JP2015193278A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリップの誤判定を抑制する。
【解決手段】ブレーキペダルがオフからオンされたときには下限ガード値Vslminを変化レートRvslで値N2まで減少させ、その後、ブレーキペダル85がオンからオフされたときには所定時間下限ガード値Vslminを値N2で維持した後、下限ガード値Vslminを所定の変化レートで値まで増加させる。これにより、ロックした駆動輪がグリップしたときに、実際にはスリップしていないにも拘わらずスリップが生じていると誤判定することを抑制できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の制御装置に関し、詳しくは、車両に搭載され、駆動輪の回転速度である駆動輪速と車体速とに基づいてスリップ速度を推定し、推定したスリップ速度を下限カード値で制限する車両の制御装置に関する。
従来、この種の車両の制御装置としては、駆動輪速から積分演算により求めた推定車体速を減じて得られるスリップ速度が閾値以上であるときにはモータの駆動が制限されるようモータを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、シフトポジションとシフトポジションが変更されてからの経過時間tとに基づいてスリップ速度制限値を設定し、駆動輪速から積分演算により求めた推定車体速を減じて得られる仮スリップ速度をスリップ速度制限値で制限したものをスリップ速度として設定することにより、スリップ速度がシフトポジションに対して通常取り得ない値となってスリップを誤判定することを抑制している。
特開2008−113541号公報
上述の車両の制御装置では、急ブレーキにより駆動輪をロックした後にブレーキを解除した場合、演算によるスリップ速度と実際のスリップ速度とが乖離し、スリップしていないにも拘わらず演算によるスリップ速度が判定値以上となり、実際にはスリップしていないにも拘わらずスリップが生じていると誤判定する場合がある。駆動輪速は、駆動輪がロックしたときには値0となり、ブレーキの解除により駆動輪がグリップすると値0から車体速に近づく。実際のスリップ速度は、駆動輪のロックにより負の値となり、駆動輪のグリップにより負の値から値0に近づく。一方、演算によるスリップ速度は、駆動輪のロックにより同様に負の値となるが、スリップ速度制限値によって制限されると、実際のスリップ速度より高い値となり、その後駆動輪がグリップすると、その値から増加するため、実際にはスリップしていないにも係らずスリップしていると誤判定してしまう。
本発明の車両の制御装置は、スリップの誤判定を抑制することを主目的とする。
本発明の車両の制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両の制御装置は、
車両に搭載され、駆動輪の回転速度である駆動輪速と車体速とに基づいてスリップ速度を推定し、前記推定したスリップ速度を下限カード値で制限する車両の制御装置であって、
ブレーキがオフからオンされたときには前記下限ガード値を低下させ、その後、前記ブレーキがオンからオフされたときには前記ブレーキがオフされてから所定時間が経過するまで前記下限ガード値を維持し、前記ブレーキがオフされてから所定時間が経過したとき以降に前記下限ガード値を増加させる下限ガード値変更手段
を備えることを特徴とする。
この本発明の車両の制御装置では、駆動輪の回転速度である駆動輪速と車体速とに基づいてスリップ速度を推定し、推定したスリップ速度を下限カード値で制限するものにおいて、ブレーキがオフからオンされたときには下限ガード値を低下させる。これにより、推定したスリップ速度が下限ガード値で制限されるのを抑制することができる。そして、その後、ブレーキがオンからオフされたときにはブレーキがオフされてから所定時間が経過するまで下限ガード値を維持し、ブレーキがオフされてから所定時間が経過したとき以降に下限ガード値を増加させる。摩擦係数の低い路面を走行しているときなどブレーキがオフされて駆動輪がグリップするまでに比較的長い時間を要する場合、ブレーキがオフされてから直ちに下限ガード値を増加させると、推定したスリップ速度が下限ガード値にガードされることにより増加してして実際のスリップ速度より高い値になり、スリップしていると誤判定することがあると考えられるが、ブレーキがオンからオフされたときにはブレーキがオフされてから所定時間が経過するまで下限ガード値を維持した後増加させることにより、推定したスリップ速度が実際のスリップ速度より高い値になることを抑制して、スリップの誤判定を抑制することができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 比較例のハイブリッド自動車における車体速,駆動輪速,ブレーキペダル85の踏み込み量,下限ガード値Vslmin,実際のスリップ速度である実スリップ速度Vslre,推定スリップ速度Vslestの時間変化の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド自動車20における車体速,駆動輪速,ブレーキペダル85の踏み込み量,下限ガード値Vslmin,実スリップ速度Vslre,推定スリップ速度Vslestの時間変化の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されエンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子(回転軸)がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子(回転軸)が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されインバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されバッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信すると共に車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、図示しないブレーキアクチュエータからの油圧により駆動輪38a,38bや従動輪38c,38dに機械的な制動力を作用させる電子制御ブレーキシステム(以下、ECBという)94と、を備える。
ECB94は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じて油圧(ブレーキマスタ圧)を生じるブレーキマスタシリンダ96と、駆動輪38a,38bや従動輪38c,38dの図示しないブレーキホイールシリンダに調整した油圧を供給するブレーキアクチュエータ97と、ブレーキアクチュエータ97を制御するECB用電子制御ユニット(以下、ECBECUという)99とを備えている。ブレーキアクチュエータ97は、ブレーキマスタ圧とモータMG2の回転数Nm2とにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが駆動輪38a,38bや従動輪38c,38dに作用するよう各ブレーキホイールシリンダの油圧を調整したり、ブレーキマスタ圧と無関係に駆動輪38a,38bや従動輪38c,38dに制動トルクが作用するよう各ブレーキホイールシリンダの油圧を調整したりしている。
ECBECU99は、駆動輪38a,38bや従動輪38c,38dに取り付けられた車輪速センサ98a〜98dからの車輪速Vdr,Vdl,Vnr,Vnlや図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力して、運転者がブレーキペダル85を踏み込んだときに駆動輪38a,38bや従動輪38c,38dのいずれかがロックによりスリップするのを防止するアンチロックブレーキシステム(ABS)制御や運転者がアクセルペダル83を踏み込んだときに駆動輪38a,38bや従動輪38c,38dのいずれかが空転によりスリップするのを防止するトラクションコントロール(TRC),車両が旋回走行しているときに姿勢を保持する姿勢保持制御(VSC)などの車両挙動安定制御を行なう。ECBECU99は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ97を駆動制御したり、必要に応じて、車輪速センサ98a〜98dからの車輪速Vdr,Vdl,Vnr,Vnlや図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力してブレーキアクチュエータの状態に関するデータをHVECU70に出力する。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ECBECU99と通信可能に接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ECBECU99と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)や、エンジン22の運転を停止して走行する電動走行モード(EV走行モード)で走行する。
HV走行モードでの走行時には、HVECU70は、アクセル開度Accと車速V(前進走行するときが正の値)とに基づいて走行に要求される要求トルクTr*(前進走行するときが正の値)を設定する。続いて、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えばモータMG2の回転数Nm2(前進走行するときが正の値))を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算し、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づくバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて車両に要求される要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*とエンジン22を効率よく運転するための動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)とを用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を効率よく運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。このHV走行モードでは、要求パワーPe*がエンジン22を運転停止した方がよい要求パワーPe*の範囲の上限として定められた停止用閾値Pstop以下に至ったときなどエンジン22の停止条件が成立したときに、エンジン22の運転を停止してEV走行モードに移行する。
EV走行モードでの走行時には、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を運転停止した状態でバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。このモータ運転モードでは、HV走行モードと同様に計算した要求パワーPe*がエンジン22を始動した方がよい要求パワーPe*の範囲の下限として定められた始動用閾値Pstart以上に至ったときなどエンジン22の始動条件が成立したときに、エンジン22を始動してHV走行モードに移行する。
実施例のハイブリッド自動車20のHVECU70は、通常時は、車輪速センサ98a〜93dからの車輪速Vdr,Vdl,Vnr,Vnlのそれぞれから車速センサ88からの車速Vを減じたスリップ速度を用いてABS制御やTRC制御を行なう。
車輪速センサ98a〜98dに異常が生じたりECBECU99とHVECU70との通信が途絶するなどABS制御やTRC制御を行なうことができないときには、次式(1)により推定スリップ速度Vslestの微分値dVslを算出し,既に設定されている推定スリップ速度(前回Vslest)と換算係数K1と微分値dVslとを用いて次式(2)によりスリップ速度の推定値の仮の値である仮推定スリップ速度Vsltmpを計算し、次式(3)により計算した仮推定スリップ速度Vsltmpをスリップ速度が通常取り得る値の上下限値である上限ガード値Vslmax,下限ガード値Vslminで制限したものを推定スリップ速度Vslestに設定する。式(1)中、Grはデファレンシャルギヤ37のギヤ比,Mは車両重量、Rは駆動輪半径、Ipは駆動輪38a,38bの慣性モーメント、ωpは演算した駆動輪角速度,Tpは駆動トルク(モータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクとトルク指令Tm2*との和)であるものとし、式(2)中、K1は実験や解析などで求めた換算係数であるものとした。また、駆動輪38a,38bは同一の駆動輪半径,慣性モーメントであるものと、駆動輪角速度ωpはモータMG2の回転数Nm2の変化量を用いて演算するものとした。なお、式(1),(2)は、車両全体の運動方程式と駆動輪38a,38bの運動方程式とにより導出される次式(4)のスリップ速度Vsについての積分演算から求めることができる。
dVsl = Gr/ (M・R)・((M・R2)/ Gr2 + Ip )・ (dωp / dt) - Tp) ・・・(1)
Vsltmp = 前回Vslest + K1・dVsl・・・(2)
Vslest = min (Vslmax, max(Vsltmp, Vslmin) ) ・・・(3)
Vs(t)= Gr/ (M・R)・∫[((M・R2)/ Gr2 + Ip ) dωp / dt - Tp)]dt・・・(4)
こうして設定したスリップ速度Vsや推定スリップ速度Vslestがスリップ判定閾値Vslref以上であるときには、駆動輪38a,38bがスリップしていると判断して、駆動制限を課すために、要求トルクTr*にトルク制限係数α(αは値1より小さい正の値)を乗じたものを要求トルクTr*に再設定して、再設定した要求トルクTr*で上述のHV走行モードやEV走行モードで走行するようエンジン22やモータMG1,MG2を制御する。こうした制御により、車輪速センサ98a〜98dに異常が生じたりECBECU99とHVECU70との通信が途絶した場合、駆動輪38a,38bのいずれかが空転によりスリップしたときには駆動軸36に出力されるトルクを小さくしてスリップを抑制することができる。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、車輪速センサ98a〜98dに異常が生じたりECBECU99とHVECU70との通信が途絶した状態で駆動輪38a,38bがロックしたときのスリップの判定の動作について説明する。
車輪速センサ98a〜98dに異常が生じてABS制御やTRC制御が行なわれないときにブレーキペダル85がオフからオンされたときには、HVECU70は、下限ガード値Vslminを値N1から時間の経過と共に変化レートRvslで値N1より小さい値N2まで減少させ、値N2に至るとブレーキペダル85がオンされている間は下限ガード値Vslminを値N2で保持する。ここで、値N1は、駆動輪38a,38bがロックしていない状態で通常取り得るスリップ速度の下限値として予め定めた値であり、例えば、0km/s,−3km/s,−5km/sを用いることができるものとした。また、値N2は、ABS制御が行なわれていないときにブレーキペダル85が踏み込まれて駆動輪38a,38bがロックしたときに取り得るスリップ速度の下限値より小さい値として予め定めた値であり、例えば、−15m/s,−20m/s,−25m/sを用いることができるものとした。さらに、変化レートRvslは、急峻に変化するレートとして予め定めた値であり、例えば、80m/s2,100m/s2、120m/s2を用いることができるものとした。
そして、その後、ブレーキペダル85がオフされたときには、オフされてから所定時間(例えば、0.2sec,0.3sec,0.4secなど)が経過するためは下限ガード値を値N2で保持し、オフされてから所定時間経過したとき以降に、時間の経過と共に変化レートRvslで下限ガード値Vslminを値N1まで増加させる。このように下限ガード値Vslminを設定する理由について説明する。
図2は比較例として下限ガード値Vslminの変化レートRvsl,Rrを同じ値としてハイブリッド自動車における車体速,駆動輪速,ブレーキペダル85の踏み込み量,下限ガード値Vslmin,実際のスリップ速度である実スリップ速度Vslre,推定スリップ速度Vslestの時間変化の一例を示す説明図であり、図3は実施例のハイブリッド自動車20における車体速,駆動輪速,ブレーキペダル85の踏み込み量,下限ガード値Vslmin,実スリップ速度Vslre,推定スリップ速度Vslestの時間変化の一例を示す説明図である。図中、駆動輪速,ブレーキペダル85の踏み込み量,推定スリップ速度Vslestを実線で示し,実スリップ速度Vslreを一点鎖線で示し、車体速と下限ガード値Vslminとを破線で示した。
図2,3に示すように、走行中にブレーキペダル85が踏み込まれたとき(時間T11,T21)、駆動輪38a,38bがロックすると駆動輪速が値0近傍になるため、実スリップ速度Vslreは減少して値0から負の値になる(時間T12,T22)。そして、その後、ブレーキがオフされて(時間T13,T23)駆動輪38a,38bがグリップすると(時間T14,T24)、駆動輪速が増加して車体速に近づくため、実スリップ速度Vslreは増加して負の値から値0になる(時間T15,T25)。摩擦係数が低い路面(例えば、凍結している路面など)を走行しているときなどブレーキペダル85がオフされてから駆動輪38a,38bがグリップするまである程度の時間を要する場合、実スリップ速度Vslreはブレーキペダル85がオフされてからしばらくは負の値で維持され(時間T13〜T14,T23〜T24)、駆動輪38a,38bがグリップしたときに増加して値0になる(時間T14〜T15,T24〜T25)。
ところで、推定スリップ速度Vslestは仮スリップ速度Vsltmpを上下限ガード値Vslmax,Vslminで制限した値であるため、ブレーキペダル85がオフされてから駆動輪38a,38bがグリップするまでの間(時間T13〜T14)に仮スリップ速度Vsltmpが下限ガード値Vslminで制限されると、図2に示すように、下限ガード値Vslminと共に推定スリップ速度Vslestが増加する。こうした状態で駆動輪38a,38bがグリップすると(時間T14)、推定スリップ速度Vsltmpが下限ガード値Vslminから増加してスリップ判定閾値Vslref以上となり、実スリップ速度Vslreが値0以下であるにも拘わらずスリップが生じていると誤推定されてしまう。
実施例では、図3に示すように、ブレーキペダル85がオフされてから所定時間の間(時間T23〜T25)、下限ガード値Vslminを値N2で維持し、その後、時間の経過と共に変化レートRvslで下限ガード値Vslminを値N1まで増加させる(時間T25以降)。これにより、ブレーキペダル85がオフされてから駆動輪38a,38bがグリップするまでの間(時間T23〜T24)に、仮スリップ速度Vsltmpが下限ガード値Vslminで制限されて推定スリップ速度Vslestが増加するのを抑制することができ、実スリップ速度Vslreが値0以下であるにも拘わらずスリップが生じていると誤判定されることを抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、ブレーキペダル85がオフからオンされたときには下限ガード値Vslminを変化レートRvslで値N2まで減少させ、その後、ブレーキペダル85がオンからオフされたときには所定時間下限ガード値Vslminを値N2で維持した後、下限ガード値Vslminを変化レートRvslで値N1まで増加させることにより、ロックした駆動輪がグリップしたときに、実際にはスリップしていないにも拘わらずスリップが生じていると誤判定することを抑制できる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、HVECU70が「下限ガード値変更手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の制御装置の製造業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、38c,38d 従動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、94 電子制御ブレーキシステム(ECB)、96 ブレーキマスタシリンダ、97 ブレーキアクチュエータ、98a〜98d 車輪速センサ、99 ECB用電子制御ユニット(ECBECU)、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. 車両に搭載され、駆動輪の回転速度である駆動輪速と車体速とに基づいてスリップ速度を推定し、前記推定したスリップ速度を下限カード値で制限する車両の制御装置であって、
    ブレーキがオフからオンされたときには前記下限ガード値を低下させ、その後、前記ブレーキがオンからオフされたときには前記ブレーキがオフされてから所定時間が経過するまで前記下限ガード値を維持し、前記ブレーキがオフされてから所定時間が経過したとき以降に前記下限ガード値を増加させる下限ガード値変更手段
    を備えることを特徴とする車両の制御装置。
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