JP5040434B2 - スライドドア用ハーネスの配索構造 - Google Patents
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前記キャタピラ状のケーブルガイド2は、電線を保護する機能のほか、ワイヤハーネスW/Hの屈曲を制御し、車体3とのクリアランスをとることによって周辺部材との干渉を防止する機能を有している。
また、スライドドアには、スライド方向と垂直な上下方向の角度を変化させながら動作するものがあり、このような上下方向の動きに対応するためには、図12に示すような上下可動機構をさらに設ける必要がある(特開2004−40862号公報参照)。
即ち、車体3に固定される固定部材6とケーブルガイド2の一端部との間に、上下方向(矢印T方向)に回転可能に軸支された連結部材7を介在させる必要があり、これにより部品点数が増加し構造が複雑化する問題がある。
しかし、前記コルゲートチューブは、柔軟であるがゆえに追従動作における軌跡の制御が難しく、前記コルゲートチューブで外装されたハーネスが周辺部材に干渉するおそれがある。
前記外装材は、前記渡り配索の領域のハーネス全長に取り付けているコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブに部分的に外装している屈曲規制用のガイドプロテクタとからなり、
前記ガイドプロテクタは、複数の剛性材からなる矩形筒状のリンクを備え、各リンクの内面に前記コルゲートチューブの凹凸と嵌合する凹凸係止部を設け、かつ、対向する一対の辺の長さ方向の一端に突起を設けると共に他端にV形状に開く溝を設け、隣接するリンク間で前記溝に前記突起を所定角度屈曲可能に嵌合して連繋し、かつ、
前記車体およびスライドドアに固定する取付ブラケットに設けた扇形状の開口を通して引き込んだ前記コルゲートチューブを前記取付ブラケットに固定し、前記ガイドプロテクタは前記開口の出口位置で前記コルゲートチューブに外装していることを特徴とするスライドドア用ハーネスの配索構造を提供している。
また、ハーネスの全長にコルゲートチューブを取り付けることにより前記ハーネスが外部に露出することがないため、前記ケーブルガイドを取り付けた場合にハーネスが隙間から露出するのを防止するために必要となる外装材(チューブ体)が不要となり、部品点数を削減して構造をシンプルにすることができる。
前記凹凸係止部は環状に形成されると共に、リンクの長さ方向に連続的に設けられていることが好ましい。
そこで、前記のように、ガイドプロテクタの各リンクの突起および溝を上下辺に設けて、リンク同士を水平方向に屈曲可とすると共に、上下方向に屈曲不可とすることにより、コルゲートチューブの垂れ下がりを抑制し、かつ水平方向の屈曲角度を適切に制御しながらスライドドアへのスムーズな追従動作が可能となる。
前記ガイドプロテクタは前記車体側およびスライドドア側の取付ブラケットに近接した位置、即ち、取付ブラケットの前記扇形状の開口の出口位置のコルゲートチューブに外装している。
前記ガイドプロテクタは、前記取付ブラケットに近接した渡り配索部分に連続的に設けてもよいし、あるいは、分割して設けてもよい。
また、前記中間領域のみならず、ガイドプロテクタで外装される領域のコルゲートチューブの断面形状も楕円とされていると、リンク内でのコルゲートチューブの回転も防止できるため、さらに好ましい。
また、前記コルゲートチューブが取り付けられるハーネスは特に限定されるものではなく、ワイヤハーネスであってもフラットハーネスであってもよい。
また、前記リンクは、長さ方向に沿って2分割された上下の分割体から構成され、各分割体に設けられたロック部と被ロック部とを係合させることによりリンクを形成するようにしてもよい。これにより、コルゲートチューブとリンクの嵌合を一層容易に行うことができる。
図1乃至図6に本発明の第1実施形態を示す。
図1に示すように、車体30とスライドドア31との間に渡り配索されるワイヤハーネスW/Hの全長に、断面楕円形状のコルゲートチューブ11(ポリプロピレン樹脂製)を取り付け、コルゲートチューブ11に、屈曲規制用のガイドプロテクタ12を部分的に外装している。即ち、コルゲートチューブ11とガイドプロテクタ12とから、ワイヤハーネスW/Hを保護しガイドする外装材10を形成している。
リンク13はポリブチレンテレフタレート樹脂から形成し、リンク13の内面には、図3に示すように、コルゲートチューブ11の凹凸と嵌合する環状の凹凸係止部14をリンク長さ方向に連続して設けている。
即ち、隣接したリンク13の突起16の一方の側辺16aをV字状に開く溝17の一方の側辺17aに当接させて突起16を溝17に嵌合させた状態[図4(A)]から、突起16の他方の側辺16bを溝17の他方の側辺17bに当接させて突起16を溝17に嵌合させた状態[図4(B)]までをリンク13の可動範囲とすることにより、リンク13の屈曲角度を規制し、よって、内部に挿通するワイヤハーネスW/Hの屈曲角度も規制している。
なお、本実施形態においては、一直線状にリンク13を連繋した場合のリンク13の軸線L1に対して、リンク13を最大に屈曲させた場合のリンク13の軸線L2のなす角度θが25〜35°程度となるように角度規制している。
本実施形態においては、切欠19の全長dをリンク全長Dの25%程度とし、図5のように一直線状に連繋されたリンク13においては、切欠全長dの90%程度の位置まで突出部20を突出させて重ねている。これにより重ね合わせ方向(本実施形態においては上下方向)の屈曲を不可としている。
なお、リンク13は、長さ方向に沿って2分割した上下の分割体13A、13Bから構成し、上下の分割体13A、13Bをロック結合して一体化させることによりリンク13を形成している。
スライドドア31全開時には、ワイヤハーネスW/Hはタイヤハウス34とロアアーム35との間に位置し、スライドドア31全閉時には、ワイヤハーネスW/Hはスライドレール36とウエザーストリップ37との間に位置する。
第2実施形態では、突起16および溝17の形状を図7に示すように、先端を円弧状にする以外は、第1実施形態と同様としている。
第3実施形態では、ガイドプロテクタ12で外装されるコルゲートチューブ41の断面形状を円形とし、図8に示すように、コルゲートチューブ41の外面に軸線方向に延在する1つのリブ42を突設している。
また、ガイドプロテクタ12を構成する各リンク13の内面側には、図9に示すように、リブ42が挿入される嵌合溝21を設けている。
一方、ガイドプロテクタ12で外装していない中間領域のコルゲートチューブ(図示せず)の断面形状は第1実施形態と同様の楕円形状とし、断面円形のコルゲートチューブ41と断面楕円形状の前記コルゲートチューブをテープ巻きによって連結している。
なお、前記した点以外は第1実施形態と同様としている。
なお、本実施形態においては、ガイドプロテクタ12で外装していない中間領域のコルゲートチューブの断面形状を楕円形状としているが、渡り配索領域のワイヤハーネス全長に断面円形状のコルゲートチューブを取り付けるようにしてもよい。
11、41 コルゲートチューブ
42 リブ
12 ガイドプロテクタ
13 リンク
14 凹凸係止部
16 突起
17 溝
19 切欠
20 突出部
21 嵌合溝
30 車体
31 スライドドア
32 車体側取付ブラケット
33 スライドドア側取付ブラケット
32a、33a 開口部
32b、33b 凹凸係止部
34 タイヤハウス
35 ロアアーム
36 スライドレール
37 ウエザーストリップ
Claims (6)
- 車体とスライドドアとの間に渡り配索されるハーネスをガイドおよび保護する外装材を取り付けており、
前記外装材は、前記渡り配索の領域のハーネス全長に取り付けているコルゲートチューブと、前記コルゲートチューブに部分的に外装している屈曲規制用のガイドプロテクタとからなり、
前記ガイドプロテクタは、複数の剛性材からなる矩形筒状のリンクを備え、各リンクの内面に前記コルゲートチューブの凹凸と嵌合する凹凸係止部を設け、かつ、対向する一対の辺の長さ方向の一端に突起を設けると共に他端にV形状に開く溝を設け、隣接するリンク間で前記溝に前記突起を所定角度屈曲可能に嵌合して連繋し、かつ、
前記車体およびスライドドアに固定する取付ブラケットに設けた扇形状の開口を通して引き込んだ前記コルゲートチューブを前記取付ブラケットに固定し、前記ガイドプロテクタは前記開口の出口位置で前記コルゲートチューブに外装していることを特徴とするスライドドア用ハーネスの配索構造。 - 前記一対の辺と直交方向の一対の辺は、リンクの長さ方向の一端側に切欠を設けると共に他端側に突出部を設け、隣接するリンク間で前記切欠に突出部を突出させてリンクの長さ方向の端部で重ね、前記屈曲方向と直交方向には屈曲不可としている請求項1に記載のスライドドア用ハーネス配索構造。
- 前記車体とスライドドアの間で前記ハーネスは水平方向に配索され、前記ガイドプロテクタの各リンクの突起および溝は上下辺に設け、該リンク同士を水平方向に屈曲可とすると共に上下方向には屈曲不可としている請求項1または請求項2に記載のスライドドア用ハーネスの配索構造。
- 前記取付ブラケットに前記コルゲートチューブの凹凸と嵌合する凹凸係止部を設け、該コルゲートチューブを取付ブラケットに直接固定している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスライドドア用ハーネスの配索構造。
- 前記渡り配索領域の全長に外装するコルゲートチューブは、少なくとも前記ガイドプロテクタを外装していない中間領域では断面楕円形状としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のスライドドア用ハーネスの配索構造。
- 少なくとも前記ガイドプロテクタで外装される領域のコルゲートチューブは断面円形とし、該コルゲートチューブの外面に軸線方向に延在する1つのリブを突設する一方、前記ガイドプロテクタの各リンクに前記リブが挿入される嵌合溝を設け、該リンク内でのコルゲートチューブの回転を不可としている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のスライドドア用ハーネスの配索構造。
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