JP2004282156A - 色調整装置、印刷制御装置、色調整方法および色調整プログラム - Google Patents
色調整装置、印刷制御装置、色調整方法および色調整プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】容易に画像の種類に応じた適切な色調整を行うことができなかった。
【解決手段】画像データに基づいて入力画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得し、取得した調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色をプリンタ(印刷装置)20に印刷させる制御を行い、印刷された複数の色のいずれかを表す調整後色情報を色調整時の基準情報として特定し、記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、画像データからプリンタ20に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する構成とした。迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【選択図】 図3
【解決手段】画像データに基づいて入力画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得し、取得した調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色をプリンタ(印刷装置)20に印刷させる制御を行い、印刷された複数の色のいずれかを表す調整後色情報を色調整時の基準情報として特定し、記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、画像データからプリンタ20に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する構成とした。迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する色調整装置、印刷制御装置、色調整方法および色調整プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、色調整用の色をプリンタに印刷させながら、入力画像を色調整してプリンタに印刷させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術では、あらかじめ決められた代表色をカラープリンタに印刷させるとともに、色相、彩度、明度を変更することにより代表色の周辺の色情報を複数発生させてディスプレイに表示し、同色情報を選択的に入力し、カラープロファイルに反映させている。その結果、モニタ上の色とプリンタ出力の色が合わない場合に、複雑で難しい手間をかけることなく、大体の色調整をすることができるとしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−290753号公報
【特許文献2】
特開平9−186907号公報
【特許文献3】
特開平10−224647号公報
【特許文献4】
特開2000−333032号公報
【特許文献5】
特開2002−223364号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
画像には自然画と、グラフ画像やコンピュータグラフィクス等の非自然画とがあり、自然画にも種々の色調があるため、上述した従来の技術においては、容易に画像の種類に応じた適切な色調整を行うことができなかった。言い換えると、画像の種類に応じた適切な色調整を行うためには、繰り返し実画像を印刷させるという試行錯誤が必要であり、時間がかかりすぎるという問題があった。
なお、色調整用の色をカラーモニタに表示し、色調整後の色の指定を受け付けてモニタ上のカラー画像の色調整を行う装置も知られているが(例えば、特許文献2,3,4参照。)、色調整用の色を印刷装置に印刷させるものではないため、色調整用の色を印刷装置に印刷させながら入力画像を色調整する色調整装置に適用することができない。
また、複数の色調整された実画像をプリンタに印刷させ、色調整を選択可能とした装置も知られている(例えば、特許文献5参照。)が、画像データに基づく実画像を複数印刷させるため、印刷に時間がかかりすぎるという問題がある。
さらに、トーンカーブエディタや各色のスライドバーによる感覚的な色調整では、変更したい色のみを調整することができず、微妙な調整を行うためには何回もの印刷を行う必要があり、時間がかかりすぎるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、色調整用の色を印刷装置に印刷させながら入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能な色調整装置、印刷制御装置、色調整方法および色調整プログラムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では、調整前色取得手段により、入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データに基づいて入力画像のプレビュー画像が出力される。すると、色調整装置のユーザは、入力画像のプレビュー画像を確認することができる。色調整を行う色はプレビュー画像に含まれる色とされており、この色を表す調整前色情報が調整前色取得手段にて取得される。近傍色印刷制御手段により、この取得された調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色の印刷制御が行われる。すると、印刷装置は、これらの複数の色を印刷する。調整後色特定手段により、同印刷された複数の色のいずれかを表す調整後色情報が色調整時の基準情報として特定される。そして、調整画像生成手段により、調整前色情報と調整後色情報とに基づいて、画像データから入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データが生成される。すると、印刷装置は、上記生成された調整画像データに基づく調整画像を印刷可能である。
【0007】
ここで、上記生成された調整画像データに基づく調整画像は、入力画像のプレビュー画像から色調整を行う色が決定されて色調整が行われた画像であるので、自然画あるいは非自然画といった入力画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能である。その際、印刷装置に印刷させる色調整用の複数の色は実画像ではないので、色調整用の色を印刷するのに時間がかかりすぎない。従って、色調整用の色を印刷装置に印刷させながら入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【0008】
上記プレビュー画像を出力する態様には、ディスプレイ等の画像表示装置への表示、プリンタに代表される印刷装置への印刷、等、様々なものが考えられる。
上記調整後色情報は、例えば、色調整前からの色の変化量、色調整後の色の色成分値、等、様々な情報が考えられる。
【0009】
上記調整前色取得手段は、上記調整画像データに基づいて上記調整画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得し、上記調整後色特定手段は、再度、調整後色情報を特定し、上記調整画像生成手段は、再度、調整画像データを生成してもよい。ユーザは色調整された入力画像に相当するプレビュー画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、さらに迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【0010】
上記調整前色情報は、上記プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を色成分値で表す調整前色成分値とされ、上記調整後色情報は、上記印刷された複数の色のいずれかを表す色成分値と、上記調整前色成分値と、の差異を表す情報とされ、上記調整画像生成手段は、上記調整前色成分値と調整後色情報とから上記印刷された複数の色のいずれかを表す調整後色成分値を求めるとともに、同調整前色成分値を同調整後色成分値にするように上記画像データから上記調整画像データを生成する構成としてもよい。調整前色情報と調整後色情報を簡易な構成としながら、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
また、色成分値の差異をなくするように調整画像データを生成すれば、より適切に色調整を行うことが可能となる。
【0011】
上記調整画像生成手段は、上記調整前色成分値と上記色成分値の差異を表す調整後色情報とを対応させた色調整テーブルを参照して、上記画像データから上記調整画像データを生成してもよい。色調整テーブルを参照するという簡易な構成で、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
上記調整前色情報は、上記プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を色成分値で表す調整前色成分値とされ、上記調整後色情報は、上記印刷された複数の色のいずれかを色成分値で表す調整後色成分値とされ、上記調整画像生成手段は、上記調整前色成分値を上記調整後色成分値にするように上記画像データから上記調整画像データを生成する構成としてもよい。この構成でも、調整前色情報と調整後色情報を簡易な構成としながら、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
【0012】
請求項4にかかる発明のように、入力画像や調整画像のプレビュー画像とともに、基準の印刷装置の印刷画像に相当するプレビュー画像を画像表示装置に表示させてもよい。基準の印刷装置の印刷画像に相当するプレビュー画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、さらに迅速かつ容易に適切な色調整を行うことが可能となる。
【0013】
上記調整前色取得手段は、上記入力画像のプレビュー画像を拡大して画素単位で色分けして出力し、色分けして出力された色に含まれて色調整を行う色が表された上記調整前色情報を取得する構成としてもよい。
また、上記調整前色情報で表される色またはその近傍の色を中心として三方向に異なる要素色を段階的に変化させた蜂の巣状のカラーチャートを上記印刷装置に印刷させる構成としてもよい。
いずれの構成でも、色の選択が容易となるので、さらに迅速かつ容易に適切な色調整を行うことが可能となる。
【0014】
上記画像データ、調整前色情報および調整後色情報に基づいて上記入力画像に対応して上記色調整により色が変化する領域を示す変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成し、当該変化領域画像データに基づいて変化領域画像を出力する変化領域出力手段が設けられ、上記調整画像生成手段は、上記出力された変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成させた上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する構成としてもよい。ユーザは入力画像に対応する変化領域画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、さらに迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【0015】
その際、カラープロファイルを参照しながら印刷画像データと調整画像データを生成し、両データの差異に基づいて変化領域画像データを生成してもよい。カラープロファイルを参照するという簡易な構成で、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
【0016】
また、両データの成分値の差異を成分値とした変化領域画像データを生成してもよい。変化領域画像データの成分値を両データの成分値の差異にするという簡易な構成で、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
【0017】
さらに、種類別とされる両データの成分値の差異から無彩色を表現する成分値を求め、当該成分値で表現される変化領域画像データを生成してもよい。色調整の影響を一目で把握することができるので、さらに迅速かつ容易に適切な色調整を行うことが可能となる。
【0018】
ここで、色調整用の色を印刷させなくても、請求項7に記載した構成により入力画像に対応する変化領域画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、さらに迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。そこで、請求項11のように構成としてもよい。すなわち、調整前色取得手段により、入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データに基づいて、入力画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報が調整前色取得手段にて取得される。調整後色特定手段により、調整前色情報で表される色について色調整後の色を表す調整後色情報の入力が受け付けられる。この入力が受け付けられると、変化領域出力手段により、画像データと調整前色情報と調整後色情報とに基づいて入力画像上で色調整により色が変化する領域を示す変化領域画像を表現する変化領域画像データが生成され、生成された変化領域画像データに基づいて変化領域画像が出力される。すると、色調整装置のユーザは、変化領域画像を確認することができる。そして、調整画像生成手段により、出力された変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成させた調整前色情報と調整後色情報とに基づいて、画像データから入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データが生成される。すると、印刷装置は、上記生成された調整画像データに基づく調整画像を印刷可能である。
【0019】
ここで、上記生成された調整画像データに基づく調整画像は、変化領域画像を出力させた調整前色情報と調整後色情報とに基づいて色調整が行われた画像であるので、自然画あるいは非自然画といった入力画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能である。その際、印刷装置に複数の実画像を印刷させる必要はないので、色調整に時間がかかりすぎない。従って、入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
なお、請求項1〜請求項6、請求項8〜請求項10に記載した構成を請求項11に記載した構成に対応させることも可能である。
【0020】
上述した色調整装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。その具体例として、本発明は印刷制御装置としても適用可能であり、請求項12にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
また、上述した色調整処理の手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。従って、本発明は色調整装置の制御方法としても適用可能であり、請求項13、請求項14にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
さらに、色調整装置と印刷装置を備える色調整システムとしても適用可能であり、基本的には同様の作用となる。
【0021】
本発明を実施しようとする際に、色調整装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。そこで、色調整装置の制御プログラムとしても適用可能であり、請求項15、請求項16にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。さらに、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられる。すなわち、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、基本的には同様の作用となる。
むろん、請求項2〜請求項10に記載された構成を上記方法、色調整システム、プログラム、プログラムを記録した媒体に対応させることも可能である。
ここで、上記記録媒体は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体の他、今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。一次複製品、二次複製品などの複製段階も問わない。一部がハードウェアで実現される場合や、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む場合も本発明の思想に含まれる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)色調整装置の構成:
(3)色調整装置が行う処理:
(4)まとめ:
【0023】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる色調整装置を含む印刷システム100の概略構成を示している。本システム100は、パーソナルコンピュータ(PC)10、印刷装置であるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20等から構成されている。PC10は、プリンタに印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する意味で色調整装置を構成し、調整画像をプリンタに印刷させる制御を行う意味で印刷制御装置を構成する。
PC10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス10aを介してPC10全体の制御を行う。同バス10aには、ROM12、RAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続されている。また、ハードディスクドライブを介してハードディスク(HD)14も接続されている。本実施形態のコンピュータにはデスクトップ型PCを採用しているが、コンピュータとしては一般的な構成を有するものを採用可能である。
【0024】
HD14には、オペレーティングシステム(OS)や画像情報等を作成可能なアプリケーションプログラム(APL)等が格納されている。実行時には、CPU11がこれらのソフトウェアを適宜RAM13に転送し、RAM13を一時的なワークエリアとして適宜アクセスしながらプログラムを実行する。
周辺機器I/F(PIF)17aには、デジタルカメラ30や、図示しないカラースキャナ等を接続可能である。同デジタルカメラ30は、撮影画像をドットマトリクス状の画素別の色成分値で階調表現する画像データを生成してPC10に出力可能である。CRTI/F17bには画像データに基づく画像を表示するディスプレイ(CRT、画像表示装置)18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続されている。また、プリンタI/F17eには、例えばパラレルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
【0025】
プリンタ20は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを使用して、印刷用紙(印刷媒体)に対して画像データを構成する階調値である色成分値に対応したインク量となるようにインクを吐出し、画像を印刷する。むろん、4色以外のインクを使用するプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、レーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。
【0026】
図2に示すように、プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続されている。通信I/O24はPC10のプリンタI/F17eと接続されており、プリンタ20は通信I/O24を介してPC10から送信されるCMYKに変換されたデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してCMYKデータに基づく印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データに基づいて印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッドにCMYKのインクを吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドを主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙(メディア)を順次送り出して副走査を行ったりする。そして、CPU21が、RAM23をワークエリアとして利用しながらROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
【0027】
PC10では、以上のハードウェアを基礎としてバイオスが実行され、その上層にてOSとAPLとが実行される。OSには、プリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等の各種のドライバ類が組み込まれ、ハードウェアの制御を実行する。プリンタドライバは、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、APLから画像データを受け取って印刷ジョブを作成し、プリンタ20に送出する。本発明の色調整プログラムは、プリンタドライバから構成されるが、APLにより構成されてもよい。また、HD14は同プログラムを記録した媒体であるが、同媒体は、例えば、CD−ROM、FD16a、光磁気ディスク、不揮発性メモリ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷媒体、等であってもよい。むろん、通信I/F17dからインターネット網を介して所定のサーバに格納された上記の制御プログラムをダウンロードして実行させることも可能である。
そして、上記ハードウェアと上記プログラムとが協働して色調整装置および印刷制御装置を構築する。
本色調整装置は、CRT画面で目的の色となるように感覚的に調整した後に、その色を中心とする微妙に異なる色を印刷して最終的に色調整を完了させる。
【0028】
(2)色調整装置の構成:
図3は上記色調整装置および印刷制御装置を構成する各手段の関係を模式的に示す図であり、図4は印刷制御装置の構成の概略を模式的に示す図である。色調整装置U0は手段U1〜U5から構成され、さらに印刷制御手段U6を含めて印刷制御装置が構成される。PCを印刷制御装置として機能させる印刷制御プログラムは、以下に述べる各部U20〜U26に対応した複数のモジュールから構成されている。なお、調整画像制御部U20は、各部U11〜U15から構成される。
本色調整装置U0は、入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データD1を入力し、色調整用の色をプリンタに印刷させながら、同入力画像を色調整してプリンタに印刷させる調整画像を表現する調整画像データD5を生成する。
【0029】
調整前色取得手段U1は、プレビュー表示部U21と調整前色取得部U11と色変換部U26とから構成される。プレビュー表示部U21は、プレビュー画像をドットマトリクス状の多数の画素別に色成分値で階調表現するプレビュー画像データに基づいて、プレビュー画像I2をCRTに表示させる処理を行う。調整前色取得部U11は、画像データD1を入力し、この画像データD1に基づいて入力画像のプレビュー画像を表現するプレビュー画像データを生成してプレビュー画像I2をCRTに表示させる(出力する)とともに、当該プレビュー画像I2に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報D2を取得する。ここで、調整前色情報D2は、プレビュー画像に含まれる色をCMYK別の色成分値で階調表現する調整前色成分値とされている。むろん、この調整前色成分値は、色調整を行う色を色成分値で表す階調値である。
【0030】
入力する画像データは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4要素色から構成されるCMYKデータであるとして説明するが、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)から構成されるRGBデータや、Y(輝度)、Cb(ブルーの色差)、Cr(レッドの色差)から構成されるYCbCrデータ等であってもよい。なお、ここでのYは上記イエローのYとは異なる。CMYK各成分は、256階調であるとして説明するが、1024階調、100階調、等であってもよい。また、最終的に生成される調整画像データD5も、CMYKから構成されるCMYKデータであるとして説明するが、他の要素色から構成されるデータであってもよいし、元の画像データとは異なる要素色から構成されるデータであってもよい。調整画像データD5のCMYK各成分も、256階調であるとして説明するが、256階調以外であってもよい。
【0031】
ここで、PC10のHD14には、CRT18aの表示画像と実際に使用するプリンタ20(実プリンタAとも呼ぶ)の印刷画像との色の違いを補正可能とするカラープロファイルA、CRT18aの表示画像と基準のプリンタ(基準プリンタBとも呼ぶ)の印刷画像との色の違いを補正可能とする基準カラープロファイルB、等が記憶されている。カラープロファイル(以下、プロファイルと記載)は、色変換前のCMYKデータと色変換後のCMYKデータとの対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルであり、データ量が膨大とならぬよう、補間演算を前提としてnの4乗個の参照点にてCMYK各階調値どうしの対応関係を規定している。調整前色取得手段U1は、カラー変換エンジンである色変換部U26にてこれらのプロファイルを参照しながらCMYKデータの色変換を行い、色変換後のCMYKデータに基づいて基準のプリンタの印刷画像に相当するプレビュー画像をCRTに表示させる。
【0032】
図5は、プレビュー画像の表示画面の一例を示している。同画面には、HD14に記憶されているCRT用のプロファイルを参照して元のCMYKデータをRGBデータに変換して表示したカラー変換なしのプレビューイメージ81a、プロファイルAを参照して元のCMYKデータを変換してさらにRGBデータに変換して表示したカラー変換後のプレビューイメージ81b、基準プロファイルBを参照して元のCMYKデータを変換してさらにRGBデータに変換して表示したカラー変換後のプレビューイメージ81c、イメージ81bの一部を拡大して画素単位で色分けして表示した拡大ボックス81d、同ボックス81d内で選択された画素について色調整後の色を表示した調整後色表示欄81e、同画素について色調整前の色を表示した調整前色表示欄81f、プレビューイメージ81a〜cの拡大率を操作入力可能な拡大率入力欄81g、各種ボタン81h,i、が設けられている。CRT用のプロファイルは、CMYKデータとRGBデータとの対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルである。プレビューイメージ81bは、入力画像のプレビュー画像と言える。画面をコントロール可能なユーザインターフェイスである拡大率入力欄81gを設けたことにより、プレビューイメージの倍率を選択可能となっている。
ユーザが、真ん中のプレビューイメージ81b内で色調整したい色がある領域をマウスにより指定する操作を行い、拡大ボックス81d内で色調整したい色がある画素の領域81d1をマウスにより指定する操作を行うと、図6に示すように、指定された領域81d1の色を中心としたカラーチャートが表示される。
上記画面においては、画像データD1で表現される入力画像は、実プリンタAでの印刷画像に相当する画像としてプレビューイメージ81bに表示される。また、調整前色情報D2で表される色は、拡大ボックス81dから選択された画素の領域81d1に表示された色である。
【0033】
近傍色印刷制御手段U2は、近傍色表示部U22と近傍色印刷制御部U23と近傍色生成部U12と色変換部U26とから構成される。近傍色表示部U22は、カラーチャートをドットマトリクス状の多数の画素別に色成分値で階調表現するカラーチャートデータに基づいて、カラーチャートをCRTに表示させる処理を行う。近傍色印刷制御部U23は、プリンタ用のカラーチャートデータに基づいて、カラーチャートをプリンタに印刷させる制御を行う。PCのHD14には、調整前色情報D2で表される色およびその近傍の色の中から構成されるカラーチャート(複数の色)を表すカラーチャートデータを格納したチャート生成テーブルT2も記憶されている。近傍色生成部U12は、調整前色取得手段U1にて取得された調整前色情報D2に基づいて、チャート生成テーブルT2を参照しながらカラーチャートデータを生成し、生成したカラーチャートデータに基づいてカラーチャートをCRTに表示させる。また、色変換部U26にてプロファイルAを参照しながらカラーチャートデータをプリンタ用のカラーチャートデータに変換して当該カラーチャートデータに基づいてカラーチャートI3をプリンタに印刷させる。以下、本明細書において、調整前色情報D2で表される色とその近傍の色とをまとめて近傍色と記載する。
【0034】
図6は、上記カラーチャートの表示画面の一例を示している。同画面には、現在選択されている色を表示した現在色表示欄85a、拡大ボックス81d内で選択された調整前色表示欄81fと同じ色を表示した調整前色表示欄85b、前回選択されていた色を表示した前回色表示欄85c、現在選択されている色を中心としてCMYを段階的に変化させて区画別に表示したハニカム(蜂の巣)状のカラーチャート85d、同チャート85dのKの色成分を増加させたカラーチャート85e、同チャート85dのKの色成分を減少させたカラーチャート85f、カラーチャートの色を表す色成分値を変化させる間隔を操作入力可能な間隔入力欄85g、2次色の設定を選択入力可能な2次色選択欄85h、各種ボタン85i〜k、が設けられている。チャート85dの中心85d1の色は、現在色表示欄85aと同じ色とされている。
【0035】
図7に示すように、カラーチャート85dは、要素色Kを一定(色成分値をkとする)として、調整前色情報D2で表される色またはその近傍の色を中心として三方向に異なる要素色CMYを段階的に変化させたチャートである。図では、階調値10間隔で色成分値を変化させて色を変えている。なお、チャート85eでは要素色Kの色成分値をk+10として一定にし、チャート85fでは要素色Kの色成分値をk−10として一定にして、要素色CMYを段階的に変化させている。図のチャート85d上では、上側となるほどMの色成分値が大きくなり、下側となるほどMの色成分値が小さくなり、右上となるほどYの色成分値が大きくなり、左下となるほどYの色成分値が小さくなり、左上となるほどCの色成分値が大きくなり、右下となるほどCの色成分値が小さくなる。図に示すように、CMYの2次色の組み合わせは9種類あるため、6角形状の平面のチャートではCMYの2次色の組み合わせ全てを表現することができない。図の例では、Cの色成分値を増加させてMの色成分値を減少させる組み合わせ、Cの色成分値を増加させてYの色成分値を減少させる組み合わせ、Mの色成分値を増加させてYの色成分値を減少させる組み合わせがチャートで表されていないことになる。そこで、2次色全ての組み合わせを表現可能とするため、図6の2次色選択欄85hで2次色の組み合わせとしてA,Bの二種類の中からいずれかを選択可能としている。
【0036】
ユーザがカラーチャート85d〜f内で色調整後の色にしたい色がある区画の領域をマウスにより指定する操作を行うと、指定された領域の色が現在色表示欄85aとチャート85dの中心85d1とに表示される。そして、ユーザが印刷ボタン85iをクリック操作すると、図8に示すように、表示画面に対応するカラーチャートが印刷用紙に印刷される。従って、ユーザは実際に画像の印刷を行うプリンタでカラーチャートの色を確認することができ、容易に適切な色調整を行うことができる。また、カラーチャートをハニカム状とすることにより要素色がCMY3種類あっても三種類の要素色全てを変化させた複数の近傍色を一度に視認することができるので、色の選択が容易となり、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことが可能となる。
【0037】
調整後色特定手段U3は、印刷されたカラーチャートI3の複数の近傍色のいずれかを表す調整後色情報D3を色調整時の基準情報として特定する調整後色特定部U13を備える。ここで、調整後色情報D3は、印刷された複数の近傍色のいずれかをCMYK別の色成分値で階調表現する色成分値と、調整前色情報D2で表される調整前色成分値と、の差(差異)とされている。すなわち、調整後色成分値は、色調整前の色をどれぐらいずらすかを色成分値で表す階調値と言える。調整後色特定手段U3は、調整前色成分値と調整後色情報D3とを対応させて色調整テーブルT1に格納し、PCのHD14に記憶する。
図6のOKボタン85jがクリック操作されると、現在色表示欄85aとチャート85dの中心85d1とに表示された色を表す色成分値を取得する。そして、図9に示すように、色の変更を反映させたプレビュー画像を表示する。
【0038】
図9は、上記プレビュー画像の表示画面の一例を示している。同画面には、図5のプレビューイメージ81aの代わりに色調整により色が変化する領域を示すマスクイメージ(変化領域画像)83a、プレビューイメージ81bの代わりに色調整されたCMYKデータをプロファイルAにより変換してさらにRGBデータに変換して表示したカラー変換後のプレビューイメージ83bが設けられている。なお、図5と同じ構成のものについては同じ符号を付して説明を省略する。ここで、ユーザが、真ん中のプレビューイメージ83b内でさらに色調整したい色がある領域をマウスにより指定する操作を行い、拡大ボックス81d内で色調整したい色がある画素の領域81d1をマウスにより指定する操作を行うと、さらに色調整を行うことができる。すなわち、プレビューイメージ83bは、調整画像のプレビュー画像とも言えるし、調整画像を入力画像としたプレビュー画像とも言える。
【0039】
変化領域出力手段U4は、変化領域表示部U24と変化領域生成部U14と色変換部U26とから構成される。変化領域表示部U24は、入力画像上で色調整により色が変化する領域を示すマスクイメージI4をCRTに表示させる処理を行う。具体的には、マスクイメージをドットマトリクス状の多数の画素別に無彩色(グレー)の色成分値で階調表現する変化領域画像データD4に基づいて、マスクイメージI4を表示させる。変化領域生成部U14は、画像データD1と調整前色情報D2と調整後色情報D3に基づいて変化領域画像データD4を生成し、当該変化領域画像データD4に基づいてマスクイメージI4をCRTに表示させる。その際、色変換部U26にて、プロファイルAを参照しながら画像データD1からプリンタに印刷させる印刷画像を表現する印刷画像データ(C’M’Y’K’データ)を生成し、同プロファイルAを参照しながら調整前色情報D2と調整後色情報D3とに基づいて画像データD1から調整画像データ(C’’M’’Y’’K’’データ)を生成する。変化領域生成部U14は、同印刷画像データと調整画像データとの差異に基づいて変化領域画像データD4を生成する。
【0040】
ここで、上記印刷画像データの各色成分値(256階調)をC’,M’,Y’,K’、上記調整画像データの各色成分値(256階調)をC’’,M’’,Y’’,K’’で表すと、変化領域画像データの成分値(グレーの256階調)Gは、以下の式により算出することができる。
G = MIN(|C’’−C’| + |M’’−M’| + |Y’’−Y’| + |K’’−K’| , 255)…(1)
ただし、MIN(x1,x2)は、x1,x2のうちの最小値を与える関数である。
すなわち、255を上限として、各色成分値の差の絶対値|C’’−C’|、|M’’−M’|、|Y’’−Y’|、|K’’−K’|の和をグレー値(変化の度合)として変化領域画像データとする。すると、CMYK4色の色調整の影響をグレー1色にて一目で把握することができるので、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。
変化領域画像データD4が生成されると、図9の表示画面でマスクイメージ83aを表示する。
【0041】
なお、図10に示すように、カラー変換エンジンである色変換部U26は、プロファイルAと色調整テーブルT1を参照して、CMYKからなる画像データをCMYKからなる別の画像データに色変換する。ここで、プロファイルAは、CRT18aで表現可能な色空間内にあるCMYK別の各色成分値と、実プリンタAで表現可能な色空間内のCMYK別の各色成分値とが、対応して格納された情報テーブルである。また、色調整テーブルT1は、プロファイルAを反映させて実プリンタAに合わせたCMYKからなる画像データについて、色調整前の各色成分値(図では、C,M,Y,Kと記載)と、各色成分値の調整量(図では、ΔC,ΔM,ΔY,ΔKと記載)とが、対応して格納された情報テーブルである。
【0042】
図に示すように、入力した画像データD11の色成分値をC1,M1,Y1,K1(256階調)、プロファイルAを反映させた色調整前の印刷画像データD13の色成分値をC’,M’,Y’,K’(256階調)、さらにプロファイルAを反映させた色調整後の調整画像データD14の色成分値をC’’,M’’,Y’’,K’’(256階調)で表すことにする。すると、色変換部は、プロファイルAを参照して色成分値C1,M1,Y1,K1をC’,M’,Y’,K’に変換し、さらに、色調整テーブルT1を参照して色成分値C1,M1,Y1,K1をC’’,M’’,Y’’,K’’に変換して調整画像データD14を生成する。すなわち、色変換部は、入力した画像データの色成分値C1,M1,Y1,K1を調整画像データD14の色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’に変換するカラー変換エンジンである。
【0043】
色調整テーブルT1を参照してCMYKからなる画像データを変換する際、色変換部は、単にCMYK色空間内の点P1(C’,M’,Y’,K’)のみを点P2(C’’,M’’,Y’’,K’’)にするのではなく、点P1(C’,M’,Y’,K’)から所定範囲内の変化領域R1の色成分値を変化させる。色成分値の変化量は、変化領域R1の境界部分から徐々に大きくされ、中心付近で最大とされている。
そして、印刷画像データD13と調整画像データD14との差が、変化領域R1を変化の度合として表すことになる。
なお、図に示した変化領域R1は、色空間内で全ての色成分について拡がりをもった空間状に描かれているが、空間状である以外にも、平面状、曲面状、直線状、曲線状等であってもよい。これらの場合であっても変化領域R1に含まれる。本実施形態では、種々の態様がある変化領域R1を、色調整により色が変化する領域を示す平面状のマスクイメージとしてユーザに分かりやすく表示する。
【0044】
色変換部が色成分値を変化させる範囲は、様々な態様が考えられる。例えば、以下のように変化領域R1を決定してもよい。
色調整テーブルT1に格納される色調整前の色成分値をC3,M3,Y3,K3(256階調)、色調整後の色成分値をC4,M4,Y4,K4(256階調)とすると、色調整テーブルT1に格納される色成分値の調整量ΔC,ΔM,ΔY,ΔKはC4−C3,M4−M3,Y4−Y3,K4−K3となる。ここで、変化領域R1内の点を(C2,M2,Y2,K2)で表すと、
{(C3+C4)/2}−a・ΔC ≦ C2 ≦ {(C3+C4)/2}+a・ΔC …(2)
{(M3+M4)/2}−a・ΔM ≦ M2 ≦ {(M3+M4)/2}+a・ΔM …(3)
{(Y3+Y4)/2}−a・ΔY ≦ Y2 ≦ {(Y3+Y4)/2}+a・ΔY …(4)
{(K3+K4)/2}−a・ΔK ≦ K2 ≦ {(K3+K4)/2}+a・ΔK …(5)
を満たす(C2,M2,Y2,K2)の領域を変化領域R1とすることができる。ただし、aは0.5より大きい定数であり、上記不等式(2)〜(5)の下限値が0より小さくなるときにはその下限値を0に置き換え、同不等式(2)〜(5)の上限値が255より小さくなるときにはその上限値を255に置き換えるものとする。
【0045】
むろん、CMYK別に、定数aの値を異ならせてもよい。また、aをC3,M3,Y3,K3やC4,M4,Y4,K4に応じて変化する変数としてもよい。ここで、C2の範囲を求める変数aを算出する際に、C3やC4のみならず、M3,Y3,K3やM4,Y4,K4に応じて変化させてもよい。
さらに、ΔC,ΔM,ΔY,ΔKに乗じない別の定数を加減算して変化領域の範囲を決定してもよい。
【0046】
変化領域R1内の各点について色調整後の色成分値は、例えば、以下のようにして決定することができる。
C2,M2,Y2,K2の下限値をC5,M5,Y5,K5、上限値をC6,M6,Y6,K6として、色調整前の色成分値C’,M’,Y’,K’を色調整後の色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’に変換するものとする。CMYKのうちCの色成分に着目すると、
C5≦C’≦C3のとき、C’’={(C’−C5)/(C3−C5)}×(C4−C5)+C5
C3<C’≦C6のとき、C’’={(C’−C3)/(C6−C3)}×(C6−C4)+C4…(6)
により、色調整後の色成分値C’’を算出することができる。上記式(6)は、色調整前の色成分値C’がC5(下限値)〜C3であるときには比例配分により色調整後の色成分値C’’をC5(下限値)〜C4に変換し、色調整前の色成分値C’がC3〜C6(上限値)であるときには比例配分により色調整後の色成分値C’’をC4〜C6(上限値)に変換する式とされている。また、残りの色成分MYKの色成分値M’’,Y’’,K’’についても、上記式(6)と同様の式を用いて算出することができる。
【0047】
むろん、二次式等曲線を表す式を用いた配分を行って色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’を算出してもよい。また、C’’を算出する際に、C5,C6,C’のみならず、M5,Y5,K5,M6,Y6,K6,M’’,Y’’,K’’を用いて算出してもよい。
なお、色調整テーブルT1に色調整を行う複数の色を表すCMYK色成分値の組み合わせが格納されている場合、色変換部は、それぞれの組み合わせ別に変化領域を決定して色成分値を変換することにより、全てのCMYK色成分値の組み合わせを反映させた色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’を算出する処理を行う。
【0048】
色変換部に画像データD11を変換させる際、色調整テーブルT1に格納された情報を与えないと、図10における色調整後の色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’が色調整前の色成分値C’,M’,Y’,K’と同じになるので、実質的に色調整前の印刷画像データD13の色成分値C’,M’,Y’,K’が生成されることになる。そこで、色変換部に色調整テーブルT1の情報を与えないで画像データD11から印刷画像データD13の色成分値C’,M’,Y’,K’を生成させ、色変換部に色調整テーブルT1の情報を与えて画像データD11から調整画像データD14の色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’を生成させると、色成分値C’,M’,Y’,K’と色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’の差を変化領域画像データとすることができる。
【0049】
調整画像生成手段U5は、調整画像生成部U15と色変換部U26とから構成される。調整画像生成部U15は、調整前色情報D2と調整後色情報D3とに基づいて、画像データD1からプリンタに印刷させる調整画像I5を表現する調整画像データD5を生成する。その際、色変換部U26にて、色調整テーブルT1を参照して、調整前色情報D2で表される調整前色成分値と調整後色情報D3とから調整後色成分値を求め、プロファイルAを参照して、同調整前色成分値を同調整後色成分値にするように画像データD1から調整画像データD5を生成する。生成された調整画像データD5は、上述した色調整操作を反映させた実プリンタA用のデータとなる。
【0050】
印刷制御手段U6は、調整画像生成手段U5にて生成された調整画像データD5に基づいて調整画像I5をプリンタに印刷させる印刷制御部U25を備える。具体的には、CMYKからなる調整画像データD5をCMYK別にドット形成の有無により表現するハーフトーンデータに変換するハーフトーン処理を行い、プリンタの印刷ヘッドの走査幅に基づいてハーフトーンデータを並べ替えてラスタデータを生成するラスタライズ処理を行い、プリンタに対して出力する。ハーフトーンデータは、2階調、4階調、10階調、等、様々な階調数が考えられる。2階調の場合、ハーフトーンデータが「1」であるときに「ドット形成有」を意味し、「0」であるときに「ドット形成無」を意味する。ラスタデータはCMYKのインク使用量のデータであり、プリンタ20は、CMYK別のラスタデータを入手して対応するCMYKのインクを印刷用紙上に吐出させると、インク使用量に基づいて調整画像データに基づく調整画像を印刷することができる。このようにして、プリンタ20に調整画像を印刷させる制御を行うことができる。
なお、ハーフトーン処理やラスタライズ処理を実行可能なプリンタに対してCMYKデータを出力する際には、これらの処理を行わずにCMYKデータをプリンタに対して出力することができる。
【0051】
(3)色調整装置が行う処理:
以下、色調整装置が行う処理とともに、動作を詳細に説明していく。
図11〜図13は、本色調整装置が行う処理をフローチャートにより示している。具体的には、PC10のCPU11が本処理を行う。
本フローを開始すると、まず、入力画像をCMYK別の色成分値で階調表現する画像データを入力する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。その際、データ全体を一括して読み込む必要はなく、部分的に読み込むようにしてもよいし、他のAPLから呼び出されるような場合にはデータの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけであってもよい。
次に、色調整を行うことを確認する確認画面をディスプレイに表示させ、色調整を行うか否かを判断する(S110)。例えば、確認画面に確認ボタンとキャンセルボタンを設けておき、ユーザから受け付けたボタン操作に応じて処理を分岐させるようにすればよい。色調整を行わないと判断した場合、本フローを終了する。
【0052】
色調整を行うと判断した場合、入力画像を表すCMYKデータを構成する各画素の色成分値を変換対象として順次対象画素を移動させながら、CRT用のプロファイルを参照して、RGB別の色成分値で階調表現したプレビュー画像データを生成する(S115)。同データは、図5におけるカラー変換なしの入力画像のプレビューイメージ81aを表すデータである。
次に、基準プロファイルBを参照して、入力画像が表されたCMYKデータを変換し、CRT用のプロファイルを参照して、変換後のCMYKデータをRGBからなるプレビュー画像データを生成する(S120)。具体的には、まず、CMYKデータを構成する各画素の色成分値を変換対象として順次対象画素を移動させながら、基準プロファイルBを参照して、基準プリンタBに相当する入力画像を階調表現するCMYKデータを生成する。次に、生成したCMYKデータを構成する各画素の色成分値を変換対象として順次対象画素を移動させながら、CRT用のプロファイルを参照して、プレビュー画像を階調表現するRGBデータを生成する。以下、プロファイルを参照して画像データを変換するときも同様である。生成するプレビュー画像データは、基準プリンタBに相当する入力画像のプレビューイメージ81cを表すデータである。
さらに、プロファイルAを参照して、入力画像が表されたCMYKデータを変換し、CRT用のプロファイルを参照して、変換後のCMYKデータをRGBからなるプレビュー画像データを生成する(S125)。同データは、実プリンタAに相当する入力画像のプレビューイメージ81bを表すデータである。
【0053】
その後、生成したプレビュー画像データに基づいて、図5で示したプレビュー画像の表示画面をディスプレイに表示する(S130)。すなわち、色調整中のプレビュー画像の他に基準プリンタBの印刷画像に相当するプレビュー画像が表示されるので、ユーザは基準プリンタBの印刷画像に相当するプレビュー画像を見ながら色調整操作を行うことができ、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。
なお、拡大率入力欄81gに操作入力が行われると、入力された拡大率となるように各プレビューイメージを表示する。
次に、入力画像のプレビュー画像から、色調整を行う色の選択入力を受け付ける(S135)。具体的には、画面真ん中のプレビューイメージ81b内で色調整したい色がある領域を指定する操作の入力を受け付けると、指定された領域のプレビュー画像を拡大して画素単位で色分けして拡大ボックス81dに表示し、拡大ボックス81d内で色調整したい色がある画素の領域を指定する操作の入力を受け付ける。この段階では、拡大ボックス81d内で選択された画素について色調整前の色を調整前色表示欄81fに表示するとともに、調整後色表示欄81eにも表示する。色調整を行う色を拡大ボックスから画素単位で容易に選択することができるので、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。
そして、色分けして表示された色に含まれて色調整を行う色をCMYK別の色成分値で表す調整前色成分値を取得する(S140)。
すなわち、S105〜S140の処理を行うPCは、画像データに基づいて入力画像のプレビュー画像を出力し、調整前色情報を取得する調整前色取得手段を構成する。
【0054】
S140終了後、取得された調整前色成分値に基づいて、チャート生成テーブルT2を参照しながらカラーチャートデータを生成する(S205)。同データは、調整前色成分値で表される色の近傍色を中心として三方向に異なる要素色CMYを段階的に変化させたハニカム状のカラーチャートを階調表現するデータである。なお、図6の2次色選択欄85hで選択入力が行われると、選択された2次色にさせるようにカラーチャートデータを生成する。また、間隔入力欄85gに操作入力が行われると、入力された間隔の階調値でカラーチャートデータを生成する。
次に、CRT用のプロファイルを参照してCMYKからなるカラーチャートデータをRGBデータに変換し、同RGBデータに基づいて、図6で示したように、区画別に表示したカラーチャートの表示画面を表示する(S210)。ここで、現在選択されている色(最初に行われるときには拡大ボックス81d内で選択された色)を現在色表示欄85aに表示し、拡大ボックス81d内で選択された色を調整前色表示欄85bに表示し、前回選択されていた色(最初に行われるときには現在色表示欄85aと同じ色)を前回色表示欄85cに表示する。
【0055】
その後、表示画面への操作内容に応じて処理を分岐させる(S215)。
カラーチャート85d〜f内で区画を指定する操作が行われた場合、指定された区画の色を表す色成分値を取得する(S220)。そして、S205に戻り、取得した色成分値の色を中心とするカラーチャートを表現するカラーチャートデータを生成し、新たなカラーチャートを表示する。
【0056】
また、印刷ボタン85iがクリック操作された場合、プロファイルAを参照して、カラーチャートデータからプリンタ用のカラーチャートデータを生成する(S225)。次に、生成したカラーチャートデータに基づいて、CRTに表示されたカラーチャートに対応するカラーチャートをプリンタに印刷させる(S230)。すなわち、ハーフトーン処理によりCMYKからなるカラーチャートデータをハーフトーンデータに変換し、ラスタライズ処理によりハーフトーンデータをラスタデータに変換して、同ラスタデータをプリンタ20に対して送信する。すると、プリンタ20は、同ラスタデータを入手し、同データに基づいて印刷ヘッドを駆動してインクを印刷用紙上に吐出し、図8で示したように、プレビュー画像に含まれる色の近傍色を中心としたカラーチャートを印刷用紙に印刷する。同カラーチャートは、求める色に近い色を中心にするようにして配置された多数の近傍色から構成されている。
S230終了後、S215に戻り、さらに操作を受け付ける。
【0057】
すなわち、S205〜S230の処理を行うPCは、調整前色成分値で表される色およびその近傍の色の中から複数の色を印刷装置に印刷させる制御を行う近傍色印刷制御手段を構成する。
上記処理が行われると、ユーザは実際に印刷を行うプリンタで印刷されたカラーチャートを見ながら色調整作業を行うことができるので、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。ここで、画面で確認し選択した色を実際に印刷することができるので、画面と印刷による画像の色の違いを確認することが可能となる。また、カラーチャートはプレビュー画像に含まれる色の近傍色から構成されるので、画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。CMYKの4要素色を段階的に変化させた複数の近傍色を一度に見て色調整操作を行うことができる点でも、非常に迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【0058】
カラーチャートの表示画面でOKボタン85jがクリック操作されると、カラーチャート85dの中心85d1に表示された色(現在色表示欄85aに表示された色と同じ)をCMYK別の色成分値で表す調整後色成分値を取得する(S235)。この段階で図5のプレビュー画像の表示画面に戻り、拡大ボックス81d内で選択された画素について、調整後色成分値で表される色調整後の色を調整後色表示欄81eに表示する。
次に、取得した調整後色成分値と調整前色成分値との差(差異)を調整後色情報として取得する(S240)。上述したように、調整前色成分値をC3,M3,Y3,K3、調整後色成分値をC4,M4,Y4,K4とすると、調整後色情報ΔC,ΔM,ΔY,ΔKはC4−C3,M4−M3,Y4−Y3,K4−K3となる。
そして、調整前色成分値C3,M3,Y3,K3と調整後色情報ΔC,ΔM,ΔY,ΔKとを対応させて、図10で示した色調整テーブルT1に格納する(S245)。同調整後色情報を、調整画像データを生成する際の色調整時の基準情報とする。なお、既に色調整テーブルに情報が格納されている場合には、調整前色成分値と調整後色情報とを追加して格納する。色調整後にこれらの情報を色調整テーブルに登録することにより、色調整した色を印刷時に反映させることが可能となる。
すなわち、S235〜S245の処理を行うPCは、プリンタで印刷されたカラーチャートの複数の色のいずれかを表す調整後色情報を色調整時の基準情報として特定する調整後色特定手段を構成する。むろん、調整後色情報の入力を受け付けているとも言える。
【0059】
S245終了後、色変換部に色調整テーブルT1に格納された情報を与えない状態として、色変換部にて、プロファイルAを参照して調整前色情報(C1,M1,Y1,K1)から印刷画像データ(C’,M’,Y’,K’)を生成する(S305)。次に、色変換部に色調整テーブルT1に格納された情報を与えて、色変換部にて、プロファイルAを参照して調整前色情報(C1,M1,Y1,K1)から印刷画像データ(C’,M’,Y’,K’)を生成し、さらに、色調整テーブルT1を参照して色調整前の画像データ(C’,M’,Y’,K’)から色調整後の調整画像データ(C’’,M’’,Y’’,K’’)を生成する(S310)。さらに、上記式(1)を用いて成分値Gを算出し、成分値Gで表現される変化領域画像データを生成する(S315)。成分値Gは、CMYK別とされる印刷画像データと調整画像データとの成分値の差であり、無彩色を表現する階調値である。
このように、汎用的なカラー変換エンジンを利用してカラープロファイルを参照するという簡易な構成で、画像の種類に応じて適切な色調整を迅速に行うことを可能にさせ、色調整作業を容易にさせることができる。
そして、変化領域画像データに基づいて図9に示すマスクイメージ83aをCRTに表示する(S320)。同マスクイメージは、無彩色(グレー)の濃淡の違いで表現されているので、CMYKの色の違いにかかわらず、色調整の影響を一目で把握することができ、色調整を行う作業を迅速かつ容易にさせることができる。
むろん、変化領域画像データを例えばCMYKからなる有彩色で階調表現してマスクイメージを出力するようにすることも可能である。
【0060】
すなわち、S305〜S320の処理を行うPCは、画像データと調整前色情報と調整後色情報とに基づいて入力画像に対応して色調整により色が変化する領域を示す画像を表現する変化領域画像データを生成し、マスクイメージを出力する変化領域出力手段を構成する。
マスクイメージが表示されることにより、ユーザは入力画像に対応する画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが容易となる。
【0061】
S320終了後、色調整後の画像データ(C2,M2,Y2,K2)に基づいて、S125と同様の処理により、調整画像のプレビュー画像を表現するプレビュー画像データを生成する(S325)。次に、生成したプレビュー画像データに基づいて、図9に示す、色調整後のプレビューイメージ83bをCRTに表示する(S330)。そして、表示画面への操作内容に応じて処理を分岐させる(S335)。
【0062】
調整画像のプレビュー画像から色調整を行う色の選択入力を受け付けた場合、プレビュー画像に含まれて色調整を行う色をCMYK別の色成分値で表す調整前色成分値を取得する(S340)。上記S135〜S140と同様、画面真ん中のプレビューイメージ83b内で色調整したい色がある領域を指定する操作の入力を受け付けると、指定された領域のプレビュー画像を拡大して画素単位で色分けして拡大ボックス81dに表示し、拡大ボックス81d内で色調整したい色がある画素の領域を指定する操作の入力を受け付ける。そして、色分けして表示された色を表す調整前色成分値を取得する。
すなわち、S325〜S330の処理を行うPCは、調整画像データに基づいて調整画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する意味での調整前色取得手段を構成する。
【0063】
その後、S205〜S335の処理を繰り返し行う。すると、S205〜S230では、調整画像のプレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報に基づいて近傍色の中から複数の色をプリンタに印刷させる制御が行われる。S235〜S245では、再度、印刷された複数の近傍色のいずれかを表す調整後色情報を特定する。
その結果、ユーザは色調整された入力画像に相当するプレビュー画像を見ながら色調整操作を行うことができるので、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。
【0064】
図9のプレビュー画像の表示画面で、調整終了ボタン81hがクリック操作されると、本フローを終了する。
同画面で画像印刷ボタン81iがクリック操作されると、調整画像生成手段により、調整前色成分値と調整後色情報とを対応させた色調整テーブルを参照して、画像データから調整画像データを生成する(S345)。具体的には、色調整テーブルT1を参照して調整前色成分値と調整後色情報とから調整後色成分値を求め、プロファイルAを参照して同調整前色成分値を同調整後色成分値にするように画像データから調整画像データを生成する。生成された調整画像データは、プレビューイメージを表現する変化領域画像データを生成させた調整前色情報と調整後色情報とに基づいて生成された実プリンタA用のデータである。
このように、色成分値の差異がなくなるように調整画像データが生成されるので、適切な色調整が行われた調整画像を得ることが可能となる。
【0065】
その後、生成した調整画像データに基づいて調整画像をプリンタに印刷させる制御を行う印刷制御処理を行い(S350)、本フローを終了する。すなわち、ハーフトーン処理によりCMYKからなる画像データをハーフトーンデータに変換し、ラスタライズ処理によりハーフトーンデータをラスタデータに変換して、同ラスタデータをプリンタ20に対して送信する。すると、プリンタ20は、同ラスタデータを入手し、同データに基づいて印刷ヘッドを駆動してインクを印刷用紙上に吐出し、色調整が行われた調整画像を印刷用紙に印刷する。
すなわち、S350の処理を行うPCは、印刷制御手段を構成する。
【0066】
(4)まとめ:
以上の処理により印刷される調整画像は、入力画像のプレビュー画像から色調整を行う色が決定されて色調整が行われた画像であるので、種々の色調がある自然画や非自然画といった入力画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能である。また、プリンタに印刷させるカラーチャートは実画像ではないので、色調整用の色を印刷するのに時間がかかりすぎない。
あらかじめ決められた代表色をカラープリンタに印刷させるとともに代表色の周辺の色情報を複数発生させて表示して色調整後の色を決めていた従来では、入力画像の種類に応じたきめ細やかな色調整を行うことが困難であり、繰り返し実際の画像を印刷させるという試行錯誤が必要であった。
本色調整装置は、色調整用の色をプリンタに印刷させながら入力画像を色調整してプリンタに印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、入力画像に含まれる色を色調整する色とするので、画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが容易となっており、色調整作業を迅速に行うことが可能となっている。
【0067】
このように、本発明によると、色調整前の近傍色からなるカラーチャートの印刷物を見ることにより、印刷される画像の色を視覚的に求める色に調整することが可能となる。実際の画像を試行錯誤しながら繰り返し印刷する必要がないので、印刷回数を減らすことが可能となり、印刷用紙と印刷時間を節約することが可能となる。色調整による画像全体の影響をマスクイメージにより視覚的に確認することができるので、精度の高い色調整を行うことが可能となる。従って、測色機等を使用せずに高精度の色調整を行うことが可能となるし、測色機を使用しても微妙にずれるような色であっても調整することが可能となる。
【0068】
むろん、本発明は、その要旨を変更しない範囲で各種の変更が可能であり、上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、プリンタは、コンピュータと一体化されたものであってもよいし、単色画像のみを出力する専用品であってもよい。上述したフローについては、PC内で実行する以外にも、一部または全部をプリンタあるいは専用の画像出力機器で実行するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、色調整用の色を印刷装置に印刷させながら入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能な色調整装置、印刷制御装置および色調整プログラムを提供することができる。また、色調整方法としても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】色調整装置と周辺装置とからなる印刷システムの概略構成図。
【図2】プリンタのブロック構成をPCとともに示すブロック構成図。
【図3】色調整装置および印刷制御装置を構成する各手段の関係を模式的に示す図。
【図4】印刷制御装置の構成の概略を模式的に示す図。
【図5】プレビュー画像の表示画面例を示す図。
【図6】カラーチャートの表示画面例を示す図。
【図7】カラーチャートを構成する複数の近傍色の色成分値を示す図。
【図8】印刷されたカラーチャートを示す図。
【図9】プレビュー画像の表示画面例を示す図。
【図10】カラー変換エンジンを用いてマスクイメージを生成する様子を説明する図。
【図11】色調整装置が行う処理を示すフローチャート。
【図12】色調整装置が行う処理を示すフローチャート。
【図13】色調整装置が行う処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…パーソナルコンピュータ(PC)、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HD)、17a〜e…各種インターフェイス(I/F)、18a…ディスプレイ(画像表示装置)、18b…キーボード、18c…マウス、20…インクジェットプリンタ(印刷装置)、100…印刷システム、D1…画像データ、D2…調整前色情報、D3…調整後色情報、D4…変化領域画像データ、D5…調整画像データ、D11…色調整前の画像データ、D12…色調整後の画像データ、D13…印刷画像データ、D14…調整画像データ、I2…プレビュー画像、I3…カラーチャート(複数の色)、I4…マスクイメージ(変化領域画像)、I5…調整画像、R1…変化領域、T1…色調整テーブル、T2…チャート生成テーブル、U0…色調整装置、U1…調整前色取得手段、U2…近傍色印刷制御手段、U3…調整後色特定手段、U4…変化領域出力手段、U5…調整画像生成手段、U6…印刷制御手段、U11…調整前色取得部、U12…近傍色生成部、U13…調整後色特定部、U14…変化領域生成部、U15…調整画像生成部、U20…調整画像制御部、U21…プレビュー表示部、U22…近傍色表示部、U23…近傍色印刷制御部、U24…変化領域表示部、U25…印刷制御部、U26…色変換部
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する色調整装置、印刷制御装置、色調整方法および色調整プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、色調整用の色をプリンタに印刷させながら、入力画像を色調整してプリンタに印刷させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術では、あらかじめ決められた代表色をカラープリンタに印刷させるとともに、色相、彩度、明度を変更することにより代表色の周辺の色情報を複数発生させてディスプレイに表示し、同色情報を選択的に入力し、カラープロファイルに反映させている。その結果、モニタ上の色とプリンタ出力の色が合わない場合に、複雑で難しい手間をかけることなく、大体の色調整をすることができるとしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−290753号公報
【特許文献2】
特開平9−186907号公報
【特許文献3】
特開平10−224647号公報
【特許文献4】
特開2000−333032号公報
【特許文献5】
特開2002−223364号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
画像には自然画と、グラフ画像やコンピュータグラフィクス等の非自然画とがあり、自然画にも種々の色調があるため、上述した従来の技術においては、容易に画像の種類に応じた適切な色調整を行うことができなかった。言い換えると、画像の種類に応じた適切な色調整を行うためには、繰り返し実画像を印刷させるという試行錯誤が必要であり、時間がかかりすぎるという問題があった。
なお、色調整用の色をカラーモニタに表示し、色調整後の色の指定を受け付けてモニタ上のカラー画像の色調整を行う装置も知られているが(例えば、特許文献2,3,4参照。)、色調整用の色を印刷装置に印刷させるものではないため、色調整用の色を印刷装置に印刷させながら入力画像を色調整する色調整装置に適用することができない。
また、複数の色調整された実画像をプリンタに印刷させ、色調整を選択可能とした装置も知られている(例えば、特許文献5参照。)が、画像データに基づく実画像を複数印刷させるため、印刷に時間がかかりすぎるという問題がある。
さらに、トーンカーブエディタや各色のスライドバーによる感覚的な色調整では、変更したい色のみを調整することができず、微妙な調整を行うためには何回もの印刷を行う必要があり、時間がかかりすぎるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、色調整用の色を印刷装置に印刷させながら入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能な色調整装置、印刷制御装置、色調整方法および色調整プログラムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では、調整前色取得手段により、入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データに基づいて入力画像のプレビュー画像が出力される。すると、色調整装置のユーザは、入力画像のプレビュー画像を確認することができる。色調整を行う色はプレビュー画像に含まれる色とされており、この色を表す調整前色情報が調整前色取得手段にて取得される。近傍色印刷制御手段により、この取得された調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色の印刷制御が行われる。すると、印刷装置は、これらの複数の色を印刷する。調整後色特定手段により、同印刷された複数の色のいずれかを表す調整後色情報が色調整時の基準情報として特定される。そして、調整画像生成手段により、調整前色情報と調整後色情報とに基づいて、画像データから入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データが生成される。すると、印刷装置は、上記生成された調整画像データに基づく調整画像を印刷可能である。
【0007】
ここで、上記生成された調整画像データに基づく調整画像は、入力画像のプレビュー画像から色調整を行う色が決定されて色調整が行われた画像であるので、自然画あるいは非自然画といった入力画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能である。その際、印刷装置に印刷させる色調整用の複数の色は実画像ではないので、色調整用の色を印刷するのに時間がかかりすぎない。従って、色調整用の色を印刷装置に印刷させながら入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【0008】
上記プレビュー画像を出力する態様には、ディスプレイ等の画像表示装置への表示、プリンタに代表される印刷装置への印刷、等、様々なものが考えられる。
上記調整後色情報は、例えば、色調整前からの色の変化量、色調整後の色の色成分値、等、様々な情報が考えられる。
【0009】
上記調整前色取得手段は、上記調整画像データに基づいて上記調整画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得し、上記調整後色特定手段は、再度、調整後色情報を特定し、上記調整画像生成手段は、再度、調整画像データを生成してもよい。ユーザは色調整された入力画像に相当するプレビュー画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、さらに迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【0010】
上記調整前色情報は、上記プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を色成分値で表す調整前色成分値とされ、上記調整後色情報は、上記印刷された複数の色のいずれかを表す色成分値と、上記調整前色成分値と、の差異を表す情報とされ、上記調整画像生成手段は、上記調整前色成分値と調整後色情報とから上記印刷された複数の色のいずれかを表す調整後色成分値を求めるとともに、同調整前色成分値を同調整後色成分値にするように上記画像データから上記調整画像データを生成する構成としてもよい。調整前色情報と調整後色情報を簡易な構成としながら、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
また、色成分値の差異をなくするように調整画像データを生成すれば、より適切に色調整を行うことが可能となる。
【0011】
上記調整画像生成手段は、上記調整前色成分値と上記色成分値の差異を表す調整後色情報とを対応させた色調整テーブルを参照して、上記画像データから上記調整画像データを生成してもよい。色調整テーブルを参照するという簡易な構成で、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
上記調整前色情報は、上記プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を色成分値で表す調整前色成分値とされ、上記調整後色情報は、上記印刷された複数の色のいずれかを色成分値で表す調整後色成分値とされ、上記調整画像生成手段は、上記調整前色成分値を上記調整後色成分値にするように上記画像データから上記調整画像データを生成する構成としてもよい。この構成でも、調整前色情報と調整後色情報を簡易な構成としながら、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
【0012】
請求項4にかかる発明のように、入力画像や調整画像のプレビュー画像とともに、基準の印刷装置の印刷画像に相当するプレビュー画像を画像表示装置に表示させてもよい。基準の印刷装置の印刷画像に相当するプレビュー画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、さらに迅速かつ容易に適切な色調整を行うことが可能となる。
【0013】
上記調整前色取得手段は、上記入力画像のプレビュー画像を拡大して画素単位で色分けして出力し、色分けして出力された色に含まれて色調整を行う色が表された上記調整前色情報を取得する構成としてもよい。
また、上記調整前色情報で表される色またはその近傍の色を中心として三方向に異なる要素色を段階的に変化させた蜂の巣状のカラーチャートを上記印刷装置に印刷させる構成としてもよい。
いずれの構成でも、色の選択が容易となるので、さらに迅速かつ容易に適切な色調整を行うことが可能となる。
【0014】
上記画像データ、調整前色情報および調整後色情報に基づいて上記入力画像に対応して上記色調整により色が変化する領域を示す変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成し、当該変化領域画像データに基づいて変化領域画像を出力する変化領域出力手段が設けられ、上記調整画像生成手段は、上記出力された変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成させた上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する構成としてもよい。ユーザは入力画像に対応する変化領域画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、さらに迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【0015】
その際、カラープロファイルを参照しながら印刷画像データと調整画像データを生成し、両データの差異に基づいて変化領域画像データを生成してもよい。カラープロファイルを参照するという簡易な構成で、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
【0016】
また、両データの成分値の差異を成分値とした変化領域画像データを生成してもよい。変化領域画像データの成分値を両データの成分値の差異にするという簡易な構成で、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことができる。
【0017】
さらに、種類別とされる両データの成分値の差異から無彩色を表現する成分値を求め、当該成分値で表現される変化領域画像データを生成してもよい。色調整の影響を一目で把握することができるので、さらに迅速かつ容易に適切な色調整を行うことが可能となる。
【0018】
ここで、色調整用の色を印刷させなくても、請求項7に記載した構成により入力画像に対応する変化領域画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、さらに迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。そこで、請求項11のように構成としてもよい。すなわち、調整前色取得手段により、入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データに基づいて、入力画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報が調整前色取得手段にて取得される。調整後色特定手段により、調整前色情報で表される色について色調整後の色を表す調整後色情報の入力が受け付けられる。この入力が受け付けられると、変化領域出力手段により、画像データと調整前色情報と調整後色情報とに基づいて入力画像上で色調整により色が変化する領域を示す変化領域画像を表現する変化領域画像データが生成され、生成された変化領域画像データに基づいて変化領域画像が出力される。すると、色調整装置のユーザは、変化領域画像を確認することができる。そして、調整画像生成手段により、出力された変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成させた調整前色情報と調整後色情報とに基づいて、画像データから入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データが生成される。すると、印刷装置は、上記生成された調整画像データに基づく調整画像を印刷可能である。
【0019】
ここで、上記生成された調整画像データに基づく調整画像は、変化領域画像を出力させた調整前色情報と調整後色情報とに基づいて色調整が行われた画像であるので、自然画あるいは非自然画といった入力画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能である。その際、印刷装置に複数の実画像を印刷させる必要はないので、色調整に時間がかかりすぎない。従って、入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
なお、請求項1〜請求項6、請求項8〜請求項10に記載した構成を請求項11に記載した構成に対応させることも可能である。
【0020】
上述した色調整装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。その具体例として、本発明は印刷制御装置としても適用可能であり、請求項12にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
また、上述した色調整処理の手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。従って、本発明は色調整装置の制御方法としても適用可能であり、請求項13、請求項14にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
さらに、色調整装置と印刷装置を備える色調整システムとしても適用可能であり、基本的には同様の作用となる。
【0021】
本発明を実施しようとする際に、色調整装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。そこで、色調整装置の制御プログラムとしても適用可能であり、請求項15、請求項16にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。さらに、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられる。すなわち、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、基本的には同様の作用となる。
むろん、請求項2〜請求項10に記載された構成を上記方法、色調整システム、プログラム、プログラムを記録した媒体に対応させることも可能である。
ここで、上記記録媒体は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体の他、今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。一次複製品、二次複製品などの複製段階も問わない。一部がハードウェアで実現される場合や、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む場合も本発明の思想に含まれる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)色調整装置の構成:
(3)色調整装置が行う処理:
(4)まとめ:
【0023】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる色調整装置を含む印刷システム100の概略構成を示している。本システム100は、パーソナルコンピュータ(PC)10、印刷装置であるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20等から構成されている。PC10は、プリンタに印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する意味で色調整装置を構成し、調整画像をプリンタに印刷させる制御を行う意味で印刷制御装置を構成する。
PC10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス10aを介してPC10全体の制御を行う。同バス10aには、ROM12、RAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続されている。また、ハードディスクドライブを介してハードディスク(HD)14も接続されている。本実施形態のコンピュータにはデスクトップ型PCを採用しているが、コンピュータとしては一般的な構成を有するものを採用可能である。
【0024】
HD14には、オペレーティングシステム(OS)や画像情報等を作成可能なアプリケーションプログラム(APL)等が格納されている。実行時には、CPU11がこれらのソフトウェアを適宜RAM13に転送し、RAM13を一時的なワークエリアとして適宜アクセスしながらプログラムを実行する。
周辺機器I/F(PIF)17aには、デジタルカメラ30や、図示しないカラースキャナ等を接続可能である。同デジタルカメラ30は、撮影画像をドットマトリクス状の画素別の色成分値で階調表現する画像データを生成してPC10に出力可能である。CRTI/F17bには画像データに基づく画像を表示するディスプレイ(CRT、画像表示装置)18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続されている。また、プリンタI/F17eには、例えばパラレルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
【0025】
プリンタ20は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを使用して、印刷用紙(印刷媒体)に対して画像データを構成する階調値である色成分値に対応したインク量となるようにインクを吐出し、画像を印刷する。むろん、4色以外のインクを使用するプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、レーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。
【0026】
図2に示すように、プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続されている。通信I/O24はPC10のプリンタI/F17eと接続されており、プリンタ20は通信I/O24を介してPC10から送信されるCMYKに変換されたデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してCMYKデータに基づく印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データに基づいて印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッドにCMYKのインクを吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドを主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙(メディア)を順次送り出して副走査を行ったりする。そして、CPU21が、RAM23をワークエリアとして利用しながらROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
【0027】
PC10では、以上のハードウェアを基礎としてバイオスが実行され、その上層にてOSとAPLとが実行される。OSには、プリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等の各種のドライバ類が組み込まれ、ハードウェアの制御を実行する。プリンタドライバは、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、APLから画像データを受け取って印刷ジョブを作成し、プリンタ20に送出する。本発明の色調整プログラムは、プリンタドライバから構成されるが、APLにより構成されてもよい。また、HD14は同プログラムを記録した媒体であるが、同媒体は、例えば、CD−ROM、FD16a、光磁気ディスク、不揮発性メモリ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷媒体、等であってもよい。むろん、通信I/F17dからインターネット網を介して所定のサーバに格納された上記の制御プログラムをダウンロードして実行させることも可能である。
そして、上記ハードウェアと上記プログラムとが協働して色調整装置および印刷制御装置を構築する。
本色調整装置は、CRT画面で目的の色となるように感覚的に調整した後に、その色を中心とする微妙に異なる色を印刷して最終的に色調整を完了させる。
【0028】
(2)色調整装置の構成:
図3は上記色調整装置および印刷制御装置を構成する各手段の関係を模式的に示す図であり、図4は印刷制御装置の構成の概略を模式的に示す図である。色調整装置U0は手段U1〜U5から構成され、さらに印刷制御手段U6を含めて印刷制御装置が構成される。PCを印刷制御装置として機能させる印刷制御プログラムは、以下に述べる各部U20〜U26に対応した複数のモジュールから構成されている。なお、調整画像制御部U20は、各部U11〜U15から構成される。
本色調整装置U0は、入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データD1を入力し、色調整用の色をプリンタに印刷させながら、同入力画像を色調整してプリンタに印刷させる調整画像を表現する調整画像データD5を生成する。
【0029】
調整前色取得手段U1は、プレビュー表示部U21と調整前色取得部U11と色変換部U26とから構成される。プレビュー表示部U21は、プレビュー画像をドットマトリクス状の多数の画素別に色成分値で階調表現するプレビュー画像データに基づいて、プレビュー画像I2をCRTに表示させる処理を行う。調整前色取得部U11は、画像データD1を入力し、この画像データD1に基づいて入力画像のプレビュー画像を表現するプレビュー画像データを生成してプレビュー画像I2をCRTに表示させる(出力する)とともに、当該プレビュー画像I2に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報D2を取得する。ここで、調整前色情報D2は、プレビュー画像に含まれる色をCMYK別の色成分値で階調表現する調整前色成分値とされている。むろん、この調整前色成分値は、色調整を行う色を色成分値で表す階調値である。
【0030】
入力する画像データは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4要素色から構成されるCMYKデータであるとして説明するが、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)から構成されるRGBデータや、Y(輝度)、Cb(ブルーの色差)、Cr(レッドの色差)から構成されるYCbCrデータ等であってもよい。なお、ここでのYは上記イエローのYとは異なる。CMYK各成分は、256階調であるとして説明するが、1024階調、100階調、等であってもよい。また、最終的に生成される調整画像データD5も、CMYKから構成されるCMYKデータであるとして説明するが、他の要素色から構成されるデータであってもよいし、元の画像データとは異なる要素色から構成されるデータであってもよい。調整画像データD5のCMYK各成分も、256階調であるとして説明するが、256階調以外であってもよい。
【0031】
ここで、PC10のHD14には、CRT18aの表示画像と実際に使用するプリンタ20(実プリンタAとも呼ぶ)の印刷画像との色の違いを補正可能とするカラープロファイルA、CRT18aの表示画像と基準のプリンタ(基準プリンタBとも呼ぶ)の印刷画像との色の違いを補正可能とする基準カラープロファイルB、等が記憶されている。カラープロファイル(以下、プロファイルと記載)は、色変換前のCMYKデータと色変換後のCMYKデータとの対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルであり、データ量が膨大とならぬよう、補間演算を前提としてnの4乗個の参照点にてCMYK各階調値どうしの対応関係を規定している。調整前色取得手段U1は、カラー変換エンジンである色変換部U26にてこれらのプロファイルを参照しながらCMYKデータの色変換を行い、色変換後のCMYKデータに基づいて基準のプリンタの印刷画像に相当するプレビュー画像をCRTに表示させる。
【0032】
図5は、プレビュー画像の表示画面の一例を示している。同画面には、HD14に記憶されているCRT用のプロファイルを参照して元のCMYKデータをRGBデータに変換して表示したカラー変換なしのプレビューイメージ81a、プロファイルAを参照して元のCMYKデータを変換してさらにRGBデータに変換して表示したカラー変換後のプレビューイメージ81b、基準プロファイルBを参照して元のCMYKデータを変換してさらにRGBデータに変換して表示したカラー変換後のプレビューイメージ81c、イメージ81bの一部を拡大して画素単位で色分けして表示した拡大ボックス81d、同ボックス81d内で選択された画素について色調整後の色を表示した調整後色表示欄81e、同画素について色調整前の色を表示した調整前色表示欄81f、プレビューイメージ81a〜cの拡大率を操作入力可能な拡大率入力欄81g、各種ボタン81h,i、が設けられている。CRT用のプロファイルは、CMYKデータとRGBデータとの対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルである。プレビューイメージ81bは、入力画像のプレビュー画像と言える。画面をコントロール可能なユーザインターフェイスである拡大率入力欄81gを設けたことにより、プレビューイメージの倍率を選択可能となっている。
ユーザが、真ん中のプレビューイメージ81b内で色調整したい色がある領域をマウスにより指定する操作を行い、拡大ボックス81d内で色調整したい色がある画素の領域81d1をマウスにより指定する操作を行うと、図6に示すように、指定された領域81d1の色を中心としたカラーチャートが表示される。
上記画面においては、画像データD1で表現される入力画像は、実プリンタAでの印刷画像に相当する画像としてプレビューイメージ81bに表示される。また、調整前色情報D2で表される色は、拡大ボックス81dから選択された画素の領域81d1に表示された色である。
【0033】
近傍色印刷制御手段U2は、近傍色表示部U22と近傍色印刷制御部U23と近傍色生成部U12と色変換部U26とから構成される。近傍色表示部U22は、カラーチャートをドットマトリクス状の多数の画素別に色成分値で階調表現するカラーチャートデータに基づいて、カラーチャートをCRTに表示させる処理を行う。近傍色印刷制御部U23は、プリンタ用のカラーチャートデータに基づいて、カラーチャートをプリンタに印刷させる制御を行う。PCのHD14には、調整前色情報D2で表される色およびその近傍の色の中から構成されるカラーチャート(複数の色)を表すカラーチャートデータを格納したチャート生成テーブルT2も記憶されている。近傍色生成部U12は、調整前色取得手段U1にて取得された調整前色情報D2に基づいて、チャート生成テーブルT2を参照しながらカラーチャートデータを生成し、生成したカラーチャートデータに基づいてカラーチャートをCRTに表示させる。また、色変換部U26にてプロファイルAを参照しながらカラーチャートデータをプリンタ用のカラーチャートデータに変換して当該カラーチャートデータに基づいてカラーチャートI3をプリンタに印刷させる。以下、本明細書において、調整前色情報D2で表される色とその近傍の色とをまとめて近傍色と記載する。
【0034】
図6は、上記カラーチャートの表示画面の一例を示している。同画面には、現在選択されている色を表示した現在色表示欄85a、拡大ボックス81d内で選択された調整前色表示欄81fと同じ色を表示した調整前色表示欄85b、前回選択されていた色を表示した前回色表示欄85c、現在選択されている色を中心としてCMYを段階的に変化させて区画別に表示したハニカム(蜂の巣)状のカラーチャート85d、同チャート85dのKの色成分を増加させたカラーチャート85e、同チャート85dのKの色成分を減少させたカラーチャート85f、カラーチャートの色を表す色成分値を変化させる間隔を操作入力可能な間隔入力欄85g、2次色の設定を選択入力可能な2次色選択欄85h、各種ボタン85i〜k、が設けられている。チャート85dの中心85d1の色は、現在色表示欄85aと同じ色とされている。
【0035】
図7に示すように、カラーチャート85dは、要素色Kを一定(色成分値をkとする)として、調整前色情報D2で表される色またはその近傍の色を中心として三方向に異なる要素色CMYを段階的に変化させたチャートである。図では、階調値10間隔で色成分値を変化させて色を変えている。なお、チャート85eでは要素色Kの色成分値をk+10として一定にし、チャート85fでは要素色Kの色成分値をk−10として一定にして、要素色CMYを段階的に変化させている。図のチャート85d上では、上側となるほどMの色成分値が大きくなり、下側となるほどMの色成分値が小さくなり、右上となるほどYの色成分値が大きくなり、左下となるほどYの色成分値が小さくなり、左上となるほどCの色成分値が大きくなり、右下となるほどCの色成分値が小さくなる。図に示すように、CMYの2次色の組み合わせは9種類あるため、6角形状の平面のチャートではCMYの2次色の組み合わせ全てを表現することができない。図の例では、Cの色成分値を増加させてMの色成分値を減少させる組み合わせ、Cの色成分値を増加させてYの色成分値を減少させる組み合わせ、Mの色成分値を増加させてYの色成分値を減少させる組み合わせがチャートで表されていないことになる。そこで、2次色全ての組み合わせを表現可能とするため、図6の2次色選択欄85hで2次色の組み合わせとしてA,Bの二種類の中からいずれかを選択可能としている。
【0036】
ユーザがカラーチャート85d〜f内で色調整後の色にしたい色がある区画の領域をマウスにより指定する操作を行うと、指定された領域の色が現在色表示欄85aとチャート85dの中心85d1とに表示される。そして、ユーザが印刷ボタン85iをクリック操作すると、図8に示すように、表示画面に対応するカラーチャートが印刷用紙に印刷される。従って、ユーザは実際に画像の印刷を行うプリンタでカラーチャートの色を確認することができ、容易に適切な色調整を行うことができる。また、カラーチャートをハニカム状とすることにより要素色がCMY3種類あっても三種類の要素色全てを変化させた複数の近傍色を一度に視認することができるので、色の選択が容易となり、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことが可能となる。
【0037】
調整後色特定手段U3は、印刷されたカラーチャートI3の複数の近傍色のいずれかを表す調整後色情報D3を色調整時の基準情報として特定する調整後色特定部U13を備える。ここで、調整後色情報D3は、印刷された複数の近傍色のいずれかをCMYK別の色成分値で階調表現する色成分値と、調整前色情報D2で表される調整前色成分値と、の差(差異)とされている。すなわち、調整後色成分値は、色調整前の色をどれぐらいずらすかを色成分値で表す階調値と言える。調整後色特定手段U3は、調整前色成分値と調整後色情報D3とを対応させて色調整テーブルT1に格納し、PCのHD14に記憶する。
図6のOKボタン85jがクリック操作されると、現在色表示欄85aとチャート85dの中心85d1とに表示された色を表す色成分値を取得する。そして、図9に示すように、色の変更を反映させたプレビュー画像を表示する。
【0038】
図9は、上記プレビュー画像の表示画面の一例を示している。同画面には、図5のプレビューイメージ81aの代わりに色調整により色が変化する領域を示すマスクイメージ(変化領域画像)83a、プレビューイメージ81bの代わりに色調整されたCMYKデータをプロファイルAにより変換してさらにRGBデータに変換して表示したカラー変換後のプレビューイメージ83bが設けられている。なお、図5と同じ構成のものについては同じ符号を付して説明を省略する。ここで、ユーザが、真ん中のプレビューイメージ83b内でさらに色調整したい色がある領域をマウスにより指定する操作を行い、拡大ボックス81d内で色調整したい色がある画素の領域81d1をマウスにより指定する操作を行うと、さらに色調整を行うことができる。すなわち、プレビューイメージ83bは、調整画像のプレビュー画像とも言えるし、調整画像を入力画像としたプレビュー画像とも言える。
【0039】
変化領域出力手段U4は、変化領域表示部U24と変化領域生成部U14と色変換部U26とから構成される。変化領域表示部U24は、入力画像上で色調整により色が変化する領域を示すマスクイメージI4をCRTに表示させる処理を行う。具体的には、マスクイメージをドットマトリクス状の多数の画素別に無彩色(グレー)の色成分値で階調表現する変化領域画像データD4に基づいて、マスクイメージI4を表示させる。変化領域生成部U14は、画像データD1と調整前色情報D2と調整後色情報D3に基づいて変化領域画像データD4を生成し、当該変化領域画像データD4に基づいてマスクイメージI4をCRTに表示させる。その際、色変換部U26にて、プロファイルAを参照しながら画像データD1からプリンタに印刷させる印刷画像を表現する印刷画像データ(C’M’Y’K’データ)を生成し、同プロファイルAを参照しながら調整前色情報D2と調整後色情報D3とに基づいて画像データD1から調整画像データ(C’’M’’Y’’K’’データ)を生成する。変化領域生成部U14は、同印刷画像データと調整画像データとの差異に基づいて変化領域画像データD4を生成する。
【0040】
ここで、上記印刷画像データの各色成分値(256階調)をC’,M’,Y’,K’、上記調整画像データの各色成分値(256階調)をC’’,M’’,Y’’,K’’で表すと、変化領域画像データの成分値(グレーの256階調)Gは、以下の式により算出することができる。
G = MIN(|C’’−C’| + |M’’−M’| + |Y’’−Y’| + |K’’−K’| , 255)…(1)
ただし、MIN(x1,x2)は、x1,x2のうちの最小値を与える関数である。
すなわち、255を上限として、各色成分値の差の絶対値|C’’−C’|、|M’’−M’|、|Y’’−Y’|、|K’’−K’|の和をグレー値(変化の度合)として変化領域画像データとする。すると、CMYK4色の色調整の影響をグレー1色にて一目で把握することができるので、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。
変化領域画像データD4が生成されると、図9の表示画面でマスクイメージ83aを表示する。
【0041】
なお、図10に示すように、カラー変換エンジンである色変換部U26は、プロファイルAと色調整テーブルT1を参照して、CMYKからなる画像データをCMYKからなる別の画像データに色変換する。ここで、プロファイルAは、CRT18aで表現可能な色空間内にあるCMYK別の各色成分値と、実プリンタAで表現可能な色空間内のCMYK別の各色成分値とが、対応して格納された情報テーブルである。また、色調整テーブルT1は、プロファイルAを反映させて実プリンタAに合わせたCMYKからなる画像データについて、色調整前の各色成分値(図では、C,M,Y,Kと記載)と、各色成分値の調整量(図では、ΔC,ΔM,ΔY,ΔKと記載)とが、対応して格納された情報テーブルである。
【0042】
図に示すように、入力した画像データD11の色成分値をC1,M1,Y1,K1(256階調)、プロファイルAを反映させた色調整前の印刷画像データD13の色成分値をC’,M’,Y’,K’(256階調)、さらにプロファイルAを反映させた色調整後の調整画像データD14の色成分値をC’’,M’’,Y’’,K’’(256階調)で表すことにする。すると、色変換部は、プロファイルAを参照して色成分値C1,M1,Y1,K1をC’,M’,Y’,K’に変換し、さらに、色調整テーブルT1を参照して色成分値C1,M1,Y1,K1をC’’,M’’,Y’’,K’’に変換して調整画像データD14を生成する。すなわち、色変換部は、入力した画像データの色成分値C1,M1,Y1,K1を調整画像データD14の色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’に変換するカラー変換エンジンである。
【0043】
色調整テーブルT1を参照してCMYKからなる画像データを変換する際、色変換部は、単にCMYK色空間内の点P1(C’,M’,Y’,K’)のみを点P2(C’’,M’’,Y’’,K’’)にするのではなく、点P1(C’,M’,Y’,K’)から所定範囲内の変化領域R1の色成分値を変化させる。色成分値の変化量は、変化領域R1の境界部分から徐々に大きくされ、中心付近で最大とされている。
そして、印刷画像データD13と調整画像データD14との差が、変化領域R1を変化の度合として表すことになる。
なお、図に示した変化領域R1は、色空間内で全ての色成分について拡がりをもった空間状に描かれているが、空間状である以外にも、平面状、曲面状、直線状、曲線状等であってもよい。これらの場合であっても変化領域R1に含まれる。本実施形態では、種々の態様がある変化領域R1を、色調整により色が変化する領域を示す平面状のマスクイメージとしてユーザに分かりやすく表示する。
【0044】
色変換部が色成分値を変化させる範囲は、様々な態様が考えられる。例えば、以下のように変化領域R1を決定してもよい。
色調整テーブルT1に格納される色調整前の色成分値をC3,M3,Y3,K3(256階調)、色調整後の色成分値をC4,M4,Y4,K4(256階調)とすると、色調整テーブルT1に格納される色成分値の調整量ΔC,ΔM,ΔY,ΔKはC4−C3,M4−M3,Y4−Y3,K4−K3となる。ここで、変化領域R1内の点を(C2,M2,Y2,K2)で表すと、
{(C3+C4)/2}−a・ΔC ≦ C2 ≦ {(C3+C4)/2}+a・ΔC …(2)
{(M3+M4)/2}−a・ΔM ≦ M2 ≦ {(M3+M4)/2}+a・ΔM …(3)
{(Y3+Y4)/2}−a・ΔY ≦ Y2 ≦ {(Y3+Y4)/2}+a・ΔY …(4)
{(K3+K4)/2}−a・ΔK ≦ K2 ≦ {(K3+K4)/2}+a・ΔK …(5)
を満たす(C2,M2,Y2,K2)の領域を変化領域R1とすることができる。ただし、aは0.5より大きい定数であり、上記不等式(2)〜(5)の下限値が0より小さくなるときにはその下限値を0に置き換え、同不等式(2)〜(5)の上限値が255より小さくなるときにはその上限値を255に置き換えるものとする。
【0045】
むろん、CMYK別に、定数aの値を異ならせてもよい。また、aをC3,M3,Y3,K3やC4,M4,Y4,K4に応じて変化する変数としてもよい。ここで、C2の範囲を求める変数aを算出する際に、C3やC4のみならず、M3,Y3,K3やM4,Y4,K4に応じて変化させてもよい。
さらに、ΔC,ΔM,ΔY,ΔKに乗じない別の定数を加減算して変化領域の範囲を決定してもよい。
【0046】
変化領域R1内の各点について色調整後の色成分値は、例えば、以下のようにして決定することができる。
C2,M2,Y2,K2の下限値をC5,M5,Y5,K5、上限値をC6,M6,Y6,K6として、色調整前の色成分値C’,M’,Y’,K’を色調整後の色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’に変換するものとする。CMYKのうちCの色成分に着目すると、
C5≦C’≦C3のとき、C’’={(C’−C5)/(C3−C5)}×(C4−C5)+C5
C3<C’≦C6のとき、C’’={(C’−C3)/(C6−C3)}×(C6−C4)+C4…(6)
により、色調整後の色成分値C’’を算出することができる。上記式(6)は、色調整前の色成分値C’がC5(下限値)〜C3であるときには比例配分により色調整後の色成分値C’’をC5(下限値)〜C4に変換し、色調整前の色成分値C’がC3〜C6(上限値)であるときには比例配分により色調整後の色成分値C’’をC4〜C6(上限値)に変換する式とされている。また、残りの色成分MYKの色成分値M’’,Y’’,K’’についても、上記式(6)と同様の式を用いて算出することができる。
【0047】
むろん、二次式等曲線を表す式を用いた配分を行って色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’を算出してもよい。また、C’’を算出する際に、C5,C6,C’のみならず、M5,Y5,K5,M6,Y6,K6,M’’,Y’’,K’’を用いて算出してもよい。
なお、色調整テーブルT1に色調整を行う複数の色を表すCMYK色成分値の組み合わせが格納されている場合、色変換部は、それぞれの組み合わせ別に変化領域を決定して色成分値を変換することにより、全てのCMYK色成分値の組み合わせを反映させた色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’を算出する処理を行う。
【0048】
色変換部に画像データD11を変換させる際、色調整テーブルT1に格納された情報を与えないと、図10における色調整後の色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’が色調整前の色成分値C’,M’,Y’,K’と同じになるので、実質的に色調整前の印刷画像データD13の色成分値C’,M’,Y’,K’が生成されることになる。そこで、色変換部に色調整テーブルT1の情報を与えないで画像データD11から印刷画像データD13の色成分値C’,M’,Y’,K’を生成させ、色変換部に色調整テーブルT1の情報を与えて画像データD11から調整画像データD14の色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’を生成させると、色成分値C’,M’,Y’,K’と色成分値C’’,M’’,Y’’,K’’の差を変化領域画像データとすることができる。
【0049】
調整画像生成手段U5は、調整画像生成部U15と色変換部U26とから構成される。調整画像生成部U15は、調整前色情報D2と調整後色情報D3とに基づいて、画像データD1からプリンタに印刷させる調整画像I5を表現する調整画像データD5を生成する。その際、色変換部U26にて、色調整テーブルT1を参照して、調整前色情報D2で表される調整前色成分値と調整後色情報D3とから調整後色成分値を求め、プロファイルAを参照して、同調整前色成分値を同調整後色成分値にするように画像データD1から調整画像データD5を生成する。生成された調整画像データD5は、上述した色調整操作を反映させた実プリンタA用のデータとなる。
【0050】
印刷制御手段U6は、調整画像生成手段U5にて生成された調整画像データD5に基づいて調整画像I5をプリンタに印刷させる印刷制御部U25を備える。具体的には、CMYKからなる調整画像データD5をCMYK別にドット形成の有無により表現するハーフトーンデータに変換するハーフトーン処理を行い、プリンタの印刷ヘッドの走査幅に基づいてハーフトーンデータを並べ替えてラスタデータを生成するラスタライズ処理を行い、プリンタに対して出力する。ハーフトーンデータは、2階調、4階調、10階調、等、様々な階調数が考えられる。2階調の場合、ハーフトーンデータが「1」であるときに「ドット形成有」を意味し、「0」であるときに「ドット形成無」を意味する。ラスタデータはCMYKのインク使用量のデータであり、プリンタ20は、CMYK別のラスタデータを入手して対応するCMYKのインクを印刷用紙上に吐出させると、インク使用量に基づいて調整画像データに基づく調整画像を印刷することができる。このようにして、プリンタ20に調整画像を印刷させる制御を行うことができる。
なお、ハーフトーン処理やラスタライズ処理を実行可能なプリンタに対してCMYKデータを出力する際には、これらの処理を行わずにCMYKデータをプリンタに対して出力することができる。
【0051】
(3)色調整装置が行う処理:
以下、色調整装置が行う処理とともに、動作を詳細に説明していく。
図11〜図13は、本色調整装置が行う処理をフローチャートにより示している。具体的には、PC10のCPU11が本処理を行う。
本フローを開始すると、まず、入力画像をCMYK別の色成分値で階調表現する画像データを入力する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。その際、データ全体を一括して読み込む必要はなく、部分的に読み込むようにしてもよいし、他のAPLから呼び出されるような場合にはデータの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけであってもよい。
次に、色調整を行うことを確認する確認画面をディスプレイに表示させ、色調整を行うか否かを判断する(S110)。例えば、確認画面に確認ボタンとキャンセルボタンを設けておき、ユーザから受け付けたボタン操作に応じて処理を分岐させるようにすればよい。色調整を行わないと判断した場合、本フローを終了する。
【0052】
色調整を行うと判断した場合、入力画像を表すCMYKデータを構成する各画素の色成分値を変換対象として順次対象画素を移動させながら、CRT用のプロファイルを参照して、RGB別の色成分値で階調表現したプレビュー画像データを生成する(S115)。同データは、図5におけるカラー変換なしの入力画像のプレビューイメージ81aを表すデータである。
次に、基準プロファイルBを参照して、入力画像が表されたCMYKデータを変換し、CRT用のプロファイルを参照して、変換後のCMYKデータをRGBからなるプレビュー画像データを生成する(S120)。具体的には、まず、CMYKデータを構成する各画素の色成分値を変換対象として順次対象画素を移動させながら、基準プロファイルBを参照して、基準プリンタBに相当する入力画像を階調表現するCMYKデータを生成する。次に、生成したCMYKデータを構成する各画素の色成分値を変換対象として順次対象画素を移動させながら、CRT用のプロファイルを参照して、プレビュー画像を階調表現するRGBデータを生成する。以下、プロファイルを参照して画像データを変換するときも同様である。生成するプレビュー画像データは、基準プリンタBに相当する入力画像のプレビューイメージ81cを表すデータである。
さらに、プロファイルAを参照して、入力画像が表されたCMYKデータを変換し、CRT用のプロファイルを参照して、変換後のCMYKデータをRGBからなるプレビュー画像データを生成する(S125)。同データは、実プリンタAに相当する入力画像のプレビューイメージ81bを表すデータである。
【0053】
その後、生成したプレビュー画像データに基づいて、図5で示したプレビュー画像の表示画面をディスプレイに表示する(S130)。すなわち、色調整中のプレビュー画像の他に基準プリンタBの印刷画像に相当するプレビュー画像が表示されるので、ユーザは基準プリンタBの印刷画像に相当するプレビュー画像を見ながら色調整操作を行うことができ、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。
なお、拡大率入力欄81gに操作入力が行われると、入力された拡大率となるように各プレビューイメージを表示する。
次に、入力画像のプレビュー画像から、色調整を行う色の選択入力を受け付ける(S135)。具体的には、画面真ん中のプレビューイメージ81b内で色調整したい色がある領域を指定する操作の入力を受け付けると、指定された領域のプレビュー画像を拡大して画素単位で色分けして拡大ボックス81dに表示し、拡大ボックス81d内で色調整したい色がある画素の領域を指定する操作の入力を受け付ける。この段階では、拡大ボックス81d内で選択された画素について色調整前の色を調整前色表示欄81fに表示するとともに、調整後色表示欄81eにも表示する。色調整を行う色を拡大ボックスから画素単位で容易に選択することができるので、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。
そして、色分けして表示された色に含まれて色調整を行う色をCMYK別の色成分値で表す調整前色成分値を取得する(S140)。
すなわち、S105〜S140の処理を行うPCは、画像データに基づいて入力画像のプレビュー画像を出力し、調整前色情報を取得する調整前色取得手段を構成する。
【0054】
S140終了後、取得された調整前色成分値に基づいて、チャート生成テーブルT2を参照しながらカラーチャートデータを生成する(S205)。同データは、調整前色成分値で表される色の近傍色を中心として三方向に異なる要素色CMYを段階的に変化させたハニカム状のカラーチャートを階調表現するデータである。なお、図6の2次色選択欄85hで選択入力が行われると、選択された2次色にさせるようにカラーチャートデータを生成する。また、間隔入力欄85gに操作入力が行われると、入力された間隔の階調値でカラーチャートデータを生成する。
次に、CRT用のプロファイルを参照してCMYKからなるカラーチャートデータをRGBデータに変換し、同RGBデータに基づいて、図6で示したように、区画別に表示したカラーチャートの表示画面を表示する(S210)。ここで、現在選択されている色(最初に行われるときには拡大ボックス81d内で選択された色)を現在色表示欄85aに表示し、拡大ボックス81d内で選択された色を調整前色表示欄85bに表示し、前回選択されていた色(最初に行われるときには現在色表示欄85aと同じ色)を前回色表示欄85cに表示する。
【0055】
その後、表示画面への操作内容に応じて処理を分岐させる(S215)。
カラーチャート85d〜f内で区画を指定する操作が行われた場合、指定された区画の色を表す色成分値を取得する(S220)。そして、S205に戻り、取得した色成分値の色を中心とするカラーチャートを表現するカラーチャートデータを生成し、新たなカラーチャートを表示する。
【0056】
また、印刷ボタン85iがクリック操作された場合、プロファイルAを参照して、カラーチャートデータからプリンタ用のカラーチャートデータを生成する(S225)。次に、生成したカラーチャートデータに基づいて、CRTに表示されたカラーチャートに対応するカラーチャートをプリンタに印刷させる(S230)。すなわち、ハーフトーン処理によりCMYKからなるカラーチャートデータをハーフトーンデータに変換し、ラスタライズ処理によりハーフトーンデータをラスタデータに変換して、同ラスタデータをプリンタ20に対して送信する。すると、プリンタ20は、同ラスタデータを入手し、同データに基づいて印刷ヘッドを駆動してインクを印刷用紙上に吐出し、図8で示したように、プレビュー画像に含まれる色の近傍色を中心としたカラーチャートを印刷用紙に印刷する。同カラーチャートは、求める色に近い色を中心にするようにして配置された多数の近傍色から構成されている。
S230終了後、S215に戻り、さらに操作を受け付ける。
【0057】
すなわち、S205〜S230の処理を行うPCは、調整前色成分値で表される色およびその近傍の色の中から複数の色を印刷装置に印刷させる制御を行う近傍色印刷制御手段を構成する。
上記処理が行われると、ユーザは実際に印刷を行うプリンタで印刷されたカラーチャートを見ながら色調整作業を行うことができるので、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。ここで、画面で確認し選択した色を実際に印刷することができるので、画面と印刷による画像の色の違いを確認することが可能となる。また、カラーチャートはプレビュー画像に含まれる色の近傍色から構成されるので、画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。CMYKの4要素色を段階的に変化させた複数の近傍色を一度に見て色調整操作を行うことができる点でも、非常に迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能となる。
【0058】
カラーチャートの表示画面でOKボタン85jがクリック操作されると、カラーチャート85dの中心85d1に表示された色(現在色表示欄85aに表示された色と同じ)をCMYK別の色成分値で表す調整後色成分値を取得する(S235)。この段階で図5のプレビュー画像の表示画面に戻り、拡大ボックス81d内で選択された画素について、調整後色成分値で表される色調整後の色を調整後色表示欄81eに表示する。
次に、取得した調整後色成分値と調整前色成分値との差(差異)を調整後色情報として取得する(S240)。上述したように、調整前色成分値をC3,M3,Y3,K3、調整後色成分値をC4,M4,Y4,K4とすると、調整後色情報ΔC,ΔM,ΔY,ΔKはC4−C3,M4−M3,Y4−Y3,K4−K3となる。
そして、調整前色成分値C3,M3,Y3,K3と調整後色情報ΔC,ΔM,ΔY,ΔKとを対応させて、図10で示した色調整テーブルT1に格納する(S245)。同調整後色情報を、調整画像データを生成する際の色調整時の基準情報とする。なお、既に色調整テーブルに情報が格納されている場合には、調整前色成分値と調整後色情報とを追加して格納する。色調整後にこれらの情報を色調整テーブルに登録することにより、色調整した色を印刷時に反映させることが可能となる。
すなわち、S235〜S245の処理を行うPCは、プリンタで印刷されたカラーチャートの複数の色のいずれかを表す調整後色情報を色調整時の基準情報として特定する調整後色特定手段を構成する。むろん、調整後色情報の入力を受け付けているとも言える。
【0059】
S245終了後、色変換部に色調整テーブルT1に格納された情報を与えない状態として、色変換部にて、プロファイルAを参照して調整前色情報(C1,M1,Y1,K1)から印刷画像データ(C’,M’,Y’,K’)を生成する(S305)。次に、色変換部に色調整テーブルT1に格納された情報を与えて、色変換部にて、プロファイルAを参照して調整前色情報(C1,M1,Y1,K1)から印刷画像データ(C’,M’,Y’,K’)を生成し、さらに、色調整テーブルT1を参照して色調整前の画像データ(C’,M’,Y’,K’)から色調整後の調整画像データ(C’’,M’’,Y’’,K’’)を生成する(S310)。さらに、上記式(1)を用いて成分値Gを算出し、成分値Gで表現される変化領域画像データを生成する(S315)。成分値Gは、CMYK別とされる印刷画像データと調整画像データとの成分値の差であり、無彩色を表現する階調値である。
このように、汎用的なカラー変換エンジンを利用してカラープロファイルを参照するという簡易な構成で、画像の種類に応じて適切な色調整を迅速に行うことを可能にさせ、色調整作業を容易にさせることができる。
そして、変化領域画像データに基づいて図9に示すマスクイメージ83aをCRTに表示する(S320)。同マスクイメージは、無彩色(グレー)の濃淡の違いで表現されているので、CMYKの色の違いにかかわらず、色調整の影響を一目で把握することができ、色調整を行う作業を迅速かつ容易にさせることができる。
むろん、変化領域画像データを例えばCMYKからなる有彩色で階調表現してマスクイメージを出力するようにすることも可能である。
【0060】
すなわち、S305〜S320の処理を行うPCは、画像データと調整前色情報と調整後色情報とに基づいて入力画像に対応して色調整により色が変化する領域を示す画像を表現する変化領域画像データを生成し、マスクイメージを出力する変化領域出力手段を構成する。
マスクイメージが表示されることにより、ユーザは入力画像に対応する画像を見ながら色調整作業を行うことができるので、画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが容易となる。
【0061】
S320終了後、色調整後の画像データ(C2,M2,Y2,K2)に基づいて、S125と同様の処理により、調整画像のプレビュー画像を表現するプレビュー画像データを生成する(S325)。次に、生成したプレビュー画像データに基づいて、図9に示す、色調整後のプレビューイメージ83bをCRTに表示する(S330)。そして、表示画面への操作内容に応じて処理を分岐させる(S335)。
【0062】
調整画像のプレビュー画像から色調整を行う色の選択入力を受け付けた場合、プレビュー画像に含まれて色調整を行う色をCMYK別の色成分値で表す調整前色成分値を取得する(S340)。上記S135〜S140と同様、画面真ん中のプレビューイメージ83b内で色調整したい色がある領域を指定する操作の入力を受け付けると、指定された領域のプレビュー画像を拡大して画素単位で色分けして拡大ボックス81dに表示し、拡大ボックス81d内で色調整したい色がある画素の領域を指定する操作の入力を受け付ける。そして、色分けして表示された色を表す調整前色成分値を取得する。
すなわち、S325〜S330の処理を行うPCは、調整画像データに基づいて調整画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する意味での調整前色取得手段を構成する。
【0063】
その後、S205〜S335の処理を繰り返し行う。すると、S205〜S230では、調整画像のプレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報に基づいて近傍色の中から複数の色をプリンタに印刷させる制御が行われる。S235〜S245では、再度、印刷された複数の近傍色のいずれかを表す調整後色情報を特定する。
その結果、ユーザは色調整された入力画像に相当するプレビュー画像を見ながら色調整操作を行うことができるので、迅速かつ容易に適切な色調整を行うことができる。
【0064】
図9のプレビュー画像の表示画面で、調整終了ボタン81hがクリック操作されると、本フローを終了する。
同画面で画像印刷ボタン81iがクリック操作されると、調整画像生成手段により、調整前色成分値と調整後色情報とを対応させた色調整テーブルを参照して、画像データから調整画像データを生成する(S345)。具体的には、色調整テーブルT1を参照して調整前色成分値と調整後色情報とから調整後色成分値を求め、プロファイルAを参照して同調整前色成分値を同調整後色成分値にするように画像データから調整画像データを生成する。生成された調整画像データは、プレビューイメージを表現する変化領域画像データを生成させた調整前色情報と調整後色情報とに基づいて生成された実プリンタA用のデータである。
このように、色成分値の差異がなくなるように調整画像データが生成されるので、適切な色調整が行われた調整画像を得ることが可能となる。
【0065】
その後、生成した調整画像データに基づいて調整画像をプリンタに印刷させる制御を行う印刷制御処理を行い(S350)、本フローを終了する。すなわち、ハーフトーン処理によりCMYKからなる画像データをハーフトーンデータに変換し、ラスタライズ処理によりハーフトーンデータをラスタデータに変換して、同ラスタデータをプリンタ20に対して送信する。すると、プリンタ20は、同ラスタデータを入手し、同データに基づいて印刷ヘッドを駆動してインクを印刷用紙上に吐出し、色調整が行われた調整画像を印刷用紙に印刷する。
すなわち、S350の処理を行うPCは、印刷制御手段を構成する。
【0066】
(4)まとめ:
以上の処理により印刷される調整画像は、入力画像のプレビュー画像から色調整を行う色が決定されて色調整が行われた画像であるので、種々の色調がある自然画や非自然画といった入力画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能である。また、プリンタに印刷させるカラーチャートは実画像ではないので、色調整用の色を印刷するのに時間がかかりすぎない。
あらかじめ決められた代表色をカラープリンタに印刷させるとともに代表色の周辺の色情報を複数発生させて表示して色調整後の色を決めていた従来では、入力画像の種類に応じたきめ細やかな色調整を行うことが困難であり、繰り返し実際の画像を印刷させるという試行錯誤が必要であった。
本色調整装置は、色調整用の色をプリンタに印刷させながら入力画像を色調整してプリンタに印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、入力画像に含まれる色を色調整する色とするので、画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが容易となっており、色調整作業を迅速に行うことが可能となっている。
【0067】
このように、本発明によると、色調整前の近傍色からなるカラーチャートの印刷物を見ることにより、印刷される画像の色を視覚的に求める色に調整することが可能となる。実際の画像を試行錯誤しながら繰り返し印刷する必要がないので、印刷回数を減らすことが可能となり、印刷用紙と印刷時間を節約することが可能となる。色調整による画像全体の影響をマスクイメージにより視覚的に確認することができるので、精度の高い色調整を行うことが可能となる。従って、測色機等を使用せずに高精度の色調整を行うことが可能となるし、測色機を使用しても微妙にずれるような色であっても調整することが可能となる。
【0068】
むろん、本発明は、その要旨を変更しない範囲で各種の変更が可能であり、上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、プリンタは、コンピュータと一体化されたものであってもよいし、単色画像のみを出力する専用品であってもよい。上述したフローについては、PC内で実行する以外にも、一部または全部をプリンタあるいは専用の画像出力機器で実行するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、色調整用の色を印刷装置に印刷させながら入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する際、迅速かつ容易に画像の種類に応じて適切な色調整を行うことが可能な色調整装置、印刷制御装置および色調整プログラムを提供することができる。また、色調整方法としても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】色調整装置と周辺装置とからなる印刷システムの概略構成図。
【図2】プリンタのブロック構成をPCとともに示すブロック構成図。
【図3】色調整装置および印刷制御装置を構成する各手段の関係を模式的に示す図。
【図4】印刷制御装置の構成の概略を模式的に示す図。
【図5】プレビュー画像の表示画面例を示す図。
【図6】カラーチャートの表示画面例を示す図。
【図7】カラーチャートを構成する複数の近傍色の色成分値を示す図。
【図8】印刷されたカラーチャートを示す図。
【図9】プレビュー画像の表示画面例を示す図。
【図10】カラー変換エンジンを用いてマスクイメージを生成する様子を説明する図。
【図11】色調整装置が行う処理を示すフローチャート。
【図12】色調整装置が行う処理を示すフローチャート。
【図13】色調整装置が行う処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…パーソナルコンピュータ(PC)、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HD)、17a〜e…各種インターフェイス(I/F)、18a…ディスプレイ(画像表示装置)、18b…キーボード、18c…マウス、20…インクジェットプリンタ(印刷装置)、100…印刷システム、D1…画像データ、D2…調整前色情報、D3…調整後色情報、D4…変化領域画像データ、D5…調整画像データ、D11…色調整前の画像データ、D12…色調整後の画像データ、D13…印刷画像データ、D14…調整画像データ、I2…プレビュー画像、I3…カラーチャート(複数の色)、I4…マスクイメージ(変化領域画像)、I5…調整画像、R1…変化領域、T1…色調整テーブル、T2…チャート生成テーブル、U0…色調整装置、U1…調整前色取得手段、U2…近傍色印刷制御手段、U3…調整後色特定手段、U4…変化領域出力手段、U5…調整画像生成手段、U6…印刷制御手段、U11…調整前色取得部、U12…近傍色生成部、U13…調整後色特定部、U14…変化領域生成部、U15…調整画像生成部、U20…調整画像制御部、U21…プレビュー表示部、U22…近傍色表示部、U23…近傍色印刷制御部、U24…変化領域表示部、U25…印刷制御部、U26…色変換部
Claims (16)
- 入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データを入力し、同入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する色調整装置であって、
上記画像データに基づいて上記入力画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する調整前色取得手段と、
取得された上記調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色を上記印刷装置に印刷させる制御を行う近傍色印刷制御手段と、
印刷された上記複数の色のいずれかを表す調整後色情報を色調整時の基準情報として特定する調整後色特定手段と、
上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する調整画像生成手段とを具備することを特徴とする色調整装置。 - 上記調整前色取得手段は、上記調整画像データに基づいて上記調整画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得し、
上記近傍色印刷制御手段は、上記調整画像のプレビュー画像に含まれる色を表す調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色を上記印刷装置に印刷させる制御を行い、
上記調整後色特定手段は、再度、上記印刷された複数の色のいずれかを表す調整後色情報を特定し、
上記調整画像生成手段は、再度、上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の色調整装置。 - 上記調整前色情報は、上記プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を色成分値で表す調整前色成分値とされ、
上記調整後色情報は、上記印刷された複数の色のいずれかを表す色成分値と、上記調整前色成分値と、の差異を表す情報とされ、
上記調整画像生成手段は、上記調整前色成分値と調整後色情報とから上記印刷された複数の色のいずれかを表す調整後色成分値を求めるとともに、同調整前色成分値を同調整後色成分値にするように上記画像データから上記調整画像データを生成することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の色調整装置。 - 上記調整前色取得手段は、画像表示装置に上記プレビュー画像を表示させるとともに、同画像表示装置の表示画像と基準の印刷装置の印刷画像との色の違いを補正可能とする基準カラープロファイルを参照しながら上記画像データに基づいて基準の印刷装置の印刷画像に相当するプレビュー画像を同画像表示装置に表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の色調整装置。
- 上記調整前色取得手段は、上記入力画像のプレビュー画像を拡大して画素単位で色分けして出力し、色分けして出力された色に含まれて色調整を行う色が表された上記調整前色情報を取得することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の色調整装置。
- 上記画像データは、三種類以上の要素色のそれぞれに対応する複数の種類の色成分値で表現するデータとされ、
上記近傍色印刷制御手段は、上記調整前色情報で表される色またはその近傍の色を中心として三方向に異なる要素色を段階的に変化させた蜂の巣状のカラーチャートを上記印刷装置に印刷させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の色調整装置。 - 上記画像データ、調整前色情報および調整後色情報に基づいて上記入力画像に対応して上記色調整により色が変化する領域を示す変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成し、当該変化領域画像データに基づいて変化領域画像を出力する変化領域出力手段が設けられ、
上記調整画像生成手段は、上記出力された変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成させた上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の色調整装置。 - 上記調整前色取得手段は、画像表示装置に上記プレビュー画像を表示させ、
上記変化領域出力手段は、上記画像表示装置の表示画像と上記印刷装置の印刷画像との色の違いを補正可能とするカラープロファイルを参照しながら上記画像データから上記印刷装置に印刷させる印刷画像を表現する印刷画像データを生成し、同カラープロファイルを参照しながら上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて上記画像データから上記調整画像データを生成するとともに、同印刷画像データと調整画像データとの差異に基づいて上記変化領域画像データを生成することを特徴とする請求項7に記載の色調整装置。 - 上記変化領域出力手段は、上記印刷画像データと調整画像データとの成分値の差異を成分値とした上記変化領域画像データを生成することを特徴とする請求項8に記載の色調整装置。
- 上記画像データは、複数の種類の色成分値で表現するデータとされ、
上記変化領域出力手段は、上記種類別とされる上記印刷画像データと調整画像データとの成分値の差異から無彩色を表現する成分値を求め、当該成分値で表現される上記変化領域画像データを生成することを特徴とする請求項9に記載の色調整装置。 - 入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データを入力し、同入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する色調整装置であって、
上記画像データに基づいて、上記入力画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する調整前色取得手段と、
上記調整前色情報で表される色について色調整後の色を表す調整後色情報の入力を受け付ける調整後色特定手段と、
上記画像データ、調整前色情報および調整後色情報に基づいて上記入力画像上で上記色調整により色が変化する領域を示す変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成し、当該変化領域画像データに基づいて変化領域画像を出力する変化領域出力手段と、
出力された上記変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成させた上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する調整画像生成手段とを具備することを特徴とする色調整装置。 - 入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データを入力し、同入力画像を色調整した調整画像を印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御装置であって、
上記画像データに基づいて上記入力画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する調整前色取得手段と、
取得された上記調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色を上記印刷装置に印刷させる制御を行う近傍色印刷制御手段と、
印刷された上記複数の色のいずれかを表す調整後色情報を色調整時の基準情報として特定する調整後色特定手段と、
上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する調整画像生成手段と、
生成された上記調整画像データに基づいて調整画像を上記印刷装置に印刷させる印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。 - 入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データを入力し、同入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する色調整方法であって、
上記画像データに基づいて上記入力画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する調整前色取得工程と、
取得された上記調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色を上記印刷装置に印刷させる制御を行う近傍色印刷制御工程と、
印刷された上記複数の色のいずれかを表す調整後色情報を色調整時の基準情報として特定する調整後色特定工程と、
上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する調整画像生成工程とを具備することを特徴とする色調整方法。 - 入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データを入力し、同入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する色調整方法であって、
上記画像データに基づいて、上記入力画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する調整前色取得工程と、
上記調整前色情報で表される色について色調整後の色を表す調整後色情報の入力を受け付ける調整後色特定工程と、
上記画像データ、調整前色情報および調整後色情報に基づいて上記入力画像上で上記色調整により色が変化する領域を示す変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成し、当該変化領域画像データに基づいて変化領域画像を出力する変化領域出力工程と、
出力された上記変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成させた上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する調整画像生成工程とを具備することを特徴とする色調整方法。 - 入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データを入力し、同入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する機能をコンピュータに実現させる色調整プログラムであって、
上記画像データに基づいて上記入力画像のプレビュー画像を出力し、当該プレビュー画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する調整前色取得機能と、
取得された上記調整前色情報に基づいて、当該調整前色情報で表される色およびその近傍の色の中から複数の色を上記印刷装置に印刷させる制御を行う近傍色印刷制御機能と、
印刷された上記複数の色のいずれかを表す調整後色情報を色調整時の基準情報として特定する調整後色特定機能と、
上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する調整画像生成機能とを実現させることを特徴とする色調整プログラム。 - 入力画像を多数の画素別に色成分値で表現する画像データを入力し、同入力画像を色調整して印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する機能をコンピュータに実現させる色調整プログラムであって、
上記画像データに基づいて、上記入力画像に含まれて色調整を行う色を表す調整前色情報を取得する調整前色取得機能と、
上記調整前色情報で表される色について色調整後の色を表す調整後色情報の入力を受け付ける調整後色特定機能と、
上記画像データ、調整前色情報および調整後色情報に基づいて上記入力画像上で上記色調整により色が変化する領域を示す変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成し、当該変化領域画像データに基づいて変化領域画像を出力する変化領域出力機能と、
出力された上記変化領域画像を表現する変化領域画像データを生成させた上記調整前色情報および調整後色情報に基づいて、上記画像データから上記印刷装置に印刷させる調整画像を表現する調整画像データを生成する調整画像生成機能とを実現させることを特徴とする色調整プログラム。
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