JP5615285B2 - 貧血の予防又は治療用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、貧血の予防又は治療用医薬組成物及び貧血の予防又は治療用飲食品組成物に関する。さらに詳しくは、微生物を有効成分とする、貧血の予防又は治療用医薬組成物及び貧血の予防又は治療用飲食品組成物に関する。
貧血とは、血液単位容積中のヘモグロビン濃度が正常範囲未満にまで低下した病態をいう。貧血時には、倦怠感、集中力低下等の酸素運搬能の低下に伴う症状が生じ、さらに、貧血を代償する機序として、すなわち酸素不足を補うための機序として、動悸、息切れ等の循環器又は呼吸器症状が生じる。貧血には種々の原因が存在するが、貧血の中で最も頻度が高いのは鉄欠乏性貧血であり、日本における貧血の3分の2を占める。鉄欠乏性貧血とは、鉄の欠乏により、赤芽球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血である。
ヒトについて、一般成人の体内には約3〜4gの鉄が存在する。その3分の2はヘモグロビン結合鉄として存在し、残り3分の1はフェリチン結合鉄等、種々の形態で存在する。生体内において、鉄の大部分は老廃赤血球の分解により生じた鉄を再利用することで賄われているが、1日当たり約1mgの鉄が体外に排出されるため、日常的な鉄の補給は不可欠である。
小腸から吸収される鉄量は、食品中の鉄含有量、鉄の化学構造、及び鉄動態等に依存する。また、食品の中には、鉄の吸収を促進するもの、及び、鉄の吸収を阻害するものが存在する。例えば、紅茶は強い鉄吸収阻害効果を示し、逆に、オレンジジュース等のビタミンC含有食品は鉄吸収促進効果を示すことが知られている。また、肉類は、食品中で最も生物学的に利用しやすいヘム鉄の重要な供給源である。しかしながら、食事に由来する鉄吸収量は、最大でも1日当たり3〜4mgであり、鉄欠乏貧血時には食事療法のみでは症状の改善は不可能である。
特に、妊娠期又は授乳期の女性、離乳期の乳幼児、及び未熟児においては、鉄の要求量が増加しているにも関わらず、十分な鉄が供給されないことから鉄欠乏性貧血が高頻度に発生する。例えば、妊娠中には、妊娠による循環血液量の増加、及び、妊娠の進行に伴う胎児や胎盤での鉄の需要増大により、1回の妊娠当たり合計約1000mg程度の鉄が追加的に要求される。そのため、妊娠すると生理的に鉄欠乏性貧血に陥りやすい。妊娠中に一定以上の鉄欠乏性貧血が認められた場合、鉄剤投与による治療が行われる。また、離乳期、例えば出生後4ヶ月以降2歳ぐらいまでは、急激な成長による鉄需要と、母乳中の鉄不足とが原因となって貯蔵鉄が枯渇し、鉄欠乏性貧血が起こりやすい。そのため、鉄剤投与が有効である。また、未熟児においては、出生時のヘモグロビン量、貯蔵鉄量ともに成熟児に比べ少なく、鉄欠乏性貧血がより早期に、より顕著に発生する。また予防的に妊婦に鉄剤を投与し、新生児及び母体の鉄欠乏の発生を予防するという考えもある。
鉄剤の例として、特許文献1は、湿式合成酸化鉄類を含有する貧血の予防又は治療剤を開示している。
一方、鉄剤の副作用として、一般的に、下痢、便秘、胸焼け、及び、上腹部不快感等が知られている。また、鉄剤の投与により、亜鉛のような他の微量金属元素の吸収を阻害する可能性がある。
このような背景の下、微生物、特に乳酸菌を利用した貧血症状の改善が検討されてきた。例えば、乳酸発酵したオート麦粥は非ヘム鉄の吸収を促進するとの報告がある(非特許文献1)。しかしながら、その一方で、乳酸発酵したオート麦粥を滅菌処理し、生きた乳酸菌を添加しても、添加の有無によっては鉄の吸収に差が認められなかったとの報告もある(非特許文献2)。すなわち、非特許文献1及び2によれば、乳酸発酵オート麦粥には鉄吸収促進効果が認められるものの、乳酸菌自体は鉄の吸収に影響しないことが示唆される。
また、特許文献2は、ラクトバチルス・アシドフィルスに属する乳酸菌を用いた発酵乳と鉄塩を有効成分とする鉄欠乏性貧血治療用組成物を開示している。特許文献2において、鉄欠乏状態のラットに対して、鉄配合飼料と共に発酵乳を投与した場合には、鉄配合飼料と共に脱脂粉乳を投与した場合と比較し、有意に高い血中ヘモグロビン濃度の改善効果が認められた。一方、発酵乳は体重への影響も認められた。
また、特許文献3には、ビフィドバクテリウム属に属する細菌が、消化管の炎症の予防又は治療に効果的であることが開示され、貧血の予防又は治療用途にも用いられうることが記載されている。しかしながら、特許文献3には、貧血の予防又は治療効果は具体的には開示されていない。
一方、乳幼児においては、4種の乳酸菌を含む組成物の投与によりヘモグロビン濃度が低下するという現象が知られている(非特許文献3)。すなわち、特に乳幼児においては、乳酸菌の摂取が貧血の予防又は治療に悪影響を与えかねないことが示唆される。
特開平05−025051号公報 特開平07−053391号公報 特表2005−508617号公報
ベーリング(Bering S)ら、ブリティッシュ ジャーナル オブ ニュートリション(British Journal of Nutrition)、96:p.80−85 (2006) ベーリング(Bering S)ら、ブリティッシュ ジャーナル オブ ニュートリション(British Journal of Nutrition)、98:p.991−997 (2007) クイツネン(Kuitunen M)ら、ジャーナル オブ ペディアトリック ガストロエンテロロジー アンド ニュートリション(Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition)、49:p.626−630 (2009)
本発明が解決しようとする課題は、貧血、特に鉄欠乏性貧血の予防又は治療に効果的な手段を提供することである。本発明が解決しようとする課題は、特に、妊産婦又は乳幼児における鉄欠乏性貧血の予防又は治療に効果的な医薬組成物及び飲食品組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、ビフィドバクテリウム属に属する細菌が、鉄欠乏性貧血の予防又は治療効果を示すことを見出し、発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
第1の発明は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する細菌を有効成分とする貧血の予防又は治療用組成物、である。
第1の発明の好ましい態様において、ビフィドバクテリウム属に属する細菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)に属する細菌、及びビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)に属する細菌から選択される。また、好ましい態様において、ビフィドバクテリウム・ロンガムに属する細菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株、ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC 51870株、及びビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC 15707株、並びに前記株と同等以上の貧血の予防又は治療効果を有する前記株の変異株から選択される。また、好ましい態様において、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V株、ビフィドバクテリウム・ブレーベ MCC−1274株、及びビフィドバクテリウム・ブレーベ ATCC 15700株、並びに前記株と同等以上の貧血の予防又は治療効果を有する前記株の変異株から選択される。
また、第1の発明の好ましい態様において、貧血の予防又は治療の対象は、妊産婦又は乳幼児である。
また、第1の発明の好ましい態様において、予防又は治療の対象となる貧血は、鉄欠乏性貧血である。
また、第1の発明の好ましい態様において、前記組成物は医薬組成物又は飲食品組成物である。また、第1の発明の好ましい態様において、飲食品組成物は発酵乳である。
の発明は、貧血の予防又は治療用組成物の製造におけるビフィドバクテリウム属に
属する細菌の使用、である。第の発明において、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の好ましい種及び株、貧血の予防又は治療の好ましい対象、予防又は治療の対象として好ましい貧血、並びに好ましい組成物の種類は、第1の発明と同様である。
本発明は、ビフィドバクテリウム属に属する細菌を投与することにより、又はビフィドバクテリウム属に属する細菌を含む飲食品を摂取させることにより、貧血の症状、特に鉄欠乏性貧血の症状を改善できる。
特に、妊産婦に、ビフィドバクテリウム属に属する細菌を投与することにより、又はビフィドバクテリウム属に属する細菌を含む飲食品を摂取させることにより、赤血球数及びヘモグロビン濃度を改善させることができる。
また、特に、乳幼児に、ビフィドバクテリウム属に属する細菌を投与することにより、又はビフィドバクテリウム属に属する細菌を含む飲食品を摂取させることにより、赤血球数、ヘモグロビン濃度、及び平均赤血球ヘモグロビン濃度を改善させることができる。
したがって、本発明により、妊産婦又は乳幼児における貧血、特に鉄欠乏性貧血の予防又は治療が可能となる。
図1は、離乳期ラットにおける、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が赤血球数に与える効果を示す。データは平均値±標準誤差で示す。「*」は危険率5%で対照群と有意差があることを示す(t検定)。 図2は、離乳期ラットにおける、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与がヘモグロビン濃度に与える効果を示す。データは平均値±標準誤差で示す。「*」は危険率5%で対照群と有意差があることを示す(t検定)。 図3は、離乳期ラットにおける、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が平均赤血球ヘモグロビン濃度に与える効果を示す。データは平均値±標準誤差で示す。「*」は危険率5%で有意差があることを示す(t検定)。 図4は、離乳期ラットにおける、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が白血球数に与える効果を示す。データは平均値±標準誤差で示す。 図5は、離乳期ラットにおける、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が体重に与える効果を示す。データは平均値±標準誤差で示す。 図6は、離乳期ラットにおける、各種試料の投与がヘモグロビン濃度の増加量に与える効果を示す。データは平均値±標準偏差で示す。「*」は危険率5%で発酵乳(L.A)投与群と有意差があることを示す(Bonferroni/Dunnet)。 図7は、離乳期ラットにおける、各種試料の投与が赤血球数の増加量に与える効果を示す。データは平均値±標準偏差で示す。 図8は、妊娠期ラットにおける、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が赤血球数に与える効果を示す。データは平均値±標準誤差で示す。a、bはそれぞれ異なる文字間において、危険率5%で有意差があることを示す(Fisher’s PLSD)。 図9は、妊娠期ラットにおける、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与がヘモグロビン濃度に与える効果を示す。データは平均値±標準誤差で示す。a、bはそれぞれ異なる文字間において、危険率5%で有意差があることを示す(Fisher’s PLSD)。 図10は、妊娠期ラットにおける、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が白血球数に与える効果を示す。データは平均値±標準誤差で示す。a、bはそれぞれ異なる文字間において、危険率5%で有意差があることを示す(Fisher’s PLSD)。 図11は、母獣ラットへの投与スケジュールと仔ラットからの採血に至るスケジュールを示す図。 図12は、妊娠期および授乳期における、鉄欠乏食を与えられている母獣ラットに対するビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が、仔ラットの赤血球数に与える効果を示す。データは平均値±標準偏差で示す。 図13は、妊娠期および授乳期における、鉄欠乏食を与えられている母獣ラットに対するビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が、仔ラットのヘモグロビン濃度に与える効果を示す。データは平均値±標準偏差で示す。 図14は、妊娠期および授乳期における、鉄欠乏食を与えられている母獣ラットに対するビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が、仔ラットのヘマトクリット値に与える効果を示す。データは平均値±標準偏差で示す。 図15は、妊娠期および授乳期における、鉄標準食を与えられている母獣ラットに対するビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が、仔ラットの赤血球数に与える効果を示す。データは平均値±標準偏差で示す。「*」は危険率1%で対照群と有意差があることを示す(t検定)。 図16は、妊娠期および授乳期における、鉄標準食を与えられている母獣ラットに対するビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が、仔ラットのヘモグロビン濃度に与える効果を示す。データは平均値±標準偏差で示す。「*」は危険率1%で対照群と有意差があることを示す(t検定)。 図17は、妊娠期および授乳期における、鉄標準食を与えられている母獣ラットに対するビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与が、仔ラットのヘマトクリット値に与える効果を示す。データは平均値±標準偏差で示す。「*」は危険率1%で対照群と有意差があることを示す(t検定)。
次に、本発明の実施形態について説明する。
本発明は、貧血の予防又は治療に関する。貧血としては、鉄欠乏性貧血が挙げられる。
本発明において、貧血の予防とは、対象に貧血の症状が現れるのを防止することである。また、貧血の治療とは、既に現れている貧血の症状から対象を解放することである。
貧血の予防又は治療効果とは、貧血の程度に依存して変化する生体パラメータについて、1以上のパラメータを維持、改善、及び正常化する効果を含む。上記生体パラメータとしては、例えば、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)が挙げられる。平均赤血球容積(MCV)とは、赤血球の1個あたりの容積の平均値であり、値が低い場合には鉄欠乏性貧血が疑われる。また、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)とは、赤血球の1個あたりのヘモグロビン量の平均値であり、鉄欠乏性貧血時には値が低下する。また、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)とは、赤血球単位容積中のヘモグロビン量の平均値であり、鉄欠乏性貧血時には値が低下する。
また、上記生体パラメータとしては、単位容積の血液当たりの赤血球数が挙げられ、鉄欠乏性貧血時には値が低下する。なお、赤血球数と平均赤血球ヘモグロビン濃度の両方が低下すれば、当然、血液中のヘモグロビン濃度も低下している。
また、上記生体パラメータとしては、さらに貯蔵鉄量が挙げられ、鉄欠乏時には、一般的に、赤血球及びヘモグロビンに関連する上記パラメータ群の低下前に貯蔵鉄量の減少が認められる。
維持とは、任意の上記生体パラメータについて、正常時の値からの差が広がるのを防ぐことをいう。改善とは、任意の上記生体パラメータについて、正常時の値に近づくことをいう。正常化とは、任意の上記生体パラメータについて、正常時の値と有意差がなくなることをいう。正常時とは、貧血の症状を呈しない状態、特に鉄欠乏性貧血の症状を呈しない状態をいう。
本発明において、貧血の予防又は治療用組成物は、ビフィドバクテリウム属に属する細菌を有効成分として含有する。組成物としては、医薬組成物及び飲食品組成物が挙げられる。ビフィドバクテリウム属に属する細菌としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)に属する細菌、又はビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)に属する細菌が好ましい。
ビフィドバクテリウム・ロンガムに属する細菌としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム BB536(例えば、ATCC BAA−999株)、ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC 51870株、又はビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC 15707株が好ましい。
ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌としては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V株、ビフィドバクテリウム・ブレーベ MCC−1274株、又はビフィドバクテリウム・ブレーベ ATCC 15700株が好ましい。
ATCC BAA−999株、ATCC 51870株、ATCC 15707株、及びATCC 15700株は、米国の保存機関であるAmerican Type Culture Collection(ATCC)(米国、20110 バージニア州 マナサス ユニバーシティ・ブルバード 10801)に、それぞれATCC BAA−999、ATCC 51870、ATCC 15707、及びATCC 15700の受託番号で寄託されている。
M−16V株は、ベルギーの保存機関であるBelgian Coordinated Collections of Microorganisms(BCCM)(ベルギー、B−1000 ブリュッセル シアンス通り(ウェーテンスカップ通り)8)に、BCCM LMG23729の受託番号で寄託されている。
MCC−1274株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国 〒305−8566 茨城県つくば市東1−1−1 中央第6)に、平成21年8月25日より、FERM BP−11175の受託番号で寄託されている。これらの菌株は、上記保存機関より一般に入手可能である。
本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌は、上記株と同等以上の貧血の予防又は治療効果を有する限り、上記株の変異株であってもよい。ある変異株が上記株と「同等以上の貧血の予防又は治療効果」を有するか否かは、上述した貧血の程度に依存して変化する生体パラメータの1以上のパラメータ、好ましくは平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)及び平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)から選ばれる1以上のパラメータを維持、改善、及び正常化する効果が同等以上であるか否かを、例えば、後述する試験例に記載される方法により試験することにより決定することができる。
このような変異株は、上記株に非人為的に変異が導入されることで構築されてもよい。また、UV等の変異原を用いた処理により上記株に変異を導入して変異株を構築してもよく、種々の遺伝子操作法により上記株に変異を導入して変異株を構築してもよい。
本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌は、例えば、上記菌株を培養することにより容易に取得できる。培養する方法は、ビフィドバクテリウム属に属する細菌が増殖できる限り特に限定されず、細菌の性質に応じた適当な条件下で培養を行うことができる。
例えば、培養温度は25〜50℃でよく、35〜42℃であることが好ましい。また培養は嫌気条件下で行うことが好ましく、例えば、炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら培養することができる。また、液体静置培養等の微好気条件下で培養してもよい。
本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌を培養する培地としては、特に限定されず、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の培養に通常用いられる培地を用いることができる。
すなわち、炭素源としては、例えば、グルコース、ガラクトース、ラクトース、アラビノース、マンノース、スクロース、デンプン、デンプン加水分解物、廃糖蜜等の糖類を資化性に応じて使用できる。窒素源としては、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類や硝酸塩類を使用できる。また、無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。また、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等の有機成分を用いてもよい。
本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌としては、培養後、得られた培養物をそのまま用いてもよく、希釈又は濃縮して用いてもよく、培養物から回収した菌体を用いてもよい。
本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物(本発明の医薬組成物ともいう)は、本発明のビフィドバクテリウム属に属する細菌を有効成分として含有する限り、特に制限されず、生理的に許容される液体又は固体の製剤担体を配合した種々の薬剤組成物として使用することができる。剤形としては、懸濁剤、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤等の経口摂取可能な形態であればどのような剤形であってもよい。また、製剤担体として、通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、溶解補助剤、懸濁化剤、安定化剤、その他適切な添加剤を使用することができる。
本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物は、鉄を含んでもよく、含まなくてもよい。鉄としては、例えば、鉄塩が好ましい。鉄塩としては、無機鉄塩又は有機鉄塩のいずれであってもよいが、吸収効率の点から、二価鉄の塩であることが好ましい。鉄を含む場合には、含有量は、鉄に換算して0.2mg/100g〜20000mg/100gが好ましく、2mg/100g〜8000mg/100gが特に好ましい。
本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物におけるビフィドバクテリウム属に属する細菌の含有量は、2×107cfu/100g〜2×1014cfu/100gが好ましく、2×108cfu/100g〜2×1013cfu/100gが特に好ましい。
本発明の貧血の予防又は治療用飲食品組成物(本発明の飲食品組成物ともいう)は、本発明のビフィドバクテリウム属に属する細菌を有効成分として含有する限り特に制限されず、飲食品組成物としては、乳製品、成人用食品、新生児用、乳児用又は幼児用食品等が挙げられる。
乳製品としては、加工乳、調製乳、粉乳、乳飲料、発酵乳、バター等が挙げられる。乳製品としては、妊産婦用、又は新生児用、乳児用又は幼児用の乳製品が好ましい。成人用食品としては、経腸栄養剤、濃厚流動食等の流動食と栄養補助食品等が挙げられる。新生児用、乳児用又は幼児用食品としては、調製乳類、母乳に添加する粉末、調製粉乳に添加する粉末、及びベビーフード等が挙げられる。
ここで、調製乳類とは乳又は乳製品を主要原料とし、乳幼児に必要な栄養素を添加して製造した食品である。調製乳類は、新生児期・乳幼児期において、主として母乳代替の食品として使用され、あるいは栄養摂取の補完的役割を果たす食品として使用される。また、その他、特定の先天性又は後天性の疾患を有する新生児・乳幼児に適した栄養の摂取に寄与する目的で使用される場合もある。
調製乳類としては、乳児用調製乳、低出生体重児用調製乳、フォローアップミルク、アレルギー疾患用調製乳、無乳糖乳、先天性代謝異常症用の特殊乳等が挙げられる。
本発明の貧血の予防又は治療用飲食品組成物は、鉄を含んでもよく、含まなくてもよい。鉄としては、例えば、鉄塩が好ましい。鉄塩としては、無機鉄塩又は有機鉄塩のいずれであってもよいが、吸収効率の点から、二価鉄の塩であることが好ましい。鉄を含む場合には、含有量は、鉄に換算して0.2mg/100g〜200mg/100gが好ましく、2mg/100g〜80mg/100gが特に好ましい。
本発明の貧血の予防又は治療用飲食品組成物は、一般的な飲食品の原料に本発明のビフィドバクテリウム属に属する細菌を添加することで製造できる。本発明の貧血の予防又は治療用飲食品組成物は、本発明のビフィドバクテリウム属に属する細菌を添加すること以外は、通常の飲食品を製造する場合と同様に製造できる。ビフィドバクテリウム属に属する細菌の添加は、飲食品の製造工程のいずれの段階で行ってもよい。また、添加したビフィドバクテリウム属に属する細菌による発酵工程を経て、飲食品が製造されてもよい。
本発明の貧血の予防又は治療用飲食品組成物におけるビフィドバクテリウム属に属する細菌の含有量は、2×107cfu/100g〜2×1012cfu/100gが好ましく、2×108cfu/100g〜2×1011cfu/100gが特に好ましい。
本発明の貧血の予防又は治療用飲食品組成物は、貧血を予防又は治療するためとの用途が表示された飲食品、例えば、「貧血の予防又は治療用と記載された、ビフィドバクテリウム属に属する細菌を含有する飲食品」等として販売することが好ましい。
前記「表示」とは、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為を意味し、本発明の飲食品組成物に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為、商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的方法により提供する行為、等が例示できる。
しかしながら、表示としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましく、例えば、特定保健用食品(健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号))としての表示(特に保健の用途の表示)が最も好適である。
なお、以上のような表示を行うために使用する文言は、「貧血の予防又は治療用」という文言のみに限られるわけではなく、それ以外の文言であっても、貧血を予防又は治療する効果を表す文言、又は貧血の予防又は治療によって二次的に生じる効果を表す文言であれば、使用できることはいうまでもない。
本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物及び飲食品組成物の投与対象は、妊産婦又は乳幼児が好ましい。妊産婦としては、特に周産期にある妊産婦であってもよい。また、乳幼児としては、特に離乳期の乳幼児であってもよい。妊産婦とは、妊娠開始から産後1年までの期間にある女性である。また、周産期とは、出産前後の期間であり、妊娠満22週から出産後7日未満の期間である。
本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物及び飲食品組成物の有効成分の投与量は、用法、年齢、性別、症状の程度、その他の条件により適宜選択される。有効成分としてのビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与量は、2×105cfu/kg/日〜1×1011cfu/kg/日が好ましく、2×106cfu/kg/日〜1×1010cfu/kg/日が特に好ましい。1日1回又は複数回に分けて投与することができる。また、数日又は数週間に1回の投与としてもよい。各投与時の投与量は一定でもよく、差があってもよい。
また、妊産婦に対しては、妊娠開始から産後1年までの期間を通じて投与を継続してもよく、特に、周産期を通じて投与を継続してもよい。また、乳幼児に対しては、乳幼児期を通じて投与を継続してもよく、特に、離乳期を通じて投与を継続してもよい。また、上記期間の内、一部の期間にのみ投与してもよい。また、上記期間以外の期間に投与してもよい。
本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物及び飲食品組成物は、鉄を含む医薬組成物又は飲食品組成物等と組み合わせて投与されてもよい。その場合、本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物及び飲食品組成物と、鉄を含む医薬組成物又は飲食品組成物等は、同時に投与されてもよく、間隔をあけて別々に投与されてもよい。鉄を含む医薬組成物又は飲食品組成物には、鉄として、例えば、鉄塩が添加されていてもよい。鉄塩としては、無機鉄塩又は有機鉄塩のいずれであってもよいが、吸収効率の点から、二価鉄の塩であることが好ましい。また、鉄を含む飲食品組成物は、鉄を添加せずとも鉄の含有量の高い飲食品組成物であってもよい。投与される鉄量としては、鉄に換算して0.002mg/kg/日〜10mg/kg/日が好ましく、0.02mg/kg/日〜4mg/kg/日が特に好ましい。
また、本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌を哺乳動物に投与し、又は本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌を哺乳動物に摂取させ、さらに、当該哺乳動物から得られた母乳(単に乳と記載することがある)を対象に投与することで、対象の貧血を予防又は治療することができる。ビフィドバクテリウム属に属する細菌を投与する哺乳動物は、妊娠期又は周産期の哺乳動物であることが好ましい。
なお、投与すること及び摂取させることを総称して、単に「投与する」と記載する場合がある。すなわち、「投与すること」には、「摂取させること」が含まれる。摂取は、例えば、自由摂取であってよい。自由摂取とは、餌等の摂取を対象に強制せず、対象の意に任せて餌等を摂取させることをいう。自由摂取の一例として、例えば、本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌を餌等に添加して哺乳動物に摂取させることができる。
また、「本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌を哺乳動物に投与すること」には、当該細菌自体を哺乳動物に投与することに加えて、本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物及び飲食品組成物等の当該細菌を含む組成物を哺乳動物に投与すること又は摂取させることが含まれる。
本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌の哺乳動物への投与量等は、上述した本発明の貧血の予防又は治療用医薬組成物及び飲食品組成物におけるビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与量等に基づいて適宜設定すればよい。
ビフィドバクテリウム属に属する細菌が投与された哺乳動物から得られた乳の投与対象は特に制限されず、例えば、前記乳は上述した本発明の医薬組成物や飲食品組成物の投与対象に投与することができる。すなわち、前記乳は、例えば、妊娠期又は周産期の女性や乳幼児等に好適に投与することができ、それによって、妊娠期又は周産期の女性や乳幼児等の貧血を予防することや貧血の症状を改善することができる。なお、前記乳の投与量は特に制限されず、例えば、妊娠期又は周産期の女性や乳幼児等が乳を通常摂取する量とすることができる。
乳は、ヒトの母乳であることが好ましく、ヒト以外の哺乳動物の乳も好ましく用いることができる。ヒト以外の哺乳動物としては、一般的に酪農で用いられる哺乳動物が挙げられる。そのような哺乳動物としては、牛、ヤギ、ヒツジ、ウマ、及び水牛等が挙げられ、牛であることが好ましい。乳は、例えば搾乳することにより哺乳動物から得ることができる。乳は、ビフィドバクテリウム属に属する細菌が哺乳動物に投与される期間中に当該哺乳動物から得てもよく、ビフィドバクテリウム属に属する細菌が哺乳動物に投与された期間後に当該哺乳動物から得てもよい。
さらに、本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌を哺乳動物に投与し、又は本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌を哺乳動物に摂取させ、当該哺乳動物から得られた乳を原料として用いることで、貧血の予防又は治療用組成物を製造することができる。ビフィドバクテリウム属に属する細菌を投与する哺乳動物は、妊娠期又は周産期の哺乳動物であることが好ましい。
当該組成物は、医薬組成物や飲食品組成物として製造することが可能である。また、飲食品組成物としては、乳製品を例示することができる。当該飲食品組成物は、本発明に用いられるビフィドバクテリウム属に属する細菌が投与された哺乳動物から得られた乳を原料として用いる以外は、通常の飲食品を製造する場合と同様に製造できる。なお、当該飲食品組成物は、乳自体であってもよい。
前記組成物を適用対象に投与することで、対象の貧血を予防又は治療することができる。当該組成物の投与対象は特に制限されず、例えば、当該組成物は上述した本発明の医薬組成物や飲食品組成物の投与対象に投与することができる。すなわち、前記乳は、例えば、妊娠期又は周産期の女性や乳幼児等に好適に投与することができ、それによって、妊娠期又は周産期の女性や乳幼児等の貧血を予防することや貧血の症状を改善することができる。なお、当該組成物の投与量は特に制限されず、例えば、妊娠期又は周産期の女性や乳幼児等が乳製品を通常摂取する量とすることができる。
次に、試験例により本発明を詳細に説明する。
試験例1:離乳期におけるビフィドバクテリウム試料投与の効果
本発明に従い、離乳期ラットについてビフィドバクテリウム試料投与の効果を試験した。
<ビフィドバクテリウム試料の調製>
ビフィドバクテリウム属に属する細菌として、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V株を用いた。澱粉に倍散したビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V株の菌体粉末(2.1×1011cfu/g、森永乳業社製)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁して48mg/400μl(1×1010cfu/400μl)に調整し、ビフィドバクテリウム試料とした。
<離乳期におけるビフィドバクテリウム試料投与>
母獣ラットとして、F344/N系統妊娠ラットを日本SLCより購入した。母獣ラットには、飼料としてMR STOCKを給餌し、自由摂取させた。母獣ラットより出産された仔ラットを、出生後21日齢で離乳させ、体重、親、及び性別に各群間で偏りがないよう、2群に分けた。各群について表1に示す。
Figure 0005615285
日齢21から日齢34までの14日間、仔ラットには、飼料としてMR STOCKを給餌し、自由摂取させた。さらに、試験群には、上記のビフィドバクテリウム試料を1×1010cfu/ラット/日で一日一回投与し、対照群には同量の澱粉(48mg/ラット/日)を一日一回投与した。なお、MR STOCK中の鉄量は20.2mg/100gであり、繁殖期を含めラットの栄養研究に標準的に用いられる飼料AIN−93G中の鉄量が4.01mg/100gであることから、MR STOCKには、標準飼料AIN−93Gに比して約5倍量の鉄が含まれており、MR STOCK中の鉄量は十分量であった。
日齢35の時点で解剖を行い、下大静脈より採血を行った。得られた血液サンプルを、KX−21NV血球計測計(シスメックス社製)により分析した。統計解析はt検定により行った。
赤血球数について、図1に示す。その結果、試験群は対照群に対し、危険率5%で有意に高い赤血球数を示した。
またヘモグロビン濃度について、図2に示す。その結果、試験群は対照群に対し、危険率5%で有意に高いヘモグロビン濃度を示した。
また平均赤血球ヘモグロビン濃度について、図3に示す。その結果、試験群は対照群に対し、危険率5%で有意に高い平均赤血球ヘモグロビン濃度を示した。
一方、白血球数については、ビフィドバクテリウム試料投与の有無により、有意な差は認められなかった(図4)。また、体重についても、ビフィドバクテリウム試料投与の有無により、有意な差は認められなかった(図5)。
以上の通り、ビフィドバクテリウム試料の投与により、貧血に関連する生体パラメータの改善が認められた。したがって、離乳期のラットにおいて、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与による貧血の予防又は治療効果が認められた。ここで、生体内の鉄量と関連する赤血球数、ヘモグロビン濃度、及び平均赤血球ヘモグロビン濃度について改善が見られる一方、鉄量と関連しない体重及び白血球数については有意な差が認められなかった。
試験例2:離乳期における鉄欠乏貧血からの回復効果の比較
次に、本発明に従い、離乳期ラットについて、ビフィドバクテリウム属細菌菌末試料、発酵乳試料、およびビフィドバクテリウム含有発酵乳試料のそれぞれを投与した際の、鉄欠乏貧血からの回復効果について比較試験した。
<ビフィドバクテリウム試料の調製>
ビフィドバクテリウム属に属する細菌として、ビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V株およびビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株を用いた。澱粉に倍散したビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V株の菌体粉末(2.1×1011cfu/g、森永乳業社製)およびビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株の菌体粉末(1.0×1011cfu/g、森永乳業社製)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁して2.5×109cfu/400μlに調整し、ビフィドバクテリウム試料(M−16V菌末、BB536菌末)とした。
<発酵乳試料の調製>
無脂乳固形分11重量%の脱脂乳に酵母エキス0.3重量%添加し原料を調製した。この原料を90℃で10分間殺菌し、38℃まで冷却し、これに乳酸菌スターターとしてラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)LAC−361株を約3質量%添加し、37℃で18時間発酵させて発酵乳(L.A)を調製した。
また、発酵乳(L.A)にビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株の菌体粉末を2.5×109cfu/2mlとなるように添加して発酵乳(BB536)を調製した。
<離乳期における各種試料投与>
母獣ラットとして、F344/N系統妊娠ラットを日本SLCより購入した。母獣ラットには、飼料としてAIN−93G((株)オリエンタル酵母工業)を給餌し、自由摂取させた。
母獣ラットより出産された仔ラットを、出生後21日齢で離乳させた。日齢21から日齢34までの14日間、仔ラットには、飼料として、鉄を欠乏させたAIN−93Gベースの餌(鉄欠乏食)を給餌し、鉄欠乏性貧血を誘導した。日齢35の時点で尾静脈より採血をして、貧血状態であることを確認し、ヘモグロビン濃度、体重、および性別に各群間で偏りがないよう群分けを行った。
次に、飼料を標準食であるAIN−93G(鉄標準食)へと変更して、日齢35から日齢41までの7日間飼育し、上記で誘導された鉄欠乏性貧血からの回復を図った。その間、AIN−93Gに加えて、各群には上記の発酵乳試料を2ml/ラット/日、またはビフィドバクテリウム試料を2.5×109cfu/ラット/日で一日一回投与した。
各群について、投与試料、検体数、および投与量を表2に示す。なお、鉄欠乏食と標準食の鉄含量はそれぞれ0.2mg/100gと4.01mg/100gであった。AIN−93Gとは、繁殖期を含めラットの栄養研究に標準的に用いられる飼料である。
Figure 0005615285
日齢42の時点で解剖を行い、下大静脈より採血を行った。得られた血液サンプルを、KX−21NV血球計測計(シスメックス社製)により分析した。得られた血液データからヘモグロビン濃度および赤血球数について日齢35から日齢42までの増加量を求め、統計解析はBonferroni/Dunnetにより行った。
ヘモグロビン濃度の増加量について、図6に示す。その結果、M−16V菌末、BB536菌末、発酵乳(BB536)それぞれの投与群は、発酵乳(L.A)投与群に対し危険率5%で有意に高いヘモグロビン濃度の増加量を示した。
また、赤血球数の増加量について、図7に示す。その結果、M−16V菌末、BB536菌末、発酵乳(BB536)それぞれの投与群は、発酵乳(L.A)投与群と比較して赤血球数の増加量が高い傾向が認められた。
一方、体重については、各試料の投与群間で有意な差は認められなかった。
以上の通り、M−16V菌末、BB536菌末、発酵乳(BB536)それぞれの投与により、発酵乳(L.A)を投与した場合と比較し、貧血に関連する生体パラメータの改善の程度が向上した。
したがって、離乳期のラットにおいて、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与による貧血の予防又は治療効果が認められた。また、BB536菌末を発酵乳へ添加して投与することでも、M−16V菌末またはBB536菌末を投与する場合と同等の効果が認められた。
試験例3:妊娠期及び授乳期におけるビフィドバクテリウム試料投与の効果
次に、本発明に従い、妊娠期及び授乳期ラットについてビフィドバクテリウム試料投与の効果を試験した。
<ビフィドバクテリウム試料の調製>
ビフィドバクテリウム属に属する細菌としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株を用いた。澱粉に倍散したビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株の菌体粉末(1.1×1011cfu/g、森永乳業社製)をPBSに懸濁して9mg/ml(1×109cfu/ml)に調整し、ビフィドバクテリウム試料とした。
<妊娠期及び授乳期におけるビフィドバクテリウム試料投与>
Brown Norway系統の妊娠ラット及び非妊娠ラットを日本チャールズリバー社より購入した。妊娠ラットを2群に分け、対照群及び試験群とした。また、非妊娠ラットを非妊娠群とした。各群について表3に示す。
Figure 0005615285
妊娠14日目から出産後4日目までの12日間、飼料としてF−2を給餌し、自由摂取させた。また、非妊娠群のラットにも同様にF−2を給餌し、自由摂取させた。さらに、試験群には上記のビフィドバクテリウム試料を1×109cfu/ラット/日で一日一回投与し、対照群には同量のPBS(1ml/ラット/日)を一日一回投与した。非妊娠群には、ビフィドバクテリウム試料の投与もPBSの投与も行わなかった。
なお、F−2に含まれる鉄量は30mg/100gであり、標準飼料AIN−93Gに含まれる鉄量は4.01mg/100gであることから、F−2には、標準飼料AIN−93Gに比して約7.5倍量の鉄が含まれており、F−2中の鉄量は十分量であった。
出産後5日目時点で解剖を行い、下大静脈より採血を行った。得られた血液サンプルを、Cell Tac MEK−5254血球計測計(日本光電社製)により分析した。統計解析として、1−way ANOVAを行い、さらに、Fisher’s PLSDによる多重比較検定を行った。
赤血球数について、図8に示す。その結果、対照群では、非妊娠群に対し有意に低い赤血球数を示した。一方、ビフィドバクテリウム試料の投与により、試験群は対照群に対し危険率5%で有意に高い赤血球数を示し、赤血球数は非妊娠群との間に有意差が認められない程度まで改善された。
またヘモグロビン濃度について、図9に示す。その結果、対照群では、非妊娠群に対し有意に低いヘモグロビン濃度を示した。一方、ビフィドバクテリウム試料の投与により、試験群は対照群に対し危険率5%で有意に高いヘモグロビン濃度を示し、ヘモグロビン濃度は非妊娠群との間に有意差が認められない程度まで改善された。
一方、白血球数については、ビフィドバクテリウム試料投与の有無により、有意な差は認められなかった(図10)。
以上の通り、ビフィドバクテリウム試料の投与により、貧血に関連する生体パラメータの改善が認められ、赤血球数及びヘモグロビン濃度を非妊娠時と同等まで回復させることができた。
したがって、妊娠期及び授乳期のラットにおいて、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の投与による貧血の予防又は治療効果が認められた。ここで、生体内の鉄量と関連する赤血球数及びヘモグロビン濃度について改善が見られる一方、鉄量と関連しない白血球数は有意な差が認められなかった。
試験例4:妊娠期及び授乳期における母獣ラットへのビフィドバクテリウム試料投与が新生仔ラットへ与える貧血予防効果
次に、本発明に従い、妊娠した母獣ラットへビフィドバクテリウム試料を投与し、出産した新生仔ラットを、授乳期の段階においても引き続きビフィドバクテリウム試料を投与した母獣ラットから哺乳させて飼育した際の、新生仔ラットにおける貧血予防効果について試験した。
<ビフィドバクテリウム試料の調製>
ビフィドバクテリウム属に属する細菌としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株を用いた。澱粉に倍散したビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株の菌体粉末(1.0×1011cfu/g、森永乳業社製)をPBSに懸濁して2.5×109cfu/400μlに調整し、ビフィドバクテリウム試料とした。
<妊娠期及び授乳期におけるビフィドバクテリウム試料投与>
F344/N系統妊娠ラットを日本SLC社より購入した。妊娠ラットを4群に分け、鉄欠乏食(対照群及び試験群)と鉄標準食(対照群及び試験群)とした。各群について表4に示す。
Figure 0005615285
妊娠7日目から14日後に出産し、その後7日目までの合計21日間にわたって、母獣ラットに対し、飼料として鉄を欠乏させたAIN−93Gベースの餌(鉄欠乏食)、またはAIN−93G(鉄標準食)を給餌し、自由摂取させた。さらに、試験群の母獣ラットには上記のビフィドバクテリウム試料を2.5×109cfu/ラット/日で一日一回投与し、対照群には同量の澱粉(25mg/ラット/日)を一日一回投与した。
出生後7日目の時点で仔ラットの解剖を行い、下大静脈より採血を行った。得られた血液サンプルを血球計測計(シスメックス社製、型式:KX−21NV)により分析した。統計解析は、t検定により行った。
なお、母獣ラットへの投与スケジュールと、生まれた仔ラットからの採血に至るスケジュールを図11に示す。
鉄欠乏食群における、仔ラットの赤血球数(採血数:対照群13、試験群13)、仔ラットのヘモグロビン濃度(採血数:対照群13、試験群13)、および仔ラットのヘマトクリット値(採血数:対照群13、試験群13)をそれぞれ図12、13、および14に示す。
その結果、試験群は、対照群と比較して赤血球数(図12)、ヘモグロビン濃度(図13)、およびヘマトクリット値(図14)が増大する傾向が見られた。
鉄標準食群における、仔ラットの赤血球数(採血数:対照群21、試験群19)、仔ラットのヘモグロビン濃度(採血数:対照群21、試験群19)、および仔ラットのヘマトクリット値(採血数:対照群21、試験群19)をそれぞれ図15、16、および17に示す。
その結果、試験群は対照群に対して、危険率1%で有意に高い赤血球数を示した(図15)。また、試験群は対照群に対して、危険率1%で有意に高いヘモグロビン濃度を示した(図16)。また、試験群は対照群に対して、危険率1%で有意に高いヘマトクリット値を示した(図17)。
以上の通り、鉄欠乏食が与えられた母獣群から生まれた仔ラットにおいては、妊娠期及び授乳期の母獣へのビフィドバクテリウム試料の投与により、澱粉が投与された対照群と比較して、赤血球数、ヘモグロビン濃度、およびヘマトクリット値の改善傾向が認められた。
一方、鉄標準食が与えられた母獣群から生まれた仔ラットにおいては、妊娠期及び授乳期の母獣へのビフィドバクテリウム試料の投与により、澱粉が投与された対照群と比較して、上記の貧血に関連する生体パラメータの有意な改善が認められた。
したがって、妊娠期及び授乳期における母獣ラットへのビフィドバクテリウム試料投与により、新生仔ラットでの貧血予防効果が認められた。
なお、本試験例においては、新生仔ラットは、母獣ラットから哺乳をさせて飼育した。したがって、ビフィドバクテリウム試料を投与した母獣ラットの母乳は、哺乳対象となる仔ラットの貧血を予防する効果を有すると考えられる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:調製粉乳
脱塩牛乳乳清蛋白質粉末(ニュージーランド・デーリーボード社製)10kg、牛乳カゼイン粉末(ニュージーランド・デーリーボード社製)6kg、乳糖(ミライ社製)48kg、ミネラル混合物(富田製薬社製)920g(鉄として93gを含む)、及びビタミン混合物(田辺製薬社製)32gを温水300kgに溶解し、さらに90℃で10分間加熱溶解し、調製脂肪(太陽油脂社製)28kgを添加して均質化した。その後、殺菌、濃縮の工程を行って噴霧乾燥し、調製粉乳約93kgを調製した。これに、ビフィズス菌として、澱粉に倍散したビフィドバクテリウム・ブレーベ M−16V株の菌体粉末(1.8×1011cfu/g、森永乳業社製)を100g加えてビフィズス菌配合調製粉乳約93kgを調製した。得られた調製粉乳を水に溶解して、標準調乳濃度である総固形分濃度14%(w/V)の調乳液としたとき、調乳液中の鉄含量は1.4mg/100mlであり、ビフィズス菌数は2.7×109cfu/100mlであった。この調製粉乳を、貧血の予防又は治療に用いることができる。
実施例2:粉乳
脱脂粉乳(森永乳業社製)26.3kg、トウモロコシ澱粉(松谷化学工業社製)9kg、デキストリン(松谷化学社製)51.3kg、ミネラル混合物(メルク社製)7.5kg(鉄として17.6gを含む)、及びビタミン混合物(DSM社製)400gを温水450kgに溶解し、さらに90℃で10分間加熱溶解し、調製脂肪(太陽油脂社製)5.5kgを添加して均質化した。その後、殺菌、濃縮の工程を行なって噴霧乾燥し、粉乳約100kgを調製した。これに、ビフィズス菌として、澱粉に倍散したビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株の菌体粉末(1×1011cfu/g、森永乳業社製)を200g加えてビフィズス菌配合粉乳約100kgを調製した。得られた粉乳を水に溶解し、総固形濃度分13%(w/V)の調乳液としたとき、調乳液中の鉄含量は2.3mg/100mlであり、ビフィズス菌数は2.6×109cfu/100mlであった。この粉乳を、貧血の予防又は治療に用いることができる。
実施例3:流動食(粉末)
ホエー蛋白酵素分解物(森永乳業社製)10.8kg、デキストリン(昭和産業社製)36kg、及び少量の水溶性ビタミンとミネラル(鉄として2.4gを含む)を水200kgに溶解し、水相をタンク内に調製した。これとは別に、大豆サラダ油(太陽油脂社製)3kg、パーム油(太陽油脂社製)8.5kg、サフラワー油(太陽油脂社製)2.5kg、レシチン(味の素社製)0.2kg、脂肪酸モノグリセリド(花王社製)0.2kg、及び少量の脂溶性ビタミンを混合溶解し、油相を調製した。タンク内の水相に油相を添加し、攪拌して混合した後、70℃に加温し、更にホモゲナイザーにより14.7MPaの圧力で均質化した。次いで、90℃で10分間殺菌した後に、濃縮し、噴霧乾燥して、中間製品粉末約59kgを調製した。この中間製品粉末50kgに、蔗糖(ホクレン社製)6.8kg、アミノ酸混合粉末(味の素社製)167g、及び、ビフィズス菌として、スターチに倍散したビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株の菌体粉末(1×1011cfu/g、森永乳業社製)110gを添加し、均一に混合して、経腸栄養食粉末約57kgを製造した。粉末中の鉄含量は3.7mg/100gであり、ビフィズス菌数は1.9×1010cfu/100gであった。この流動食を、貧血の予防又は治療に用いることができる。
実施例4:カプセル
乳糖(和光純薬工業社製)400g、トウモロコシ澱粉(日清製粉社製)160g、結晶セルロース(和光純薬工業社製)200g、ミネラル混合物(富田製薬社製)40g(鉄として4gを含む)、ラクトフェリン(森永乳業社製)600g、及び、ビフィズス菌として、スターチに倍散したビフィドバクテリウム・ロンガム BB536株の菌体粉末(1×1011cfu/g、森永乳業社製)600gを、それぞれ50メッシュふるいによりふるい分けして均一に混合した。全自動カプセル充填機(Cesere Pedini社製)を用い、粉末をカプセル(日本エランコ社製。1号ゼラチンカプセル、Op. Yellow No.6 Body, 空重量75mg)に内容量275mgで充填し、鉄0.55mg、及びビフィズス菌末82mg(8×109cfu)を含有するカプセル剤7000個を作製した。このカプセル剤を、貧血の予防又は治療に用いることができる。
本発明のビフィドバクテリウム属に属する細菌は、鉄欠乏性貧血の予防又は治療に効果的である。したがって、ビフィドバクテリウム属に属する細菌を医薬組成物又は飲食品組成物に含有させることにより、鉄欠乏性貧血、特に妊産婦、又は乳幼児における鉄欠乏性貧血の予防又は治療用医薬組成物及び飲食品組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)
    ATCC BAA−999株、およびビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve) BCCM LMG23729株からなるビフィドバクテリウム属に属する細菌から選択される一又は複数を有効成分とする妊産婦用の貧血の予防又は治療用医薬組成物。
  2. 前記貧血が鉄欠乏性貧血である請求項1に記載の貧血の予防又は治療用医薬組成物。
  3. 妊産婦用の貧血の予防又は治療用医薬組成物の製造におけるビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999株、およびビフィドバクテリウム・ブレーベ BCCM LMG23729株からなるビフィドバクテリウム属に属する細菌から選択される一又は複数の使用。
  4. 前記貧血が鉄欠乏性貧血である請求項3に記載の使用。
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