JP2007169200A - インフルエンザ感染予防のための医薬及び飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 副作用がほとんど無く、自然免疫を活性化させ、抵抗性を高めることによりインフルエンザ感染症の症状を軽減又は治療することが可能な、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物を有効成分とするインフルエンザ感染予防剤を提供する。
【解決手段】 ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物、特にビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株菌体を有効成分とするインフルエンザ感染予防剤、および、当該インフルエンザ感染予防剤を含有する飲食品。
【選択図】 なし
【解決手段】 ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物、特にビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株菌体を有効成分とするインフルエンザ感染予防剤、および、当該インフルエンザ感染予防剤を含有する飲食品。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高齢者のインフルエンザ感染予防に有効なビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)BB536を有効成分とするインフルエンザ感染予防のための医薬及び飲食品に関する。
現在、日本における高齢者は老齢人口の増加や介護保険制度の充実に伴い、老人ホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、療養型病床群など集団生活を営む場合が少なくない。これらの病院や施設は個人で住む場合に比べて、人と人との密度が高くなり、主に感染者の喉や気道分泌物に存在する病原体が、咳やくしゃみにより飛沫(細かいしぶき)となって他人に感染する、飛沫感染等が知られている。これらの感染予防については、一般的に、流行期には人混みでの接触を避ける、うがいや手洗いを十分に行う、バランスのよい食事や十分な睡眠をとる、室内の湿度を保つなど基本的な生活習慣を遵守する、ことが挙げられている。一方、医療領域における感染症予防法としては、ワクチン、抗ウイルス剤、抗生物質の使用が考えられている。これらは注射による浸襲的方法であったり、飲用可能な薬剤の場合でも副作用や耐性株の出現などの危険性があり、特定のリスクを持った集団や、病者に限られて使用される家庭では一般的に使用することはできない。
インフルエンザウイルスに関しては、インフルエンザワクチンが、有効性が高く、高齢者のインフルエンザ感染を防ぐために一般的に用いられているが、効果を得るためには、インフルエンザワクチンを予め接種して、血中のインフルエンザウイルスに対する抗体を高める必要がある。また、抗原となるインフルエンザワクチンは予め流行株を予測して製造するために、実際に流行しているインフルエンザウイルスと、接種したインフルエンザワクチンの型が一致せず、有効性が見いだされない場合もある。
これに対して、自然免疫を活性化させ、抵抗性を高めることにより感染症を低減させる方法が考案されている。例えば、乳酸桿菌であるラクトバシラス カゼイ シロタ(Lactobacillus casei shirota)株を用いたNK細胞の増強によるインフルエンザウイルス感染の予防、及び腸管における免疫グロブリンAの分泌促進作用による病原性細菌の増殖抑制作用(例えば、非特許文献1)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)YIT4064株を用いてインフルエンザによる致死率を低減させる方法(例えば、非特許文献2)、ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)BB536株を用いて免疫グロブリンAや細胞性免疫を増加させる方法(例えば、非特許文献3)等が開示されている。
クリニカル・アンド・ダイアグノスティック・ラボラトリー・イムノロジー(CLINICAL AND DIAGNOSTIC LABORATORY IMMUNOLOGY)、第11巻、第4号、2004年、第675−679頁
クリニカル・アンド・ダイアグノスティック・ラボラトリー・イムノロジー(CLINICAL AND DIAGNOSTIC LABORATORY IMMUNOLOGY)、第6巻、第2号、2004年、第186−192頁
ビフィドバクテリア・マイクロフローラ(Bifidobacteria Microflora)、第10巻、第1号、1991年、第19−31頁
しかしながら、前記背景技術に例示された自然免疫を活性化させて抵抗性を高める技術は、いずれも実験動物を用いた試験結果であって、高齢者を対象としたインフルエンザ感染予防に対する有効性を示した結果ではなく、高齢者に有効なインフルエンザ感染予防のための医薬及び飲食品は一切開示されていなかった。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物、特にビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)BB536(寄託番号:ATCC BAA−999)を有効成分とする医薬がインフルエンザ感染予防に極めて有効であることを見出し本発明を完成させた。
本発明の目的は、副作用がほとんど無く、自然免疫を活性化させ、抵抗性を高めることによりインフルエンザ感染症の症状を軽減又は治療することが可能な、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物を有効成分とするインフルエンザ感染予防剤を提供することである。
本発明の他の目的は、副作用がほとんど無く、簡便に飲食品へ適用することが可能な、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物を有効成分とするインフルエンザ感染予防のための飲食品を提供することである。
前記課題を解決する本願第一の発明は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物を有効成分とするインフルエンザ感染予防剤であって、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物がビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)BB536(寄託番号:ATCC BAA−999)であること、及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物を菌数1×108〜1×1011/g含有することをそれぞれ好ましい態様としている。
前記課題を解決する本願第二の発明は、前記第一の発明に記載のインフルエンザ感染予防剤を含有する飲食品である。
本発明の有効成分であるビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株は、自然免疫(Innert Immunity)を刺激することにより、NK細胞活性や好中球を活性化させ、インフルエンザ等の感染症を低減させることが可能である。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本発明において使用するビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)BB536株は、米国の菌株寄託機関American Type Culture Collection(米国、20110、バージニア州、マナサス、ユニバーシティ ブルバード10801(10801 University Boulevard,Manassas, VA 20110, United States of America))に、ATCC BAA−999の受託番号で寄託されている。
本発明のインフルエンザ感染予防剤及びインフルエンザ感染予防用の飲食品は、インフルエンザ感染予防効果を発揮するためには、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株を、生菌数1×108〜1×1011/g含有することが好ましい。また、1日あたりの有効摂取量は体重1kg当たり1×107〜1×1010とすることが好ましい。摂取は1日に1回又は数回に分けて行うことができる。
本発明のインフルエンザ感染予防剤は、生理的に無害な液体又は固体の製剤担体を配合した種々の薬剤組成物として使用することができる。この薬剤組成物は、投与方法に応じて、様々な製剤形態に調製して使用することができる。製剤形態としては、水剤、シロップ剤、懸濁剤、乳濁剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤等の経口摂取可能な形態であればどのような形態も可能である。また、製剤担体として、通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、安定化剤、溶剤等を使用することができる。
本発明のインフルエンザ感染予防用の飲食品は、前記ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株の生菌を含有することができるものであればどのような形態であってもよいが、発酵乳等の形態であることが好ましい。また、本発明のインフルエンザ感染予防用の飲食品は、通常、食品に添加可能な物質(酸化防止剤、着色料等)を添加することができる。
本発明のインフルエンザ感染予防剤における効果は下記の試験法により確認した。
本発明のインフルエンザ感染予防剤における効果は下記の試験法により確認した。
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
[試験例1]
高齢者の加齢に伴う免疫力の低下に伴うインフルエンザを含めた感染症に対する、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株摂取による影響を検討するために行った。
[試験例1]
高齢者の加齢に伴う免疫力の低下に伴うインフルエンザを含めた感染症に対する、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株摂取による影響を検討するために行った。
(1)試料(被験食品)の調製
ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株(寄託番号:ATCC BAA−999)を1包2g当たり、1,000億(1011)個含有し、賦形剤としてデキストリンを含む粉末を被験食品とした。
ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株(寄託番号:ATCC BAA−999)を1包2g当たり、1,000億(1011)個含有し、賦形剤としてデキストリンを含む粉末を被験食品とした。
前記被験食品に対して、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株のみを含まない粉末を対照食品とした。
(2)試験方法
被験者数として、65歳以上の高齢者27名(男性3名、女性24名)に、被験食品を摂取させ、3週目にインフルエンザワクチンを接種した。ワクチン接種2週目に、インフルエンザワクチン抗体価を検査した。さらに6週目に被験者を2群(A群及びB群)に分け、14週間(計20週間)被験食品(A群)または対照食品(B群)を摂取させ、抗体価の維持効果、感染症の発症等の観察を行った。試験結果については、無作為割付による二重盲検並行2群間比較によって評価した。なお、本試験の試験スケジュールは図1に示すとおりである。
被験者数として、65歳以上の高齢者27名(男性3名、女性24名)に、被験食品を摂取させ、3週目にインフルエンザワクチンを接種した。ワクチン接種2週目に、インフルエンザワクチン抗体価を検査した。さらに6週目に被験者を2群(A群及びB群)に分け、14週間(計20週間)被験食品(A群)または対照食品(B群)を摂取させ、抗体価の維持効果、感染症の発症等の観察を行った。試験結果については、無作為割付による二重盲検並行2群間比較によって評価した。なお、本試験の試験スケジュールは図1に示すとおりである。
(3)試験結果
a)インフルエンザ発症の状態
試験終了の直前に、インフルエンザ感染が疑われる急激な発熱が生じたことから、インフルエンザ迅速検査にて感染の確認を行うと共に所見の観察を行った。その結果、B群(プラセボ(対照食品)摂取群)5名にインフルエンザ感染が確認され、直ちにタミフルの投与が行われた。一方、A群(被験食品摂取群)では、表1に示すとおり、インフルエンザ感染は認められず、発症率において有意に低値であった。
a)インフルエンザ発症の状態
試験終了の直前に、インフルエンザ感染が疑われる急激な発熱が生じたことから、インフルエンザ迅速検査にて感染の確認を行うと共に所見の観察を行った。その結果、B群(プラセボ(対照食品)摂取群)5名にインフルエンザ感染が確認され、直ちにタミフルの投与が行われた。一方、A群(被験食品摂取群)では、表1に示すとおり、インフルエンザ感染は認められず、発症率において有意に低値であった。
b)発熱の状態
14週間の観察期間中の38℃以上の発熱を記録し、発熱の回数を検討した。その結果を表2に示す。B群(プラセボ(対照食品)摂取群)ではインフルエンザを原因とする5名を含めて、計8名に発熱を認めたのに対して、A群(被検食品摂取群)では2名であった。A群(被験食品摂取群)における発熱者数はB群(プラセボ(対照食品)摂取群)に比較して有意に低値であることが認められた。
14週間の観察期間中の38℃以上の発熱を記録し、発熱の回数を検討した。その結果を表2に示す。B群(プラセボ(対照食品)摂取群)ではインフルエンザを原因とする5名を含めて、計8名に発熱を認めたのに対して、A群(被検食品摂取群)では2名であった。A群(被験食品摂取群)における発熱者数はB群(プラセボ(対照食品)摂取群)に比較して有意に低値であることが認められた。
c)抗生物質使用の状態
抗生物質の使用状況を表3に示した。その結果、14週間の観察期間を通じて、A群(被験食品摂取群)では延べ2名に対して抗生剤の投与が行われたのに対して、B群(プラセボ(対照食品)摂取群)では同8名に対して抗生剤が投与された。A群(被験食品摂取群)における抗生剤投与者数はB群(プラセボ(対照食品)摂取群)に比較して有意に低値であることが認められた。
抗生物質の使用状況を表3に示した。その結果、14週間の観察期間を通じて、A群(被験食品摂取群)では延べ2名に対して抗生剤の投与が行われたのに対して、B群(プラセボ(対照食品)摂取群)では同8名に対して抗生剤が投与された。A群(被験食品摂取群)における抗生剤投与者数はB群(プラセボ(対照食品)摂取群)に比較して有意に低値であることが認められた。
d)インフルエンザワクチン抗体価の変化
被験食品を3週間摂取した後、インフルエンザワクチンを接種したが、14週間の観察期間中被験食品群とプラセボ(対照食品)摂取群においてワクチン抗体価に差異は認められなかった。したがって被験食品は液性免疫の一つである抗体価の維持には影響は及ぼさないことが確認された。
被験食品を3週間摂取した後、インフルエンザワクチンを接種したが、14週間の観察期間中被験食品群とプラセボ(対照食品)摂取群においてワクチン抗体価に差異は認められなかった。したがって被験食品は液性免疫の一つである抗体価の維持には影響は及ぼさないことが確認された。
e)NK(ナチュラルキラー)細胞活性・好中球殺菌能及び好中球貪食能の変化
被験食品摂取前、及び摂取5週目の細胞性免疫の変化を表4に示した。その結果、被験食品摂取前と、被験食品摂取5週目のNK細胞活性を比較すると、26±11%から37±13%となり、好中球殺菌能も88.9±6.4%から92.7±5.8%へ上昇し、その状態を維持した。なお、この結果は統計学的に有意であった。一方、B群(プラセボ(対照食品)摂取群)では摂取20週目(観察期間の最後)にはNK細胞活性、好中球殺菌能及び貪食能はともに低下した。
被験食品摂取前、及び摂取5週目の細胞性免疫の変化を表4に示した。その結果、被験食品摂取前と、被験食品摂取5週目のNK細胞活性を比較すると、26±11%から37±13%となり、好中球殺菌能も88.9±6.4%から92.7±5.8%へ上昇し、その状態を維持した。なお、この結果は統計学的に有意であった。一方、B群(プラセボ(対照食品)摂取群)では摂取20週目(観察期間の最後)にはNK細胞活性、好中球殺菌能及び貪食能はともに低下した。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
酵母エキス0.2%(W/W)、脱脂粉乳11%(W/W)からなる90℃30分殺菌後の培地1000mlに、本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムBB536菌株を接種し、37℃で6時間培養した。一方、10%(W/W)還元脱脂乳培地1500mLを90℃30分間殺菌し、ストレプトコッカス・サーモフィルス(ハンゼン社製)およびラクトバチルス・ブルガリクス(ハンゼン社製)の混合カルチャー50mLを接種し、42℃で5時間培養した。これとは別に、乳脂肪3.0%(W/W)、無脂乳固形分9%(W/W)からなる生乳50Lを70℃に加温し、15MPaの圧力で均質し、90℃で10分間殺菌して40℃に冷却した。この殺菌したベースに前培養した前記の本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムBB536菌株のカルチャー750mL及びストレプトコッカス・サーモフィルスとラクトバチルス・ブルガリクスの混合カルチャー300mLを接種し、500mL容器に充填し、密封し、37℃で5時間培養して直ちに冷却した。得られた発酵乳は、乳酸酸度0.81%、pH4.55であり、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536を2.3×108/mL、ストレプトコッカス・サーモフィルスを6.8×108/mL、ラクトバチルス・ブルガリクスを3.4×107/mLを含有していた。この発酵乳を10℃で14日間保存した時の本菌の菌数は1.5×108/mLであった。
肉エキス50g、酵母エキス100g、ペプトン100g、乳糖200g、K2HPO4
50g、KH2PO4 10g、シスチン4g及び水9.5Lの組成からなる培地により37℃で16時間前培養したビフィドバクテリウム・ロンガムBB536菌株のシードカルチャー500mLを前記の培地10Lに接種し、37℃で16時間培養した。更に90℃で30分殺菌した前記培地と同一組成の培地200Lに前記培養液全量(10.5L)を接種し、37℃16時間培養した。培養後の生菌数は3.0×109/mLであった。次いでシャープレス型遠心分離機(15000rpm)により菌体を集め、培地に同量の90℃30分間殺菌の生理食塩水に再懸濁し、前記と同様遠心分離して再度集菌した。得られた菌体を脱脂粉乳10%(W/W)、蔗糖1%(W/W)、グルタミン酸ソーダ1%(W/W)からなる溶液(90℃30分殺菌)20Lに懸濁し、常法に従って凍結乾燥した後、デキストリンを加え、1.6×1011/gの本菌を含む粉末約2.2kgを得た。
50g、KH2PO4 10g、シスチン4g及び水9.5Lの組成からなる培地により37℃で16時間前培養したビフィドバクテリウム・ロンガムBB536菌株のシードカルチャー500mLを前記の培地10Lに接種し、37℃で16時間培養した。更に90℃で30分殺菌した前記培地と同一組成の培地200Lに前記培養液全量(10.5L)を接種し、37℃16時間培養した。培養後の生菌数は3.0×109/mLであった。次いでシャープレス型遠心分離機(15000rpm)により菌体を集め、培地に同量の90℃30分間殺菌の生理食塩水に再懸濁し、前記と同様遠心分離して再度集菌した。得られた菌体を脱脂粉乳10%(W/W)、蔗糖1%(W/W)、グルタミン酸ソーダ1%(W/W)からなる溶液(90℃30分殺菌)20Lに懸濁し、常法に従って凍結乾燥した後、デキストリンを加え、1.6×1011/gの本菌を含む粉末約2.2kgを得た。
乳脂肪0.6%(W/W)、無脂乳固型分8.2%(W/W)、蔗糖3.0%、ペクチン(三栄源エフ・エフ・アイ株)0.17%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株)0.0045%、香料0.11%からなる生乳ベース50Lを70℃に加温し、15MPaの圧力で均質化処理し、90℃で10分間殺菌し、42℃に冷却した。この殺菌したベースに前記実施例2記載の通り前培養を行ったビフィドバクテリウム・ロンガムBB536菌株のカルチャー1000mL、ストレプトコッカス・サーモフィルス(ハンゼン社製)とラクトバチルス・ブルガリクス(ハンゼン社製)の混合カルチャー500mLを接種し、37℃で6時間培養し、直ちに撹拌冷却した。冷却発酵乳を15MPaの圧力で均質化し、200mL容のガラス容器に充填し、密封して、ドリンクヨーグルトを得た。得られたドリンクヨーグルトは乳酸酸度0.70%、pH4.55であり、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536を2.5×108/mL、ストレプトコッカス・サーモフィルスを4.5×108/mL、ラクトバチルス・ブルガリクスを1.5×108/mLを含有していた。このドリンクヨーグルトを10℃で14日間保存した後のビフィドバクテリウム・ロンガムBB536の菌数は1.5×108/mLであった。
本発明の有効成分であるビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株は、自然免疫(Innert Immunity)を刺激することにより、NK細胞活性や好中球を活性化させ、インフルエンザ等の感染症を低減させることが可能であるので、ビフィドバクテリウム・ロンガムBB536株を医薬や飲食品に含有させることによって、簡便にインフルエンザ感染予防剤やインフルエンザ感染予防用の飲食品を提供することが可能である。
Claims (4)
- ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物を有効成分とするインフルエンザ感染予防剤。
- 前記ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物がビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)BB536(寄託番号:ATCC BAA−999)である請求項1に記載のインフルエンザ感染予防剤。
- 前記ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物を菌数1×108〜1×1011/g含有する請求項1又は2に記載のインフルエンザ感染予防剤。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインフルエンザ感染予防剤を含有する飲食品。
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