質量%に対して、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、15質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上55質量%以下であることが特に好ましい。
[(F)成分]
本発明に用いる(F)ラジカル重合開始剤は、前記(E)成分などにおける不飽和二重結合のラジカル重合を開始させるためのものである。このようなラジカル重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
前記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、およびパーカーボネート類などの有機過酸化物が挙げられる。これらの熱ラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの熱ラジカル重合開始剤の中でも、反応性と安定性とのバランスの観点から、ハイドロパーオキサイド類が好ましく、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがより好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、およびP−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(F)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、0.1質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上4質量%以下であることが特に好ましい。前記(F)成分の配合量が前記下限未満では、ラジカル重合における反応性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の接着強度が低下する傾向にある。
また、本発明の異方性導電性接着剤は、前記(A)成分〜前記(F)成分の他に、(G)有機フィラー、(H)チクソ剤をさらに含有してもよい。
[(G)成分]
本発明に用いる(G)有機フィラーとしては、公知の有機フィラーを適宜用いることができる。このような有機フィラーとしては、例えば、アクリル系有機フィラー、シリコーン系フィラー、スチレン系有機フィラーが挙げられる。これらの中でも、得られる異方性導電性接着剤の接合強度をほとんど低下させずに、フロー性を向上させることができるという観点から、コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子が好ましい。このコアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子は、コア層およびシェル層を有する微粒子であって、コア層およびシェル層がともに(メタ)アクリル系重合体からなるものである。このコアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子としては、適宜公知のものを用いることができる。また、この(メタ)アクリル系重合体は、アクリル基およびメタクリル基のうちの少なくとも一方の基を有する(メタ)アクリル系単量体を含む単量体成分を重合させて得られるものである。この(メタ)アクリル系重合体は、単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。
前記(G)成分の平均一次粒子径は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.3μm以上2μm以下であることがより好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
前記(G)成分の比重は、0.8g/cm以上1.4g/cm以下であることが好ましく、0.9g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。なお、比重は、JIS−K0061の記載に準拠する方法より測定できる。
前記(G)成分のシェル層の軟化点は、60℃以上150℃以下であることが好ましく、75℃以上120℃以下であることがより好ましい。なお、軟化点は、熱機械分析(TMA)装置により測定できる。
前記(G)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、3質量%以上18質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、7質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。前記(G)成分の配合量が前記下限未満では、(G)成分の添加による効果を奏しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の接着強度が低下する傾向にある。
[(H)成分]
本発明に用いる(H)チクソ剤としては、公知のチクソ剤を適宜用いることができる。このようなチクソ剤としては、例えば、脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油、オレフィン系ワックス、およびアモルファスシリカなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪酸アマイド、アモルファスシリカが好ましく、特に、得られる異方性導電性接着剤のにじみにくさの観点からは、アモルファスシリカが好ましい。アモルファスシリカとしては、アエロジルR974、およびアエロジル200などが挙げられる。
前記(H)成分の配合量は、異方性導電性接着剤100質量%に対して、0.5質量%以上4質量%以下であることが好ましい。前記(H)成分の配合量が前記下限未満では、チクソ性付与の効果を奏しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤を硬化させた際の泡残りが発生しやすくなる傾向にある。
本発明の異方性導電性接着剤は、必要に応じて、前記(A)成分〜前記(H)成分の他に、前記(E2)成分以外の希釈剤、前記(D)成分以外の活性剤、界面活性剤、消泡剤、粉末表面処理剤、反応抑制剤、沈降防止剤などの添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の含有量としては、異方性導電性接着剤100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。添加剤の含有量が前記下限未満では、それぞれの添加剤の効果を奏しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性接着剤の諸特性が低下する傾向にある。
[プリント配線基板]
次に、本発明のプリント配線基板について説明する。
本発明のプリント配線基板は、前述した本発明の異方性導電性接着剤を用いて電極同士を接続したことを特徴とするものである。具体的には、次のようにして、電極同士を接続することで、本発明のプリント配線基板を製造できる。ここでは、異方性導電性ペーストを用いて、リジット基板およびフレキ基板の電極同士を接続する場合を例に挙げて説明する。
このようにリジット基板およびフレキ基板の電極同士を接続する方法としては、前記リジット基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する塗布工程と、前記異方性導電性ペースト上に前記フレキ基板を配置し、前記はんだ粉末の融点よりも1℃以上(好ましくは10℃以上)高い温度で、前記フレキ基板を前記リジット基板に熱圧着する熱圧着工程と、を備える方法を採用できる。
塗布工程においては、前記リジット基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する。
ここで用いる塗布装置としては、例えば、ディスペンサー、スクリーン印刷機、ジェットディスペンサーおよびメタルマスク印刷機が挙げられる。
また、塗布膜の厚みは、特に限定されないが、50μm以上500μm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。厚みが前記下限未満では、リジット基板の電極上にフレキ基板を搭載した際の付着力が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接続部分以外にもペーストがはみ出しやすくなる傾向にある。
熱圧着工程においては、前記異方性導電性ペースト上に前記フレキ基板を配置し、前記はんだ粉末の融点よりも1℃以上高い温度で、前記フレキ基板を前記リジット基板に熱圧着する。
熱圧着時の温度が、前記はんだ粉末の融点よりも1℃以上高いという条件を満たさない場合には、はんだを十分に溶融させることができず、フレキ基板およびリジット基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、フレキ基板およびリジット基板の間の導電性が不十分となる。
熱圧着時の温度は、130℃以上200℃以下とすることが好ましく、140℃以上180℃以下とすることがより好ましい。
熱圧着時の圧力は、特に限定されないが、0.05MPa以上3MPa以下とすることが好ましく、0.1MPa以上2MPa以下とすることがより好ましい。圧力が前記上限未満では、リジット基板およびフレキ基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、リジット基板およびフレキ基板の間の導電性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えるとリジット基板にストレスがかかり、デッドスペースを広くとらなければならなくなる傾向にある。
なお、本発明においては、上記のように、熱圧着時の圧力を、従来の導電性フィラー系の異方性導電性接着剤を用いる方法による場合と比較して、低い圧力範囲に設定することができる。そのため、熱圧着工程に用いる装置の低コスト化を達成することもできる。
熱圧着時の時間は、特に限定されないが、通常、1秒以上60秒以下であり、2秒以上20秒以下であることが好ましく、3秒以上10秒以下であることがより好ましい。
本発明の異方性導電性接着剤を用いる場合には、このように配線基板および電子部品の電極同士を接続する方法の各工程は、自動化されていてもよい。なお、全ての工程が自動化されたフルオートラインであってもよく、一部の工程が自動化されたセミオートラインであってもよい。
本発明の異方性導電性接着剤は、カメラによる画像認識性に優れるので、前記塗布工程後に、異方性導電性接着剤が適切に塗布されているか否かを、カメラおよび画像解析装置により検査できる。そのため、本発明の異方性導電性接着剤は、フルオートラインおよびセミオートラインのいずれにも適用できる。
カメラおよび画像解析装置としては、公知のものを適宜使用できる。
また、カメラにより検査する箇所には、照明装置により、光を照射することが好ましい。光の種類としては、可視光線(白、青および緑など)、紫外線(UV)および赤外線などが挙げられる。照明の形態としては、リング、バー、ボックスおよびドームなどが挙げられる。
光の種類および照明の形態などの光の照射条件は、プリント配線基板の基材および異方性導電性接着剤の種類に応じて、適宜設定できる。例えば、異方性導電性接着剤が蛍光着色剤を含有する場合には、光の種類をUVとすれば、基材に対する異方性導電性接着剤の濃淡差(コントラスト)を高めることができる。
また、本発明の異方性導電性接着剤をセミオートラインで用いる場合、前記熱圧着工程においては、異方性導電性接着剤上にフレキ基板を配置する際に、目視にて、電極同士の位置を合わせる作業(アライメント)が行われる。そして、このような場合、リジット基板の電極が、異方性導電性接着剤に覆われて視認できない場合には、アライメントが困難となる。
そこで、本発明の異方性導電性接着剤の塗膜においては、アライメントが可能な程度に、下地が視認できることが好ましい。このような観点から、(B)着色剤は、少量の配合量で足り、色調の調整がしやすいものが好ましい。具体的には、(B)着色剤としては、黒色着色剤および蛍光着色剤のうちの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
また、本発明の異方性導電性接着剤を用いた接続方法は、前記接続方法に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記接続方法では、熱圧着工程により、配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、熱圧着工程に代えて、レーザー光を用いて異方性導電性接着剤を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、InGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)および気体レーザー(He−Ne、Ar、CO、エキシマーなど)が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
導電性粒子A:はんだ粉末、平均粒子径は12μm、はんだの融点は139℃、はんだの組成は42Sn/58Bi
導電性粒子B:銀粉末、平均粒子径3μm、DOWA社製、商品名「AG 5−7F」
((B)成分)
着色剤A:酸化鉄(黒色着色剤)、商品名「マグネタイト ブラック TN−15」、三井金属工業社製
着色剤B:酸化チタン(白色着色剤)、商品名「タイペーク CR−93」、石原産業社製
着色剤C:蛍光着色剤、商品名「Hakkol P」、昭和化学工業社製
((C)成分)
熱可塑性樹脂:フェノキシ樹脂、軟化点は70℃、重量平均分子量は50,000〜60,000、商品名「フェノトートYP−70」、新日鐵住金化学社製
((D)成分)
活性剤:グルタル酸(1,3−プロパンジカルボン酸)
((E1)成分)
ラジカル重合性樹脂:ウレタンアクリレート樹脂、商品名「アロニックスM−1200」、東亞合成社製
((E2)成分)
反応性希釈剤:テトラヒドロフルフリルアクリレート、商品名「ビスコート♯150」、大阪有機化学工業社製
((F)成分)
ラジカル重合開始剤:1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、商品名「パーオクタO」、日油社製
((G)成分)
有機フィラー:アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体微粒子、平均一次粒子径は0.5μm、比重は1.1〜1.2g/cm、コア層の軟化点は約−40℃、シェル層の軟化点は100〜105℃、商品名「スタフィロイドAC―4030」、アイカ工業社製
((H)成分)
チクソ剤:アモルファスシリカ、商品名「AEROSIL R974」、日本アエロジル社製
[実施例1]
熱可塑性樹脂15質量部および反応性希釈剤30質量部を容器に投入し、熱可塑性樹脂を反応性希釈剤に溶解させる。その後、ラジカル重合性樹脂20質量部、活性剤1質量部、有機フィラー10質量部、着色剤A2質量部およびチクソ剤2質量部を容器に投入し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールを用いて室温にて混合し分散させて樹脂組成物を得た。
その後、得られた樹脂組成物80質量部に対し、ラジカル重合開始剤2質量部および導電性粒子A20質量部を容器に投入し、混練機にて2時間混合することで異方性導電性接着剤(異方性導電性ペースト)を調製した。
次に、リジット基板(基材:FR−4、ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:18μm)を準備し、リジット基板の櫛形電極上に、得られた異方性導電性接着剤をディスペンサーにて塗布した(厚み:0.2mm)。そして、塗布後の異方性導電性接着剤上に、フレキ基板(ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:12μm)を配置し、熱圧着装置(アドバンセル社製)を用いて、温度160℃、圧力1.0MPa、圧着時間6秒の条件で、フレキ基板をリジット基板に熱圧着して、フレキ基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。
[実施例2、3および7、参考例A〜C並びに比較例1]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、異方性導電性接着剤を得た。
また、得られた異方性導電性接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして、フレキ基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。
<異方性導電性接着剤の評価>
異方性導電性接着剤の評価(カメラ画像認識性、アライメント性、接着強度)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)カメラ画像認識性
実施例、参考例および比較例で得られた異方性導電性接着剤を塗布したリジット基板を試料とする。そして、試料の異方性導電性接着剤を塗布した部分に、照明装置により下記の照射条件で光を照射しながら、カメラおよび画像解析装置を用いて、基材に対する異方性導電性接着剤の濃淡差(コントラスト)を測定した。カメラ画像認識性は、以下の基準に従って評価した。
○:コントラストの値が、100以上である。
△:コントラストの値が、60以上100未満である。
×:コントラストの値が、60未満である。
(照射条件)
光の種類:白LED(実施例1〜、7、参考例Aおよび比較例1)、UV(参考例BおよびC
照明の形態:バー
(2)アライメント性
実施例および比較例で得られた異方性導電性接着剤を塗布したリジット基板を試料とする。そして、試料の異方性導電性接着剤を塗布した部分を、目視にて観察し、以下の基準に従って評価した。
○:試料の櫛形電極を容易に視認できる。
△:試料の櫛形電極を視認しにくい。
(3)接着強度(ピール強度)
試験機(Dage社製の「Dage4000」)を用い、評価基板におけるリジット基板に対するフレキ基板の角度が90度となるようにして、フレキ基板を試験速度50mm/minで引っ張り、そのときのピール強度(単位:N/mm)を測定した。そして、接着強度は、以下の基準に従って評価した。
○:ピール強度が0.8N/mm以上である。
△:ピール強度が0.6N/mm以上0.8N/mm未満である。
×:ピール強度が0.6N/mm未満である。
Figure 0006346877
表1に示す結果からも明らかなように、本発明の異方性導電性接着剤を用いた場合(実施例1〜3および7)には、カメラ画像認識性が良好で、接着強度も良好であった。従って、本発明の異方性導電性接着剤は、カメラによる画像認識性に優れることが確認された。
これに対し、着色剤を含有しない異方性導電性接着剤を用いた場合(比較例1)には、カメラ画像認識性が不十分であることが分かった。
また、実施例1および2を比較すると、着色剤の配合量が適当な場合には、アライメント性も確保できることが分かった。実施例1のように、カメラ画像認識性およびアライメント性の両方が優れる場合には、フルオートラインおよびセミオートラインのいずれにも適用できる。
本発明の異方性導電性接着剤は、配線基板同士(例えば、フレキ基板とリジット基板)を接続する技術や、電子部品と配線基板とを接続する技術として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. プリント配線基板を自動化された製造ラインにて製造する場合に用いる異方性導電性接着剤であって、
    前記異方性導電性接着剤が、(A)導電性粒子と、(B)着色剤と、(C)樹脂と、(D)1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤と、を含有し、
    前記(B)着色剤が、黒色着色剤を含み、
    前記黒色着色剤が、酸化鉄であり、
    前記黒色着色剤の配合量が、0.1質量%以上5質量%以下である
    ことを特徴とする異方性導電性接着剤。
  2. 請求項1に記載の異方性導電性接着剤において、
    前記(A)導電性粒子が、金属を含有する金属系導電性粒子である
    ことを特徴とする異方性導電性接着剤。
  3. 請求項1または請求項2に記載の異方性導電性接着剤において、
    前記黒色着色剤の配合量が、0.5質量%以上5質量%以下である
    ことを特徴とする異方性導電性接着剤。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の異方性導電性接着剤において、
    前記(C)樹脂が、熱可塑性樹脂であり、
    (E)1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有する重合性化合物と、(F)ラジカル重合開始剤とをさらに含有する
    ことを特徴とする異方性導電性接着剤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の異方性導電性接着剤を用いて電極同士を接続することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
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