JP2008189112A - 自動車用ワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体とスライド部材との間に架け渡されるワイヤハーネスの配索構造であって、前記ワイヤハーネスに外装するコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブの長さ方向の両端部を嵌合保持して前記ワイヤハーネスを挿通する樹脂製のプロテクタと、前記プロテクタに一体に形成されあるいは別体として連結され、前記車体およびスライド部材に設けた支持部材に回転自在に支持される回転部材と、を備えている。
【選択図】図1
Description
前記キャタピラ状のケーブルガイド2は、電線を保護する機能のほか、ワイヤハーネスW/Hの屈曲を制御し、車体とのクリアランスをとることによって周辺部材との干渉を防止する機能を有している。
また、スライドドアなどのスライド部材の中には、スライド方向と垂直な上下方向の角度を変化させながら動作するものがあり、このような上下方向の動きに対応するためには、図13に示すような上下可動機構をさらに設ける必要がある(特開2004−40862号公報参照)。
即ち、車体3に固定される固定部材6とケーブルガイド2の一端部との間に、上下方向(矢印T方向)に回転可能に軸支された連結部材7を介在させる必要があり、これにより部品点数が増加し構造が複雑化する問題がある。
このように、外装材としてコルゲートチューブを用いると、コストを抑制することができると共にワイヤハーネスを外部に露出させず、また、コルゲートチューブの柔軟性によりスライド部材の上下方向の変化を吸収することもできるためスライド部材の動きにワイヤハーネスをスムーズに追従させることが可能となる。
しかし、前記コルゲートチューブは、柔軟であるがゆえに追従動作における軌跡の制御が難しく、追従動作中にコルゲートチューブが垂れ下がって周辺部材に干渉してしまうおそれがある。
前記ワイヤハーネスに外装するコルゲートチューブと、
前記コルゲートチューブの長さ方向の両端部を嵌合保持して前記ワイヤハーネスを挿通する樹脂製のプロテクタと、
前記プロテクタに一体に形成され或いは別体として連結され、前記車体およびスライド部材に設けた支持部材に回転自在に支持される回転部材と、
を備えていることを特徴とする自動車用ワイヤハーネスの配索構造を提供している。
また、ワイヤハーネスにコルゲートチューブを外装することによりワイヤハーネスが外部に露出することもないため、ケーブルガイドにワイヤハーネスを挿通した場合にケーブルガイドをさらに外装するために必要となるチューブ体のような部材が不要となり、部品点数を削減することができる。
また、前記プロテクタは、コルゲートチューブより高硬度の樹脂から形成されることが好ましく、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)などを用いることが好ましい。
例えば、ワイヤハーネスに外装するコルゲートチューブの長さを比較的長めに設定しても周辺部材との干渉を回避できるような場合、コルゲートチューブの両端部を嵌合保持するプロテクタと回転部材とを一体に形成しても、スライド部材の動きにワイヤハーネスをスムーズに追従させることができる場合がある。そのような場合には、プロテクタに回転部材を一体に形成する方が、部品点数を少なくしコストを下げることができる点で好ましい。
即ち、前記プロテクタを複数に分割し、前記プロテクタと回転部材との連結部分と同様に、一方のプロテクタの上下面に突起部を設けると共に他方のプロテクタの上下面に穿設した貫通孔にそれぞれ貫通させて連結し、前記スライド部材の動作時に追従するワイヤハーネスが左右方向に回転する際に、前記プロテクタの連結側の先端が、前記連結したプロテクタの側壁内面に当接して、前記プロテクタの左右方向の回転角度を所定の範囲内に規制する構成としてもよい。
また、スライド部材に追従するワイヤハーネスが左右方向に回転する際に、プロテクタの連結側の先端が、連結したプロテクタの側壁内面に当接して、複数に分割したプロテクタの左右方向の回転角度を規制することにより、各プロテクタの回転の自由度が大きすぎてワイヤハーネスが周辺部材に干渉したり、ワイヤハーネスが大きな屈曲を繰り返すことで電線が損傷したりするのを防止することができる。
したがって、前記構成のプロテクタおよび回転部材、ならびに中間部の前記コルゲートチューブにより、ワイヤハーネスは配索全領域において外部に露出することがなく、見映えよくワイヤハーネスを保護することができる。
なお、より強固な嵌合とするために、前記プロテクタのコルゲートチューブ保持部分の内周面全長にわたって前記環状の凹凸部を連続的に設けておき、この連続した環状の凹凸部に前記コルゲートチューブ端末の環状の凹凸部を係合させることが好ましい。
前記構成とすることにより、コルゲートチューブとプロテクタの嵌合や、プロテクタや回転部材へのワイヤハーネスの挿通を容易に行うことができる。
したがって、前記構成のプロテクタおよび回転部材、ならびに中間部の前記コルゲートチューブにより、ワイヤハーネスは配索全領域において外部に露出することがなく、見映えよくワイヤハーネスを保護することができる。
図1乃至図8に本発明の実施形態を示す。
図1に示すように、車体20とスライドドア21との間に架け渡されるワイヤハーネスW/Hの中間部にコルゲートチューブ10を外装すると共に、コルゲートチューブ10の長さ方向の両端部にプロテクタ11をそれぞれ嵌合させている。さらに、車体20とスライドドア21に設けた支持部材22、23に回転自在に支持される回転部材12に、プロテクタ11をそれぞれ連結してワイヤハーネスW/Hを挿通し、支持部材22、23を経由してワイヤハーネスW/Hを車体20側およびスライドドア21側に引き出している。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、プロテクタ11と回転部材12とを別体としている。
また、プロテクタ11のチューブ保持部11aと反対側(回転部材12との連結側)の端部の上面11bおよび下面11cには突起部11b−1、11c−1をそれぞれ設け、さらに、突起部11b−1、11c−1を設けた端部側の両側壁11d、11eに、円弧状側壁を有する突出部11d−1、11e−1を設けている。
また、回転部材12の貫通孔12b−1、12c−1を設けた端部側の両側壁12d、12eには、プロテクタ11の左右の突出部11d−1、11e−1が挿入可能な、円弧状側壁を有するカバー12d−1、12e−1を設けている。
なお、本実施形態においては、プロテクタ11と回転部材12の軸線方向の長さを同程度としている。
この際、回転部材12とプロテクタ11とが一直線状に連結されているときのプロテクタ11および回転部材12の軸線L1に対して、プロテクタ11が矢印A方向に所定角度θ°(本実施形態においては25°)回転してプロテクタ11の軸線がL2となったときには、プロテクタ11の連結側先端である上下面11b、11cの側端部11b−2、11c−2が回転部材12の側壁12e内面に当接して、矢印A方向への回転角度がθ°(本実施形態においては25°)より大きくならないように回転を規制している(図5参照)。
同様に、回転部材12とプロテクタ11とが一直線状に連結されているときの軸線L1に対して、プロテクタ11が矢印Bの方向に所定角度θ°(本実施形態においては25°)回転してプロテクタ11の軸線がL3となったときには、プロテクタ11の連結側先端である上下面11b、11cの側端部11b−3、11c−3が回転部材12の側壁12d内面に当接して、矢印B方向への回転角度がθ°(本実施形態においては25°)より大きくならないように回転を規制している(図6参照)。
なお、図5および図6は、プロテクタ下面11cの側端部(11c−2、11c−3)の、回転部材側壁12e、12d内面との当接状態を示している。
回転部材12の支持部材23との連結側上面12fには、ワイヤハーネスW/Hを支持部材23側に引き出すための筒部12f−1を上方に突出させると共に、支持部材22との連結側下面12gの、上面12fの筒部12f−1に対応する位置にも同様の外形を有する筒部12g−1を下方に突出させて、上下に突出させた筒部12f−1、12g−1を回転軸として機能させている(図3参照)。即ち、支持部材23の中央に、貫通孔を有する受け部23a−1、23a−2を上下に設け、受け部23a−1、23a−2の貫通孔に、上下に突出させた回転部材12の筒部12f−1、12g−1をそれぞれ貫通させ、筒部12f−1、12g−1を軸支させることにより、支持部材23に回転部材12を回転自在に支持させる構造としている。
また、回転部材12の筒部12f−1を経由して支持部材23側へ引き出されたワイヤハーネスW/Hは、筒部12f−1に連結して設けられた支持部材23の引き出し通路23dを経由してスライドドア21側に引き出され、ワイヤハーネスW/Hの端末に接続したコネクタ(図示せず)を、スライドドア21に配索されたドアハーネス端末のコネクタ(図示せず)に接続している。
また、図8に示す車体20側の支持部材22も、スライドドア21側の支持部材23と同様に、回転部材12を回転自在に支持している。
また、回転部材12も、軸線方向に沿って2分割された分割体12Aおよび12Bから構成し、分割体12Aに設けられたロック部12A−1と、分割体12Bに設けられた被ロック部12B−1とを係合させることにより回転部材12を形成している。
スライドドア21全開時には、ワイヤハーネスW/Hはタイヤハウス24とロアアーム26との間に位置し、スライドドア21全閉時には、ワイヤハーネスW/Hはスライドレール25に沿った配置となる。
また、本実施形態においては、プロテクタ11の回転角度を左右に25°以内に規制することによって、車体側のプロテクタ11とスライドドア側のプロテクタ11を共用化することができる。
したがって、前記構成のプロテクタ11および回転部材12、ならびに中間部のコルゲートチューブ10により、ワイヤハーネスW/Hは配索全領域において外部に露出することがなく、見映えよくワイヤハーネスW/Hを保護することができる。
11、111、112 プロテクタ
11a チューブ保持部
11a−1 凹凸部
11b 上面
11c 下面
11b−1、11c−1 突起部
11b−2、11b−3、11c−2、11c−3 側端部
11d、11e 側壁
11d−1、11e−1 突出部
12 回転部材
12b、12f 上面
12c、12g 下面
12b−1、12c−1 貫通孔
12d、12e 側壁
12d−1、12e−1 カバー
12f−1、12g−1 筒部
20 車体
21 スライドドア
22、23 支持部材
23a−1、23a−2 受け部
23b−1、23b−2 固定部
23c−1、23c−2 ボルト貫通孔
23d 引き出し通路
24 タイヤハウス
25 スライドレール
26 ロアアーム
Claims (7)
- 車体とスライド部材との間に架け渡されるワイヤハーネスの配索構造であって、
前記ワイヤハーネスに外装するコルゲートチューブと、
前記コルゲートチューブの長さ方向の両端部を嵌合保持して前記ワイヤハーネスを挿通する樹脂製のプロテクタと、
前記プロテクタと一体に形成され、或いは別体として連結され、前記車体およびスライド部材に設けた支持部材に回転自在に支持される回転部材と、
を備えていることを特徴とする自動車用ワイヤハーネスの配索構造。 - 前記プロテクタと前記回転部材は別体とし、前記回転部材との連結側のプロテクタの端部の上下面に突起部を設けると共に、前記回転部材の上下面に穿設した貫通孔にそれぞれ貫通させて左右方向に回転自在に連結し、
前記スライド部材の動作時に追従するワイヤハーネスが左右方向に回転する際に、前記プロテクタの連結側の先端が、前記回転部材の側壁内面に当接して、前記プロテクタの左右方向の回転角度を所定の範囲内に規制している請求項1に記載の自動車用ワイヤハーネスの配索構造。 - 前記プロテクタを複数に分割し、一方のプロテクタの上下面に突起部を設けると共に他方のプロテクタの上下面に穿設した貫通孔にそれぞれ貫通させて連結し、
前記スライド部材の動作時に追従するワイヤハーネスが左右方向に回転する際に、前記プロテクタの連結側の先端が、前記連結したプロテクタの側壁内面に当接して、前記プロテクタの左右方向の回転角度を所定の範囲内に規制している請求項1または請求項2に記載の自動車用ワイヤハーネスの配索構造。 - 前記回転部材またはプロテクタの前記貫通孔が設けられた端部側の両側壁に、円弧状側壁を有するカバーを設けると共に、隣接する前記プロテクタの突起部が設けられた端部側の両側壁に、前記カバー内に挿入可能な円弧状側面を有する突出部を設け、前記プロテクタの回転時、前記カバーおよび前記突出部によって前記ワイヤハーネスが外部に露出しない構成としている請求項2または請求項3に記載の自動車用ワイヤハーネスの配索構造。
- 前記ワイヤハーネスに外装されるコルゲートチューブの長さは、前記ワイヤハーネスがスライド部材の動作に追従する全過程において、前記ワイヤハーネスが周辺部材に干渉しない長さとしている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ワイヤハーネスの配索構造。
- 前記コルゲートチューブを嵌合保持する前記プロテクタの内周面に環状の凹凸部を設け、該凹凸部を前記コルゲートチューブの端末側の環状の凹凸部と係合している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自動車用ワイヤハーネスの配索構造。
- 前記スライド部材がスライドドアである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の自動車用ワイヤハーネスの配索構造。
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