JP6566272B2 - 鉛フリーはんだペースト用フラックス、鉛フリーはんだペースト - Google Patents

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Description

本発明は、鉛フリーはんだペースト用フラックス、及びこれを用いた鉛フリーはんだペーストに関する。
はんだペースト用フラックスは、例えばIC、コンデンサ、抵抗などの電子部品をプリント基板等に実装する際に用いる材料であり、はんだ粉末と混練してペースト状にして使用される。しかし、大気雰囲気下での実装では、はんだ金属が酸化され、濡れ性の低下などが生じる。
更に近年のテレビ、洗濯機、冷蔵庫、車載用途の電子回路基板には、トランジスタやトランス、QFNといった熱容量の大きい部品が混載されており、それらの部品に十分な熱を伝えるため、高温や長時間のプリヒートが要求される。しかし、そのような条件では、はんだ粉末はより酸化される傾向となり、はんだ金属の濡れ性の低下やはんだボールの発生が頻繁に生じやすくなる。
前記課題を解決するため、活性剤にフルオロ安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸のハロゲン化有機酸を含むはんだペーストが公知である(特許文献1)。しかしながら、このようなハロゲン化活性剤を含むはんだペーストは、電極を腐食する、または生じたフラックス残渣が絶縁抵抗性の低いものになる懸念がある。電極の腐食を解消する技術については、活性剤にヨウ素系カルボキシル化合物を含有するフラックス組成物が公知であるが(特許文献2)、フラックス残渣の絶縁抵抗性までは開示されていない。
特開平8−1377号公報 特開2014−188578号公報
本発明は、大気雰囲気下での実装において、はんだ金属の濡れ性を保持しつつ、電極の腐食を抑制し、かつ生じたフラックス残渣が優れた絶縁抵抗性を示す鉛フリーはんだペースト用フラックス、および鉛フリーはんだペーストを提供することにある。
本発明者らは、アミンと所定の二塩基酸を活性剤に含むはんだペースト用フラックスが前記課題を解決するものであることを見出した。すなわち本発明は、以下の鉛フリーはんだペースト用フラックス、鉛フリーはんだペーストに関する。
1.ロジン系ベース樹脂(A)、活性剤(B)、チキソトロピック剤(C)および溶剤(D)を含む鉛フリーはんだペースト用フラックスであって、
(A)成分はアクリル化ロジンの水素化物および/または重合ロジンを含み、
かつ、
(B)成分はアミン(b1)および全炭素数8〜12の非ハロゲン系脂肪族二塩基酸(b2)を含み、
(b2)成分の含有量が全フラックス成分中5〜10重量%である、
フラックス。
2.(b1)成分が、ジアルキルアミンを含む、前記項1のフラックス。
3.(b2)成分が、セバシン酸、アゼライン酸およびドデカン二酸からなる群より選ばれる1種を含む、前記項1または2のフラックス。
4.(C)成分が、アミド系チキソトロピック剤を含む、前記項1〜3のいずれかのフラックス。
5.(D)成分が、アルコールを含む、前記項1〜4のいずれかのフラックス。
6.前記項1〜5のいずれかのフラックスと、鉛フリーはんだ粉末とを含む鉛フリーはんだペースト。
本発明の鉛フリーはんだペースト用フラックス(以下、「フラックス」ということもある)は、鉛フリーはんだペースト(以下「はんだペースト」ということもある)の濡れ性を保持しつつ、電極の腐食を抑制し、かつ生じたフラックス残渣が優れた絶縁抵抗性を示し、また当該フラックスを熱容量の大きい部品に適用しても、これらの課題を解決するものである。
熱容量の大きい部品に対する濡れ性の評価におけるリフロー温度プロファイルを示したグラフである。
本発明のフラックスは、ロジン系ベース樹脂(A)(以下、(A)成分という)、活性剤(B)(以下、(B)成分という)、チキソトロピック剤(C)(以下、(C)成分という)および溶剤(D)(以下、(D)成分という)を含む組成物である。
(A)成分には、はんだ金属の濡れ性の観点より、アクリル化ロジン水素化物および/または重合ロジンを含有する。両者の原料ロジンとしては、各種公知のものを特に限定なく利用でき、例えばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の天然ロジン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて使用しても良い。さらに前記原料ロジンは蒸留、再結晶などで精製したものを用いても良い。
アクリル化ロジンは、前記原料ロジンにアクリル酸をディールス・アルダー付加してなる化合物である。ディールス・アルダー反応は各種公知の方法に従い行えばよい。具体的には、例えば、撹拌器、還流冷却管、窒素導入管等を備えた反応容器に、原料ロジンとアクリル酸とを仕込み、通常180〜240℃程度の温度で通常1〜9時間程度両者を反応させればよい。なお、反応容器は密閉構造とし、好ましくは更に窒素等の不活性ガス気流でパージすることがよい。
ディールス・アルダー反応には、反応性や収率を高めるために、各種公知の有機溶媒を用いることができる。具体的には、例えば芳香族炭化水素類、飽和脂肪族炭化水素類、エステル類が好ましい。該芳香族炭化水素類としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソブチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、クロロベンゼン等を例示できる。また、該飽和脂肪族炭化水素類としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、イソペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン等を例示できる。また、該エステル類としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソブチル等を例示できる。なお、これらの有機溶媒は2種以上を併用することもできる。
重合ロジンは、ガムロジンやウッドロジン、トール油ロジン等の原料ロジンやそれらの精製物を、各種公知の手段で重合処理したものである。具体的には、該原料ロジン類をトルエン、キシレン、ハロゲン化炭化水素、メチルエチルケトン等の有機溶剤の溶液とし、これに硫酸、フッ化水素、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化チタン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体スルホン化物、脂肪族スルフォン酸等の触媒を加え、40〜160℃程度で1〜10時間程度熱処理した後、該有機溶剤及び触媒を除去することにより目的の重合ロジンが得られる。
当該重合ロジンには、用いた触媒や触媒由来の金属等が残存する傾向があるために、必要に応じて、更に蒸留、再結晶、抽出等の方法で精製してもよい。
前記のアクリル化ロジンまたは重合ロジンは、反応後に各種公知の方法で水素化を施してもよい。水素化は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば、水素化触媒の存在下、通常1〜25MPa、好ましくは5〜20MPaの水素加圧下で、0.5〜7時間程度、好ましくは1〜5時間加熱することが挙げられる。水素化触媒としては、パラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、白金カーボンなどの担持触媒、ニッケル、白金等の金属粉末、ヨウ素、ヨウ化鉄等のヨウ化物等、各種公知のものを使用することができる。該触媒の使用量は、原料ロジン100重量部に対して、通常0.01〜5重量部程度、好ましくは0.01〜3.0重量部である。また、水素化温度は100〜300℃程度、好ましくは150〜290℃である。
(A)成分には、アクリル化ロジン水素化物及び重合ロジン以外のものを併用することもできる。具体例としては、前記天然ロジン、不均化ロジン、ホルミル化ロジン、フマル化ロジン、マレイン化ロジン及びこれらの水素化物、アクリル化ロジン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
また、(A)成分には、前記の原料ロジンまたは非ロジン系ベース樹脂を併用することもできる。非ロジン系ベース樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂や、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム、ナイロンゴム、ナイロン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等のエラストマーなどが挙げられる。また、非ロジン系ベース樹脂の使用量は、通常、(A)成分を100重量%とした場合において5重量%未満である。
(A)成分の含有量は、特に限定されないが、通常は、全フラックス成分中25〜50重量%程度、好ましくは30〜45重量%程度、より好ましくは35〜45重量%程度である。当該範囲とすることで、はんだペーストが適度な粘度となり、優れた印刷性と濡れ性を有しやすい。
(B)成分としては、アミン(b1)(以下、(b1)成分)および全炭素数8〜12の非ハロゲン系脂肪族二塩基酸(b2)(以下、(b2)成分)をはんだ金属の濡れ性、電極の腐食抑制およびフラックス残渣の優れた絶縁抵抗性を満たす点から必須使用する。
(b1)成分としては、特に限定されず、例えば、n−ヘキシルアミン、n−へプチルアミン、n−オクチルアミンなどのモノアルキルアミン、ジn−ヘキシルアミン、ジn−ヘプチルアミン、ジn−オクチルアミン、ジn−ノニルアミン、ジn−デシルアミン、ジ(1−エチルヘキシル)アミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン等のジアルキルアミン、トリn−ヘキシルアミン、トリn−ヘプチルアミン、トリn−オクチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン等のトリアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式アミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミンなどの芳香族アミン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、フラックス残渣の絶縁抵抗性の点から、ジアルキルアミンが好ましく、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミンがより好ましい。
(b1)成分の含有量は、特に限定されないが、フラックス残渣の絶縁抵抗性、腐食性の点から、通常は、全フラックス成分中1〜6重量%程度、好ましくは1.5〜5重量%程度、より好ましくは2〜4重量%程度である。
(b2)成分は、はんだ金属の濡れ性を向上させるために用いる活性剤であり、各種公知のものを限定なく使用できる。(b2)成分としては、例えば、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の非ハロゲン系脂肪族二塩基酸活性剤、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の非ハロゲン系脂環族二塩基酸等が挙げられるが、これらの中でも、はんだ金属の濡れ性の点から、非ハロゲン系脂肪族二塩基酸が好ましく、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカン二酸からなる群より選ばれる1種を用いることがより好ましい。
(b2)成分の含有量は、通常は、全フラックス成分中5〜10重量%程度、好ましくは5〜8重量%程度、より好ましくは5〜7重量%程度である。(b2)成分の含有量が5重量%を下回るとはんだ金属の濡れ性が低下し、10重量%を超えると生じたフラックス残渣の絶縁抵抗性が低くなる。
なお、(B)成分には、所望の特性を損なわない限り、その他の活性剤(b3)(以下、(b3)成分という)を併用しても良い。(b3)成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸等の(b2)成分以外の二塩基酸;ピコリン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等の一塩基酸;1,2,3,4−テトラブロモブタン、1,2−ジブロモ−1−フェニルエタン、1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、3−ブロモプロピオン酸、2−ブロモペンタン酸、エチルアミン臭素酸塩、ジエチルアミン臭素酸塩等のハロゲン等が挙げられる。(b3)成分の含有量は、特に限定されないが、通常は、全フラックス成分中10重量%未満、好ましくは8重量%未満である。
なお、本発明のフラックスにハロゲン系活性剤を用いる場合、(b3)成分に由来するハロゲン原子の濃度は0.1gあたり通常500〜30000ppm程度、好ましくは500〜25000ppm程度である。該ハロゲン濃度が所定の数値範囲にあることで保存安定性も両立できる。また当該濃度は、例えば燃焼イオンクロマトグラフィー法により測定できる。
(C)成分としては、各種公知のものを格別限定なく使用できる。具体例には、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス等の植物系チキソトロピック剤や、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等のアミド系チキソトロピック剤が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中でも、はんだペーストの印刷性の点から(C)成分はアミド系チキソトロピック剤を含むことが好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミドがより好ましい。
(C)成分の含有量は特に限定されないが、はんだペーストの印刷性の点から、通常は、全フラックス成分中5〜10重量%程度、好ましくは5〜7.5重量%程度である。
(D)成分としては、各種公知の溶剤を格別限定なく使用できる。具体例には、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノへキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)、ジエチレングリコール2−エチルヘキシルエーテル(2−エチルヘキシルグリコール)、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、オクタンジオール等のアルコール;安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート等のエステル;α−テルピネン、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン系溶剤;α−テルピネオール、ターピネオール等のテルピネオール類;ドデカン、テトラデセン等の炭化水素;N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;メチルプロピレングリコール、ブチルプロピレングリコール、フェニルプロピレングリコール、メチルプロピレントリグリコール等のアルケンなどが挙げられる。これらの中でも、はんだペーストの保存安定性の点から、(D)成分はアルコールが好ましく、ジエチレングリコールモノへキシルエーテルがより好ましい。
(D)成分の含有量は特に限定されないが、はんだペーストの印刷性の点から、通常は、全フラックス成分中20〜50重量%程度、好ましくは25〜40重量%程度、より好ましくは25〜35重量%程度である。
本発明のフラックスは、その製造法は特に限定されないが、通常は(A)成分、(b1)成分、(b2)成分および(C)成分、必要に応じて、(b3)成分を、(D)成分中、加熱下で溶融するまで充分に混合することで得られる。
なお、本発明のフラックスは、酸化防止剤、防黴剤、艶消し剤等の添加剤を含有しても良い。フラックス中の添加剤の含有量は特に限定されないが、通常0.1〜5重量%程度である。
〔鉛フリーはんだペーストについて〕
本発明の鉛フリーはんだペーストは、前記フラックスと、鉛フリーはんだ粉末とを含有するものである。
本発明の鉛フリーはんだペーストは、各種公知の混合方法により調製される。具体例としては、例えば、フラックスおよび鉛フリーはんだ粉末をソフナーを用いて、20〜30℃で5〜20分間混練する方法などが挙げられる。
鉛フリーはんだ粉末は、鉛を含有しないものであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できるが、Snをベースとする鉛フリーはんだ粉末、例えばSn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Zn系、Sn−Bi系の鉛フリーはんだ粉末が好ましい。また、鉛フリーはんだ粉末は、Ag、Al、Au、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、In、Ni、P、Pt、Sb、Znの1種又は2種以上の元素がドープされたものであってよい。鉛フリーはんだ粉末の具体例としては、Sn95Sb5、Sn99.3Cu0.7、Sn97Cu3、Sn92Ag2Cu6、Sn99Ag0.3Cu0.7、Sn95Ag1Cu4、Sn96.5Ag3Cu0.5、Sn97Ag3、Sn96.3Ag3.7、Sn42−Bi58、Sn−10Sb等を例示できる。また、鉛フリーはんだ粉末の平均粒子径は特に限定されないが、通常は1〜50μm程度、好ましくは15〜40μmである。また、粉末の形状も特に限定されず、球形や不定形であってもよい。なお、球形とは、好ましくは、粉末の縦横のアスペクト比が1.2以内であることを意味する。
本発明の鉛フリーはんだペースト中の各成分の配合割合は特に限定されないが、フラックス:鉛フリーはんだ粉末が重量換算で通常は、5:95〜30:70程度、好ましくは8:92〜20:80である。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲がこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中で「%」は特に断りのない限り、「重量%」を意味する。
<フラックスの調製>
実施例1
アクリル化ロジンの水素化物(商品名「KE−604」、荒川化学工業(株)製)を45重量%、アゼライン酸(東京化成製)を5重量%、ジ(2−エチルヘキシル)アミンを3.5重量%、アミド系チキソトロピック剤(製品名「MA−WAX−O」、12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド、KFトレーディング(株)製)を7重量%、酸化防止剤(製品名「IRGANOX1010」、BASF(株)製)を0.5重量%およびジエチレングリコールモノへキシルエーテルを39.0重量%となるように混合し、加熱下で溶融させ、鉛フリーはんだペースト用フラックスを調製した。組成を表1に示す(以下同様)。
実施例2〜10、比較例1〜8
表1に示す原料組成に変更した他は、実施例1と同様にして各種フラックスを調製した。
(鉛フリーはんだペーストの調製)
市販の鉛フリーはんだ粉末(96.5Sn/3Ag/0.5Cu、三井金属(株)製、粒径20〜38μm、通常品)及び実施例1のフラックスを順に88重量%及び12重量%となるようソフナーにて混練し、はんだペーストを調製した。実施例2〜10および比較例1〜8のフラックスについても、実施例1と同様の方法ではんだペーストを調製した。
<濡れ性>
JIS Z 3284−4に準拠してディウェッテイング試験により、大気雰囲気下での加熱、リフローにおける銅板に対する前記はんだペーストの濡れ性を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表1に示す(以下同様)。
(評価基準)
1:銅電極基板に対して不濡れが無く、試験板に塗布した以上に濡れ広がる
2:銅電極に対して塗布した部分が全て濡れ広がる
3:若干不濡れが生じる
4:銅電極基板に対して全く濡れない
<絶縁抵抗性>
JIS Z3197に準拠して、前記はんだペーストをそれぞれリフローし、温度85℃、湿度85%の環境下で7日間曝した後のフラックス残渣の絶縁抵抗性を評価した。値が高いものほど、絶縁抵抗性に優れていることを示す。
<腐食性>
JISZ 3197に準拠して、厚さ0.2mm、直径6.5mmの穴のあいたメタルマスクを用いて、5.0mm×5.0mm×0.5mmのタフピッチ銅板へ前記はんだペーストをそれぞれ印刷した。250±3℃の温度のはんだバスを用いてはんだペーストを溶融させた後、40℃、湿度90%の恒温槽で96時間保持した。溶融直後から保持後のフラックス残渣による銅板の変色を観察した。評価基準を以下に示す。
(評価基準)
○:銅板の変色がなかったもの
△:銅板の変色がややあったもの
×:銅板の変色があったもの
<熱容量の大きい部品に対する濡れ性>
縦10mm、横10mm、マスク厚150μmのパッド基板上に前記はんだペーストをスクリーン印刷し、大気雰囲気下で加熱した後、図1に示す標準プロファイルの条件でリフローを行った。リフロー後のパッド基板上のはんだ弾きの有無ではんだペーストの熱容量の大きい部品に対する濡れ性を評価した。評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
○:はんだ弾きがない
△:はんだ弾きが若干ある
×:はんだ弾きがある
(化合物の略号)
・KE−604:アクリル化ロジンの水素化物(荒川化学工業(株)製)
・CP−140:重合ロジン(荒川化学工業(株)製)
・CRW−300:水素化ロジン(荒川化学工業(株)製)
・KE−359:ロジンのペンタエリスリトールエステル
・DEHA:ジ(2−エチルヘキシルアミン)
・DOA:ジn−オクチルアミン
・OA:n−オクチルアミン
・AzA:アゼライン酸
・SA:セバシン酸
・DDA:ドデカン二酸
・AA:アジピン酸
・TDA:テトラデカン二酸
・MAWAXO:12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド(KFトレーディング(株)製)
・HeDG:ジエチレングリコールモノへキシルエーテル(ヘキシルジグリコール)
・IN:酸化防止剤(商品名「IRGANOX1010」、BASF社製)

Claims (5)

  1. ロジン系ベース樹脂(A)、活性剤(B)、チキソトロピック剤(C)および溶剤(D)を含む鉛フリーはんだペースト用フラックスであって、
    (A)成分はアクリル化ロジンの水素化物および/または重合ロジンを含み、
    かつ、
    (B)成分はアミン(b1)および全炭素数8〜12の非ハロゲン系脂肪族二塩基酸(b2)を含み
    (b1)成分が、モノアルキルアミン及び/又はジアルキルアミンを含み
    (b2)成分の含有量が全フラックス成分中5〜10重量%である、フラックス。
  2. (b2)成分が、セバシン酸、アゼライン酸およびドデカン二酸からなる群より選ばれる1種を含む、請求項1のフラックス。
  3. (C)成分が、アミド系チキソトロピック剤を含む、請求項1または2のフラックス。
  4. (D)成分が、アルコールを含む、請求項1〜のいずれかのフラックス。
  5. 請求項1〜のいずれかのフラックスと、鉛フリーはんだ粉末とを含む鉛フリーはんだペースト。
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