JP2013005560A - 電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】段差の乗り越えと段差を乗り越えた後の運転操作に基づく走行とをより適正に行なう。
【解決手段】アクセル操作に基づく要求トルクによりリバース走行している最中に段差が検出されたときにそのときの検出車速Vなどとしての初期車速V1で走行するようモータを制御し(時刻t12〜t13)、その制御中に段差の乗り越え終了が検出されたときにクリープ用車速Vcrで所定時間Tcrだけ走行するようモータを制御する(時刻t13〜t14)。これにより、段差が検出されたときに初期車速V1などの低車速で段差を乗り越えることができると共に、段差の乗り越え終了が検出されたときに直ちにリバース走行用の通常制御に移行させるものに比して、段差の乗り越え直後にアクセル操作に基づく要求トルクが出力されることにより走行が不安定になるのを抑制することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、電動車両に関し、詳しくは、バッテリからの電力を用いてモータから動力を出力して走行する電動車両に関する。
従来、この種の電動車両としては、動力源としてモータを備える車両であって、車両の発進時に段差が検知されたときに、段差の大きさを推定した後、段差の大きさに対応する段差乗り越えに必要な要求駆動力が出力されるようモータを制御し、段差乗り越えが終了したと判定されたときに、アクセル操作に対応する駆動力まで徐々に低下する要求駆動力が出力されるようモータを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、段差が検知されたときに車両の駆動力に対する車輪速の変化量が小さいほど段差が大きいと推定し、段差の大きさに対応する要求駆動力を出力する。これにより、車両の段差乗り越え発進時における運転操作性を改善するものとしている。
特許第4449873号公報
しかしながら、上述の車両では、段差の大きさが誤って推定されると、段差を乗り越えることができない場合がある。また、段差を乗り越えた後は、上述の車両のようにアクセル操作に対応する駆動力まで徐々に低下する要求駆動力をモータから出力する際に、要求駆動力を低下させるために一定のレートを用いると、アクセル操作に対応する駆動力を出力するまでの時間が十分に確保されないなどにより、アクセル操作に基づく走行にスムーズに移行することができない場合がある。
本発明の電動車両は、段差の乗り越えと段差を乗り越えた後の運転操作に基づく走行とをより適正に行なうことを主目的とする。
本発明の電動車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の電動車両は、
バッテリからの電力を用いてモータから動力を出力して走行する電動車両であって、
アクセル操作に基づく要求トルクによりリバース走行している最中に段差が検出されたときに第1の低車速で走行するよう前記モータを制御し、該制御中に前記段差の乗り越え終了が検出されたときに前記第1の低車速以下の第2の低車速で所定時間だけ走行するよう前記モータを制御する段差制御手段
を備えることを要旨とする。
この本発明の電動車両では、アクセル操作に基づく要求トルクによりリバース走行している最中に段差が検出されたときに第1の低車速で走行するようモータを制御し、その制御中に段差の乗り越え終了が検出されたときに第1の低車速以下の第2の低車速で所定時間だけ走行するようモータを制御する。したがって、アクセル操作に基づく要求トルクによりリバース走行するようモータを制御している最中に段差が検出されたとき、即ちリバース走行用の通常制御を実行している最中に段差が検出されたときには、第1の低車速で段差を乗り越えることができる。また、段差の乗り越え終了が検出されても所定時間は第2の低車速で走行するから、即ち段差の乗り越え終了が検出されても第2の低車速で所定時間だけ走行した後にリバース走行用の通常制御に移行(復帰)させるから、段差の乗り越え終了が検出されたときに直ちにリバース走行用の通常制御に移行させるものに比して、段差の乗り越え直後にアクセル操作に基づく要求トルクとして安定した走行を行なうのに過大な若しくは過小なトルクなどが出力されることにより走行が不安定になるのを抑制することができる。この結果、段差の乗り越えと段差を乗り越えた後の運転操作に基づく走行とをより適正に行なうことができる。ここで、第1の低車速としては、段差が検出されたときの車速を所定のクリープ用車速以上かつ所定の低車速上限以下の範囲に制限した車速や、所定のクリープ用車速などを用いることができる。第2の低車速としては、所定のクリープ用車速などを用いることができる。また、所定時間としては、運転者が段差の乗り越え終了を把握(認識)するのに十分な時間などを用いることができる。
こうした本発明の電動車両において、前記段差制御手段は、前記段差が検出されて前記第1の低車速で走行している最中にアクセル操作量が所定量以上増大したときには該所定の低車速を高く補正した車速で走行するよう前記モータを制御する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、アクセル操作に応じて段差を乗り越える際の車速を高くすることができる。
また、本発明の電動車両において、前記段差制御手段は、前記段差が検出されて前記第1の低車速で走行している最中にアクセル操作量が減少したときには該第1の低車速で走行するのを継続するよう前記モータを制御する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、アクセル操作に拘わらず第1の低車速で段差を乗り越えることができる。
なお、本発明の電動車両において、車両に制動力を付与可能な制動力付与手段を備え、前記段差制御手段は、前記段差が検出されて前記第1の低車速で走行している最中または前記段差の乗り越え終了が検出されて前記第2の低車速で走行している最中にブレーキ操作がなされたときには、該ブレーキ操作に基づく制動力が車両に作用するよう前記制動力付与手段を制御する、ものとすることもできる。
さらに、本発明の電動車両において、前記段差制御手段は、前記段差がないときの車速として車両の駆動力に基づいて推定される推定車速から検出車速を減じて得られる車速差が該検出車速の低下開始から所定の検出用時間内に所定車速以上になったときに段差を検出する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、段差をより確実に検出することができる。ここで、所定の検出用時間および所定車速としては、段差検出用に予め定められた時間および車速を用いることができる。
あるいは、本発明の電動車両において、前記段差制御手段は、前記段差が検出された後に前記モータの出力トルクの低下開始からの低下量が所定トルク以上になったときに前記段差の乗り越え終了を検出する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、段差を乗り越えたことをより確実に検出することができる。ここで、所定トルクとしては、段差の乗り越え終了の検出用に予め定められたものを用いることができる。また、モータの出力トルクの低下量が所定トルク以上になったときとして、モータの出力トルクに相当する電流の低下量が所定の電流量以上になったとき、を用いることもできる。なお、モータの出力トルクの低下量は、段差が検出されたとき以降のモータの出力トルクの最大値からモータの現在の出力トルクを減じて得られるトルクなどを用いることができる。
また、本発明の電動車両において、内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構とを備え、前記モータは、前記駆動軸に動力を入出力可能に接続されており、前記バッテリは、前記モータおよび前記発電機と電力をやりとり可能である、ものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるリバース時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される段差検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。 段差を検出する際のアクセル開度Accと車速との時間変化の様子の一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される段差乗越検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。 段差の乗り越え終了を検出する際の検出車速VとモータMG2の推定トルクTm2eとの時間変化の様子の一例を示す説明図である。 段差が検出されてからその段差を乗り越える際のアクセル開度Accと車両の駆動力と車速Vとモータ制御の状態との時間変化の様子の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例の電気自動車220の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とする内燃機関として構成されたエンジン22と、エンジン22のクランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号などエンジン22の状態を検出する各種センサからの信号を入力してエンジン22を運転するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪63a,63bにデファレンシャルギヤ62を介して連結された駆動軸32にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸32に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号などモータMG1,MG2やインバータ41,42の状態を検出する各種センサからの信号を入力すると共にインバータ41,42のスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン電池などの二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、駆動輪63a,63bや従動輪64a,64b(以下、それぞれを車輪ともいう)のブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ92と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70(以下、HVECUという)とを備える。
エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数即ちエンジン22の回転数Neを演算しており、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や回転数Nm1,Nm2を演算しており、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために図示しない電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算すると共に、演算した残容量(SOC)と図示しない温度センサにより検出されたバッテリ50の温度とに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。
ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキペダルの踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ90の圧力(ブレーキ圧)と車速Vとにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが駆動輪63a,63bや従動輪64a,64bに作用するよう図示しないブレーキパッドを押圧するブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したり、ブレーキペダルの踏み込みに無関係に、駆動輪63a,63bや従動輪64a,64bに制動トルクが作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したりすることができるように構成されている。ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)94により制御されている。
HVECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、HVECU70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU92と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、シフトポジションSPとしては、駐車ポジションやニュートラルポジション,前進走行用のドライブポジション,後進走行用(リバース走行用)のリバースポジションなどがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸32に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力が駆動軸32に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸32に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸32に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸32に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にシフトポジションSPをリバースポジションとしてモータ運転モードでリバース走行している最中に段差を乗り越える際の動作について説明する。図2はHVECU70により実行されるリバース時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPがリバースポジションでモータ運転モードのときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。なお、モータMG2から出力されるトルクについて、実施例では、リバース方向に出力するトルクを正の値として説明を行ない、車速Vについても、実施例では、リバース方向への車速Vを正の値として説明を行なう。
図2のリバース時駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、まず、段差が検出されたときに値1が設定される段差検出フラグF1やその段差の乗り越え終了が検出されたときに値1が設定される段差乗越検出フラグF2,アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,車速センサ88からの車速Vなど制御に必要なデータを入力し(ステップS100)、入力した段差検出フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS110)。段差検出フラグF1は、初期値として値0が設定されると共に本ルーチンにより値0が設定され、図3に例示する段差検出ルーチンにより段差が検出されたとき(車輪が段差に差し掛かったと検出されたとき)に値1が設定されるフラグである。ここで、リバース時駆動制御の説明を一旦中断し、段差の検出について説明する。図3はHVECU70により実行される段差検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPがリバースポジションでモータ運転モードのときにリバース時駆動制御ルーチンと並行して所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
図3の段差検出ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、段差検出フラグF1が値0であるか否かを判定し(ステップS300)、段差検出フラグF1が値1のときには、段差が検出された後であると判断して、そのまま本ルーチンを終了する。段差検出フラグF1が値0のときには、車速センサ88からの車速V(以下、検出車速Vという)を入力し(ステップS310)、入力した検出車速Vが低下したか否かを判定する(ステップS320)。ここで、検出車速Vが低下したか否かの判定は、前回本ルーチンを実行したときにステップS310で入力した検出車速V(前回V)から今回入力した検出車速Vを減じた値(前回V−V)が正の値であるか否かを判定することにより行なうことができる。
検出車速Vが低下していないと判定されたときには、そのまま本ルーチンを終了し、検出車速Vが低下したと判定されたときには、段差がないときの(車輪が段差に差し掛かっていないときの)車速として推定される推定車速Veを車両の駆動力に基づいて計算する(ステップS330)。ここで、推定車速Veは、走行路面に段差がないために、モータMG2の出力トルクの全てがリバース方向への車両の加速に用いられたときの車速として推定されるものであり、例えば、モータMG2の出力トルクとして推定される推定トルクTm2eと換算係数との積として計算された車両の駆動力Fを車両質量Mで割ることにより車両の推定加速度αを計算し、ステップS320で検出車速Vが低下を開始したと判定されたときの検出車速Vである低下開始時車速V0と計算した推定加速度αを時間積分した値との和(Ve=V0+∫α・dt)として計算することができる。また、モータMG2の推定トルクTm2eは、例えば、図2のリバース時駆動制御ルーチンにより設定されているモータMG2のトルク指令Tm2*を用いたり、回転位置検出センサ44からの信号により演算されたモータMG2の電気角θe2と図示しない電流センサにより検出されたモータMG2に流れる相電流とに基づいて計算されたものなどを用いることができる。
こうして推定車速Veを計算すると、検出車速Vが低下を開始してから所定時間Tdが経過したか否かを判定し(ステップS330)、検出車速Vの低下開始から所定時間Tdが経過していないと判定されたときには、そのまま本ルーチンを終了する。検出車速Vの低下開始から所定時間Tdが経過していると判定されたときには、計算した推定車速Veから検出車速Vを減じたものを車速差ΔVeとして計算し(ステップS350)、計算した車速差ΔVeが所定車速ΔVref以上であるか否かを判定する(ステップS360)。ここで、所定時間Tdおよび所定車速ΔVrefは、実施例では、段差を検出するために予め実験や解析により定められたものを用いるものとした。
車速差ΔVeが所定車速ΔVref未満であると判定されたときには、そのまま本ルーチンを終了し、車速差ΔVeが所定車速ΔVref以上であると判定されたときには、段差検出フラグF1に値1を設定して(ステップS370)、本ルーチンを終了する。図4に、段差を検出する際のアクセル開度Accと車速との時間変化の様子の一例を示す。図中の下段には、検出車速Vを実線で示し、推定車速Veを一点鎖線で示す。図示するように、例えば時速5kmや時速10km,時速十数kmなどの低車速でリバース走行中に、車輪が段差に差し掛かって検出車速Vが低下を開始すると(時刻t1)、段差を乗り越えようとするときには、運転者はある程度アクセルペダルを踏み込み(時刻t2)、推定車速Veが大きくなるため、検出車速Vの低下開始から所定時間Tdが経過するとき(時刻t3)までに推定車速Veと検出車速Vとの車速差ΔVeは所定車速ΔVref以上に大きくなる。実施例のハイブリッド自動車20では、こうして車両の駆動力に基づく推定車速Veと車速センサ88による検出車速Vとの車速差ΔVeが検出車速Vの低下開始から所定時間Td内に所定車速ΔVref以上になったときに段差を検出するのである。以上、段差の検出について説明した。図2のリバース時駆動制御ルーチンの説明に戻る。
図2のルーチンで入力した段差検出フラグF1が値1であるか否かを判定し(ステップS110)、段差検出フラグF1が値0のときには、段差は検出されていないため、通常制御を実行すると判断し、入力したアクセル開度Accと検出車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸32に出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS120)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと検出車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと検出車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。
続いて、設定した要求トルクTr*をモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpとして設定し(ステップS130)、設定した仮トルクTm2tmpを上限トルクTlimで制限したものをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定し(ステップS140)、設定したトルク指令Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS290)、リバース時駆動制御ルーチンを終了する。ここで、上限トルクTlimは、バッテリECU52により演算されたバッテリ50の出力制限WoutをモータECU40により演算されたモータMG2の回転数Nm2で割って得られるトルクの上限値などを用いることができる。トルク指令Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。このように、段差検出フラグF1が値0のときには、アクセル開度Accと検出車速Vとに基づく要求トルクTr*がモータMG2から駆動軸32に出力されるようにモータMG2(インバータ42)を制御する、即ち通常制御を実行することにより、リバース走行することができる。
ステップS110で段差検出フラグF1が値1のときには、前回本ルーチンを実行したときにステップS100で入力した段差検出フラグF1(前回F1)が値1であるか否かを判定し(ステップS150)、前回F1が値0のときには、段差が検出されてから最初に本ルーチンを実行するときであると判断し、次式(1)を用いて、車両特性などに基づいて予め定められたクリープ用車速Vcr(例えば時速数kmなど)と予め定められた低車速上限Vlimと検出車速Vとに基づいて初期車速V1を設定し(ステップS160)、設定した初期車速V1を目標車速V*に設定し(ステップS170)、検出車速Vが設定した目標車速V*になるよう式(2)によりモータMG2の仮トルクTm2tmpを計算する(ステップS270)。ここで、初期車速V1は、段差が検出されたときの検出車速Vをクリープ用車速Vcr以上かつ低車速上限Vlim以下の範囲内に制限したものであり、基本的には段差が検出されたときの検出車速Vが設定される。また、低車速上限Vlimは、段差を乗り越える際に許容される車速の上限値として予め実験などにより定められたもの(例えば、時速十数kmなど)である。式(2)は、検出車速Vを目標車速V*とするためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第1項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第2項の「k2」は積分項のゲインである。
V1=min(max(V,Vcr),Vlim) (1)
Tm2tmp=k1(V*-V)+k2∫(V*-V)dt (2)
こうしてモータMG2の仮トルクTm2tmpを計算すると、計算した仮トルクTm2tmpを上限トルクTlim2で制限したものをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定し(ステップS280)、設定したトルク指令Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS290)、リバース時駆動制御ルーチンを終了する。ここで、上限トルクTlim2は、バッテリECU52により演算されたバッテリ50の出力制限WoutをモータECU40により演算されたモータMG2の回転数Nm2で割って得られるトルクの上限値と、乗り越えることが許容される最大の段差を乗り越えるためにモータMG2から出力すべきトルクとして予め実験などにより定められた値とのうち、小さい方のトルクなどを用いることができる。乗り越えることが許容される最大の段差を考慮することにより、乗り越えることが許容される最大の段差を超える大きさの車輪止めなどを乗り越えようとするのを抑制することができる。このように、段差検出フラグF1が値0から値1になったときには、基本的に段差が検出されたときの検出車速Vとして設定される初期車速V1によるリバース走行を開始することができる。
ステップS110,S150で段差検出フラグF1が値1で前回F1も値1のときには、段差乗越検出フラグF2が値0であるか否かを判定する(ステップS180)。段差乗越検出フラグF2は、初期値として値0が設定されると共に本ルーチンにより値0が設定され、図6に例示する段差乗越検出ルーチンにより段差の乗り越え終了が検出されたとき(段差に差し掛かった車輪による段差の乗り越えが終了したと検出されたとき)に値1が設定されるフラグである。ここで、リバース時駆動制御の説明を再び中断し、段差の乗り越え終了の検出について説明する。図6はHVECU70により実行される段差乗越検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトポジションSPがリバースポジションでモータ運転モードのときにリバース時駆動制御ルーチンと並行して所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
図6の段差乗越検出ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、段差検出フラグF1が値1であるか否かと(ステップS400)、段差乗越検出フラグF2が値0であるか否かとを判定し(ステップS410)、段差検出フラグF1が値0のときや、段差検出フラグF1が値1で段差乗越検出フラグF2が値1のときには、そのまま本ルーチンを終了する。段差検出フラグF1が値1で段差乗越検出フラグF2が値0のときには、段差の乗り越え終了を検出する必要があると判断し、モータMG2の出力トルクとして推定される推定トルクTm2eを計算する(ステップS420)。ここで、推定トルクTm2eは、前述したように、例えば、図2のリバース時駆動制御ルーチンにより設定されているモータMG2のトルク指令Tm2*を用いたり、回転位置検出センサ44からの信号により演算されたモータMG2の電気角θe2と図示しない電流センサにより検出されたモータMG2に流れる相電流とに基づいて計算されたものなどを用いることができる。
続いて、モータMG2の推定トルクTm2eが低下したか否かを判定し(ステップS430)、推定トルクTm2eが低下していないと判定されたときには、本ルーチンを終了し、推定トルクTm2eが低下したと判定されたときには、推定トルクTm2eの低下開始からのトルク低下量ΔTm2eを計算する(ステップS440)。ここで、推定トルクTm2eが低下したか否かの判定は、前回本ルーチンを実行したときにステップS420で計算した推定トルクTm2e(前回Tm2e)から今回入力した推定トルクTm2eを減じた値(前回Tm2e−Tm2e)が正の値であるか否かを判定することにより行なうことができる。また、トルク低下量ΔTm2eは、段差が検出されたとき以降のモータMG2の推定トルクTm2eの最大値からモータMG2の今回計算された推定トルクTm2eを減じて得られるトルクなどとして計算することができる。
次に、モータMG2のトルク低下量ΔTm2eが段差の乗り越え終了の検出用に予め実験などにより定められた所定トルクΔTref以上であるか否かを判定し(ステップS450)、トルク低下量ΔTm2eが所定トルクΔTref未満のときには、本ルーチンを終了し、トルク低下量ΔTm2eが所定トルクΔTref以上のときには、段差乗越検出フラグF2に値1を設定して(ステップS460)、本ルーチンを終了する。図7に、段差の乗り越え終了を検出する際の検出車速VとモータMG2の推定トルクTm2eとの時間変化の様子の一例を示す。後述するように、段差が検出されたときには初期車速V1などの目標車速V*で走行するようフィードバック制御を用いてモータMG2の制御を開始するから、段差を乗り越えることにより目標車速V*で走行するのに必要なモータMG2の出力トルクは急速に低下する。図示するように、目標車速V*によるリバース走行によって段差を乗り越えつつある状態で、モータMG2の推定トルクTm2eが比較的急速な低下を開始し(時刻t4)、トルク低下量ΔTm2eが所定トルクΔTref以上となる程に推定トルクTm2eが低下すると(時刻t5)、段差の乗り越えが終了したと検出する。実施例のハイブリッド自動車20では、こうして段差検出後にモータMG2の推定トルクTm2eの低下開始からのトルク低下量ΔTm2eが所定トルクΔTref以上になったときに段差の乗り越え終了を検出するのである。以上、段差の乗り越え終了の検出について説明した。図2のリバース時駆動制御ルーチンの説明に戻る。
図2のルーチンで段差乗越検出フラグF2が値0であるか否かを判定し(ステップS180)、段差乗越検出フラグF2が値0のときには、段差の乗り越えは終了していないと判断し、入力したアクセル開度Accがアクセル操作に対する不感帯として予め実験などにより定められた所定開度ΔAref(例えば数%など)以上変化したか否かを判定すると共に(ステップS190)、アクセル開度Accが所定開度ΔAref以上変化したと判定されたときにはアクセル開度Accが増加したか否かを判定する(ステップS200)。ここで、アクセル開度Accが所定開度ΔAref以上変化したか否かの判定は、前回本ルーチンを実行したときにステップS100で入力したアクセル開度Acc(前回Acc)から今回入力したアクセル開度Accを減じた値(前回Acc−Acc)の絶対値が所定開度ΔAref以上であるか否かを判定することにより行なうことができる。また、アクセル開度Accが増加したか否かの判定は、値(前回Acc−Acc)が負の値であるか負の値であるかを判定することにより行なうことができる。
アクセル開度Accが所定開度ΔAref以上変化していないと判定されたときには、前回本ルーチンを実行したときに設定した目標車速V*(前回V*)を目標車速V*として保持し(ステップS210)、アクセル開度Accが所定開度ΔAref以上変化しており且つ増加していると判定されたときには、次式(3)を用いて前回V*と予め実験などにより定められた補正用車速ΔV(例えば時速数km)との和を前述した低車速上限Vlimで制限することにより目標車速V*を設定し(ステップS220)、アクセル開度Accが所定開度ΔAref以上変化しており且つ減少していると判定されたときには、式(4)を用いて前回V*から補正用車速ΔVを減じたものを前述した初期車速V1で制限することにより目標車速V*を設定する(ステップS230)。すなわち、段差が検出されて初期車速V1が目標車速V*に設定されてから段差の乗り越え終了が検出されるまでは、初期車速V1が目標車速V*に設定されている状態でアクセル開度Accが大きく変化しないうちは初期車速V1が目標車速V*として保持され、初期車速V1が目標車速V*に設定されている状態でアクセル開度Accが大きく増加したときには低車速上限Vlim以下の範囲内で初期車速V1より補正用車速ΔVだけ増加した車速が目標車速V*に設定され、初期車速V1が目標車速V*に設定されている状態でアクセル開度Accが大きく減少したときでも初期車速V1が目標車速V*として保持される。
V*=min((前回V*+ΔV),Vlim) (3)
V*=max((前回V*-ΔV),V1) (4)
こうして目標車速V*を設定すると、検出車速Vが設定した目標車速V*になるよう前述した式(2)によりモータMG2の仮トルクTm2tmpを計算し(ステップS270)、計算した仮トルクTm2tmpを上限トルクTlim2で制限したものをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定し(ステップS280)、設定したトルク指令Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS290)、リバース時駆動制御ルーチンを終了する。このように、段差検出フラグF1が値1で段差乗越検出フラグF2が値0のときには、基本的に段差が検出されたときの検出車速Vとして設定される初期車速V1によるリバース走行を継続し、段差検出後にアクセル開度Accが大きく増加したときには初期車速V1より高い目標車速V*によるリバース走行を行ない、段差検出後にアクセル開度Accが大きく減少したときでも初期車速V1によるリバース走行を継続することができる。これにより、基本的に初期車速V1で段差を乗り越えることができる。また、段差を乗り越える際の目標車速V*をアクセル開度Accの増加に応じて高く補正して、即ち運転者によるアクセルペダルの踏み込みに応じた車速によって段差を乗り越えることもできる。さらに、段差を乗り越える際の目標車速V*をアクセル開度Accの減少に応じて初期車速V1未満に小さく補正することがないから、段差の乗り越えに過度に長い時間を要することがない。
ステップS180で段差乗越検出フラグF2が値1のときには、段差の乗り越えが終了したと判断し、段差の乗り越えが終了してから(段差乗越検出フラグF2が値1と判定されてから)所定時間Tcrが経過したか否かを判定し(ステップS240)、段差の乗り越えが終了してから所定時間Tcrが経過していないときには、前述したクリープ用車速Vcrを目標車速V*として設定する(ステップS250)。ここで、所定時間Tcrとしては、実施例では、運転者が段差の乗り越え終了を把握するのに十分な時間や運転者が段差の乗り越え終了を把握してからアクセル操作を行なうのに必要な時間などとして予め実験などにより定められたもの(例えば数百msecなど)を用いるものとした。そして、検出車速Vが設定した目標車速V*になるようモータMG2の仮トルクTm2tmpを計算し(ステップS270)、計算した仮トルクTm2tmpを上限トルクTlim2で制限したものをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定し(ステップS280)、設定したトルク指令Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS290)、リバース時駆動制御ルーチンを終了する。
段差の乗り越えが終了してから所定時間Tcrが経過したときには、段差検出フラグF1と段差乗越検出フラグF2とを値0にリセットし(ステップS260)、通常制御を実行する、即ち、アクセル開度Accと検出車速Vとに基づく要求トルクTr*を設定してモータMG2の仮トルクTm2tmpに設定し(ステップS120,S130)、設定した仮トルクTm2tmpを上限トルクTlimで制限したものをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定し(ステップS140)、設定したトルク指令Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS290)、リバース時駆動制御ルーチンを終了する。
なお、実施例では、図2のリバース時駆動制御ルーチンが実行されている最中にブレーキオンされたときには、HVECU70は、リバース時駆動制御ルーチンの実行を中止し、図示しないルーチンの実行によりブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPに応じたブレーキトルク指令をブレーキECU94に送信する。ブレーキトルク指令を受信したブレーキECU94は、指令に応じたブレーキトルクが車両に作用するようブレーキアクチュエータ92を制御する。
図8に、段差が検出されてからその段差を乗り越える際のアクセル開度Accと車両の駆動力と車速Vとモータ制御の状態との時間変化の様子の一例を示す。図の例では、要求トルクTr*により走行するようモータMG2が制御されている(通常制御(図中ではトルク制御ともいう)が実行されている)最中に、時刻t11からの所定時間Tdにおける検出車速Vの低下に伴って時刻t12で段差が検出されると、段差が検出されたときの初期車速V1で段差を乗り越えるようにモータMG2が制御される(車速制御が実行される)。時刻t12以降に所定開度ΔArefを超えない範囲でアクセル開度Accが増加しても初期車速V1としての目標車速V*が保持され、モータMG2の出力トルクの低下に伴って時刻t13で段差の乗り越え終了が検出されると、クリープ用車速Vcrで所定時間Tcrだけ走行するようモータMG2が制御され(クリープ用車速制御が実行され)てから、時刻t14で通常制御(トルク制御)に切り替えられる。一般に、リバース走行により段差を乗り越える際には、後方の視界が悪いことや段差乗り越え後の加速を恐れるなどのために、運転者はアクセルペダルの踏み込みを十分に行なうことができずに段差を乗り越えることができない場合がある。また、実施例のハイブリッド自動車20では、その構成上、リバース方向への走行にエンジン22からの動力を用いることができないため、リバース走行時には前進走行時に比して運転者がアクセルペダルを大きく踏み込む傾向により段差を安定して乗り越えることができない場合がある。これに対し、実施例のハイブリッド自動車20では、段差が検出されたときには初期車速V1などの低車速で走行するようモータMG2を制御するから、初期車速V1などの低車速で段差を乗り越えることができる。また、段差の乗り越え終了が検出されてもクリープ用車速Vcrで所定時間Tcrだけ走行するから、運転者は段差を乗り越えたことを把握して適正なアクセル操作を行なうこと、即ち通常制御による適正なアクセル操作に基づく走行を再開することができ、段差の乗り越え終了が検出されたときに直ちに通常制御に移行させるものに比して、段差の乗り越え直後の要求トルクTr*としてアクセル操作に基づく安定した走行を再開するのに過大なトルクや過小なトルクなどが出力されることによって走行が不安定になるのを抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、アクセル操作に基づく要求トルクTr*によりリバース走行している最中に段差が検出されたときにそのときの検出車速Vなどの初期車速V1で走行するようモータMG2を制御し、その制御中に段差の乗り越え終了が検出されたときにクリープ用車速Vcrで所定時間Tcrだけ走行するようモータMG2を制御するから、段差が検出されたときに初期車速V1などの低車速で段差を乗り越えることができると共に、段差の乗り越え終了が検出されたときに直ちにリバース走行用の通常制御に移行させるものに比して、段差の乗り越え直後にアクセル操作に基づく要求トルクTr*が出力されることにより走行が不安定になるのを抑制することができる。この結果、段差の乗り越えと段差を乗り越えた後の運転操作に基づく走行とをより適正に行なうことができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、段差が検出されたときには、車速センサ88による検出車速Vをクリープ用車速Vcr以上かつ低車速上限Vlim以下の範囲内に制限したものを初期車速V1として設定して目標車速V*として用いるものとしたが、段差が検出されたときには、検出車速Vに拘わらずクリープ用車速Vcrを目標車速V*として用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、段差の乗り越え終了が検出されたときにはクリープ用車速Vcrを目標車速V*に設定して所定時間Tcrだけ目標車速V*で走行するものとしたが、段差の乗り越え終了が検出されたときには初期車速V1以下の車速であればクリープ用車速Vcrより若干高い車速を目標車速V*に設定して所定時間Tcrだけ目標車速V*で走行するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、段差が検出されて初期車速V1としての目標車速V*によるリバース走行を開始した状態でアクセル開度Accが所定開度ΔAref以上減少したときでも目標車速V*を保持するものとしたが、段差が検出されて初期車速V1としての目標車速V*によるリバース走行を開始した状態でアクセル開度Accが所定開度ΔAref以上減少したときには目標車速V*をクリープ用車速Vcr以上の範囲内で低くするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、段差が検出されて初期車速V1としての目標車速V*によるリバース走行を開始した状態でアクセル開度Accが所定開度ΔAref以上増大したときには目標車速V*を補正用車速ΔVだけ高くするものとしたが、段差が検出されて初期車速V1としての目標車速V*によるリバース走行を開始した状態でアクセル開度Accが所定開度ΔAref以上増大したときでも目標車速V*を保持するものとしてもよい。また、段差が検出されて初期車速V1としての目標車速V*によるリバース走行を開始した状態からのアクセル開度Accの増減に拘わらず段差の乗り越え終了が検出されるまでは初期車速V1としての目標車速V*を保持するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、段差がないときの車速として車両の駆動力に基づいて推定される推定車速Veから検出車速Vを減じて得られる車速差ΔVeが検出車速Vの低下開始から所定時間Td内に所定車速ΔVref以上になったときに段差を検出するものとしたが、これに代えて、検出車速Vの変化に基づいて(例えば、検出車速Vの減速度が閾値を超えるのを判定するなどにより)段差を検出するなどとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、段差検出後にモータMG2の推定トルクTm2eの低下開始からのトルク低下量ΔTm2eが所定トルクΔTref以上になったときに段差の乗り越え終了を検出するものとしたが、段差検出後にモータMG2の出力トルクに相当するモータ電流の低下開始からの低下量が所定の電流量以上になったときに段差の乗り越え終了を検出するものとしてもよい。モータ電流としては、回転位置検出センサ44からの信号により演算されたモータMG2の電気角θe2と図示しない電流センサにより検出されたモータMG2に流れる三相の相電流とに基づいて計算されたモータMG2のd軸電流およびq軸電流から得られる電流の大きさなどを用いることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、段差検出後にモータMG2の推定トルクTm2eの低下開始からのトルク低下量ΔTm2eが所定トルクΔTref以上になったときに段差の乗り越え終了を検出するものとしたが、これに代えて、検出車速Vの変化に基づいて(例えば、検出車速Vの加速度が閾値を超えるのを判定するなどにより)段差の乗り越え終了を検出するなどとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸32に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸32に出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、駆動輪63a,63bに接続された駆動軸32に変速機130を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ129を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機130とを介して駆動軸32に出力すると共にモータMGからの動力を変速機130を介して駆動軸32に出力するものとしてもよい。あるいは、図10の変形例の電気自動車220に例示するように、エンジンを備えずに、モータMGからの動力を変速機230を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸32に出力するものとしてもよい。即ち、バッテリからの電力を用いてモータから動力を出力して走行するものであれば如何なるタイプの自動車としてもよい。
実施例では、本発明をハイブリッド自動車20の形態として説明したが、自動車以外の車両(例えば、列車など)の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、アクセル開度Accに基づく要求トルクTr*によりリバース走行している最中に段差検出フラグF1が値1になったときに初期車速V1としての目標車速*で走行するようトルク制限Tlim2の範囲内でモータMG2のトルク指令Tm2*を設定して送信し、段差検出フラグF1が値1で段差乗越検出フラグF2が値1になったときにクリープ用車速Vcrで所定時間Tcrだけ走行するようトルク制限Tlim2の範囲内でモータMG2のトルク指令Tm2*を設定して送信する、図2のリバース時駆動制御ルーチンのステップS110,S150〜S290の処理を実行するHVECU70とトルク指令Tm2*でインバータ42を制御するモータECU40とが「段差制御手段」に相当する。また、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、プラネタリギヤ30が「遊星歯車機構」に相当し、モータMGも「モータ」に相当し、駆動輪63a,63bや従動輪64a,64bに制動力を付与可能なブレーキアクチュエータ92が「制動力付与手段」に相当する。
ここで、「バッテリ」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、モータに電力を供給するものであれば如何なるタイプであっても構わない。「モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、バッテリからの電力を用いて動力を出力するものであれば如何なるタイプであっても構わない。「段差制御手段」としては、HVECU70とモータECU40との組み合わせに限定されるものではなく、単一の電子制御ユニットにより構成されるものとしてもよい。また、「段差制御手段」としては、要求トルクTr*によりリバース走行している最中に段差検出フラグF1が値1になったときに初期車速V1としての目標車速*で走行するようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG2(インバータ42)を制御し、段差検出フラグF1が値1で段差乗越検出フラグF2が値1になったときにクリープ用車速Vcrで所定時間Tcrだけ走行するようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG2(インバータ42)を制御するものに限定されるものではなく、アクセル操作に基づく要求トルクによりリバース走行している最中に段差が検出されたときに第1の低車速で走行するようモータを制御し、該制御中に段差の乗り越え終了が検出されたときに第1の低車速以下の第2の低車速で所定時間だけ走行するようモータを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、電動車両の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、32 駆動軸、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 従動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、82 シフトポジションセンサ、84 アクセルペダルポジションセンサ、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 ブレーキマスターシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、94 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、96a〜96d ブレーキホイールシリンダ、129 クラッチ、130,230 変速機、220 電気自動車、MG,MG1,MG2 モータ。

Claims (6)

  1. バッテリからの電力を用いてモータから動力を出力して走行する電動車両であって、
    アクセル操作に基づく要求トルクによりリバース走行している最中に段差が検出されたときに第1の低車速で走行するよう前記モータを制御し、該制御中に前記段差の乗り越え終了が検出されたときに前記第1の低車速以下の第2の低車速で所定時間だけ走行するよう前記モータを制御する段差制御手段
    を備える電動車両。
  2. 請求項1記載の電動車両であって、
    前記段差制御手段は、前記段差が検出されて前記第1の低車速で走行している最中にアクセル操作量が所定量以上増大したときには該第1の低車速を高く補正した車速で走行するよう前記モータを制御する手段である、
    電動車両。
  3. 請求項1または2記載の電動車両であって、
    前記段差制御手段は、前記段差が検出されて前記第1の低車速で走行している最中にアクセル操作量が減少したときには該第1の低車速で走行するのを継続するよう前記モータを制御する手段である、
    電動車両。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の電動車両であって、
    前記段差制御手段は、前記段差がないときの車速として車両の駆動力に基づいて推定される推定車速から検出車速を減じて得られる車速差が該検出車速の低下開始から所定の検出用時間内に所定車速以上になったときに段差を検出する手段である、
    電動車両。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の電動車両であって、
    前記段差制御手段は、前記段差が検出された後に前記モータの出力トルクの低下開始からの低下量が所定トルク以上になったときに前記段差の乗り越え終了を検出する手段である、
    電動車両。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の電動車両であって、
    内燃機関と、
    動力を入出力可能な発電機と、
    車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構とを備え、
    前記モータは、前記駆動軸に動力を入出力可能に接続されており、
    前記バッテリは、前記モータおよび前記発電機と電力をやりとり可能である、
    電動車両。
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