JP4055968B2 - プリンタガンマ補正方法、画像処理装置および記録媒体 - Google Patents
プリンタガンマ補正方法、画像処理装置および記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラープリンタなどにおけるプリンタガンマの補正を行うプリンタガンマ補正方法、画像処理装置およびプリンタガンマ補正プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像を出力する際に、表示機器と出力機器との間で色が一致しないという問題がある。そこで、最近では、各デバイスの色の再現域などの情報をファイル(以下、プロファイルという)に予め収めておき、各デバイス間での色変換を行う際には、これらのプロファイルを参照することにより、より忠実な色の再現ができるようになっている(以下、このような手法をカラーマッチングと呼ぶ)。
【0003】
しかし、このような手法を用いても、システム機器の経時変動があるために、両者の完全な一致をはかることは難しい。そこで、このような問題を解決するための種々の手法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開平5−336287号公報に記載された画像形成装置では、プリントアウト前に、オリジナル画像とプリント画像との誤差を小さくするために、スキャナで読み取った画像をモニター装置上に表示し、モニター上で色修正を行った後にプリントアウトする。
【0005】
また、特開平8−23437号公報に記載された画像処理方法および装置においては、オリジナル画像とカラーコピー画像との誤差を小さくするために、スキャナで読み込んだ原稿のプレビュー画像をいったんモニター装置上に表示し、モニター上で色修正を行った後にコピー動作を実行することにより、両者のより良い一致を図るものである。
【0006】
しかし、上記した方法は何れもスキャナを測定器として用いる修正方法であり、測定器なしで修正を行う方法については考慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、測定器を用いることなくプリンターのガンマ補正をモニター画面上で行うことができるプリンタガンマ補正方法、画像処理装置およびプリンタガンマ補正プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、印刷手段のプリンタガンマを補正する方法であって、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ重ねたパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷し、該テスト画像を表示手段上に表示し、前記印刷手段によって印刷されたテスト画像と、前記表示手段上に表示されたテスト画像と、が一致するように、前記表示手段上のテスト画像の各色をインク色の少ないものから順次色調整し、該色調整によって得られたパラメータ値を用いて前記印刷手段のプリンタガンマを補正することを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の発明では、前記印刷手段のインクとしてK色、またはスポットインクを含むとき、前記テスト画像中に、前記インク用の単色パターンを用いることを特徴としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、カラー画像を印刷する印刷手段のプリンタガンマを補正する方法であって、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ順次重ねて形成した複数のパターン及びK色のパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷し、前記テスト画像を表示手段上に表示し、前記印刷手段によって印刷されたテスト画像と、前記表示手段上に表示されたテスト画像と、が一致するように、前記表示手段上のテスト画像のK色を除いた各色成分値を、K色のパターンを除くインク色の少ないパターンから順次用いて色調整し、K色成分値をK色のパターンを用いて色調整し、前記色調整によって得られたパラメータ値を用いて前記印刷手段のプリンタガンマを補正することを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の発明では、前記テスト画像は、最後に修正したガンマ曲線の変化率の大きい部分に対して、階調数を適応配分した画像であることを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の発明では、前記色調整の対象は、前記表示手段上の画像を構成する各色成分値であることを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の発明では、前記色調整の対象は、前記印刷手段のプレビューガンマ値であることを特徴としている。
【0014】
請求項7記載の発明では、全ての色調整後、前記表示手段上の画像と前記印刷手段によって印刷された画像との明るさが一致しないとき、全体のトーンを調整することを特徴としている。
【0015】
請求項8記載の発明では、前記調整したパラメータ値を用いて、予め設定されている標準ガンマ曲線または最後に修正したガンマ曲線のオフセットを調整することによりプリンタガンマを補正することを特徴としている。
【0016】
請求項9記載の発明では、前記補正したプリンタガンマを、前記画像処理手段が保持しているガンマデータに反映させることを特徴としている。
【0017】
請求項10記載の発明では、前記補正したプリンタガンマを、前記印刷手段が保持しているガンマデータに反映させることを特徴としている。
【0018】
請求項11記載の発明では、印刷手段のプリンタガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ重ねたパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷した画像と、前記テスト画像を表示手段で表示した画像と、が一致するように、前記表示された画像の各色について、インク色の少ないものから順次実施される色調整入力を受け付ける手段と、該色調整によって得られたパラメータ値を基に前記プリンタガンマデータを補正する手段とを備えたことを特徴としている。
【0019】
請求項12記載の発明では、印刷手段のプリンタガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段のプレビューガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ重ねたパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷した画像と、前記テスト画像を表示手段で表示した画像と、が一致するように、前記表示された画像の各色について、インク色の少ないものから順次実施される色調整入力を受け付ける手段と、該色調整によって得られたパラメータ値を基に前記プリンタガンマデータとプレビューガンマデータを補正する手段とを備えたことを特徴としている。
【0020】
請求項11記載の発明では、カラー画像を印刷する印刷手段のプリンタガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ順次重ねて形成した複数のパターン及びK色のパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷した画像と、前記テスト画像を表示手段で表示した画像と、が一致するように、前記表示された画像のK色を除いた各色成分値を、K色のパターンを除くインク色の少ないパターンから順次用いて色調整し、K色成分値をK色のパターンを用いて色調整する色調整入力を受け付ける手段と、該色調整によって得られたパラメータ値を基に前記プリンタガンマデータを補正する手段とを備えたことを特徴としている。
【0021】
請求項12記載の発明では、カラー画像を印刷する印刷手段のプリンタガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段のプレビューガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ順次重ねて形成した複数のパターン及びK色のパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷した画像と、前記テスト画像を表示手段で表示した画像と、が一致するように、前記表示された画像のK色を除いた各色成分値を、K色のパターンを除くインク色の少ないパターンから順次用いて色調整し、K色成分値をK色のパターンを用いて色調整する色調整入力を受け付ける手段と、該色調整によって得られたパラメータ値を基に前記プリンタガンマデータとプレビューガンマデータを補正する手段とを備えたことを特徴としている。
【0022】
請求項13記載の発明では、カラー画像を印刷する印刷手段のプリンタガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段のプレビューガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ順次重ねて形成した複数のパターン及びK色のパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷した画像と、前記テスト画像を表示手段で表示した画像と、が一致するように、前記表示された画像を構成する各色成分値についての色調整入力を受け付ける手段と、該色調整によって得られた各色成分値を基に前記プリンタガンマデータとプレビューガンマデータを補正する手段とを備えたことを特徴としている。
【0023】
画像表示システム7は、情報記憶装置や、情報処理装置、入出力装置などで構成されていて、処理を実行するためのプログラムは情報記憶装置に格納されている。オペレーターは、表示装置1の画面上に実装されたユーザーインターフェイスを通じて、画像表示システム7と対話的に処理するように構成されている。
【0024】
表示装置1、出力装置4毎に、それぞれγなどの特性情報を収めたファイル(表示装置プロファイル2、出力装置プロファイル5)が設けられ、画像表示システム7では、各機器間で情報をやり取りする際に、表示装置プロファイル2,出力装置プロファイル5のプロファイルを元に色変換、γ補正などを行うことにより、カラーマッチングを実現している。
【0025】
ここでは、これらのプロファイル2、5が画像表示システム7と別に設ける構成を採っているが、画像表示システム7の中に組み込むようにしてもよい。
【0026】
図4は、出力装置プロファイルの構成を示す。また、図5は、印刷時のデータの流れを示し、図6は、プレビュー時のデータの流れを示す。他の表示装置プロファイルの構成も、これと同様である。プロファイルは色変換部とγ補正部からなっている。すなわち、色変換部21とγ補正部22には、内部データ形式を出力装置のデータ形式に変換するためのパラメータが設定され、また色変換部24とγ補正部23には、出力装置のデータ形式を内部データ形式に変換するためのパラメータが設定されている。
【0027】
γ補正部22は、内部データにガンマ補正を施すことにより、プリンタの特性に依存するプリンタデータを出力し、γ補正部23は、プリンタの特性に依存したデータに対してガンマ補正を施すことにより、プリンタの特性に依存しない内部データを出力する。
【0028】
色変換部は、システム内部で持っているデータ形式をプリンタ固有のデータ形式(多くはCMYK形式)に変換するものである。このような色変換手段としては、ルックアップテーブルで構成してもいいし、または限られた入力点(格子点と呼ぶ)についてのみテーブルとしてデータをもち、格子点外のデータについては補間演算によって出力データを決定するようにしてもよい。以下の説明では、簡単のため色変換は、ルックアップテーブルのみの構成によって変換されるものとする。
【0029】
図2、図3は、本発明の処理フローチャートを示す。また、図8、9、10、11は、本発明の操作画面を示す。
【0030】
テスト画像のデータ3が画像表示システム7に入力され、印刷時には、図5に示すように、テスト画像データを色変換部21で色変換し、γ補正部22でガンマ補正を行い、出力装置4にプリント出力する。プレビュー時には、図6に示すように出力装置プロファイル5のパラメータを用いて逆方向の変換(γ補正23、色変換24)を行い、表示装置プロファイル2中のパラメータ(γ補正25、色変換26)も使用し、最終的に表示装置1で表現可能な形式(RGB)に変換されて、オペレーターに表示する。
【0031】
以下の説明では、プリンターはCMYKインクを用い、各色を256階調(0〜255)で制御して印刷するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
図7は、本発明で用いるテスト画像の一例である。CMYKインクを用いたプリンターを想定しているので、C,C+M,C+M+Y,Kインクの列があり、それぞれ階調数を持つている。図では簡単のため、各インク列の階調数を8階調(各インク列が8個のパッチからなる)としたが、他の階調数でもよい。また、C,M,Y,Kの各インク成分値は、フルスケールに対してほぼ等間隔(この例では32値間隔(=256/8))にしてもよいし、それ以外でもよい。
【0033】
例えば対象としている出力機器の標準的なガンマ特性が、図23に示すように、ほぼリニアと見なせる場合にはパッチの各インク成分値は等間隔でも良い(図中点線)。しかし、その標準的なガンマ特性が、図24の実線で示すようなカーブでは、曲線の変化率の大きい部分に、パッチ数を数多く割り当てた方が(図中点線のp1〜p4)、精度の良いガンマ補正が可能になる。この場合、標準的なガンマ特性は、例えば図1の画像表示システム7内に、出力機器特性とは別に記憶しておけばよい。このとき、テスト画像を印刷時に、標準的なガンマ特性を参照しながら、印刷パッチの各インク成分値を決定するように構成しておけばよい。また、その際に、参照先は標準的なガンマ特性ではなく、図1の出力装置プロファイル5に保存されているガンマ特性を参照してもよい。その場合は、最後に校正を行ったガンマ曲線を元に、パッチの各インク成分値を決定することになる。
【0034】
まず、図7に示すテスト画像を印刷する(ステップ101)。テスト画像はCMYKデータで構成されているので、プリンター用に色変換する必要はなく、図5のデータバスを通って出力装置4で印刷される。次に、図6に示すように、テスト画像をモニター上にプレビュー表示する(ステップ102)。このとき、テスト画像はCMYKデータであるので、図6の出力装置プロファイルの色変換部21、γ補正部22を通過することなく、出力装置4に送られる。また、テスト画像は、出力装置プロファイルの色変換部24、γ補正部23によって、プリンタデータ形式から内部データ形式に変換され、さらに、表示装置プロファイル(色変換部26、γ補正部25)によって表示装置の内部データ形式に変換されモニター上にプレビュー表示される。
【0035】
図8は、R,G,B成分の混色で表されたC色のパッチを画面表示した図を示す。図8では、Cインクの画像の列を4つずつ左右に分けた例を示しているが、表示形式は、これに限定されず、他の形式であってもよい。
【0036】
オペレーターは、印刷したテスト画像と、表示画面上のテスト画像を比較して、両者が一致するように図2に示す処理手順に従って、順次各列、各パッチの値を調整する。ここでは、まずC列のパッチのC値を調節し(ステップ103、104)、次にC+M列のM値を調節し(ステップ105、106、107)、さらにC十M+Y列のY値を調節し(ステップ108、109、110)、最後にK列のパッチのK値を順次調節する(ステップ111、12、113)。図9、図10、図11は、それぞれC+M色の画面表示、C+M+Y色の表示画面、K色の画面表示を示す。
【0037】
このように、各色(C,M,Y)を順次重ね合わせて色調整することによって、C+M+Y列には誤差が重畳される。さらに、C+M+Y列では、パッチの色が無彩色に近づくため、誤差がより知覚しやすくなる。この両者の相乗効果で、目視であっても高い精度でガンマ補正を行うことが可能になる。ここで、K列を単独に調整する理由は、C,M,Y,Kの4色を同時に重ねるとパッチの明度が大きく低下して誤差が知覚しにくくなり、結果としてガンマ補正の精度が低下することを防ぐためである。
【0038】
調整は、入力装置6のポインティンクデバイス31で画面中の矢印32をクリックするか、または、数値BOX33を指定してキーボードから数値を入力すればよい。数値BOXの値は、表示しているパッチの各成分値からのズレを示しているので、初期状態では、いずれの数値BOXにも、0の値が入っている。
【0039】
オペレーターへの提示手順として、各列の調整後、前の画面に戻って値を再調整できるように構成してもよい。また調整の順番もこの例に限らず、例えば、テスト画像をM色,M+C色,M+C十Y色,K色で、構成しておき、この順に調整を行ってもよい。さらに、もし可能ならは1画面中にすべてのパッチ列を同時表示してもよい。また、プリンターにKインクが装備されていない場合は、もちろんK色のプリントも調整も必要ない。さらにプリンターにスポットインク(特色インク)が装備されている場合には、K色同様に独立した列を用意して、調整しなければならない。
【0040】
このようにしてテスト画像のすべての列のすべてのパッチに対して調整が終了すると、各数値BOXの値、つまり各色成分に対応したズレ量が求まる(ΔC[N],ΔM[N],ΔY[N],ΔK[N])。これらの値を基に、各インク色のガンマ曲線推定を行う(ステップ114、115)。この例では調整したパッチの個数は各色8個、インク量は各色256段階で可変であるので、得られた各色8点のデータを何らかの方法で補間して推定曲線を引けばよい。
【0041】
図12は、ガンマ曲線推定を行う図を示す。ここではC色を例にとって説明する。図中の×は、C色について得られた座標値(ΔC[N])を示し、点線は推定曲線を示す。補正前のプレビューのガンマ曲線(OUT=fc pv(IN))は、図12の実線に示すように既知である。また、テスト画像中の8点のCインク値(C1...,C8)も既知である。さらに、ズレ量(ΔC[N])も、ステップ103で求めたので、×点で示した8個のパッチの座標D[k]は、
D[k]=(Ck+ΔC[k],fc pv(Ck+ΔC[k])
と表現でき、8点の座標値はすべて求まる。補正後のプレビューガンマ曲線はこれらの点を通過するように引けばよい。どのような方法でもよいが、例えばn次近似によって推定曲線を引く方法がある。この場合、次数のn値は、あらかじめ印刷機器の特性に応じて決定しておき、システム側で保持しておくことが望ましい。
【0042】
上記したようにして求められた曲線はプレビューガンマ曲線(図12の点線)であるので、完成したプレビューガンマから、同時にプリンタガンマ(図5のγ補正部22)も補正する必要がある(ステップ115)。プリンタガンマは、プレビューガンマ曲線の逆関数から求めてもよいし、図13に示すように、8個のパッチの座標D[k]のX,Y値を交換して、改めて推定曲線を引き直してもよい。
【0043】
以上の処理をインク色分だけ繰り返して行う。このようにして決定したプリンターのプレビューガンマ曲線を、図1、4の出力装置プロファイル5のγ補正部23に保存し、プリンターガンマ曲線を図1、4の出力装置プロファイル5のγ補正部22にそれぞれ保存することによってガンマ補正処理が終了する(ステップ116)。
【0044】
これにより、プリンタデータ形式の入力画像データ(IN)は、プレビューガンマ曲線(図12)に従って補正された内部データ形式の出力画像データ(OUT)になり、内部データ形式の入力画像データ(IN)は、プリンタガンマ曲線(図13)に従って補正されたプリンタデータ形式の出力画像データ(OUT)になる。
【0045】
図4のγ補正部22、23は、電源を切ってもデータが消失しないように、磁気ディスクや不揮発性メモリー、バッテリバックアップ付きのメモリーなどで構成することが望ましい。また、図4のγ補正部22、23は、画像表示システム7側で持ってもよいし、出力装置4側で持ってもよい。もし出力装置4側に持たせる場合には、例えばプリンタ外部から受け取った信号をプリンタ固有のデータ形式(多くはCMKY形式)に変換する機能を持つようなプリンタの制御装置部(図示せず)に、図4のγ補正部22、23のデータを持たせるようにすればよい。
【0046】
〈実施例2〉
図14〜17は、実施例2のガンマ補正方法を説明する図である。実施例2の構成と処理手順は実施例1と同様である。実施例1との相違点は、調整対象がテスト画像ではなく、出力装置プロファイルのプレビューガンマ曲線(図4のγ補正部23)である。
【0047】
図14〜17は、テスト画像をモニター上にプレビュー表示し、同じ画面にプレビューガンマ曲線を同時に表示している。実施例1の図8〜11と実施例2の図14〜17との違いは、図8〜11の数値BOXの代わりにプレビューガンマ曲線を表示している点である。すなわち、曲線上の丸印は、各パッチに対応している。ポインティンクデバイスで曲線上の丸印を移動させると、OUT方向の移動量の変化に応じて画面上のパッチの色も変化する。つまり、調整は実施例1の数値BOXの代わりに、上記した画面上の曲線を操作することによって行う。このような処理を印刷したすべてのパッチ列に対して行えばいい。
【0048】
図14〜17の場合でも、説明を簡単にするために、Cインク像の列を4つずつ左右に分けているが、表示形式は、この例に限定されない。また調整の順番についてもこの例に限らない、例えば、テスト画像をM色,M+C色,M十C+Y色,K色で、構成しておき、この順に調整を行ってもよい。また、プリンターにKインクが装備されていない場合は、もちろんK色のプリントも調整も必要ない。さらにプリンターにスポットインク(特色インク)が装備されている場合には、K色同様に独立した列を用意して、調整しなければならない。
【0049】
このようにしてテスト画像のすべての列のすべてのパッチに対して調整が終了すると、得られた各曲線上の丸印の座標すべてを通過するように曲線を生成すればよい。方法は実施例1と同様にどうような方法を用いてもよい。
【0050】
こうして、出来上がった曲線はプレビューガンマ曲線そのものである。以上のプロセスをインク色分だけ繰り返して行う。さらに、出来上がったプレビューガンマ曲線から、プリンタガンマ曲線を実施例1と同様に生成し、図4のγ補正部23にプレビューガンマ曲線を保持し、γ補正部22部にプリンタガンマ曲線を保存すればよい。
【0051】
〈実施例3〉
図18、19、20、21を用いて実施例3を説明する。実施例3の構成は、実施例1と同様である。実施例1との相違は、図8〜11における全色調整後に、全体のトーン補正処理(ステップ215、216)を行う点である。
【0052】
図18、19は、実施例3の処理フローチャートを示し、図20は、処理の様子を示す。図20は、図11(STEP−4)に引き続いて行う処理の様子を示している。画面に表示したトーンコントロール用数値BOXをインク成分量と同様の方法で調節し、印刷したテスト画像と画面上のテスト画像とを一致させる。ここで調整した値は、全パッチに対して適用される。
【0053】
この調整の方法はこの例だけに限らない。例えば、前述のような全パッチを一律に調整する方法ではなく、図21に示すように、グラフを用いて調節する方法も可能である。この場合、画面上にトーン制御用のグラフを表示し、グラフをポインティンクデバイスで調整する。オペレーターは、印刷したテスト画像と画面上のテスト画像とが一致するように、グラフをポインティンクデバイスで変形させる。調整完了後、グラフを示す関数を全パッチに対して適用させればよい。
【0054】
〈実施例4〉
図22を用いて実施例4を説明する。実施例4の装置全体の構成とオペレーターの処理手順は、実施例1と同様である。実施例1との相違は、ガンマカーブの推定方法にある。実施例1での各色調整が終了すると、各色成分に対応したズレ量が求まる(ΔC[N],ΔM[N],ΔY[N],ΔK[N])。これらの値より、各インク色のガンマ曲線推定を行う。ここではC色を例にとって説明する。図22中の×点は、C色について得られた座標値(C[N])を示し、補正前のガンマ曲線を実線で示している。本実施例では、近似曲線を用いず、Doffset分だけ補正前のガンマ曲線をシフトさせ、×点で示した座標点との誤差を最小にする。Doffsetの決定方法は、どのようなアルゴリズムを用いてもよい。
【0055】
以上の処理をインク色の回数だけ繰り返して、各インク色のオフセット値を決定すればよい。本実施例による方法は、ガンマ曲線の形状が複雑な場合などに特に有効である。
【0056】
なお、本発明は上記した実施例に限定されず、ソフトウェアによっても実現することができる。本発明をソフトウェアによって実現する場合には、汎用のコンピュータシステムを用意し、CD−ROMなどの記録媒体にはプリンタガンマの補正を行う処理手順や処理機能が記録されている。また、ハードディスクなどに格納されたテスト画像をプリントすると共にモニターに表示し、上記した処理手順に従ってモニター上で色調整を行い、調整後のガンマデータをハードディスクなどに格納する。
【0057】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、測定器を用いることなく、オペレーターの目視によってプリンターのガンマ補正を画面上で行うことが可能となる。また、モニター上のテスト画像の各色を順次重ね合わせながら調整しているので、精度のよいガンマ補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成を示す。
【図2】 本発明の実施例1の処理フローチャートを示す。
【図3】 図2の続きの処理フローチャートを示す。
【図4】 出力装置プロファイルの構成を示す。
【図5】 印刷時のデータの流れを示す。
【図6】 プレビュー時のデータの流れを示す。
【図7】 テスト画像の一例を示す。
【図8】 実施例1の第1の操作画面を示す。
【図9】 実施例1の第2の操作画面を示す。
【図10】 実施例1の第3の操作画面を示す。
【図11】 実施例1の第4の操作画面を示す。
【図12】 ガンマ曲線の推定を説明する図である。
【図13】 補正されたプリンタガンマ曲線を示す。
【図14】 実施例2の第1の操作画面を示す。
【図15】 実施例2の第2の操作画面を示す。
【図16】 実施例2の第3の操作画面を示す。
【図17】 実施例2の第4の操作画面を示す。
【図18】 実施例3の処理フローチャートを示す。
【図19】 図18の続きの処理フローチャートを示す。
【図20】 実施例3の操作画面の一例を示す。
【図21】 グラフを用いてトーンを補正する図である。
【図22】 実施例4のガンマ曲線の補正方法を示す。
【図23】 プリンタのガンマ特性の例を示す。
【図24】 プリンタのガンマ特性の他の例を示す。
【符号の説明】
1 表示装置
2 表示装置プロファイル
3 画像データ
4 出力装置
5 出力装置プロファイル
6 入力装置
7 画像表示システム
Claims (14)
- カラー画像を印刷する印刷手段のプリンタガンマを補正する方法であって、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ順次重ねて形成した複数のパターン及びK色のパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷し、前記テスト画像を表示手段上に表示し、前記印刷手段によって印刷されたテスト画像と、前記表示手段上に表示されたテスト画像と、が一致するように、前記表示手段上のテスト画像のK色を除いた各色成分値を、K色のパターンを除くインク色の少ないパターンから順次用いて色調整し、K色成分値をK色のパターンを用いて色調整し、前記色調整によって得られたパラメータ値を用いて前記印刷手段のプリンタガンマを補正することを特徴とするプリンタガンマ補正方法。
- 前記印刷手段のインクとしてK色、またはスポットインクを含むとき、前記テスト画像中に、前記インク用の単色パターンを用いることを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- 前記テスト画像は、予め設定されている標準ガンマ曲線の変化率の大きい部分に対して、階調数を適応配分した画像であることを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- 前記テスト画像は、最後に修正したガンマ曲線の変化率の大きい部分に対して、階調数を適応配分した画像であることを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- 前記色調整の対象は、前記表示手段上の画像を構成する各色成分値であることを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- 前記色調整の対象は、前記印刷手段のプレビューガンマ値であることを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- 全ての色調整後、前記表示手段上の画像と前記印刷手段によって印刷された画像との明るさが一致しないとき、全体のトーンを調整することを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- 前記調整したパラメータ値を用いて、予め設定されている標準ガンマ曲線または最後に修正したガンマ曲線のオフセットを調整することによりプリンタガンマを補正することを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- 前記補正したプリンタガンマを、前記画像処理手段が保持しているガンマデータに反映させることを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- 前記補正したプリンタガンマを、前記印刷手段が保持しているガンマデータに反映させることを特徴とする請求項1記載のプリンタガンマ補正方法。
- カラー画像を印刷する印刷手段のプリンタガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ順次重ねて形成した複数のパターン及びK色のパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷した画像と、前記テスト画像を表示手段で表示した画像と、が一致するように、前記表示された画像のK色を除いた各色成分値を、K色のパターンを除くインク色の少ないパターンから順次用いて色調整し、K色成分値をK色のパターンを用いて色調整する色調整入力を受け付ける手段と、該色調整によって得られたパラメータ値を基に前記プリンタガンマデータを補正する手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
- カラー画像を印刷する印刷手段のプリンタガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段のプレビューガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ順次重ねて形成した複数のパターン及びK色のパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷した画像と、前記テスト画像を表示手段で表示した画像と、が一致するように、前記表示された画像のK色を除いた各色成分値を、K色のパターンを除くインク色の少ないパターンから順次用いて色調整し、K色成分値をK色のパターンを用いて色調整する色調整入力を受け付ける手段と、該色調整によって得られたパラメータ値を基に前記プリンタガンマデータとプレビューガンマデータを補正する手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
- カラー画像を印刷する印刷手段のプリンタガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段のプレビューガンマデータを格納した手段と、前記印刷手段が有するインク色のうちK色を除く色を1色ずつ順次重ねて形成した複数のパターン及びK色のパターンからなるテスト画像を前記印刷手段で印刷した画像と、前記テスト画像を表示手段で表示した画像と、が一致するように、前記表示された画像を構成する各色成分値についての色調整入力を受け付ける手段と、該色調整によって得られた各色成分値を基に前記プリンタガンマデータとプレビューガンマデータを補正する手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプリンタガンマ補正方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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