JP4609764B2 - ハンダフラックス用ベース樹脂、ロジン系ハンダフラックス、およびソルダーペースト - Google Patents

ハンダフラックス用ベース樹脂、ロジン系ハンダフラックス、およびソルダーペースト Download PDF

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Description

本発明は、ハンダフラックス用ベース樹脂、当該ハンダフラックス用ベース樹脂を用いるロジン系ハンダフラックス、および当該ロジン系ハンダフラックスを用いるソルダーペーストに関する。
回路基板の表面実装は、例えば、回路基板上の電極パッドに、ロジン系ハンダフラックスとハンダ粉末を含有するクリーム状のソルダーペーストを、スクリーン印刷やディスペンサー吐出等の方法で供給し、その上にコンデンサー等の電子部品を搭載して回路基板とした後、当該回路基板をリフロー炉内で加熱してハンダ粉末を溶融し、該電子部品と該電極パッドを接合することにより行われる。
ロジン系ハンダフラックスには、ベース樹脂として、天然ロジン類(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等)が汎用されている(例えば特許文献1を参照)。その理由として、該天然ロジン類が、ハンダ粉末表面の酸化皮膜を除去する作用(清浄化作用)や、ハンダ粉末の再酸化を防止する作用等(以下、ベース樹脂作用という)に優れることが挙げられる。
しかし、(ア)前記天然ロジン類は、その中に含まれる、分子内に共役二重結合を二つ以上有するアビエタン系の樹脂酸(デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸等)が非常に酸化されやすいため、変色や品質劣化を生じるなど熱安定性が悪い。そのため、ハンダ接合部に生ずるフラックス残渣の着色やフラックス残渣の割れが生じ、後の洗浄が困難になる等の問題が生ずる。この問題は特に、融点が高い鉛フリーハンダ粉末を使用する場合に一層深刻になる。
また、(イ)天然ロジン類は前記樹脂酸の凝集力が強いため結晶性が強い。そのため、従来のソルダーペーストは経時的に増粘しやすく、数日も放置すると強くバサ付いて使用に耐えなくなるという問題がある。
そこで、(ウ)天然ロジン類に水素化等の処理を施して熱安定性を向上させることも考えられるが、一般に高エネルギーを要する煩雑なプロセスが必要とされるので、製品(ハンダフラックス、ソルダーペースト)の高コスト化を招くという問題がある。
特開平9−10988号
本発明が解決しようとする課題は主に、優れたベース樹脂作用を奏し、かつ熱安定性や低結晶性に優れるハンダフラックス用ベース樹脂を、簡易なプロセスで提供することにある。
本発明者は、前記(ア)の問題については、ベース樹脂中の酸化反応を受けないデヒドロアビエチン酸の含有量に着目した。また、前記(イ)の問題については、樹脂酸の凝集力を小さくし、かつベース樹脂作用を向上させるために、嵩高く非対称な立体構造を有し、かつ複数の活性カルボキシル基をもつ特定の樹脂酸をベース樹脂にさらに特定量含有させればよいと考えた。そして、前記(ウ)の問題については、これらの着想に係るベース樹脂を簡単な操作で入手できる方法について検討した。
また、前記(ア)の問題をさらに好適に解決するためには、ベース樹脂の中に特定の樹脂酸エステル化合物を特定量含有させればよいと考えた。
すなわち本発明は、α,β−不飽和カルボン酸類(a1)を天然ロジン類(a2)に10〜80モル%の付加率でディールス・アルダー付加させてなる変成ロジン類(A)を、脱水素化触媒(B)の存在下に不均化反応させて得られる反応生成物であって、かつデヒドロアビエチン酸を10〜60重量%、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を10〜70重量%含有するものであることを特徴とするハンダフラックス用ベース樹脂(以下、ベース樹脂(1)という);
α,β−不飽和カルボン酸類(a1)を天然ロジン類(a2)に10〜80モル%の付加率でディールス・アルダー付加させてなる変成ロジン類(A)を、脱水素化触媒(B)と2価以上の脂肪族アルコール(C)の存在下に、不均化反応およびエステル化反応させて得られる反応生成物であって、かつデヒドロアビエチン酸を5〜50重量%、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を2〜55重量%、エステル化合物を10〜80重量%含有するものであることを特徴とするハンダフラックス用ベース樹脂(以下、ベース樹脂(2)という);
α,β−不飽和カルボン酸類(a1)を天然ロジン類(a2)に10〜80モル%の付加率でディールス・アルダー付加させてなる変成ロジン類(A)に、脱水素化触媒(B)の存在下で不均化反応させる工程と、2価以上の脂肪族アルコール(C)をエステル化反応させる工程とを、任意の順で経由させることにより得られる反応生成物であって、かつデヒドロアビエチン酸を5〜50重量%、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を2〜55重量%、エステル化合物を10〜80重量%含有するものであることを特徴とするハンダフラックス用ベース樹脂(以下、ベース樹脂(3)という);
該ベース樹脂(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種と活性剤、添加剤、フラックス用溶剤を含有してなるロジン系ハンダフラックス(以下、フラックスと略すことがある);該フラックスとハンダ粉末を含有してなるソルダーペースト、に関する。
本発明によれば、ベース樹脂作用、熱安定性、色調や低結晶性のバランスに優れるハンダフラックス用ベース樹脂を、簡易な操作で安価に製造することができる。
また、当該ベース樹脂は熱安定性や色調に優れるので、耐熱性に優れるフラックスが得られるほか、フラックス残渣の着色が少なく、その洗浄も容易である。また、当該フラックスや、該フラックスを用いたソルダーペーストは経時的な粘度変化を呈さず、前記品質管理上の問題がほとんど生じない。
また、当該ベース樹脂はベース樹脂作用に優れ、フラックス材料として単独で用いてもソルダーペーストのハンダ付け特性が良好であることから、製品(フラックス、ソルダーペースト)の低コスト化が図れるほか、フラックス材料の製品設計(活性剤、添加剤、フラックス用溶剤等の使用量や種類)の自由度が大幅に向上する。
〔ベース樹脂(1)について〕
α,β−不飽和カルボン酸類(a1)を天然ロジン類(a2)に10〜80モル%の付加率でディールス・アルダー付加させてなる変成ロジン類(A)(以下、単に変成ロジン類(A)という)を構成するα,β−不飽和カルボン酸類(a1)としては、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えばアクリル酸、メタアクリル酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸類や、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ムコン酸、シトラコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸類や、当該α,β−不飽和ジカルボン酸類の半エステルや、これらを各種中和剤で中和してなる中和塩を例示することができ、2種以上を併用することができる。該α,β−不飽和カルボン酸類(a1)としては、ベース樹脂作用)を考慮して、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸半エステル、フマル酸、フマル酸半エステルおよびこれらの前記中和塩より選ばれる少なくとも1種が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。
なお、前記半エステルとは、前記α,β−不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜20程度のアルキル基を有するアルコールとからなるエステルをいう。該炭素数1〜20程度のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、パルミチル基、ステアリル基等を例示できる。
また、前記中和剤としては、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類;アンモニア、炭酸アンモニウム等のアンモニア類;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノブチルアミン等の炭素数1〜12程度の脂肪族アミン類;シクロヘキシルアミン等の脂環族アミン類;アニリン等の芳香族アミン類等を例示できる。
前記天然ロジン類(a2)としては、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等を例示できる。これらの中でも入手が容易であるためガムロジンが好ましい。
該天然ロジン類(a2)は、前記アビエタン系の樹脂酸(デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸等)を通常65〜80重量%程度(なかでもアビエチン酸は通常20〜50重量%程度、デヒドロアビエチン酸は通常2〜12重量%程度)、その他、ピマラン系の樹脂酸(イソピマル酸、ピマル酸、サンダラコピマル酸等)を10〜25重量%程度含有しうる。ただし、これらの樹脂酸の含有量は天然ロジン類(a2)の生産地により変動する。また、該天然ロジン類(a2)は、中性物質(不鹸化物や分解油等)等の残部を10重量%以下程度の範囲で含有する。
該天然ロジン類(a2)の物性は特に限定されないが、酸価(JIS−K5902(以下同様))が通常150〜190mgKOH/g程度、軟化点(JIS−K5903(以下同様))が通常70〜100℃程度、色調が通常5G〜10G程度(Gはガードナー色調をいう(以下同様))である。
なお、該天然ロジン類(a2)は、本発明が電子材料に関することを考慮して、各種公知の手段で精製処理してなる主留として用いるのが好ましい。かかる手段の具体例としては、例えば、(i)加熱・減圧による減圧蒸留法、(ii)加熱・常圧下または減圧下で加熱した水蒸気を系内に吹き込む水蒸気蒸留法、(iii)後述する有機溶媒を用いる有機溶媒抽出法等を例示できる。また、精製時の条件も特に制限されない。そうして得られる主留の色調は、通常1G〜5G程度とするのが好ましい。
前記変成ロジン類(A)は、前記α,β−不飽和カルボン酸類(a1)を前記天然ロジン類(a2)に、通常10〜80モル%程度(好ましくは30〜70モル%程度、さらに好ましくは50〜70モル%)の付加率でディールス・アルダー付加させて得られる組成物である。かかる付加率を当該数値範囲内にすることによって、ベース樹脂(1)のベース樹脂作用や熱安定性、低結晶性、色調等のバランスを良好にすることができる。なお、付加率が当該上限値を超えると、ベース樹脂(1)中に未反応のα,β−不飽和カルボン酸類(a1)が多量に存在するようになり、ベース樹脂(1)のベース樹脂作用が十分でなくなる傾向にある。
ディールス・アルダー反応は各種公知の方法に従い行えばよい。具体的には、例えば、撹拌器、還流冷却管、窒素導入管等を備えた反応容器に、前記α,β−不飽和カルボン酸類(a1)と天然ロジン類(a2)を前記付加率となるように仕込み、通常180〜240℃程度の温度で通常1〜9時間程度両者を反応させればよい。なお、ベース樹脂(1)の色調を考慮して変成ロジン類(A)の着色を低減させるためには、反応容器は密閉構造とし、好ましくは更に窒素等の不活性ガス気流でパージするのがよい。
ディールス・アルダー反応時には、反応性や収率を高めるために、各種公知の有機溶媒を用いることができる。具体的には、例えば芳香族炭化水素類、飽和脂肪族炭化水素類、エステル類が好ましい。該芳香族炭化水素類としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソブチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、クロロベンゼン等を例示できる。また、該飽和脂肪族炭化水素類としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、イソペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン等を例示できる。また、該エステル類としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソブチル等を例示できる。なお、これらの有機溶媒は2種以上を併用することもできる。
こうして得られる変成ロジン類(A)は、デヒドロアビエチン酸を通常2〜12重量%程度(好ましくは5〜10重量%)、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を通常10〜70重量%程度(好ましくは20〜60重量%)、その他の樹脂酸を15〜80重量%程度(好ましくは10〜70重量%)、中性物質を10重量%以下(好ましくは5重量%以下)の範囲で含有する。
なお、該変成ロジン類(A)の物性は特に限定されないが、酸価が通常195〜330mgKOH/g程度、軟化点が通常95〜160℃程度、色調が通常4〜10G程度である。なお、該変成ロジン類(A)は、前記精製処理を施したものであってもよい。
ベース樹脂(1)は、前記変成ロジン類(A)を脱水素化触媒(B)の存在下で不均化反応させることにより得られる反応生成物である。不均化反応は特に制限されず、各種公知の方法に従えばよい。具体的には、例えば、前記同様の反応容器に、前記変成ロジン類(A)と各種公知の脱水素化触媒(B)を仕込み、好ましくは窒素等の不活性ガス気流下で、通常100〜300℃程度の反応温度、1MPa未満の反応圧力下で不均化反応を進行させればよい。なお、反応時間は通常1〜9時間程度である。
該脱水素化触媒(B)としては、具体的には、例えばパラジウムカーボン、ロジウムカーボン等のカーボン系担持触媒、ニッケル、白金等の金属粉末触媒、ヨウ化物触媒、ハイドロキシアパタイト系触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の他、セレン、イオウ等を例示できる。なお、該ハイドロキシアパタイト系触媒を用いると、ベース樹脂(1)中のデヒドロアビエチン酸の含有量を高くすることが容易であり、ベース樹脂(1)の熱安定性を一層向上させることができるので特に好ましい。該ハイドロキシアパタイト系触媒としては、ハイドロキシアパタイトにNi、Zn、Fe、Cr、Cu、Sn、Cd、Pd、Pt、Rh、Ru、OsまたはIrなどの2価あるいは3価の金属をイオン交換により導入してなるものであり(例えば、特開2002−284732号を参照)、HA−300BP(商品名
富田製薬社製)などの市販品として入手可能である。なお、当該2価あるいは3価の金属としては、ベース樹脂(1)の収率が良好になることから、Ruが好ましい。
該脱水素化触媒(B)の使用量は、該変成ロジン類(A)の固形分重量に対して通常0.05〜1.5重量%程度、好ましくは0.5〜1重量%である。使用量が0.05重量%より少ない場合には、触媒効果が得られがたいため不均化反応が長期化する傾向にある。また、使用量が1.5重量%を超える場合には、脱水素化触媒(B)の分離作業や製造コストの点で不利となる。なお、不均化反応の際には前記した有機溶媒を必要に応じて用いてもよい。
また、前記不均化反応の際に、反応系に各種公知のオレフィン系炭化水素(D)を存在させることにより、ベース樹脂(1)中のデヒドロアビエチン酸の含有量を高めることが容易になり、ベース樹脂(1)の熱安定性を一層向上できるようになる。
該オレフィン系炭化水素(D)としては、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、n−ドデセン−1、n−テトラデセン−1、n−ヘキサデセン−1、n−オクタデセン−1、n−エイコセン−1、n−テトラコセン−1、n−トリアコンテン−1等の直鎖α−オレフィン類;シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロペンテン、メチルシクロペンテンなどの脂環式オレフィン類;7,8−ジメチルテトラデセン−1、11,12−ジメチルドコセン−1、9,10−ジメチルオクタデセン−1、2,4,8,10,12−ペンタメチルトリデセン−1等の分岐鎖αオレフィン類;n−デセン−6、n−ドデセン−6、n−テトラデセン−7等の直鎖内部αオレフィン類;6,7−ジメチルドデセン−6、9,10−ジメチルオクタデセン−9、2,5,6,7,9,11−ヘキサメチルドデセン−6、13−メチルトリコセン−11,12−エチル−13−メチルトリコセン−10等の分岐鎖内部αオレフィン類を例示でき、これらは2種以上を併用することができる。なお、該オレフィン系炭化水素(D)としては、不均化反応時の温度以上の沸点を有するもの、具体的には炭素数10〜40程度のものを用いるのが好ましい。炭素数が9以下であるとオレフィン系炭化水素(D)が水素捕獲にほとんど寄与することなく反応系外に留出する傾向にあり、また炭素数が41以上の場合には蒸留等による分離除去が困難になる傾向にある。かかる観点より、該オレフィン系炭化水素(D)としては、前記直鎖α−オレフィン類および/または脂環式オレフィン類が、特にオクタデセン−1、ヘキサデセン−1、シクロヘキセンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、該オレフィン系炭化水素(D)の使用量は特に制限されないが、前記変成ロジン類(A)の固形分重量に対して通常1〜100重量%程度、好ましくは5〜50重量%程度とするのがよい。
こうして得られたベース樹脂(1)は、本発明の前記課題を解決するうえで、デヒドロアビエチン酸を10〜60重量%程度(好ましくは20〜55重量%程度、さらに好ましくは30〜50重量%)、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を10〜70重量%程度(好ましくは30〜65重量%程度、さらに好ましくは45〜60重量%)、その他の樹脂酸を10〜20重量%程度(好ましくは7〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重量%)、中性物を10重量%以下(好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下)含有するものであるのが好ましい。これらの数値範囲を逸脱すると、例えばハンダフラックスの熱安定性や低結晶性のバランスが損なわれ、フラックス残渣の着色やソルダーペーストの増粘が生じやすくなる傾向にある。なお、ベース樹脂(1)の物性は特に制限されないが、酸価が通常195〜270mgKOH/g程度、軟化点が通常100〜150℃程度、色調が通常3G〜300H程度(Hはハーゼン色調を示す)である。該ベース樹脂(1)は、前記精製処理を施したものであってもよい。
〔ベース樹脂(2)について〕
ベース樹脂(2)は、前記ベース樹脂(1)の熱安定性を一層向上させたものであり、具体的には、前記変成ロジン類(A)を、不均化反応およびエステル化反応させて得られる反応生成物である。ベース樹脂(2)は、不均化反応時にエステル化反応を同時に進行させて得られる点に製造工程上の利点があり、製品(フラックス、ソルダーペースト)の低コスト化が可能になる。また、当該ベース樹脂(2)によれば、特に300℃を超えるような高融点の鉛フリー系ソルダーペーストに適したハンダフラックスが得られる。
ベース樹脂(2)の製造条件は特に制限されず、各種公知の方法を採用できる。例えば、不均化反応およびエステル化反応の同時反応は、前記ベース樹脂(1)についての不均化反応と同様の条件で進行させることができる。具体的には、前記変成ロジン類(A)と、前記2価以上の脂肪族アルコール(C)を、変成ロジン類(A)が有するカルボキシル基(COOH)と2価以上の脂肪族アルコール(C)が有する水酸基(OH)の当量(一分子(g)中に存在する官能基数(eq))の比(OH/COOH)が0.1〜1.5程度、好ましくは0.3〜1.2となるように前記同様の反応容器に仕込み、通常100〜300℃程度の反応温度、1MPa未満の反応圧力下で、反応途中で生成する水を各種公知の手段で系外へ排出しながら、不均化反応とエステル化反応を同時に進行させればよい。なお、反応時間は通常1〜9時間程度である。また、前記当量比とすることにより、フラックスの熱安定性等を良好にできる。
不均化反応およびエステル化反応時には、反応時間を短縮させる等の目的から、必要に応じて各種公知のエステル化触媒を反応系に存在させてもよい。具体的には、例えば酢酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒;水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物等を例示でき、これらは2種以上を併用することができる。また、前記オレフィン系炭化水素(D)を前記使用量の範囲で反応系に存在させてもよい。
該2価以上の脂肪族アルコール(C)としては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。具体的には、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ジヒドロキシプロパン、1,3−ジヒドロキシプロパン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,3−ジヒドロキシブタン、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス−ヒドロキシメチル−シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオール、オクテングリコール、ポリエチレングリコール等の2価脂肪族アルコール;グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、グリセリン等の3価脂肪族アルコール;ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の4価脂肪族アルコール;ペンタトリオール、ソルビトール等の5価以上の脂肪族アルコールを例示でき、これらは2種以上を併用することができる。なお、該2価以上の脂肪族アルコール(C)の中でも前記熱安定性の観点より、グリセリンやペンタエリスリトールが好ましく、特にグリセリンが好ましい。
こうして得られたベース樹脂(2)は、本発明の前記課題を解決するうえで、デヒドロアビエチン酸を5〜50重量%程度(好ましくは15〜40重量%程度、さらに好ましくは20〜35重量%程度)、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を2〜55重量%程度(好ましくは10〜50重量%程度、さらに好ましくは20〜45重量%)、エステル化合物(各種樹脂酸と前記脂肪族アルコール(C)との反応物をいう)を10〜80重量%程度(好ましくは20〜65重量%程度、さらに好ましくは30〜55重量%)、その他樹脂酸を3〜15重量%程度(好ましくは2〜10重量%程度、さらに好ましくは1〜8重量%)、中性物を10重量%以下(好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは4重量%以下)の範囲で含有するものである。かかる数値範囲を逸脱すると、例えばハンダフラックスの熱安定性や低結晶性のバランスが失われ、フラックス残渣の着色やソルダーペーストの増粘が生じやすくなる傾向にある。なお、ベース樹脂(2)の物性は特に制限されないが、酸価が通常50〜220mgKOH/g程度、水酸基価が通常1〜20mgKOH/g程度、軟化点が通常70〜170℃程度、色調が2G〜350H程度である。該ベース樹脂(2)は、前記精製処理を施したものであってもよい。
〔ベース樹脂(3)について〕
本発明のベース樹脂(3)は、前記ベース樹脂(1)の熱安定性を一層向上させたものであり、前記変成ロジン類(A)に、脱水素化触媒(B)の存在下で不均化反応させる工程と、2価以上の脂肪族アルコール(C)をエステル化反応させる工程とを、任意の順で経由させることにより得られる反応生成物である。なお、当該反応生成物の色調を良好にするためには、該不均化反応の工程に次いで該エステル化の工程を経由させるのが好ましい。
ベース樹脂(3)の製造条件は特に制限されず、各種公知の方法を採用できる。例えば不均化反応に次いでエステル化反応を行う場合、該不均化反応の条件は前記前記ベース樹脂(1)の製造条件を適用すればよく、該エステル化反応の製造条件は前記ベース樹脂(2)の条件を適用すればよい。なお、該エステル化反応の製造条件としては、例えば特開平5−171112号に記載の方法を採用することもできる。
また、エステル化反応に次いで不均化反応を行う場合には、前記ベース樹脂(1)またはベース樹脂(2)の製造条件を適宜適用すればよい。
こうして得られたベース樹脂(3)は、本発明の前記課題を解決するうえで、デヒドロアビエチン酸を5〜50重量%程度(好ましくは15〜40重量%程度、さらに好ましくは20〜35重量%程度)、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を2〜55重量%程度(好ましくは10〜50重量%程度、さらに好ましくは20〜45重量%)、エステル化合物(デヒドロアビエチン酸、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸、その他の樹脂酸からなる群よりなる少なくとも1種と前記2価以上の脂肪族アルコール(C)との反応物をいう)を10〜80重量%程度(好ましくは20〜65重量%程度、さらに好ましくは30〜55重量%)、その他樹脂酸を3〜15重量%程度(好ましくは2〜10重量%程度、さらに好ましくは1〜8重量%)、中性物を10重量%以下(好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは4重量%以下)の範囲で含有するものである。かかる数値範囲を逸脱すると、例えばハンダフラックスの熱安定性や低結晶性のバランスが失われ、フラックス残渣の着色やソルダーペーストの増粘が生じやすくなる傾向にある。なお、ベース樹脂(3)の物性は特に制限されないが、酸価が通常50〜220mgKOH/g程度、水酸基価が通常1〜20mgKOH/g程度、軟化点が通常70〜170℃程度、色調が2G〜350H程度である。該ベース樹脂(3)は、前記精製処理を施したものであってもよい。
〔ロジン系ハンダフラックスについて〕
本発明のロジン系ハンダフラックスは、前記ベース樹脂(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種と、各種公知の活性剤、チキソトロピック剤、フラックス用溶剤等を含有するものである。なお、フラックスにおける該ベース樹脂(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種の(合計)含有量は、フラックスのベース樹脂作用や経時的な増粘等を考慮して、通常固形分換算で10〜60重量%程度、好ましくは15〜50重量%程度とするのがよい。本発明のフラックスは耐熱性に優れるので、特に鉛フリーハンダ用途に好適である。
なお、本発明ではロジン系ハンダフラックスのベース樹脂として、前記ベース樹脂(1)〜(3)の他に、前記天然ロジン類(a2)そのものや、それらの誘導体、あるいは各種公知の合成レジンをその他のベース樹脂として併用することができる。
該天然ロジン類(a2)の誘導体としては、不均化ロジン類、水素化ロジン類、ホルミル化ロジン類、重合ロジン類、アクリル化ロジン類等を例示でき、特に熱安定性等の観点より重合ロジン類が好ましい。該誘導体の物性は特に限定されないが、酸価が通常140〜400程度、軟化点が通常60〜210℃程度である。また、該合成レジンの具体例としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フツ素系樹脂またはABS樹脂のうち単体または複数を配合したものを例示できる。他にも、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴムまたはナイロンゴム等の合成ゴムや、ナイロン系エラストマまたはポリエステル系エラストマ等のエラストマを例示することができる。かかるその他のベース樹脂は、ベース樹脂(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種に対して0〜30重量%程度の範囲で用いることができる。
活性剤としては各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、アミンのハロゲン化水素酸塩、有機酸類、有機アミン類、有機ハロゲン化物等各種公知のものを特に制限なく使用することができる。アミンのハロゲン化水素酸塩の具体的な例は、ジエチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等を挙げることができ、有機酸の具体例としては、アジピン酸、ステアリン酸等を挙げることができ、有機アミン類の具体例としては、トリブチルアミン等を挙げることができ、有機ハロゲン化物の具体例としては、trans−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール等を挙げることができる。なおフラックスにおける活性剤の使用量は、通常0.1〜10重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%程度である。
チキソトロピック剤としては各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等特に制限なく使用することができる。チキソトロピック剤の使用量は、通常0.1〜10重量%程度、好ましくは3〜10重量%程度である。
フラックス用溶剤としては各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えばエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシルグリコール、オクタンジオール、エチルヘキシルグリコール、ベンジルアルコール、1,3
−ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール、テルピネオール等のアルコール類;安息香酸ブチル、アジピン酸ジエエチル、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート等のエステル類;ドデカン、テトラデセン等の炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類を例示できる。なお、鉛フリーハンダの溶融温度は前記したように非常に高いので、これらの中でも150〜300℃程度、好ましくは220〜270℃の範囲に沸点を有するものが好ましい。なおフラックスにおける当該溶剤の含有量は、通常20〜89.8重量%程度、好ましくは30〜80重量%である。
なお、フラックスには、フラックスに通常用いることができる各種公知の酸化防止剤、防黴剤、つや消し剤等の添加剤を0〜10重量%程度の範囲で用いても良い。
〔ソルダーペーストについて〕
本発明のソルダーペーストは、前記ロジン系ハンダフラックスと各種公知のハンダ粉末を、通常前者:後者が重量換算で5:95〜20:80程度となるようにプラネタリーミル等の公知混合手段で混錬してなるクリーム状の組成物である。ハンダ粉末としては、Snハンダ粉末、Sn−Ag系ハンダ粉末、Sn−Cu系ハンダ粉末、Sn−Zn系ハンダ粉末、Sn−Sb系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu系ハンダ粉末、Sn−Ag−Bi系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu−Bi系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu−In系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu−S系ハンダ粉末、Sn−Ag−Cu−Ni−Ge系ハンダ粉末等の鉛フリーハンダ粉末;Sn−Pb系ハンダ粉末、Sn−Pb−Ag系ハンダ粉末、Sn−Pb−Bi系ハンダ粉末、In−Pb系ハンダ粉末、Pb−Ag系ハンダ粉末等の鉛共晶ハンダ粉末を例示できる。また、はんだ粉末の形状も特に限定されるものではなく、真球、不定形及び両者の混合等、いずれの形状のはんだ粉末も使用できる。また、はんだ粉末の粒径についても特に限定されないが、2〜50μm程度のものが好ましい。本発明のフラックスが耐熱性に優れること、また鉛が環境・人体に与える悪影響を考慮すると、鉛フリーハンダ粉末が好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
調製例1
撹拌器、還流冷却管、窒素導入管を備えた密閉可能な反応容器に、未精製中国産ガムロジン(酸価171、軟化点74℃、色調6G)を3000g仕込み、窒素パージ下に400Paの減圧下で蒸留し、酸価176.3、色調ガードナー2の主留(収率86.3%)を天然ロジン類(a2)として得た。このものの物性および樹脂酸組成を表1に示す。
調製例2
調製例1で得た天然ロジン類(a2)630gとアクリル酸96g(付加率65%)とを調製例1と同様の反応容器に仕込み、窒素気流下に撹拌しながら210℃で4時間ディールス・アルダー反応を行った。次いで、10670Paの減圧下に未反応物を除去することにより、表1に示す物性・組成の変成ロジン類(A−1)を得た。
調製例3
製造例2におけるアクリル酸96gをマレイン酸128g(付加率65%)にした以外は同様にして、表1に示す物性・組成の変成ロジン類(A−2)を得た。
調製例4
製造例2における前記付加率を2%とした以外は同様にして、表1に示す物性・組成の変成ロジン類(A−3)を得た。
調製例5
製造例2における前記付加率を90%とした以外は同様にして、表1に示す物性・組成の変成ロジン類(A−4)を得た。
Figure 0004609764
表中、「AV」とは酸価(mgKOH/g)を、「SP」とは軟化点(℃)を、「Col」とは色調を示す。また、「DAA」とはデヒドロアビエチン酸を、「αβA」とはα,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を、「他」とはその他の樹脂酸を、「中性」とは中性物質を示す。
製造例1
前記変成ロジン類(A−1)200gを調製例1と同様の反応容器に仕込み、触媒として5%パラジウムカーボン0.6g、溶剤としてシクロヘキサン240gを添加し、窒素パージ下、250℃で4時間撹拌して不均化反応を行った。次いで、反応系を230℃まで冷却し、圧ろ過により当該パラジウムカーボンを除去し、ろ液を別途用意したフラスコに移し、減圧蒸留(230℃、8000Pa)を行い、低沸物を留去することによって、ベース樹脂(1−1)190gを得た。このものの物性(酸価、軟化点、色調(以下、同様))と組成(デヒドロアビエチン酸、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸)、その他の樹脂酸、中性物質(以下、同様))を表2に示す。なお、当該組成は、当該ベース樹脂(1−1)の1gをジアゾメタンによりメチルエステル化し、ガスクロマトグラフィー(カラム;DB−5(ジエチレングリコールサクシネート)、0.24mmφ×25mm、カラム温度230℃;キャリアーガスとしてAr、検出器としてFIDを用いる)により解析した(以下、同様)。
製造例2
製造例1において、反応系にオクタデセン−1とヘキサデセン−1の1:1混合物(「ダイヤレン168」、三菱化成工業(株)製)40gをさらに添加した以外は同様にして、表2に示す物性・組成のベース樹脂(1−2)を得た。
製造例3
製造例1において、変成ロジン類(A−1)200gを変成ロジン類(A−2)200gとした以外は同様にして、表2に示す物性・組成のベース樹脂(1−3)を得た。
製造例4
調製例1と同様の反応容器に前記変成ロジン類(A−1)1200gを仕込み、触媒として5%パラジウムカーボン3.6gと、シクロヘキサン240g、グリセリン20.3gを添加し、窒素パージ下、240〜250℃で6時間撹拌して不均化反応を行い、表2に示す物性・組成のベース樹脂(2−1)を得た。
製造例5
製造例4において、反応系にオクタデセン−1とヘキサデセン−1の1:1混合物(「ダイヤレン168」、三菱化成工業(株)製)240gをさらに添加した以外は同様にして、表2に示す物性・組成のベース樹脂(2−2)を得た。
製造例6
製造例4において、変成ロジン類(A−1)1200gを変成ロジン類(A−2)1200gにした以外は同様にして、表2に示す物性・組成のベース樹脂(2−3)を得た。
製造例7
調製例1と同様の反応容器に前記変成ロジン類(A−1)1200gを前記同様の反応容器に仕込み、触媒として5%パラジウムカーボン3.4gと、シクロヘキサン230gを添加し、窒素パージ下、250℃で4時間撹拌して不均化反応を行った。次いで、得られた不均化物にグリセリン20.3gを仕込み、窒素パージ下、240〜250℃で6時間撹拌してエステル化反応を行い、表2に示す物性・組成のベース樹脂(3−1)を得た。
製造例8
製造例7において、不均化反応時の系にオクタデセン−1とヘキサデセン−1の1:1混合物(「ダイヤレン168」、三菱化成工業(株)製)230gをさらに添加した以外は同様にして、表2に示す物性・組成のベース樹脂(3−2)を得た。
製造例9
製造例7において、変成ロジン類(A−1)1200gを変成ロジン類(A−2)1200gにした以外は同様にして、表2に示す物性・組成のベース樹脂(3−3)を得た。
製造例10
製造例1において、変成ロジン類(A−1)200gを変成ロジン類(A−3)200gとした以外は同様にして、表2に示す物性・組成の比較用ベース樹脂(1’−1)を得た。
製造例11
製造例1において、変成ロジン類(A−1)200gを変成ロジン類(A−4)200gとした以外は同様にして、表2に示す物性・組成の比較用ベース樹脂(1’−2)を得た。
製造例12
製造例4において、変成ロジン類(A−1)1200gを変成ロジン類(A−3)1200gとした以外は同様にして、表2に示す物性・組成の比較用ベース樹脂(2’−1)を得た。
製造例13
製造例4において、変成ロジン類(A−1)1200gを変成ロジン類(A−4)1200gとした以外は同様にして、表2に示す物性・組成の比較用ベース樹脂(2’−2)を得た。
製造例14
製造例7において、変成ロジン類(A−1)1200gを変成ロジン類(A−3)1200gとした以外は同様にして、表2に示す物性・組成の比較用ベース樹脂(3’−1)を得た。
製造例15
製造例7において、変成ロジン類(A−1)1200gを変成ロジン類(A−4)1200gとした以外は同様にして、表2に示す物性・組成の比較用ベース樹脂(3’−2)を得た。
Figure 0004609764
表中、「OHV」は水酸基価を、「エステル」は各種樹脂酸(変性物含む)と2価以上の脂肪族アルコールとからなるエステル化合物を意味する。他は表1と同様である。
実施例1〜9、比較例1〜6
(ベース樹脂の熱安定性の評価(フラックスの耐熱性の評価))
前記各ベース樹脂を、200℃に加熱溶融した状態で保温し、経時的なガードナー色調変化(5、15、24時間後)を測定した。色調変化が大きいほど、ベース樹脂が熱安定性に劣り、ハンダ付け後のフラックス残渣の着色程度が強くなることを意味する。結果を表3に示す。なお、ベース樹脂の熱安定性の評価は、フラックスの耐熱性を推測する指標として用いることができる。
(ベース樹脂の結晶性の評価(ソルダーペーストの増粘性の評価))
前記各ベース樹脂、アジピン酸とジエチルアミン臭化水素塩の1:1混合物、硬化ひまし油、ヘキシルカルビトールを、固形分重量比で順に45部:2部:8部:45部となるようにプラネタリーミルで混練し、フラックスを調製した。次いで、当該フラックスとSn−Ag−Cu系ハンダ粉末(平均粒径20〜40μmSn96.5重量%、Ag3重量%、Cu0.5重量%)を、前者対後者が固形分重量比で10:90となるようにプラネタリーミルで1時間混練し、ソルダーペーストを調製した。次いで該ソルダーペーストを40℃で保存し、経時的な粘度変化を7日後と14日後に測定した。なお、該測定器具として、スパイラル粘度計PCU−205(マルコム(株)製)を用いた。また、評価の基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
○:ソルダーペーストの粘度が調製時(0日目)と比較してほとんど変化しない。
△:ソルダーペーストの粘度が調製時(0日目)と比較して10Pa・S以上変化する。
×:ソルダーペーストの粘度が調製時(0日目)と比較して30Pa・S以上変化する。
Figure 0004609764

Claims (13)

  1. α,β−不飽和カルボン酸類(a1)を天然ロジン類(a2)に10〜80モル%の付加率でディールス・アルダー付加させてなる変成ロジン類(A)を、脱水素化触媒(B)の存在下に不均化反応させて得られる反応生成物であって、かつデヒドロアビエチン酸を10〜60重量%、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を10〜70重量%含有するものであることを特徴とするハンダフラックス用ベース樹脂。
  2. α,β−不飽和カルボン酸類(a1)を天然ロジン類(a2)に10〜80モル%の付加率でディールス・アルダー付加させてなる変成ロジン類(A)を、脱水素化触媒(B)と2価以上の脂肪族アルコール(C)の存在下に、不均化反応およびエステル化反応させて得られる反応生成物であって、かつデヒドロアビエチン酸を5〜50重量%、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を2〜55重量%、エステル化合物を10〜80重量%含有するものであることを特徴とするハンダフラックス用ベース樹脂。
  3. α,β−不飽和カルボン酸類(a1)を天然ロジン類(a2)に10〜80モル%の付加率でディールス・アルダー付加させてなる変成ロジン類(A)に、脱水素化触媒(B)の存在下で不均化反応させる工程と、2価以上の脂肪族アルコール(C)をエステル化反応させる工程とを、任意の順で経由させることにより得られる反応生成物であって、かつデヒドロアビエチン酸を5〜50重量%、α,β−不飽和カルボン酸変成ピマル酸を2〜55重量%、エステル化合物を10〜80重量%含有するものであることを特徴とするハンダフラックス用ベース樹脂。
  4. 前記不均化反応および/またはエステル化反応の反応温度が100〜300℃であり、反応圧力が1MPa未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のハンダフラックス用ベース樹脂。
  5. 前記不均化反応の際に、反応系にオレフィン系炭化水素(D)を存在させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のハンダフラックス用ベース樹脂。
  6. 前記α,β−不飽和カルボン酸類(a1)がアクリル酸である、請求項1〜5のいずれかに記載のハンダフラックス用ベース樹脂。
  7. 前記天然ロジン類(a2)がガムロジンである、請求項1〜6のいずれかに記載のハンダフラックス用ベース樹脂。
  8. 前記脱水素化触媒(B)が、カーボン系担持触媒、金属粉末触媒、ヨウ化物触媒、ハイドロキシアパタイト系触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれかに記載のハンダフラックス用ベース樹脂。
  9. オレフィン系炭化水素(D)が、直鎖α−オレフィン類および/または脂環式オレフィン類である、請求項1〜8のいずれかに記載のハンダフラックス用ベース樹脂。
  10. 前記2価以上の脂肪族アルコール(C)がグリセリンである、請求項2〜9のいずれかに記載のハンダフラックス用ベース樹脂。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のハンダフラックス用ベース樹脂と活性剤、チキソトロピック剤、フラックス用溶剤を含有するロジン系ハンダフラックス。
  12. 請求項11に記載のロジン系ハンダフラックスとハンダ粉末を含有するソルダーペースト。
  13. ハンダ粉末が鉛フリーハンダ粉末である請求項12のソルダーペースト。






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