JP6068106B2 - 異方性導電性ペーストおよびそれを用いたプリント配線基板 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の異方性導電性ペーストは、(A)熱可塑性樹脂と、(B)1分子内に1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート反応性希釈剤と、(C)ラジカル重合開始剤と、(D)1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤と、(E)はんだ粉末と、(F)コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子とを含有し、前記(A)熱可塑性樹脂は、スチレン・ブタジエン共重合体およびスチレン・ブタジエン共重合体の水添物からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記(F)コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子の配合量は、前記(A)熱可塑性樹脂100質量部に対して、22質量部以上70質量部以下であることを特徴とするものである。
本発明の異方性導電性ペーストにおいては、前記(D)1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤は、1分子内に1つ以上のカルボキシル基と1つ以上の不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有する重合性不飽和化合物とを共重合させてなるカルボキシル基含有共重合体であることが好ましい。
このような場合、前記(E)はんだ粉末におけるビスマスの含有量は、スズとビスマスとの合計量100質量%に対して、58質量%以下であることが好ましい。
本発明の異方性導電性ペーストにおいては、(G)1分子内に2つ以上の不飽和二重結合を有するラジカル重合性樹脂をさらに含有することが好ましい。
本発明の異方性導電性ペーストにおいては、レーザー光を用いて加熱されることで接着されることが好ましい。
また、本発明の異方性導電性ペーストが、熱圧着時の温度が低温の場合においても、十分な接着強度、絶縁性および耐湿性を有する理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
また、異方性導電材として要求される諸特性(接着強度、隣接電極間の絶縁性、電極同士の間での導通性、耐湿性など)については、さらに高いレベルのものを求められている。また、異方性導電材の熱圧着時のはみ出しが少ないこと(良好なフロー性)が求められている。本発明の異方性導電性ペーストにおいては、前記(A)成分〜前記(E)成分に対し、さらに(F)コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子を所定量添加することにより、異方性導電性ペーストにおけるフロー性の向上を達成している。
本発明の異方性導電性ペーストは、以下説明する(A)熱可塑性樹脂、(B)1分子内に1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート反応性希釈剤、(C)ラジカル重合開始剤、(D)1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤、(E)はんだ粉末、および、(F)コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子を含有するものである。
本発明に用いる(A)熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリル酸共重合体が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、飽和物であってもよく、不飽和物であってもよい。また、これらの熱可塑性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの熱可塑性樹脂の中でも、得られる異方性導電性ペーストの接着強度の観点から、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。一方、得られる異方性導電性ペーストにおける耐湿性(特に、耐湿熱試験後の接着強度)の観点からは、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体の水添物が好ましい。
本発明に用いる(B)1分子内に1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート反応性希釈剤は、常温(25℃)において液体であり、かつ熱可塑性樹脂などを溶解させることができるものである。前記(B)成分としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。これらの反応性希釈剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの反応性希釈剤の中でも、接着強度の観点からは、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートが好ましく、熱可塑性樹脂などの溶解性の観点からは、テトラヒドロフルフリルアクリレートが好ましい。さらに、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートおよびテトラヒドロフルフリルアクリレートを併用することが特に好ましく、このような場合、これらの質量比(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/テトラヒドロフルフリルアクリレート)を1/9以上2/1以下の範囲とすることが好ましい。
本発明に用いる(C)ラジカル重合開始剤は、前記(B)成分などにおける不飽和二重結合のラジカル重合を開始させるためのものである。このようなラジカル重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
前記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド類、ジアシルキルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類などの有機過酸化物が挙げられる。これらの熱ラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの熱ラジカル重合開始剤の中でも、反応性と安定性とのバランスの観点から、ハイドロパーオキサイド類が好ましく、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがより好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いる(D)1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤としては、有機酸の他に、ロジン系樹脂などの天然の樹脂酸や、カルボキシル基を有する単量体成分を用いて重合される樹脂酸が挙げられる。
前記有機酸としては、公知の有機酸を適宜用いることができる。このような有機酸の中でも、保管中において結晶の析出が起こりにくいという観点から、アルキレン基を有する二塩基酸を用いることが好ましい。このようなアルキレン基を有する二塩基酸としては、例えば、アジピン酸、2,5−ジエチルアジピン酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2,2−ジエチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2−エチル−3−プロピルグルタル酸、セバシン酸が挙げられる。これらの中でも、絶縁性の観点から、アジピン酸が特に好ましい。
前記カルボキシル基含有重合性不飽和化合物としては、例えば、カルボキシル基含有(メタ)アクリル化合物が挙げられる。
前記重合性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル化合物、スチレン化合物が挙げられる。これらの重合性不飽和化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記カルボキシル基含有共重合体は、前記カルボキシル基含有重合性不飽和化合物と前記重合性不飽和化合物とを共重合させてなるものである。具体的には、カルボキシル基含有(メタ)アクリル共重合体、カルボキシル基含有(メタ)アクリル−スチレン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐湿性の観点から、カルボキシル基含有(メタ)アクリル−スチレン共重合体が好ましい。
本発明に用いる(E)はんだ粉末は、180℃以下の融点を有するものであることが好ましい。このはんだ粉末の融点が180℃を超えるものを用いる場合には、熱圧着時の温度が低温(例えば、180℃以下)の場合に、はんだ粉末を溶融させることができない傾向にある。また、このはんだ粉末の融点は、熱圧着時の温度を低くするという観点から、170℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。
また、このはんだ粉末は、環境への影響の観点から、鉛フリーはんだ粉末であることが好ましい。ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
また、前記(E)成分がスズとビスマスとの合金からなる場合、前記(E)成分におけるビスマスの含有量は、スズとビスマスとの合計量100質量%に対して、58質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いる(F)コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子は、コア層およびシェル層を有する微粒子であって、コア層およびシェル層がともに(メタ)アクリル系重合体からなるものである。このような(F)成分としては、適宜公知のものを用いることができる。そして、このような(F)成分を添加することにより、得られる異方性導電性ペーストの接合強度をほとんど低下させずに、フロー性を向上させることができる。この(メタ)アクリル系重合体は、アクリル基およびメタクリル基のうちの少なくとも一方の基を有する(メタ)アクリル系単量体を含む単量体成分を重合させて得られるものである。この(メタ)アクリル系重合体は、単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。
前記(F)成分の比重は、0.8g/cm3以上1.4g/cm3以下であることが好ましく、0.9g/cm3以上1.2g/cm3以下であることがより好ましい。なお、比重は、JIS−K0061に記載に準拠する方法より測定できる。
前記(F)成分のシェル層の軟化点は、60℃以上150℃以下であることが好ましく、75℃以上120℃以下であることがより好ましい。なお、軟化点は、熱機械分析(TMA)装置により測定できる。
前記(F)成分の配合量は、異方性導電性ペースト100質量%に対して、3.5質量%以上10.5質量%以下であることが好ましく、5質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、6質量%以上8質量%以下であることが特に好ましい。前記(D)成分の配合量が前記下限未満では、(F)成分の添加による効果を奏しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性ペーストの接着強度が低下する傾向にある。
本発明に用いる(G)1分子内に2つ以上の不飽和二重結合を有するラジカル重合性樹脂は、例えば、重量平均分子量が800以上で、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性樹脂である。前記(G)成分を適量添加することにより、得られる異方性導電性ペーストの接着強度を向上できる傾向にある。前記(G)成分としては、例えば、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂が挙げられる。
前記(G)成分の重量平均分子量は、1000以上10000以下であることが好ましく、1200以上5000以下であることがより好ましい。
本発明に用いる(H)チクソ剤としては、公知のチクソ剤を適宜用いることができる。このようなチクソ剤としては、例えば、脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油、オレフィン系ワックス、無機微粒子(アモルファスシリカなど)が挙げられる。これらの中でも、脂肪酸アマイド、アモルファスシリカが好ましく、特に、得られる異方性導電性ペーストのにじみにくさの観点からは、アモルファスシリカが好ましい。アモルファスシリカとしては、アエロジルR974、アエロジル200などが挙げられる。
前記(H)成分の配合量は、異方性導電性ペースト100質量%に対して、0.5質量%以上4質量%以下であることが好ましい。前記(H)成分の配合量が前記下限未満では、チクソ性付与の効果を奏しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性ペーストを硬化させた際の泡残りが発生しやすくなる傾向にある。
本発明のプリント配線基板は、前述した本発明の異方性導電性ペーストを用いて電極同士を接続したことを特徴とするものである。具体的には、次のようにして、電極同士を接続することで、本発明のプリント配線基板を製造できる。ここでは、配線基板および電子部品の電極同士を接続する場合を例に挙げて説明する。
このように配線基板および電子部品の電極同士を接続する方法としては、前記配線基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する塗布工程と、前記異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記はんだ粉末の融点よりも1℃以上(好ましくは10℃以上)高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する熱圧着工程と、を備える方法を採用できる。
ここで、電子部品としては、チップ、パッケージ部品などの他に、配線基板を用いてもよい。配線基板としては、フレキシブル性を有するフレキ基板、フレキシブル性を有しないリジット基板のいずれも用いることができる。さらに、電子部品としてフレキ基板を用いる場合には、2つの配線基板(リジット基板)とそれぞれ接続を図ることで、リジット基板同士をフレキ基板を介して電気的に接続することもできる。また、フレキ基板同士をフレキ基板を介して電気的に接続しても構わない。
ここで用いる塗布装置としては、例えば、ディスペンサー、スクリーン印刷機、ジェットディスペンサー、メタルマスク印刷機が挙げられる。
また、塗布膜の厚みは、特に限定されないが、50μm以上500μm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。厚みが前記下限未満では、配線基板の電極上に電子部品を搭載した際の付着力が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接続部分以外にもペーストがはみ出しやすくなる傾向にある。
熱圧着時の温度が、前記はんだ粉末の融点よりも1℃以上高いという条件を満たさない場合には、はんだを十分に溶融させることができず、電子部品および配線基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、電子部品および配線基板の間の導電性が不十分となる。
熱圧着時の温度は、130℃以上200℃以下とすることが好ましく、140℃以上180℃以下とすることがより好ましい。
熱圧着時の圧力は、特に限定されないが、0.05MPa以上3MPa以下とすることが好ましく、0.1MPa以上2MPa以下とすることがより好ましい。圧力が前記上限未満では、電子部品および配線基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、電子部品および配線基板の間の導電性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると配線基板にストレスがかかり、デッドスペースを広くとらなければならなくなる傾向にある。
なお、本発明においては、上記のように、熱圧着時の圧力を、従来の導電性フィラー系の異方性導電材を用いる方法による場合と比較して、低い圧力範囲に設定することができる。そのため、熱圧着工程に用いる装置の低コスト化を達成することもできる。
熱圧着時の時間は、特に限定されないが、通常、1秒以上60秒以下であり、2秒以上20秒以下であることが好ましく、3秒以上10秒以下であることがより好ましい。
ここで、電子部品を配線基板から剥離する方法は、特に限定されない。このような方法としては、例えば、はんだごてなどを用いて接続部分を加熱しながら、電子部品を配線基板から剥離する方法を採用することができる。なお、このような場合に、リペアに用いる公知の剥離装置を用いてもよい。
また、電子部品を配線基板から剥離した後に、必要に応じて、溶剤などで前記配線基板上を洗浄してもよい。
再熱圧着工程においては、再塗布工程後の異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記はんだ粉末の融点よりも1℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する。ここで、熱圧着時の温度、圧力および時間は、前記塗布工程と同様の条件を採用することができる。
例えば、前記接続方法では、熱圧着工程により、配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、熱圧着工程に代えて、レーザー光を用いて異方性導電性ペーストを加熱する工程(レーザー加熱工程)により、配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、InGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、気体レーザー(He−Ne、Ar、CO2、エキシマーなど)が挙げられる。
((A)成分)
熱可塑性樹脂:スチレン・ブタジエン共重合体の水添物(選択水添)、重量平均分子量は3万、スチレン含有量は30質量%、商品名「タフテックP1500」、旭化成ケミカルズ社製
((B)成分)
反応性希釈剤A:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、商品名「ニューフロンティア PGA」、第一工業製薬社製
反応性希釈剤B:テトラヒドロフルフリルアクリレート、商品名「ビスコート♯150」、大阪有機化学工業社製
((C)成分)
ラジカル重合開始剤:1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、商品名「パーオクタO」、日油社製
((D)成分)
活性剤:カルボキシル基含有(メタ)アクリル−スチレン共重合体、重量平均分子量は4500、軟化点は60℃、酸価は108mgKOH/g、商品名「ARUFON UC−3900」、東亞合成社製
((E)成分)
はんだ粉末:平均粒子径は12μm、はんだの融点は139℃、はんだの組成は42Sn/58Bi
((F)成分)
(メタ)アクリル系重合体微粒子A:メタクリル酸アルキルエステル共重合体微粒子、平均一次粒子径は2μm、比重は1.1〜1.2g/cm3、軟化点は、105℃、商品名「ZEFIAC F301」、アイカ工業社製
(メタ)アクリル系重合体微粒子B:メタクリル酸アルキルエステル共重合体微粒子、平均一次粒子径は2μm、比重は1.1〜1.2g/cm3、軟化点は、105℃、商品名「ZEFIAC F303」、アイカ工業社製
(メタ)アクリル系重合体微粒子C:アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体微粒子、平均一次粒子径は0.3μm、比重は1.15g/cm3、軟化点は、105℃、商品名「ZEFIAC F351」、アイカ工業社製
(メタ)アクリル系重合体微粒子D:メタクリル樹脂微粒子、平均一次粒子径は0.5〜0.7μm、比重は1.12g/cm3、軟化点は、80℃、商品名「メタブレンJF−001」、三菱レイヨン社製
(メタ)アクリル系重合体微粒子E:メタクリル樹脂微粒子、平均一次粒子径は0.5〜0.7μm、比重は1.15g/cm3、軟化点は、10℃、商品名「メタブレンJF−003」、三菱レイヨン社製
(メタ)アクリル系重合体微粒子F:アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体微粒子、平均一次粒子径は0.5μm、比重は1.1〜1.2g/cm3、コア層の軟化点は約−40℃、シェル層の軟化点は100〜105℃、商品名「スタフィロイドAC―3832」、アイカ工業社製
(メタ)アクリル系重合体微粒子G:アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体微粒子、平均一次粒子径は0.5μm、比重は1.1〜1.2g/cm3、コア層の軟化点は約−40℃、シェル層の軟化点は100〜105℃、商品名「スタフィロイドAC―3816N」、アイカ工業社製
(メタ)アクリル系重合体微粒子H:アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体微粒子、平均一次粒子径は0.5μm、比重は1.1〜1.2g/cm3、コア層の軟化点は約−40℃、シェル層の軟化点は100〜105℃、商品名「スタフィロイドAC―4030」、アイカ工業社製
(メタ)アクリル系重合体微粒子I:アクリル樹脂微粒子、平均一次粒子径は0.5〜0.7μm、比重は0.94g/cm3、コア層の軟化点は約−50℃、シェル層の軟化点は約100℃、商品名「メタブレンJ―5800」、三菱レイヨン社製
((G)成分)
ラジカル重合性樹脂:ウレタンアクリレート樹脂、商品名「アロニックスM−1200」、東亞合成社製
((H)成分)
チクソ剤: アモルファスシリカ、商品名「AEROSIL R974」、日本アエロジ
ル社製
その後、得られた樹脂組成物69質量部に対し、ラジカル重合開始剤3質量部およびはんだ粉末22質量部を容器に投入し、混練機にて2時間混合することで異方性導電性ペーストを調製した。
次に、リジット基板(ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:18μm、電極:銅電極に水溶性プリフラックス処理(タムラ製作所社製))上に、得られた異方性導電性ペーストをディスペンサーにて塗布した(厚み:0.2mm)。そして、塗布後の異方性導電性ペースト上に、フレキ基板(ライン幅:100μm、ピッチ:200μm、銅厚:12μm、電極:銅電極に金メッキ処理(Cu/Ni/Au))を配置し、熱圧着装置(アドバンセル社製)を用いて、温度150℃、圧力1.0MPa、圧着時間6秒の条件で、フレキ基板をリジット基板に熱圧着して、フレキ基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、異方性導電性ペーストを得た。
また、得られた異方性導電性ペーストを用いた以外は実施例1と同様にして、フレキ基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。
[比較例1〜4]
表2に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、異方性導電性ペーストを得た。
また、得られた異方性導電性ペーストを用いた以外は実施例1と同様にして、フレキ基板付のリジット基板(評価基板)を作製した。
異方性導電性ペーストの評価(硬化性、フロー性、泡残り、接着強度)を以下のような方法で行った。実施例1〜14について、得られた結果を表1に示す。比較例1〜4について、得られた結果を表2に示す。
(1)硬化性
示差走査熱量測定機(セイコーインスツルメンツ社製の「EXSTAR6000」)を用い、評価基板における吸熱および発熱ピークを得た後、発熱ピークのみを積算させ、反応発熱量を算出した。また、異方性導電性ペースト(前駆体であり硬化させていないもの)について同様に反応発熱量を算出し、硬化前と硬化後の反応発熱量から反応率[{(硬化前の反応発熱量)−(硬化後の反応発熱量)}/(硬化前の反応発熱量)×100%]を求めた。硬化性は、以下の基準に従って評価した。
○:反応率が90%以上である。
△:反応率が80%以上90%未満である。
×:反応率が80%未満である。
(2)フロー性
評価基板を、測定顕微鏡(オリンパス社製の「STM6」)で観察し、評価基板におけるリジット基板とフレキ基板が重なり合う箇所から、異方性導電性ペーストのバインダー成分が最も流れ出している箇所のハミ出し距離を測定した。フロー性は、以下の基準に従って評価した。
○:バインダー成分のハミ出しが無い。
△:バインダー成分のハミ出し距離が30μm未満である。
×:バインダー成分のハミ出し距離が30μm以上である。
(3)泡残り
評価基板を、測定顕微鏡(オリンパス社製の「STM6」)で観察し、評価基板におけるリジット基板とフレキ基板が重なり合う部分の面積と、泡の存在する箇所の面積とを測定し、泡の占める比率[(泡の存在する箇所の面積)/(重なり合う部分の面積)×100%]を測定した。泡残りの評価は、以下の基準に従って評価した。
○:泡の占める比率が10%以下である。
△:泡の占める比率が10%超20%以下である。
×:泡の占める比率が20%超である。
(4)接着強度(ピール強度)
試験機(Dage社製の「Dage4000」)を用い、評価基板におけるリジット基板に対するフレキ基板の角度が90度となるようにして、フレキ基板を試験速度50mm/minで引っ張り、そのときのピール強度(単位:N/mm)を測定した。接着強度は、以下の基準に従って評価した。
○:ピール強度が0.8N/mm以上である。
△:ピール強度が0.6N/mm以上0.8N/mm未満である。
×:ピール強度が0.6N/mm未満である。
これに対し、(F)成分を含有しない場合(比較例1)や、(F)成分が少な過ぎる場合(比較例2)には、フロー性に劣ることが確認された。また、(F)成分が多過ぎる場合(比較例3)には、保存安定性が低下するとともに、接着強度が不十分となることが確認された。さらに、(F)成分を添加しない代わりにチクソ剤である(H)成分を添加した場合(比較例4)には、フロー性に劣り、しかも接着強度も低下することが確認された。
Claims (9)
- (A)熱可塑性樹脂と、(B)1分子内に1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート反応性希釈剤と、(C)ラジカル重合開始剤と、(D)1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤と、(E)はんだ粉末と、(F)コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子とを含有し、
前記(A)熱可塑性樹脂は、スチレン・ブタジエン共重合体およびスチレン・ブタジエン共重合体の水添物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記(F)コアシェル構造を有する(メタ)アクリル系重合体微粒子の配合量は、前記(A)熱可塑性樹脂100質量部に対して、22質量部以上70質量部以下である
ことを特徴とする異方性導電性ペースト。 - 請求項1に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
前記(B)1分子内に1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート反応性希釈剤は、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートおよびテトラヒドロフルフリルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする異方性導電性ペースト。 - 請求項1または請求項2に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
前記(D)1分子内に1つ以上のカルボキシル基を有する活性剤は、1分子内に1つ以上のカルボキシル基と1つ以上の不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、1分子内に1つ以上の不飽和二重結合を有する重合性不飽和化合物とを共重合させてなるカルボキシル基含有共重合体である
ことを特徴とする異方性導電性ペースト。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
前記(E)はんだ粉末は、スズとビスマスとの合金からなる
ことを特徴とする異方性導電性ペースト。 - 請求項4に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
前記(E)はんだ粉末におけるビスマスの含有量は、スズとビスマスとの合計量100質量%に対して、58質量%以下である
ことを特徴とする異方性導電性ペースト。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
前記(C)ラジカル重合開始剤は、熱ラジカル重合開始剤および光ラジカル重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする異方性導電性ペースト。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
(G)1分子内に2つ以上の不飽和二重結合を有するラジカル重合性樹脂をさらに含有する
ことを特徴とする異方性導電性ペースト。 - 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
レーザー光を用いて加熱されることで接着される
ことを特徴とする異方性導電性ペースト。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の異方性導電性ペーストを用いて電極同士を接続したことを特徴とするプリント配線基板。
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