JP2006340012A - 色調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 目標とする色調を再現するように色調整する場合に発生する目標とする色調とのの差の補正を容易、かつ、高精度に行うことにより色調整の精度の向上を行うことが可能な色調整方法を提供すること。
【解決手段】 目標とする第1の色調を出力したときの第2の色調を示す第2の表色系の値と第1の色調を示す第1の表色系の値との第1の差分を求め、第1の色調を示す第1の表色系の値を所定の補正量で補正し、所定の補正量に対する所定の補正量で補正した第1の色調を出力したときの色調を示す第3の表色系の値の第2の色調を示す表色系の値に対する移動量の比を求め、第1の色調を示す第1の表色系の値を、第1の差分を求めた比で補正して得られる補正量で補正し、該補正された第1の色調を示す第1の表色系の値に基づいて色調整を行う。
【選択図】 図14

Description

本発明は、目標とする色調を再現するように行う色調整方法に関し、特に、網点画像の網点画線部の色を、目標とする色の画素と目標とする色とは色調が異なる色の画素とで構成することで色調整を行うものに関する。
近年、DTP(Desk Top Publishing)等の普及により、スキャナから入力した画像をコンピュータのソフトウエア上で画像編集、ページ面付けする作業が一般化し、フルデジタルでの編集も珍しくなくなってきている。
このような工程では、さらなる効率化を目指して、フィルムにページ編集済みの画像データを直接出力するイメージセッター出力や、印刷版に直接画像記録を行うCTP(Computer to Plate)出力、さらには、印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行うCTC(Computer to Cylinder)が行われる。
また、このような印刷工程における校正のプロセスでは、(1)作業現場内部ミスの確認、すなわち内校、(2)発注主、デザイナーへの仕上がり確認用の提出される外校、(3)印刷機の機長に対して、最終印刷物の見本として提供される印刷見本、の主として3つの用途にプルーフが作成、使用される。
このように、カラー印刷を作成する際には、原稿フィルムの段階で色校正を行うことにより、Y(イエロー)版、M(マゼンタ)版、C(シアン)版、及びBK(墨色)版に分解された各色分解網原稿フィルムを使って校正物(カラープルーフ)を作成し、本番の印刷版を作成する前に、原稿フィルムのレイアウトに間違いないか、色間違いがないか、文字の誤りがないか等を検査し、印刷物の仕上がりを事前に確認するようにしていた。
この場合、校正確認の為だけに一旦フィルム出力や印刷版出力を行い、印刷校正や、その他の校正材料による校正を行うことは、フィルム、印刷版のムダや余計な作業が多くなる問題がある。
その為、特に、このようなコンピュータによるフルデジタルの画像作成、編集を行う工程では、DDCP(Direct Digital Color Proof)ないしはDCP(Digital Color Proof)と呼ばれる直接カラー画像出力を行うシステムが求められている。
このようなDDCPは、コンピュータ上で加工されたデジタル画像データからイメージセッターなどで製版用フィルム上に記録したり、CTPで直接印刷版を作成する最終的な印刷作業を行ったり、CTCで印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行ったりなどする前に、コンピュータ上で加工されたデジタル画像が示す出力対象を再現するカラープルーフを作成し、その絵柄、色調、文章文字等の確認を行うものである。
また、カラープルーフを作成するものとして、各色分解網原稿の網点画像データに基づいて、銀塩カラー感光材料に、例えば、R、G、B等の波長の異なる複数の光の組み合わせからなる光点を露光して、3つの基本色Y、M、Cの各ドットを発色させることで網点画像を再現してカラープルーフを作成するカラープルーフ作成装置がある。またその中に、印刷機で複数のインキの各色版を刷り重ねて得られる網点画像を構成する網点画線部の色である1次色(インキ単色)、多次色(複数のインキを重ね合わせた色)及び印刷用紙の地色を出力色の目標とし、それぞれの色を再現するように3つの基本色の出力強度を変化させて、色調整を行うタイプのDDCPがある(例えば、特許文献1。)。
ところが、上述のDDCPで網点画像データに基づいてカラープルーフを出力すると、ベタ領域では色調は合うものの、中間調領域では色調が若干ずれてしまうという現象が発生することがある。例えば、シアン部では、中間調領域を構成する網点の網%が小さくなると黄色がかって見えるようになることがある。
この対策として、出力される画像の色調を調整するように、DDCP及び印刷機の出力色の特性を示すそれぞれのデバイスプロファイルから求められるデバイスリンクプロファイルを用いた色調整を行う、いわゆるカラーマネージメントシステム(CMS)と呼ばれる手法を用いることが考えられる。しかしながら、カラーマネージメントシステムを用いた色調整では、例えば印刷物には本来存在しない色の網点が混入してしまうことがあり、検版性を損ねるという問題を生じた。また、カラーマネージメントシステムは網点化済みの画像データ(網点画像データ)には用いることができないので、網点画像データに基づいて出力する場合には、網点画像の色を調整することができないという問題もあった。
そこで、DDCPで網点画像データに基づいて出力される網点画像を構成する網点画線部の色を、印刷機が出力する目標とする出力色の画素と目標とする出力色とは色調が異なる色の画素とで構成して出力する方法(例えば、特願2003−312527)を本出願人は提案している。これにより、中間調領域における色調整が可能となり、さらに、この方法によれば、網点画像データに基づいて網点画像を出力する場合についても色調整を行うことが可能である。
特開2003−149796号公報
しかしながら、目標とする出力色への合わせこみは上記特許文献1に記載されているように行うことで可能であるが、一方の中間調領域の網点画線部の色を構成する目標とする出力色とは色調が異なる色については、その色を容易に求めることが困難であった。また、その出力色を目標色を用いた演算により算出することが試みられているが、印刷機で用いるインキの色によっては、演算により求めた色を用いて網点画線部の色を構成して出力しても目標とする色とは、色調がずれてしまうことがある。その結果、高精度な色調整を行うことが困難となる場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、目標とする色調を再現するように色調整する場合に発生する目標とする色調との差の補正を容易、かつ、高精度に行うことにより色調整の精度の向上を行うことが可能な色調整方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、目標とする第1の色調を出力したときの第2の色調を示す第2の表色系の値と前記第1の色調を示す第1の表色系の値との第1の差分を求める段階と、前記第1の色調を示す第1の表色系の値を所定の補正量で補正し、前記所定の補正量に対する前記所定の補正量で補正した第1の色調を出力したときの色調を示す第3の表色系の値の前記第2の色調を示す表色系の値に対する移動量の比を求める段階と、前記第1の色調を示す第1の表色系の値を、前記第1の差分を前記比で補正して得られる補正量で補正し、該補正された第1の色調を示す第1の表色系の値に基づいて色調整を行う段階とを含むことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、前記比を求める段階は、前記第1の色調を示す第1の表色系の値を前記所定の補正量で補正する段階と、前記所定の補正量で補正された第1の色調を出力したときの第3の色調を示す第3の表色系の値を求める段階と、前記第2の色調を示す第2の表色系の値と前記第3の色調を示す第3の表色系の値との第2の差分を前記移動量とする段階と、を含むことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、前記所定の補正量は、前記第1の差分であることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、複数の色版を用いて記録媒体に印刷して得られる網点画像の色調を再現するように、網点画像を構成する網点画線部の各色の領域を、それぞれの色について第1の色の画素と前記第1の色とは色調が異なる少なくとも1種類の第2の色の画素とで構成して色調整する色調整方法であって、前記網点画線部の各色の中間色を示す網点画像を構成する網点画線部の各色の領域を前記第1の色及び第2の色で構成する場合の当該各色の第1の色及び第2の色、及び、前記記録媒体の色のそれぞれの面積比を示す面積比テーブルを予め格納する段階と、前記印刷して得られる、前記網点画線部の各色の中間色の第1の表色系の値、各色のベタの第1の表色系の値、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値を取得する段階と、前記網点画線部の各色についての前記第1の色の表色系の値及び前記第2の色の表色系の値を、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求め、その求めた第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第2の表色系の値と、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値とのそれぞれの第1の差分を求める段階と、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値を所定の補正量でそれぞれ補正し、前記所定の補正量に対する前記所定の補正量で補正したときの前記第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタの、及び、記録媒体の色の第3の表色系の値の前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求めた第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第2の表色系の値に対する移動量のそれぞれの比を求める段階と、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値を、前記それぞれの第1の差分を前記それぞれの比で補正して得られるそれぞれの補正量で補正し、前記網点画線部の各色についての前記第1の色の表色系の値及び前記第2の色の表色系の値を、当該補正された各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求め前記色調整に用いる段階とを含むことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、前記比を求める段階は、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値を所定の補正量で補正する段階と、前記網点画線部の各色についての前記第1の色の表色系の値及び前記第2の色の表色系の値を、前記所定の補正量で補正された各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求め、その求めた第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第3の表色系の値を求める段階と、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第3の表色系の値と、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求めた第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第2の表色系の値とのそれぞれの第2の差分を前記移動量とする段階と、を含むことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、前記所定の補正量は、前記第1の差分であることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、前記第2の色の表色系の値は、前記網点画線部の各色の中間色を示す網点画像を構成する網点画線部の各色についての前記第1の色の表色系の値、前記第2の色の表色系の値、及び、前記記録媒体の色の表色系の値とそれぞれの色に対応する前記面積比テーブルに示される面積比との積をそれぞれ加算した合計値が対象の中間色の表色系の値となるときの値であることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、前記面積比テーブルは、前記網点画線部の各色の複数段階の中間色について前記面積比を示し、前記取得される各色の中間色の表色系の値は、前記複数段階の中間色についてのものであり、前記第2の色の表色系の値は、前記合計値と前記対象の各色の中間色の表色系の値との誤差を求め、前記複数段階の中間色について、誤差が最も小さくなるように求められることを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、前記網点画線部の各色は、前記複数の色版の中の1つの版の色の1次色、及び、少なくとも2つの版の色が重ねられた色の多次色を含み、前記第2の色の表色系の値は、まず、前記1次色についての第2の色の表色系の値が求められ、次に、重ねられた色数が少ない低次から順に、前記多次色についての第2の色の表色系の値が、既に求められている第2の色の表色系の値を用いつつ求められることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、前記第2の色の表色系の値を求める際に用いる各色についての表色系の値は、XYZ表色系の値であることを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、前記第1の色の画素は、前記網点画像を構成する網点画線部の各色の領域の中心部に配置され、前記第2の色の画素は、前記網点画像を構成する網点画線部の各色の領域の周縁部に配置されることを特徴としている。
請求項1に記載の色調整方法によれば、目標とする色調を再現するように色調整したときの色調と目標とする色調との差を補正量に対する移動量の比で補正した補正量で、目標とする色調の表色系の値を補正することにより、容易かつ高精度な色調整が可能となる。
請求項4に記載のカラー画像形成方法によれば、網点画線部の各色を、目標とする色の画素と、目標とする色とは色調が異なる色の画素とで構成して色調整を行う場合に、目標とする色の差を補正量に対する移動量の比で補正した補正量で、目標とする色調の表色系の値を補正することにより、容易かつ高精度な色調整が可能となる。
まず、本発明について説明する前に、以下の説明で用いる表色系の値について説明しておくことにする。L*a*b*表色系の値とは、色を表す表色系の値の1つであり、L*軸、a*軸、b*軸の3次元空間で色を表すもので、a*b*平面により色あい及び彩度が表され、L*はa*b*平面に直交し明度を表す色特性の値である。また、L*a*b*表色系の値は、人間の眼の感度に相当するものとしてCIE(Commission Internationale de l’Eclairage;国際照明委員会)で定められたx(λ),y(λ),z(λ)(CIE1931中では、このx,y,zの上にはバー(−)が付けられている。)の分光特性で光量を積算して求めたXYZ表色系の値に基づくものである。このXYZは、色の三刺激値と呼ばれるもので、X軸、Y軸、Z軸の3次元空間で色を表すもので、Xは赤い光の量、Yは緑の光の量、Zは青紫の光の量に相当する。
また、XYZ表色系の値のX値、Y値、Z値から、L*a*b*表色系の値のL*値、a*値、b*値は、以下のようにして求めることができる。まず、
Xd=X/X0、Yd=Y/Y0、Zd=Z/Z0とする。ただし、X0、Y0、Z0は、それぞれx(λ),y(λ),z(λ)を全波長(380nmから730nm)について足し合わせた値である。そして、
X2=Xd^(1/3) ;Xd>0.008856の場合
=Xd×7.787+16/116;それ以外の場合
Y2=Yd^(1/3) ;Yd>0.008856の場合
=Yd×7.787+16/116;それ以外の場合
Z2=Zd^(1/3) ;Zd>0.008856の場合
=Zd×7.787+16/116;それ以外の場合
と、X2、Y2、Z2を求め、
L*=Y2×116−16
a*=500×(X2−Y2)
b*=200×(Y2−Z2)
と、L*値、a*値、b*値で示されるL*a*b*表色系の値を求める。また、L*a*b*表色系の値から逆算することにより、XYZ表色系の値のX値、Y値、Z値を求めることができる。
以下、本発明の色調整方法、カラー画像形成方法を述べるにあたり、一例としてカラープルーフ作成装置(カラー画像形成装置)に適用した実施の形態を示し、図面を参照して具体的に説明する。
(出力の概要)
まず、本実施の形態のカラープルーフ作成装置の出力の概要について述べる。本カラープルーフ作成装置は、階調画像データ(いわゆるベクタグラフィックスと呼ばれ、各オブジェクトを点の座標とそれを結ぶ線や面の方程式のパラメータ、及び、塗りつぶしの色(YMCK各色の階調値で示す。階調値とは、色を白を0、ベタを100で段階的に示す網%、または、白を0、ベタを255として段階的に示す値である。)や特殊効果、文字の形状を示す文字フォント情報やそのサイズなどの描画情報の集合で示すベクトルデータや、いわゆるビットマップグラフィックスと呼ばれ、横方向に所定の間隔(解像度)で配置された複数の画素で1ラインを構成し、さらにラインが縦方向に所定の間隔で並べられ、各画素が階調値で示される描画情報により示すラスターデータ)を、Y、M、C、Kの各色版毎に分版し網点画像データとし、その網点画像データに基づいて網点画像によりカラープルーフを作成するもので、各色版の網点画像データは、所定の領域内の画素で網点を構成し、また、各色で網点の配列方向が異なるように、換言すれば各色でいわゆるスクリーン角度を変化させて網点を配置し、各網点の大きさをその階調値に基づいて所定の領域内で変化させて濃淡を表現するように構成されている。
また、網点画像は、YMCKの網点からなる網点画線部で構成され、その網点画線部の各色は、YMCKの1つの色または複数が重ねられた色(1次色、2次色、3次色、4次色で、これらについての説明は、印刷の場合を例に後述する。)からなり、各色の領域は、それぞれ例えば色合わせの目標となる印刷機(以下、単に印刷機と称することがある。)で複数のインキ(C、M、Y、及び、K)のそれぞれの版を刷り重ねして得られる目標とする出力色に合わせた色(第1の色)の画素(以下、画素aと表記することがある。)と、目標とする出力色とは色調が異なる色(第2の色)の画素(以下、画素bと表記することがある。)とで構成するようになされている。また、各画素の色はカラープルーフ作成装置における複数の基本色(Y、M、C、以下「C、M、Y」、「YMC」、「CMY」と順序などを変えて記す場合もある。)の出力強度を変化させて出力するようになっている(詳細は後述)。また、本例では、目標とする色を、4色の版を用いて刷り重ねして得られる網点画像を構成する網点画線部の色として説明するが、更に特色の版を用いる場合や、4色の版の中の1つ、または、2つ等を用いる場合に適用することができる。
また、目標とする出力色とは、例えば印刷機で印刷用紙(記録媒体)にC,M,Y,Kの各色のインキを用いて印刷した色で、1次色、2次色、3次色、4次色(以下、まとめてCMYK1/2/3/4次色と記す場合もある。また、2/3/4次色は本発明の多次色に相当する。)、である。1次色とはCMYKの内の1つの色、2次色とはCMYKの内の2つを組み合わせた色、3次色とはCMYKの内の3つを組み合わせた色、4次色とはCMYKの内の4つを組み合わせた色で、1次色は、C、M、Y、K、2次色は、R(M+Y)(レッド)、G(C+Y)(グリーン)、B(C+M)(ブルー)、K+C、K+M、K+Y、3次色は、C+M+Y、KR(K+M+Y)、KG(K+C+Y)、KB(K+C+M)、4次色は、C+M+Y+Kで、計15色となる。図1にCMYK1/2/3/4次色、及び、印刷用紙の地色(W)について、それぞれの場合に使用されるインキの対応関係を●印で示す。また、インキの刷り重ね順は、図1で左側のインキから順に、すなわち、K→C→M→Yの順で刷られるものとする。
ここで、図2を用いて網点画線部の色を構成する色と各画素について述べる。また、以下、画素bを周縁部に画素aを中心部に配置して網点画線部の各色の領域を構成する場合(配置方法についての詳細は後述)を一例に説明するものとする。
まず、図2(a)の模式図を用いて網点画線部が1つの網点で構成される場合についてCを例として説明する。例えば、1つの網点が15画素×15画素の領域を用いて示される場合に、網点は、図2(a)に示すように、網点%に応じた大きさの網点が15画素×15画素の領域内に示される。ここで、Cの画素aに対応する色をCa、画素bに対応する色をCbとして示すことにすると(他の色についても同様にaまたはbを付加して、画素aに対応する色または画素bに対応する色を示すものとする。)、図2(a)に示すように、Cの領域の周縁部の画素の色がCb、中心部の画素の色がCa、Cbの画素の外側の画素の色がWで構成される。
次に、図2(b)を用いて網点画線部が2つの網点で構成される場合についてCとMの刷り重ねを例に説明する。各画素の枠を表示すると煩雑になるため省略した模式図で示す。CとMの各網点は、CとMはスクリーン角度が異なるので、図2(b)に示すように各網点は位置がずれて重なり、また、図示しないが網点の位置によりそのずれ方が異なる。また、網点画線部の各色を構成する各画素の色は、図2(b)に示すように、CとMの重なり部のBの領域の周縁部の画素がBb、中心部の画素がBa、Mとの重なり部を除くCの領域の周縁部の画素がCb、中心部の画素がCa、Cとの重なり部を除くMの領域の周縁部の画素がMb、中心部の画素がMa、さらに外側の画素がWで構成される。
さらに次に、図2(c)の模式図を用いて網点画線部が3つの網点で構成される場合についてCMYの刷り重ねを例に3説明する。C、MとYの各網点は、上述の2次色の場合と同様に位置がずれて重なり、網点画線部の色を構成する各画素の色は、図2(c)に示すように、C、M及びYの重なり部のCMYの領域の周縁部の画素がCMYb、中心部の画素がCMYa、以下、各画素は図2(c)に示すように、Bb、Ba、Rb、Ra、Gb、Ga、Ca、Cb、Ma、Mb、Ya、Yb及びWで構成される。
また、画素bの配置は、周縁部へ配置することに限らず、また、画素bに加えて更に色調の異なる画素b´を用いることも可能である。
(カラープルーフ作成装置の制御構成)
次に、上述のように階調画像データを、Y、M、C、Kの各色版毎に分版し網点画像データとし、その網点画像データに基づいて網点画像によりカラープルーフを作成するカラープルーフ作成装置の制御構成について図3を用いて説明する。図3にカラープルーフ作成装置の機能ブロック図を示す。図3に示すように、本実施の形態のカラープルーフ作成装置は、制御部1、記憶部2、画像記録部3、入力部4及び画像データ受付手段5で構成される。
画像記録部3は、緑色(G)光により感光材料のシアン発色層(C層)を感光させ、赤色(R)光により感光材料のマゼンタ発色層(M層)を感光させ、青色(B)光により感光材料のイエロー発色層(Y層)を感光させ、現像処理を行い、基本色であるC、M、Yを顕在化して出力させ,カラー画像を形成する。この緑色(G)光、赤色(R)光、青色(B)光による感光は、点順次に画素毎にこれらの色の光を同時に照射して行う。また、緑色(G)光、赤色(R)光、青色(B)光の強度を変化させることにより、C、M、Yの出力強度を変化させることができ、各画素を後述のカラーチャンネルテーブル22に基づくC、M、Yの出力強度で出力するように、C、M、Yの出力強度と緑色(G)光、赤色(R)光、青色(B)光の強度とを対応させたテーブル(図示せず)を予め内蔵しておき、C、M、Yの出力強度に対応した各光の強度で感光させる。
なお、感光材料に記録される画像の画像記録密度は、網点画像による階調の再現性などの観点から主走査方向及び副走査方向共に600dpi以上(特に1000dpi以上、更に1200dpi以上)が好ましく、また、網点画像による階調の再現性の飽和や画像記録速度や装置コストなどの観点から主走査方向及び副走査方向共に1万dpi以下(特に5000dpi以下)が好ましい。主走査方向及び副走査方向の画像記録密度は、主走査方向又は副走査方向1インチの長さの中に、画像記録される画素が幾つ並んでいるかを示すdpiという単位で示される。
さらに、1つの網点は、100以上(特に200以上)の画素から記録されていることが、実際の印刷の網点に近い再現になり好ましい。また、1つの網点は、5000以下(特に2000以下)の画素から記録されていることが画像データの取り扱いが容易で、高速に画像データを処理でき好ましい。
また、露光光の各色の1秒当たりの記録画素数は、300万画素/秒以上(特に1000万画素/秒以上)であることが好ましい。これにより、高速画像記録と高精細な画像記録を両立させることができる。また、露光光の各色の1秒当たりの記録画素数は、40億画素以下(特に5億画素以下)が好ましい。これにより、駆動回路が安定し、画像記録が安定し、露光出力強度や露光位置が安定し、低コストで、調整が容易にしやすい。
記憶部2は、ハードディスクドライブやイメージメモリ等の記憶装置によって構成され、画像データ記憶部21、画像データテーブル26、カラーチャンネルテーブル22、参照テーブル23、出力色テーブル27、目標色テーブル24、及び、面積比テーブル25を備えている。
画像データ記憶部21は、後述の網点化手段11によりC,M,Y,Kの各色版毎に分版され網点化された網点画像データを記憶する。網点画像データは、所定の数の画素からなる領域(例えば15画素×15画素)ごとにその領域内の画素により網点を形成し、その網点の大小を変化させて画像の濃淡を表現するもので、例えば、網点画像がn個の画素で構成されるものであれば、YMCKの各色版ごとにn個の各画素について、出力する場合を「1」、出力しない場合を「0」で示すものである。
画像データテーブル26は、図9に示すように、網点画像データのn個の各画素について、YMCKの各色版の出力する「1」、出力しない「0」の組み合わせ、及び、後述の画素種別判別手段12での判別結果を画素bであるを「1」、画素bではないを「0」として示すものである。
カラーチャンネルテーブル22は、上述の画素a及び画素bについてのCMYK1/2/3/4次色及びWとCMYの出力強度の組み合わせ関連付けて格納する。また、このカラーチャンネルテーブル22は、画像記録部3で出力を行う際に各画素についてのCMYの出力強度の組み合わせを決定するために用いられる。図4にカラーチャンネルテーブル22の構成の一例を示す。図4には上述のCMYK1/2/3/4次色及び白地(図中では、W(白)として表示)の出力強度の組み合わせの一例をYの出力強度を最小値0から最大値140、M,Cの出力強度を最小値0から最大値180として示したものである(画素bについては、値を省略した。)。
参照テーブル23は、画像記録部3における出力特性を示すもので、例えば、CMYの出力強度の組み合わせに対応するL*a*b*表色系の値との相関関係を定義したCMY→L*a*b* LUTである。図5に参照テーブル23の一例を示す。図5は、Yを7等分して8段階で、M、Cを9等分して10段階とした8×10×10=800通りの各段階の組み合わせと、その組み合わせに対応するL*a*b*表色系の値を示すものである。
また、参照テーブル23は、詳細は後述するが、L*a*b*表色系の値から各基本色の出力強度の組み合わせを求めるために利用されるものであり、その際には、CMY→L*a*b* LUTから、L*a*b*表色系の値に対応する各基本色の出力強度の組み合わせを定義したL*a*b*→CMY LUTを、例えば、本出願人による特開2004−274546号の明細書に記載されているように収束演算処理をして求めて用いる。従って、本発明の「参照テーブル」としては、L*a*b*→CMY LUTやCMY→L*a*b* LUTなどでもよく、すなわち複数の基本色の出力強度とL*a*b*表色系の値との間の対応関係を示すものであればよい。
出力色テーブル27は、図10に示すように、上述のCMYK1/2/3/4次色のそれぞれの画素aの色、W、及び、画素bの色についてのL*a*b*表色系の値を格納する。また、図10には上述のCMYK1/2/3/4次色のそれぞれの画素bについてのL*a*b*表色系の値は省略した。
目標色テーブル24は、色合わせの目標とする表色系の値が格納されている。具体的には、W、印刷機で印刷用紙にC,M,Y,Kの各色のインキを用いて印刷したCMYK1/2/3/4次色のベタ、及び、CMYK1/2/3/4次色の各色の中間色のL*a*b*表色系の値が予め格納されている。ここで、ベタとは、CMYK1/2/3/4次色の各色を構成する色の各網点の網点面積率(網%ということがある)が100%のもので、CMYK1/2/3/4次色の各色の中間色とは、CMYK1/2/3/4次色の各色を構成する色の各網点の網%が0%を除く100%未満で等しいものをいう。図6に、目標色テーブル24の構成の一例を示すが、CMYK1/2/3/4次色の各色について、10%、20%・・・、90%の中間色のL*a*b*表色系の値と、各色の0%に印刷用紙の地色のL*a*b*表色系の値と、各色の100%にベタのL*a*b*表色系の値とを示す(Kが含まれる2/3/4次色については、具体的な値は省略した。)。
面積比テーブル25は、CMYK1/2/3/4次色の各色について、中間色における各色を構成する色の面積比を格納したものである(面積比の算出方法については後述する。)。図7には、CMYK1/2/3/4次色の各色について、各色を構成する色版の網点を10%刻み(10%、20%・・・80%、90%)で中間色を構成する色についての面積比を示したものである。1次色は図2(a)に示したように、例えばCであれば、W、Ca及びCbで構成され、多次色は、B(2次色)を例とすれば、中間色では、図2(b)にも示したように、CとMの網点がずれて重なるために、W、Ca、Cb、Ma、Mb、Ba及びBbで構成されることになる。そして、これらの各色の面積比を全体の面積に対するその色の割合で示し、例えば、Bの中間色におけるBaは、(Baの面積/全体の面積)が格納されている(具体的な値は省略した。また、具体的な面積比の算出方法については後述する。)。
制御部1は、CPU等の演算制御装置によって構成され、ROM(Read Only Memory)やハードディスクドライブ等のプログラム格納部(図示省略)に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより装置各部の制御を行う。また、本実施の形態で行う各種の演算等を行うときのワークエリアを構成し各種データを一時的に記憶するメモリ(図示せず)を含んで構成される。制御部1は、当該コンピュータプログラムにしたがって、網点化手段11、画素種別判別12、画像記録制御手段13、カラーチャンネル演算手段14、色演算手段15及び目標色補正手段16として動作する。
網点化手段11は、画像データ受付手段5で受け付ける、例えば階調画像データを網点基準データを用いたAMスクリーニング(Amplitude Modulation Screening)により網点化を行うもので、所定の数の画素からなる領域(例えば15画素×15画素)ごとにその領域内の画素により網点を形成し、その網点の大小を変化させて画像の濃淡を表現する各色版の網点画像データに変換する。また、受け付けた画像データが網点画像データであればその網点画像データを、及び、変換した網点画像データを画像データ記憶部21に記憶する。
画素種別判別手段12は、網点画線部の各色を画素a及び画素bで構成するために、網点画像データを構成する各画素について、画素aまたはW(白)と画素bとの判別を行う。
ここで、図2(a)乃至(c)で示したような周縁部が画素b、中心部が画素aで構成されるように判別する一例について説明する。この場合には、図8に示す3×3のデジタルフィルタを用いる。各色版の網点画像データごとにデジタルフィルタを用いて走査し、デジタルフィルタの中央121に位置する画素について次のように判別を行う。各色版の網点画像データについて、中央に位置する画素121のデータが、出力しない「0」の場合には、画素bではないと判別し、中央に位置する画素121のデータが、出力する「1」の場合には、その周辺部の8つの画素122のうち2つ以上が出力しない「0」であればその中央に位置する画素121は画素bであると判別し、2つ未満の場合には画素aすなわち画素bではないと判別する。そして、少なくともいずれか1つの色版について画素bであると判別された場合に、その画素は画素bとし、いずれの色版についても画素bであると判別されなかった場合に、その画素は画素bではないと判別する。このような判別により、図2(a)乃至(c)に示すような網点画線部の各色の周縁部の画素を画素bとし、中心部を画素aとすることができる。
また、上述の3×3のデジタルフィルタを用いれば、周縁部にほぼ一列で画素bを構成するが、例えば5×5のデジタルフィルタを用いて周縁部に二列で画素bを構成するようにすることも可能であるし、判別に用いる周囲の画素の条件を変更することによっても画素bの構成を変更することも可能である。
また、このデジタルフィルタを用いる方法によれば、ベタ領域の周縁部も画素bとなる場合があるが、周縁部の数画素分であり色調にはほとんど影響がないのでベタ領域の周縁部も画素bが含まれても問題は無い。
画像記録制御手段13は、本発明の制御手段であり、C,M,Y,Kの各色版毎に分版された網点画像データと画素種別判別手段12による判別結果とから、n個の各画素についてカラーチャンネルテーブル22を参照して、CMYの出力強度の組み合わせを求め、その出力強度の組み合わせで出力するように画像記録部3を制御する。これを受けて画像記録部3では、各画素をそのCMYの出力強度の組み合わせに対応する緑色(G)光、赤色(R)光、青色(B)光の強度で露光する。
CMYの出力強度の組み合わせは、具体的には網点画像データから、出力するべき色がWまたはCMYK1/2/3/4次色のうちのいずれであるかを判定し、さらに画素bか否かの判別結果から、該当のCMYの出力強度の組み合わせをカラーチャンネルテーブル22から以下のようにして求める。
図9の画像データテーブル26には画素1から画素nのn個の各画素について、YMCKの各色版の出力する「1」、出力しない「0」の組み合わせ、及び、画素種別判別手段12での判別結果を画素bであるを「1」、画素bではないを「0」として示すものであるが、画素1は、KCMYが「0」であるからWかつ画素bではないので、CMYの出力強度の組み合わせを図4に示すカラーチャンネルテーブル22の画素aのW(白)に対応する値とし、画素2は、KCMYが「0」であるからWかつ画素bではないので、CMYの出力強度の組み合わせを図4に示すカラーチャンネルテーブル22の画素aのW(白)に対応する値とし、画素3は、Kが「1」CMYが「0」でかつ画素bであるので、CMYの出力強度の組み合わせを図4に示すカラーチャンネルテーブル22の画素bのKに対応する値とし、・・・・、画素kは、CMが「1」KYが「0」でかつ画素bであるので、CMYの出力強度の組み合わせを図4に示すカラーチャンネルテーブル22の画素bのB(CM)に対応する値とし、画素k+1は、Mが「1」KCYが「0」でかつ画素bではないので、CMYの出力強度の組み合わせを図4に示すカラーチャンネルテーブル22の画素aのMに対応する値とし、・・・・、画素nは、KCMYが「0」であるからWかつ画素bではないので、CMYの出力強度の組み合わせを図4に示すカラーチャンネルテーブル22の画素aのW(白)に対応する値とする。
色演算手段15は、CMYK1/2/3/4次色のそれぞれについて画素aの色のL*a*b*表色系の値を目標とするCMYK1/2/3/4次色のベタの表色系の値として出力色テーブル27に格納する第1の色演算手段としての機能と、画素bの色のL*a*b*表色系の値を、目標とするCMYK1/2/3/4次色のベタの表色系の値、CMYK1/2/3/4次色の各色の中間色のL*a*b*表色系の値、及び、WのL*a*b*表色系の値を用いて、面積比テーブル24に基づいて演算して求め(詳細は後述する。)出力色テーブル27に格納する第2の色演算手段としての機能を有する。ここで、「目標とする」とは、演算の際の目標色を示しており、目標色は、本実施の形態では、後述の処理の手順に示すように、例えば目標色テーブル24に格納されているL*a*b*表色系の値、または、目標色補正手段16で補正されたL*a*b*表色系の値である。
カラーチャンネル演算手段14は、出力色テーブル27に格納されているCMYK1/2/3/4次色についての画素a及び画素bの色のL*a*b*表色系の値に対応するCMY出力強度の組み合わせを参照テーブル23であるCMY→L*a*b* LUTに基づいて求め、各色についてのCMY出力強度の組み合わせを示すカラーチャンネルを生成する。したがって、本発明の生成手段としての機能を有する。
例えば、本出願人による特開2004−274546号の明細書に記載されているように、CMY→L*a*b* LUTからL*a*b*→CMY LUTを求める。そして、CMY出力強度の組み合わせを求めるL*a*b*表色系の値について、L*a*b*→CMY LUTの入力点からそのL*a*b*表色系の値の近傍のL*2点(L1、L2)、a*2点(a1、a2)、b*2点(b1、b2)を組み合わせた8点についてのC,M,Yの出力強度と、L*a*b*表色系の値のL*a*b*各値の各入力点との距離とから、格納されているL*a*b*表色系の値に対するC,M,Yの出力強度の組み合わせを求めることができる。
目標色補正手段16は、画像記録部3から出力されるCMYK1/2/3/4次色のベタ、中間色の画像を測定して得られるL*a*b*表色系の値と目標色テーブル24に格納された各色のL*a*b*表色系の値との差分を補正量として目標色テーブルの各色のL*a*b*表色系の値を補正する第1の補正手段としての機能と、補正量に対する出力した各色の移動量の比を補正比率として求める補正比率算出手段17を有し、先の補正の補正量を補正比率で補正した補正量で、目標色テーブルのそれぞれの色のL*a*b*表色系の値をさらに補正する第2の補正手段としての機能を有する。
入力部4は、例えば、参照テーブル23、目標色テーブル24、面積比テーブルに格納する各数値などを入力するためのものである。また、例えば、測定器と接続するためのインターフェイスや、面積比、測色結果などが入力されたFD(Floppy(登録商標) Disk)等を出し入れ可能に装着する読取装置のようなものであってもよい。
画像データ受付手段5は、送受信インターフェイス回路などから構成され、図示しない外部端末から送信される階調画像データまたは網点画像データを受信する。また、各画像データなどが入力されたCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)等を出し入れ可能に装着する読取装置のようなものであってもよい。
(色調整方法)
次に、本発明の色調整方法を適用した本実施の形態のカラープルーフ作成装置における各処理の手順について図11乃至図14に示すフローチャートを用いて説明する。以下、各ステップを、例えば図10ステップS11であれば省略してS11と表示すことにする。他のステップも同様である。まず、図11に示すフローチャートには、色合わせの目標となる印刷機の出力色に合わせるように色調整を行いカラー画像を形成する手順の一例を示した。
初めに、参照テーブル23として図5に示すCMY→L*a*b* LUTを予め格納する(S11)。図5に示す参照テーブル23は、Yを7等分して8段階で、M、Cを9等分して10段階として、各段階の組み合わせで構成される8×10×10=800通りの各パッチを画像記録部3で出力し測定して得られた、各組み合わせとその組み合わせに対応するL*a*b*表色系の値から構成されるものである。
さらに、図7に示すような面積比テーブル25を、予め格納する(S12)。面積比テーブルは、CMYK1/2/3/4次色の各色について、10%刻み(10%、20%・・・90%)の中間色における各色を構成する色の面積比を格納したものである。また、面積比テーブル25を構成する面積比は、次のようにして求めることができる。例えば、CMYK1/2/3/4次色の各色を構成する色の網点を10%刻み(10%、20%・・・90%)となる複数のパッチを構成する階調画像データ(例えば、Bを例とすれば、10%のパッチはC10%M10%Y0%K0%の画素で、20%のパッチはC20%M20%Y0%K0%の画素で、・・・、90%のパッチはC90%M90%Y0%K0%の画素で構成される画像データである。)を、本カラープルーフ作成装置の網点化手段11が行う網点化と同じ網点化を行い、さらに、画素種別判別手段12が行う判別と同じ判別を行いその結果から、以下のようにして求められる。1次色については、一つの網点を構成する領域のWの画素数、画素aの数及び画素bの数から、各画素数の一つの網点を構成する領域の画素数に対する割合が面積比として容易に求めることができる。しかし、2次色以上の多次色では、各色版のスクリーン角度が異なるので、各網点は、ずれて重なるので一つの網点を構成する程度の領域では選択した位置により面積比が異なってしまうので、網点のずれを考慮し誤差が小さくなるような大きさの領域以上の大きさのパッチを用いることが望ましく、各パッチについて、例えば、図9に示したような画像データテーブルを作成し、そのパッチを構成する色について、そのパッチの中の各色の画素数をカウントし、そのパッチを構成する画素数に対する割合を求めることにより決定することができる。例えば、Bのパッチであれば、Bのパッチを構成する色は図7に示すようにCa、Cb、Ma、Mb、Ba、Bb、Wの7色であるから、その7色についての画素数のパッチを構成する画素数に対する割合を面積比として求める。以下、各色の面積比を、各色の前にfを付して示すことにする。例えばBを例とすれば、各面積比は、fCa、fCb、fMa、fMb、fBa、fBb、fWと表示する。
これらのテーブルは、入力部4を介して制御部1が受け付けて作成することや、制御部1が自己のプログラム格納部に格納するコンピュータプログラムに書き込んでおき、制御部1がそのコンピュータプログラムに基づいて作成してもよい。
次に、入力部4からの色合わせの目標となる印刷機で印刷用紙にC,M,Y,Kの各色のインキを用いて印刷した、本発明の第1の色調であるCMYK1/2/3/4次色のベタのL*a*b*表色系の値(第1の表色系の値)、印刷用紙の色のL*a*b*表色系の値(第1の表色系の値)、及び、CMYK1/2/3/4次色の各色の中間色のL*a*b*表色系の値(第1の表色系の値)の入力を受け付けて、制御部1が記憶部2の目標色テーブル24(図6参照)に書き込む(S13)。例えば、入力するL*a*b*表色系の値は、CMYK1/2/3/4次色の各色を構成する色版の網点を5%刻み(0%、5%、10%、15%、20%・・・90%、95%、100%)とする中間色、印刷用紙の色、及び、ベタの各パッチを含むカラーチャートを印刷機で印刷用紙に印刷し測色したものである。
そして、CMYK1/2/3/4次色の各色についての画素aの色のL*a*b*表色系の値、印刷用紙の地色(W)のL*a*b*表色系の値及び、画素bの色のL*a*b*表色系の値を求める(S14)。ここで、図14に示すフローチャートを用いて説明する。図14は、画素a及び画素bのL*a*b*表色系の値を求める手順を示すフローチャートである。
初めに、色演算手段15は、目標色テーブル24に書き込まれた各色を目標色とし、その目標色を用いてCMYK1/2/3/4次色の各色についての画素aの色の表色系の値、印刷用紙の地色、及び、画素bの色の表色系の値を求め、出力色テーブルに格納する(S41)。その表色系の値の求め方の詳細について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。図12は、色演算手段15が行う画素a及び画素bのL*a*b*表色系の値を求める手順を示すフローチャートである。
色演算手段15は、目標色のCMYK1/2/3/4次色のベタのそれぞれの表色系の値を、CMYK1/2/3/4次色の各色についてのそれぞれの画素aの色の表色系の値とし、それらの画素aの色の表色系の値とWのL*a*b*表色系の値を出力色テーブル27に格納する(S21)。
そして、まず、CMYK1次色の各色についての画素bの色を、目標色のCMYK1次色の各色の中間色のL*a*b*表色系の値と、出力色テーブル27に格納されたWのL*a*b*表色系の値及びCMYK1次色の画素aの色のL*a*b*表色系の値と、面積比テーブル25の中間色におけるCMYK1次色の各色を構成する色の面積比を用いて求め、出力色テーブル27に格納する(S22)。以下の演算では表色系の値としてXYZ表色系の値を用いる。それは、XYZ表色系の値は光量に線形な値であるため、複数の色で構成される色は、その構成する色のXYZ表色系の値と面積比との積の和で示すことができるからである。また、XYZ表色系の値は、〔発明を実施するための最良の形態〕の冒頭に述べたようにしてL*a*b*表色系の値からを求めることでき、XYZ表色系の値からL*a*b*表色系の値を求めることができる。
例えば、図2(a)に示すCを例に説明する。ここで、Cの中間色の目標色のX値をXC、Y値をYC、Z値をZCとする。また、Cの中間色は図2(a)に示すようにWの画素、Caの画素、Cbの画素で構成されているので、WのX値をXW、Y値をYW、Z値をZW、Cの画素aの色Caの色のX値をXCa、Y値をYCa、Z値をZCa、画素bの色CbのX値をXCb、Y値をYCb、Z値をZCbとし、その中間色におけるWの面積比をfW、Cの画素aの面積比をfCa、Cの画素bの面積比をfCbとすれば、Cの中間色のX値のXC、Y値のYC、Z値のZCは、構成する色のXYZ表色系の値と面積比との積をそれぞれ加算した合計値で示すことができるので、
XC=fW×XW+fCa×XCa+fCb×XCb、
YC=fW×YW+fCa×YCa+fCb×YCb、
ZC=fW×ZW+fCa×ZCa+fCb×ZCb
と表すことができる。
上記式のCb以外のXYZ値は、Cの中間色の目標色のXC、YC、ZCは、Cの中間色の目標色のL*a*b*表色系の値から求め、CaのXCa、YCa、ZCaは出力色テーブル27に格納されたCの画素aの色のL*a*b*表色系の値から求められ、各面積比は、面積比テーブル25に格納されている。したがって上記式の右辺の表色系の値の合計値が左辺表色系の値となるように、画素bの色のX値のXCb、Y値のYCb、Z値のZCbを求めることができる。
例えば、上式を用いて各中間色における画素bの色のX値のXCb、Y値のYCb、Z値のZCbを求めて、その各結果の平均値などをCについての画素bの色のX値のXCb、Y値のYCb、Z値のZCbを決定してもよい。また、求めたXYZ表色系の値は、参照テーブル23に基づいてCMY出力強度の組み合わせを求めるのでL*a*b*表色系の値に変換しておく。同様にして、M、Y、Kについても画素bの色のL*a*b*表色系の値を求める。
次に、CMYK2次色の各色についての画素bの色を、目標色のCMYK2次色の各色の中間色のL*a*b*表色系の値と、出力色テーブル27に格納されたWのL*a*b*表色系の値、CMYK1/2次色の画素aの色のL*a*b*表色系の値、及び、S22で求めたCMYK1次色の画素bのL*a*b*表色系の値(XYZ表色系の値をそのまま用いてもよい)と、面積比テーブル25の中間色におけるCMYK2次色の各色の各色を構成する色の面積比を用いて求める(S23)。
例えば、図2(b)に示すBを例に説明する。ここで、Bの中間色の目標色のX値をXB、Y値をYB、Z値をZBとする。また、Bの中間色は図2(b)に示すようにWの画素、Caの画素、Cbの画素、Maの画素、Mbの画素、Baの画素、Bbの画素で構成されているので、WのX値をXW、Y値をYW、Z値をZW、Cの画素aの色CaのX値をXCa、Y値をYCa、Z値をZCa、画素bの色CbのX値をXCb、Y値をYCb、Z値をZCb、Mの画素aの色MaのX値をXMa、Y値をYMa、Z値をZMa、画素bの色MbのX値をXMb、Y値をYMb、Z値をZMb、Bの画素aの色BaのX値をXBa、Y値をYBa、Z値をZBa、画素bの色BbのX値をXBb、Y値をYBb、Z値をZBbとし、その中間色におけるWの面積比をfW、Cの画素aの面積比をfCa、Cの画素bの面積比をfCb、Mの画素aの面積比をfMa、Mの画素bの面積比をfMb、Bの画素aの面積比をfBa、Bの画素bの面積比をfBbとすれば、Bの中間色のX値のXB、Y値のYB、Z値のZBは、
XB=fW×XW+fCa×XCa+fCb×XCb+fMa×XMa+fMb×XMb+fBa×XBa+fBb×XBb、
YB=fW×YW+fCa×YCa+fCb×YCb+fMa×YMa+fMb×YMb+fBa×YBa+fBb×YBb、
ZB=fW×ZW+fCa×ZCa+fCb×ZCb+fMa×ZMa+fMb×ZMb+fBa×ZBa+fBb×ZBb、
と表すことができる。
上記式のBb以外のXYZ値は、1次色の場合と同様に中間色の目標色のL*a*b*表色系の値と、出力色テーブル27に格納されたL*a*b*表色系の値とから求められ、各面積比は、面積比テーブル25に格納されている。したがって上記式から、1次色の場合と同様に画素bの色のX値をXBb、Y値をYBb、Z値をZBbを求め、L*a*b*表色系の値を求めることができる。同様にして、R、G、KC、KM、KYについても画素bの色のL*a*b*表色系の値を求める。
さらに、CMYK3次色の各色についての画素bの色を、目標色のCMYK3次色の各色の中間色のL*a*b*表色系の値と、目標色テーブル24に格納されたWのL*a*b*表色系の値と、CMYK1/2/3次色の画素aの色のL*a*b*表色系の値、及び、S21及びS22で求めたCMYK1/2次色の画素bのL*a*b*表色系の値(XYZ表色系の値でもよい)と、面積比テーブル25の中間色におけるCMYK3次色の各色を構成する色の面積比を用いて求める(S24)。詳細な演算式は省略するが、S22、S23と同様に3次色の中間色の目標色のL*a*b*表色系の値と、WのL*a*b*表色系の値と、3次色を構成する画素a及び画素bの各色との表色系の値と、それらの色の面積比とから、3次色の画素bの色のL*a*b*表色系の値を求める。
さらに次に、CMYK4次色についての画素bの色を、目標色のCMYK4次色の中間色のL*a*b*表色系の値と、出力地テーブル27に格納されたWのL*a*b*表色系の値と、CMYK1/2/3/4次色の画素aのL*a*b*表色系の値、及び、S22、S23及びS24で求めたCMYK1/2/3次色の画素bのL*a*b*表色系の値(XYZ表色系の値でもよい)と、面積比テーブル25のCMYK4次色の中間色を構成する色の面積比を用いて求める(S25)。詳細な演算式は省略するが、S22、S23及びS24と同様に4次色の中間色のL*a*b*表色系の値と、WのL*a*b*表色系の値と、4次色を構成する画素a及び画素bの各色との表色系の値と、それらの色の面積比とから、4次色の画素bの色のL*a*b*表色系の値を求める。
再び図14に戻り、カラーチャンネル演算手段14は、出力色テーブル27に格納した各色についての出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブル22を生成し、画像記録制御手段13は画像記録部3を制御して、そのカラーチャンネルテーブル22を用いて、CMYK1/2/3/4次色のベタ、中間色を出力する。そして、本発明の第2の色調としてのWを含む各色のL*a*b*表色系の値(第2の表色系の値)を測定する(S42)。
ここで、カラーチャンネルテーブル22の生成について説明する。カラーチャンネル演算手段14は、出力色テーブル27に格納されたWのL*a*b*表色系の値、CMYK1/2/3/4次色の画素aの色のL*a*b*表色系の値、及び、CMYK1/2/3/4次色の画素bの色のL*a*b*表色系の値から参照テーブル23に基づいてCMY出力強度の組み合わせを求め、カラーチャンネルテーブル22を生成する。上述したように、例えば、本出願人による特開2004−274546号の明細書に記載されているように、CMY→L*a*b* LUTからL*a*b*→CMY LUTを求める。そして、CMY出力強度の組み合わせを求めるL*a*b*表色系の値について、L*a*b*→CMY LUTの入力点からそのL*a*b*表色系の値の近傍のL*2点(L1、L2)、a*2点(a1、a2)、b*2点(b1、b2)を組み合わせた8点についてのC,M,Yの出力強度と、L*a*b*表色系の値のL*a*b*各値の各入力点との距離とから、格納されているL*a*b*表色系の値に対するC,M,Yの出力強度の組み合わせを求めることができる。
また、L*a*b*表色系の値の測定は、測色計を用いて行い、入力部4を介して入力してもよく、また、画像記録部3に測色計とCMYK1/2/3/4次色のベタ、中間色の出力を測色可能に測色計を移動させる移動手段等を内蔵し、その測色計及び移動手段でCMYK1/2/3/4次色のベタ、中間色の出力物の測色を行うように制御部1で制御してL*a*b*表色系の値の測定結果を取得することも可能である。
そして、目標色補正手段16は、目標色テーブル24に格納されている、W、CMYK1/2/3/4次色のベタ、及び、中間色のL*a*b*表色系の値と測定して得られた各色のL*a*b*表色系の値との差分(第1の差分)をL*a*b*の各値について求め、目標色テーブル24に格納されている各色のL*a*b*表色系の値を補正し、補正して得られたL*a*b*表色系の値を目標色とする(S43)。
補正について図15を用いて説明する。図15は、測定して得られた色のL*a*b*表色系の値を測定値、目標色テーブル24に格納されている色のL*a*b*表色系の値を目標色(T)、補正後のL*a*b*表色系の値を目標色(補正1)としa*b*座標上に示したものである。また、差分の方向と大きさを実線のベクトルで示し、補正の方向と大きさを破線のベクトルで示した。図15に示すように、補正は、目標色(T)に対する測定値のa*b*座標上における方向とは逆方向に差分の大きさ(補正量(1)とする)を補正する(説明を簡単にするためにL*座標軸は省略したが、L*値の補正も同様である)。このように補正したL*a*b*表色系の値を目標色として、CMYK1/2/3/4次色の各色についての画素aの色の表色系の値、印刷用紙の地色、及び、画素bの色の表色系の値を求めることにより出力されるL*a*b*表色系の値は、目標色(T)に近づくはずである。
次に、色演算手段15は、補正して得られた目標色(補正1)を用いてCMYK1/2/3/4次色の各色についての画素aの色の表色系の値、印刷用紙の地色、及び、画素bの色の表色系の値を図12で示したフローチャートに従って求め、出力色テーブルに格納する(S44)。
さらに、カラーチャンネル演算手段14は、出力色テーブル27に格納した各色についての出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブル22を再生成し、画像記録制御手段13は画像記録部3を制御して、そのカラーチャンネルテーブル22を用いて、CMYK1/2/3/4次色のベタ、中間色を出力し、第3の色調としてのWを含む各色のL*a*b*表色系の値(第3の表色系の値)を再測定する(S45)。
上述のように、出力されるL*a*b*表色系の値は目標色(T)に近づくが、さらに色調整の精度を向上させるために、補正比率算出手段17は、まず、補正して得られた目標色(補正1)を用いて得られた画素aの色の表色系の値、印刷用紙の地色、及び、画素bの色の表色系の値で出力されたL*a*b*表色系の値の目標色(T)を用いて得られた画素aの色の表色系の値、印刷用紙の地色、及び、画素bの色の表色系の値で出力されたL*a*b*表色系の値に対する移動量(1)(第2の差分)を求める。そして、その移動量(1)と補正量(1)との比を補正比率として求め、目標色補正手段16は、補正量(1)を補正比率で補正した補正量(補正量(2)とする)で、目標色テーブルのそれぞれの色のL*a*b*表色系の値をさらに補正し、目標色(補正2)とする(S46)。
ここで、補正量(1)に対する移動量は移動量(1)であり、補正量(2)に対する移動量を移動量(2)とした場合、補正比率が保たれるとすれば、
移動量(1)/補正量(1)=移動量(2)/補正量(2)
となる。すなわち、
補正量(2)=(補正量(1)×移動量(2))/移動量(1)
となる。ここで、移動量(2)が補正量(1)となれば、目標色(T)に一致することになるから、
補正量(2)=(補正量(1)×補正量(1))/移動量(1)
となる。
ここで、補正量(1)をd、移動量(1)をtとすれば、上記の式は、
補正量(2)=d×d/t
となり、さらに、補正比率、t/dを用いて、
補正量(2)=d÷(t/d)と表すことができる。
すなわち、補正量(2)は、補正量(1)を補正比率で除算することにより補正された値である。
さらに次に、色演算手段15は、補正して得られた目標色(補正2)を用いてCMYK1/2/3/4次色の各色についての画素aの色の表色系の値、印刷用紙の地色、及び、画素bの色の表色系の値を図12で示したフローチャートに従って求め、出力色テーブル27に格納する(S47)。本実施の形態では、ここで出力色テーブル27に格納したL*a*b*表色系の値を用いて、以下の階調画像データに基づく画像形成を行うようにするが、再度S46の補正を繰り返してもよい。
再び図11に戻り、カラーチャンネル演算手段14は、目標色(補正2)を用いて得られた出力色テーブル27に格納されたWのL*a*b*表色系の値、CMYK1/2/3/4次色の画素aの色のL*a*b*表色系の値、及び、CMYK1/2/3/4次色の画素bの色のL*a*b*表色系の値から参照テーブル23に基づいてCMY出力強度の組み合わせを求め、カラーチャンネルテーブル22を生成する(S15)。上述したように、例えば、本出願人による特開2004−274546号の明細書に記載されているように、CMY→L*a*b* LUTからL*a*b*→CMY LUTを求める。そして、CMY出力強度の組み合わせを求めるL*a*b*表色系の値について、L*a*b*→CMY LUTの入力点からそのL*a*b*表色系の値の近傍のL*2点(L1、L2)、a*2点(a1、a2)、b*2点(b1、b2)を組み合わせた8点についてのC,M,Yの出力強度と、L*a*b*表色系の値のL*a*b*各値の各入力点との距離とから、格納されているL*a*b*表色系の値に対するC,M,Yの出力強度の組み合わせを求めることができる。
そして、階調画像データに基づいて画像形成を行う(S16)。図13には、本カラープルーフ作成装置で行う画像形成の手順の一例を示すフローチャートを示した。画像データ受付手段5で、階調画像データを受け付ける(S31)。次に、網点化手段11は、階調画像データの網点化を行い、各色版の網点画像データを作成する(S32)。そして、画像種別判別手段12で各色版の網点画像データを構成する各画素について、画素bであるか否かの判別を行い(S33)、判別結果と網点画像データに基づいて画像データテーブル26を作成する(S34)。
そして、画像記録制御手段13は、画像データテーブル26に示される各画素の出力するべき色(WまたはCMYK1/2/3/4次色のうちのいずれか)と、画像種別判別手段12での判別結果とから、カラーチャンネルテーブル22を参照してCMYの出力強度の組み合わせを求め、その出力強度の組み合わせで出力するように画像記録部3を制御する(S35)。画像記録部3はその制御に従って画像形成を行う(S36)。
上述のようにして、網点画線部の色を構成する、それぞれ目標とする出力色に合わせた色の画素の色と、目標とする出力色とは色調が異なる色の画素とで構成する場合の目標とする出力色とは色調が異なる色を容易に、かつ、精度を向上させて求めることができる。また、網点画像データに基づいて網点画像を出力する場合の色調整を高精度に行うことができる。
また、上述の色演算もしくはカラーチャンネルテーブル生成をPC(Personal Computer)等の情報処理装置を用いて行い、その色演算結果もしくはカラーチャンネルテーブルをフロッピー(登録商標)ディスク等の媒体を介してカラープルーフ作成装置が取得し、カラー画像の形成に用いるようにすることも可能である。
また、PC等の情報処理装置とカラープルーフ作成装置とからなる画像出力システムにおいて、上述の色演算もしくはカラーチャンネルテーブル生成する機能をPC等の情報処理装置に備え、その色演算結果もしくはカラーチャンネルテーブルをインターフェイスを介してカラープルーフ作成装置が取得し、カラー画像の形成に用いるようにすることも可能である。
印刷される各色とインキの対応関係を示す図である。 網点画線部の色を構成する各画素の色について説明するための模式図である。 本発明に係るカラープルーフ作成装置の構成を示す機能ブロック図である。 本実施の形態のカラーチャンネルテーブルの構成の一例を示す説明図である。 本実施の形態の参照テーブルの構成の一例を示す説明図である。 本実施の形態の目標色テーブルの構成の一例を示す説明図である。 本実施の形態の面積比テーブルの構成の一例を示す説明図である。 画素種別判別に用いるデジタルフィルタの一例を説明するための説明図である。 網点画像データを構成する各画素についてYMCKの出力の有無及び画素bであるか否かを示す画像データテーブルの一例を示す説明図である。 本実施の形態の出力色テーブルの構成の一例を示す説明図である。 色合わせの目標となる印刷機の出力色に合わせるように色調整を行いカラー画像を形成する手順の一例を示すフローチャートである。 画素a及び画素bのL*a*b*表色系の値を求める手順を示すフローチャートである。 本カラープルーフ作成装置で行う画像形成の手順の一例を示すフローチャートである。 画素a及び画素bのL*a*b*表色系の値を求める手順を示すフローチャートである。 目標色の補正の一例を説明するための説明図である。
符号の説明
1 制御部
11 網点化手段
12 画素種別判別手段
13 画像記録制御手段
14 カラーチャンネル演算手段
15 色演算手段
16 目標色補正手段
17 補正比率算出手段
2 記憶部
21 画像データ記憶部
22 カラーチャンネルテーブル
23 参照テーブル
24 目標色テーブル
25 面積比テーブル
26 画像データテーブル
27 出力色テーブル
3 画像記録部
4 入力部
5 画像データ受付手段

Claims (11)

  1. 目標とする第1の色調を出力したときの第2の色調を示す第2の表色系の値と前記第1の色調を示す第1の表色系の値との第1の差分を求める段階と、
    前記第1の色調を示す第1の表色系の値を所定の補正量で補正し、前記所定の補正量に対する前記所定の補正量で補正した第1の色調を出力したときの色調を示す第3の表色系の値の前記第2の色調を示す表色系の値に対する移動量の比を求める段階と、
    前記第1の色調を示す第1の表色系の値を、前記第1の差分を前記比で補正して得られる補正量で補正し、該補正された第1の色調を示す第1の表色系の値に基づいて色調整を行う段階とを含むことを特徴とする色調整方法。
  2. 前記比を求める段階は、
    前記第1の色調を示す第1の表色系の値を前記所定の補正量で補正する段階と、
    前記所定の補正量で補正された第1の色調を出力したときの第3の色調を示す第3の表色系の値を求める段階と、
    前記第2の色調を示す第2の表色系の値と前記第3の色調を示す第3の表色系の値との第2の差分を前記移動量とする段階と、
    を含む請求項1に記載の色調整方法。
  3. 前記所定の補正量は、前記第1の差分である請求項2に記載の色調整方法。
  4. 複数の色版を用いて記録媒体に印刷して得られる網点画像の色調を再現するように、網点画像を構成する網点画線部の各色の領域を、それぞれの色について第1の色の画素と前記第1の色とは色調が異なる少なくとも1種類の第2の色の画素とで構成して色調整する色調整方法であって、
    前記網点画線部の各色の中間色を示す網点画像を構成する網点画線部の各色の領域を前記第1の色及び第2の色で構成する場合の当該各色の第1の色及び第2の色、及び、前記記録媒体の色のそれぞれの面積比を示す面積比テーブルを予め格納する段階と、
    前記印刷して得られる、前記網点画線部の各色の中間色の第1の表色系の値、各色のベタの第1の表色系の値、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値を取得する段階と、
    前記網点画線部の各色についての前記第1の色の表色系の値及び前記第2の色の表色系の値を、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求め、その求めた第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第2の表色系の値と、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値とのそれぞれの第1の差分を求める段階と、
    前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値を所定の補正量でそれぞれ補正し、前記所定の補正量に対する前記所定の補正量で補正したときの前記第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタの、及び、記録媒体の色の第3の表色系の値の前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求めた第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第2の表色系の値に対する移動量のそれぞれの比を求める段階と、
    前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値を、前記それぞれの第1の差分を前記それぞれの比で補正して得られるそれぞれの補正量で補正し、前記網点画線部の各色についての前記第1の色の表色系の値及び前記第2の色の表色系の値を、当該補正された各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求め前記色調整に用いる段階とを含むことを特徴とする色調整方法。
  5. 前記比を求める段階は、
    前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値を所定の補正量で補正する段階と、
    前記網点画線部の各色についての前記第1の色の表色系の値及び前記第2の色の表色系の値を、前記所定の補正量で補正された各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求め、その求めた第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第3の表色系の値を求める段階と、
    前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第3の表色系の値と、前記各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第1の表色系の値と前記面積比テーブルとを用いて求めた第1の色の表色系の値及び第2の色の表色系の値で構成する各色の中間色、各色のベタ、及び、記録媒体の色の第2の表色系の値とのそれぞれの第2の差分を前記移動量とする段階と、
    を含む請求項4に記載の色調整方法。
  6. 前記所定の補正量は、前記第1の差分である請求項5に記載の色調整方法。
  7. 前記第2の色の表色系の値は、前記網点画線部の各色の中間色を示す網点画像を構成する網点画線部の各色についての前記第1の色の表色系の値、前記第2の色の表色系の値、及び、前記記録媒体の色の表色系の値とそれぞれの色に対応する前記面積比テーブルに示される面積比との積をそれぞれ加算した合計値が対象の中間色の表色系の値となるときの値である請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の色調整方法。
  8. 前記面積比テーブルは、前記網点画線部の各色の複数段階の中間色について前記面積比を示し、
    前記取得される各色の中間色の表色系の値は、前記複数段階の中間色についてのものであり、
    前記第2の色の表色系の値は、前記合計値と前記対象の各色の中間色の表色系の値との誤差を求め、前記複数段階の中間色について、誤差が最も小さくなるように求められる請求項7に記載の色調整方法。
  9. 前記網点画線部の各色は、前記複数の色版の中の1つの版の色の1次色、及び、少なくとも2つの版の色が重ねられた色の多次色を含み、
    前記第2の色の表色系の値は、まず、前記1次色についての第2の色の表色系の値が求められ、次に、重ねられた色数が少ない低次から順に、前記多次色についての第2の色の表色系の値が、既に求められている第2の色の表色系の値を用いつつ求められる請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の色調整方法。
  10. 前記第2の色の表色系の値を求める際に用いる各色についての表色系の値は、XYZ表色系の値である請求項4乃至請求項9のいずれかに記載の色調整方法。
  11. 前記第1の色の画素は、前記網点画像を構成する網点画線部の各色の領域の中心部に配置され、
    前記第2の色の画素は、前記網点画像を構成する網点画線部の各色の領域の周縁部に配置される請求項4乃至請求項10のいずれかに記載の色調整方法。

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