JP2008113541A - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成によりスリップを抑制すると共に複数の装置によりスリップを抑制し、スリップによる不安定な走行や機器の破損などを抑制する。
【解決手段】走行に用いられたモータトルクやブレーキトルクと回転位置検出センサ23からのモータ22の回転数だけを用いて駆動輪34a,34bに生じた空転による所定のスリップを判定し、所定のスリップが判定されているときにはモータ22の駆動制限によりスリップを抑制する。これにより、簡易な構成によりスリップを抑制することができる。また、ブレーキシステム40によってもスリップを抑制するから、複数の装置によりスリップを抑制することができ、ブレーキシステム40が何らかの故障や異常により作動しないときやTRCオフスイッチ68がオンされて作動しないときでもモータ22の駆動制限によりスリップを抑制するから、不安定な走行や機器の破損などを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両およびその制御方法に関する。
従来、この種の車両としては、駆動輪を駆動する動力源に装備された少なくとも1つのモータと、駆動輪のスリップを検出してモータのトルクダウン制御を行なう統合コントローラとを備える車両が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、ブレーキコントローラに入力された各車輪の車輪速センサからの車輪速を用いて演算したスリップ量に基づくスリップ量トルク制限値と、統合コントローラに入力されたモータの回転数センサからのモータ回転数を用いて演算したモータの角加速度に基づく角加速度トルク制限値とのうち、小さい方をモータトルク制限値として設定し、モータトルク制限値と路面μに応じた時定数とによりモータトルク指令値を設定してモータを制御することにより、駆動輪のスリップを抑制しようとしている。
特開2006−136175号公報
駆動輪のスリップを抑制する手法として、車輪速センサとモータの回転数センサとを用いてスリップを抑制する手法が提案されているが、簡易な構成による手法は、組み付け工数の低減や保守の容易さの観点から好ましいと考えられる。また、単一の装置により駆動輪のスリップを抑制する手法では、その装置が故障や異常により作動しない状況を考慮すると、何らかの対処をする必要がある。さらに、加速性能を確保したい等の意図をもって運転者がスリップを抑制する装置の作動をオフすることができる車両では、その装置の作動がオフされている状態で大きなスリップが生じると、走行が不安定になったり機器の過熱や破損といった問題を生じる場合があり、この問題に対して何らかの対処をする必要もある。
本発明の車両およびその制御方法は、簡易な構成によりスリップを抑制することを目的の一つとする。また、本発明の車両およびその制御方法は、複数の装置によりスリップを抑制することを目的の一つとする。さらに、本発明の車両およびその制御方法は、スリップによる不安定な走行や機器の破損などを抑制することを目的の一つとする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
駆動輪に接続された駆動軸に走行用の動力を出力する動力源と、
前記駆動軸の回転速度である駆動軸回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記検出された駆動軸回転速度に基づいて前記駆動輪の回転角加速度である演算駆動輪回転角加速度を演算する回転角加速度演算手段と、
前記検出された駆動軸回転速度に基づいて前記駆動輪の回転速度である演算駆動輪回転速度を演算する駆動輪回転速度演算手段と、
走行に用いられた駆動力と前記演算された演算駆動輪回転角加速度とに対して積分演算を用いて車体の推定される速度である推定車体速を演算する推定車体速演算手段と、
前記演算された推定車体速から推定される前記駆動輪の回転速度と前記演算された演算駆動輪回転速度とに基づいて該駆動輪の空転による所定のスリップを判定する所定スリッ
プ判定手段と、
前記所定スリップ判定手段により前記所定のスリップが判定されていないときには走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記動力源から出力されて走行するよう該動力源を制御し、前記所定スリップ判定手段により前記所定のスリップが判定されているときには前記動力源の駆動制限をもって前記要求駆動力に基づく駆動力が前記動力源から出力されて走行するよう該動力源を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両は、走行に用いられた駆動力と駆動軸の回転速度である駆動軸回転速度に基づく駆動輪の回転角加速度とに対して積分演算を用いて車体の推定される速度である推定車体速を演算し、推定車体速から推定される駆動輪の回転速度と駆動軸回転速度に基づく駆動輪の回転速度とに基づいて駆動輪の空転による所定のスリップを判定し、所定のスリップが判定されていないときには走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が動力源から出力されて走行するよう動力源を制御し、所定のスリップが判定されているときには動力源の駆動制限をもって要求駆動力に基づく駆動力が動力源から出力されて走行するよう動力源を制御する。即ち、走行に用いられた駆動力と駆動軸の回転速度だけを用いて所定のスリップを判定して抑制する。これにより、簡易な構成によりスリップを抑制することができる。ここで、走行に用いられた駆動力や走行に要求される要求駆動力には、加速用の駆動力と減速用の制動力とが含まれる。
こうした本発明の車両において、前記駆動輪の回転速度である駆動輪回転速度に基づいて該駆動輪の空転によるスリップを判定すると共に該スリップが判定されたときには前記駆動輪に制動力を付与することにより該駆動輪のスリップを抑制するスリップ抑制装置を備え、前記所定のスリップは、スリップしている車輪の車輪速から車体速に対応する車輪速を減じた速度であるスリップ速度が前記スリップ抑制装置によりスリップと判定されるスリップ速度の下限より大きなスリップ速度以上のスリップであるものとすることもできる。こうすれば、所定のスリップではないスリップに対してはスリップ抑制装置によってスリップを抑制することができ、所定のスリップに対してはスリップ抑制装置と動力源の駆動制限とによりスリップを抑制することができる。また、スリップ抑制装置が何らかの異常により作動しないときでも、所定のスリップに対しては動力源の駆動制限によりスリップを抑制することができる。この結果、スリップによる不都合、例えば、車両が不安定となることや機器の破損などを抑制することができる。この場合、運転席近傍に設けられ、前記スリップ抑制装置の作動をオフするスリップ抑制装置オフスイッチを備えるものとすることもできる。こうすれば、スリップ抑制装置の作動をオフしているときでも、所定のスリップに対しては動力源の駆動制限によりスリップを抑制することができる。
さらに、本発明の車両において、前記推定車体速演算手段は、前記走行に用いられた駆動力と前記演算された演算駆動輪回転角加速度に前記駆動輪の慣性モーメントを乗じたものとの差を時間積分することにより前記推定車体速を演算する手段であるものとすることもできる。この場合、前記推定車体速演算手段は、車体速に対応する車輪速が値0となったときに時間積分による積分値を値0にリセットする手段であるものとすることもできる。こうすれば、推定車体速をより適正に演算することができる。
また、本発明の車両において、前記駆動輪に制動力を付与する制動力付与手段を備え、前記推定車体速演算手段は、前記走行に用いられた駆動力として前記動力源から出力された駆動力と前記制動力付与手段から出力された制動力との和の駆動力を用いて前記推定車体速を演算する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車体速をより正確に推定することができる。この態様の本発明の車両において、前記推定車体速演算手段は、前記制動力付与手段から出力された制動力を前記演算された演算駆動輪回転速度に基づいて補正して推定車体速演算用の制動力を設定し、前記動力源から出力された駆動力と該推定車体速演算用の制動力との和の駆動力を用いて前記推定車体速を演算する手段であるものとすることもできる。この場合、前記推定車体速演算手段は、前記演算された演算駆動輪回転速度の正負の符号の変化に対して正負の符号を変化させて前記推定車体速演算用の制動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、演算駆動輪速の正負の符号の変化にも対応することができる。また、これらの場合、前記推定車体速演算手段は、前記演算された演算駆動輪回転速度が値0を含む第1の所定範囲内にあるときには値0の前記演算車体速演算用の制動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車両の停止時に制動力付与手段により付与される制動力によって演算される推定車体速に誤差が含まれるのを抑制することができる。さらに、これらの場合、前記推定車体速演算手段は、前記演算された演算駆動輪回転速度が前記第1の所定範囲を含む第2の所定範囲内にあるときには該演算駆動輪回転速度の変化に対して徐々に値が変化するよう前記演算車体速演算用の制動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、推定車体速が不連続に変化するのを抑制することができる。
また、本発明の車両において、前記所定スリップ判定手段は、前記演算された推定車体速と路面勾配と前記演算された演算駆動輪回転速度とに基づいて前記所定のスリップを判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、路面勾配に起因して演算される推定車体速に誤差が含まれるのを抑制することができる。この態様の本発明の車両において、前記所定スリップ判定手段は、前記演算された推定車体速を前記路面勾配に基づいて補正し、該補正した推定車体速と前記演算駆動輪回転速度とに基づいて前記所定のスリップを判定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記所定スリップ判定手段は、前記路面勾配によって前記演算された推定車体速に含まれる誤差が打ち消されるよう該推定車体速を補正する手段であるものとすることもできる。こうすれば、路面勾配に起因して演算される推定車体速に誤差が含まれるのをより確実に抑制することができる。また、これらの場合、前記所定スリップ判定手段は、前記駆動輪の空転による前記所定のスリップが判定されているときには、前記路面勾配に基づく前記演算された推定車体速の補正を行なわない手段であるものとすることもできる。こうすれば、必要な場合にだけ推定車体速の補正を行なうことができる。
また、本発明の車両において、前記所定スリップ判定手段は、前進走行可能なポジションと後進走行可能なポジションとを含む複数のシフトポジションから運転者により選択されたシフトポジションに基づく上下限値をもって前記推定車体速と前記演算駆動輪回転速度との偏差としてのスリップ速度を制限し、該制限したスリップ速度に基づいて前記駆動輪の空転による前記所定のスリップを判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、何らかの誤差が推定車体速に含まれることにより、スリップ速度がシフトポジションに対して通常取り得ない値として設定されるのを抑制することができる。この態様の本発明の車両において、前記所定スリップ判定手段は、前記シフトポジションが前記前進走行可能なポジションおよび前記後進走行可能なポジション以外のポジションのときには値0の上下限値をもって前記スリップ速度を制限し、前記シフトポジションが前記前進走行可能なポジションのときには第1所定値の上限値と値0または値0近傍の負の値の下限値をもって前記スリップ速度を制限し、前記シフトポジションが前記後進走行可能なポジションのときには値0または値0近傍の正の値の上限値と第2所定値の下限値をもって前記スリップ速度を制限する手段であるものとすることもできる。この場合、前記所定スリップ判定手段は、前記シフトポジションが変更されたとき、レート処理をもって前記上下限値を変更する手段であるものとすることもできる。こうすれば、シフトポジションの変更によりスリップ速度が急変するのを抑制することができる。この場合、前記所定スリップ判定手段は、前記シフトポジションが前記前進走行可能なポジションに変更されたときには、第1のレートをもって徐々に前記第1所定値まで大きくして前記上限値を設定し、前記シフトポジションが前記前進走行可能なポジションから他のポジションに変更されたときには、前記第1のレートよりも小さな第2のレートをもって徐々に前記第1所定値から小さくして前記上限値を設定する手段であるものとすることもできる。これらの場合、前記所定スリップ判定手段は、前記シフトポジションが前記後進走行可能なポジションに変更されたときには、第3のレートをもって徐々に前記第2所定値まで小さくして前記下限値を設定し、前記シフトポジションが前記後進走行可能なポジションから他のポジションに変更されたときには、前記第3のレートよりも小さな第4のレートをもって徐々に前記第2所定値から大きくして前記下限値を設定する手段であるものとすることもできる。
あるいは、本発明の車両において、前記制御手段は、スリップが大きいほど大きな駆動制限をもって前記動力源を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動輪のスリップが大きいほどスリップを大きく抑制することができる。この結果、スリップによる不安定な走行や機器の破損などをより確実に抑制することができる。
また、本発明の車両のおいて、前記動力源は、前記駆動軸に接続された電動機を含み、前記回転速度検出手段は、前記電動機の回転子の回転位置を検出すると共に該検出した回
転位置を用いて前記駆動軸回転速度を演算する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の駆動制御に用いられるセンサを兼用して駆動輪のスリップを判定することができる。この結果、より簡易な構成によりスリップを抑制することができる。
本発明の車両の制御方法は、
駆動輪に接続された駆動軸に走行用の動力を出力する動力源を備える車両の制御方法であって、
走行に用いられた駆動力と前記駆動軸の回転速度である駆動軸回転速度に基づく前記駆動輪の回転角加速度とに対して積分演算を用いて車体の推定される速度である推定車体速を演算し、
前記推定車体速から推定される前記駆動輪の回転速度と前記駆動軸回転速度に基づく前記駆動輪の回転速度とに基づいて前記駆動輪の空転による所定のスリップを判定し、
前記所定のスリップが判定されていないときには走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記動力源から出力されて走行するよう該動力源を制御し、前記所定のスリップが判定されているときには前記動力源の駆動制限をもって前記要求駆動力に基づく駆動力が前記動力源から出力されて走行するよう該動力源を制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の車両の制御方法では、走行に用いられた駆動力と駆動軸の回転速度である駆動軸回転速度に基づく駆動輪の回転角加速度とに対して積分演算を用いて車体の推定される速度である推定車体速を演算し、推定車体速から推定される駆動輪の回転速度と駆動軸回転速度に基づく駆動輪の回転速度とに基づいて駆動輪の空転による所定のスリップを判定し、所定のスリップが判定されていないときには走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が動力源から出力されて走行するよう動力源を制御し、所定のスリップが判定されているときには動力源の駆動制限をもって要求駆動力に基づく駆動力が動力源から出力されて走行するよう動力源を制御する。即ち、走行に用いられた駆動力と駆動軸の回転速度だけを用いて所定のスリップを判定して抑制する。これにより、簡易な構成によりスリップを抑制することができる。ここで、走行に用いられた駆動力や走行に要求される要求駆動力には、加速用の駆動力と減速用の制動力とが含まれる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、駆動輪34a,34bにデファレンシャルギヤ32を介して接続された駆動軸28に動力を入出力可能なモータ22と、モータ22の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ23と、ブレーキアクチュエータ44からの油圧により駆動輪34a,34bに機械的な制動力を作用させるブレーキシステム40と、車両全体をコントロールするメイン電子制御ユニット50とを備える。
モータ22は、周知の同期発電電動機として構成され、インバータ24を介してバッテリ26と電力のやりとりを行なう。回転位置検出センサ23は、モータの回転子に接続された駆動軸28に配置された永久磁石の磁極位置を検出するレゾルバなどのセンサとして構成されている。
ブレーキシステム40は、ブレーキペダル65の踏み込みに応じて油圧(ブレーキ圧)を生じるブレーキマスタシリンダ42と、駆動輪34a,34bのブレーキホイールシリンダ45a,45bや従動輪36a,36bのブレーキホイールシリンダ45c,45dに調整した油圧を供給するブレーキアクチュエータ44と、駆動輪34a,34bに取り付けられた車輪速センサ41a,41bおよび従動輪36a,36bに取り付けられた車輪速センサ41c,41dと、ブレーキアクチュエータ44を制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)46とを備えている。ブレーキアクチュエータ44は、ブレーキ圧とモータ22の回転数Nmとにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが各車輪34a,34b,36a,36bに作用するようブレーキホイールシリンダ45a〜45dの油圧を調整したり、ブレーキ圧と無関係に各車輪34a,34b,36a,36bに制動トルクが作用するようブレーキホイールシリンダ45a〜45dの油圧を調整したりすることができるように構成されている。ブレーキECU46は、車輪速センサ41a,41bからの駆動輪速Vfl,Vfrや車輪速センサ41c,41dからの従動輪速Vrl,Vrr,図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力すると共にブレーキアクチュエータ44に制御信号を出力して、運転者がブレーキペダル65を踏み込んだときに駆動輪34a,34bや従動輪36a,36bのいずれかがロックするのを抑制するアンチロックブレーキシステム機能(ABS)や運転者がアクセルペダル63を踏み込んだときに駆動輪34a,34bのいずれかが空転によりスリップするのを抑制するトラクションコントロール(TRC),車両が旋回走行しているときに姿勢を保持する姿勢保持制御(VSC)なども行なう。したがって、ブレーキシステム40は、運転者からのブレーキペダル64の踏み込みによって制動力を作用させる通常のブレーキ装置として機能する他、駆動輪34a,34bが空転してスリップが生じたときにはそのスリップを抑制するスリップ抑制装置としても機能する。ブレーキECU46は、メイン電子制御ユニット50と通信しており、メイン電子制御ユニット50からの制御信号によってブレーキアクチュエータ44を制御したり、必要に応じてブレーキアクチュエータ92の状態に関するデータや入力したデータをメイン電子制御ユニット50に出力する。なお、ブレーキECU46によるトラクションコントロール(TRC)は、従動輪速Vrl,Vrrの平均値としての車体速Vrと各駆動輪速Vfl,Vfrとの差であるスリップ速度が比較的小さな閾値Vs1(例えば、毎時5kmなど)以上となっている駆動輪にスリップが生じていると判定し、スリップを生じていると判定した駆動輪にスリップ速度が大きいほど大きな制動トルクが付与されるようブレーキアクチュエータ44を制御することにより行なわれる。
メイン電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に処理プログラムを記憶するROM54と、データを一時的に記憶するRAM56と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。メイン電子制御ユニット50には、回転位置検出センサ23からのモータ22の回転子の回転位置θmやインバータ24からモータ22への電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの相電流,シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSP,アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP,イグニッションスイッチ67からのイグニッション信号,運転者の操作によりオンされたときにブレーキECU46によるトラクションコントロール(TRC)が行なわれないようにする運転席前方に取り付けられたTRCオフスイッチ68からのオンオフ信号などが入力ポートを介して入力されている。メイン電子制御ユニット50からは、モータ22を駆動するインバータ24へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。メイン電子制御ユニット50は、ブレーキECU46と通信ポートを介して接続され各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
なお、実施例の電気自動車20では、上述したシフトポジションセンサ82により検出するシフトレバー81のポジションとしては、駐車ポジション(Pポジション)や中立ポジション(Nポジション),前進方向に走行するためのドライブポジション(Dポジション),後進方向に走行するためのリバースポジション(Rポジション)などがある。
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作について説明する。図2は、メイン電子制御ユニット50のCPU52により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
図2の駆動制御ルーチンが実行されると、メイン電子制御ユニット50のCPU52は、まず、アクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accやブレーキペダ
ルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP,モータ22の回転数Nm,モータ22からのトルクを制限するための最大駆動率βを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータ22の回転数Nmは、回転位置検出センサ23により検出されるモータ22の回転子の回転位置θmに基づいて計算されたものを入力するものとした。また、最大駆動率βは、後述する最大駆動率設定処理で設定されたものを入力するものとした。
こうして必要なデータを入力すると、アクセル開度AccとブレーキペダルポジションBPとモータ22の回転数Nmとに基づいて駆動軸28に要求される要求トルクTr*を設定し(ステップS110)、最大のアクセル開度Accと回転数Nmとに基づいて駆動軸28に要求されうる最大のトルクである最大要求トルクTrmaxを設定し(ステップ120)、最大駆動率βと最大要求トルクTrmaxとを乗ずることによりモータ22のトルク制限Tlimを設定する(ステップS130)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度AccまたはブレーキペダルポジションBPとモータ22の回転数Nmと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM54に記憶しておき、アクセル開度AccまたはブレーキペダルポジションBPと回転数Nmとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。なお、図3の要求トルク設定用マップは、シフトポジションSPがDポジションのときの前進走行時用のマップとして用いられ、シフトポジションSPがRポジションのときの後進走行時用のマップとしては、前進走行時用のマップに対して回転数Nmの符号と要求トルクTr*の符号が共に反転したものとなる。勿論、アクセル開度AccやブレーキペダルポジションBPに対する要求トルクTr*の大きさを、前進走行時用のマップと後進走行時用のマップとで異なるように設定するものとしてもよい。また、最大要求トルクTrmaxは、実施例では、同じ要求トルク設定用マップを用いて、アクセル開度Accとして最大のアクセル開度100%と回転数Nmとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出し最大要求トルクTrmaxとして設定するものとした。
続いて、設定した要求トルクTr*が値0以上であるか否かを判定する(ステップS140)。要求トルクTr*が値0以上のときには、トルク制限Tlimで要求トルクTr*を制限したトルクをモータ22のトルク指令Tm*として設定し(ステップS150)、設定したトルク指令Tm*でモータ22を制御して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。モータ22の制御は、トルク指令Tm*に相当するトルクがモータ22から出力されるようインバータ24のスイッチング素子をスイッチング制御することにより行なわれる。
要求トルクTr*が値0未満のときには、要求トルクTr*に相当する制動トルクを駆動輪34a,34bと従動輪36a,36bとに適切に配分して作用させると共にモータ22の回生制動力ができるだけ大きくなるようモータ22とブレーキアクチュエータ44との協調による制動制御を行なって(ステップS170)、本ルーチンを終了する。この制動制御は、実施例では、バッテリ26に余裕がないときには、要求トルクTr*に相当する制動トルクの全てがブレーキアクチュエータ44の作動(油圧ブレーキ)により作用するようモータ22のトルク指令Tm*に値0を設定して制御すると共にブレーキトルク指令Tb*を設定してブレーキECU46に送信し、バッテリ26に余裕があるときには、要求トルクTr*に相当する制動トルクにおけるモータ22の回生制動トルクと油圧ブレーキによる制動トルクとの最適な分担比をモータ22の回転数Nmと分担比との関係を予め定めたマップを用いて導出し、分担比に応じたトルク指令Tm*でモータ22を制御すると共に分担比に応じたブレーキトルク指令Tb*をブレーキECU46に送信するものとした。ブレーキトルク指令Tb*を受信したブレーキECU46は、ブレーキトルク指令Tb*のうち駆動輪側のブレーキトルク指令Tbf*に相当する制動トルクが駆動輪34a,34bに作用すると共に従動輪側のブレーキトルク指令Tbr*に相当する制動トルクが従動輪36a,36bに作用するようブレーキアクチュエータ44を制御する。
次に、最大駆動率設定処理について説明する。図4は、メイン電子制御ユニット50のCPU52により実行される最大駆動率設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンも、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
図4の最大駆動率設定処理ルーチンが実行されると、メイン電子制御ユニット50のCPU52は、まず、モータ22の回転数Nmや従動輪速Vrl,Vrrなど制御に必要なデータを入力し(ステップS200)、入力したモータ22の回転数Nmに駆動輪34a,34bの回転速度に換算するための換算係数Kwを乗ずることにより演算駆動輪速Vwを演算すると共にモータ22の回転数Nmから前回本ルーチンを実行したときに入力したモータ22の回転数Nmを減じたものに駆動輪34a,34bの回転角加速度に換算するための換算係数Ktを乗ずることにより演算駆動輪角加速度αtを演算する処理を実行する(ステップS210)。ここで、モータ22の回転数Nmは、回転位置検出センサ23により検出されるモータ22の回転子の回転位置θmに基づいて計算されたものを入力するものとし、従動輪速Vrl,Vrrは、ブレーキECU46から通信により入力するものとした。
こうして必要なデータを入力すると、従動輪速Vrl,Vrrが共に値0のときには車両が停止したものと判断して次に演算する推定車体速Veの積分値を値0にリセットし(ステップS220)、モータ22からのモータトルクTmとブレーキアクチュエータ94からの駆動輪側のブレーキトルクTbfとデファレンシャルギヤ32のギヤ比Gdと駆動輪34a,34bの慣性モーメントItと演算駆動輪角加速度αtと車両の質量Mと駆動輪34a,34bの半径Rtとに基づいて、車両が発進したときから現在までの次式(1)に示す積分演算により推定車体速Veを演算する(ステップS230)。ここで、モータトルクTmやブレーキトルクTbfは、実施例では、上述した駆動制御の処理でモータ22を制御するのに用いたトルク指令Tm*やブレーキアクチュエータ44を制御させるのに用いた駆動輪側のブレーキトルク指令Tbf*を用いたり実際にブレーキECU46における制御に使用したブレーキトルクをブレーキECU46から受信して用いるものとし、ギヤ比Gdや慣性モーメントIt,質量M,半径Rtについては予めROM54に記憶したものを用いるものとした。また、式(1)の積分演算による推定車体速Veは、実施例では、前回本ルーチンを実行したときまでに演算された推定車体速Veの積分値にモータトルクTmやブレーキトルクTbf,演算駆動輪角加速度αtに基づいて計算された値を加減算することにより演算するものとした。なお、式(1)は、車両全体の運動方程式と駆動輪34a,34bの運動方程式とにより求めることができる。
Ve=∫[(Tm/Gd+Tbf)-It・αt]・dt /(M・Rt) (1)
続いて、演算駆動輪速Vwから演算した推定車体速Veを減ずることにより駆動輪34a,34bのスリップ速度Vsを計算し(ステップS240)、スリップ速度Vsが閾値Vs2以上であるか否かを判定し(ステップS250)、スリップ速度Vsが閾値Vs2未満のときには、モータ22からのトルクを制限しないよう最大駆動率βに比率100%を設定して(ステップS270)、本ルーチンを終了する。ここで、閾値Vs2は、駆動輪34a,34bに大きなスリップが生じているか否かを判定してスリップを抑制すべきか否かを判断するための閾値であり、実施例では、ブレーキECU46によるトラクションコントロール(TRC)で用いる比較的小さな閾値Vs1より十分大きな値(例えば、毎時15kmなど)を用いるものとした。
スリップ速度Vsが閾値Vs2以上のときには、駆動輪34a,34bに大きなスリップが生じているためにスリップを抑制すべきと判断し、推定車体速Veとスリップ速度Vsとに基づいて最大駆動率βを設定して(ステップ270)、本ルーチンを終了する。ここで、最大駆動率βは、実施例では、推定車体速Veとスリップ速度Vsと最大駆動率βとの関係を予め定めて最大駆動率設定用マップとしてROM54に記憶しておき、推定車体速Veとスリップ速度Vsとが与えられると記憶したマップから対応する最大駆動率βを導出して設定するものとした。図5に最大駆動率設定用マップの一例を示す。図示するように、最大駆動率βは、スリップの程度が大きいほどモータ22のトルク制限Tlimが小さく設定されるようスリップ速度Vsが大きいほど小さくなる傾向に定められている。上述した駆動制御の処理では、こうして設定された最大駆動率βに基づくモータ22のトルク制限Tlimを用いて、モータ22の駆動制限をもってスリップを抑制するのである。
図6にブレーキシステム40によるトラクションコントロール(TRC)とモータ22の駆動制限とにより抑制するスリップの範囲を概念的に説明する説明図を示す。図示するように、スリップ速度が閾値Vs2未満のスリップに対してはブレーキシステム40によって抑制することができ、スリップ速度が閾値Vs2以上のスリップに対してはブレーキシステム40とモータ22の駆動制限とによりスリップを抑制することができる。なお、スリップ速度がVs1未満の範囲は、車両の加速用に許容すべき範囲であるからスリップとは判断されない。したがって、ブレーキシステム40が備える車輪速センサ41a〜41dのいずれかの故障やブレーキECU46に異常などが生じてトラクションコントロール(TRC)が行なわれないときでも、モータ22の駆動制限によりスリップを抑制することができる。この結果、スリップによる不安定な走行やモータ22の過回転による破損などを抑制することができる。また、運転者の操作によりTRCオフスイッチ68がオンとされ、ブレーキシステム40によるトラクションコントロール(TRC)が行なわれないときでも、モータ22の駆動制限によりスリップを抑制することができる。しかも、走行に用いられたモータトルクTmやブレーキトルクTbf,モータ22の回転数Nmだけを用いてスリップを判定してモータ22の駆動制限をもってスリップを抑制するから、簡易な構成によりスリップを抑制することができる。
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、走行に用いられたトルクとモータ22の回転数だけを用いてスリップを判定してモータ22の駆動制限をもってスリップを抑制するから、簡易な構成によりスリップを抑制することができる。また、ブレーキシステム40によるトラクションコントロール(TRC)とモータ22の駆動制限とによってスリップを抑制するから、複数の装置によりスリップを抑制することができる。さらに、ブレーキシステム40によるトラクションコントロール(TRC)が作動しないようオフされたときでも、モータ22の駆動制限をもってスリップを抑制するから、車両が不安定になることや機器の破損などを抑制することができる。
実施例の電気自動車20では、図4の最大駆動率設定処理ルーチンにより推定車体速Veを演算すると共にスリップ速度Vsを計算してスリップを判定するものとしたが、推定車体速Veやスリップ速度Vsに各種調整を加えるものとしてもよい。図7は、変形例の最大駆動率設定処理ルーチンを示すフローチャートである。この図7の最大駆動率設定処理ルーチンでは、モータ22の回転数Nmや従動輪速Vrl,Vrr,ブレーキトルクTbf,シフトポジションセンサ62からのシフトポジションSP,路面勾配を検出する図示しない勾配センサからの路面勾配θなどのデータを入力し(ステップS300)、入力したモータ22の回転数Nmに基づいて演算駆動輪速Vwと演算駆動輪角加速度αtを演算する(ステップS310)。ここで、ブレーキトルクTbfは、ブレーキトルク指令Tb*に基づいてブレーキECU46により駆動輪34a,34bに出力したブレーキトルクをブレーキECU46から通信により入力するものとした。なお、モータ22の回転数Nmや従動輪速Vrl,Vrrの入力や演算駆動輪速Vwと演算駆動輪角加速度αtの演算については前述した。
次に、入力した従動輪速Vrl,Vrrが値0か否かを判定し(ステップS320)、従動輪速Vrl,Vrrが共に値0のときには推定車体速Veの値0にリセットする(ステップS330)。
従動輪速Vrl,Vrrが値0でないときには、演算した演算駆動輪速Vwに基づいてブレーキトルク反映係数Kを設定すると共に(ステップS340)、シフトポジションSPが前進走行可能なポジション(Dポジション)のときには設定したブレーキトルク反映係数KとブレーキトルクTbfと要求トルクTr*とに基づいて次式(2)によりブレーキトルクTbfを調整し、シフトポジションSPが後進走行可能なポジション(Rポジション)のときには設定したブレーキトルク反映係数KとブレーキトルクTbfと要求トルクTr*とに基づいて次式(3)によりブレーキトルクTbfを調整し(ステップS350)、調整したブレーキトルクTbfとモータトルクTmと演算駆動輪加速度αtとに基づいて上述した式(1)により推定車体速Veを演算する(ステップS360)。ここで、ブレーキトルク反映係数Kは、実施例では、演算駆動輪速Vwとブレーキトルク反映係数Kとの関係を予め求めてブレーキトルク反映係数設定用マップとしてROM54に記憶しておき、演算駆動輪速Vwが与えられるとマップから対応するブレーキトルク反映係数Kを導出して設定するものとした。このブレーキトルク反映係数設定用マップの一例を図8に示す。ブレーキトルク反映係数Kは、図示するように、演算駆動輪速Vwが負の値V1(例えば時速−5km)以下のときには値−1が設定され、演算駆動輪速Vwが正の値V2(例えば時速5km)以上のときには値1が設定され、演算駆動輪速Vwが値V1よりも大きく値V2よりも小さいときには値0に近づくほどレートをもって徐々に値0に近づき、演算駆動輪速Vwが値V1よりも大きい値V3(例えば時速−1km)以上で値V2よりも小さい値V4(例えば時速1km)以下のときには値0が設定される。ここで、演算駆動輪速Vwが負の値のときに負のブレーキトルク反映係数Kを設定するのは、ブレーキトルクTbfは車両が前進か後進かに拘わらず負の値となるから、車両の後進時に符号を反転させるためである。また、演算駆動輪速Vwが値V3以上で値V4以下のときにブレーキトルク反映係数に値0を設定するのは、車両が停止しても運転者がブレーキペダル65を踏み込んでいる間はブレーキトルクTbfは値0とはならないため、ブレーキトルクTbfをそのまま用いて前述した式(1)により推定車体速Veを演算すると、車両が停止しているにも拘わらず演算される推定車体速Veは値0とはならないからである。さらに、演算駆動輪速Vwが値V1よりも大きく値V2よりも小さいときには値0に近づくほどブレーキトルク反映係数Kをレートをもって徐々に値0に近づけるのは、駆動輪速Vwの値0付近の変化によってブレーキトルクTbfの変化が不連続になるのを防止するためである。ただし、ブレーキトルク反映係数KによってブレーキトルクTbfを調整したときに、調整後のブレーキトルクTbfとモータトルクTm/Gdとの和のトルク(車両全体に作用するトルク)と調整前のブレーキトルクTbfとモータトルクTm/Gdとの和のトルクとの符号が反転しないよう前進走行時用の式(2)と後進走行時用の式(3)とによりブレーキトルクTbfの調整に制限を設けている。
Tbf=max(Tbf,min(Tbf・K,-Tm/Gd)) (2)
Tbf=max(-Tbf,min(Tbf・K,Tm/Gd)) (3)
こうして推定車体速Veを演算すると、後述するステップS440のスリップ判定によりスリップが発生したときに値1が設定されスリップが発生していないとき(または発生したスリップが収束したとき)に値0が設定されるスリップ判定フラグFsの値を調べ(ステップS370)、スリップ判定フラグFsが値1のときには入力した路面勾配θに基づいてオフセット量ΔVeを設定し(ステップS380)、スリップ判定フラグFsが値0のときにはオフセット量ΔVeに値0を設定し(ステップS390)、設定したオフセット量ΔVeだけ演算した推定車体速Veをオフセットすることにより推定車体速Veを調整する(ステップS400)。ここで、オフセット量ΔVeは、実施例では、路面勾配θとオフセット量ΔVeとの関係を実験などから予め求めてオフセット量設定用マップとしてROM54に記憶しておき、路面勾配θが与えられるとマップから対応するオフセット量ΔVeを導出して設定するものとした。このオフセット設定用マップの一例を図9に示す。オフセット量ΔVeは、図示するように、路面勾配θが勾配θ1から勾配θ2の範囲内で平坦路とみなせるときには負の値Vrefが設定され、路面勾配θが勾配θ1未満で降り勾配のときには急勾配となるほど大きな値が設定され、路面勾配θが勾配θ2よりも大きく登り勾配のときには急勾配となるほど小さな値が設定される。推定車体速Veの演算に用いる上述した式(1)は、路面勾配θの項が含まれていないから、演算される推定車体速Veには路面勾配θに起因する誤差が含まれることになる。したがって、路面勾配θに基づいてオフセット量ΔVeを設定してこのオフセット量ΔVeで推定車体速Veを調整することにより、路面勾配θに起因して推定車体速Veに含まれる誤差を打ち消すことができる。なお、図中の「Vref」は、平坦路を走行している車両の駆動部のロスや走行抵抗に起因して演算される推定車体速Veに含まれることになる誤差を打ち消すための量である。図10に、路面勾配θと調整前の推定車体速Veとオフセット量ΔVeと調整後の推定車体速Veの時間変化の様子を示す。図示するように、調整前の推定車体速Veは、路面勾配θの変化に応じて変動するが、この変動分を丁度打ち消すようにオフセット量ΔVeを設定して推定車体速Veをオフセットさせることにより、路面勾配θに起因して推定車体速Veに含まれる誤差(図中の実車速Verealとの偏差)をなくすことができる。
こうして推定車体速Veを調整すると、演算駆動輪速Vwから推定車体速Veを減じたものを仮スリップ速度Vstmpとして計算し(ステップS410)、シフトポジションSPとシフトポジションSPが変更されてからの経過時間tとに基づいて上下限ガード値としてのスリップ速度制限値Vsmax,Vsminを設定し(ステップS420)、計算した仮スリップ速度Vstmpをスリップ速度制限値Vsmax,Vsminで制限してスリップ速度Vsを設定する(ステップS430)。スリップ速度制限値Vsmax,Vsminは、実施例では、シフトポジションSPとシフトポジションSPが変更されてからの経過時間tとスリップ速度制限値Vsmax,Vsminとの関係を予め求めてスリップ速度制限値設定用マップとしてROM54に記憶しておき、シフトポジションSPと経過時間tとが与えられるとマップから対応するスリップ速度制限値Vsmax,Vsminを導出して設定するものとした。このマップの一例を図11〜図14に示す。図11は、シフトポジションSPがPポジションやNポジション,RポジションからDポジションに変更されたときの変更時からの経過時間tとスリップ速度制限値Vsmaxとの関係を示し、図12は、シフトポジションSPがDポジションからPポジションや,Nポジション,Rポジションに変更されたときの変更時からの経過時間tとスリップ速度制限値Vsmaxとの関係を示し、図13は、シフトポジションSPがPポジションやNポジション,DポジションからRポジションに変更されたときの変更時からの経過時間tとスリップ速度制限値Vsminとの関係を示し、図14は、シフトポジションSPがRポジションからPポジションやNポジション,Dポジションに変更されたときの変更時からの経過時間tとスリップ速度制限値Vsminとの関係を示す。また、図示しないが、上述したシフトポジションSPの変更パターン以外のパターンについては経過時間tに関係なくスリップ速度制限値Vsmax,Vsminに値0又は値0近傍の値が設定される。実施例では、シフトポジションSPがPポジションやNポジションのときのスリップ速度制限値Vsmax,Vsminには値0が設定され、シフトポジションSPがDポジションのときのスリップ速度制限値Vsminには時速−2kmや時速−3km,時速−5kmなどの値0近傍の負の値が設定され、シフトポジションSPがRポジションのときにスリップ速度制限値Vsmaxには時速2kmや時速3km,時速5kmなどの値0近傍の正の値が設定されるものとした。また、図11および図12中の「V1」は前進走行時に駆動輪34a,34bにスリップが生じてもスリップ速度Vsがこれを上回らないよう十分大きな正の値(例えば時速100kmや時速120km)に設定され、図13および図14中の「V2」は後進走行時に駆動輪34a,34bにスリップが生じてもスリップ速度Vsがこれを下回らないよう十分小さな負の値(例えば時速−100kmや時速−120km)に設定されている。また、図11中の「T1」はスリップ速度制限値Vsmaxを徐々に値V1まで大きくするレート処理に要する時間であり、図12中の「T2」はスリップ速度制限Vsmaxを値V1から徐々に小さくするレート処理に要する時間であって時間T1より長い時間として(スリップ速度制限Vsmaxが緩やかに変化するよう)定められている。また、図13中の「T3」はスリップ速度制限値Vsminを値V2まで徐々に小さくするレート処理に要する時間であり、図14中の「T4」はスリップ速度制限値Vsminを値V2から徐々に大きくするレート処理に要する時間であって時間T3よりも長い時間として定められている。なお、「T1」と「T3」は、運転者によりアクセルペダル63が比較的大きく踏み込まれたときのスリップ速度Vsに基づくスリップの判定を妨げない範囲で設定され、「T2」と「T4」は、スリップが発生したときに運転者によりアクセルペダル63が踏み戻されたときに発生したスリップを抑制可能な範囲内で設定されている。このようにシフトポジションSPがDポジションのときのスリップ速度制限値VsmaxとRポジションのときのスリップ速度制限値Vsminを除いてスリップ速度制限値Vsmax,Vsminを値0またはその近傍の値に設定して、このスリップ速度制限値Vsmax,Vsminで仮スリップ速度Vstmpを制限したものとしてスリップ速度Vsを設定することにより、スリップ速度VsがシフトポジションSPに対して通常取り得ない値に設定されるのを防止しているのである。
図15に、シフトポジションSPとスリップ速度制限値Vsmax,Vsminの時間変化の様子を示す。図示するように、シフトポジションSPがPポジションのときにはスリップ速度制限値Vsmax,Vsminは共に値0が設定されている。この状態からシフトポジションSPがPポジションからDポジションに変更されると(時刻t1)、スリップ速度制限値Vsminは値0近傍の負の値となりスリップ速度制限Vsmaxは比較的高いレートで時間の経過と共に大きくなって値V1となる。そして、シフトポジションSPがDポジションからNポジションに変更されると(時刻t2)、スリップ速度制限値Vsminは値0となりスリップ速度制限Vsmaxは値V1から値0に向けて比較的低いレートで時間の経過と共に徐々に小さくなって値0となる。また、シフトポジションSPがNポジションからRポジションに変更されると(時刻t3)、スリップ速度制限Vsmaxは値0近傍の正の値となりスリップ速度制限値Vsminは比較的高いレートで時間の経過と共に小さくなって値V2となり、この状態からシフトポジションSPがRポジションからDポジションに変更されると(時刻t4)、スリップ速度制限Vsmaxは比較的高いレートで時間の経過と共に大きくなって値V1となりスリップ速度制限値Vsminは比較的低いレートで時間の経過と共に大きくなって値0近傍の正の値となる。
スリップ速度Vsを設定すると、設定したスリップ速度Vsと上述した閾値Vs2とを比較し(ステップS440)、スリップ速度Vsが閾値Vs2以上のときには、駆動輪34a,34bにスリップが発生していると判断し、スリップ発生フラグFsを値1に設定すると共に(ステップS450)、モータ22から出力されるトルクが制限されるようスリップ速度Vsと推定車体速Veとに基づいてモータ22の最大駆動率βを設定して(ステップS460)、本ルーチンを終了する。一方、スリップ速度Vsが閾値Vs2未満のときには、スリップは発生していないか発生したスリップは収束したと判断し、スリップ発生フラグFsに値0を設定すると共に(ステップS470)、モータ22の最大駆動率βを100%に設定して(ステップS480)、本ルーチンを終了する。
このように図7の最大駆動率設定処理ルーチンを実行することにより、車両の停止時にもブレーキトルクTbfが値0とはならないことに起因して上述した式(1)により演算される推定車体速Veに含まれる誤差や路面勾配θの項が式(1)に含まれないことに起因して式(1)により演算される推定車体速Veに含まれる誤差,その他の誤差を除去するから、推定車体速度Veやスリップ速度Vsをより信頼性のあるものとすることができる。この結果、スリップ速度Vsに基づくスリップの判定をより適正に行なうことができる。もとより、このスリップの判定に基づいてスリップが発生したときには、ブレーキシステム40によるトラクションコントロール(TRC)とモータ22の駆動制限とによりスリップを抑制することができる。
この変形例では、主として、図4の最大駆動率設定処理ルーチンの処理に、図7の最大駆動率設定処理ルーチンのステップS340,S350で演算駆動輪速Vwに応じたブレーキトルク反映係数Kを用いてブレーキトルクTbfを調整する処理と、ステップS370〜S390で路面勾配θに応じたオフセット量ΔVeに基づいて推定車体速Veを調整する処理と、ステップS410〜S430でシフトポジションSPに応じたスリップ速度制限値Vsmax,Vsminで仮スリップ速度Vstmpを制限してスリップ速度Vsを設定する処理とを加えるものとしたが、これらの3つの処理のうちいずれか1つまたは2つを省略するものとしてもよい。
変形例では、路面勾配θが平坦路とみなせるときには値0よりも若干小さな負の値Vrefをオフセット量ΔVeに設定するものとしたが、値0のオフセット量ΔVeを設定するものとしてもよい。
変形例では、図7の最大駆動率設定処理ルーチンのステップS370〜S430に示すように路面勾配θに基づいてオフセット量ΔVeを設定すると共に式(1)により演算された推定車体速Veにオフセット量ΔVeを加算することにより推定車体速Veを調整し駆動輪速Vwから調整した推定車体速Veを減じたものに基づいてスリップ速度Vsを設定するものとしたが、路面勾配θに基づいてオフセット量ΔVeを設定すると共に駆動輪速Vwと式(1)により演算された推定車体速Veとオフセット量ΔVeとに基づいてスリップ速度Vsを直接調整するものとしてもよい。ただし、後者の場合でも駆動輪速Vwから式(1)により演算された推定車体速Veとオフセット量ΔVeと和を減じたものに基づいてスリップ速度Vsを設定することになるから、結果的に前者と処理と同じ処理となる。
変形例では、図11〜図14に示すように、スリップ速度制限値Vsmaxを値V1まで大きくするときのレートとスリップ速度制限Vsmaxを値0に向けて小さくするときのレートとで異なるレートを用いるものとし、スリップ速度制限値Vsminを値V2まで小さくするときのレートとスリップ速度制限値Vsminを値0に向けて大きくするときのいレートとで異なるレートを用いるものとしたが、同一のレートを用いるものとしてもよく、こうしたレート処理によることなくスリップ速度制限値Vsmax,Vsminを一度に変更するものとしても構わない。
また、変形例では、ステップS360で演算した推定車体速VeをステップS370〜S400により路面勾配θに基づくオフセット量ΔVeで調整すると共にステップS410により推定車体速Veと演算駆動輪速Vwとの偏差をとって仮スリップ速度Vstmpを計算するものとしたが、ステップS360で演算した推定車体速Veと演算駆動輪速Vwとの偏差をとって仮スリップ速度Vstmpを予め演算しておき、この演算した仮スリップ速度Vstmpに対して路面勾配θに基づくオフセット量で調整するものとしてもよい。この場合の変形例の最大駆動率設定処理ルーチンを図16に示す。図16の最大駆動率設定処理ルーチンでは、図7の最大駆動率設定処理ルーチンと同一の処理については同一のステップ番号を付し、同一ではないが対応する処理については同一のステップ番号に「B」の記号を付した。この図16の最大駆動率設定処理ルーチンでは、ステップS320で従動輪速Vrl,Vrrが値0でないと判定されたとき、ステップS360で推定車体速Veを演算すると、演算駆動輪速Vwから推定車体速Veを減じたものを仮スリップ速度Vstmpとして計算する(ステップS365)。そして、スリップ判定フラグFsの値を調べ(ステップS370)、スリップ判定フラグFsが値1のときには入力した路面勾配θに基づいてオフセット量ΔVsを設定し(ステップS380B)、スリップ判定フラグFsが値0のときにはオフセット量ΔVsに値0を設定し(ステップS390B)、設定したオフセット量ΔVsだけ計算した仮スリップ速度Vstmpをオフセットすることにより仮スリップ速度Vstmpを調整する処理を行なう(ステップS400B)。ここで、オフセット量ΔVsは、仮スリップ速度Vstmpを調整するための調整量であり、実施例では、路面勾配θとオフセット量ΔVsとの関係を実験などから予め求めてマップとしてROM54に記憶しておき、路面勾配θが与えられるとマップから対応するオフセット量ΔVsを導出するものとした。このマップの傾向としては、図9のオフセット量設定用マップと同様の傾向とすることができるが、仮スリップ速度Vstmpは演算駆動輪速Vwから推定車体速Veを減じたものとして計算したから、図9のマップに対して符号が反転した傾向となる。ステップS320で従動輪速Vrl,Vrrが値0と判定されたときには、仮スリップ速度Vstmpを値0にリセットする(ステップS330B)。こうして仮スリップ速度Vstmpを設定すると、ステップS420以降の処理を行なって本ルーチンを終了する。したがって、この図16の最大駆動率設定処理ルーチンでも図7の最大駆動率設定処理ルーチンと同様の効果を奏することができる。
実施例の電気自動車20では、スリップ速度Vsが閾値Vs2以上のときには、スリップ速度Vsが大きいほど小さくなる傾向に最大駆動率βを設定するものとしたが、最大駆動率βとして比率100%未満の所定値を設定するものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、従動輪速Vrl,Vrrが共に値0のときには推定車体速Veの積分値を値0にリセットするものとしたが、従動輪速Vrl,Vrrの値に拘わらず推定車体速Veの積分値を値0にリセットしないものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、TRCオフスイッチ68を備えるものとしたが、TRCオフスイッチ68を備えないものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、ブレーキシステム40を備えると共にスリップ速度Vsがブレーキシステム40によりスリップと判定する比較的小さな閾値Vs1より十分大きな閾値Vs2以上のスリップをモータ22の駆動制限をもって抑制するものとしたが、スリップ速度Vsが閾値Vs1より若干大きな閾値Vs2以上のスリップをモータ22の駆動制限をもって抑制するものとしてもよいし、ブレーキシステム40を備えないで閾値Vs1と関係なく定めた閾値Vs2以上のスリップをモータ22の駆動制限をもって抑制するものとしてもよい。
実施例では、駆動軸28に動力を入出力可能なモータ22を備える電気自動車20に適用して説明したが、図17の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、遊星歯車機構126を介して駆動軸28に動力を出力するエンジン122とモータ124と、駆動軸28に動力を入出力可能なモータ22とを備える車両に適用するものとしてもよいし、図18の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン222と、エンジン222のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動軸28に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン222の動力の一部を駆動軸28に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230と、駆動軸28に動力を入出力可能なモータ22とを備える車両に適用するものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、駆動輪34a,34bにデファレンシャルギヤ32を介して接続された駆動軸28に動力を入出力可能なモータ22が「動力源」に相当し、回転位置検出センサ23により検出されたモータ22の回転子の回転位置θmに基づいてモータ22の回転数Nmを計算するメイン電子制御ユニット50が「回転速度検出手段」に相当し、モータ22の回転数Nmから前回回転数Nmを減じたものに駆動輪34a,34bの回転角加速度に換算するための換算係数Ktを乗ずることにより演算駆動輪角加速度αtを演算するS210の処理を実行するメイン電子制御ユニット50が「回転角加速度演算手段」に相当し、モータ22の回転数Nmに駆動輪34a,34bの回転速度に換算するための換算係数Kwを乗ずることにより演算駆動輪速Vwを演算するS210の処理を実行するメイン電子制御ユニット50が「駆動輪回転速度演算手段」に相当し、モータトルクTmとブレーキトルクTbfとギヤ比Gdと慣性モーメントItと演算駆動輪角加速度αtと車両の質量Mと半径Rtとに基づいて車両が発進したときから現在までの積分演算により推定車体速Veを演算するS230の処理を実行するメイン電子制御ユニット50が「推定車体速演算手段」に相当し、演算駆動輪速Vwから演算した推定車体速Veを減ずることにより駆動輪34a,34bのスリップ速度Vsを計算してスリップ速度Vsが閾値Vs2以上であるか否かにより大きなスリップが生じているか否かを判定するS240,S250の処理を実行するメイン電子制御ユニット50が「所定スリップ判定手段」に相当し、スリップ速度Vsが閾値Vs2未満のときに最大駆動率βに比率100%を設定すると共にスリップ速度Vsが閾値Vs2以上のときに推定車体速Veとスリップ速度Vsとに基づいて最大駆動率βを設定するS250〜S270の処理と設定した最大駆動率βに基づくS100〜S170の駆動制御の処理を実行するメイン電子制御ユニット50が「制御手段」に相当する。また、ブレーキアクチュエータ44からの油圧によりスリップを抑制するブレーキシステム40が「スリップ抑制装置」に相当し、運転席前方に取り付けられたTRCオフスイッチ68が「スリップ抑制装置オフスイッチ」に相当し、駆動軸28に接続されたモータ22が「電動機」に相当する。なお、実施例の要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、実施例の要素をもって課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明のついての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
実施例では、電気自動車20に適用して説明したが、列車などの自動車以外の車両に適用するものとのしてもよいし、自動車や列車を含む車両の制御方法の形態としても構わない。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例である電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のメイン電子制御ユニット50により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 実施例のメイン電子制御ユニット50により実行される最大駆動率設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 最大駆動率設定用マップの一例を示す説明図である。 ブレーキシステム40によるトラクションコントロール(TRC)とモータ22の駆動制限とにより抑制するスリップの範囲を概念的に説明する説明図である。 変形例の最大駆動率設定処理ルーチンを示すフローチャートである。 ブレーキトルク反映係数設定用マップの一例を示す説明図である。 オフセット設定用マップの一例を示す説明図である。 路面勾配θと調整前の推定車体速Veとオフセット量ΔVeと調整後の推定車体速Veの時間変化の様子を示す説明図である。 シフトポジションSPがPポジションやNポジション,RポジションからDポジションに変更されたときの変更時からの経過時間tとスリップ速度制限値Vsmaxとの関係を示す説明図である。 シフトポジションSPがDポジションからPポジションや,Nポジション,Rポジションに変更されたときの変更時からの経過時間tとスリップ速度制限値Vsmaxとの関係を示す説明図である。 シフトポジションSPがPポジションやNポジション,DポジションからRポジションに変更されたときの変更時からの経過時間tとスリップ速度制限値Vsminとの関係を示す説明図である。 シフトポジションSPがRポジションからPポジションやNポジション,Dポジションに変更されたときの変更時からの経過時間tとスリップ速度制限値Vsminとの関係を示す説明図である。 シフトポジションSPとスリップ速度制限値Vsmax,Vsminの時間変化の様子を示す説明図である。 変形例の最大駆動率設定処理ルーチンを示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20 電気自動車、22 モータ、23 回転位置検出センサ、24 インバータ、26 バッテリ、28 駆動軸、32 デファレンシャルギヤ、34a,34b 駆動輪、36a,36b 従動輪、40 ブレーキシステム、41a〜41d 車輪速センサ、42 ブレーキマスタシリンダ、44 ブレーキアクチュエータ、45a〜45d ブレーキホイールシリンダ、46 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、50 メイン電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、61 シフトレバー、62 シフトポジションセンサ、63 アクセルペダル、64 アクセルペダルポジションセンサ、65 ブレーキペダル、66 ブレーキペダルポジションセンサ、67 イグニッションスイッチ、68 TRCオフスイッチ、120,220 ハイブリッド自動車、122 エンジン、124 モータ、126 遊星歯車機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ。

Claims (22)

  1. 駆動輪に接続された駆動軸に走行用の動力を出力する動力源と、
    前記駆動軸の回転速度である駆動軸回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記検出された駆動軸回転速度に基づいて前記駆動輪の回転角加速度である演算駆動輪回転角加速度を演算する回転角加速度演算手段と、
    前記検出された駆動軸回転速度に基づいて前記駆動輪の回転速度である演算駆動輪回転速度を演算する駆動輪回転速度演算手段と、
    走行に用いられた駆動力と前記演算された演算駆動輪回転角加速度とに対して積分演算を用いて車体の推定される速度である推定車体速を演算する推定車体速演算手段と、
    前記演算された推定車体速から推定される前記駆動輪の回転速度と前記演算された演算駆動輪回転速度とに基づいて該駆動輪の空転による所定のスリップを判定する所定スリップ判定手段と、
    前記所定スリップ判定手段により前記所定のスリップが判定されていないときには走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記動力源から出力されて走行するよう該動力源を制御し、前記所定スリップ判定手段により前記所定のスリップが判定されているときには前記動力源の駆動制限をもって前記要求駆動力に基づく駆動力が前記動力源から出力されて走行するよう該動力源を制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 請求項1記載の車両であって、
    前記駆動輪の回転速度である駆動輪回転速度に基づいて該駆動輪の空転によるスリップを判定すると共に該スリップが判定されたときには前記駆動輪に制動力を付与することにより該駆動輪のスリップを抑制するスリップ抑制装置を備え、
    前記所定のスリップは、スリップしている車輪の車輪速から車体速に対応する車輪速を減じた速度であるスリップ速度が前記スリップ抑制装置によりスリップと判定されるスリップ速度の下限より大きなスリップ速度以上のスリップである
    車両。
  3. 運転席近傍に設けられ、前記スリップ抑制装置の作動をオフするスリップ抑制装置オフスイッチを備える請求項2記載の車両。
  4. 前記推定車体速演算手段は、前記走行に用いられた駆動力と前記演算された演算駆動輪回転角加速度に前記駆動輪の慣性モーメントを乗じたものとの差を時間積分することにより前記推定車体速を演算する手段である請求項1ないし3いずれか記載の車両。
  5. 前記推定車体速演算手段は、車体速に対応する車輪速が値0となったときに時間積分による積分値を値0にリセットする手段である請求項4記載の車両。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の車両であって、
    前記駆動輪に制動力を付与する制動力付与手段を備え、
    前記推定車体速演算手段は、前記走行に用いられた駆動力として前記動力源から出力された駆動力と前記制動力付与手段から出力された制動力との和の駆動力を用いて前記推定車体速を演算する手段である
    車両。
  7. 前記推定車体速演算手段は、前記制動力付与手段から出力された制動力を前記演算された演算駆動輪回転速度に基づいて補正して推定車体速演算用の制動力を設定し、前記動力源から出力された駆動力と該推定車体速演算用の制動力との和の駆動力を用いて前記推定車体速を演算する手段である請求項6記載の車両。
  8. 前記推定車体速演算手段は、前記演算された演算駆動輪回転速度の正負の符号の変化に対して正負の符号を変化させて前記推定車体速演算用の制動力を設定する手段である請求項7記載の車両。
  9. 前記推定車体速演算手段は、前記演算された演算駆動輪回転速度が値0を含む第1の所定範囲内にあるときには値0の前記演算車体速演算用の制動力を設定する手段である請求項7または8記載の車両。
  10. 前記推定車体速演算手段は、前記演算された演算駆動輪回転速度が前記第1の所定範囲を含む第2の所定範囲内にあるときには該演算駆動輪回転速度の変化に対して徐々に値が変化するよう前記演算車体速演算用の制動力を設定する手段である請求項9記載の車両。
  11. 前記所定スリップ判定手段は、前記演算された推定車体速と路面勾配と前記演算された演算駆動輪回転速度とに基づいて前記所定のスリップを判定する手段である請求項1ないし10いずれか記載の車両。
  12. 前記所定スリップ判定手段は、前記演算された推定車体速を前記路面勾配に基づいて補正し、該補正した推定車体速と前記演算駆動輪回転速度とに基づいて前記所定のスリップを判定する手段である請求項11記載の車両。
  13. 前記所定スリップ判定手段は、前記路面勾配によって前記演算された推定車体速に含まれる誤差が打ち消されるよう該推定車体速を補正する手段である請求項12記載の車両。
  14. 前記所定スリップ判定手段は、前記駆動輪の空転による前記所定のスリップが判定されているときには、前記路面勾配に基づく前記演算された推定車体速の補正を行なわない手段である請求項12または13記載の車両。
  15. 前記所定スリップ判定手段は、前進走行可能なポジションと後進走行可能なポジションとを含む複数のシフトポジションから運転者により選択されたシフトポジションに基づく上下限値をもって前記推定車体速と前記演算駆動輪回転速度との偏差としてのスリップ速度を制限し、該制限したスリップ速度に基づいて前記駆動輪の空転による前記所定のスリップを判定する手段である請求項1ないし14いずれか記載の車両。
  16. 前記所定スリップ判定手段は、前記シフトポジションが前記前進走行可能なポジションおよび前記後進走行可能なポジション以外のポジションのときには値0の上下限値をもって前記スリップ速度を制限し、前記シフトポジションが前記前進走行可能なポジションのときには第1所定値の上限値と値0または値0近傍の負の値の下限値をもって前記スリップ速度を制限し、前記シフトポジションが前記後進走行可能なポジションのときには値0または値0近傍の正の値の上限値と第2所定値の下限値をもって前記スリップ速度を制限する手段である請求項15記載の車両。
  17. 前記所定スリップ判定手段は、前記シフトポジションが変更されたとき、レート処理をもって前記上下限値を変更する手段である請求項16記載の車両。
  18. 前記所定スリップ判定手段は、前記シフトポジションが前記前進走行可能なポジションに変更されたときには、第1のレートをもって徐々に前記第1所定値まで大きくして前記上限値を設定し、前記シフトポジションが前記前進走行可能なポジションから他のポジションに変更されたときには、前記第1のレートよりも小さな第2のレートをもって徐々に前記第1所定値から小さくして前記上限値を設定する手段である請求項17記載の車両。
  19. 前記所定スリップ判定手段は、前記シフトポジションが前記後進走行可能なポジションに変更されたときには、第3のレートをもって徐々に前記第2所定値まで小さくして前記下限値を設定し、前記シフトポジションが前記後進走行可能なポジションから他のポジションに変更されたときには、前記第3のレートよりも小さな第4のレートをもって徐々に前記第2所定値から大きくして前記下限値を設定する手段である請求項17または18記載の車両。
  20. 前記制御手段は、スリップが大きいほど大きな駆動制限をもって前記動力源を制御する手段である請求項1ないし19いずれか記載の車両。
  21. 請求項1ないし20いずれか記載の車両であって、
    前記動力源は、前記駆動軸に接続された電動機を含み、
    前記回転速度検出手段は、前記電動機の回転子の回転位置を検出すると共に該検出した回転位置を用いて前記駆動軸回転速度を演算する手段である
    車両。
  22. 駆動輪に接続された駆動軸に走行用の動力を出力する動力源を備える車両の制御方法であって、
    走行に用いられた駆動力と前記駆動軸の回転速度である駆動軸回転速度に基づく前記駆動輪の回転角加速度とに対して積分演算を用いて車体の推定される速度である推定車体速を演算し、
    前記推定車体速から推定される前記駆動輪の回転速度と前記駆動軸回転速度に基づく前記駆動輪の回転速度とに基づいて前記駆動輪の空転による所定のスリップを判定し、
    前記所定のスリップが判定されていないときには走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が前記動力源から出力されて走行するよう該動力源を制御し、前記所定のスリップが判定されているときには前記動力源の駆動制限をもって前記要求駆動力に基づく駆動力が前記動力源から出力されて走行するよう該動力源を制御する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
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