JP2013086177A - 鉛フリーソルダペースト用フラックス及び鉛フリーソルダペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化防止剤を用いたフラックスにおいて、鉛フリーソルダペーストの保存安定性や加熱時の耐だれ性、耐ソルダボール性を改善すること。
【解決手段】酸化防止剤(A)を含むフリーソルダペースト用フラックスにおいて、ベース樹脂(B)としてα,β−不飽和カルボン酸変性ロジン水素化物(b1)を、また添加剤として下記般式(1)で表される化合物(C)を使用する。
【化1】
(式(1)中、R1及びR2はいずれも水素又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
【選択図】なし
【解決手段】酸化防止剤(A)を含むフリーソルダペースト用フラックスにおいて、ベース樹脂(B)としてα,β−不飽和カルボン酸変性ロジン水素化物(b1)を、また添加剤として下記般式(1)で表される化合物(C)を使用する。
【化1】
(式(1)中、R1及びR2はいずれも水素又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、鉛フリーソルダペースト用フラックス及び鉛フリーソルダペーストに関する。
はんだ付用のフラックスは、例えばICやコンデンサ、抵抗器等の電子部品をプリント基板等に表面実装する際に用いる材料であり、一般にはロジン類をベース樹脂とするフラックスが使用される。表面実装においては、プリント基板の電極上にスクリーン印刷やディスペンサー等によってソルダペーストを供給し、その上に電子部品を一旦載置する。次いで、当該基板をはんだ金属の融点以上に加熱することにより、電子部品と電極とが接合される。
ところで、従前主流であった鉛共晶はんだ金属と比較して、現在主流の錫−銀系や錫−亜鉛系の鉛フリーはんだは融点が高く酸化し易いため、これを用いたソルダペースト(以下、鉛フリーソルダペーストという)がはんだ付時に電極上で十分に濡れ広がらない現象(濡れ不良)が生じる。この問題を解消する手段は様々であるが、簡便な方法として斯界では従来、酸化防止剤が使用されている。
例えば特許文献1には、錫−亜鉛系はんだ粉末に用いるフラックスにフェノール系やリン系、硫黄系の酸化防止剤を添加できることが記載されている。また、特許文献2には、フェノール系酸化防止剤としてヒンダードフェノール系化合物をフラックスに含ませた場合、濡れ性のみならず、印刷適性(かすれ、にじみ)や加熱時のだれ性も改善されることが記載されている。しかし、特許文献1や2の鉛フリーソルダペーストは経時的に増粘するなど保存安定性が不良である他、連続印刷時の印刷性が不十分である。また、はんだ付した後、電極周囲に、短絡等の原因となり得る微細なソルダボールが多数発生する問題もあった。
本発明は、酸化防止剤を用いたフラックスにおける前記問題点に鑑み、鉛フリーソルダペーストの保存安定性や耐加熱だれ性、連続印刷適性、耐ソルダボール性を改善し得るフラックスを提供することを主たる課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、酸化防止剤を用いたフラックスにおいて、ベース樹脂として所定のロジン誘導体を選択し、かつ特定の添加剤を使用することによって前記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、酸化防止剤(A)を含む鉛フリーソルダペースト用フラックス(以下、単にフラックスと略す)であって、α,β−不飽和カルボン酸変性ロジン水素化物(b1)を含むベース樹脂(B)および下記一般式(1)で表される化合物(C)を含有するフラックス、ならびに、当該フラックスと鉛フリーはんだ粉末を含有する鉛フリーソルダペースト(以下、単にソルダペーストと略す)、に関する。
本発明のフラックスによれば、保存安定性が良好であり、大気中でリフローしても濡れ性に優れており、加熱だれし難く、連続的にスクリーン印刷してもかすれやにじみが生じ難く、かつソルダボールも発生し難い、有用なソルダペーストが得られる。
本発明のフラックスは、酸化防止剤(A)(以下、(A)成分という)を含む鉛フリーソルダペースト用フラックスであって、α,β−不飽和カルボン酸変性ロジン水素化物(b1)(以下、(b1)成分という)を含むベース樹脂(B)(以下、(B)成分という)および下記一般式(1)で表される化合物(C)(以下、(C)成分という)を含有するものである。
(A)成分としては、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(a1)(以下、(a1)成分という)としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンアミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が、また、他のフェノール系酸化防止剤(a2)(以下、(a2)成分という)として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4−ジメチル−6−t−ブチル−フェノール、スチレネートフェノール、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール等が、また、リン系酸化防止剤(a3)(以下、(a3)成分という)としてトリフェニルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファエト、トリス(トリデシル)フォスファイト等が、また、アミン系酸化防止剤(a4)(以下、(a4)成分という)としてα−ナフチルアミン、トリエチルアミン、N,N′−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフリルアミン等が、また、硫黄系酸化防止剤(a5)(以下、(a5)成分という)としてジラウリルチオジプロピオネート、ジラウリルサルファイド、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ラウリルステアリルチオジプロピオネート等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。これらの中でも入手が容易であり、かつ濡れ性や耐加熱だれ性等に寄与することより、前記(a1)成分が好ましい。
(B)成分として用いる(b1)成分としては、各種公知のものを特に制限なく用い得る。具体的には、例えば、α,β−不飽和カルボン酸とロジンとの付加反応物(ディールスアルダー反応物)を水素化反応させて得られるα,β−不飽和カルボン酸変性ロジン水素化物が好ましい(特開平5−86334号参照)。該α,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル酸やメタアクリル酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸、およびマレイン酸や無水マレイン酸、フマル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸が挙げられる。また、ロジン類としてはガムロジンやウッドロジン等の原料ロジン類やその精製物(精製ロジン)、水素化物(水添ロジン)、不均化物(不均化ロジン)等が挙げられる。(b1)成分としては、特に耐ソルダボール性の点より、アクリル酸と精製ロジンとの付加反応物の水素化物(アクリル酸変性ロジン水素化物)が好ましい。
また、前記(b1)成分とともに前記ロジン類やその誘導体を使用することができ、特に耐加熱だれ性の点より、不均化ロジンエステル脱水素化物(b2)(以下、(b2)成分という)および/または前記水添ロジン(b3)(以下、(b3)成分という)が好ましい。(b2)成分は、例えば、不均化ロジンの精製物をグリセリンやペンタエリスリトール等の多価アルコール類とエステル化反応させ、ついで脱水素化反応させることにより得られる(特開平5−171112号参照)。
(B)成分には、上記したもの以外のベース樹脂として、例えばポリエーテルエステルアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フッ素系樹脂およびABS樹脂等の合成樹脂類や、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム、ナイロンゴム、ナイロン系エラストマおよびポリエステル系エラストマ等のエラストマ類を適宜含めることができる。
(C)成分は以下の一般式(1)で表される化合物である。
本発明のフラックスには、更に活性剤(D)(以下、(D)成分という)、チキソトロピック剤(E)(以下、(E)成分という)およびフラックス用溶剤(F)(以下、(F)成分という)、ならびに必要に応じて長鎖アルキル基含有アミン化合物(G)(以下、(G)成分という)、を含めることができる。
(D)成分としては、各種公知のものを特に制限なく用い得る。具体的には、例えばハロゲン原子非含有カルボン酸類(d1)(以下、(d1)成分という)としてコハク酸や安息香酸、アジピン酸、ステアリン酸、ピコリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、ダイマー酸、グルタル酸等が、また、ブロモアルコール類(d2)(以下、(d2)成分という)としてtrans−2,3−ジブロモ−1,4−ブテンジオールやcis−2,3−ジブロモ−1,4−ブテンジオール、1−ブロモ−2−ブタノール、1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール等が、また、第4級アンモニウムアルキルハライド類(d3)(以下、(d3)成分という)として一般式(2):(R3)4N+・X−(式中、R3は炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xはフッ素、塩素及び臭素からなる群より選ばれる1種の元素を示す。)で表される化合物が、また、アミン系ブロモ化合物(d4)(以下、(d4)成分という)としてエチルアミン臭素酸塩やジエチルアミン臭素酸塩、ジエチルアミン塩化水素酸塩、メチルアミン臭素酸塩等が、また、活性水素非含有ブロモ化合物(d5)(以下、(d5)成分という)として1−ブロモ−3−メチル−1−ブテンや1,4−ジブロモブテン、1−ブロモ−1−プロペン、2,3−ジブロモプロペン、1,2−ジブロモ−1−フェニルエタン、1,2−ジブロモスチレン、4−ステアロイルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルオキシベンジルブロマイド、4−ステアリルベンジルブロマイド、4−ブロモメチルベンジルステアレート、4−ステアロイルアミノベンジルブロマイド、2,4−ビスブロモメチルべンジルステアレート、4−パルミトイルオキシベンジルブロマイド、4−ミリストイルオキシベンジルブロマイド、4−ラウロイルオキシべンジルブロマイド、4−ウンデカノイルオキシベンジルブロマイド等が、また、ハロゲン原子非含有アミン類(d6)(以下、(d6)成分という)としてステアリルアミンやジステアリルアミン、ジブチルアミン等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。これらの中でも、特に濡れ性のより前記(d1)成分および/または(d2)成分が好ましい。
(E)成分としては、各種公知のものを特に制限なく用い得るが、例えばポリアミド系チキソトロピック剤(e1)(以下、(e1)成分という)および/または動植物系チキソトロピック剤(e2)(以下、(e2)成分という)が好ましい。(e1)成分としてはステアリン酸アミドや12−ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等が、また(e2)成分としては硬化ひまし油や蜜ロウ、カルナバワックス等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。
(F)成分としては、各種公知のものを特に制限なく用い得るが、例えば、一般式(3):R4O−(R5O)l−H(式中、R4は炭素数1〜5程度の直鎖状または分岐状のアルキル基を、R5はエチレン基、プロピレン基およびイソプロピレン基からなる群より選ばれる1種のアルキレン基を、lは2〜4程度の整数を夫々示す。)で表されるエーテル系アルコール類(f1)(以下、(f1)成分という)としてブチルカルビトールやヘキシルジグリコール、ヘキシルカルビトール等が、また低級アルコール類(f2)(以下、(f2)成分という)としてエタノールやn−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール等が、また、エステル類(f3)(以下、(f3)成分という)として酢酸イソプロピルやプロピオン酸エチル、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル等が、また、炭化水素類(f4)(以下、(f4)成分という)としてn−ヘキサンやドデカン、テトラデセン等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせることができる。これらの中でも特に連続印刷適性の点より前記(f1)成分が好ましい。
(G)成分は、特に濡れ性向上目的で使用する任意成分であり、各種公知のものを特に制限なく用い得る。具体的には、例えば、一般式(4):H−N(R6)2(式中、R6は12〜20程度の直鎖状アルキル基を示す。)で表される化合物が好ましい。なお、(G)成分は該直鎖状アルキル基の炭素数が異なるものの混合物であってよい。
なお、本発明のフラックスには、防黴剤や防腐剤、非イオン性界面活性剤等の他の添加剤を適宜配合できる。
本発明のフラックスにおける各成分の含有量は特に限定されないが、本発明の所期の効果を好適に達成するため、通常は以下の通りである。(なお、合計量は100重量%を超えない。)
(A)成分:0.1〜3重量%程度、好ましくは0.3〜1重量%
(B)成分:25〜69重量%程度、好ましくは30〜56重量%
(C)成分:0.5〜5重量%程度、好ましくは0.5〜3重量%
(D)成分:5〜13重量%程度、好ましくは9〜12重量%
(E)成分:3〜10重量%程度、好ましくは5〜7重量%
(F)成分:21.4〜50重量%程度、好ましくは28.2〜45重量%
(G)成分:0〜10重量%程度、好ましくは1〜5重量%
添加剤:0〜5重量%程度
(A)成分:0.1〜3重量%程度、好ましくは0.3〜1重量%
(B)成分:25〜69重量%程度、好ましくは30〜56重量%
(C)成分:0.5〜5重量%程度、好ましくは0.5〜3重量%
(D)成分:5〜13重量%程度、好ましくは9〜12重量%
(E)成分:3〜10重量%程度、好ましくは5〜7重量%
(F)成分:21.4〜50重量%程度、好ましくは28.2〜45重量%
(G)成分:0〜10重量%程度、好ましくは1〜5重量%
添加剤:0〜5重量%程度
本発明のソルダペーストは、前述のフラックス組成物と粉末状のはんだ合金を、例えばソフナーやプラネタリーミル等の混練機器により混合することにより得られる。両成分の使用量は特に限定されないが、通常、はんだ粉末が70〜95重量%程度、フラックスが5〜30重量%程度である。はんだ粉末としては、鉛を含有しないものであれば各種公知のものを特に制限なく使用できるが、通常はSnをベースとするはんだ粉末、例えばSn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Zn系のはんだ粉末が好ましい。また、それらにはAg、Al、Au、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、In、Ni、P、Pt、Sb、Znの1種または2種以上の元素が含まれていてもよい。好適なはんだ粉末としては、例えば、Sn95Sb5、Sn99.3Cu0.7、Sn97Cu3、Sn92Cu6Ag2、Sn99Cu0.7Ag0.3、Sn95Cu4Ag1、Sn97Ag3、Sn96.3Ag3.7等が挙げられる。また、はんだ粉末の平均粒子径は特に限定されないが、通常は1〜50μm程度、好ましくは15〜40μmである。また、はんだ粒子の形状も特に限定されず、球形や不定形であってもよい。なお、球形とは、好ましくは、粉末の縦横のアスペクト比が1.2以内であることを意味する。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中、「%」および「部」は特に断りのない限り「重量%」、「重量部」を意味する。
(フラックスの調製)
実施例1〜3、比較例1〜3
プラネタリーミルを用い、表1に示す原料をそれぞれの部数で混合し、フラックスを調製した。
実施例1〜3、比較例1〜3
プラネタリーミルを用い、表1に示す原料をそれぞれの部数で混合し、フラックスを調製した。
実施例1のフラックスと鉛フリーはんだ粉末(Sn96.5%−Ag3.0%−Cu0.5%;平均一次粒子径20〜38μm;三井金属(株)製)を、夫々11.0%及び89.0%となるようソフナーにて混練し、ソルダペーストを調製した。他の実施例及び比較例に係るフラックスについても同様にしてソルダペーストを調製した。調製した各ソルダペーストについて以下の試験を行いそれらの性能を評価した。結果を表2および表3に示す。
(1)保存安定性試験
各ソルダペーストについて、調製直後の粘度と、40℃の恒温槽中で24時間保温した後の粘度とを、それぞれ市販のスパイラル方式粘度計(製品名「PCU−205」、共軸二重円筒形回転型、(株)マルコム製)により測定し、以下に示す計算式に基づき、当該ソルダペーストの増粘率を算出した。
増粘率=〔(40℃、24時間保温後の10rpmでの粘度−ソルダペースト調製直後の10rpmでの粘度)÷(ソルダペースト調製直後の10rpmでの粘度)〕×100
なお、前記保温条件は温度加速試験を意図したものであり、本試験における増粘率は、0℃〜10℃での三か月以上保管した後の増粘率を概ね再現している。そして、増粘率が10%未満である場合は保存安定性が良好であるとみなし、10%を超える場合は不良とみなした。
各ソルダペーストについて、調製直後の粘度と、40℃の恒温槽中で24時間保温した後の粘度とを、それぞれ市販のスパイラル方式粘度計(製品名「PCU−205」、共軸二重円筒形回転型、(株)マルコム製)により測定し、以下に示す計算式に基づき、当該ソルダペーストの増粘率を算出した。
増粘率=〔(40℃、24時間保温後の10rpmでの粘度−ソルダペースト調製直後の10rpmでの粘度)÷(ソルダペースト調製直後の10rpmでの粘度)〕×100
なお、前記保温条件は温度加速試験を意図したものであり、本試験における増粘率は、0℃〜10℃での三か月以上保管した後の増粘率を概ね再現している。そして、増粘率が10%未満である場合は保存安定性が良好であるとみなし、10%を超える場合は不良とみなした。
(2)ソルダペーストの印刷性試験
JIS Z 3284 附属書5に準拠し、スクリーン印刷を20回連続して実施した場合において、印刷後のソルダペーストにかすれやにじみが無いものを良好(A)、有るものを不良(B)とした。
JIS Z 3284 附属書5に準拠し、スクリーン印刷を20回連続して実施した場合において、印刷後のソルダペーストにかすれやにじみが無いものを良好(A)、有るものを不良(B)とした。
(3)加熱時のだれ試験
JIS Z 3284 附属書8に準拠し、実施例及び比較例のソルダペーストを付属書7に準拠して印刷塗布した銅版を、180℃の循風乾燥機中で1分間、加熱した。そして、印刷パターンにおいて、印刷後の平面状のソルダペーストが一体にならない最小間隔が0.2mm〜0.3mmである場合は良好(A)と、それ以上の間隔である場合は不良(B)とした。
JIS Z 3284 附属書8に準拠し、実施例及び比較例のソルダペーストを付属書7に準拠して印刷塗布した銅版を、180℃の循風乾燥機中で1分間、加熱した。そして、印刷パターンにおいて、印刷後の平面状のソルダペーストが一体にならない最小間隔が0.2mm〜0.3mmである場合は良好(A)と、それ以上の間隔である場合は不良(B)とした。
(4)ソルダボール性試験
JIS Z 3284 附属書11に準拠し、ソルダボール性試験を実施した。また、当該付属書中表1に準拠し、はんだ粒子の凝集状態を以下の基準に基づき評価した。
1…はんだ粉末が溶融して、はんだは一つの大きな球になり、周囲にソルダボールがない。
2…はんだ粉末が溶融してはんだは一つの大きな球となり、周囲に直径75μm以下のソルダボールが三つ以下ある。
3…はんだ粉末が溶融してはんだは一つの大きな球となり、周囲に直径75μm以下のソルダボールが四つ以上あり、半連続の環状に並んではいない。
JIS Z 3284 附属書11に準拠し、ソルダボール性試験を実施した。また、当該付属書中表1に準拠し、はんだ粒子の凝集状態を以下の基準に基づき評価した。
1…はんだ粉末が溶融して、はんだは一つの大きな球になり、周囲にソルダボールがない。
2…はんだ粉末が溶融してはんだは一つの大きな球となり、周囲に直径75μm以下のソルダボールが三つ以下ある。
3…はんだ粉末が溶融してはんだは一つの大きな球となり、周囲に直径75μm以下のソルダボールが四つ以上あり、半連続の環状に並んではいない。
Claims (4)
- 酸化防止剤(A)を含む鉛フリーソルダペースト用フラックスであって、α,β−不飽和カルボン酸変性ロジン水素化物(b1)を含むベース樹脂(B)および下記一般式(1)で表される化合物(C)を含有するフラックス。
- 酸化防止剤(A)がヒンダードフェノール系酸化防止剤(a1)である、請求項1のフラックス。
- ベース樹脂(B)が更に不均化ロジンエステル脱水素化物(b2)および/または水添ロジン(b3)を含む、請求項1または2のフラックス。
- 請求項1〜3のいずれかのフラックスと鉛フリーはんだ粉末とを含有する鉛フリーソルダペースト。
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JP5790862B1 (ja) * | 2014-12-25 | 2015-10-07 | 千住金属工業株式会社 | やに入りはんだ用フラックス、フラックスコートはんだ用フラックス、やに入りはんだ及びフラックスコートはんだ |
JP2020015084A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | 千住金属工業株式会社 | ソルダペースト |
CN114905189A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-08-16 | 杭州华光焊接新材料股份有限公司 | 一种无铅焊料、无铅焊膏及其制备方法 |
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