JP5964597B2 - 異方性導電性ペーストおよびそれを用いた電子部品の接続方法 - Google Patents

異方性導電性ペーストおよびそれを用いた電子部品の接続方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品と配線基板とを接続する異方性導電性ペーストおよびそれを用いた電子部品の接続方法に関する。
近年、電子部品と配線基板との接続には、異方性導電材(異方性導電性膜、異方性導電性ペースト)を用いた接続方式が利用されている。例えば、電子部品と配線基板とを接続する場合には、電極が形成された電子部品と、電極のパターンが形成された配線基板との間に異方性導電材を配置し、電子部品と配線基板とを熱圧着して電気的接続を確保している。
異方性導電材としては、例えば、基材となるバインダー樹脂に、金属微粒子や表面に導電膜を形成した樹脂ボールなどの導電性フィラーを分散させた材料が提案されている(例えば、特許文献1)。電子部品と配線基板とを熱圧着させると、接続対象である電子部品および配線基板の電極同士の間には、ある確率で導電性フィラーが存在するため、導電性フィラーが面状に配置された状態となる。このように、接続対象である電子部品および配線基板の電極同士が導電性フィラーを介して接触することにより、これらの電極同士の間での導電性が確保される。一方、電子部品の電極同士の間隙や配線基板の電極同士の間隙では、バインダー樹脂内に導電性フィラーが埋設されたような状態となり、面方向への絶縁性が確保される。
特開2003−165825号公報
ところで、上記のような実装法では、熱圧着後の電子部品の実装状態に、例えば導通不良や加圧による位置ズレなどの不具合が発生した場合に、電子部品や異方性導電膜を機械的に剥離し、配線基板に残る残渣を溶剤などで拭き取って清浄化した後、配線基板を再利用することが行われている。そこで、熱圧着後の異方性導電材は、熱硬化樹脂が硬化されて十分な機械的強度が要求されるだけでなく、十分なリペア性(配線基板から異方性導電材を残渣なく或いは少ない残渣で剥離することができ、再び異方性導電材を用いて配線基板と電子部品との接続を図ることができる性質)が要求される。
しかしながら、上記特許文献に記載の異方性導電材においては、配線基板上の樹脂や導電性フィラーなどの残渣を十分に除去する作業には手間がかかり、一方で、配線基板上にある程度の残渣が残った状態で、再び異方性導電材を用いて電子部品との接続を図る場合には、導電性が確保できないという問題があった。このように、上記特許文献に記載の異方性導電材では、ある程度のリペア性は有しているものの、必ずしも十分なレベルではなかった。また、上記特許文献に記載の異方性導電材を用いた場合には、接続部分の接続信頼性を確保するために、接続対象である電子部品および配線基板の電極に金メッキ処理を施しておく必要があるなど、接続信頼性の点で問題があった。
そこで、本発明は、十分なリペア性を有するとともに、高い接続信頼性を有する異方性導電性ペースト、並びにそれを用いた電子部品の接続方法を提供することを目的とする。
本発明の異方性導電性ペーストは、電子部品および配線基板を接続する異方性導電性ペーストであって、前記異方性導電性ペーストは、240℃以下の融点を有する鉛フリーはんだ粉末10質量%以上50質量%以下と、熱硬化性樹脂有機酸およびチクソ剤を含有する熱硬化性樹脂組成物50質量%以上90質量%以下とを含有し、前記チクソ剤は、有機系チクソ剤および無機系チクソ剤を含有し、前記熱硬化性樹脂組成物の酸価は、15mgKOH/g以上55mgKOH/g以下であることを特徴とする。
本発明の異方性導電性ペーストにおいては、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であり、前記熱硬化性樹脂組成物は、さらに硬化剤を含有し、前記硬化剤は、潜在性硬化剤、エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤およびイミダゾール系硬化促進剤を含有することが好ましい。
本発明の異方性導電性ペーストにおいては、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であり、前記有機酸は、アルキレン基を有する二塩基酸であることが好ましい
発明の異方性導電性ペーストにおいては、前記鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径が、1μm以上34μm以下であることが好ましい。
本発明の異方性導電性ペーストにおいては、前記鉛フリーはんだ粉末が、スズ、銅、銀、ビスマス、アンチモン、インジウムおよび亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むことが好ましい
本発明の電子部品の接続方法は、前記異方性導電性ペーストを用いた電子部品の接続方法であって、前記配線基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する塗布工程と、前記異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する熱圧着工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の電子部品の接続方法においては、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板から剥離する剥離工程と、剥離工程後の配線基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する再塗布工程と、再塗布工程後の異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する再熱圧着工程と、をさらに備えることが好ましい。
本発明の電子部品の接続方法においては、前記電子部品の電極または前記配線基板の電極のうちの少なくとも一方には、金メッキ処理が施されていないことが好ましい。
なお、本発明において、異方性導電性ペーストとは、所定値以上の熱および所定値以上の圧力をかけた箇所では熱圧着方向(厚み方向)に導電性を持つようになるが、それ以外の箇所では面方向に絶縁性を有する異方性導電材を形成できるペーストのことをいう。
また、本発明の異方性導電性ペーストが、十分なリペア性および機械的強度を有するとともに、高い接続信頼性を有する理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、本発明の異方性導電性ペーストは、従来の異方性導電材とは異なり、鉛フリーはんだ粉末を含有している。そして、この異方性導電性ペーストを、鉛フリーはんだ粉末の融点以上の温度で熱圧着する場合には、鉛フリーはんだ粉末同士が溶融するとともにそれぞれが近接していき、その周囲の鉛フリーはんだ同士で接合して大きくなる。一方で、熱圧着により、電子部品および配線基板の電極同士の間隔も短くなるので、上記のようにして大きくなった鉛フリーはんだにより、電極同士をはんだ接合することができる。このように、本発明では、電子部品および配線基板の電極同士がはんだ接合されているために、従来の異方性導電材のように、電極および導電性フィラーが接触し合うことで接続されている場合と比較して、極めて高い接続信頼性を有するものと本発明者らは推察する。
一方で、所定値以上の熱および所定値以上の圧力にて熱圧着がされない箇所(電子部品の電極同士の間隙や配線基板の電極同士の間隙など)については、上記のようにはんだ接合がされることがなく、熱硬化性樹脂組成物内に鉛フリーはんだ粉末が埋設されたような状態となる。そのために、所定値以上の熱および所定値以上の圧力にて熱圧着がされない箇所については、絶縁性が確保される。
本発明の異方性導電性ペーストで電子部品および配線基板を接続した場合には、上記のように、電子部品および配線基板の電極同士ははんだ接合され、このはんだ接合の部分は熱硬化性樹脂組成物に覆われていると推察される。そして、熱圧着後において、鉛フリーはんだ粉末の融点以上の温度の熱をかければ、はんだは溶融させることができ、また、熱硬化性樹脂組成物も軟化させることができることから、配線基板から電子部品を容易に剥離することができる。また、本発明では、剥離後に再び異方性導電性ペーストを用いて配線基板と電子部品との接続を図る場合に、電極などにある程度の残渣(はんだなど)が残っていたとしても、それらの残渣を併せてはんだ接合することができ、導電性を確保できる。これに対し、従来の異方性導電材では、配線基板上にある程度の残渣(導電性フィラーなど)が残った状態で、再び異方性導電材を用いて電子部品との接続を図る場合には、導電性が確保できない。そのため、配線基板上の樹脂や導電性フィラーなどの残渣を十分に除去する必要があり、その作業には手間がかかるという問題がある。以上のように、本発明の異方性導電性ペーストは、従来の異方性導電材と比較して、リペア性が優れている。
なお、本発明では、はんだ接合の部分は熱硬化性樹脂組成物に覆われており、この熱硬化性樹脂組成物が熱により硬化するために、はんだ接合の部分を補強することができる。そのため、本発明の異方性導電性ペーストで電子部品および配線基板を接続した場合には、十分な機械的強度を確保できる。
本発明によれば、十分なリペア性を有するとともに、高い接続信頼性を有する異方性導電性ペースト、並びにそれを用いた電子部品の接続方法を提供できる。
先ず、本発明の異方性導電性ペーストについて説明する。
本発明の異方性導電性ペーストは、電子部品および配線基板を接続する異方性導電性ペーストである。そして、この異方性導電性ペーストは、以下説明する鉛フリーはんだ粉末10質量%以上50質量%以下と、以下説明する熱硬化性樹脂組成物50質量%以上90質量%以下とを含有するものである。
この鉛フリーはんだ粉末の含有量が10質量%未満の場合(熱硬化性樹脂組成物の含有量が90質量%を超える場合)には、得られる異方性導電性ペーストを熱圧着した場合に、電子部品および配線基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、電子部品および配線基板の間の導電性が不十分となり、他方、鉛フリーはんだ粉末の含有量が50質量%を超える場合(熱硬化性樹脂組成物の含有量が50質量%未満の場合)には、得られる異方性導電性ペーストにおける絶縁性、特に加湿状態に放置した場合の湿中絶縁性が不十分となり、結果として、はんだブリッジにより、異方性を示さなくなる。また、得られる異方性導電性ペーストにおいて、絶縁性と熱圧着した場合の導電性とのバランスをとるという観点から、この鉛フリーはんだ粉末の含有量は、20質量%以上45質量%以下であることが好ましく、30質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いる鉛フリーはんだ粉末は、240℃以下の融点を有するものである。この鉛フリーはんだ粉末の融点が240℃を超えるものを用いる場合には、異方性導電性ペーストにおける通常の熱圧着温度では鉛フリーはんだ粉末を溶融させることができない。また、異方性導電性ペーストにおける熱圧着温度を低くするという観点からは、鉛フリーはんだ粉末の融点が220℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。
ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、100質量ppm以下であることが好ましい。
前記鉛フリーはんだ粉末は、スズ(Sn)、銅(Cu)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)および亜鉛(Zn)からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。
また、前記鉛フリーはんだ粉末における具体的なはんだ組成(質量比率)としては、以下のようなものを例示できる。
2元系合金としては、例えば、95.3Ag/4.7BiなどのAg−Bi系、66Ag/34LiなどのAg−Li系、3Ag/97InなどのAg−In系、67Ag/33TeなどのAg−Te系、97.2Ag/2.8TlなどのAg−Tl系、45.6Ag/54.4ZnなどのAg−Zn系、80Au/20SnなどのAu−Sn系、52.7Bi/47.3InなどのBi−In系、35In/65Sn、51In/49Sn、52In/48SnなどのIn−Sn系、8.1Bi/91.9ZnなどのBi−Zn系、43Sn/57Bi、42Sn/58BiなどのSn−Bi系、98Sn/2Ag、96.5Sn/3.5Ag、96Sn/4Ag、95Sn/5AgなどのSn−Ag系、91Sn/9Zn、30Sn/70ZnなどのSn−Zn系、99.3Sn/0.7CuなどのSn−Cu系、95Sn/5SbなどのSn−Sb系が挙げられる。
3元系合金としては、例えば、95.5Sn/3.5Ag/1InなどのSn−Ag−In系、86Sn/9Zn/5In、81Sn/9Zn/10InなどのSn−Zn−In系、95.5Sn/0.5Ag/4Cu、96.5Sn/3.0Ag/0.5CuなどのSn−Ag−Cu系、90.5Sn/7.5Bi/2Ag、41.0Sn/58Bi/1,0AgなどのSn−Bi−Ag系、89.0Sn/8.0Zn/3.0BiなどのSn−Zn−Bi系が挙げられる。
その他の合金としては、Sn/Ag/Cu/Bi系などが挙げられる。
また、前記鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径は、1μm以上34μm以下であることが好ましく、3μm以上20μm以下であることがより好ましい。鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径が前記下限未満では、電子部品および配線基板間の導電性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、異方性導電性ペーストにおける絶縁性が低下する傾向にある。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂および有機酸を含有するものである。そして、この熱硬化性樹脂組成物の酸価は、15mgKOH/g以上55mgKOH/g以下であることが必要である。酸価が15mgKOH/g未満の場合には、得られる異方性導電性ペーストを熱圧着した場合に、はんだを十分に活性化することができず、電子部品および配線基板の間の導電性が不十分となり、他方、55mgKOH/gを超えると、得られる異方性導電性ペーストにおける絶縁性、特に加湿状態に放置した場合の湿中絶縁性が不十分となる。また、得られる異方性導電性ペーストにおいて、絶縁性と熱圧着した場合の導電性とのバランスをとるという観点から、この熱硬化性樹脂組成物の酸価は、20mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましく、30mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であることがより好ましい。
本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、公知の熱硬化性樹脂を適宜用いることができるが、フラックス作用を有するという観点から、特にエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
なお、本発明において、フラックス作用を有するとは、通常のロジン系フラックスのように、その塗布膜は被はんだ付け体の金属面を覆って大気を遮断し、はんだ付け時にはその金属面の金属酸化物を還元し、この塗布膜が溶融はんだに押し退けられてその溶融はんだと金属面との接触が可能となり、その残渣は回路間を絶縁する機能を有するものである。
このようなエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を適宜用いることができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、ナフタレン型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型、ジシクロペンタジエン型などのエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらのエポキシ樹脂は、常温で液状のものを含有することが好ましく、常温で固形のものを用いる場合には、常温で液状のものと併用することが好ましい。また、これらのエポキシ樹脂の型の中でも、金属粒子の分散性およびペースト粘度を調整でき、さらに硬化物の落下衝撃に対する耐性が向上できるという観点や、はんだの濡れ広がり性が良好となるという観点から、液状ビスフェノールA型、液状ビスフェノールF型、液状水添タイプのビスフェノールA型、ナフタレン型、ジシクロペンタジエン型が好ましい。また、得られる異方性導電性ペーストの保存安定性の観点からは、液状ビスフェノールA型と液状ビスフェノールF型との組み合わせで使用することが好ましい。
前記エポキシ樹脂の含有量としては、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して、70質量%以上92質量%以下であることが好ましく、75質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂の含有量が前記下限未満では、電子部品を固着させるために十分な強度が得られないため、落下衝撃に対する耐性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱硬化性樹脂組成物中の有機酸や硬化剤の含有量が減少し、エポキシ樹脂を硬化せしめる速度が遅延しやすい傾向にある。
本発明に用いる有機酸としては、公知の有機酸を適宜用いることができる。このような有機酸の中でも、エポキシ樹脂との溶解性に優れるという観点、並びに保管中において結晶の析出が起こりにくいという観点から、アルキレン基を有する二塩基酸を用いることが好ましい。このようなアルキレン基を有する二塩基酸としては、例えば、アジピン酸、2,5−ジエチルアジピン酸、グルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2,2−ジエチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2−エチル−3−プロピルグルタル酸、セバシン酸、コハク酸、マロン酸、ジグリコール酸が挙げられる。これらの中でも、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸が好ましく、アジピン酸が特に好ましい。
前記有機酸の含有量としては、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して、1質量%以上8質量%以下であることが好ましく、2質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。有機酸の含有量が前記下限未満では、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を硬化せしめる速度が遅延することで硬化不良となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる異方性導電性ペーストにおける絶縁性が低下する傾向にある。
また、本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、前記熱硬化性樹脂および前記有機酸の他に、チクソ剤および硬化剤を用いることが好ましい。
本発明に用いるチクソ剤としては、公知のチクソ剤を適宜用いることができる。このようなチクソ剤としては、例えば、有機系チクソ剤(脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油、オレフィン系ワックスなど)、無機系チクソ剤(コロイダルシリカ、ベントンなど)が挙げられる。これらの中でも、脂肪酸アマイド、コロイダルシリカ、ベントンが好ましい。また、得られる異方性導電性ペーストのにじみにくさの観点からは、有機系チクソ剤と無機系チクソ剤との組み合わせで使用することが好ましい。具体的には、脂肪酸アマイドとコロイダルシリカとの組み合わせ、脂肪酸アマイドとベントンとの組み合わせが挙げられる。
前記チクソ剤の含有量としては、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して、0.5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。チクソ剤の含有量が前記下限未満では、チクソ性が得られず、配線基板の電極上でダレが生じやすくなり、配線基板の電極上に電子部品を搭載した際の付着力が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、チクソ性が高すぎてシリンジニードルの詰まりにより塗布不良となりやすい傾向にある。
本発明に用いるチクソ剤として、前記有機系チクソ剤と前記無機系チクソ剤との組み合わせで使用する場合には、前記無機系チクソ剤の含有量としては、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して、0.5質量%以上22質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いる硬化剤としては、適宜公知の硬化剤を用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂を用いる場合には、以下のようなものを用いることができる。
潜在性硬化剤としては、例えば、ノバキュアHX−3722、HX−3721、HX−3748、HX−3088、HX−3613、HX−3921HP、HX−3941HP(旭化成エポキシ社製、商品名)が挙げられる。
脂肪族ポリアミン系硬化剤としては、例えば、フジキュアFXR−1020、FXR−1030、FXR−1050、FXR−1080(富士化成工業社製、商品名)が挙げられる。
エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤としては、例えば、アミキュアPN−23、PN−F、MY−24 、VDH、UDH、PN−31、PN−40(味の素ファインテクノ社製、商品名)、EH−3615S、EH−3293S、EH−3366S、EH−3842、EH−3670S、EH−3636AS、EH−4346S(旭電化工業社製、商品名)が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2P4MHZ、2MZA、2PZ、C11Z、C17Z、2E4MZ、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNZ(以上、商品名)が挙げられる。
これらの硬化剤は、得られる異方性導電性ペーストの絶縁性の観点からは、潜在性硬化剤とエポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤とイミダゾール系硬化促進剤との組み合わせで使用することが好ましい。
前記硬化剤の含有量としては、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、10質量%以上18質量%以下であることがより好ましい。硬化剤の含有量が前記下限未満では、熱硬化性樹脂を硬化せしめる速度が遅延しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、反応性が速くなり、ペースト使用時間が短くなる傾向にある。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、前記エポキシ樹脂、前記有機酸、前記チクソ剤および前記硬化剤以外に、界面活性剤、カップリング剤、消泡剤、粉末表面処理剤、反応抑制剤、沈降防止剤などの添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の含有量としては、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。添加剤の含有量が前記下限未満では、それぞれの添加剤の効果を奏しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱硬化性樹脂組成物による接合強度が低下する傾向にある。
次に、本発明の電子部品の接続方法について説明する。
本発明の電子部品の接続方法は、前述した本発明の異方性導電性ペーストを用いた電子部品の接続方法であって、前記配線基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する塗布工程と、前記異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上(好ましくは20℃以上)高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する熱圧着工程と、を備えることを特徴とする。
ここで、電子部品としては、チップ、パッケージ部品などの他に、配線基板を用いてもよい。配線基板としては、フレキシブル性を有するフレキ基板、フレキシブル性を有しないリジット基板のいずれも用いることができる。さらに、電子部品としてフレキ基板を用いる場合には、2つの配線基板(リジット基板)とそれぞれ接続を図ることで、リジット基板同士をフレキ基板を介して電気的に接続することもできる。また、フレキ基板同士をフレキ基板を介して電気的に接続しても構わない。
塗布工程においては、前記配線基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する。
ここで用いる塗布装置としては、例えば、ディスペンサー、スクリーン印刷機、ジェットディスペンスメタルマスク印刷機が挙げられる。
また、塗布膜の厚みは、特に限定されないが、50μm以上500μm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。厚みが前記下限未満では、配線基板の電極上に電子部品を搭載した際の付着力が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接続部分以外にもペーストがはみ出しやすくなる傾向にある。
熱圧着工程においては、前記異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する。
熱圧着時の温度が、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高いという条件を満たさない場合には、鉛フリーはんだを十分に溶融させることができず、電子部品および配線基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、電子部品および配線基板の間の導電性が不十分となる。
熱圧着時の圧力は、特に限定されないが、0.2MPa以上2MPa以下とすることが好ましく、0.5MPa以上1.5MPa以下とすることがより好ましい。圧力が前記下限未満では、電子部品および配線基板の間に十分なはんだ接合を形成できず、電子部品および配線基板の間の導電性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると配線基板にストレスがかかり、デッドスペースを広くとらなければならなくなる傾向にある。
なお、本発明においては、上記のように、熱圧着時の圧力を、従来の方法による場合と比較して、低い圧力範囲に設定することができる。そのため、熱圧着工程に用いる装置の低コスト化を達成することもできる。
熱圧着時の時間は、特に限定されないが、通常、5秒以上60秒以下であり、7秒以上20秒以下であることが好ましい。
また、本発明の電子部品の接続方法においては、以下説明する剥離工程、再塗布工程および再熱圧着工程をさらに備えることが好ましい。
剥離工程においては、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板から剥離する。
ここで、電子部品を配線基板から剥離する方法は、特に限定されない。このような方法としては、例えば、はんだ小手などを用いて接続部分を加熱しながら、電子部品を配線基板から剥離する方法を採用することができる。なお、このような場合に、リペアに用いる公知の剥離装置を用いてもよい。
また、電子部品を配線基板から剥離した後に、必要に応じて、溶剤などで前記配線基板上を洗浄してもよい。
再塗布工程においては、剥離工程後の配線基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する。ここで、塗布装置や塗布膜の厚みは、前記塗布工程と同様のものや条件を採用することができる。
再熱圧着工程においては、再塗布工程後の異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する。ここで、熱圧着時の温度、圧力および時間は、前記塗布工程と同様の条件を採用することができる。
以上説明した本発明の電子部品の接続方法によれば、電子部品および配線基板の電極同士がはんだ接合されるために、従来の異方性導電材のように、電極および導電性フィラーが接触し合うことで接続されている場合と比較して、極めて高い接続信頼性を達成できる。また、熱圧着後において、鉛フリーはんだ粉末の融点以上の温度の熱をかければ、はんだは溶融させることができ、また、熱硬化性樹脂組成物も軟化させることができることから、配線基板から電子部品を容易に剥離することができる。また、本発明では、剥離後に再び異方性導電性ペーストを用いて配線基板と電子部品との接続を図る場合に、電極などにある程度の残渣(はんだなど)が残っていたとしても、それらの残渣を併せてはんだ接合することができ、導電性を確保できる。そのため、本発明の電子部品の接続方法は、従来の異方性導電材を用いる方法と比較して、リペア性が優れている。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
熱硬化性樹脂A(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、DIC社製、商品名「EPICLON 860」)82.9質量%、チクソ剤A(脂肪酸アマイド、日本化成社製、商品名「スリパックスH」)2質量%、有機酸A(アジピン酸、関東電化工業社製)2.6質量%、硬化剤A(四国化成社製、商品名「キュアゾール2P4MHZ」)11.5質量%、界面活性剤(ビックケミージャパン社製、商品名「BYK361N」)0.5質量%および消泡剤(共栄社化学社製、商品名「フローレンAC−326F」)0.5質量%を容器に投入し、らいかい機を用いて混合して熱硬化性樹脂組成物を得た。
その後、得られた熱硬化性樹脂組成物62.5質量%、および鉛フリーはんだ粉末A(平均粒子径:5μm、はんだの融点:139℃、はんだの組成:42Sn/58Bi)37.5質量%を容器に投入し、混練機にて2時間混合することで異方性導電性ペーストを調製した。
次に、配線基板(電極:銅電極に金メッキ処理(Cu/Ni/Au))上に、得られた異方性導電性ペーストを塗布した(厚み:0.2mm)。そして、塗布後の異方性導電性ペースト上に、電子部品(電極:銅電極に金メッキ処理(Cu/Ni/Au))を配置し、熱圧着装置(アドバンセル社製)を用いて、温度200℃、圧力1MPa、圧着時間8〜10秒の条件で、電子部品を配線基板に熱圧着した。
[実施例2]
配線基板として、電極が銅電極に水溶性プリフラックス処理(タムラ製作所社製、商品名「WPF−8」)がされたものを用いた以外は、実施例1と同様にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
[実施例3]
電子部品として、電極がスズ(Sn)からなるものを用いた以外は、実施例2と動揺にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
[実施例4]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物および異方性導電性ペーストを得た。
実施例2で用いた異方性導電性ペーストに代えて上記のようにして得られた異方性導電性ペーストを用いた以外は実施例2と同様にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
[実施例5]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物および異方性導電性ペーストを得た。
なお、実施例5では、鉛フリーはんだ粉末B(平均粒子径:5μm、はんだの融点:217℃、はんだの組成:96.5Sn/3Ag/0.5Cu)を用いている。
そして、実施例2で用いた異方性導電性ペーストに代えて上記のようにして得られた異方性導電性ペーストを用い、熱圧着時の温度を240℃とした以外は実施例2と同様にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
[比較例1〜4]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物および異方性導電性ペーストを得た。
実施例2で用いた異方性導電性ペーストに代えて上記のようにして得られた異方性導電性ペーストを用いた以外は実施例2と同様にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
[比較例5]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物および異方性導電性ペーストを得た。
なお、比較例5では、金メッキ処理を施した樹脂粉末(Au/Niメッキ樹脂粉末、積水化学社製、商品名「ミクロパールAu−205」)を用いている。
実施例1で用いた異方性導電性ペーストに代えて上記のようにして得られた異方性導電性ペーストを用いた以外は実施例1と同様にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
[比較例6]
配線基板として、電極が銅電極に水溶性プリフラックス処理(タムラ製作所社製、商品名「WPF−8」)がされたものを用いた以外は、比較例5と同様にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
[比較例7]
電子部品として、電極がスズ(Sn)からなるものを用いた以外は、比較例5と動揺にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
<異方性導電性ペーストおよび電子部品の接続方法の評価>
異方性導電性ペーストの性能(樹脂組成物の酸価、圧着後の絶縁抵抗値)、および、電子部品の接続方法の評価(圧着後の初期抵抗値、リペア性(リペア時の基板破壊の有無、リペア後の抵抗値))を以下のような方法で評価または測定した。得られた結果を表1および表2に示す。なお、比較例6〜7については、圧着後の初期抵抗値が導通不可のために測定できなかったため、リペア性については評価しなかった。
(1)樹脂組成物の酸価
樹脂組成物を量りとり、溶剤にて溶解させる。そして、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.5mol/L・KOHにて滴定した。
(2)圧着後の初期抵抗値
回路パターンとして0.2mmピッチランド(ライン/スペース=100μm/100μm)を有する配線基板を準備した。そして、この配線基板のランド上に、それぞれ前記の実施例および比較例に記載の方法で、0.2mmピッチランド(ライン/スペース=100μm/100μm)を有する電子部品を熱圧着した。そして、デジタルマルチメーター(Agilent社製、商品名「34401A」)を用いて、接続したランドの端子同士の間の抵抗値を測定した。なお、抵抗値が高すぎて(100MΩ以上)、導通できなかった場合には、「導通不可」と判定した。
(3)リペア時の基板破壊の有無
前記(2)において初期抵抗値を測定した基板を用いて評価する。この基板の電子部品との接続部分を熱圧着温度と同じ温度で加熱しながら、基板から電子部品を剥離し、その後、酢酸エチルにて表面の汚れを洗浄した。そして、剥離後の基板の状態を目視にて観察し、基板破壊の有無を調べた。
(4)リペア後の抵抗値
前記(3)において基板破壊の有無を評価した基板を用いて測定する。この基板のランド上に、それぞれ前記の実施例および比較例に記載の方法で、再び電子部品を熱圧着した。そして、デジタルマルチメーター(Agilent社製、商品名「34401A」)を用いて、接続したランドの端子同士の間の抵抗値を測定した。なお、抵抗値が高すぎて(100MΩ以上)、導通できなかった場合には、「導通不可」と判定した。
(5)圧着後の絶縁抵抗値
0.2mmピッチ(ライン/スペース=100μm/100μm)の櫛形電極基板(ガラスエポキシ樹脂基板)の銅箔ランド上に、それぞれ実施例および比較例で得られた異方性導電性ペーストを0.1mmの厚さで印刷した後、リフロー炉(タムラ製作所社製、商品名「TNP」)にて温度240℃に加熱して試験片を得た。この試験片を85℃、85%RH(相対湿度)中、15V電圧を印加して、168時間後の絶縁抵抗値を測定した。
表1および表2に示す結果からも明らかなように、本発明の異方性導電性ペーストを用いて、配線基板と電子部品とを接続する場合(実施例1〜5)には、十分なリペア性および高い接続信頼性を確保することができることが確認された。
これに対し、異方性導電性ペースト中の鉛フリーはんだ粉末の配合量が5質量%の場合(比較例1)、および、異方性導電性ペースト中の樹脂組成物の酸価が5mgKOH/gである場合(比較例3)には、圧着後の初期抵抗値が高くなり、配線基板と電子部品との導電性を確保できないことが確認された。
また、異方性導電性ペースト中の鉛フリーはんだ粉末の配合量が60質量%の場合(比較例2)、および、異方性導電性ペースト中の樹脂組成物の酸価が70mgKOH/gである場合(比較例4)には、圧着後の絶縁抵抗値が低くなり、熱圧着がされない箇所についての絶縁性が確保できないことが確認された。
さらに、はんだ粉末を含有しない異方性導電性ペーストを用いた場合(比較例5〜7)には、配線基板の電極および電子部品の電極の両方に金メッキ処理が施されていない限りは、配線基板と電子部品との導通を図ることすらできなかった。また、配線基板の電極および電子部品の電極の両方に金メッキ処理が施されている場合(比較例5)についても、リペア後には導通を図ることができず、リペア性が劣ることが確認された。
[実施例6〜17]
表3および表4に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物および異方性導電性ペーストを得た。
実施例1で用いた異方性導電性ペーストに代えて上記のようにして得られた異方性導電性ペーストを用いた以外は実施例1と同様にして、電子部品を配線基板に熱圧着した。
なお、実施例6〜17にて用いた材料を以下に示す。
熱硬化性樹脂A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON 860」、DIC社製
熱硬化性樹脂B:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON 830CRP」、DIC社製
熱硬化性樹脂C:ビスフェノールA型とビスフェノールF型との混合エポキシ樹脂、商品名「EPICLON EXA−830LVP」、DIC社製
熱硬化性樹脂D:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON HP−7200H」、DIC社製
熱硬化性樹脂E:ナフタレン型エポキシ樹脂、商品名「EPICLON HP−4032D」、DIC社製
チクソ剤A:脂肪酸アマイド、日本化成社製、商品名「スリパックスH」
チクソ剤B:コロイダルシリカ、商品名「AEROSIL R974」、日本アエロジル社製
チクソ剤C:ベントン、ウイルバーエリス社製
有機酸A:アジピン酸、関東電化工業社製
有機酸B:グルタル酸、東京化成工業社製
有機酸C:コハク酸、三菱化学社製
硬化剤A:イミダゾール系硬化促進剤、商品名「キュアゾール2P4MHZ」、四国化成社製
硬化剤B:イミダゾール系硬化促進剤、商品名「キュアゾール2MZA−PW」、四国化成社製
硬化剤C:エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤、「アミキュアPN−F」、味の素ファインテクノ社製
硬化剤D:潜在性硬化剤、商品名「ノバキュアHX−3721」、旭化成エポキシ社製
界面活性剤:商品名「BYK361N」、ビックケミージャパン社製
消泡剤:商品名「フローレンAC−326F」、共栄社化学社製
鉛フリーはんだ粉末A:平均粒子径は5μm、はんだの融点は139℃、はんだの組成は42Sn/58Bi
鉛フリーはんだ粉末B:平均粒子径は5μm、はんだの融点は217℃、はんだの組成は96.5Sn/3Ag/0.5Cu
<異方性導電性ペーストおよび電子部品の接続方法の評価>
実施例1および実施例6〜17について、異方性導電性ペーストの性能(樹脂組成物の酸価、圧着後の絶縁抵抗値、保存安定性)、および、電子部品の接続方法の評価(圧着後の初期抵抗値、リペア性(リペア時の基板破壊の有無、リペア後の抵抗値)、X線によるブリッジ観察)を前記の方法および下記の方法で評価または測定した。得られた結果を表3および表4に示す。
(6)X線によるブリッジ観察
マイクロフォーカスX線透視装置(SHIMADZU社製:SMX−160E)を使用し、圧着後の基板をX線観察し、ブリッジの有無や異方性導電性ペーストのにじみを下記の基準に基づいて判定した。なお、ブリッジとは、隣接する端子同士の予期しない短絡のことをいう。
A:ブリッジは無く、異方性導電性ペーストのにじみも無い。
B:ブリッジは無いが、異方性導電性ペーストのにじみが僅かにある。
C:ブリッジがある。
(7)保存安定性
異方性導電性ペーストの10℃保管後の粘度を測定し、初期値に対する変化率が±20%を超えない時間を測定した。粘度の測定は、恒温槽中で25℃に調整されたポリ容器中の樹脂を、粘度計(マルコム社製:PCU−205)を用いて測定した。
表3および表4に示す結果から、以下の点が確認された。
実施例1および実施例6の結果から、チクソ剤として、有機系チクソ剤と無機系チクソ剤との組み合わせで使用する場合には、異方性導電性ペーストがにじみにくくなることが確認された。
実施例6および実施例7の結果から、硬化剤として、潜在性硬化剤とエポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤とイミダゾール系硬化促進剤との組み合わせで使用する場合には、圧着後の絶縁抵抗値が向上することが確認された。
実施例7、8および12〜14の結果から、エポキシ樹脂を、液状ビスフェノールA型と液状ビスフェノールF型との組み合わせで使用する場合には、異方性導電性ペーストの保存安定性が向上することが確認された。
実施例8、15および16の結果から、有機酸として、アルキレン基を有する二塩基酸を用いることが好ましいことが確認された。また、特に、有機酸として、アジピン酸を用いた場合(実施例8)には、圧着後の初期抵抗値やリペア後の抵抗値が低下する傾向にあることが確認された。
本発明の異方性導電性ペーストは、電子部品と配線基板とを接続する技術として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 電子部品および配線基板を接続する異方性導電性ペーストであって、
    前記異方性導電性ペーストは、240℃以下の融点を有する鉛フリーはんだ粉末10質量%以上50質量%以下と、熱硬化性樹脂有機酸およびチクソ剤を含有する熱硬化性樹脂組成物50質量%以上90質量%以下とを含有し、
    前記チクソ剤は、有機系チクソ剤および無機系チクソ剤を含有し、
    前記熱硬化性樹脂組成物の酸価は、15mgKOH/g以上55mgKOH/g以下である
    ことを特徴とする異方性導電性ペースト。
  2. 請求項1に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
    前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であり、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、さらに硬化剤を含有し、
    前記硬化剤は、潜在性硬化剤、エポキシ樹脂アミンアダクト系硬化剤およびイミダゾール系硬化促進剤を含有する
    ことを特徴とする異方性導電性ペースト。
  3. 請求項1に記載の異方性導電性ペーストにおいて、
    前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であり、
    前記有機酸は、アルキレン基を有する二塩基酸である
    ことを特徴とする異方性導電性ペースト。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の異方性導電性ペーストにおいて、
    前記鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径が、1μm以上34μm以下である
    ことを特徴とする異方性導電性ペースト。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の異方性導電性ペーストにおいて、
    前記鉛フリーはんだ粉末が、スズ、銅、銀、ビスマス、アンチモン、インジウムおよび亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む
    ことを特徴とする異方性導電性ペースト。
  6. 請求項1から請求項のいずれかに記載の異方性導電性ペーストを用いた電子部品の接続方法であって、
    前記配線基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する塗布工程と、
    前記異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する熱圧着工程と、
    を備えることを特徴とする電子部品の接続方法。
  7. 請求項に記載の電子部品の接続方法において、
    前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板から剥離する剥離工程と、
    剥離工程後の配線基板上に前記異方性導電性ペーストを塗布する再塗布工程と、
    再塗布工程後の異方性導電性ペースト上に前記電子部品を配置し、前記鉛フリーはんだ粉末の融点よりも5℃以上高い温度で、前記電子部品を前記配線基板に熱圧着する再熱圧着工程と、をさらに備える
    ことを特徴とする電子部品の接続方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の電子部品の接続方法において、
    前記電子部品の電極または前記配線基板の電極のうちの少なくとも一方には、金メッキ処理が施されていない
    ことを特徴とする電子部品の接続方法。
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