JP2007534693A - スルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含有するdpi製剤 - Google Patents

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Abstract

SAE−CDおよび活性薬を含有する吸入可能なドライパウダー製剤が提供される。この製剤はDPIにより投与するために適合している。SAE−CDは吸収促進剤というよりはむしろ担体として働く。SAE−CDの平均粒子径は、その肺沈着を防ぐために(その大部分について)十分な大きさである。DPI器具からの放出に続いて、口腔中または咽喉において活性成分含有粒子からSAE−CD含有粒子が解離し、その後活性成分含有粒子が気道内でさらに深部まで進み続ける。SAE−CDの物理化学的および形態学的特性は、活性薬と担体の相互作用を最適化するために容易に修飾される。正、中性または負の静電荷を有する薬物が、SAE−CDを担体として用いた場合に、DPIで送達できる。

Description

本発明は、投与方法、および吸入可能な活性薬剤の、ドライパウダー吸入器(DPI)を介した吸入による投与のための、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンを担体として用いたドライパウダー製剤に関する。本発明はまた、治療用薬剤と担体としてSAE−CDとを含有するドライパウダーの投与による、肺の疾患および障害の治療方法に関している。
吸入による薬物の送達は、呼吸管の種々の部位、例えば咽喉、気管、気管支および肺胞での薬物の沈着を可能にする。一般に、粒子径が小さいほど、粒子はますます長く空気中に浮遊したままであり、そして呼吸管のより深部に薬物を送達することができる。薬物は、噴霧器(nebulizer)、定量吸入器(MDI)、またはドライパウダー吸入器(DPI)を用いた吸入により送達される。
ドライパウダー吸入器は、エアロゾル形態で粉末状薬剤を患者に提供する。エアロゾルを生成するために、その静的状態にある粉末を流動化し、そして患者の吸気流中に乗せなければならない。粉末は、それを分散化しようとする場合に打ち勝たなければならない多くの凝集力および接着力に晒される。流動化および飛沫同伴(entrainment)のためには、静的粉末層にエネルギーの投入が必要である。
DPIは、受動的および能動的器具の2つに分類できる。受動的器具は、分散に必要なエネルギーを与えるために、DPIを通った患者の吸気流のみに依存する。この方法は、薬物放出が自動的に患者の吸入と協調するという利点を有する。欠点は、この分散が通常、エアロゾル生成のための最適流速で吸入する患者の能力に強く依存していることである。吸入器のデザインにより、この要求は、気流に対する器具抵抗が高い場合に、一部の患者にとって困難をもたらすだろう。能動的分散器具は過去10年間開発されてきているが、まだ承認されたものはない。噴射剤駆動型の定量吸入器のように、能動的器具は、粉末分散に必要なエネルギーを得るために患者外のエネルギー源を用いる。これは、均一な投与の患者の能力に対する依存性を減少させる可能性があるという利点を有する。しかしながら、エネルギー源に対してフィードバック機構がなければ、異なった患者が異なった用量を受けるという可能性が残る。さらに、これらの器具の複雑さにより、規制当局による承認が得難くなり、また器具の費用は上昇するだろう。
受動的器具には、1970年代のAllen & Hanburyのロタへイラー(Rotahaler)およびFisonのスピンへラー(Spinhaler)の導入以来、その複雑さと性能において進歩がみられる。受動的分散は、粉末薬物をエアロゾル化するために、使用者が生み出す気流に依存している。全ての受動的器具では、粉末層中に気流を通過させることによって薬物を分散させる。初期の器具は呼吸可能な(respirable)径の粒子のごく少量、多くの場合名目上の用量の10%のオーダーでしか分散できなかった。一般に、この低い性能は、希釈剤として及び分散中の粉末流の補助として用いたより大きな担体粒子からのより小さい薬物粒子の不完全な脱凝集化によると考えられている。最近の器具は、脱凝集過程を助けるために乱流を有効に利用している。乱流は、アストラゼネカのタービュヘイラー(Turbuhaler)、シェリング・プラウのツイストヘイラー(Twisthaler)および米国特許5,469,843におけるように粒子を乗せた気流の曲折した流路により;気流経路の大きさを変更するか(米国特許5,437,271);または、大きな粒子の放出も減少させるインパクター(impactor)プレートを用いて(米国特許5,724,959)、得ることができる。イノベテイブ・デバイスによって開発された器具(米国特許6,209,538および5,988,163)は、その動作が流量依存性のチャネルを介した最適流速で粉末を分散する望ましさに対応している。最初に、流動は薬物の周囲を迂回し、そして最適の流速が得られた場合のみ薬物を通過できるようにする。この器具は、能動的特性を受動的器具に加えることで、受動的および能動的器具の間のギャップを埋める。
能動的器具は、粉末分散を助けるために放出できるエネルギーを蓄える電池またはバネのような機構を用いる。最もよく知られた能動的器具は、インヘイル(ネクタール(Nektar))肺深部送達システムおよびデューラ・スピロス(Dura Spiros)である。インヘイル器具は、粉末薬物を分散させるためのバネ装着ポンプ機構を介して使用者が産生した圧縮空気を用いる。分散のためのエネルギーを与えるために、圧縮空気(米国特許5,875,776および6,003,512)または真空(米国特許6,138,673)を利用するものと特定される少数の他の特許が存在する。デューラ・スピロスDPIは、薬物粉末を分散させるために電池駆動型のインペラー(impeller)を用いている。インペラーは、使用していない場合には投与が起こらないようにするために、患者がDPIを介して吸入した場合のみ作動する。米国特許5,469,843および5,482,032は分散の他の機構を記載している(通常ブリスター片に含まれている粉末層から薬物をはじき出すためのハンマーまたは他の衝突(impaction)手段の使用)。能動的器具の開発の大部分は、特許の分野に出現しているので、それらに関して入手可能な公表データはほとんどない。特許技術のいくつかは、能動的および受動的器具の両方に関しては、まだ概念上のものに過ぎない。
肺への沈着のためには、薬物粒子は一般に空気力学的径で10μm(ミクロン)未満である必要がある。これらは粉砕(milling)のようなサイズ減少方法、または、凝縮、蒸発もしくは沈殿のような粒子生成方法のいずれかで調製することができる。歴史的には、呼吸可能粒子はジェット・ミリングにより製造されるが、ここでは粒子径、形状または形態に関する制御はほとんど存在しない。この結果得られる破砕した粒子は、大きな静電力、粘着性を有し、そして結晶化度の変化を起こしやすい。粒子生成の代替法には、スプレードライ、溶媒蒸発もしくは抽出、または超臨界流体凝縮が含まれる。それらの方法の全ては構造的に、より均一な粒子を与える。
10μmより小さい粒子は、それらの強い粒子間力によって、一般に流動性に乏しい。呼吸可能粒子の流動性を改良するための製剤戦略には、薬物粒子の制御凝集または相互作用混合物形態における賦形剤担体粒子上への付着が含まれる。凝集体または相互作用混合物は、加工、貯蔵または輸送工程に耐える程十分に強くなければならないが、操作の間は薬物の脱凝集および分散ができるほど十分に弱くなければならない。制御凝集は、スクリューフィーダを介して微細化した粉末を供給し、続いて回転パンまたは回転ドラム中でスフェア化することにより達成できる。この方法は、薬物単独または薬物/乳糖混合物を含む製剤のために用いることができる。担体をベースにする製剤のエアロゾル分散に影響を与える要因には、薬物および担体の特性(例えばサイズ、形状、表面の粗度(皺度)、化学的組成および結晶状態)、薬物−担体比および第三成分の存在が挙げられる。
薬物粒子径はエアロゾル分散に影響する。異なった径のスプレードライのマンニトール(2.7から7.3μm)およびクロモグリク酸二ナトリウム(2.3から5.2μm)を試験した。より弱い粘着による、より強いエアロゾル分散が、より大きな粒子で観察された;しかしながら、インピンジャーのスロート(throat)および上位ステージでのより大きな衝突および微粒子のより少ない比率によって、微粒子画分(fine particle fraction:FPF)の生成がより少なかった。薬物粒子のコンディショニングまたは表面修飾は凝集を減少させそしてエアロゾル分散を改善できる。粒子の無定形物含量は、制御された温度および相対湿度条件での水蒸気による処理、または真空オーブン中での処理で減少させることができる。薬物粒子上へのナノ粒子の付着による表面修飾は、エアロゾル分散を増加させることができる。親水性ケイ酸およびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)のナノ粒子は、薬物単独および担体ベース製剤の両方で、プランルカスト(pranlukast)水和物の器具放出および呼吸可能画分を増加させることができる。
担体ベースのDPI製剤における薬物濃度の影響については相反する報告が存在する。薬物濃度を上げると呼吸可能画分が増加するかもしれないし、また呼吸可能画分を減少させるかもしれない。
粒子径、形状、表面形態および担体粒子の化学的組成はエアロゾル分散に影響することがある。一般に、より小さい担体径および微粒子の比率の増加により、薬物分散および沈着の増加がみられる。しかしながら、担体の大きさは一部の製剤ではFPFに影響を与えなかった。より高いFPFはより大きな担体(63〜90μmの範囲内)が生成した。粗い担体系を用いて得られるネドクロミルの分散は、弱いが、担体微粒子および高い剪断混合技術を使用すると、薬物−薬物接触が物理的に破壊され、そして脱凝集化を促進した。伸長型の担体は、おそらく空気流の流体抵抗の持続時間の増加のためか、エアロゾル分散性および薬物FPFを増加させた。平滑な表面を有する担体はより多い呼吸可能画分を生成した。少ない呼吸可能画分は、マクロ的な表面の粗度または平滑表面を有する担体から得られ、一方、多い呼吸可能画分は、ミクロ的な表面粗度を有する担体から得られた(ここで小さな表面の突起で接触領域がより小さくなり、薬物付着の減少が生じた)。担体製剤の修飾は、微細化した乳糖粒子を含有する柔らかく脆い乳糖ペレットの使用を伴い、これはまた吸入の間に一次粒子へと分解することが報告されてきた。乳糖ペレットは薬物で被覆できる。他の研究では、優れた粉末流動特性を有する担体粒子は、定められた固体表面への付着を減少させ、そして動物モデルでより大きな薬物沈着を生成することが示された。DPI器具における製剤の性能への担体粒子径の影響を以下の表にまとめる。
Figure 2007534693
したがって、ドライパウダー製剤について、担体粒子径はそれらの相互関連する性能特性間のバランスを基にして選択しなければならない。とりわけ、粒子間力は、薬物粒子が担体に付着するような(混合化、均一性において助けになり、そして薬物が呼吸の空気流に飛沫同伴できるようにする)、なおまた、肺への送達が促進できるように、より粗い担体粒子の表面から微細薬物粒子の解離が可能なようなものでなければならない。
インビトロでの薬物沈着は、異なった等級の乳糖担体を用いて試験した。無水で中程度の乳糖から得られた硫酸サルブタモール(アルブテロール)のより高いFPFは、微粒子のより高い比率および平滑な表面粗度によるものであった。無水のβ-乳糖から得られたナシステリンのより高いFPFは、その中間的な表面粗度によるものであった。他の糖類を、微細で粗い担体として検討した。より高いFPFはマンニトールの粗い担体を用いて得られ、これはおそらくより高い微粒子含量およびより長い形状によるものであろう。添加した微粒子担体の混合物は、微細担体のタイプ間で観察されたものとほとんど差異のないより高いFPFを与えた。
微細な第三成分の添加は、各種の薬物粒子のFPFを増加させた。調べた第三成分には、ステアリン酸マグネシウム、乳糖、L−ロイシン、PEG6000およびレシチンが含まれる。第三成分の作用機構については、担体の活性部位の飽和、静電的相互作用および第三成分上での薬物の再分布を含む、多くの可能な説明が存在する。
DPI製剤の効率を改善する最近の開発は粒子工学技術に焦点が当てられている。粒子の改良したエアロゾル分散は、塩化ナトリウムまたはヒト血清アルブミン(HSA)のような賦形剤とのコスプレードライにより達成されるだろう。疎水性薬物および親水性賦形剤から成っている呼吸可能な大きさの粒子は、別々の溶液を、共軸ノズルを通して同時にスプレードライすることにより製造された。治療的に活性ペプチド粒子、例えばインスリン、α−1−アンチトリプシンおよびβ−インターフェロンは、良好な流動および分散特性を有するスプレードライにより製造される。安定化用賦形剤、例えばマンニトールおよびヒト血清アルブミン(HSA)の添加が、通常、必要とされる。スプレードライしたセルロース低級アルキルエーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースから成るミクロスフェアは、薬物の持続的放出のために使用することができる。これらの粒子は肺粘膜からの水吸着により粘着性である。ポリヌクレオチド複合体の安定したドライパウダー製剤を、マンニトールのような凍結保護剤と共に凍結乾燥し、次いで篩別または粉砕(milling)をおこなうことにより製造した。
1〜5μmの空気力学的径を有する大きな多孔質粒子(幾何学的直径が5〜30μm、およびタップ密度が0.4g/mL未満)をスプレードライにより製造した。これらの大粒子は、ファン・デル・ワールス力の減少により、粘着性がより低く、そして改良された流動およびエアロゾル分散特性を有している。増大した粗い表面テクスチャはさらに粒子凝集を小さくし、そして流動を改善する。肺胞領域に沈着する粒子は、サイズ排斥により食細胞による取り込みを避けることができる。制御された薬物放出速度が、生分解性重合体、例えばポリ(乳酸)(PLA)およびポリ(グリコール酸)(PGA)を用いて達成される。界面活性剤、例えばジパルミトイル・ホスファチジルコリン(DPPC)を、さらに粉末流動、エアロゾル分散および肺沈着を改善するために組み込むことができる。
中空マイクロカプセルに充填された薬物またはペプチドは自由に流動し、容易に脱凝集し、そして高い呼吸可能画分を生成する。壁の材料には、ヒト血清アルブミン(HSA)またはPGAおよびPLAが含まれる。溶解性の減少は、パルミチン酸のような脂肪酸またはスパン85のような脂質溶解性界面活性剤をコーティングすることにより得ることができる。PulmoSphereTM 小中空粒子(5μmの幾何学的直径及び0.1g/mL未満のかさ密度)は、薬物、ホスファチジルコリンおよびペルフルオロカーボンの乳濁液からスプレードライされる。
最近の市販のDPI製剤は、薬物凝集体または担体ベースの相互作用性混合物を基にしている。賦形剤は希釈剤および安定性促進剤として働き、そして流動性およびエアロゾル分散性を改善する。乳糖は唯一の米国で認可されたDPI製剤用の賦形剤なので、代わりの安全な賦形剤の必要性が存在する。示唆されてきたものには、炭化水素、例えば果糖、グルコース、ガラクトース、ショ糖、トレハロース、ラフィノース、メレジトース;アルジトール類、例えばマンニトールおよびキシリトール;マルトデキストリン、デキストラン、シクロデキストリン;アミノ酸、例えばグリシン、アルギニン、リシン、アスパルギン酸、グルタミン酸;ならびに、ポリペプチド、例えばヒト血清アルブミンおよびゼラチンが含まれる。ある種の吸入型薬用化合物の不快な味をマスクするために、マルトデキストリンおよびハッカ油を含有する矯味矯臭性粒子をドライパウダー製剤に組み込むことができる。大きなサイズの粒子は口腔中の沈着を増加させ、そして肺沈着を減少させる。
市販の製剤は主に、喘息および慢性気道閉塞症を局所的に治療するために、気管支拡張剤、抗コリン作用剤およびコルチコステロイド剤を送達する。新規な製剤は、フルチカゾンおよびサルメテロールのような複数の医薬成分を含んでいる。これにより粉末システムに関与する粒子の相互作用にさらなる複雑さがもたらされる。局所的および全身的に作用する、鎮痛剤(フェンタニルおよびモルヒネ)、抗生物質、ペプチド(インスリン、バソプレッシン、成長ホルモン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン)、遺伝子治療のためのRNA/DNA断片およびワクチンのような薬物の、起こり得る送達について多くの推測がなされている。しかしながら、DPI製剤を用いて提供された新規な治療は、唯一ザナミビル(レレンザ)のみであり、これは主に上気道でのインフルエンザの治療を標的にしている。
薬物の取り込みを促進するための製剤添加物の使用も検討されてきた。これらの吸収促進剤の特性は、様々な機構に基づいているが、その全てが完全に解明されたわけではない。最もよく知られているのは、細胞膜を破壊しそして密着結合(tight junction)を開いて上皮組織をより透過性にすることが知られている、胆汁酸塩および界面活性剤のような伝統的な吸収促進剤である。これに続いて、薬物を含有する小粒子の使用が挙げられ、それは上皮組織を無傷で横断する通路を見出すことができるものである。これらの微粒子アプローチの多くは、肺送達に関してはいまだに発表されていないが、関連する技術を有する企業の中には、ナノシステムス(Nanosystems)、PDCおよびバイオサンテ(BioSante)が含まれる。代替のアプローチには、上皮組織を横断して輸送するためのペプチドおよびタンパク質と担体分子との密接な連結が含まれる。取り込みを改善する機構は、肺上皮組織に関するこれらの分子については完全には特徴付けられてはいない。肺に送達される最大用量が、薬物の全身的送達を律則する。しかし、全てのその粒子または分子輸送促進剤の潜在的利点は、これらが薬物の生物学的利用率を改善でき、作用部位に到達する用量の比率を最大化することである。このことは、他のいかなる経路でも効率的に送達できない高分子にとって特に重要である。肺の生理機能を修飾するいずれかの薬剤を用いるときの安全性の関係は、商業的に実現可能な製品を採用しようとする場合は十分に考慮されなければならない。
ネブライザーに比べてDPIおよびMDIの有する主要な利点は、非常に少ない体積の製剤を使用でき、それにより小さな送達器具の製造および使用を実現可能にすることである。さらに、DPIおよびMDI器具は、ネブライザーに比べて投与に非常に短い時間しか要しない。しかし、MDI器具は、MDIの操作に必要なクロロフルオロカーボン噴射剤の使用が、国際的に制限されていることから、受け入れがたくなってきている。
微細粉末の形態でのこれらの薬物の投与は、適切なドライパウダー吸入器(DPI)の使用を必要とする。
次に、DPIは二つの追加の基礎的なタイプに分割できる:
− 活性化合物の細分した単回用量を投与するための、単回投与吸入器;
− より長い治療サイクルのために十分な活性主成分の量を予備充填した、反復投与ドライパウダー吸入器(MDPI)。
薬物粒子の微細化は、吸入の間に肺の樹状構造の最も深い分枝へと浸透させるために必須ではあるが、粒子を細かくすればするほど、粘着力がより強くなることも知られている。反復投与吸入器においては、そうした作用は、付着力が粒子の自由流動を減少させ、そしてそれらの凝集および/または壁への付着を促進するために、リザーバシステムからエアロゾル化チャンバへ粉末用量を充填することを妨げる。したがって、上記の作用は送達する用量の効率と再現性を損ない、そして呼吸可能画分に悪影響が出る。
反復投与吸入器は、いわゆる自由流動性粉末が用いられた場合に適切に機能し、これは通常、微細化薬物と、100ミクロンとほぼ等しいかまたはそれより大きな粗い粒子から成る担体材料(一般に、乳糖、好ましくはα−乳糖一水和物)とを混合することにより製剤化される。そうした混合物において、微細化された活性粒子は、吸入器具中にあるときは主に担体粒子の表面に付着し;これに対して、吸入の間は、担体粒子表面からの薬物粒子の再分散が生じて、薬物粒子が肺の吸収部位に到達することを可能にする。
担体と混合することはまた、反復投与吸入器のリザーバから規定量で吸収製剤を導入しおよび取出すこと、または単回投与容器においてそれを投与すること、を容易にする。したがって、微細化薬物と粗い担体との混合は、薬物粒子および担体粒子との間で確立される、相互作用、通常は静電的特性の結果として、微細化薬物が担体粒子上に均一に分布する混合物の生成をもたらす。
そうした相互作用は、いわゆるオーダード・ミクスチャ(ordered mixture)の生成をもたらす。この相互作用は、粉末の気流中での輸送および呼吸可能性が粒子径に依存しているために、微細化された薬物粒子のみが肺に沈着することができ、一方粗い担体粒子は、それらの質量のために、上部気道に沈着するように、弱くそして可逆的であることが非常に重要である。混合物の2つの構成成分の間の弱い相互作用により、吸入器を通しての吸い込みは、粗い担体粒子から微細化薬物粒子の分離を引き起こし、そしてそのためにより小さい粒子の吸入と粗い担体粒子の口腔咽頭腔への沈着をもたらす。したがって、吸入器のための新規な担体および容易に操作できそして高い呼吸可能画分を産生することのできる薬物−担体混合物を製造するための新規な技術を発見することは、実用的な大きな関心事である。
担体の使用は、2つの成分の間の強い粒子間力が強い場合、吸入時に、粗い担体粒子の表面からの微細化薬物粒子の分離を妨げ、それにより薬物の呼吸管での利用可能性を損なう可能性があるという点で、実際には欠点がないわけではない。
先行技術には、吸入器中で薬物粒子の予め分離を引き起こすことなしに、吸入の間の粒子間の相互作用の強さを減少させる目的で、担体の表面条件を修飾する方法の多くの例が存在している。
Ganderton (GB 2 240 337) は、粒子の表面条件、特にその皺度(rugosity)が吸入中の担体の挙動にとって非常に重要であることを報告し、そして、皺度が結晶化工程により制御された粒子から成る、乳糖のよう医薬担体を特許請求している。この粒子の皺度は、気体透過法に基づく、表面領域の測定により評価される。この技術により測定された、理論的表面領域値に対する表面領域値は、ガンデルトン(Ganderton)尺度と呼ばれる皺度の数値的指標を提供する。
Staniforth (WO 95/11666) は、磨食(corrasion)(岩石への風の作用の類推で)と呼ばれる、好ましくはボール・ミルで実施される、粉砕方法を特許請求しており、これは、小粒体(small grains)の形態の表面粗さを除去し;次いでこれらの粒体がその粒子の表面領域の裂け目に付着するようになり、その結果高エネルギー部位を飽和させて、担体の表面特性を変化させる。この担体の予備処理の結果、微細化された薬物粒子が優先的に低エネルギー部位に沈着しそしてより弱い粒子間付着力を受けるようになる。
他方、いくつかの反復投与吸入器の操作は、より大きい粒度分析分布を有する粒子を用いて始めて与えられる特性である、高い流動性を有する最適な担体の使用を必要とする。
吸入時の担体からの活性成分の解離もまた、同じ担体の微粒子画分の添加により効率的にすることができる。ベーリンガーの特許EP 0 663 815は、エアロゾル化の段階で放出された薬物の量を制御し最適化するための、サイズが>20ミクロンの粗い粒子とサイズが<10ミクロンの微粒子の適切な混合物を含む、担体の使用を、特許請求している。
最後に、先行技術で、担体とドライ・ミックスした、滑沢性、流動促進性または抗付着性を有する添加剤が、薬物と担体との間の吸引力を減少させる目的で、使用されてきた。例えば、ステアリン酸マグネシウムと結晶化乳糖との混合は、この混合物が吸入担体として用いられた場合に、薬物と担体との間の付着力を減少できる。吸入粉末のエアロゾル化でのステアリン酸マグネシウムの効果を説明するために、錠剤のための粉末混合物について実施される研究を考慮に入れることができる(Staniforth等, J. Pharm. Pharmacol. 1982,34,141-145)。これらの研究は、滑沢剤の存在が、共に圧縮しようとする粉末粒子上に潤滑層を形成し、それによりそれらの間の結合に干渉するために、錠剤の付着の減少を引き起こすことを示した。
この機構はまた、担体粒子上の微細化薬物粒子の付着強度を減少させる原因となっているものと考えられている(Kassem, 学位論文、ロンドン大学、1990)。
WO96/23485において、粒子は、抗付着性または抗摩擦性を有し、1またはそれ以上の、アミノ酸(特に、ロイシン)、リン脂質または界面活性剤から選ばれる化合物から成る物質と混合され、担体上への添加剤の沈着が好ましくは乾燥形態で行われ、そして担体の完全な被覆を生じさせず、しかしむしろ、高エネルギー部位を飽和させるために非連続的な被覆をおこなう。好ましくは、担体粒子および添加剤は、WO 95/11666に記載されたように、ボール・ミル中での磨食工程に付される。
薬物−担体混合物から成る吸入粉末の場合に、吸入中の担体からの活性成分の効率的な解離が、薬物−担体粒子間力に依存しており、そして後者の表面特性に依存していることが、先行技術の試験から得られる。
ドライパウダー吸入器(DPI)の現在の市場は種々の理由により拡大しており、その理由には、加圧式定量吸入器に関する環境的および技術的関心、新規に市販されたDPIの改善された性能および受容性、ならびに新規で全身的に作用する医薬化合物のためのDPIの潜在的有用性、が含まれている。しかし、市場の拡大にもかかわらず、現在のDPIはいくつもの欠点を持っている。市販されたドライパウダー吸入器は、一般に、加圧式定量吸入器より下部気道への薬物の送達がより非効率であり再現性が良くない。したがって、DPIの性能を改善するために存在するいくつかの機会には以下のものが含まれる:
− 送達される微粒子画分を増加させる(肺への沈着の増加、および口腔咽頭への沈着の減少を考えて);
− 放出用量および微粒子画分の変動性を減少させる;
− 送達用量および送達領域の呼吸流速への依存性を減少させる;
− 薬物エアロゾルの分散に必要な吸入器の抵抗およびエネルギーを減少させる;
− 物理的安定性を増加させる;
− DPIの製造し易さを改善する;
− 口腔咽頭への沈着を減少させる;
− 局所的な肺沈着の制御を増強する;そして
− 肺での生物学的利用率を増加させる。
性能を改善できる他の領域もあり、例えば:物理的安定性を増加させる;ならびにDPIおよびドライパウダー製剤の製造し易さを改善することが挙げられる。ドライパウダー吸入器の設計で最も緊急に必要とされているのは、微粒子画分を増加させ、そして用量間の変動性を減少させることである。
薬物のDPIおよびMDI製剤が強く望まれている一方、製造できる適切な製剤の数および種類は限られている。これは大部分これらの投与剤形における担体として適する化合物が限定されていることによる。
呼吸可能な粉末製剤の技術分野では、薬物および賦形剤(担体)の形態的および物理化学的性質が、これら2つを投与するために使用される器具の性能に影響を及ぼし得ることが知られている。特に、薬物および不活性担体の粒子径が、それらの送達の最終的部位に大きな影響を与える。DPI器具を用いて、より小さい粒子径(約10ミクロン未満)が肺送達について受け入れられる一方、より大きな粒子径は、気管、咽喉または口腔内送達のために好ましい。また、薬物および担体の吸湿性が性能に影響を及ぼし得ることも知られている。DPI器具を用いて粉末化固形物を送達する効率に影響を与えることが知られているほかの要因には、薬物と担体粒子との間の静電的相互作用、粒子の表面形態、薬物および担体粒子の疎水性/親水性、等が含まれる。
DPIで使用するための不活性担体の望ましい性質には:1)50〜1000ミクロンの範囲内の粒子直径;2)投与中に、担体でなく薬物を肺で送達できるように、患者の口腔または咽頭において薬物から分離する能力に対してバランスを有する、それの浮遊を助けるために十分な薬物との結合力;3)薬物の分解に向けない不活性;4)患者に治療効果を与えない不活性;5)制御可能で修飾可能な形態的性質;6)異なった範囲の方法による製造への適合性;および/または7)制御可能で修飾可能な化学的性質、が含まれる。
単糖類または二糖類、例えばグルコース、乳糖、乳糖一水和物、ショ糖またはトレハロース、糖アルコール、例えばマンニトールまたはキシリトール、ポリ乳酸、グルコース、およびトレハロースは、これらの器具で担体として使用される数少ない化合物に含まれる。それらの化合物の性質は、少なくともある程度それらの性能を最適化するために修飾できる。たとえそうであっても、このタイプの投与のために乳糖を用いて適切に製剤化できない多くの薬物が存在する。したがって、担体として適切でありそしてその性質が制御された様式で修飾できる、他の材料の同定が望まれるだろう。
DPI治療の現在の焦点は、より高濃度の薬物を投与すること、より少量の単位投与量体積を用いること、特定の性質を有する新規な担体を開発すること、特定のDPI器具フォーマットの使用に適した担体を同定し開発すること、である。
肺の内層(lining)を横断する薬物吸収を促進するために、研究者は、DPIおよびPMDI器具への浸透促進剤の含有を提案してきた。シクロデキストリンが、DPIおよびPMDI固体製剤と同様に噴霧器液体製剤において使用するために提案されている。しかし、いくつかのシクロデキストリンの哺乳類の肺への投与は受容されないかもしれない。天然のシクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体の潜在的なまたは観察された毒性についての文献が存在する。NTP(国家毒性プログラム)の化学貯蔵所には、α−シクロデキストリンは吸入により有害かもしれないと表示している。Nimbalkar等(Biotechnol. Appl. Biochem. (2001), 33, 123-125)は、HP−β−CD/ジアセチルダプソン複合体の肺での使用について、肺細胞の細胞増殖を遅らせるその初期効果に関して、注意を喚起している。
たとえそうであっても、その後まだ商品化された製剤はないが吸入のためのシクロデキストリンの使用に関する数多くの研究が報告されている。これの研究は、特定の最適のまたはさらに有用な吸入または鼻腔内製剤のために、種々の薬剤−シクロデキストリン組み合わせ物が必要になるであろうと示唆している。口腔、肺および/または鼻送達のためのシクロデキストリン含有粉末または溶液の開発のための試みがなされてきている。
数多くの科学論文および特許文献が、シクロデキストリンを含有する吸入可能なドライパウダー組成物を開示している。ほとんどの部分で、シクロデキストリンは薬物との包接複合体として含まれている。
Rajewski等(J. Pharm. Sci. (1996), 85(11), 1142-1169)は、シクロデキストリンの医薬応用の総説を発表している。その総説において、彼らは、ドライパウダー吸入システムでのシクロデキストリン複合体の使用を評価した研究を引用している。
Billingsley等の米国特許出願公開2003-215512および米国特許6,309,671は、その中で
薬物がシクロデキストリンから形成されたガラス質のマトリクス内に埋め込まれた、粉末化された吸入可能な組成物を開示している。したがって、薬物は薬物と複合化され、そしてDPI器具で投与している間にそれから分離することはない。
Shao等(Eur. J. Pharm. Biopharm. (1994), 40, 283-288)は、肺吸収促進剤としてのシクロデキストリンの有効性を報告している。シクロデキストリンの、インスリンの肺吸収を促進する場合の、薬力学により測定された相対的な有効性、および相対的効率を以下のようにランク付けしている:ジメチル−β−シクロデキストリン>α−シクロデキストリン>β−シクロデキストリン>γ−シクロデキストリン>ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン。
ニュージーランドの特許出願公開510168は、肺の肺胞に薬物を送達するための粒子組成物を開示している。この乾燥組成物は、薬物および少なくとも40質量%のシクロデキストリンを含有している。この粒子は、シクロデキストリンおよび薬物を含有する液体組成物をスプレードライして製造され、そこでシクロデキストリンは薬物と複合化し、組成物をDPI器具で投与する間にそれから分離しない。
Rodrigues等(Artificial Organs, (2003年5月) Vol. 27, No. 5, pp. 492-497)は、インスリンとシクロデキストリンを含有し、それら2つが肺に送達されるような粒子の製造について開示している。
Nakate等(European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics (2003), 56(3), 319-325)は、薬物と混合したβ−CD粒子を用いたDPIによるFK224の投与を開示している。この製剤は、FK224およびβ−CDの同時の微細化により、両方が肺での送達に適した粒子径であるように作成される。
Fukaya等(European Respiratory Journal (2003), 22(2), 213-219)は、シクロスポリンAとシクロデキストリンの複合体を含有するDPIドライパウダー製剤の評価結果を開示している。
Kinnarinen等(Journal of Controlled Release (2003), 90(2), 197-205)は、ブデソニドとγ−CDの複合体を含有するDPI製剤を開示している。
Vozone等(Journal of Inclusion Phenomena and Macrocyclic Chemistry (2002), Volume Date 2003, 44(1-4), 111-115)は、ドライパウダー吸入のための組成物中で、予備形成した複合体または物理的混合物のいずれかとして存在するブデソニドおよびジメチル−β−CDの投与を開示している。彼らは、複合体および物理的混合物のいずれの放出用量平均の間にも統計的に有意な差を観察していなかったが、しかし彼らは、複合体に関しては統計的に有意なより高い微粒子画分平均を観察していた。かれらは、肺薬物送達のためのスプレードライCD複合体粉末の使用は、薬物の呼吸可能画分を増加させ、その結果としてその治療効果を高める可能性があると示唆している。
KampingaのPCT国際公開WO 01/87278 は、薬物を10〜40%と、シクロデキストリンであってよい糖を90〜60%含有する粒子の製造と使用を開示している。シクロデキストリンが存在する場合は、採用した製造方法のために、薬物と複合化しているはずである。
Camoes等(Proceedings of the International Symposium on Controlled Release of Bioactive Materials (2000), 27th, 794-795)は、ドライパウダー吸入用のサルブタモールとのβ−CD複合体を開示している。
Pinto等(S.T.P. Pharma Sciences (1999), 9(3), 253-256)は、ベクロメタゾンとのHP−β−CD複合体およびドライパウダー吸入可能な製剤でのその使用を開示している。
Platz等の米国特許6,582,728は、薬物および、シクロデキストリンであってよい、担体を含有するドライパウダー吸入可能な製剤を開示している。この製剤は、薬物と担体を共にスプレードライして製造される。シクロデキストリンが担体である場合は、それは、採用した製造方法のために、薬物と複合化しているはずである。
欧州特許1283035は、副甲状腺ホルモン、吸収促進剤および粗い粒子担体を含有する吸入可能なドライパウダー製剤を開示している。 このシクロデキストリンは促進剤でもありうるが、しかしそれが適する担体であることは示唆されていない。それは吸収促進剤なので、肺へ薬物と共に送達される。
Drustrupの米国特許出願公開2003-0138403は、インターフェロンとSAE−CDを含有する製剤を開示している。この製剤は、吸入投与のために適していることが示唆されている。この製剤は、インターフェロンとSAE−CDとの予備調製された複合体を含む。
Backstrom 等の米国特許出願公開2003-064928およびLibbey等の米国特許出願公開2003-059376、ならびにBackstrom 等の米国特許6,436,902および5,952,008は、シクロデキストリンが、肺での薬物吸収を促進するために粒子マトリクス中に組み込まれた、吸入可能な製剤を開示している。このシクロデキストリンは投与の間に薬物から分離しない。
Guitard 等の米国特許6,599,535は、マクロライド薬物およびシクロデキストリンであってよい、担体媒体を含有する固体分散組成物を開示している。SAE−CDを含む、多くの水溶性シクロデキストリン誘導体が示唆されているが、しかし、この組成物を製造する方法は、薬物とシクロデキストリンとの複合体化をもたらす。したがって、薬物とシクロデキストリンは両方とも肺に送達される。
Platz 等の米国特許出願公開2002-117170は、FSH、およびシクロデキストリンであってよい、製薬的に受容できる担体を含有する、スプレードライ化組成物を開示している。FSHおよびシクロデキストリンは、この出願中に記載されたスプレードライ方法により、複合体として存在するだろう。
McCoy 等の米国特許6,495,120は、薬物、HP−β−CDおよび担体溶媒の経肺投与を開示している。この製剤は、薬物、シクロデキストリンおよび溶媒を含んでおり、したがって薬物はシクロデキストリンと複合体化される。
Backstrom 等の米国特許6,306,440 は、インスリン、およびシクロデキストリンのような吸収促進剤を含有する吸入可能な製剤を開示している。シクロデキストリンおよびインスリンの両方とも肺に送達しようと意図されている。
van der Kuy 等(Eur. J. Clin. Pharmacol. (1999 Nov), 55(9), 677-80)は、市販の経鼻用調製物を用いて、これとメシル酸ジヒドロエルゴタミン(DHEM)含有製剤の、2つの経鼻用調製物の薬物動態的性質の結果を報告している。この製剤にはまた不規則にメチル化されたβ−シクロデキストリン(RAMED)も含まれている。3つの経鼻用調製物について、最大血漿濃度(Cmax)、Cmax到達時間(tmax)、血漿濃度−時間曲線下面積(AUC0〜8時間)、Frel(t=8時間)およびCmax/AUC(t=8時間)については統計的に有意な差異は見られなかった。この結果は、経鼻用調製物の薬物動態的性質が、市販の鼻スプレーと有意に異なるものではないことを示している。
Merkus の米国特許5,942,251および5,756,483 は、ジヒドロエルゴタミン、アポモルヒネおよびモルヒネの経鼻投与のために、それらの薬理学的な活性成分の1つならびにシクロデキストリンおよび/または二糖類および/または多糖類および/または糖アルコールの組み合わせを含有する、医薬組成物を包含している。
米国特許5,955,454は、プロゲストゲン、および、0.5から3.0の間の置換度を有するメチル化β−シクロデキストリンを含有する、経鼻投与に適した医薬調製物を開示している。
Piazza 等の米国特許5,977,070 は、有効量の生理学的に活性なPTHもしくはPTHrpの短縮型類似体、またはその塩、およびジメチル−β−シクロデキストリンから成る群から選択される吸収促進剤を含有する、骨粗鬆症の治療に有用な化合物の経鼻送達のための医薬組成物を開示している。
Clark等のPCT国際公開WO 00/015,262は、吸湿成長阻害剤および薬物を含有する、吸入可能な粉末組成物を開示している。この阻害剤はとりわけシクロデキストリンであってよく、そしてSAE−CDは適切なシクロデキストリンの例である。このシクロデキストリンは、採用した製造方法により、製剤中で薬物と複合体化している。
Thurston 等のPCT国際公開WO 00/066,206は、シクロデキストリンが薬物安定化剤として含まれてもよい多成分の吸入可能な組成物を開示している。このシクロデキストリンは、採用した製造方法により、製剤中で薬物と複合体化している。
他の参考文献は、一般に、シクロデキストリンのDPI製剤中での担体としての使用を示唆している。Caponetti等のPCT国際公開WO 01/05429 は、ドライパウダー吸入に適した混合物の使用を開示している。この組成物は、薬物と混合した平滑担体粒子を含んでいる。とりわけシクロデキストリンは担体として適していると示唆されている。そうした使用の実施例はない。担体粒子は、高速混合造粒機中で、溶媒存在下または乾燥形態で交互に、粗い粒子の表面を平滑化することで作成される。
Keller 等の米国特許6,645,466 は、吸入用のドライパウダー製剤を開示している。この製剤は、微細で吸入可能な粒子径の薬物、より粗い吸入不可能な粒子径の担体、および担体に結合したステアリン酸マグネシウムを含んでいる。シクロデキストリンは明らかに担体として働く。そこでは、担体としてのシクロデキストリンの例または好ましい性質の開示はなく、また、担体として適するようなCDを製造する方法のいかなる開示もない。
親シクロデキストリンは、6、7または8個のグルコピラノース単位を含み、そしてそれらはそれぞれ、α−、β−およびγ−シクロデキストリンと呼ばれる。各シクロデキストリンサブユニットは、2および3位に第二級ヒドロキシ基、ならびに6位に第一級ヒドロキシ基を有する。このシクロデキストリンは、親水性外部表面および疎水性内部空洞を有する、中空短縮型円錐として描くことができる。
親シクロデキストリンの物理的および化学的性質は、ヒドロキシ基を他の官能基で誘導化することで修飾できる。
Figure 2007534693
そうした誘導体の一つはスルホアルキルエーテルシクロデキストリンである。β−シクロデキストリンのスルホブチルエーテル誘導体(SBE−β−CD)、特にシクロデキストリンの一分子あたり平均約7個の置換基を有する誘導体(SBE7−β−CD)は、サイデックス・インクにより、カプチゾール(R)として販売されている。アニオン性のスルホブチルエーテル置換は、親シクロデキストリンの水溶性を劇的に改善する。さらに、荷電の存在は、ヒドロキシプロピル誘導体に比較してコレステロールとの複合体を形成するこの分子の能力を減少させる。可逆的で非共有結合性のカプチゾール(R)と薬物の複合体化は一般に薬物の水溶液中での溶解性および安定性を増加させる。カプチゾール(R)が比較的新しいが公知のシクロデキストリンである一方、いくつかの参考文献は特にSAE−CDの吸入可能な液体製剤での使用を目指している。そうであったとしても、DPIのための固体ドライパウダー製剤の製造でのその使用については、これまでに評価されなかった。
Stella等の米国特許5,874,418は、薬物の大部分がSAE−CDと複合化していない、薬物およびSAE−CDの物理的混合物含有固体製剤を開示している。しかし、Stella等は、このような製剤かつ、特にDPIまたはPMDI器具を用いて、吸入により投与するために適していることを示唆していない。彼らはまた、SAE−CDの形態的および物理化学的性質を制御または変更するためのいかなる方法も開示していないので、当業者によるDPI投与に適したSAE−CDの形態の製造を可能にしていないことになる。
他のそうした誘導体は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)である。Mueller等(Proceed. Int'l. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. (1997), 24, 69-70)は、ドライパウダー吸入器で用いるためのASES超臨界二酸化炭素方法によるブデソニド微粒子の製造に関する研究の結果を開示している。HP−β−CDは粉末の担体として示唆されている。
Pinto等(S.T.P. Pharma. Sciences (1999), 9(3), 253-256)は、ベクロメタゾンのための吸入可能なドライパウダー製剤におけるHP−β−CDの使用に関する研究結果を開示している。HP−β−CDは、ミクロ・ヘイラー(MICRO-HALERTM)吸入器具から放出された用量のインビトロ沈着試験において、薬物との複合体または物理的混合物として評価された。吸入可能な薬物画分の量は、報告では、複合体で最も多く、そして微細化薬物単独が最も少なかった。
Williams等(Eur. J. Pharm. Biopharm. (1999 Mar), 47(2), 145-52)は、ヒドロフルオロアルカン(HFA)噴射剤を含有する、懸濁液ベースの加圧式定量吸入器(pMDI)中のアスピリンの安定性に関する、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HP−β−CD)の製剤化技術の影響を測定する研究結果を報告している。HP−β−CDはpMDI中で、アスピリンとの凍結乾燥包接複合体または物理的混合物として、製剤化された。凍結乾燥包接複合体中のアスピリンは6ヶ月間の保管の間に最も顕著な崩壊度を示し、一方、pMDI中のアスピリン単独では中程度の崩壊度を示した。物理的混合物中で製剤化されたアスピリンは、最も低い崩壊度を示した。報告によれば、HP−β−CDは、化学的に不安定な薬物の安定性を増強するために使用できるが、しかし薬物の安定性は製剤の製造方法により影響される可能性がある。
Worth等(24th International Symposium on Controlled Release of Bioactive Materials (1997))は、肺送達のためのステロイド/シクロデキストリン複合体の有用性について評価した研究結果を開示している。β−CD、SBE7−β−CD、およびHP−β−CDを、並べて比較して、そのジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)およびその活性代謝物モノプロピオン酸ベクロメタゾン(BMP)との包接複合体を形成する能力に基づいて評価した。BMPはより容易にシクロデキストリンと溶解し、そして観察された可溶化能力の順序は:HP−β−CD(最も高い)>β−CD>SBE7−β−CD、であった。吸入型製剤での実際の有用性については、結果は開示されていないが、彼らはBDPよりBMPが、噴霧器溶液の開発のためにはより良い代替物であろうと示唆している。
Kinnarinen等(11th International Cyclodextrin Symposium CD, (2002))は、ドライパウダー吸入用のブデソニド/γ−CD包接複合体のインビトロでの肺沈着に関する研究結果を開示している。γ−CDとの複合体化では長所は全く観察されなかった。Vozone等(11th International Cyclodextrin Symposium CD, (2002))は、ドライパウダー吸入で使用するためのγ−シクロデキストリンとブデソニドとの複合体化に関する研究結果を開示している。シクロデキストリン複合体またはブデソニドおよびCDの物理的混合物の放出用量内には差異が見られなかった。しかし、両方の製剤の微粒子画分中で観察された差異は、肺薬物送達のためのシクロデキストリン複合体の使用が吸入可能な画分を増加させ得ると示唆した。
Gudmundsdottir等(Pharmazie (2001年12月), 56(12), 963-6))は、ミダゾラムを水性スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン緩衝液中で製剤化した試験結果を開示している。鼻スプレーが健常人ボランテアで試験され、そしてオープンクロスオーバー臨床試験においてミダゾラム静注剤と比較された。経鼻製剤は、報告によれば、吸収速度、血清濃度および臨床鎮静効果において静脈投与形態に匹敵する。重篤な副作用は観察されなかった。
Srichana等(Respir. Med. (2001 Jun), 95(6), 513-9)は、ドライパウダーエアロゾルの新規な担体の開発研究の結果を報告している。2つのタイプのシクロデキストリン、すなわちγ−シクロデキストリン(γ−CD)およびジメチル−β−シクロデキストリン(DMCD)が、ドライパウダー製剤での担体として選択された。サルブタモールがモデル薬物として使用され、そして乳糖と薬物を含有する対照製剤が含められた。それらのドライパウダー製剤の送達効率を評価するために、ツイン・ステージ・インピンジャー(TSI)を用いた。得られた結果から、γ−CDを含有する製剤(沈着=65%)が、DMCDを含有する製剤(50%)および対照製剤(40%)(P<0.05)のいずれよりも、ずっと大きくTSIのより低いステージへの薬物送達を促進したことがわかった。DMCD複合体とインキュベートした赤血球細胞の溶血は、γ−CDで得られたものよりも大きかった。γ−CDおよびDMCDを含有する両方の製剤での薬物放出は速やかで(5分で70%超が放出された)そしてほぼ全ての薬物が30分以内に放出された。
Backstrom等の米国特許6,436,902は、少なくとも50%のドライパウダーが、(a)10ミクロンまでの直径を有する粒子;または(b)そうした粒子の凝集体から成る、吸入に適したドライパウダー形態の副甲状腺ホルモンを肺投与するための組成物および方法を開示している。ドライパウダー吸入器具は、(i)副甲状腺ホルモン(PTH)、および(ii)呼吸管下部でPTHの吸収を促進する物質を含有する、ドライパウダーから成る調製物を含み、そこでは少なくとも(i)および(ii)の少なくとも50%が、10ミクロンまでの直径を有する一次粒子から成り、そして物質は脂肪酸塩、胆汁酸塩またはそれらの誘導体、リン脂質、およびシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体から成る群から選択される。
Kuo 等の米国特許6,518,239は、肺へのエアロゾル投与のための、活性薬剤およびジペプチドまたはトリペプチドを含有する分散可能なエアロゾル製剤を開示している。この組成物は報告によれば、重合性賦形剤/添加剤、例えば、ポリビニルピロリドン;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースのような誘導体化セルロース;フィコール(Ficolls;ポリマー糖);ヒロドキシエチルスターチ、デキストレート(例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン)、ポリエチレングリコールおよびペクチンを含んでもいい。
ファルマテックGmbHのMueller 等のPCT国際公開WO 03/066,031は、pMDIで使用するための懸濁製剤を開示している。この懸濁液は、薬物、噴射剤、および特にヒドロキシアルキルエーテルシクロデキストリンまたはスルホアルキルエーテルシクロデキストリンであってよい、シクロデキストリン誘導体を含む。
Nakate等(Eur. J. Pharm. Biopharm. (2003 Mar), 55(2), 147-54)は、β−シクロデキストリンとの共製剤化(co-formulating)によるラットでの環状ペプチドFK224(水溶性が低い)の肺吸収改善を測定した研究結果を開示している。この研究の目的は、FK224の全身性吸収に対する肺送達の効果を他の投与経路と比較して調べることであり、そして、各種の投与剤形を用いてラットでの経肺投与後のFK224の生物学的利用率(BA)を測定することであった。水性懸濁液の投与後、生物学的利用率は、溶液での16.8%に比べて、2.7%に減少した。しかし、β−シクロデキストリン(β−CD)は、FK224の溶解性の改善に関する限りでは、有用な添加剤であることがわかった。β−CDを含有する水性懸濁液の生物学的利用率は、19.2%まで増加した。FK224のC(max)およびAUCの両方が、β−CDの量を増加させるにつれてますます増大することが観察された。血漿プロフィールは持続性吸収であることを示していた。彼らは、β−CDまたは種々の水溶性の程度を有する誘導体が、制御された肺吸収のための可能性ある薬物担体であると示唆している。
Kobayashi等(Pharm. Res. (1996年1月), 13(1), 80-3)は、ラットにおける、吸収促進剤を含有するサケカルシトニン(sCT)の肺送達に関する研究結果を開示している。
sCTドライパウダーおよび液体(溶液)調製物のラットへの経気管支投与の後、血漿
sCT濃度およびカルシウム濃度が測定された。報告によれば、ドライパウダー中および液体中のsCTはほぼ同程度まで吸収された。吸収促進剤(オレイン酸、レシチン、クエン酸、タウロコール酸、ジメチル−β−シクロデキストリン、オクチル−β−D−グルコシド)は、溶液でよりドライパウダー中でずっと効果的であった。
Adjei等(Pharm. Res. (1992年2月), 9(2), 244-9)は、ラットおよび健常人への経鼻および吸入送達後の、酢酸リュープロリドの生物学的利用率の研究結果を開示している。酢酸リュープロリド、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト、の全身性送達を、吸入(i.h.)および経鼻(i.n.)投与後に比較した。ラットにおけるi.n.での生物学的利用率は、α−シクロデキストリン(CD)、EDTA、および溶液体積により顕著に増加した。i.v.対照に比較して、吸収は8から46%の範囲であった。健常人男性での研究を、酢酸リュープロリドを用いて、スプレーによる経鼻(i.n.)、または吸入エアロゾル(i.h.)、ならびに皮下(s.c.)および静脈内(i.v.)注射により実施した。s.c.注射は、i.v.によるものと比較して94%の生物学的利用率であった。i.n.の生物学的利用率は、有意な被験者間の変動があり、平均2.4%であった。吸入送達は、わずかにより低い被験者間の変動を与えた。1mg用量の溶液エアロゾルによる平均Cmaxは0.97ng/mLであり、1mgおよび2mgボーラス投与で与えられた懸濁液エアロゾルの、それぞれ、4.4および11.4ng/mLと比較された。懸濁液エアロゾルの平均生物学的利用率(s.c.投与に比較して28%)は、溶液エアロゾルのもの(6.6%)と比べて4倍大きかった。
サイデックス(Cyclopedia (2002), 5(1), 3)は、SBE−CDが、単独で存在する場合の吸入エアロゾル組成物でラットに非毒性であることを開示している。
ドライパウダー吸入器の設計における最も緊急の要求は:微粒子画分(質量)を増加させること、および各投与間の変動を減少させることである。乳糖は、米国でFDAが認可したDPIで使用される唯一の担体粒子であり、性能において大きなバッチ間の変動を示すことが知られている。したがって、材料の性質および方法の変動を改良するためのさらなる機会が存在する。
要約すれば、それらの技術は、吸入可能な薬物およびシクロデキストリンを含有する、吸入可能なドライパウダー製剤を開示しているが、しかし、ほとんど全ての場合に、シクロデキストリンは薬物との包接複合体として存在している。シクロデキストリンが担体として示唆されている少数の例では、これは一般に吸収促進剤として使用されている。本発明者の知るところでは、その技術は、水溶性シクロデキストリン、特にスルホアルキルエーテルシクロデキストリン(SAE−CD)が、SAE−CDではなく薬物が投与後肺に送達されるようにするためのDPI器具における担体として適しているはずであるということを示唆してはいない。その技術は、その形態的、化学的および物理化学的な特性が容易に修飾されそして広範な範囲の種々の薬物のDPI器具の適切な使用に適合した、いかなる材料も提供していない。それらはまた種々の様式のDPI器具、特に低いまたは高い圧降下を有するもので使用するのに適した担体を提供できてはいない。
DPIを用いたドライパウダー形態での投与に適し、そして、DPIのためのドライパウダー製剤中の活性薬との相互作用を最適化するのに適合できる、容易に修飾できる形態的、物理化学的および化学的性質を有し、乳糖および他の担体より大きな利点を与える担体材料に関する必要性が当該技術分野にはまだ存在する。
本発明は、公知のドライパウダー製剤に存在する欠点を克服することを目的にしている。したがって、誘導体化シクロデキストリンベースの、例えばスルホアルキルエーテルシクロデキストリン(SAE−CD)ベースの、吸入可能なドライパウダー製剤が提供される。本発明の製剤には、主成分の活性薬および担体のSAE−CDが含まれる。
SAE−CD担体粒子の性質は、種々の物理化学的性質を、ドライパウダー吸入器からの分散を最適化するための薬物粒子特性に合致するように、調節できる。
薬物の性質、粒子径、径の分布、形態学的性質および静電荷に基づいて、SAE−CDの特性を、受動的ドライパウダー吸入送達システムからのより大きな分散および流動非依存性の薬物送達を促進する、薬物−担体相互作用を与えるために、各種の技術により調節することができる。この特性は、対イオンの同一性を変えることにより、アルキル鎖長、平均的置換度、またはそれからSAE−CDが作成された親シクロデキストリンの環のサイズを変えることにより、特定の使用に適合させることができる。
さらに、本発明の製剤は他の乳糖のような材料を超える他の利点も有する。少数の異なったDPI器具の様式のみでの使用に最適な、乳糖とは異なって、固体担体としてのSAE−CDは、低、中および高い圧降下性を有するDPI器具での使用に適している。
乳糖と比較した場合、担体としてのSAE−CDは、DPI器具の評価で決定して、以下の利点を有する:
− 放出用量の可変性および微粒子画分は、SAE−CD粉末、特に磨砕した泡状物から導かれたSAE−CD粉末では、標準的な乳糖より少ない。
− SAE−CD粉末からの薬物の分散、特に磨砕した泡状物から導かれたものは、圧降下(呼吸の流速)に依存せず;一方、乳糖粉末は圧降下依存性を示していた。
− 吸入器抵抗および薬物エアロゾルを分散させるために必要なエネルギーが、SAE
−CD、特に磨砕した泡状物から導かれたSAE−CD粉末では、エアロゾル送達に影響しない乳糖に比べて、減少させることができる。これにより、増加する気道閉塞を伴う(例えば喘息)患者および加齢関連の最大吸入速度の減少を伴った患者(若者および高齢者)による、ドライパウダー吸入器の効率の良い操作を可能にするだろう。
− SAE−CD、特に磨砕した泡状物から導かれたSAE−CD粉末で送達される微粒子画分は標準的な乳糖に匹敵する。
SAE−CDは、ドライパウダー製剤に、全てのまたは実質的に全ての薬物がSAE−CDと複合体を形成していない治療薬との混合体として含有されている。使用中、SAE−CDは、DPIの容器から、口腔、咽喉腔を通過した後で肺への薬物の送達を促進する担体として機能する。しかし、SAE−CD粒子は、薬物粒子からの分離をし易くし、それにより薬物粒子は肺に送達されるがSAE−CD粒子は送達されないような、形態的および物理化学的性質を有している。言い換えれば、SAE−CD粒子および薬物粒子は、それらが口腔、喉、咽喉腔へ同時送達されるように互いに十分引付け合うが、しかし、薬物粒子は肺に到達するがSAE−CD粒子は到達しないように、すなわち後者は口腔または咽喉腔に沈着するように、SAE−CDおよび薬物粒子が互いに解離するようになる。SAE−CD粒子は好ましくは、特定の形態的および物理化学的性質を与えるような特定の方法で製造される。
SAE−CD粒子をいくつかの方法で製造する場合には、不適切な粒子が生成され、したがって、本願明細書で開示するSAE−CD粒子は、本願明細書で開示されたDPIにより投与するのに適した複数の粒子を与える方法により製造される。一つの実施態様において、SAE−CDドライパウダー担体を製造する方法は、以下の
− 水、SAE−CDおよび場合により1またはそれ以上の他の物質を含有する水溶液を用意し;
− この溶液を泡状物に変換し;
− 場合により、この泡状物を凍結;
− 泡状物を脱水して、粒子であってもなくてもよい破砕性多孔質ガラスを形成し;
− この多孔質ガラスを磨砕して微粒子を形成し;そして
− 微粒子を篩分けし、それによりドライパウダー担体を形成する;
工程を含んでいる
本発明の方法の特定の実施態様には、次の:
1)ドライパウダー担体を、実質的に全ての担体が40−メッシュの篩を通過するまで篩分けする;2)溶液を、不活性ガス、例えば窒素を溶液を通して泡立てて、泡状物に変換する;3)泡状物を、凍結乾燥により脱水する;4)微粒子が、直径420ミクロン未満の粒子分布メジアン径を有する;5)泡状物を、低エネルギー磨砕機で磨砕する;
ことが含まれる。
本発明の他の局面は、患者にDPI器具を用いて投与するために適した吸入可能な治療用ドライパウダーを提供し、この粉末は以下の:
吸入により投与するために適した活性薬剤を含有する第一の粒子組成物であって、この粒子組成物は、実質的に全ての(少なくとも90%または95%)粒子が直径37ミクロン未満(400−メッシュ)篩であるような粒子径分布を有している組成物、および
SAE−CDを含有している第二の粒子組成物であって、この粒子組成物はその中の実質的に全ての粒子が直径420ミクロン(40−メッシュ)の篩を通過するような粒子径分布を有している組成物;
を含んでいる。
本発明の特定の実施態様には、以下のもの:
1)SAE−CDが本願に記載した本発明の方法により作成される;2)第二の粒子組成物が実質的に平滑な表面を有する;3)第一の粒子組成物が10ミクロン未満のメジアン径を有する;4)ドライパウダー製剤が約10質量%未満の含水量を有する;5)第一の粒子組成物が約−2nC/gより大きな負の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約0から1.5の範囲の静電荷を有する;6)第一の粒子組成物が約−2から−0.5nC/gの静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約−0.5から−2の範囲の静電荷を有する;7)第一の粒子組成物が約0.5から−0.5nC/gの静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約−2から2の範囲の静電荷を有する;8)第二の粒子組成物が、SAE−CDを含有する脱水化泡状物を磨砕して製造される;9)第二の粒子組成物がより小さい粒子の凝集体である;10)第二の粒子組成物の表面が、顕微鏡で決定して実質的に平滑である;11)SAE−CDが無定形で存在する;12)担体中の賦形剤が結晶形で存在する;13)活性薬が結晶形で存在する;14)活性薬が無定形で存在する;15)第二の粒子組成物が、その中の少なくとも50%の粒子が直径約80ミクロン未満であるような粒子径分布を有する;16)第二の粒子組成物が、約10から300ミクロン、25から300ミクロン、37から125ミクロンの範囲の粒子のメジアン径を有する;17)第二の粒子組成物が、約10質量%、8質量%、7質量%、2.5質量%若しくは1質量%の含水量、または約0.01から約10質量%、もしくは約0.1質量%から約5質量%の範囲の含水量を有する;
が含まれる。
一つの局面では、SAE−CDベースのドライパウダー組成物は、本願で記載されたように、特定の方法により製造され、そして特定の形態的および物理化学的性質を有している。他の局面では、薬物ならびに特定の形態的および物理化学的性質を有しているSAE−CDを含有する吸入可能なドライパウダー製剤が、本願明細書で記載されたように製造される。他の局面は、DPIを介して薬物を送達するための担体として、このように特徴付けられたSAE−CDドライパウダーの使用を提供する。本発明はまた、このように特徴付けられたSAE−CDベースのドライパウダー製剤のDPI器具を用いた投与により、疾患または障害を治療する方法を提供する。
本発明の特定の実施態様には、以下のもの:
1)SAE−CDが式1の化合物またはその混合物である;2)ドライパウダー組成物がさらに抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ化剤、緩衝剤、溶解促進剤、浸透促進剤、電解質、芳香剤、グルコース、流動促進剤、安定剤、増量剤、凍結保護剤、可塑剤、着香料、甘味剤、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、またはそれらの組み合わせを含んでいる;3)SAE−CDが式2の化合物、またはその混合物である;
を含む。
これらおよび他の本発明の局面は、以下の詳細な説明、実施例、請求の範囲および添付した図面を参照して明らかになるであろう。
以下の図面は例示のためだけの目的で与えられるのであり、したがって本発明の範囲を限定する意図はない。
図1は、クロモリン(乳糖およびカプチゾール(R)磨砕型泡状物により製剤化)の微粒子画分のチャートで、用いた器具の圧降下差の関数として示している(乳糖の平均±SDと比較したカプチゾール(R)の平均±SD)。
図2は、クロモリンの放出用量のチャートで、図1の低圧および高圧の器具中の名目用量の画分(平均±SD)として示している。
本願で特許請求された製剤は、他の公知の吸入用ドライパウダー製剤の多くの望ましくない性質を克服する。SAE−CDを吸入可能なドライパウダー製剤に含ませることによって、粉末の物理化学的、化学的および形態学的特性を適合させることができる。
本願で用いる「磨砕する(attritting)」という表現は、粒子径を減少させるために固体を物理的に擦り減らすことを意味する。製薬企業で用いられるそうした方法はいずれも本発明の方法での使用に適している。磨砕方法は、例えば、それに限定されないが、微細化、ボール・ミリング、ジェット・ミリング、ハンマー・ミリング、ピン・ミリング、タンブリング、篩別、すり鉢と乳棒が含まれる。低および高エネルギーの両方法が使用できる。
ドライパウダー吸入可能DPI製剤は、吸入により投与するために適した治療薬を含有する。薬物は、単回投与または反復投与に十分な量で含有され、このことはこの製剤が単回または反復使用形態で包装できることを意味している。
本発明のドライパウダーはいかなる公知のDPI器具でも使用できる。例示的なものには、本願で列記されているもの、および他の多くの科学的文献および特許文献に記載されているものを含む。
本発明はSAE−CDベースの製剤を提供し、ここでSAE−CDは式1:
Figure 2007534693
〔式中:
nは、4、5又は6;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9 はそれぞれ独立して、-O-または-O-(C2-C6アルキレン)-SO3 -基であり、ここでR1からR9 の少なくとも1つは独立して-O-(C2-C6アルキレン)-SO3 -基であり、好ましくは-O-(CH2)mSO3 -基であり、ここでmは2から6、好ましくは2から4(例えば、-OCH2CH2CH2SO3 -または-OCH2CH2CH2CH2SO3 -)であり;そして
Sl、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8およびS9 はそれぞれ独立して、製薬的に受容できる陽イオンであり、例えば、H+、アルカリ金属(例えばLi+、Na+、K+)、アルカリ土類金属(例えば、Ca+2、Mg+2)、アンモニウムイオンおよびアミン陽イオン、例えば、(C1−C6)−アルキルアミン、ピペラジン、ピラジン、(C1−C6)−アルカノールアミンおよび(C4−C8)−シクロアルカノールアミンの陽イオンである〕。
の化合物である。
使用したSAE−CDは、Stella等に与えられた米国特許5,376,645および5,134,127で開示され、その全体の開示は参照によって本願明細書に組み込まれる。Parmerterに与えられた米国特許3,426,011 は、スルホアルキルエーテル置換基を有する陰イオン性シクロデキストリン誘導体を開示している。Lammers等(Recl. Trav. Chim. Pays-Bas (1972), 91(6), 733-742); Staerke (1971), 23(5), 167-171) およびQu等(J. Inclusion Phenom. Macro. Chem., (2002), 43, 213-221) は、スルホアルキルエーテル誘導体化シクロデキストリンを開示している。SAE−CDは、Stella等、Parmerter等、Lammers等またはQu等の開示に従って作成することができ、そして場合により、本発明にしたがって用いた非誘導体化親シクロデキストリンの大部分を除去するために精製される。
本願で用いられる「アルキレン」および「アルキル」という表現は(例えば、-O-(C2-C6-アルキレン)SO3 -基またはアルキルアミンにおいて)、それぞれ、線状、環状および分枝、飽和または不飽和(すなわち、1つの二重結合を含んでいる)の二価のアルキレン基および一価のアルキル基を含む。この明細書中での「アルカノール」という表現は、同様に、アルカノール基の線状、環状および分枝、飽和または不飽和のいずれもの、アルキル成分を含み、ここでヒドロキシ基はアルキル部分のどの位置で置換していてもよい。「シクロアルカノール」という表現には、非置換または置換された(例えばメチルまたはエチルによって)環状アルコールを含む。
本発明の一つの実施態様は、式1で記載された構造を有するシクロデキストリン誘導体の単一の型または混合物を含有する組成物であって、ここでこの組成物は、シクロデキストリンの1分子あたりの全体で、平均で少なくとも1個から3n+6個までのアルキルスルホン酸部分を含有する組成物を提供する。本発明はまた、単一の型のシクロデキストリン誘導体、または少なくとも50%の単一の型のシクロデキストリン誘導体を含む組成物を提供する。本発明はまた、狭くまたは広く、および高いまたは低い程度に置換されているシクロデキストリン誘導体を含有する製剤を含んでいる。これらの組み合わせは、特定の性質を有するシクロデキストリンを提供するために必要に応じ最適化できる。
例示的なSAE−CD誘導体には、それぞれ式1でn=5、5、5および6;m=4;そして、それぞれ平均4、7、11および5のスルホアルキルエーテル置換基が存在しているシクロデキストリン誘導体に対応する、SBE4−β−CD、SBE7−β−CD、SBE11−β−CD、およびSBE5−γ−CD、が含まれる。他の例示的なSAE−CD誘導体には、式SAEx−R−CD(式2)が含まれ、ここでSAEはスルホメチルエーテル(SME)、スルホエチルエーテル(SEE)、スルホプロピルエーテル(SPE)、スルホブチルエーテル(SBE)、スルホペンチルエーテル(SPtE)、またはスルホヘキシルエーテル(SHE)であり;x(平均または特定の置換度)が1〜18、1〜21、1〜24であり、ここでR(親シクロデキストリンの環状構造)はそれぞれα、βまたはγであり;そしてCDはシクロデキストリンである。
SAE−CDはポリアニオン性シクロデキストリンであるから、種々の塩形態を提供できる。好適な対イオンには、カチオン性有機原子または分子およびカチオン性無機原子または分子が含まれる。SAE−CDは、単一の型の対イオンを含んでもいいし、種々の対イオンの混合物を含んでもいい。SAE−CDの性質は、存在する対イオンの同一性を変えることによって修飾できる。例えば、SAE−CDの第一の塩形態は、異なった第二のSAE−CDの塩形態より大きな静電荷を持つことができる。カルシウムの塩形態は、ナトリウムの塩形態より大きな負の電荷を有することが判明した。同様に、第一の置換度を有するSAE−CDは、異なった置換度を有する第二のSAE−CDより大きな静電荷を持つことができる。
「複合体化した」という表現は、「〜との包接(clathrate)または包接(inclusion)複合体の部分であること」、すなわち、複合化した治療剤とはシクロデキストリン誘導体との包接(クラスレート)または包接(インクルージョン)の部分である。「主要部分」とは少なくとも約50質量%であることを意味している。したがって、本発明の製剤は、活性薬の約50質量%より多くがシクロデキストリンにより複合体化されていない、活性薬を含有する。複合体化している活性薬の実際の百分率は、用いた特定のシクロデキストリンおよび特定の活性薬剤により変動することになる。本発明はまた、活性薬のマイナー部分が誘導化シクロデキストリンにより複合化されている、実施態様を含む。さらにまた、実質的に全て(少なくとも90質量%、少なくとも95質量%、または少なくとも98質量%の)活性薬がSAE−CDにより複合体化されていない実施態様を含む。活性薬が全くSAE−CDにより複合体化されていない実施態様もまた含まれる。
本発明はまた、2またはそれ以上の異なった型のシクロデキストリン誘導体が組成物中に含有されている、シクロデキストリン誘導体の混合物を含む組成物を提供する。この異なった型とは、異なった型の官能基、例えばヒドロキシアルキルおよびスルホアルキルを有する誘導体化シクロデキストリンを意味するが、異なった置換度のために不均一な性質を有する誘導体化シクロデキストリンは意味しない。それぞれ独立した異なった型には、1またはそれ以上の官能基を含むことができ、例えば、シクロデキストリン環がスルホブチル官能基のみを有するSBE−CD、ならびにシクロデキストリン環がヒドロキシプロピル官能基およびエチル官能基の両方を有するヒドロキシプロピル−エチル−β−CDが挙げられる。存在するシクロデキストリン誘導体の各型の量は、所望の性質を有する混合物を提供するために、必要に応じて変更できる。
本発明によるSAE−CDと組み合わせて使用できる他のシクロデキストリン誘導体には、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル(2−および3−ヒドロキシプロピルを含む)およびジヒドロキシプロピルエーテル、それらの対応する混合型エーテル、およびメチルまたはエチル基とのさらなる混合型エーテル、例えば、α−、β−およびγ−シクロデキストリンのメチルヒドロキシエチル、エチル−ヒドロキシエチルおよびエチル−ヒドロキシプロピルエーテル;ならびに、1またはそれ以上の糖残基、例えばグルコシルまたはジグルコシル、マルトシルまたはジマルトシルを含んでもいい、α−、β−およびγ−シクロデキストリンのマルトシル、グルコシルおよびマルトトリオシル誘導体、同様にそれらの各種の混合物、例えばマルトシシルおよびジマルトシル誘導体の混合物;が含まれる。本発明で使用するための特定のシクロデキストリン誘導体には、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、およびジマルトシル−β−シクロデキストリン、ならびにそれらの混合物、例えばマルトシル−β−シクロデキストリン/ジマルトシル−β−シクロデキストリン、同様にメチル−β−シクロデキストリン、が含まれる。そうしたシクロデキストリン誘導体を製造するための方法は、例えば1991年6月18日付けのBodor の米国特許5,024,998、および本願明細書で引用した参考文献からよく知られている。
本発明の担体はまた、誘導体化シクロデキストリン(SAE−CD)および非誘導体化シクロデキストリンの組み合わせを含むことができる。
HP−β−CDは、リサーチ・ディアグノスティック・インク(フランダース、ニュージャージー州)から入手できる。例示的な製品には、ENCAPSINTM(置換度は約4;HP4−β−CD)およびMOLECUSOLTM(置換度は約8;HP8−β−CD)が含まれるが、他の置換度を含む実施態様もまた利用可能である。HPCDは非イオン性なので、塩形態では利用できない。
ジメチルシクロデキストリンは、フルカ・ケミー(ブーフ、スイス)またはワッカー(アイオワ州)から入手可能である。本発明に適した他の誘導体化シクロデキストリンには、水溶性誘導体化シクロデキストリンを含む。例示的な水溶性誘導体化シクロデキストリンには、カルボキシル化誘導体;硫酸化誘導体;アルキル化誘導体;ヒドロキシアルキル化誘導体;メチル化誘導体;ならびに、カルボキシ−β−シクロデキストリン、例えばスクシニル−β−シクロデキストリン(SCD)、および6A−アミノ−6A−デオキシ−N−(3−カルボキシプロピル)−β−シクロデキストリンが含まれる。これらの全ての物質は、先行技術で知られた方法により作成することができる。適する誘導体化シクロデキストリンは、Modified Cyclodextrins: Scaffolds and Templates for Supramolecular Chemistry(編Christopher J. Easton, Stephen F. Lincoln, Imperial College Press、ロンドン、英国、1999)およびNew Trends in Cyclodextrins and Derivatives (編Dominique Duchene, Editions de Sante、パリ、フランス、1991)で開示されている。
製剤の望ましい効果を提供するために必要な誘導体化シクロデキストリンの量は、製剤に含む物質によって変わるだろう。本発明の組成物で有用な担体の量は、それを必要とする患者へ送達しようとする場合に均一に分散させることができるように、活性薬が組成物全体に均一に分布するために寄与するような量である。活性薬が、望ましい有利な緩和または治癒効果を提供しながら、あまりに高い濃度から生じかねないいかなる副作用も最小化できるような濃度まで、活性薬を希釈することもまた寄与するはずである。したがって、高い生理学的活性を有する活性薬については、より多くの担体が必要とされるだろう。一方、より低い生理学的活性を有する活性薬については、より少ない量の担体が使用されることになる。一般に、組成物中の担体の量は、組成物全体の約50質量%と99.9質量%の間となる。
本発明の製剤はいかなるDPI器具でも投与できる。好適な器具には、例えば、それに制限されないが、アエロヘラーTM(ベーリンガー・インゲルハイム)、アエロリザーTM(ノバルテス)、クリックヘラーTM(インノバタ・バイオメド/MLラボラトリーズ・セルテック)、シクロヘラーTM(ファルマケミー)、ディスクヘラーTM(グラクソスミスクライン)、ディスカス/アキュヘラーTM(グラクソスミスクライン)、イージーヘラーTM(オリオン・ファーマ)、プルビナルTM(チエシ)、ロタヘイラーTM(グラクソスミスクライン)、スピンヘラーTM(アベンテス)、アキュ−ブレスTM(レスピリクス・インク)、ネクタールTMDPI(ネクタール・テラピューテクス)、スピロスTMDPI(デューラ・ファルマシューテカル・インク)、スキエヘラーTM(スキエファーマ)、またはオリエルTM粉末器具(オリエル・テラピューテクス・インク)、という商標の下に販売されている商業的に入手可能なものが含まれる。他の適切な器具はまだ販売されていないかもしれないが、科学的および/または特許文献に記載されている。
DPI器具は、気流に対する種々の比抵抗、RD、(cmH2O0.5/L/分)を有するフォーマットで入手可能であり、そして多くの場合、高値で0.2から0.12cmH2O0.5/L/分、中値で0.12〜0.07cmH2O0.5/L/分、および低値で0.07〜0.03cmH2O0.5/L/分の圧降下の器具に分類される。ロタヘイラー(グラクソスミスクライン)、スピンヘラー(ローヌ・プーラン・ローラ)、ディスカス、およびアエロリザーは低い抵抗を有し、ならびにディスクヘラー(グラクソスミスクライン)は中位の抵抗を有し;一方、インヘレター、クリックヘラー、ターブヘラー、イージーヘラー(オリオン・ファーマ)およびツイストヘイラー(シェリング・プラウ)は全て高い抵抗を有している、として分類される。
先行技術の製剤は一般に数種類の異なったDPI器具だけで使用するのに適している。例えば、特定の乳糖含有製剤は高い圧降下器具での使用に適しているかもしれないが、この製剤は低い圧降下器具での使用には適していないはずである。種々の圧降下を有する範囲のDPI器具に対する本発明の製剤の適切性を決めるために、研究を行った。各々クロモリンナトリウムを有する乳糖またはSAE−CDを含む製剤を、特定の方法により作成した。製剤の性能は、低い抵抗(0.065cmH2O0.5/L/分)および高い抵抗(0.18cmH2O0.5/L/分)の器具で評価した。本願明細書に記載した製剤は、そうした器具のどれの使用にも適している。SAE−CD含有製剤は、80〜90%の範囲の放出用量で25%の微粒子画分を送達することにより、ディスクヘラーおよびインヘレター(ハンディヘラー)器具に相当する、低い(60L/分で15.2g/cm2)及び高い(60L/分で54.4g/cm2)圧降下での送達に適していることが判明した。対照的に、乳糖含有製剤は、高い圧降下でのSAE−CDに実質的に相当し、圧降下依存性であったが、しかし低い圧降下ではわずかに15%のFPFと70%の放出用量の送達であった。したがって、本発明の製剤は、実質的に圧降下に依存しない様式で、DPI器具で使用することが可能である。
呼吸管、特に肺への投与について、DPI器具は、集合体のほとんどの部分が個別の粒子に解離して、それによりSAE−CD担体の大部分は口腔または咽頭腔に保持され、そして活性薬の大部分は気管または呼吸管のより深部へと送達されるように、適切な径としたSAE−CDおよび活性薬剤の粒子の集合体を送達するために使用される。
一般に、担体粒子の粒子径を減少させることはSAE−CDからの活性薬の分散に正の影響を与える。以下の分散試験に記述されているように、より小さい担体粒子からの微粒子画分(ツイン・ステージ・インピンジャー中でのステージ2の沈着)はより大きな粒子のものより高値である。粒子径の差異は、使用したSAE−CDバッチの表面領域によって決められ:表面領域がより大きければ大きいほど、粒子径はより小さくなる。大きな担体サイズでの流動化(ステージ1+2沈着)の増大が、SAE−CDスプレー凝集化粉末(175〜270μmのメディアン径)を用いた場合に観察されたが、しかしこのことは微粒子画分を改善しなかった。反対に、担体粒子径の減少は流動特性に負の影響を与えた。
中間型の分散粉末(粒子径の意味で)は、最適の流動および分散特性を有しているようにみえる;とはいえ、分散度は、第3成分配合混合物に似て粒子間相互作用の減少を助ける場合がある。中間的な大きさの担体粒子は、薬物と担体粒子との直接相互作用を妨害するかまたは減少させることが期待できる。したがって、単分散粉末は通常、担体表面の結合部位で、多分散粉末より低い飽和を示す。しかし、多分散粉末はまた担体系の流動および分散特性に負の影響を与える場合がある。より小さい粒子のより大きい粒子中への挿入(intercalation)は、粉末内の有効接触領域および粒子間相互作用を増加させることになる。したがって、担体粉末の多分散性はそれらの競合する影響間で平衡している。
典型的には、粒子のメディアン径は約0.1から10ミクロン、または約0.5から約6.4ミクロンの間である。粒子を呼吸管のより下位の領域、すなわち肺胞および気管支末端に到達させることが望ましい場合は、好ましい粒子のメディアン径のサイズ範囲は、約0.5と約2.5ミクロンの間である。粒子を呼吸管のより上位の領域に到達させることが望ましい場合は、好ましい粒子のメディアン径のサイズ範囲は、2.5と10ミクロンの間である。
一つの実施態様において、担体粒子のメディアン径は50と1000ミクロンにあり、または担体粒子のメディアン径は355ミクロン未満で60と250ミクロンの間、もしくは90と250ミクロンの間にある。担体粒子の相対的に大きな直径は、良好な流動および飛沫同伴特性、ならびに活性粒子の下位肺での沈着を増加させるための活性粒子の気道での改善した放出を与えるために、上記の技術により制御される担体粒子へ活性粒子が付着するようにする機会を改善する。
スパン(粒子径分布の広がり)(比=(90番目の百分位数の粒子径−10番目の百分位数の粒子径)/粒子のメディアン径、で定義される)もまた担体の性能に影響を与える。広い、中間的な、および狭い粒子径の分布を有するSAE−CDは、本発明で使用できる。特定の実施態様では広がりが約1.5と2.9のものを含んでいる。
粒子径は分布として存在しているので、この分布は単一モード、二モードまたは多モードであることができる。
粉末流動および分散特性への粒子形態の影響は、多面的である。一般に、スフェア、または高度の回転対称性を有する粒子は、良好な流動性および分散特性にとって、不規則な形状より好ましい。しかし、球状粒子は多分散性粉末が用いられた場合に流動を制限する粒子間力を増大させる可能性がある。
粒子−粒子間相互拘束および粗い(非平滑)粒子で生じる摩擦力の増加のために、平滑な表面を有する粒子は、一般に粗い表面の粒子より好ましい。しかし、表面の隆起(突起物)が適切な寸法である場合は、粒子間の分離距離の増加が、減少した粒子間力および改善された流動に導くことができる。隆起が薬物粒子径よりずっと大きい場合は活性薬の捕捉が起こり、それによりDPI器具を用いた投与間に担体から活性薬の分散を減少させる場合がある。
SAE−CD粒子の形態学はそれらの製造方法によって決めることができる。平滑(実質的に平滑)表面粒子は、スプレードライ、液体または泡状物の凍結乾燥により製造することができる。粗いまたは実質的にへこんだ表面の粒子は、スプレー凝集化によって製造できる。
Figure 2007534693
一般に、より粗いSAE−CD粒子は、意外にも、DPI器具で増大した粉末流動を与える。
以下の実施例のように、分散特性について試験した各システム(すなわち、薬物−器具および飛沫同伴チューブ試験)内で、球形度および粒子径分布を高め、増大させることは、微粒子画分(液体インピンジャーのステージ2の沈着)を減少させた。しかし、球形度の上昇はまたその器具およびスロートでの薬物の沈着を減少させ、このことは球形度が担体粒子の飛沫同伴に、担体表面からの薬物の解離に影響する程度までには、影響をおよぼさないことを示している。このことは、粉末が、個々の粒子径の機能というよりはむしろ大きな凝集体を介して飛沫同伴したことを示している。したがって、ステージ1の沈着は、担体粒子がより球形になりそして広く分布するにつれて、増加した。以下の2つの分散試験から、泡状物由来のSAE−CD担体が、他の特定の方法により作成されたSAE−CD担体に比べて改善された性能を与えた。
SAE−CD含有粒子は、個別の(集合体でも凝集体でもないが、なお複数体であるもの)粒子、集合体および凝集体として提供できる。個別の粒子はスプレードライにより製造できる。集合化粒子はスプレードライにより製造できる。凝集化粒子はスプレー凝集、スプレードライまたは泡状物の凍結乾燥により製造できる。
SAE−CD固形物のバルク流動およびミクロ流動特性は、以下の実施例にしたがって得られた。Carrの指数は10〜40%圧縮性の範囲であった。静的安息角は28〜45度の範囲であった。ミクロ流動特性は、フラクタル次元分析で約1.00〜1.31であり、好ましい実施態様では約1.0〜1.2を有していた。
SAE−CD担体の含水量は製造方法に依存して変更できる。約3質量%、6質量%、8質量%または10質量%未満の含水量を有するバッチを製造した。
SAE−CDは、通常、負の静電荷を有するポリアニオン性物質である。本願で記載されたように、物質を処理して平衡化した場合、SAE−CD担体の静電荷は、通常、約−1.4から−3.7、2から−3.7、または2から−2nC/g(nCはナノクーロンと定義される)である。制御された環境下で平衡化する前に、SAE−CD担体はなおより大きな負電荷の状態で得ることができる。平衡化環境下で水分量を増加させることにより、SAE−CD担体の負電荷を必要に応じて調整することができる。
混合物(活性薬剤およびSAE−CD担体を含んでいる)の静電荷は、とりわけ、個別成分の静電荷によって変動するだろう。以下の表はいくつかの混合物の静電荷を示している。
Figure 2007534693
上記は、対応する薬物の静電荷を考慮して理解されるべきであり、そのデータは下の表にまとめている。
Figure 2007534693
上の表は、SAE−CDの示唆される静電荷および活性薬の対応する静電荷に関する凡その操作範囲を示している。言葉を変えると、この表は特定の静電荷を有する活性薬が、特定の静電荷を有するSAE−CD担体と好ましく製剤化されるように理解されるべきである。例えば、高度に負電荷または中程度に負電荷の薬物は、好ましくは中性から低度の負の静電荷を有するSAE−CD担体とともに、ドライパウダーDPI器具の中で製剤化される。上記および本願中で議論された他の局面を考慮すれば、SAE−CDは、静電荷が異なる全範囲の薬物に適したドライパウダー担体として役立たせることができると理解されるべきである。
以下の実施例による、カプチゾール(R)および乳糖混合物からのアルブテロールの分散試験は、担体系への静電荷の顕著な影響を示している。動的静電荷測定により、微細化アルブテロールが大きな正電荷を担っていることを示された。担体粒子としてのカプチゾール(R)と乳糖の間の比較により、乳糖系(中性の電荷)が、カプチゾール(R)系(中程度から強い負電荷)より効率的に微細化薬物をステージ2(微粒子)に送達することが示された。したがって、特定の機構に拘束されることなく、アルブテロールをモデル薬物系として用いた場合、SAE−CD担体粒子が乳糖より大きな薬物付着を示すことが自明のことと考えられた。最小の負電荷を有するSAE−CD粉末(泡状物から誘導された)がアルブテロールの最大のステージ2沈着を示した。
担体粒子の電荷を、アルブテロールとクロモリンについての飛沫同伴チューブからの分散性能と比較した。電荷が中性の担体粒子は、飛沫同伴チューブ中での顕著に大きい薬物(アルブテロールまたはクロモリン)の保持をもたらした。類似の相関性がスロート沈着について得られた。さらに、ステージ1沈着は、担体の負電荷を増加させるとより大きいパーセントの薬物がこのステージに送達されるという、逆相関を示した。ステージ2への薬物分散と静電荷との間の相関性はより小さかった。アルブテロールのステージ2の沈着はまた担体の静電荷に関連していた。しかし、クロモリン(小さな負電荷)のステージ2沈着は、静電荷による依存性が小さいように見えた。
したがって、担体粒子およびモデル薬物の電荷の極性および強度は、ドライパウダー製剤の性能に顕著に影響する。アルブテロール(大きな正電荷)、クロモリンナトリウム(電荷的に中性)、およびフルオレセイン(中程度の負電荷)は、乳糖(電荷的に中性、小さいサイズ)、または泡状物から誘導されたSAE−CD(中程度の負電荷、小さいサイズ)のいずれかを用いて、スプレードライまたはスプレー凝集SAE−CD担体と比較して、より容易に分散した。
静電荷および形態的特性は、泡状物から誘導されたSAE−CD担体で観察された良好な分散性に関連する要因である。これらの粉末粒子は、平滑で角のある表面を有し、そして一般に、小さな伸長形の粒子と最小限に集合している。相対的に低い静電荷および小さいサイズと一緒になって、液体インピンジャーのステージ2への分散は、他のSAE−CDを基にした担体系に比べて顕著に大きかった。
SAE−CD(大きい負電荷、大きなサイズ)はアルブテロールを良好に流動化し(飛沫同伴チューブ実験)、そして、高抵抗(高い乱流)吸入器具(インヘレターTM)を用いた場合、その薬物を良好に分散した。担体とアルブテロール間の高い粒子間力は、インヘレターを用いて克服できる。このことはSAE−CD粉末(サイズおよび形態により)の流動化が、肺送達のための適切な器具の選択により最大化できることを示している。
担体と微細化薬物粒子の混合は、系の静電荷に影響を及ぼすことができる。混合は、摩擦充電を誘導し、そして静電荷を増加できる。担体粒子表面への薬物粒子の付着は、電荷遮蔽および系の静電荷の減少をもたらすことができる。上記の粉末混合物の静電荷が測定され、そしてそれらの結果と液体インピンジャー研究で観察された分散性能との関連付ける試みが為された。混合物の静電荷の増加が、飛沫同伴チューブから粉末製剤の分散への有益な効果をもたらす。混合物の電荷の増加は、器具およびスロートの沈着の減少と相関し、一方、ステージ1の沈着は増加する。混合物の静電荷の差異は、薬物と担体粒子間の付着の差異からもたらされる可能性がある。正に荷電した混合物は、静電荷測定の間に担体粒子から離脱した(すなわち、粉末流動の間)よりゆるく結合した微細化薬物粒子からもたらされる場合がある。さらに、混合物の正電荷は、混合物中の遊離の微細化薬物粒子を表すことができる。これはSAE−CD担体上の結合部位の飽和から生じる場合がある。この場合、測定された正味の静電荷は、微細化された薬物粒子により支配されるだろう(すなわち、アルブテロールが正電荷を担っている)。反対に、負の静電荷を有する混合物は、担体−薬物付着が支配的な系を表すことができる。したがって、それらの場合に、混合物の電荷は、粉末分散特性の有用な予測要因である。
飛沫同伴チューブ中での、泡状物から誘導した、SAE−CDの良好な分散性能の結果として、完全な分散研究が、8段ノンバイアブル(non-viable)カスケード・インパクター中で、クロモリンナトリウムをモデル薬物として使用し、乳糖と比較して、実施された。インヘレターTM器具を最大の乱流を与えるために用いた。この結果は、この系において、乳糖とSAE−CDの分散特性は、高い圧降下で同等であった。しかし、泡状物から誘導したSAE−CDの性能は、圧降下に依存していないようである(図1)。その性能は異なった器具で一定している(FPF平均は統計的に差異がない)。反対に、乳糖の分散性能は、器具の特性に大きく影響されているようにみえる(P=0.005)。FPFの可変性もまた乳糖の製剤ではより大きいようにみえる(図2)(低圧器具の変動に関してP=0.027、高圧器具の変動についての有意な差異はない)。乳糖とSAE−CD泡状物に関する放出用量の可変性には有意な差異は存在しなかった。
DPI投与のためのドライパウダー担体としての性能に与えるSAE−CDの物理化学的および形態的性質の影響の全体的な評価を行った。
アルブテロール
モデル薬物のアルブテロールおよび購入可能なカプチゾール(R)を使用した。アルブテロールは、呼吸の送達のために微細化した場合は、大きく正に荷電した粉末である。これは、吸入用に調製された微細化薬物についての典型的な粒子径およい形態的特性を有している(サイズは1〜5μm、主に結晶構造)。SAE−CDの性質はアルブテロールのものと適合しており、そして以下の結果が得られた。
サイズ選択:
一般に、担体粒子の粒子径の減少は、分散特性に正の影響を与える。反対に、担体粒子径の減少は、流動性に負の影響を与える。したがって、流動性能と分散特性をバランスさせた中間的な粒子径がDPI製剤では有用である。乳糖と泡状物から誘導したSAE−CDはそれらの特性を明らかに示す。薬物および担体の性状に依存する、分散のための粒子の最適メジアン径は、評価したアルブテロールおよびSAE−CDの特定の形状については、約47と125μmの間であってよい。
多分散性選択:
粒子径分布はまた粉末流動および分散に影響を及ぼす。中間的に分散した粉末は、最適の流動および分散特性を持つことができる。ある程度の分散性は、第3成分配合混合物と同様、粒子間相互作用を減少させるのに役立つ。中間的なサイズの担体粒子は、薬物と担体粒子との直接的な相互作用を妨げまたは減少させることができる。したがって、単分散性粉末は、多分散性粉末より、担体表面結合部位のより低い飽和を示す。しかし、多分散性粉末は担体系の流動および分散特性に負の影響を与えることができる。より大きい粒子内へのより小さい粒子の挿入(intercalation)は、有効接触領域およびその粉末内の粒子間相互作用を増加させるようになる。したがって、担体粉末の多分散性はそれらの競合する影響間でバランスを保っている。一般に、担体粒子の粒子径分布は、最適な分散に関して、適度の分散性を有すべきであり、すなわち、粒子径の広がりは1.5から2.9の間であるべきである。
形態的選択:
粒子の形状の粉末流動および分散特性に与える影響は多面的である。当該分野では、良好な流動および分散特性のためには、スフェアまたは高い回転対称度を有する粒子が、不規則な形状より好ましい。しかし、SAE−CD球形粒子は、多分散性粉末が用いられた場合に、流動を制限する粒子間力を増大させる可能性がある。当該分野において、および本発明から、平滑な粒子が一般に、粗い粒子よりは、粒子間の相互拘束および摩擦力の増加のために、好ましい。しかし、表面の隆起が適切な寸法内であるときには、粒子間の分離距離の拡大は、粒子間力の減少および改善した流動を導くことができる。このことは、泡状物誘導のカプチゾール(R)よりは、スプレーで凝集したカプチゾール(R)を用いて達成される。もし隆起が薬物粒子径よりずっと大きい場合は、取り込みが起こり分散を減少させることがある。したがって、泡状物から誘導されたSAE−CDの平滑で不規則な(すなわち、平面的または幾何学的ではない)形態が、他の方法で調製したSAE−CDと比べて、望ましい。
電荷の選択:
静電力は一般に粒子間力を増加させそして投与時の薬物分散を減少させる。泡状物から誘導したSAE−CDは、他の方法で調製したSAE−CDよりは相対的に低い静電荷を有し、その結果SAE−CDのその特定の形態を用いたアルブテロールで、顕著に高い薬物分散性能を達成することができる。静電荷は、担体および薬物系の、含水量(含水量を増加すれば静電荷は減少する)、粒子径(粒子径を減少すれば、通常、静電荷は増加する)、表面領域(表面領域を増大すれば電荷が増加する)、および他の物理化学的性質(結晶度およびエネルギー投入のような)の関数であることが知られている。高い正荷電の粒子である、アルブテロールに関しては、担体の荷電は中性に近づけるべきである。このことは、本願で記載された方法にしたがってSAE−CDを調製することによって達成される。
クロモリン
SAE−CD担体の物理化学的および形態的特性は、他の薬物のものと同様に適合させることができる。吸入用の微細化クロモリンナトリウムは、わずかに負の静電荷特性を有している(−1から−1.7nC/g)。その他、これは吸入用に調製された微細化薬物についての典型的な粒子径および形態的特性を有している(サイズは1〜5μm、主に結晶構造)。
サイズおよび多分散性の選択:
ドライパウダー吸入器システムの開発のための適切な担体粒子径および径分布(多分散性)の選択は、上記のアルブテロールで論じたものと同じ指針に従う。中間的な粒子径(47と125μmの間)および分布(粒子径の広がりは1.5から2.9の間であるべきである)特性が望ましい。さらに、担体粒子のために適した形態的特徴は、上記のアルブテロールのために記載したものと実質的に同じであり;平滑で、不規則な表面(乾燥化泡状物から調製されたSAE−CD担体でみられる性質)である。
電荷の選択:
乾燥泡状物から誘導されるSAE−CDは相対的により低い電荷特性を有し、他のSAE−CD担体システム、例えばスプレー・ドライまたはスプレー凝集によるものと比べて、クロモリンナトリウムと共に、そのより顕著に高い薬物分散性能を導くことができる。しかしながら、乾燥泡状物から誘導されるSAE−CDを用いることによって、製剤が相対的に中性である乳糖よりも優れるというさらなる利点も得られた。少し負に荷電した薬物粒子と低く負に荷電したSAE−CD担体粒子とを合致させることによって、流動非依存性のドライパウダーシステムが得られた。すなわち、微粒子用量はドライパウダー製剤を分散させるために用いる圧降下には依存していなかった。このことは全く予期されていなかったことであり、そしてSAE−CDを用いてのみ達成でき乳糖では達成できない、物理化学的および形態学的な特性の所望の組み合わせの直接の結果である。
したがって、SAE−CDの粒子のメディアン径、径分布、形態学および静電荷の特性は、当該分野の製剤技術者に提供された広範な種類の微細化した薬物の特性に適合するように容易に修飾される。SAE−CDのイオン的性質は、SAE−CDの製造方法および化学構造に依存する、様々な程度の静電荷のドライパウダー担体の製造を容易にする。したがって、担体としてのその使用の観点において、他のシクロデキストリン誘導体および乳糖よりも優れる本発明の鍵となる利点は、技術者にSAE−CDの物理化学的な特性を薬物の特性に合致できるように調節し、それによりDPIによる投与に適した最適のドライパウダー製剤を取得することを可能にさせたことである。
ドライパウダーの投与により行われる吸入療法のための薬物は、数ミクロンという粒子径によって特徴付けられる。粒子径は、気流中でサスペンジョンとして運搬される(エアロゾル化)粒子の性能を表す空気力学的径として知られている、特徴的な球形粒子相当径を測定することにより定量化される。一般に、10ミクロン未満または6.4ミクロン未満の空気力学的径を有する粒子は呼吸可能(respirable)、すなわち肺の中に浸透できるとされる。
本発明の投与剤形は、DPI器具で投与した場合に、吸入により広範囲の活性薬を投与するために用いることができる。活性薬は気管支内(肺内、気管内、肺胞内)投与に適している。
本発明で有用なコルチコステロイドは一般に副腎皮質によって産生される、糖質コルチコステロイドおよび鉱質コルチコステロイドを含む、全てのステロイド、ならびに抗炎症作用を有する天然由来のコルチコステロイドの合成類似体および誘導体を含む。好適な合成類似体には、プロドラッグ、エステル誘導体を含む。本発明の組成物において使用できるコルチコステロイドの例は、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブトキシカート、ブデソニド、シクレソニド(アルタナ・ファーマAG)、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチン・ブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、ロテプレドノール、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR106541、チキソコルトール、トリアムシノロン、およびそれらのそれぞれの製薬的に受容できる誘導体、例えばジプロピオン酸ベクロメタゾン、モノプロピオン酸ベクロメタゾン、21−イソニコチン酸デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、エンブト酸イコメタゾン、21−ピバル酸チキソコルトール、およびトリアムシノロンアセトニドである。特に好ましいのは、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸モメタゾン、およびトリアムシノロンアセトニドである。
本発明に従って用いることのできる他の特定の活性薬には、イセケオン酸ペンタミジン、硫酸アルブテロール、硫酸メタプロテレノール、フルニソリド、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、酒石酸エルゴタミン、レバルブテロール、テルブタリン、レプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、ホルモテロール、フェノテロール、クレンブテロール、バンブテロール、トルブテロール、ブロキサテロール、エピネフリン、イソプレナリンもしくはヘキソプレナリン、抗コリン剤、例えばチオトロピウム、イプラトロピウム、オキシトロピウムもしくはグリコピロニウム;ロイコトリエンアンタゴニスト、例えばアンドラスト、イラルカスト、プランルカスト、イミトロダスト、セラトロダスト、ジレウトン、ザフィルルカストもしくはモンテルカスト;ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えばフィラミナストもしくはピクラミラスト;paf阻害剤、例えばアパファント、ホラパファントもしくはイスラパファント;カリウムチャネルオープナー、例えばアミロリドもしくはフロセミド;鎮痛剤、例えばモルヒネ、フェンタニル、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ペチジン、チリジン、メタドンもしくはヘロイン;抗インポテンツ剤(potency agent)、例えばシルデナフィル、アルプロスタジルもしくはフェントラミン;ペプチドもしくはタンパク質、例えばインスリン、エリスロポイエチン、性腺刺激ホルモンもしくはバソプレッシン;カルシトニン、IX因子、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、成長ホルモン、ヘパリン、ヘパリン(低分子量)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン−2、黄体形成ホルモン放出ホルモン、ソマトスタチン類似体、アミリン、毛様体神経栄養因子、成長ホルモン放出因子、インスリン様成長因子、インスリノトロピン、インターロイキン−1受容体アンタゴニスト、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−6、マクロファージコロニー刺激因子(m-csf)、神経成長因子、副甲状腺ホルモン、チモシンα1、IIb/IIIa阻害剤、α−1アンチトリプシン、抗rsv抗体、嚢胞性線維症膜貫通レギュレーター(cftr)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(dnase)、殺菌性/浸透性(ards)、亢進性タンパク質抗cmv抗体、インターロイキン−1受容体、またはそれらの化合物の製薬的に受容可能な誘導体もしくは塩、が含まれる。
ドライパウダーの単位用量の質量は、存在する活性成分、その治療的活性、その毒性学的プロフィール、ドライパウダー中に存在する量、および他の当業者に知られた要因によって変化することになる。一般に、活性薬は、ドライパウダー製剤の約0.1質量%から約50質量%存在し、残りはバランスの担体および場合により1またはそれ以上の他の物質である。担体はSAE−CDおよび場合により1またはそれ以上の他の物質を含んでいる。
気管支炎症の治療のために、コルチコステロイドは好ましくは、ジプロピロン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸モメタゾン、またはトリアミシノロンアセトニド、のいずれかであり、本願で記述された濃度で製剤化される。コルチコステロイドの一日用量は、医療用医薬品情報集(Physician's Desk Reference)に従い、薬物および疾患に依存するが、一般に約0.05から10mgである。
活性薬は、中性、イオン性、塩、塩基性、酸性、天然型、合成、ジアステレオマー、エピマー、異性体、鏡像異性的に純粋、ラセミ体、溶媒和物、水和物、キレート、誘導体、類似体、エステル化、非エステル化、または他の一般的な形態で存在することができる。本願中で名前が挙げられたいかなる活性薬であっても、そうした全ての入手可能な形態が含まれる。
本発明の製剤は2またはそれ以上の異なった活性薬を送達するために使用できる。活性薬の特定の組み合わせが本発明の製剤により提供できる。活性薬のいくつかの組み合わせは:1)第一の治療的分類からの第一の薬物および同じ治療的分類からの異なった第二の薬物;2)第一の治療的分類からの第一の薬物および異なった治療的分類からの異なった第二の薬物;3)第一の型の生物学的活性を有する第一の薬物および同じ型の生物学的活性を有する異なった第二の薬物;4)第一の型の生物学的活性を有する第一の薬物および異なった第二の型の生物学的活性を有する異なった第二の薬物、を含んでいる。活性薬の例示的な組み合わせは本願に記載されている。
コルチコステロイド、例えばブデソニド、は1またはそれ以上の他の薬物と組み合わせて投与することができる。そうした他の薬物には:β2アドレナリン受容体アゴニスト、D2受容体アゴニスト、抗コリン作用剤が含まれる。
本願で提供された組成物と共に組み合わせて使用するβ2−アドレナリン受容体アゴニストには、それに限定されないが、アルブテロール(α1−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジメタノール);バンブテロール(ジメチルカルバミン酸5−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,3−フェニレンエステル);ビトルテロール(4−メチル安息香酸4−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,2−フェニレンエステル);ブロキサテロール(3−ブロモ−α−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−5−イソオキサゾールメタノール);イソプロテレノール(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル−)アミノ)エチル)−1,2−ベンゼン−ジオール);トリメトキノール(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−((3,4,5−トリメトキシフェニル)−メチル)−6,7−イソキノリンジオール);クレンブテロール(4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);フェノテロール(5−(1−ヒドロキシ−2−((2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,3−ベンゼンジオール);ホルモテロール(2−ヒドロキシ−5−((1RS)−2−(p−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)ホルムアニリド);(R,R)−ホルモテロール;デスホルモテロール((R,R)または(S,S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−(((2−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−エチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);ヘキソプレナリン(4,4'−(1,6−ヘキサン−ジイル)−ビス(イミノ(1−ヒドロキシ−2,1−エタンジイル)))ビス−1,2−ベンゼンジオール);イソエタリン(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)ブチル)−1,2−ベンゼンジオール);イソプレナリン(4−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,2−ベンゼンジオール);メタ−プロテレノール(5−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)エチル)−1,3−ベンゼンジオール);ピクメテロール(4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−(((6−(2−(2−ピリジニル)エトキシ)ヘキシル)−アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);ピルブテロール(α6−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ピリジンメタノール);プロカテロール(((R*,S*)−(±)−8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−((1−メチルエチル)アミノ)ブチル)−2(1H)−キノリン−オン);レプロテロール((7−(3−((2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロピル)−3,7−ジヒドロ−1,3−ジメチル−1H−プリン−2,6−ジオン);リミテロール(4−(ヒドロキシ−2−ピペリジニルメチル)−1,2−ベンゼンジオール);サルブタモール((±)−α1−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジメタノール);(R)−サルブタモ−ル;サルメテロール((±)−4−ヒドロキシ−α1−(((6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル)アミノ)メチル)−1,3−ベンゼンジメタノール);(R)−サルメテロール;テルブタリン(5−(2−((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−1−ヒドロキシエチル)−1,3−ベンゼンジオール);トルブテロール(2−クロロ−α−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)メチル)ベンゼンメタノール);およびTA−2005(8−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−(N−((1R)−2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)カルボスチリル塩酸塩)が含まれる。
ドーパミン(D2)受容体アゴニストには、それに限定されないが、アポモルヒネ((r)−5,6,6a,7−テトラヒドロ−6−メチル−4H−ジベンゾ[de、g]キノリン−10,11−ジオール);ブロモクリプチン((5'−α)−2−ブロモ−12'−ヒドロキシ−2'−(1−メチルエチル)−5'−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3',6',18−トリオン);カベルゴリン((8β)−N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N−((エチルアミノ)カルボニル)−6−(2−プロペニル)エルゴリン−8−カルボキサミド);リスリド(N'−((8−α−)−9,10−ジデヒドロ−6−メチルエルゴリン−8−イル)−N,N−ジエチル尿素);ペルゴリド((8−β−)−8−((メチルチオ)メチル)−6−プロピルエルゴリン);レボドパ(3−ヒドロキシ−L−チロシン);プラミペキソール((s)−4,5,6,7−テトラヒドロ−N6−プロピル−2,6−ベンゾチアゾールジアミン);塩酸キンピロール(トランス−(−)−4aR−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−5−プロピル−1H−ピラゾロ[3,4−g]キノリン塩酸塩);ロピニロール(4−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン);およびタリペキソール(5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(2−プロペニル)−4H−チアゾロ[4,5−d]アゼピン−2−アミン)、が含まれる。本願で使用するための他のドーパミンD2受容体アゴニストは国際公開WO 99/36095に開示されている。
本願で用いるための抗コリン作用剤には、それに限定されないが、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナ抽出物、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、ホマトロピンメトブロミド、ヒヨスチアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、塩化ベンザルコニウム、臭化チオトロピウムおよび臭化グリコピロニウムが含まれる。ある実施態様では、組成物は、臭化イプラトロピウムまたは臭化チオトロピウムのような、抗コリン作用剤を、約5μg/mL 〜約5mg/mL、または約50μg/mLから約200μg/mLの濃度で含んでいる。他の実施態様では、本願の方法で用いるための組成物は、臭化イプラトロピウムまたは臭化チオトロピウムのような、抗コリン作用剤を、約83μg/mL 又は約167μg/mLの濃度で含んでいる。
組み合わせ治療において、本願で使用するための他の活性成分には、それに限定されないが、IL−5阻害剤、例えば米国特許第5,668,110、5,683,983、5,677,280および5,654,276で開示されたもの;IL−5のアンチセンス調節剤、例えば米国特許第6,136,603で開示されたもの;ミルリノン(1,6−ジヒドロ−2−メチル−6−オキソ−[3,4'−ビピリジン]−5−カルボニトリル);乳酸ミルリノン;トリプターゼ阻害剤、例えば米国特許第5,525,623で開示されたもの;タキキニン受容体アンタゴニスト、例えば米国特許第5,691,336、5,877,191、5,929,094、5,750,549および5,780,467で開示されたもの;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、例えばモンテルカストナトリウム(シングレアTM(SingulairTM)、[R−(E)]−1−[[[1−[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル]フェニル]−3−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル]チオ]メチル]シクロプロパン酢酸、モノナトリウム塩);5−リポキシゲナーゼ阻害剤、例えばジレウトン(zileuton)(ジフロTM(ZyfloTM)、アボット・ラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州)、および抗IgE抗体、例えばゾレアTM(XolairTM)(組換えヒト化抗IgGモノクローナル抗体(CGP51901;IGE025A;rhuMab−E25)、ジェネンテック・インク、サウスサンフランシスコ、カリフォルニア州)、が含まれる。
本発明は、気管支収縮性障害の1またはそれ以上の症状を治療し、予防し、または改善するための方法を含む。この方法はさらに1またはそれ以上の以下の(a)、(b)、(c)または(d)を、本発明で提供された組成物と同時に、その前に、またはその後に投与することを含んでいる:(a)β2−アドレナリン受容体アゴニスト;(b)ドーパミン(D2)受容体アゴニスト;(c)予防用治療剤、例えばステロイド;または抗コリン作用剤。
治療しようとする、予防しようとする、または1またはそれ以上の症状を改善しようとする、気管支収縮性障害は、喘息に関連しており、限定はされないが、それには、気管支喘息、アレルギー性喘息および内因性喘息、例えば遅発型喘息および気道過敏症が含まれ;そして、抗コリン作用剤が用いられる実施態様では特に、他の慢性閉塞性肺疾患(COPD)、例えば、限定はされないが、慢性気管支炎、気腫、および関連する肺高血圧、右心室肥大および右心性不全を伴った肺性心(肺および呼吸器系の疾患から二次的に生じる心疾患)が含まれる。COPDはしばしば喫煙、感染症、環境汚染および職業的粉塵曝露に関連している。
本発明のDPI器具を介して活性薬剤の単位用量を投与して治療できる他の障害および疾患には、骨粗鬆症予防、ページェット病、高カルシウム血症、貧血、血友病、好中球減少症、骨髄移植不全、小人症、腎不全、血液凝固、I型およびII型糖尿病、B型およびC型肝炎、毛様細胞性白血病、カポジ肉腫、多発性硬化症、慢性肉芽腫症、腎癌、前立腺癌、子宮内膜症、消化器癌、尿崩症、夜尿症、ルー・ゲーリック病、骨粗鬆症、栄養補給、関節リウマチ、化学療法の補助、免疫不全疾患、血小板減少症、真菌性疾患、癌、高コレステロール血症、末梢神経障害、難治性下痢、不安定狭心症、嚢胞性線維症、呼吸器合胞体ウイルス、慢性気管支炎、喘息、成人性呼吸窮迫症候群、サイトメガロウイルス、ニューモシスティス・カリニ肺炎、気管支けいれん、気管支性喘息、または片頭痛が含まれる。
SAE−CDは本発明のドライパウダー製剤において単独の担体であってもいいが、さらなるその性能の改良のために他の担体を製剤中に加えることも可能である。そうした他の担体には、乳糖(DPI投与に適した公知のあらゆる形態で)、ならびに、単独または組み合わせのいずれかで、吸入治療で有用な賦形剤として当該分野で知られているあらゆる標準的な糖質およびアミノ酸担体が含まれる。そうした賦形剤は通常相対的に自由に流動する固体粒子であり、水との接触により肥厚化したり重合化したりせず、分散粉末として吸入された場合にも毒性学的に無害であり、そして活性薬とは、薬物の望ましい生理的作用に悪い影響を与えるような様式では有意な相互作用はしない。これに関して特に有用な糖質担体には、単糖および多糖類が含まれる。代表的な単糖類には、デキストロース(無水および一水和物;グルコースおよびグルコース一水和物とも呼ばれる)、ガラクトース、マンニトール、D−マンノース、ソルビトール、ソルボース等のような糖質賦形剤が含まれる。単糖類は公に容易に入手可能であり:例えば、デキストロースは、Mallinckrodt, Inc., Corn Products Co., CPC (UK) Ltd等のような会社から入手可能である。マンニトールおよびソルビトールはICI Americas, Inc., McKesson Chemical Co., Merck & Co., Atlas Chemical Industries (UK) Ltd.等のような会社から入手可能である。代表的な二糖類、例えば乳糖、麦芽糖、ショ糖、トレハロース等は、McKesson Chemical Co., Aldrich Chemical Co., Inc., Great Western Sugar Co.等のような会社から入手可能である。代表的な三糖類には、容易に市販のものから入手可能なラフィノース等が含まれる。
適切なアミノ酸担体には、標準的な製薬方法の技術の下で粉末を生成できる全ての天然由来のアミノ酸が含まれ、そして非極性(疎水性)アミノ酸および極性(非荷電、正荷電および負荷電)アミノ酸が含まれ、そうしたアミノ酸は製薬用等級でありそして一般に米国食品医薬品局により安全であるとされている(GRAS)。非極性アミノ酸の代表的な例は、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファンおよびバリンである。極性で非電荷のアミノ酸にはシスチン、グリシン、グルタミン、セリン、トレオニンおよびケロシンが含まれる。極性で正に荷電したアミノ酸にはアルギニン、ヒスチジン、およびリシンが含まれる。極性で負に荷電したアミノ酸には、アスパラギン酸、グルタミン酸が含まれる。それらの中で、グリシンが好ましい。これらのアミノ酸は一般に、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー、Inc.、ミルウォーキー、ウイスコンシン州またはシグマ・ケミカル・カンパニー、セントルイス、ミズーリ州のような製薬用等級の製品を提供する、販売元から入手可能である。
必ずというわけではないが、本発明の製剤は抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ化剤、緩衝剤、溶解促進剤、浸透促進剤、電解質、芳香剤、グルコース、流動促進剤、安定剤、増量剤、凍結保護剤、可塑剤、着香料、甘味剤、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、他の保存された製剤で使用するために当業者に知られた賦形剤、またはそれらの組み合わせ、を含んでもよい。それぞれの必要に応じて、これらの物質は独立して活性薬含有粒子または担体粒子に含まれてもいい。例えば、担体は1またはそれ以上のこれらの物質を含んでいてもよく、そして活性薬剤含有粒子はまた1またはそれ以上のそれらの材料を含んでもよい。
本願で用いられる「流動促進剤」という表現は、ドライパウダーの流動性を促進するために用いられる物質を意味する。そうした化合物には、非限定的な例として、ステアリン酸マグネシウム、ドデシル硫酸ナトリウム、コロイド状シリカ、コーンスターチ、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状ケイ素、ケイ酸ヒドロゲル、および他の当業者に知られている物質が含まれる。
本願で用いられる「抗酸化剤」という表現は、酸化を防止する物質を意味し、したがって酸化過程による製剤の劣化を防止するために用いられる。そうした化合物には、非限定的な例として、アセトン、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、クエン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、チオグリコール酸、EDTA、ペンテテート、およびメタ重亜硫酸ナトリウム、ならびに他の当業者に知られているものが含まれる。
本願で用いられる「アルカリ化剤」という表現は、本発明のドライパウダーを水に晒した場合にアルカリ性媒体を与えるために用いられる化合物を意味する。そうした化合物には、非限定的な例として、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、有機アミン塩基、アルカリ性アミノ酸およびトロラミン、ならびに他の当業者に知られているものが含まれる。
本願で用いられる「酸性化剤」という表現は、本発明のドライパウダーを水に晒した場合に酸性媒体を与えるために用いられる化合物を意味する。そうした化合物には、非限定的な例として、酢酸、酸性アミノ酸、クエン酸、フマル酸および他のαヒドロキシ酸、塩酸、アスコルビン酸、リン酸、硫酸、酒石酸および硝酸、ならびに他の当業者に知られているものが含まれる。
本願で用いられる「緩衝剤」という表現は、異なったpHの媒体に晒した場合のpHの変化に抵抗するために用いられる化合物を意味する。本発明で緩衝剤は、pHを約2と約8、約3から約7、または約4から約5の間の範囲に調整するために用いられる。ドライパウダーのpHを制御することによって、呼吸管に対する刺激を最小化する。そうした化合物には、非限定的な例として、酢酸、酢酸ナトリウム、アジピン酸、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、クエン酸、グリシン、マレイン酸、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、HEPES、乳酸、酒石酸、メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、一塩基酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリス、酒石酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウム無水物および二水和物、ならびに他の当業者に知られているものが含まれる。他の緩衝剤には、クエン酸/リン酸混合物、酢酸塩、バルビタール、ホウ酸塩、ブリットン−ロビンソン(Britton-Robinson)、カコジル酸塩、クエン酸塩、コリジン、ギ酸塩、マレイン酸塩、マクルバイン(Mcllvaine)、リン酸塩、プリドー−ワード(Prideaux-Ward)、コハク酸塩、クエン酸塩−リン酸塩−ホウ酸塩(テオレル−スタンハーゲン(Teorell-Stanhagen))、酢酸ベロナール、MES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)、BIS−TRIS(ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン)、ADA(N−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸)、ACES(N−(カルバモイルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−N,N'−ビス(2−エタンスルホン酸))、MOPSO(3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、BIS−TRISプロパン(1,3−ビス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)プロパン)、BES(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸)、MOPS(3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸)、TES(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸)、HEPES(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(2−エタンスルホン酸)、DIPSO(3−(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、MOBS(4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸)、TAPSO(3−(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、TRIZMATM(トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン)、HEPPSO(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、POPSO(ピペラジン−N,N'−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、TEA(トリエタノールアミン)、EPPS(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(3−プロパンスルホン酸)、TRICINE(N−トリス(ヒドロキシメチル)−メチルグリシン)、GLY−GLY(グリシルグリシン)、BICINE(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン)、HEPBS(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'−(4−ブタンスルホン酸))、TAPS(N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸)、AMPD(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール)、および/または他の当業者に知られた緩衝剤が含まれる。
親水性重合体は、シクロデキストリンを含有する製剤の性能を改良するために用いることができる。Loftssonは、シクロデキストリン(非誘導体化または誘導体化)と組み合わせて使用してシクロデキストリンの性能および/または特性を増強させるために適している数多くの重合体を開示した。好適な重合体は、Pharmazie (2001), 56(9), 746-747; International Journal of Pharmaceutics (2001), 212(1), 29-40; Cyclodextrin: From Basic Research to Market, International Cyclodextrin Symposium, 10th, アン・アルバー、ミシガン州、米国、2000年5月21〜24 (2000), 10-15(ワッカー・バイオケム・コープ、アドリアン、ミシガン州); PCT国際公開WO 9942111; Pharmazie, 53(11), 733-740 (1998); Pharm. Technol. Eur., 9(5), 26-34 (1997); J. Pharm. Sci. 85(10), 1017-1025 (1996);欧州特許出願公開EP0579435; Proceedings of the International Symposium on Cyclodextrins, 9th, サンチアゴ・デ・コモステラ、スペイン、1998年5月31日〜6月3日 (1999), 261-264 (編集者:Labandeira, J. J. Torres; Vila-Jato, J. L. Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, Neth); S.T.P. Pharma Sciences (1999), 9(3), 237-242; ACS Symposium Series (1999), 737(Polysaccharide Applications), 24-45; Pharmaceutical Research (1998), 15(11), 1696-1701;Drug Development and Industrial Pharmacy (1998), 24(4), 365-370;International Journal of Pharmaceutics (1998), 163(1-2), 115-121;Book of Abstracts, 216th ACS National Meeting, ボストン、8月23日〜27日(1998), CELL-016, American Chemical Society; Journal of Controlled Release, (1997), 44/1 (95-99); Pharm.Res. (1997) 14(11), S203; Investigative Ophthalmology & Visual Science, (1996), 37(6), 1199-1203; Proceedings of the International Symposium on Controlled Release of Bioactive Materials (1996), 23rd, 453-454; Drug Development and Industrial Pharmacy (1996), 22(5), 401-405; Proceedings of the International Symposium on Cyclodextrins, 8th, ブダペスト、3月31日〜4月2日(1996), 373-376. (編集者: Szejtli, J.; Szente, L. Kluwer: ドルドレヒト、オランダ); Pharmaceutical Sciences (1996), 2(6), 277-279; European Journal of Pharmaceutical Sciences, (1996) 4(SUPPL.), S144; Third European Congress of Pharmaceutical Sciences 、エジンバラ、スコットランド、英国、9月15〜17日、1996;Pharmazie, (1996), 51(1), 39-42;Eur. J. Pharm. Sci. (1996), 4(Suppl.), S143;米国特許 5,472,954および5,324,718;International Journal of Pharmaceutics (オランダ), (12月29日, 1995) 126, 73-78; Abstracts of Papers of the American Chemical Society, (4月2日、1995) 209(1), 33-CELL; European Journal of Pharmaceutical Sciences, (1994) 2, 297-301; Pharmaceutical Research (ニューヨーク), (1994) 11(10), S225;International Journal of Pharmaceutics (オランダ), (4月11日, 1994) 104, 181-184;およびInternational Journal of Pharmaceutics (1994), 110(2), 169-77、に開示されており、これらは全体で参照により本願明細書に組み込まれる。
他の適切な重合体は、医薬製剤の分野で普通に使用されている周知の賦形剤であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版、Alfonso R. Gennaro (editor), Mack Publishing Company, イーストン、ペンシルバニア州, 1990, pp. 291-294;Alfred Martin, James Swarbrick and Arthur Commarata, Physical Pharmacy. Physical Chemical Principles in Pharmaceutical Sciences,第3版 (Lea & Febinger, フィラデルフィア、ペンシルバニア州, 1983, pp. 592-638); A.T. Florence and D. Altwood, (Physicochemical Principles of Pharmacy, 第2版, MacMillan Press, ロンドン, 1988, pp. 281-334、に含まれている。本願明細書で引用されたこれらの文献の全体の開示、参照により本願明細書に組み込まれる。さらに他の好適な重合体には、水溶性天然重合体、水溶性半合成重合体(例えば、セルロースの水溶性誘導体)および水溶性合成重合体が含まれる。天然重合体には、イヌリン、ペクチン、アルギン誘導体(例えば、アルギン酸ナトリウム)および寒天のような多糖類、ならびにカゼインおよびゼラチンのようなポリペプチドが含まれる。半合成重合体には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなそれらの混合型エーテル、ならびにヒドロキシエチルエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートおよびカルボキシメチルセルロースのような他の混合型エーテル;ならびにそれらの塩、特にカルボキシメチルセルロースナトリウム、が含まれる。合成重合体には、ポリオキシエチレン誘導体(ポリエチレングリコール)およびポリビニル誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびスルホン酸ポリスチレン)および各種のアクリル酸の共重合体(例えばカルボマー)が含まれる。他の、ここで挙げられなかった、天然、半合成および合成重合体で、水溶性、製薬的な受容性および薬理学的不活性の基準に合致するものは、同様に本発明の範囲内にあるものと考えられる。
溶解促進剤を本発明のドライパウダーに加えることができる。溶解促進剤は呼吸管の内面のような、水性または湿潤環境中で、活性薬剤の溶解性を促進できる化合物または複数の化合物である。好適な溶解促進剤には、1またはそれ以上の有機溶媒、洗剤、石鹸、界面活性剤、および他の、特定の薬物の溶解性を促進するために、一般的に非経口製剤で用いられる有機化合物が含まれる。好適な有機溶媒には、例えばエタノール、グリセリン、ポリ(エチレングリコール)、プロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、ポロクサマー、および他の当業者に知られたものが含まれる。
本願で用いられる「凍結保護剤」という表現は、活性薬を凍結中の物理的または化学的崩壊から保護するために用いられる化合物を意味する。そうした化合物には、非限定的な例として、ジメチルスルホキシド、グリセロール、トレハロース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、および他の当業者に知られているものが含まれる。
可塑剤もまた本発明の調製物中で、それの性質および特性を修飾するために含めることができる。本願で用いられる「可塑剤」という表現は、本発明で用いられる重合体または結合剤を可塑化または軟化できる全ての化合物を含む。可塑剤は、重合体または結合剤の融点またはガラス転移温度(軟化点温度)を低下できなければならない。低分子量PEGのような可塑剤は、一般に、それらが含まれている重合体の平均分子量を広げ、それによりそのガラス転移温度または軟化点を低下させる。可塑剤はまた一般に重合体の粘度を減少させる。可塑剤が、本発明の浸透性器具にいくつかの特に好ましい物理的特性を付与することが可能である。
本発明で有用な可塑剤には、非限定的な例として、低分子量重合体、オリゴマー、共重合体、油類、有機小分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール類、エステル型可塑剤、グリコールエーテル類、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロック重合体、シングルブロック重合体、低分子量ポリ(エチレングリコール)、クエン酸エステル型可塑剤、トリアセチン、ポリエチレングリコールおよびグリセリンが含まれる。そうした可塑剤にはまた、エチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよび他のポリ(エチレングリコール)化合物、モノプロピレングリコール・モノイソプロピルエーテル、プロピレングリコール・モノエチルエーテル、エチレングリコール・モノエチルエーテル、ジエチレングリコール・モノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチルおよびグリコール酸アリル、を含むこともできる。全てのそうした可塑剤は、アルドリッチまたはシグマ・ケミカルCoのような供給元から購入可能である。可塑剤の組み合わせを本発明の製剤で用いることができるということも意図されており、そして本発明の範囲内である。PEGベースの可塑剤は購入可能であり、またはPoly(ethylene glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications (J.M. Harris, 編; Plenum Press, NY)に開示されているような各種の方法で作成することもでき、その開示は参照によって本願明細書に組み入れられる。
本願で用いられる「着香料」という表現は、好ましい香りおよびしばしば芳香を医薬製剤に付与するために用いられる化合物を意味する。例示的な着香料または着香物質(flavorants)には、合成フレーバーオイルおよ着香性芳香物質(flavoring aromatics)ならびに/または天然油、植物、葉、果実等からの抽出物、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。これにはまた、シナモン油、冬緑油、ハッカ油、丁子油、月桂樹油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、杉葉油、ナツメグ油、セージ油、苦扁桃油およびカッシア油も含まれる。他の有用な着香料には、バニラ、柑橘油、例えばレモン、オレンジ、ブドウ、ライムおよびグレープフルーツ、ならびに果実エッセンス、例えばリンゴ、ナシ、モモ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット等が含まれる。特に有用であることがわかった着香料には、市販のオレンジ、ブドウ、サクランボおよび風船ガム香料およびそれらの混合物が含まれる。着香料の量は、所望の官能性効果を含む、数多くの要因に依存する場合がある。特に挙げられる着香料は、ブドウおよびサクランボ香料ならびにオレンジのような柑橘類の香料である。
本願で用いられる「甘味剤」という表現は、製剤に甘味を付与するために用いられる化合物を意味する。そうした化合物には、非限定的な例として、アスパルテーム、デキストロース、グリセリン、マンニトール、サッカリンナトリウム、ソルビトール、果糖、ブドウ糖果糖液糖、マルトデキストリン、スクラロース、ショ糖、他の当業者に知られているもの、およびそれらの組み合わせが含まれる。
本願で用いられる「浸透促進剤」は、組織に対する活性薬剤の浸透を促進させる物質または物質の組み合わせである。本発明の製剤に含むことができる浸透促進剤には、例えば、それに限定されないが、EDTA、メチル化β−シクロデキストリンおよびポリカルボン酸のようなカルシウムキレート化剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、カルニチン、カルニチンエステルおよびツイーンのような界面活性剤;タウロコール酸ナトリウムのような胆汁酸塩;オレイン酸およびリノレイン酸のような脂肪酸;ならびに、AZONETM及びジアルキルスルホキシドのような非界面活性剤;AV171(アイマックス・インク(AyMax, Inc.)、サウスサンフランシスコ、カリフォルニア州)、コハク酸D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000(TPGS)およびハッカ油のようなE−フラックス阻害剤(E-flux inhibition);N−メチルキトサン、N−トリメチルキトサン、モノ−N−カルボキシメチルキトサン、四級化キトサン誘導体のようなキトサンおよびキトサン誘導体;SNAC(N−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリレート)およびSNAD(N−[10−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−デカノエート)(エミスフェア・テクノロジー・インク、タリータウン、ニューヨーク州);N−アシル化・非αアミノ酸;HEMISPHERE商標の送達剤;Gelucire 44/14 またはビタミンE TPGS;CARBOPOL(R) 934P;その他の当業者に知られたもの、ならびにそれらの組み合わせ、が含まれる。
本願で用いられる、芳香剤は、検出可能な芳香、香気または微香を付与する、相対的に揮発性の物質または物質の組み合わせである。例示的な芳香剤には、FD&Cとして一般に受容されているものが含まれる。
「表面張力調節剤」とは、本発明の組成物の表面特性を調節できる物質または物質の組み合わせである。表面張力調節剤には、界面活性剤、洗剤または石鹸を含まれ得る。それは担体粒子、活性薬含有粒子またはその両方に中に含めることができる。
「密度調節剤」とは、本発明の組成物中に、その密度を増加または減少させるために含まれる物質または物質の組み合わせである。それは担体粒子、活性薬含有粒子またはその両方に中に含めることができる。密度調節剤は、担体からの活性薬の分散を亢進するために、担体の密度を(必要に応じて)増減させるために使用することができる。同様に、密度調節剤は、活性薬含有粒子の密度を(必要に応じて)増減させるために使用することができる。
「揮発性調節剤」とは、活性薬剤の揮発性を調節するために加えられる物質または物質の組み合わせである。一つの実施態様では、揮発性調節剤は活性薬の揮発性を増加させる。他の実施態様では、揮発性調節剤は活性薬の揮発性を減少させる。
本願で用いられている「安定剤」という表現は、薬物の治療的活性を減少させる、物理的、化学的または生化学的過程に対して、活性薬を安定化させるために使用する化合物を意味する。適切な安定剤には、例えばそれに限定はされないが、アルブミン、シアル酸、クレアチニン、グリシンおよび他のアミノ酸、ナイアシンアミド、アセチルトリプトファンナトリウム(sodium acetyltryptophonate)、酸化亜鉛、ショ糖、グルコース、乳糖、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、カプリル酸ナトリウムおよびサッカリンナトリウムおよび他の当業者に知られたものが含まれる。
本願で用いられている「増量剤」という表現は、凍結乾燥生成物にかさを与えおよび/または凍結乾燥の間に製剤特性の制御を補助するために使用する化合物を意味する。そうした化合物には、例えばそれに限定はされないが、デキストラン、トレハロース、ショ糖、ポリビニルピロリドン、乳糖、イノシトール、ソルビトール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、アルブミン、ラクトビオン酸カルシウム、および他の当業者に知られたものが含まれる。
医薬製剤の技術分野で用いられている化合物は、通常様々な機能または目的を与えていることを理解しなければならない。したがって、本願明細書で挙げられた名前の化合物がただ一度記述されていたり、または本願明細書において1またはそれ以上の表現を定義するために用いられたりしている場合は、その目的または機能は、その記述された目的または機能のためのみに限定して解釈するべきではない。
本発明の製剤中に含まれている活性薬は、その製薬的に受容できる塩として存在できる。本願で用いられる「製薬的に受容できる塩」とは、必要により活性薬を酸または塩基と反応させることにより活性薬を修飾して、イオン性結合対を形成させた開示化合物の誘導体を意味する。例示的な製薬的に受容できる塩には、例えば非毒性の無機または有機酸から形成された親化合物の従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩が含まれる。好適な非毒性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸および他の当業者に知られたもののような無機酸から誘導されたものが含まれる。この塩は、アミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、および他の当業者に知られたもののような有機酸から製造される。本発明の製薬的に受容できる塩は、塩基性または酸性部分を含む親活性薬から、従来の化学的方法により合成することができる。他の好適な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第17版, Mack Publishing Company, イーストン、ペンシルバニア州、1985に記載されており、この関連する開示は参照により本願に組み入れられる。
「製薬的に受容できる」という表現は、本願明細書では、妥当な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは面倒な事態なしに、接触させて使用するのに適し、合理的な利益/危険性比に相応した、化合物、物質、組成物、および/または投与剤形を意味するために用いられている。
本願で用いられている「患者」または「対象」という表現は、哺乳類、例えばネコ、イヌ、マウス、モルモット、ウマ、ウシ、ヒツジおよびヒトのような温血動物を意味する。
本発明の製剤は、有効量で存在する活性薬を含むことになる。「有効量」という表現は、必要なまたは所望の反応を引き出すために十分な活性薬の量、言葉を変えれば、対象に投与した場合に適切な生物学的反応を引き出すために十分な量、を意味する。
上記の説明および下記の実施例によって、当業者は、過度の実験を必要とせずに、特許請求された本発明を実施することが可能となる。前記の記載は、本発明による製剤の製造のための特定の方法を詳述する以下の実施例を参照することにより、より良く理解されよう。これらの実施例になされる全ての言及は例示の目的である。以下の実施例は、完全なものとして理解すべきではなく、単に本発明の範囲内と考えられる多くの実施態様のほんの少数を例示するに過ぎない。
〔実施例1〕
本発明の例示的な製剤は以下の一般的な方法により作成された。
方法A
シクロデキストリンを含有する固体組成物を、活性薬を含有する固体組成物と均質になるまで混合する。この物質は、過剰の湿気への暴露を最小限にするために、環境を制御した雰囲気下に維持する。シクロデキストリン含有および活性薬含有組成物は約10質量%未満の水を含んでいる。この工程は、好ましくは、だが場合により、無水的または実質的に無水的(相対湿度の30%、20%または10%未満)な雰囲気下で実施される。二つの組成物を混合することはまた、同時にその磨砕を含んでもいいし、または磨砕は別の工程段階で実施することができる。例えば、シクロデキストリン含有組成物および活性薬含有組成物は互いに、混合前に別々に磨砕される。混合が完了した後に、ドライパウダー製剤は場合により個別のDPI器具のリザーバに分配され、それを次に密閉する。この工程は真空内または陽圧下で実施される。
方法B
シクロデキストリンを含有する粒子担体は磨砕され、そして場合により所望の粒子径分布を得るために篩にかけられる(篩別される)。活性薬を含有する粒子組成物は磨砕され、そして場合により所望の粒子径範囲を得るために篩にかけられる。この二つの得られた物質を固体混合機で均質になるまで混合し、担体と活性薬含有粒子の連結を最適化して本発明のドライパウダーを形成する。このドライパウダーは次に複数の別々のDPI器具のリザーバに充填され、それを次に密閉する。この工程は、実質的に無水雰囲気下で、そして場合により不活性気体のパージを伴って実施される。
方法C
乳糖とカプチゾール(R)(SAE−CD;SBE7−β−CD)の混合物を、それぞれ2質量%の微細化した薬物を含む、1gのバッチで調製した。予混合物(pre-blend)を、小スパチュラ(spatula)付のガラスバイアル中で、薬物と担体の混合による幾何学的希釈(geometric dilution)を用いて調製した。この予混合物をターブラー・ミキサー(グレン・ミルズ、ニュージャージー州)を用いて混合した。この予混合物を最大回転速度で10分間混合した。混合物の均質性は、それぞれの混合物から採取した無差別試料(5×20mg)を用いて調べた。それぞれの試料の薬物含量は紫外分析を用いて測定した。平均薬物含量、標準偏差および変動係数を決定した。
〔実施例2〕
SAE−CD含有担体の製造
方法A
SAE−CD担体は以下のように泡状物から誘導される。SAE−CDの水溶液が提供され、そして場合により不活性気体で溶液中を泡立てた。この溶液は、泡状物の形成を達成するのに十分な大きさの粘度を有するべきである。一般に、SAE−CDは、約10質量%から80質量%、または20質量%から75質量%、または30質量%から65質量%の濃度で存在している。この溶液は、攪拌機を備えた凍結装置に置かれる。(例示的な機器は、エレクトロフリーズ・モデル30TN−CAD−132。)泡状混合物を攪拌するにつれて、装置中で徐々に凍結し、凍結泡状物を形成する。凍結泡状物は次に、例えば凍結乾燥により、脱水化され、脆い多孔性材料を形成し、これは磨砕されて、好適な粒子径範囲を有する担体を提供する。
方法B
SAE−CD担体は、以下のFSD−16流動スプレードライ装置中でスプレー凝集化によって製造される。20.1〜49.8%固体でのカプチゾール(R)の数個の溶液を、FSD−16中で1,500〜2,000psigの噴霧圧でスプレーシステム加圧ノズルを用いて凝集化した。工程の条件は、入口/出口の温度が210〜250/83〜100℃、流動床入口温度が80〜100℃、および流動生成物床温度が67〜87℃であった。ノズルでのおよびチャンバー・コーンでの微粉の戻り(fines return)を別々の操作の間に調べた。乾燥用の気体流は電気的に加熱する。
SAE−CDを含有する仕込み(feed)溶液を、仕込槽中で加熱および攪拌しながら必要量の水に粉末成分を添加することで調製した。最終的な仕込製剤は約11〜32cpsの粘度を有する。
典型的なFSD凝集体が、全ての操作の間に得られた。分析の結果、生成物は175〜277ミクロンのメジアン径、3.17〜5.19%の残留揮発物(含水量)、および0.34〜0.55g/ccのかさ密度を有していた。
方法C
SAE−CD担体は泡状物から以下の代替法により調製される。SAE−CD(30質量%)を含有する水溶液に窒素をパージし、凍結機/攪拌機を組み合わせたエレクトロフリーズTM30TN−CAD−132中で処理し、凍結泡状物を得る。この凍結泡状物を次に凍結乾燥して、脆い多孔性粒子ガラスを得た。この粒子材料を40−メッシュの篩に通す。篩で保持された物質を、ターブラーTM転倒混合機でその全てが40−メッシュの篩を通過するまで磨砕する。この物質は、3.4%の含水量と約−6.5nC/gの静電荷を有していた。これを次に30%相対湿度で約24時間、周囲温度で平衡化し、静電荷を約−2.5nC/gまで減少させた。
方法D
SAE−CD担体は泡状物から以下の代替法により調製される。SAE−CD、および場合により1またはそれ以上の他の物質を含有する水溶液を、少なくとも1つの加熱ドラムを有するドラム乾燥機(例えば、バフロバックLLC、バッファロー、ニューヨーク州)中で処理する。減圧下、ドラムに溶液を注入するにつれて、水が蒸発し後に低い含水量(10質量%未満)を有する脆い泡状物(または薄片)を残すことによって、溶液が泡状物に変換する。この泡状物は次にドラム表面からかきとって取り出す。乾燥した泡状物を次に、本願中で詳しく記載したように、所望の粒子径範囲まで磨砕する。真空ドラム乾燥機は、単一または二個のドラム乾燥機であってよい。少なくとも1つの内部の加熱ドラムを持っていなければならない。用いた乾燥機の構造に依存して、バッチ、半連続的または連続的なモードで操作できる。仕込み溶液中のSAE−CDの質量百分率は、必要な場合は、所望の溶液粘度、工程動作または生成物の品質を得るために、調節することができる。仕込み溶液の粘度の変更により泡層の厚みを変えることができる。水溶性有機溶媒、例えばアルコールまたはエーテル、を場合により仕込み溶液に加える。水不溶性の物質を場合により仕込み溶液中に含める。水を蒸発させる前に、SAE−CD溶液は場合により真空に晒すかおよび/または不活性気体で処理することによって脱気される。「脱気された」という表現は、溶液中に存在する空気または気体の濃度が減少したことを意味する。
〔実施例3〕
ドライパウダー製剤、活性薬含有製剤およびSAE−CD含有担体の粒子径分布の測定
乳糖、マルトデキストリンおよびカプチゾール(R)の粒子径分布はレーザー回折(マルバーン、2600c、マルバーン、イギリス)により、ドライパウダー供給装置(マルバーン、PS40、マルバーン、イギリス)を用いて、15psiで操作して、測定した。粉末は、統計的妥当性のために、500検出掃引(detector sweep)を用いて試料採取した。適切なデータ取得を確保するために、あいまいな数値を監視した。300mmの焦点長の検出レンズを用いて、5.8から564mmの径範囲が与えられた。他のレーザー回折粒子径測定をサイデックス(Cydex)が堀場の機器を用いて行った。
実施例2の方法Aにしたがって調製した例示的なSAE−CD担体に関する粒子径分析は以下の表に含まれる。
Figure 2007534693
〔実施例4〕
ドライパウダー製剤、活性薬含有製剤およびSAE−CD含有担体の含水量の測定。含水量をカール・フィッシャーまたはモイスチャー・バランス(moisture balance)法により測定した。
モイスチャー・バランス
メトラー・トレドLJ16モイスチャー・バランス(メトラー・トレド、コロンバス、オハイオ州)を用いて選択した粉末試料を赤外加熱に晒し粉末試料の質量消失を測定した。粉末を秤量し(各試料につき約1g)、そして以下の加熱プログラムを実施した:105℃、30分間。このプログラムの完了時、質量消失の百分率を計算した。
〔実施例5〕
SAE−CD含有担体の形態(例えば、表面の皺度)の測定
担体粒子の表面形態を、走査電子顕微鏡(SEM)により視覚的に測定した。試料は両面テープを用いて試料スタブ(stub)上に粘着させ、パラジウム/金−被覆し、そして10キロボルト(kV)の電位差を用いて視察した。
〔実施例6〕
SAE−CD含有担体の流動および微流動特性の測定。粉末系の流動性は、静的および動的の両方の方法を用いて測定した(Carrの圧縮率指数、静的安息角、振動スパチュラ−歪みゲージ実験、および回転ドラム)。
静的安息角
漏斗をリングスタンド中に設置し、そして高さを漏斗の底部がグラフ用紙片の2インチ上にくるように設定した。漏斗の底部を塞ぎながら、漏斗を粉末で満たした。粉末を放出し、そして形成されたピラミッドの底部と高さを測定した。以下の数式が静的安息角を決定するために用いられた。
Figure 2007534693
(式中、αは安息角、hはピラミッドの高さ、そしてbは底部の直径である。)
Carrの圧縮率指数
かさ密度(bulk density)は、粉末を10mLの目盛り付シリンダーに入れて測定した。粉末の体積と質量を記録し、単位体積当たりの質量(g/mL)を測定した。タップ密度(tapped density)を測定するために、目盛り付シリンダーを2秒毎に1インチの高さから木製表面へ、粉末の高さが変わらなくなるまで、落下させた。この粉末の体積と質量を使用して、単位体積当たりの質量(g/mL)を測定した。データはCarrの圧縮率指数を用いて表した。
振動スパチュラ
振動スパチュラ法を使用して、回転ドラム実験のものより高いエネルギー流動条件での粉末の動的流動特性を測定した。
振動スパチュラ器具は、粉末流動の質量対時間のプロフィールを知るために構築された、粉末流動測定器具である。振動スパチュラ(メトラーLV3、メトラー・トレド、コロンバス、オハイオ州)から粉末収集表面上へと流れる粉末は、収集表面の上下に装着された半導体歪みゲージ(ミクロン・インストルメント、シミ・バレイ、カリフォルニア州)で抵抗の変化と偏向を生じる。差電圧の増幅(BP−3629、バー・ブラウン(Burr Brown)、ツーソン、アリゾナ州)後、質量データを、PCデータ取得モジュール(DI−170、ダタック・インストルメント、アクロン、オハイオ州)により抽出した。データ収集速度は使用者が1〜400Hzの範囲で選択可能であった。フィルター制御および続くストライド長の分析はマットラブ(Matlab)(ザ・マスワークス(The Mathworks)、ナチック、マサチューセッツ州)環境下(higuchigui.m)で書かれた画像ユーザーインターフェース(GUI)により制御された。
時間的フラクタル次元ルーチンは時系列のフラクタル次元を測定するヒグチ法を修正して用いた。このルーチンは、タイムアップ時の一つのデータポイントから曲線のデータポイントの数の半分までの範囲のストライド長を用いて、曲線の長さを計算する流動プロフィールを通して反復して進めた。フラクタル次元は、曲線の長さの対数をストライド長の対数の関数としてグラフにした、リチャードソン・プロットの直線部分の傾斜から、線形最小自乗回帰法により決定した。フラクタル次元は、各粉末試料に関する粉末流動系列の3回の反復から計算した。フラクタル次元は、3つの異なったフラクタル次元の測定の平均として得られた。この3つの測定は、流動の開始および終了点、開始から中間および中間から終了を用いて得られた。このアプローチは、データ系列の全ての特定の不規則な部分の影響を減少させるために用いられた。
回転ドラム
ミクロメリティクス回転ドラム機器を、動的条件における粉末流動特性を分析するために使用した。30mLのカプチゾール(R)(ロット番号02047)の試料(試料サイズは体積による)をドラムホルダーに置き、そしてドラムの回転速度を1分あたり2回転とした。定量的分析は、流動パターンがアルゴリズムに適合できなかったので行わなかった。
〔実施例7〕
SAE−CD含有担体および活性薬剤含有組成物の静電荷の測定
静電荷測定を、伝導表面上への粉末流動の間の時間の関数として電位差の変化を測定するファラディ・ケージ装置を用いて行った。試料を秤量し、そして元の容器から蝋で被覆した秤量用紙へと移した。これらは振動スパチュラに装填された(最大の振動レベルに設定)。スパチュラの角度は一定の角度(30度)に設定した。粉末を、電位計に接続したファラディ・ケージに分配した。データ収集はワインダック(Windaq)インターフェースおよび240HzでのPCコンピューター抽出を用いて行った。静電荷損失曲線下の面積を測定し(電圧×時間)そして電荷(nC/g)を設備の知られている抵抗から計算した。
〔実施例8〕
活性薬含有組成物からのSAE−CD含有担体の分散(解離)の測定。モデル担体系からの薬物の分散は、二段液体インピンジャーまたは8段ノンバイアブル(non-viable)カスケード・インパクターのいずれかを備えた、各種のシステム(標準化した飛沫同伴チューブおよび吸入器具)を用いて評価した。
二段液体インピンジャー試験
乳糖およびカプチゾール(R)中でのアルブテロール混合物のインビトロでのエアロゾル分散を、液体インピンジャー器具を用いて測定した。インパクション(impaction)の前に吹き口で測定して60L/分の空気流速を、5秒間用いた。分散試験に用いた吸入器具は、ロタヘイラー(グラクソスミスクライン、RTP)およびインヘレター(ベーリンガー・インゲルハイム、ドイツ)であった。粉末は、20mgの用量でゼラチン硬カプセルに充填した。
カスケード・インパクション
インビトロでのエアロゾル分散効率を、8段ノンバイアブルカスケード・インパクター(グラーゼビイ−アンダーソン、ジョージア州)を用いて測定した。インパクションの前に吹き口で測定して60L/分の空気流速を、吸入器具の作動に続いて10秒間用いた。60L/分での各段階での理論的な空気力学的カットオフの直径は以下の表に表示している。
Figure 2007534693
各インパクション・プレートは、ケイ素流体のヘキサン中1%w/v溶液で予被覆され、インパクションまで乾燥させた。プレセパレーターは10mLの蒸留水を含んでいた。インパクションの後、吸入器、スロートおよびプレセパレーター、各インパクション・プレートおよびステージは、蒸留水で洗浄された。洗浄液を回収し、そして薬物含量を測定した(例数=3)。周囲環境の温度および相対湿度は、各インパクションの前に測定した。分散試験に用いた吸入器具は、ロタヘイラー(グラクソスミスクライン、RTP、ノースカロライナ州)およびインヘレター(ベーリンガー・インゲルハイム、ドイツ)であった。製剤は、担体混合物中の2質量%の薬物を用いて試験した。粉末は、20mgの粉末用量でゼラチン硬カプセル(サイズ3、イーライ・リリイ・アンド・Co、インディアナ州)に充填した。
回収された用量(RD)は、回収された薬物粒子の総質量として定義された。放出用量(ED)は、RDの百分率で表現された、吸入器から放出された粒子の質量として定義された。微粒子質量(FPM)は、4μmの空気力学的径(ステージ2またはそれ以下で沈着した粒子)より小さな分散粒子の質量として定義された。微粒子画分(FPF)は、RDの百分率で表現された、4μmの空気力学的径(ステージ2またはそれ以下で沈着した粒子)より小さな分散粒子の質量として定義された。空気力学的質量メジアン径(MMAD)は、質量による空気力学的粒子径分布の50番目の百分位数として計算された。幾何学的標準偏差(GSD)は、対数正規分布を仮定して、84番目の百分位数から50番目の百分位数までの粒子径の比として計算された。MMADおよびGSDは、エクセルのテンプレートを用いた空気力学的径の対数の関数として、累積した質量分布のプロット(16番目と84番目の百分位数の間)の直線領域から決定された。直線回帰は、最小自乗回帰法を用いて行った。
〔実施例9〕
対照試験のために用いた物質:各種の形状:入手したバルクの粉末、篩別した画分45〜75μm、75〜125μm、の乳糖一水和物を用いた。乳糖一水和物(マリンクロットNF(Mallinckrodt NF)、非スプレードライ;ロット番号6270KVMK)を用いた。45から75μmのサイズ画分は篩振盪機(振動型3インチ篩振盪機、モデルSS−5、ギルソン・カンパニー社、ワーシントン、オハイオ州)を用いて調製した。30gの粉末装填量を篩の上端に置き、そして2時間タップモードを使用した。複数の篩別操作のものを集めて混合した。
単一のマルトデキストリン(マルトリンQD500M(Maltrin QD 500M)、グレイン・プロセシング・コーポレーション、ロット番号M9424790)を用いた。
〔実施例10〕
SAE−CDおよび活性薬剤の各種の混合物とDPI器具との評価
3つの異なった分散器具:ロタヘイラー(Rotahalor)、インヘレター(Inhalator)、および制御型流量/圧力低下標準化飛沫同伴チューブ、からの分散試験を行った。分散試験に用いられた吸入器は、ロタヘイラー(グラクソ・ウエルカム、RTP)およびインヘレター(ベーリンガー・インゲルハイム)であった。粉末は、20mg用量でゼラチン硬カプセルに充填された。用いた器具は、以下の表に示すように、低抵抗性吸入器(ロタヘイラー)および高抵抗性吸入器(インヘレター)の例である。
Figure 2007534693
〔実施例11〕
示差走査熱量測定はパーキン・エルマーDSC6を用いて行った。試験試料は、カプチゾール(R)スプレードライバッチ(ロット番号CY3A02047)から得られたものであった。この試料は、アルミニウム皿に密封した(試料質量は5から10mgの間である)。加熱プログラムは以下のようであった:
1.80.00℃で1.0分間保持する。
2.30℃/分の割合で80℃から300℃まで加熱する。
3.装填温度に戻す。
ピーク温度、ピーク面積、およびエンタルピーは、PEピリス(Pyris)ソフトウエアを用いて算出した。
〔実施例12〕
表面積分析は、ミクロメリティクス(Micromeritics)(ノルクロス、ジョージア州)表面分析装置上で、多点BETを用いて行った。使用したパージガスは、70/30の窒素/ヘリウム混合物またはクリプトンであった。試料は、少なくとも30分間、脱気された。
〔実施例13〕
かさ密度は、粉末を10mLの目盛り付シリンダーに入れて測定した。粉末の体積と質量を記録して、単位体積当たりの質量(g/mL)を測定した。タップ密度(tapped density)を測定するために、目盛り付シリンダーを2秒毎に1インチの高さから木製表面へ、粉末の高さが変わらなくなるまで、落下させた。この粉末の体積と質量を使用して、単位体積当たりの質量(g/mL)を測定した。データはCarrの圧縮率指数を用いて表した:
Figure 2007534693
〔実施例14〕
分光蛍光測定または紫外/可視アッセイ法を、硫酸アルブテロールを測定するために使用した。標準および試験溶液は、蒸留水を溶媒として用いて調製した。蛍光吸光度(ルミネセンス分光光度計、パーキン・エルマー、ノーウォーク、コネチカット州)は、230nmの励起波長(λex)および310nmの発光波長(λem)で測定した。励起および発光の両方について2.5nmのスリット幅を用いた。石英シリカキュベット(1cmパス長)を用いた。紫外吸収は230nmの吸収波長で測定した。直線性の検量線が得られた(r2>0.99)。
〔実施例15〕
DPI器具を用いた投与に適したドライパウダー製剤は、1またはそれ以上の活性薬、実施例2(方法A)に従って製造したSAE−CD担体、および場合により、抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、緩衝剤、溶解促進剤、浸透促進剤、電解質、芳香剤、グルコース、流動促進剤、安定剤、増量剤、凍結保護剤、可塑剤、着香料、甘味剤、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、親水性重合体、水溶性重合体、またはそれらの組み合わせ、から成る群より選択された1またはそれ以上の賦形剤を含む。
以下のパラメーターが注目される。
1.1またはそれ以上の賦形剤が、担体組成物中または活性薬組成物中に含まれる。
2.SAE−CD担体が、式1のSAE−CD化合物またはその混合物を含む。
3.SAE−CD担体が、SAE−CD泡状物から誘導される。
4.SAE−CD担体が、37から125ミクロンの範囲の粒子メジアン径を有する。
5.活性薬組成物が、37ミクロン未満または約10ミクロンまたはそれ未満の範囲の粒子メジアン径を有する。
6.担体が、10質量%未満の含水率を有する。
7.担体が、−1.4から−3.7nC/gの静電荷を有する。
8.担体が、実質的に平滑な表面を有するが、いくつかの隆起を含むこともできる。
9.担体粒子が、420ミクロン篩を通過する。
〔実施例16〕
DPI器具を用いた投与に適したドライパウダー製剤は、1またはそれ以上の活性薬、SME−β−CD、SEE−β−CD、SPE−β−CD、SBE−β−CD、SPtE−β−CD、SHE−β−CD、SME−α−CD、SEE−α−CD、SPE−α−CD、SBE−α−CD、SPtE−α−CD、SHE−α−CD、SME−γ−CD、SEE−γ−CD、SPE−γ−CD、SBE−γ−CD、SPtE−γ−CDおよびSHE−γ−CDから成る群より選択されたSAE−CDを含有するSAE−CD担体、ならびに場合により、抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、緩衝剤、溶解促進剤、浸透促進剤、電解質、芳香剤、グルコース、流動促進剤、安定剤、増量剤、凍結保護剤、可塑剤、着香料、甘味剤、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、親水性重合体、水溶性重合体、またはそれらの組み合わせ、から成る群より選択された1またはそれ以上の賦形剤を含む。SAE−CD担体は、製剤の約50質量%〜99.9質量%含まれており、その粒子は420ミクロン未満のメジアン径を有する。活性薬含有組成物は、約0.1から10ミクロンの間の粒子のメジアン径を有する。担体は約1.5から2.9のスパンを有し、そしてこの担体は、泡状物を形成し、この泡状物を脱水化して固体を形成し、そしてこの固体を磨砕して粒子担体を形成することによって製造される。担体中で使用されるSAE−CDは、約1から12の範囲の平均DSを有する。
〔実施例17〕
DPI器具を用いた投与に適したドライパウダー製剤は、1またはそれ以上の活性薬を含有する第一の粒子粉末化活性薬含有組成物;ならびに、SAE−CDおよび場合により1またはそれ以上の賦形剤を含有する第二の粒子粉末担体含有組成物を含み、ここで第一および第二の粒子組成物は均質に混合されている。担体組成物は、製剤の約50質量%〜99.9質量%含まれており、その粒子は420ミクロン未満のメジアン径を有する。活性薬含有組成物は、約0.1から10ミクロンの間の粒子のメジアン径を有する。担体は約1.5から2.9のスパンを有する。第一の粒子組成物が、約−2nC/gより大きな負の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が、約0から−1.5の範囲の静電荷を有する。
〔実施例18〕
DPI器具を用いた投与に適したドライパウダー製剤は、実施例17に従って製造されるが、以下の例外を有する。第一の粒子組成物が、約−2から−0.5nC/gの範囲の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が、約−0.5から−2の範囲の静電荷を有する。
〔実施例19〕
DPI器具を用いた投与に適したドライパウダー製剤は、実施例17に従って製造されるが、以下の例外を有する。第一の粒子組成物が、約0.5から−0.5nC/gの範囲の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が、約−2から2の範囲の静電荷を有する。
〔実施例20〕
式Iまたは式IIのSAE−CDおよび場合により1またはそれ以上の賦形剤を含む、ドライパウダー粒子担体組成物は、本発明に従って、以下の特性を有するように製造される:
a)420ミクロン未満の粒子メジアン径、および/または、約37から125ミクロンまたは約10から300ミクロンの範囲の粒子メディアン径;
b)−1.4から−3.7nC/g、2から−1.5nC/g、または2から−3.7nC/gの静電荷;
c)10質量%またはそれ未満の含水率;および
d)場合により、約1.5から2.9の範囲のスパン;
e)場合により、約10%から40%までの圧縮率のCarrの指数;
f)場合により、約28から45度の静的安息角;
g)場合により、約1.00から1.31のフラクタル次元分析。
次の用語は、以下に説明されるように定義される。
Figure 2007534693
Figure 2007534693
Figure 2007534693
上記は本発明の特定の実施態様の詳細な説明である。本発明の特定の実施態様が例示のために本願明細書中に記載されているが、様々な修飾が、本発明の精神および範囲から離れることなく実施できることは理解されるだろう。したがって、本発明は添付する特許請求の範囲によるものを除いて、限定されない。本願明細書で開示され、特許請求された実施態様の全ては、本発明の開示に照らして過度の実験なしに、作り上げそして実施できる。
クロモリン(乳糖およびカプチゾール(R)磨砕型泡状物により製剤化)の微粒子画分のチャートである。 クロモリンの放出用量のチャートである。

Claims (55)

  1. a.DPIを用いて、吸入により、対象に投与するために適した活性薬を含有する粉末活性薬組成物;および
    b.DPIから活性薬の放出を助けるために十分な量で担体が存在する、SAE−CDを含有する解離可能な粉末担体;
    を含み、
    そしてその中で、
    c.粉末活性薬組成物が、約37ミクロン未満の平均粒子直径を有しており;
    d.担体が、約37から約420ミクロンの平均粒子直径を有しており;
    e.活性薬およびSAE−CDが、実質的に全ての薬物がSAE−CDと複合体を形成しないように混合されており;そして、
    f.活性薬組成物が担体全体に分散している、
    吸入可能で分散可能なドライパウダー製剤。
  2. 粉末が、
    a.吸入により投与するために適した少なくとも1つの活性薬を含有する第一の粒子組成物であって、少なくとも90%の粒子の直径が37ミクロン未満であるような粒子径分布を有している、第一の粒子組成物;および
    b.担体としてSAE−CDを含有する第二の粒子組成物であって、その中の粒子の実質的に全てかまたは少なくとも約90%が、40メッシュの篩(420ミクロン)を通過するような、粒子径分布を有している、解離可能な第二の粒子組成物;
    を含み、
    そしてその中で、
    c.第一の粒子組成物が、第二の粒子組成物全体に均一に分散している、
    物理的混合物を含有している、DPI器具を用いて対象に投与するために適合した、吸入可能な治療用ドライパウダー。
  3. 第二の粒子組成物が、顕微鏡で測定して、場合によっては隆起を有するが実質的に平滑な表面を有する、請求項2に記載のドライパウダー。
  4. 第一の粒子組成物が、10ミクロン未満のメディアン径を有する、請求項2に記載のドライパウダー。
  5. ドライパウダー製剤が、約10質量%未満の含水量を有する、請求項2に記載のドライパウダー。
  6. 第一の粒子組成物が、約−2nC/gより負の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約0から−1.5の範囲の静電荷を有する、請求項2に記載のドライパウダー。
  7. 第一の粒子組成物が、約−2から−0.5nC/gの範囲の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約−0.5から−2の範囲の静電荷を有する、請求項2に記載のドライパウダー。
  8. 第一の粒子組成物が、約0.5から−0.5nC/gの範囲の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約−2から2の範囲の静電荷を有する、請求項2に記載のドライパウダー。
  9. 第二の粒子組成物が、SAE−CDを含有する脱水した泡状物を磨砕することにより製造される、請求項2に記載のドライパウダー。
  10. 第二の粒子組成物が、より小さな粒子の凝集体である、請求項2に記載のドライパウダー。
  11. SAE−CDが、無定形で存在する、請求項2に記載のドライパウダー。
  12. 第二の粒子組成物中の賦形剤が、結晶性形態で存在する、請求項2に記載のドライパウダー。
  13. 活性薬が、結晶性形態で存在する、請求項2に記載のドライパウダー。
  14. 活性薬が、無定形で存在する、請求項2に記載のドライパウダー。
  15. 第二の粒子組成物が、その中の粒子の少なくとも50%が直径約80ミクロン未満であるような粒子径分布を有している、請求項2に記載のドライパウダー。
  16. 第二の粒子組成物が、約10から300ミクロン、25から300ミクロン、または37から125ミクロンの範囲の粒子メディアン径を有している、請求項2に記載のドライパウダー。
  17. 第二の粒子組成物が、約1.5〜2.9の範囲の粒子径分布のスパンを有している、請求項16に記載のドライパウダー。
  18. Carrの指数が、約10から40%の圧縮率の範囲である、請求項2に記載のドライパウダー。
  19. 静的安息角が、約28から45度の範囲である、請求項2に記載のドライパウダー。
  20. 第二の粒子組成物が、約1.00から1.31のフラクタル次元解析を有する、請求項2に記載のドライパウダー。
  21. 第二の粒子組成物が、約10質量%未満、8質量%未満、7質量%未満、2.5質量%未満もしくは1質量%未満の含水率、または約0.01質量%から約10質量%もしくは約0.1質量%から約5質量%の範囲の含水率を有する、請求項2に記載のドライパウダー。
  22. 粉末が、2種の異なった活性薬を含有し、
    ここで:
    1)第一の活性薬が第一の治療剤クラスのものでありそして異なった第二の活性薬剤が同じ治療剤クラスのものである;2)第一の活性薬が第一の治療剤クラスのものでありそして異なった第二の活性薬が異なった治療剤クラスのものである;3)第一の活性薬が第一の生物学的活性のタイプを有しそして異なった第二の活性薬がほぼ同じ生物学的活性を有する;および/または4)第一の活性薬が第一の生物学的活性のタイプを有しそして異なった第二の活性薬が異なった第二の生物学的活性のタイプを有する、
    請求項2に記載のドライパウダー。
  23. 第一と第二の活性薬が、第一の粒子組成物中に配置され;または、第一の活性薬が第一の粒子組成物中に配置され、そして第二の粒子組成物が第三の粒子組成物中に配置される、
    請求項22に記載のドライパウダー。
  24. 第一の活性薬が、コルチコステロイドであり、そして第二の活性薬が、B2アドレナリン受容体アゴニスト、D2受容体アゴニスト、抗コリン作用剤、IL−5阻害剤、IL−5のアンチセンス調節剤、トリプターゼ阻害剤、タキキニン受容体アンタゴニスト、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、抗IgE抗体および異なったコルチコステロイドから成る群から選択される、
    請求項22に記載のドライパウダー。
  25. さらに第二の粒子組成物中または第三の粒子組成物中に異なった担体を含有している、請求項2に記載のドライパウダー。
  26. 異なった担体が、糖質およびアミノ酸から成る群から選択される、請求項25に記載のドライパウダー。
  27. ドライパウダー組成物がさらに、抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ化剤、緩衝剤、溶解促進剤、浸透促進剤、電解質、芳香剤、グルコース、流動促進剤、安定剤、増量剤、凍結保護剤、可塑剤、着香料、甘味剤、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、親水性重合体、水溶性重合体、またはそれらの組み合わせを含有している、請求項2に記載のドライパウダー。
  28. 粉末が、
    a.吸入により投与するために適した少なくとも1つの活性薬を含有する第一の粒子組成物であって、少なくとも90%の粒子の直径が37ミクロン未満であるような粒子径分布を有している、第一の粒子組成物;および
    b.担体としてSAE−CDを含有する第二の粒子組成物であって、その中の粒子の実質的に全てかまたは少なくとも約90%が、40メッシュの篩(420ミクロン)を通過するような、粒子径分布を有している、解離可能な第二の粒子組成物;
    を含み、
    そしてその中で、
    c.第一の粒子組成物が、第二の粒子組成物全体に均一に分散し;
    d.ドライパウダー製剤が、約10質量%未満の含水率を有し;そして
    e.第二の粒子組成物が、2から−3.7nC/gの静電荷を有している、
    物理的混合物を含有している、DPI器具を用いて対象に投与するために適合した、吸入可能な治療用ドライパウダー。
  29. 約1.5〜2.9の範囲の粒子径分布のスパンを有している、請求項28に記載のドライパウダー。
  30. 第一の粒子組成物が、約−2nC/gより負の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約0から−1.5の範囲の静電荷を有する、請求項28に記載のドライパウダー。
  31. 第一の粒子組成物が、約−2から−0.5nC/gの範囲の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約−0.5から−2の範囲の静電荷を有する、請求項28に記載のドライパウダー。
  32. 第一の粒子組成物が、約0.5から−0.5nC/gの範囲の静電荷を有し、そして第二の粒子組成物が約−2から2の範囲の静電荷を有する、請求項28に記載のドライパウダー。
  33. 第二の粒子組成物が、SAE−CDを含有する脱水した泡状物を磨砕することにより製造される、請求項28に記載のドライパウダー。
  34. 第二の粒子組成物が、その中の粒子の少なくとも50%が直径約80ミクロン未満であるような粒子径分布を有している、請求項28に記載のドライパウダー。
  35. 第二の粒子組成物が、約10から300ミクロン、25から300ミクロン、または37から125ミクロンの範囲の粒子メディアン径を有している、請求項28に記載のドライパウダー。
  36. Carrの指数が、約10から40%の圧縮率の範囲である、請求項28に記載のドライパウダー。
  37. 静的安息角が、約28から45度の範囲である、請求項28に記載のドライパウダー。
  38. 第二の粒子組成物が、約1.00から1.31のフラクタル次元解析を有する、請求項28に記載のドライパウダー。
  39. さらに第二の粒子組成物中または第三の粒子組成物中に異なった担体を含有している、請求項28に記載のドライパウダー。
  40. 異なった担体が、糖質およびアミノ酸から成る群から選択される、請求項39に記載のドライパウダー。
  41. ドライパウダー組成物がさらに、抗酸化剤、酸性化剤、アルカリ化剤、緩衝剤、溶解促進剤、浸透促進剤、電解質、芳香剤、グルコース、流動促進剤、安定剤、増量剤、凍結保護剤、可塑剤、着香料、甘味剤、表面張力調整剤、密度調整剤、揮発性調整剤、親水性重合体、水溶性重合体、またはそれらの組み合わせを含有している、請求項28に記載のドライパウダー。
  42. 粉末が、2種の異なった活性薬を含有し、
    ここで:
    1)第一の活性薬が第一の治療剤クラスのものでありそして異なった第二の活性薬が同じ治療剤クラスのものである;2)第一の活性薬が第一の治療剤クラスのものでありそして異なった第二の活性薬が異なった治療剤クラスのものである;3)第一の活性薬が第一の生物学的活性のタイプを有しそして異なった第二の活性薬がほぼ同じ生物学的活性を有する;および/または4)第一の活性薬が第一の生物学的活性のタイプを有しそして異なった第二の活性薬が異なった第二の生物学的活性のタイプを有する、
    請求項28に記載のドライパウダー。
  43. 第一と第二の活性薬が、第一の粒子組成物中に配置され;または、第一の活性薬が第一の粒子組成物中に配置され、そして第二の粒子組成物が第三の粒子組成物中に配置される、
    請求項42に記載のドライパウダー。
  44. 第一の活性薬が、コルチコステロイドであり、そして第二の活性薬が、B2アドレナリン受容体アゴニスト、D2受容体アゴニスト、抗コリン作用剤、IL−5阻害剤、IL−5のアンチセンス調節剤、トリプターゼ阻害剤、タキキニン受容体アンタゴニスト、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、抗IgE抗体および異なったコルチコステロイドから成る群から選択される、
    請求項42に記載のドライパウダー。
  45. 式1または式2のSAE−CDおよび場合により1またはそれ以上の賦形剤を含む、ドライパウダー化粒子担体組成物であって、ここでこの担体組成物は以下の特性:
    a)420ミクロン未満の粒子メディアン径、および/または約37から125ミクロンまたは約10から300ミクロンの範囲の粒子メディアン径;
    b)2から−3.7nC/gの静電荷;
    c)10質量%またはそれ未満の含水率;ならびに
    d)場合により、約1.5から2.9の範囲の粒子径分布のスパン;
    e)場合により、約10%から40%までの圧縮率のCarrの指数;
    f)場合により、約28から45度の静的安息角;および
    g)場合により、約1.00から1.31のフラクタル次元解析
    を有する組成物。
  46. 活性薬を対象に送達するためのDPI器具で使用するのに適した、ドライパウダー担体組成物の製造方法であって、
    以下の工程:
    a.水、SAE−CDおよび場合により1またはそれ以上の他の物質を含有する水溶液を用意し;
    b.この溶液を泡状物へ変換し、そして場合によりこの泡状物を凍結させ;
    c.この泡状物を脱水して、粒子であってもなくてもよい、破砕性多孔質ガラスを形成し;
    d.この多孔質ガラスを磨砕し微粒子を形成し;そして
    e.この微粒子を篩にかけてドライパウダー担体を形成すること、
    を含む上記方法。
  47. ドライパウダー担体を、実質的にこの担体の全てが40−メッシュ篩を通過するまで篩にかける、請求項46に記載の方法。
  48. 溶液中に不活性ガスを泡立てることによって、この溶液を泡状物に変換する、請求項46に記載の方法。
  49. 泡状物が、凍結乾燥によって脱水される、請求項46に記載の方法。
  50. 微粒子が直径で420ミクロン未満の粒子分布メディアン径を有する、請求項46に記載の方法。
  51. 泡状物が、低エネルギー磨砕機中で磨砕される、請求項46に記載の方法。
  52. SAE−CDが、式2:
    SAEX−R−CD 式2
    (式中、
    CDは、シクロデキストリンであり;
    SAEは、スルホメチルエーテル、スルホエチルエーテル、スルホプロピルエーテル、スルホブチルエーテル、スルホペンチルエーテル、またはスルホヘキシルエーテルであり;そして
    xは、Rがα、βまたはγである場合、それぞれ1〜18、1〜21、1〜24である)
    の化合物またはその混合物である、請求項1〜51のいずれかに記載のドライパウダー製剤またはその製法。
  53. SAE−CDが、式1:
    Figure 2007534693
    [式中、
    nは、4、5または6であり;
    1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ、独立して、−O−または−O−(C2−C6アルキレン)−SO3 -基であり、ここでR1〜R9の少なくとも1つは、独立して、−O−(C2−C6アルキレン)−SO3 -基、−O−(CH2m−SO3 -基(ここでmは2〜6である)、−OCH2CH2CH2SO3 -、または、−OCH2CH2CH2CH2SO3 -であり;そして
    1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8およびS9は、それぞれ、独立して、製薬上許容できる陽イオンである]
    の化合物、またはその混合物である、請求項1〜52のいずれかに記載のドライパウダー製剤またはその製法。
  54. さらに異なるシクロデキストリンを含有する、請求項1〜53のいずれかに記載のドライパウダー製剤またはその製法。
  55. 異なるシクロデキストリンがα−CD、β−CD、γ−CD、またはそれらの誘導体である、請求項54に記載のドライパウダー製剤またはその製法。
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