JP2022037999A - 鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂、鉛フリーはんだフラックス、鉛フリーソルダペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】フラックス残渣の割れ及びボイドの発生がともに抑えられ、かつ、はんだペーストが優れた保存安定性を示す鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂;当該ロジン系ベース樹脂を含む鉛フリーはんだフラックス;当該フラックスを含む鉛フリーはんだペーストの提供。【解決手段】ロジン類と1価アルコールとのロジンエステル(A)を含む鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂であって、(A)成分中に、テトラヒドロアビエチン酸エステル(A1)、ジヒドロアビエチン酸エステル(A2)及びデヒドロアビエチン酸エステル(A3)を合計95重量%以上含む鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂、鉛フリーはんだフラックス、鉛フリーソルダペーストに関する。
回路基板の表面実装は、回路基板上の電極に、鉛フリーはんだフラックス(以下、“はんだフラックス”又は“フラックス”ともいう。)と鉛フリーはんだ粉末の混合物であるソルダペーストを、スクリーン印刷やディスペンサー吐出等の方法で供給し、その上にコンデンサー等の電子部品を搭載した後、当該回路基板をリフロー炉内で加熱して鉛フリーはんだ粉末を溶融させ、電子部品と電極とを接合させる。
接合された電子部品と電極は、はんだ付け後に生じるフラックスの残渣で覆われることにより、その後の酸化が防止される。フラックスのベース樹脂としては、従来からガムロジン、アクリル化ロジン、水素化ロジン等のロジン類が汎用されているが、その種類によっては、熱や衝撃によってフラックス残渣の割れが生じることがある(特許文献1)。また、リフロー工程での加熱によりロジン類が分解してボイドが発生する場合もあり、その結果、接合部の強度低下等を招き、実装基板の信頼性が損なわれることもある(特許文献2)。
特開2008-062239号公報 特開2003-264367号公報
本発明は、フラックス残渣の割れ及びボイドの発生がともに抑えられ、かつ、はんだペーストが優れた保存安定性を示す鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂;当該ロジン系ベース樹脂を含む鉛フリーはんだフラックス;当該フラックスを含む鉛フリーはんだペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、ロジン系ベース樹脂について鋭意検討したところ、特定のロジンエステルを配合させることにより、前記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明は以下の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂、鉛フリーはんだフラックス、鉛フリーソルダペーストに関する。
1.ロジン類と1価アルコールとのロジンエステル(A)を含む鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂であって、
(A)成分中に、テトラヒドロアビエチン酸エステル(A1)、ジヒドロアビエチン酸エステル(A2)及びデヒドロアビエチン酸エステル(A3)を合計95重量%以上含む鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
2.前記1価アルコールが、メタノール及び/又はエタノールである前項1に記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
3.(A)成分の酸価が1mgKOH/g以下である前項1又は2に記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
4.(A)成分のハーゼン色数が200以下である前項1~3のいずれかに記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
5.(A)成分中に、(A1)成分を30~60重量%含む前項1~4のいずれかに記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
6.前項1~5のいずれかに記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂、活性剤、チキソ剤及び溶剤を含む鉛フリーはんだフラックス。
7.フラックスの全成分100重量%における(A)成分の含有量が5~40重量%である前項6に記載の鉛フリーはんだフラックス。
8.前項6又は7に記載の鉛フリーはんだフラックス及びはんだ粉末を含む、鉛フリーソルダペースト。
本発明の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂によれば、はんだペーストとして部材と接合した際に、フラックス残渣の割れ及びボイドの発生がともに抑えられる。また、当該ペーストは優れた保存安定性を示す。
本発明の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂(以下、“ベース樹脂”という。)は、ロジン類と1価アルコールとのロジンエステル(A)(以下、(A)成分という。)を含み、(A)成分中にテトラヒドロアビエチン酸エステル(A1)(以下、(A1)成分という。)、ジヒドロアビエチン酸エステル(A2)(以下、(A2)成分という。)及びデヒドロアビエチン酸エステル(A3)(以下、(A3)成分という。)を合計95重量%以上含むものである。
(A)成分は、ロジン類と1価アルコールとのロジンエステルである。
ロジン類としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジンが挙げられる。なお、未変性ロジンは、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸等のアビエタン型樹脂酸;パラストリン酸、ピマル酸等のピマル型樹脂酸を含むものであるが、その他にもジヒドロアガト酸、コムン酸等が含まれていても良い。また、前記ロジン類としては、前記未変性ロジンを精製させた精製ロジン;未変性ロジン又は精製ロジンの不均化物(不均化ロジン)、水素化物(水素化ロジン)等も使用できる。
精製ロジンは、例えば、減圧蒸留法、抽出法、再結晶法等の各種公知の精製方法により、前記未変性ロジンを精製することにより得られる。精製方法の条件としては、特に限定されず、例えば、減圧蒸留法の場合は、温度が200~300℃程度であり、減圧度が60~3000Pa以下で蒸留を行う。抽出法の場合は、前記未変性ロジンをアルカリ水溶液とし、該水溶液中で溶けていない不ケン化物を各種の有機溶剤により抽出した後、残った水層を中和する。再結晶法の場合は、前記未変性ロジンを良溶剤としての有機溶剤に溶解し、ついで該有機溶剤を留去して濃厚な溶液とし、更に貧溶剤としての有機溶剤を加えることにより得られる。
有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;n-ヘプタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、デカリン等の脂環族炭化水素等が挙げられる。
前記の不均化ロジンは、各種公知の手段を用いて得られる。例えば、原料の未変性ロジン又は精製ロジンを不均化触媒の存在下に加熱反応させる方法等が挙げられる。不均化触媒としては、パラジウム-カーボン、ロジウム-カーボン、白金-カーボン等の担持触媒;ニッケル、白金等の金属粉末;ヨウ素、ヨウ化鉄等のヨウ化物等の各種公知のものを使用できる。該触媒の使用量は、未変性ロジン又は精製ロジン100重量部に対して通常0.01~5重量部程度であり、好ましくは0.01~1重量部程度である。反応温度は100~300℃程度であり、好ましくは150~290℃程度である。
前記の水素化ロジンは、公知の水素化条件にて未変性ロジン又は精製ロジンを水素化することにより得られる。例えば、水素化触媒の存在下、圧力は2~20MPa程度で、温度が100~300℃程度に未変性ロジン又は精製ロジンを加熱する方法等が挙げられる。また、圧力は5~20MPa程度、温度は150~300℃程度とすることが好ましい。水素化触媒としては、担持触媒、金属粉末、ヨウ素、ヨウ化物等の各種公知のものを使用できる。担持触媒としては、パラジウム-カーボン、ロジウム-カーボン、ルテニウム-カーボン、白金-カーボン等が挙げられる。金属粉末としては、ニッケル、白金等が挙げられる。ヨウ化物としては、ヨウ化鉄等が挙げられる。これらの中でもパラジウム、ロジウム、ルテニウム、及び白金系触媒が、ロジン類の水素化率が高くなり、水素化時間が短くなるため好ましい。なお、水素化触媒の使用量は、未変性ロジン又は精製ロジン100重量部に対して、通常0.01~5重量部程度であり、好ましくは0.01~2重量部程度である。
1価アルコールとしては、ヒドロキシ基を1つ有するアルコールであり、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、イソヘキサノール、n-オクタノール、イソオクタノール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でもフラックス残渣の割れを防ぐ点から、前記1価アルコールとしては、メタノール、エタノールが好ましい。
(A)成分は、特に限定されず、公知のエステル化反応により得られる。前記ロジン類及び1価アルコールの使用量としては、特に限定されないが、通常は、アルコールのOH基/ロジン類のCOOH基(当量比)が0.8~8程度、好ましくは3~7程度である。
また、前記エステル化反応の条件としては、温度が通常150~320℃程度であり、好ましくは150~300℃程度である。また、反応時間は通常2~24時間程度であり、好ましくは2~7時間程度である。更に、反応時間を短縮する目的で、触媒の存在下でエステル化反応を行っても良い。触媒として、例えば、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどの金属の水酸化物;酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物等が挙げられる。エステル化反応においては、水が生成するため、該反応は生成した水を系外に除きながら行うこともできる。得られるロジンエステルの色調をより考慮すれば、不活性ガス気流下で反応を行うことが好ましい。また必要があれば加圧下で反応させても良い。さらに、前記ロジン類及び1価アルコールに対して非反応性の有機溶媒中で反応させても良い。該有機溶媒としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。なお、有機溶媒を使用した場合には、必要に応じて、有機溶媒又は未反応の原料を減圧留去することができる。
得られた(A)成分は、当該成分中における(A1)~(A3)成分の合計含有量が95重量%以上となるように、さらに前記ロジンエステルを水素化反応させても良い。水素化反応の条件(温度、時間、水素化触媒)としては、前段落に記載したとおりである。
得られた(A)成分の物性としては、例えば、ソルダペーストの優れた保存安定性の点から、酸価が1mgKOH/g以下が好ましく、0.5mgKOH/g以下がより好ましく、0.2mgKOH/g以下がさらに好ましい。酸価はJIS K 0070に準じて測定する。
また、(A)成分のハーゼン色数が200以下であり、好ましくはハーゼン色数が150以下である。なお、ハーゼン色数は、JIS K 0071に準じて測定される。
本発明の(A)成分は、(A)成分中に、(A1)成分、(A2)成分及び(A3)成分を合計95重量%以上含む。これらの含有量が95重量%以上含まれることにより、フラックスの耐熱性が高くなり、ボイドの発生が少なくなる。
(A1)~(A3)成分の含有量は、ガスクロマトグラフ分析(GC)にて得られたそれぞれの樹脂酸のピーク面積の合計を100%として、それぞれの成分由来の面積割合を求めた値である。
詳細には、(A)成分のMeOH/トルエン(50/50)混合溶液1μLを市販のガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)に注入して、検出ピークより(A1)成分、(A2)成分、(A3)成分由来のm/z値におけるピーク面積をそれぞれ読み取り、全樹脂酸のピーク面積の合計に対する面積割合を求めることでそれぞれの成分の含有量がわかる。例えば、炭素数1及び2の1価アルコールをそれぞれ使用して得た(A)成分中の(A1)~(A3)成分由来のピークは、以下のm/z値を示すものを読み取る。
・炭素数1の場合:(A1)成分-320、(A2)成分-318、(A3)成分-314
・炭素数2の場合:(A1)成分-334、(A2)成分-332、(A3)成分-328
また、(A)成分は、芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸及びそのエステルが含まれていても良い。その含有量は1重量%未満であり、好ましくは0.5重量%未満であり、より好ましくは実質的に0重量%(検出できない程度)である。なお、前記の含有量は、前記同様のガスクロマトグラフ分析(GC)により求められる。
芳香環を有さない共役二重結合を有するアビエチン酸型樹脂酸には、アビエチン酸及びその異性体が含まれる。アビエチン酸の異性体としては、ネオアビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸等が挙げられるが、芳香環を有するデヒドロアビエチン酸は含まない。また、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸等のピマル酸型の樹脂酸は含まない。
(A1)成分の含有量は、ソルダペーストの優れた保存安定性の点から、30~60重量%が好ましく、35~50重量%がより好ましい。なお、ここでの含有量は、(A)成分中に含まれる量を意味する((A2)成分及び(A3)成分の含有量についても同様である。)。
また、(A2)成分の含有量は、フラックス由来のボイドの発生が少なくなり、またソルダペーストが優れた保存安定性を有する点から、35~60重量%が好ましく、45~60重量%がより好ましい。
さらに、(A3)成分の含有量は、フラックス由来のボイドの発生が少なくなり、またソルダペーストが優れた保存安定性を有する点から、3~10重量%が好ましく、3~7重量%がより好ましい。
なお、前記の(A1)成分、(A2)成分及び(A3)成分の含有量は、合計95重量%を満たす値となる。
また、(A)成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の添加剤を含んでもよい。他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、重合禁止剤及び増感剤等が挙げられる。他の添加剤は、(A)成分100重量部に対して、0.5~10重量部であることが好ましい。
本発明の鉛フリーはんだフラックス(以下、“フラックス”という。)は、前記ロジン系ベース樹脂、活性剤、チキソ剤、及び溶剤を含む。
活性剤としては、アミン、酸、ハロゲン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
アミンとしては、例えば、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-へプチルアミン、n-オクチルアミン等のモノアルキルアミン;ジn-ブチルアミン、ジn-ペンチルアミン、ジn-ヘキシルアミン、ジn-ヘプチルアミン、ジn-オクチルアミン、ジn-ノニルアミン、ジn-デシルアミン、ジ(1-エチルヘキシル)アミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン等のジアルキルアミン;トリn-ブチルアミン、トリn-ペンチルアミン、トリn-ヘキシルアミン、トリn-ヘプチルアミン、トリn-オクチルアミン、N,N-ジエチルメチルアミン等のトリアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環族アミン;ジフェニルアミン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン;N,N’-ビス(4-アミノブチル)-1,2-エタンジアミン、トリエチレンテトラミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ピコリン酸等の非ハロゲン系脂肪族一塩基酸;コハク酸、マロン酸、アジピン酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の非ハロゲン系二塩基酸;シクロヘキサンカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の非ハロゲン系脂環族二塩基酸;ダイマー酸(リノレン酸やトール油脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸の二量化物)等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
ハロゲンとしては、例えば、メチルアミン臭化水素酸塩、エチルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩等の臭素酸塩;3-ブロモプロピオン酸、2-ブロモペンタン酸、3-ブロモペンタン酸、5-ブロモペンタン酸、2-ブロモイソペンタン酸、2,3-ジブロモコハク酸、2-ブロモコハク酸、2,2-ジブロモアジピン酸等のブロモカルボン酸;1-ブロモ-2-ブタノール、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1,4-ジブロモ-2-ブタノール、1,3-ジブロモ-2-プロパノール、2,3-ジブロモ-1-プロパノール、1,4-ジブロモ-2,3-ブタンジオール、2,3-ジブロモ-1,4-ブテンジオール、2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール等のブロモアルコール;1,2,3,4-テトラブロモブタン、1,2-ジブロモ-1-フェニルエタン等のブロモアルカン;1-ブロモ-3-メチル-1-ブテン、1,4-ジブロモブテン、1-ブロモ-1-プロペン、2,3-ジブロモプロペン、1,2-ジブロモスチレン、trans-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール等のブロモアルケン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
チキソ剤としては、例えば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス等の動植物系チキソ剤;ステアリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等のアミド系チキソ剤が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノへキシルエーテル、ジエチレングリコール2-エチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のモノアルキルエーテル;ベンジルアルコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、オクタンジオール等のアルコール;安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、2-(2-n-ブトキシエトキシ)エチルアセテート等のエステル;α-テルピネン、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α-ピネン、β-ピネン、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン系溶剤;α-テルピネオール、ターピネオール等のテルピネオール類;ドデカン、テトラデセン等の炭化水素;N-メチル-2-ピロリドン等のピロリドン類等が挙げられる。
本発明のフラックスにおける前記ロジン系ベース樹脂、活性剤、チキソ剤及び溶剤の含有量としては、特に限定されず、ソルダペーストの長期保管時の粘度安定性を考慮すると、以下の通りである。
ロジン系ベース樹脂: 通常25~50重量%程度、好ましくは30~50重量%
活性剤 : 通常5~20重量%程度、好ましくは5~15重量%
チキソ剤 : 通常3~10重量%程度、好ましくは5~10重量%
溶剤 : 通常30~50重量%程度、好ましくは35~50重量%
フラックスの全成分100重量%における(A)成分の含有量としては、5~40重量%である。(A)成分がこのような範囲で含まれることにより、フラックス残渣の割れを防ぐことができる。当該含有量は、ロジン系ベース樹脂中の25~50重量%中に、(A)成分が5~40重量%含まれることも意味している。また、(A)成分の含有量は、同様の理由から、5~35重量%が好ましく、5~30重量%がより好ましい。
本発明のフラックスのロジン系ベース樹脂中には、(A)成分に加えて、例えば、前記未変性ロジン、精製ロジン、未変性ロジン又は精製ロジンの水素化物(水素化ロジン)、未変性ロジン又は精製ロジンの不均化物(不均化ロジン)、アクリル酸変性ロジン、アクリル酸変性ロジンの水素化物、イタコン酸変性ロジン、イタコン酸変性ロジンの水素化物、マレイン酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジンの水素化物、フマル酸変性ロジン、フマル酸変性ロジンの水素化物、ホルミル化ロジン、ホルミル化ロジンの水素化物、重合ロジン、重合ロジンの水素化物等が含まれても良い。これらの含有量は、前記のロジン系ベース樹脂の含有量を満たすように調整されていれば良い。
本発明のフラックスには、更に、非ロジン系ベース樹脂、添加剤を含んでも良い。
非ロジン系ベース樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、防黴剤、艶消し剤等が挙げられる。
なお、本発明のフラックスにおける非ロジン系ベース樹脂及び添加剤の含有量も特に限定されず、以下の通りである。
非ロジン系ベース樹脂:通常5重量%未満、好ましくは1重量%未満
添加剤:通常5重量%未満、好ましくは1重量%未満
本発明のフラックスは、その製造法は、特に限定されず、例えば、前記ロジン系ベース樹脂、活性剤、チキソ剤及び溶剤、必要に応じて、非ロジン系ベース樹脂、添加剤を加熱下で溶融するまで充分に混合することで得られる。
本発明の鉛フリーソルダペーストは、本発明のフラックス及び鉛フリーはんだ粉末を含むものである。
鉛フリーはんだ粉末としては、Snはんだ粉末、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Zn系、Sn-Sb系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Ag-Bi系、Sn-Ag-Cu-Bi系、Sn-Ag-Cu-In系、Sn-Ag-Cu-S系、Sn-Ag-Cu-Ni-Ge系等が挙げられる。
本発明のソルダペースト中の各成分の配合割合は、特に限定されず、重量換算で、フラックス/鉛フリーはんだ粉末=5/95~30/70程度、好ましくは8/92~20/80程度である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記しない限り全て重量基準である。
<ロジン系ベース樹脂中の樹脂酸の含有量>
ロジン系ベース樹脂中の(A1)~(A3)成分の含有量は、試料(ロジン系ベース樹脂)をテトラヒドロフランに溶解させて0.5%の溶液を調製し、その溶液1μLを市販のガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)に注入して測定し、(A1)~(A3)成分由来のm/z値におけるピーク面積をそれぞれ読み取り、全樹脂酸のピーク面積の合計に対する各成分のピーク面積の割合を求めた。分析装置とカラムを以下に示す。
<分析装置とカラム>
・ガスクロマトグラフ質量分析装置:『Agilent6890』、『Agilent5973N』;Agilent technologies製
・カラム:『Advance-DS』、信和化工(株)製
<酸価>
JIS K 0070に準拠して測定した。
<色調>
ハーゼン色調をJIS K 0071-1、ガードナー色調をJIS K 0071-2に準拠して測定した。
実施例1
市販のロジンの水素化物(Forestar Chemical Co.,Ltd.製)100g、メタノール300gを1Lオートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、290℃まで昇温した。オートクレーブの内圧は最大で14MPaまで到達した。20分毎に脱圧して水蒸気を抜きながら2時間エステル化させた。得られた反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮後、水酸化カルシウムを5g加え、液温150~270℃、圧力0.4kPa条件下での単蒸留により、主留分としてロジンエステル(A-1)を68g得た。
実施例1において、メタノール300gをエタノール430gに変更して同様に行い、ロジンエステル(A-2)を得た。
比較例1
ロジン系ベース樹脂(B-1)として、ハーコリンD(ロジンメチルエステルの水素化物、Eastman Chemical社製)を使用した。
Figure 2022037999000001
<フラックスの調製>
評価例1
ビーカーにロジンエステル(A-1)を10g、KE-604(アクリル酸変性ロジンの水素化物、商品名:『KE-604』、荒川化学工業(株)製)を23g、CRW-300(水素化ロジン、商品名:『CRW-300』、荒川化学工業(株)製)23g、活性剤として,グルタル酸を1.4g、ジブロモコハク酸を0.7g、トリn-ブチルアミンを3g、チキソ剤として、12-ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド(商品名:『MAWAXO』、KFトレーディング(株)製)を7.5g、及び溶剤として、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(HeDG)を31.4g入れ、加熱溶解させて、フラックスを調製した。
評価例2~3、比較評価例1~2
表2に示す組成で、評価例1と同様にフラックスを調製した。
<ソルダペーストの調製>
評価例1のフラックス11g及び鉛フリーはんだ粉末(Sn-Ag-Cu合金;96.5%/3%/0.5%、平均粒子径25~38μm)89gをソルダペースト混練機(商品名:『SPS-2』、(株)マルコム製)で10分間撹拌してソルダペーストを調製した。比較評価例1、2のフラックスについても同様に調製した。
<フラックス残渣の割れ>
くしがた基板上に、各ソルダペーストをスクリーン印刷し、図1のプロファイルにてリフローした。はんだ付け部位を顕微鏡VW-6000((株)キーエンス製:100倍)で観察することによりフラックス残渣の割れ(クラック)の有無を目視で確認した。
(評価基準)
◎:フラックス残渣に割れが生じていない
○:フラックス残渣に割れがやや生じている
×:フラックス残渣に無数の割れが生じている
<ボイド性>
くしがた基板上に、各ソルダペーストをスクリーン印刷し、図1のプロファイルにてリフローした後(マスク開口率100%)、基板の上面を、市販のX線透過装置(製品名「XVA-160」、(株)ユニハイトシステム製)を用いて観察し、以下の式よりボイド面積の比率を求め、以下の基準で評価した。
ボイド面積比率(%)=(全ボイドの面積総和÷濡れ広がったはんだ金属の面積)×100
(評価基準)
〇:ボイド面積比率が10%未満
△:ボイド面積比率が10%以上15%未満
×:ボイド面積比率が15%以上
<粘度安定性>
各ソルダペーストの調製直後の粘度、及び該ペーストを温度40℃の恒温槽中で24時間保温した後の粘度をスパイラル方式粘度計(商品名:『PCU-205』、共軸二重円筒形回転型、(株)マルコム製)を用いてそれぞれ測定し、以下に示す計算式に基づき、当該ソルダペーストの増粘率を算出した。
増粘率(%)=〔{(ソルダペーストを40℃、24時間保温した後の10rpmでの粘度)-(ソルダペーストを調製した直後の10rpmでの粘度)}÷(ソルダペーストを調製した直後の10rpmでの粘度)〕×100
なお、保温条件は温度加速試験を意図したものであり、本試験における増粘率は、0~10℃での6か月以上保管した後の増粘率を概ね再現している。そして、増粘率が10%未満である場合は、測定誤差も考慮して、粘度安定性が良好であるとみなした。表2に結果を示す。
Figure 2022037999000002

Claims (8)

  1. ロジン類と1価アルコールとのロジンエステル(A)を含む鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂であって、
    (A)成分中に、テトラヒドロアビエチン酸エステル(A1)、ジヒドロアビエチン酸エステル(A2)及びデヒドロアビエチン酸エステル(A3)を合計95重量%以上含む鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
  2. 前記1価アルコールが、メタノール及び/又はエタノールである請求項1に記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
  3. (A)成分の酸価が1mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
  4. (A)成分のハーゼン色数が200以下である請求項1~3のいずれかに記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
  5. (A)成分中に、(A1)成分を30~60重量%含む請求項1~4のいずれかに記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の鉛フリーはんだフラックス用ロジン系ベース樹脂、活性剤、チキソ剤及び溶剤を含む鉛フリーはんだフラックス。
  7. フラックスの全成分100重量%における(A)成分の含有量が5~40重量%である請求項6に記載の鉛フリーはんだフラックス。
  8. 請求項6又は7に記載の鉛フリーはんだフラックス及びはんだ粉末を含む、鉛フリーソルダペースト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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